JP4338479B2 - カラーフィルター及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、近年LCD(液晶表示装置)のTV用途などガラス基板及びLCD画面が大型化するに伴い、貼り合わせの後に液晶を真空注入する方法では、画面の大型化に伴って基板の面積が大きくなった分だけ、液晶組成物が基板間に行き渡るまでに長時間を要することになっていた。このため、新しい技術として、シール材を印刷し、さらに液晶を滴下し、貼り合わせることにより、この工程に要する時間を格段に短縮する製造方法が提案されているが、このような方法を採用した場合は特に位置合わせが非常に困難であり、位置合わせ精度が低下するという問題があった。
しかし、COAは、通常、ポジ型レジストを使ったフォトリゾ方式で画素電極をカラーフィルター上に形成する。このため、電極形成後レジスト膜を剥離・除去する必要がある。すなわち、COAの場合、透明電極膜をカラーフィルターの着色画素上に形成して、その透明電極膜上にポジ型レジスト膜を塗布し、そのレジスト塗布膜にパターン露光、現像を施して画素電極を形成する。画素電極を形成後、画素電極上に残存しているレジスト膜をレジスト剥離液で剥離除去する。このため、カラーフィルターは、このポジ型レジスト剥離液(以下、単に「剥離液」という)に対する耐性が必要となるが、従来のカラーフィルター用光硬化性着色組成物は、このような剥離液耐性がなかった。
しかし、これらの従来の方法では、工程数や時間が増えるため、良品化率が低下したり、生産効率が低下するといった問題があった。
また、特許文献3(特開2003−113224号公報)においては、熱重合架橋剤に多官能脂環式エポキシ化合物を使用し、さらに光熱重合開始剤としてベンゾフェノン系過酸化物を使用することにより、特に熱重合架橋効果を高めたカラーフィルターが提案されている。この提案によれば、低温での硬化が可能になり且つ短時間での硬化が可能になり、耐久性に優れ且つ密着性が良好なカラーフィルターが得られる。
しかし、特許文献2の提案では、未だ十分な効果が得られていない。また特許文献3の提案では、ある程度の効果は得られるものの、最近では特許文献3の出願当時よりもさらに高画質・大画面化が要求されており、かかる要求に対しては、係る提案よりも更に開口率が高く、高性能のカラーフィルターの開発が要望されているのが現状である。
すなわち、本発明によれば、下記構成のカラーフィルター及びカラーフィルターの製造方法が提供され、上記目的が達成される。
前記各画素は、少なくとも、下記一般式(I)で表されるイミダゾール化合物、下記一般式(II)で表されるエポキシシラン系化合物、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤及び4官能以上の多官能エポキシ化合物を含有する光硬化性組成物を用いて形成されたことを特徴とするカラーフィルター。
2. TFT基板上に直接又は他の層を介して形成された各画素上に直接もしくは他の層(液晶層を除く)を介して画素電極が形成されているカラーフィルターにおいて、
前記各画素は、上記一般式(I)で表されるイミダゾール化合物と上記一般式(II)で表されるエポキシシラン系化合物との反応生成物であるイミダゾールシラン系化合物及び/又
はその誘導体、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤及び4官能以上の多官能エポキシ化合物を少なくとも含有する光硬化性組成物を用いて形成されたことを特徴とするカラーフィルター。
5. 前記熱重合開始剤が有機過酸化物である前記4に記載のカラーフィルター。
前記各画素は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含む画素用光硬化性組成物により形成されており、
前記各画素と前記画素電極との間に、下記一般式(I)で表されるイミダゾール化合物、下記一般式(II)で表されるエポキシシラン系化合物、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤及び4官能以上の多官能エポキシ化合物を少なくとも含有する光硬化性組成物から形成された画素保護膜が配設されていることを特徴とするカラーフィルター。
9. TFT基板上に直接又は他の層を介して形成された各画素上に直接もしくは他の層(液晶層を除く)を介して画素電極が形成されているカラーフィルターにおいて、
前記各画素は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含む画素用光硬化性組成物により形成されており、
前記各画素と前記画素電極との間に、上記一般式(I)で表されるイミダゾール化合物と上記一般式(II)で表されるエポキシシラン系化合物との反応生成物であるイミダゾールシラン系化合物及び/又はその誘導体、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤及び4官能以上の多官能エポキシ化合物を少なくとも含有する光硬化性組成物から形成された画素保護膜が配設されていることを特徴とするカラーフィルター。
12. 前記熱重合開始剤が有機過酸化物である前記11に記載のカラーフィルター。
も1種である前記13記載のカラーフィルター。
