JP5749107B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
また、LED光線を散乱させる目的で封止材の上に光散乱材を積層したものも多い。
LEDの封止材には、高い透明性、ガスバリア性が要求されるとともに、高い生産性も要求される。
本発明者らは、封止材に光散乱性を付与できれば従来の光散乱材が不要になり、薄膜化、小型化、軽量化に寄与でき安価になるとの着想から本発明に至った。
特許文献1は、非相溶な2種類以上の材料を混合して、海島構造を形成する技術を開示する。
しかし、同公報に開示する2種類の材料の組み合せは、シリコーン樹脂とシリコーンオイルの組み合せであり、青色LEDチップに対して黄色蛍光体粒子を混合したものである。
なお、同公報には、海、島領域の組み合せ例として、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の組み合せも記載するが、実施例は主剤ポリスチレンに硬化剤及び重合開始剤を混合し、紫外線硬化によるものである。
このような樹脂組成物は、前記成分(A)と(B)とは常温で相互に均一に分散した状態から、低温加熱により成分(A)の水酸基と成分(B)のカルボキシル基又はその無水物とが反応し、成分(A)中に成分(B)が微粒子状にミクロ相分離し、その後の高温加熱により三次元網目構造に硬化する。
この場合に成分(A)がマトリックス状の三次元網目構造を形成する。
低温加熱は成分(A)をマトリックスにし、このマトリックス中に成分(B)を微粒子状に相分離させるのが目的であり、組成により加熱温度が設定され、概ね80〜150℃である。
また、その後の高温加熱は主に成分(A)を三次元網目構造に硬化させるのが目的であり、概ね150〜250℃である。
前記成分(B)は、重量平均分子量1,000〜25,000のプレポリマーであるのが好ましく、さらに望ましくは、重量平均分子量1,000〜10,000である。
従って、エポキシ基を有する種々のプレポリマーを使用することができる。
そのようなプレポリマーとしては、例えば、エポキシ基を有する付加重合性モノマーを使用して製造することができるプレポリマーが挙げられる。
エポキシ基を有する付加重合性モノマーとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
本発明におけるプレポリマーは、ランダム重合体、ブロック重合体あるいはグラフト重合体のいずれであってもよい。
ここでエポキシ化ポリジエン化合物とは重合性のポリジエンを重合体化し、一部の二重結合をエポキシ化したものをいい、本発明で使用するエポキシ化ポリジエンは、いわゆる液状ゴムと呼ばれている中程度の分子量のポリジエン中の二重結合をエポキシ化したものである。
ポリジエンは、ブタジエン、ペンタジエン等の複数の二重結合を有する脂肪族化合物の重合によって得られる重合鎖中に複数の二重結合を有する重合体であり、例えば、ポリブタジエン、ポリペンタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリシクロペンタジエン等が挙げられる。
又、ポリジエンとしてはジエン化合物と他の化合物、例えば、エチレン、プロピレン、スチレン、アクリル酸又はアクリル酸エステル、アクリロニトリル等との共重合体でもよい。
最も好ましいポリジエンはポリブタジエンである。
ポリブタジエンは、1,2−結合型、1,4−結合型、トランス型、シス型等のタイプがあり、通常はこれらの結合様式が混在している。
ここで式(2)に含まれる具体例としては、Rが2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの誘導体である2,2ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラル)シクロヘキサン付加物が例として挙げられる。
例えば、オキセチン、オキセタノシンA、トロンボキサンA2、タキソー10の他、東亞合成株式会社から販売されているアロンオキセタンOXT−101,OXT−121,OXT−212,OXT−221,OXT−211,OXT−213及び、それらに水酸基を複数導入したものを用いることができる。
アクリル酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸等が例として挙げられる。
ヒドロキシアルキルアクリレート類としては、炭素数1から10個の側鎖アルキル基を有するヒドロキシアルキルアクリレートが例として挙げられる。
例えば、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、及びヒドロキシブチルアクリレート等である。
ヒドロキシアルキルメタクリレート類としては、炭素数1から10個の側鎖アルキル基を有するヒドロキシアルキルメタクリレートが例として挙げられる。
例えば、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、及びヒドロキシブチルメタクリレート等である。
また、式(3)で表される保護されたカルボキシル基を有する化合物及びその樹脂、カルボキシル基と反応可能な基を有する化合物及びその樹脂、カルボキシル基と反応可能な基と式(3)で表される保護されたカルボキシル基とを有する化合物及びその樹脂、又はそのポリマーを製造するための共重合性モノマーを含むことができる。
保護されたカルボキシル基を有する化合物から得られた樹脂として以下に例示される。
例えば、基板上に膜形成組成物をスピナー、コーター等の適当な成膜方法により膜形成組成物が塗布され、その後、加熱することにより硬化し膜が形成される。
膜形成組成物は、その他必要に応じて、界面活性剤、レオロジー調整剤、接着補助剤等を含んでいてもよい。
界面活性剤を添加することによって、ピンホールやストレーション等の発生を抑え、また、膜形成組成物の塗布性を向上させることができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル及びポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル及びポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル化合物、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー化合物、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート及びソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル化合物、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート及びポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル化合物が挙げられる。
また、商品名エフトップEF301,EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30(大日本インキ(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤及びオルガノシロキサンポリマ−KP341(信越化学工業(株)製)等を例としてあげる。
界面活性剤が使用される場合、その添加量としては、膜形成組成物の固形分中、通常1質量%未満の割合で添加される。
レオロジー調整剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ブチルイソデシルフタレート、ジノルマルブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソオクチルアジペート、オクチルデシルアジペート、ジノルマルブチルマレート、ジエチルマレート、ジノニルマレート、メチルオレート、ブチルオレート、テトラヒドロフルフリルオレート、ノルマルブチルステアレート、及びグリセリルステアレート等を例として挙げることができる。
これらのレオロジー調整剤は、膜形成組成物の固形分中、通常5質量%未満の割合で添加される。
接着補助剤としては、例えば、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール、ビニルトリクロロシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア及びチオ尿素等を例として挙げることができる。
これらの接着補助剤は、膜形成組成物の固形分中、通常2質量%未満の割合で添加される。
膜形成組成物において、前記固形分を溶解させる為の溶剤としては、種々の溶剤を使用することができる。
そのような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドン等を用いることができる。
これらの溶剤は単独または2種以上の組み合せで使用することができる。
さらに、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を混合して使用することができる。
(合成例1)
プロピレングリコールモノメチルエーテル(関東化学株式会社)160.0gに、アクリル酸(関東化学株式会社)40.0gを溶解させ、反応液中に窒素を3分間流した後、75℃に昇温した。
反応溶液を75℃に保ちながらアゾビスイソブチロニトリル(関東化学株式会社)0.55gと1−ドデカンチオール(関東化学株式会社)0.28gを添加した。
窒素雰囲気下、75℃で8時間撹拌後、P−メトキシフェノール(関東化学株式会社)0.14gを添加し、ポリアクリル酸の溶液を得た。
反応終了後、再沈殿法により精製し、更にエバポレータによる固形回収の方法で所望のプレポリマーを回収した。
得られたプレポリマーについて、東ソー(株)製GPC(HLC−8320GPC EcoSEC)装置を使用してGPC分析を行なった。
分析は、得られたポリマーは0.05質量%のジメチルホルムアミド溶液10μlを上記装置に、流量0.6ml/minで10分流した後、RIで検出させる試料の溶出時間を測定することにより行なった。
また、ガードカラムとして、東ソー(株)製 TSKguardcolumn SuperAW−Hを使用し、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel SuperAW3000及び東ソー(株)製 TSKgel SuperAWM−Hを用い、カラム温度を40℃に設定した。