17. 前記剥離液が60℃以上の有機溶剤である前記15または16に記載のカラーフィルターの製造方法。
本発明は、上記1〜17に係る発明であるが、以下、それ以外の事項についても記載している。
本発明のカラーフィルターは、以下の2つの形態で構成される。
(1)TFT基板上に直接又は他の層を介して形成された各画素上に直接もしくは他の層(液晶層を除く)を介して画素電極が形成されており、各画素は、特定の光硬化性組成物から形成されている形態(請求項1〜7に記載のカラーフィルター)。
(2)TFT基板上に直接又は他の層を介して形成された各画素上に直接もしくは他の層(液晶層を除く)を介して画素電極が形成されているカラーフィルターにおいて、前記各画素は、画素用光硬化性組成物により形成されており、前記各画素と前記画素電極との間に、特定の光硬化性組成物から形成された画素保護膜が配設されている形態(請求項8〜17に記載のカラーフィルター)。
以下、まず、本発明の上記(1)の形態の本発明について、[I]前記光硬化性組成物、[II]カラーフィルターの構造、並びに[III]本発明のカラーフィルターの製造方法及び使用方法を説明し、ついで、[IV]本発明の上記(2)の形態について説明する。
本発明のカラーフィルターに用いられる前記光硬化性組成物は、少なくとも着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤及び多官能エポキシ化合物を含有する。
以下に本発明のカラーフィルターに用いられる光硬化性組成物の各構成成分について詳細に説明する。
本発明において用いられる多官能エポキシ化合物は、4以上の官能基を有するエポキシ化合物であれば限定されないが、組成物中に含まれるカルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂の塩基数に見合うエポキシ基数のエポキシ化合物を配合することが望ましい。
n個ある[−O−(A)m−H]におけるA及びmは同じでも異なっていてもよい。m×nとは、n個の異なっていてもよいmの合計(m1,m2,m3, ,,,, + mn)であり当該多官能脂環式エポキシ化合物が有するAの合計数を表す。
特公平7−119292号におけるように、Aの前駆体として、脂環を構成している隣り合う2つ炭素原子が同一の酸素原子に結合してエポキシ基を形成している化合物を、R"−(OH)nとの反応とともにエポキシ開環重合し、R[−O−(A)m−H]nを形成する方法に準じて合成することができる。
炭素数1〜10のアルカンとしては、例えば、メタン、エタン、n−プロパン、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、i−プロパン、i−ブタン、t−ブタン、i−ペンタン、t−ペンタン、i−ヘキサン、t−ヘキサン、i−ヘプタン、t−ヘプタン、i−オクタン、t−オクタン、i−ノナン、t−デカン等が挙げられる。
Rとして特に好ましくはメタン、エタン、n−ブタン、又はn−ペンタンである。
次に、これらの化合物について説明する。
前記一般式(I)で表されるイミダゾール系化合物としては、イミダゾール、2−アルキルイミダゾール、2,4―ジアルキルイミダゾール、4−ビニルイミダゾール等があり、これらのうち特に好ましいのは、2−アルキルイミダゾールでは、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等;また、2,4―ジアルキルイミダゾールでは、2−エチル―4―メチルイミダゾール等を挙げることができる。
前記一般式(II)で表されるエポキシシラン系化合物としては、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルジアルコキシアルキルシラン、3−グリシドキシプロピルアルコキシジアルキルシラン等があり、これらのうち特に好ましいのは、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランとしては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等、また3−グリシドキシプロピルジアルコキシアルキルシランとしては、3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン等、また3−グリシドキシプロピルアルコキシジアルキルシランとしては、3−グリシドキシプロピルエトキシジメチルシラン等を挙げることができる。
本発明における前記一般式(I)で表されるイミダゾール系化合物と前記一般式(II)で表されるエポキシシラン系化合物との反応生成物であるイミダゾールシラン系化合物としては、具体的には、特公平7−68256号公報に記載されている下記式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。
本発明おいて用いられる光重合性モノマーとしては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物が好ましい。