その結果、得られたプレポリマーの重量平均分子量は1900(標準ポリスチレン換算)であった。
(合成例2)
プロピレングリコールモノメチルエーテル(関東化学株式会社)122.4gに、アクリル酸(関東化学株式会社)30.0gとアクリル酸2−ヒドロキシエチル(関東化学株式会社)2.42gを溶解させ、反応液中に窒素を3分間流した後、75℃に昇温した。
反応溶液を75℃に保ちながらアゾビスイソブチロニトリル(関東化学株式会社)0.44gと1−ドデカンチオール(関東化学株式会社)0.22gを添加した。
窒素雰囲気下、75℃で8時間撹拌後、P−メトキシフェノール(関東化学株式会社)0.12gを添加し、アクリル酸とアクリル酸2−ヒドロキシエチルの共重合体の溶液を得た。
反応終了後、再沈殿法により精製し、更にエバポレータによる固形回収の方法で所望のプレポリマーを回収した。
得られたプレポリマーについて、東ソー(株)製GPC(HLC−8320GPC EcoSEC)装置を使用してGPC分析を行なった。
分析は、得られたポリマーは0.05質量%のジメチルホルムアミド溶液10μlを上記装置に、流量0.6ml/minで10分流した後、RIで検出させる試料の溶出時間を測定することにより行なった。
また、ガードカラムとして、東ソー(株)製 TSKguardcolumn SuperAW−Hを使用し、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel SuperAW3000及び東ソー(株)製 TSKgel SuperAWM−Hを用い、カラム温度を40℃に設定した。
その結果、得られたプレポリマーの重量平均分子量は2300(標準ポリスチレン換算)であった。
(合成例3)
プロピレングリコールモノメチルエーテル(関東化学株式会社)122.4gに、アクリル酸(関東化学株式会社)20.0gとテトラフルオロプロピルメタクリレート(ALDRICH)6.17gを溶解させ、反応液中に窒素を3分間流した後、75℃に昇温した。
反応溶液を75℃に保ちながらアゾビスイソブチロニトリル(関東化学株式会社)0.36gと1−ドデカンチオール(関東化学株式会社)0.12gを添加した。
窒素雰囲気下、75℃で8時間撹拌後、P−メトキシフェノール(関東化学株式会社)0.069gを添加し、アクリル酸とテトラフルオロプロピルメタクリレートの共重合体の溶液を得た。
反応終了後、再沈殿法により精製し、更にエバポレータによる固形回収の方法で所望のプレポリマーを回収した。
得られたプレポリマーについて、東ソー(株)製GPC(HLC−8320GPC EcoSEC)装置を使用してGPC分析を行なった。
分析は、得られたポリマーは0.05質量%のジメチルホルムアミド溶液10μlを上記装置に、流量0.6ml/minで10分流した後、RIで検出させる試料の溶出時間を測定することにより行なった。
また、ガードカラムとして、東ソー(株)製 TSKguardcolumn SuperAW−Hを使用し、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel SuperAW3000及び東ソー(株)製 TSKgel SuperAWM−Hを用い、カラム温度を40℃に設定した。
その結果、得られたプレポリマーの重量平均分子量は2000(標準ポリスチレン換算)であった。
次に上記にて合成した成分(B)を用いた本発明に係る熱硬化性樹脂組成物の実施例について説明する。
実施例1〜3で得た膜形成組成物の溶液をスピナーにより、シリコンウエハー上に塗布した。
ホットプレート上で130℃,3分間の低温加熱後、180℃,3分間の高温加熱を行い、光散乱透明封止膜(膜厚0.94μm)を形成した。
フィルメトリクス製非接触型干渉膜厚計 F−20−UV−SECを用いた。
この光散乱透明封止膜を、膜形成組成物に使用した溶剤、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、並びにシクロヘキサノンに3分間浸漬し、光散乱透明封止膜の膜厚を再測定した。
結果を表1に示す。
プロピレングリコールモノメチルエーテル、並びにシクロヘキサノンに不溶である事を確認した。
これは、実施例1〜3で得た膜形成組成物が高温加熱により3次元的に架橋反応が進行しているためである。
光散乱透明封止膜が溶媒に不溶であることの必要性は、光散乱透明封止膜の下層膜を保護するためである。
実施例1〜3で得た光散乱透明封止材の膜形成組成物の溶液をスピナーにより石英基板上に塗布した。
ホットプレート上で130℃,3分間の低温加熱後、180℃,3分間の高温加熱を行い、光散乱透明封止膜(膜厚1.1μm)を形成した。
そしてこれらを、日本分光製紫外可視分光光度計 V−650を用い、透過率(波長域の370―800nm)と光散乱率(274と370nm)を測定した。
結果を表2に示す。
これは、カルボキシル基を有するアクリル酸又はその共重合体である成分(B)が波長域の370―800nmにおいて透過性が高いこと、およびエポキシ基と水酸基を有する成分(A)が波長域の370―800nmにおいて透過性が高いためである。
さらに、実施例1〜3の膜形成組成物から得られた光散乱透明封止膜の光散乱率(274nm)は3.9%以上あり、光散乱性を示すことが確認された。
実施例1〜3で得た膜形成組成物の溶液をスピナーにより、トレンチ(トレンチ幅0.18μm、深さ1.0μm)を有するSiO2ウエハー基板上に塗布した。
塗布後、ホットプレート上で130℃,3分間の低温加熱後、180℃,3分間の高温加熱を行い、光散乱透明封止膜を形成した。
膜厚は、トレンチパターンが近傍に無いオープンエリアで0.80μmであった。
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、実施例1〜3で得た膜形成組成物を塗布したトレンチを有するSiO2ウエハー基板の断面形状を観察することにより、光散乱透明封止膜による平坦化率を評価した。
平坦化率は、下式に従い求めた。
基板上のホールを、完全に平坦化できたときの平坦化率は100%である。
平坦化率={1−(トレンチ中心部での下層膜の凹み深さa)/(トレンチの深さb)}×100
結果を表3に示す。
また、トレンチ内部にボイド(隙間)の発生は観察されず、トレンチ内部が光散乱透明封止膜で充填されていることが観察された。
これは光散乱透明封止膜形成組成物がスムーズにトレンチに流れ込み、微細なトレンチパターン上での流動性に優れるためである。
実施例1〜3で得た膜形成組成物の溶液をスピナーにより、シリコンウエハー基板上に塗布した。
塗布後、ホットプレート上で130℃,3分間の低温加熱後、180℃,3分間の高温加熱を行い、光散乱透明封止膜を形成した。
膜厚は、1.2μmであった。
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、実施例1〜3で得た膜形成組成物を塗布したシリコンウエハー基板の断面形状を観察することにより、光散乱透明封止膜中のエポキシ基と水酸基を有する高分子中のカルボキシル基を有する高分子体(微粒子状に見える)の分散性とそれらの平均サイズを測定した。
平均分散サイズは、SEMに用いて幅2.0μm光散乱透明封止膜の断面形状を観察することにより平均微粒子サイズを計算した。
結果を表4に示す。
このことから本発明に係る熱硬化性樹脂組成物はマトリックス中に平均サイズが100〜300nmの微粒子状の分散粒子が均一に分散しているのが分かる。
実施例1〜3で得た膜形成組成物、及び比較例1としてポリエチレン(ALDRICH)をプロピレングリコールモノメチルエーテル50wt%とシクロヘキサノン50wt%の混合溶媒に溶解させたポリエチレン膜形成組成物をスピナーによりSUSのメッシュ上に成膜した。
ポリエチレンの重量平均分子量は4000であった。
実施例1〜3で得た膜形成組成物は、ホットプレート上で130℃,3分間の低温加熱後、180℃,3分間の高温加熱を行い、光散乱透明封止膜(膜厚5μm)を形成した。
また、比較例1としてポリエチレンは、ホットプレート上で70℃,3分間の加熱を行い、ポリエチレン膜(膜厚5μm)を形成した。
GTRテック製差圧式ガスバリア性評価装置 GTRを用い、酸素ガスの透過係数を測定温度40℃で測定した。
結果を表5に示す。
実施例1〜3の膜形成組成物を用いた膜のガスバリア性は、比較例1のポリエチレンの酸素ガスの透過係数を1.00とした時の、光散乱透明封止膜の酸素ガスの透過係数を示したものである。
光散乱透明封止膜の酸素ガスの透過係数がポリエチレン膜の酸素ガスの透過係数よりも小さいことの必要性は、下地となる電子基板を酸素による酸化反応から保護する目的で用いる低い酸素ガス透過係数を示す光散乱透明封止膜が望ましいためである。
Claims (5)
- 下記一般式(2)で表され、分子内に水酸基を有する重量平均分子量1,000〜25,000のプレポリマーからなる線状樹脂成分(A)と、
アクリル酸,メタクリル酸,ヒドロキシアルキルアクリレート,ヒドロキシアルキルメタクリレート,下記一般式(3)で表される化合物のうちから選ばれる1種以上の化合物の重合体又は共重合体であって、重量平均分子量1,000〜25,000のプレポリマーからなる線状樹脂成分(B)とを含有し、
前記成分(A)と(B)とは常温で相互に均一分散可能であり、
前記成分(A)と(B)とは常温で相互に均一に分散した状態から、
低温加熱により成分(A)の水酸基と成分(B)のカルボキシル基又はその無水物とが反応し、成分(A)中に成分(B)が微粒子状にミクロ相分離し、
その後の高温加熱により三次元網目構造に硬化するものであることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
- 光散乱基材に用いるものであることを特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記光散乱基材は、LEDの封止材であることを特徴とする請求項2記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記光散乱基材は、太陽光パネル用の光散乱フィルムに用いることを特徴とする請求項2記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記光散乱基材は、光源の反射基材に用いることを特徴とする請求項2記載の熱硬化性樹脂組成物。
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