本発明において用いられる光重合開始剤としては、従来公知のものが使用できる。例えば、特公昭57−6096号公報等に記載のハロメチルオキサジアゾール化合物、特公昭59−1281号公報及び特開昭53−133428号公報等に記載のハロメチル−s−トリアジン等の活性ハロゲン化合物、米国特許第4318791号明細書及び欧州特許第88050A号明細書等に記載のケタール、アセタール、ベンゾインアルキルエーテル類等の芳香族カルボニル化合物、米国特許第4199420号明細書に記載のベンゾフェノン類等の芳香族ケトン化合物、フランス特許第2456741号明細書に記載の(チオ)キサントン類、アクリジン類化合物、特開平10−62986号公報に記載のクマリン類、ロフィンダイマー類化合物、特開平8−15521号公報に記載のスルホニウム有機硼素錯体等が挙げられる。
熱重合開始剤としては、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物の中でも下記一般式(III)で表わされるベンゾフェノン系有機過酸化物が特に好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
ハロゲン化アルキル基としては、クロロメチル基、ジクロロメチル基、採りクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子などが挙げられる。
ジアルキルアミノ基としては、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等が挙げられる。
qは、0、1または2であり、好ましくは2である。
rは1、2または3であり、好ましくは2である。
尚、これら化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
化学構造で分類すると、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。これらの有機過酸化物の中でも、好ましくは分解温度がある程度高く常温では安定なもので、熱をかけると分解してラジカルを発生し、重合開始剤となる有機過酸化物である。
有機過酸化物としては、下記一般式(A)で示される化合物が好ましい。
式(A)における、R1、R2の炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基、i−ヘキシル基、t−ヘキシル基、i−ヘプチル基、t−ヘプチル基、i−オクチル基、t−オクチル基、i−ノニル基、t−デカニル基等が挙げられる。
有機過酸化物の組成物中の含有量は、光硬化性組成物中の光重合性モノマーの量に対して、0.5〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。有機過酸化物の配合量が、光重合性モノマーに対して0.5質量%未満では効果が余りなく、また20質量%を超えると組成物の粘度が経時変化したり、フォトリソグラフィー特性の解像度が経時で悪くなる等保存安定性に問題が起きる場合がある。
本発明において用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、酸価が30〜150mgKOH/gの範囲にあるアクリル系共重合体が好ましい。また、カラーフィルターやCCDに用いる場合には、アルカリ可溶性樹脂は変色性がなく、耐光性であるものが好ましい。
前記光硬化性組成物では、好ましいアルカリ可溶性樹脂として、酸価が30〜150、好ましくは35〜120(mgKOH/gポリマー)の範囲であるアクリル系共重合体(以下、「アクリル系結着樹脂」ともいう」が用いられる。
上記アルキル(メタ)アクリレート及びアリ−ル(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、トリルアクリレート、ナフチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等を挙げることができる。
また、上記ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等を挙げることができる。
特に好ましい共重合可能な他の単量体は、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びスチレンである。
これら共重合可能な他の単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、アクリル系結着樹脂の重量平均分子量Mw(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)は、カラーレジストを塗布等の工程上使用しやすい粘度範囲を実現するために、また膜強度を確保するために、5,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは8,000〜50,000である。
また、重量平均分子量の範囲を上記範囲とするには、単量体の共重合の際に、重合方法に応じた連鎖移動剤を適切な量使用することにより容易に行うことができる。
アクリル系結着樹脂は、例えばそれ自体公知のラジカル重合法により製造することができる。ラジカル重合法でアクリル系結着樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者であれば容易に設定することができるし、実験的に条件を知ることもできる。
上記アクリル系樹脂としてはベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体、およびサイクロマーPシリーズ、プラクセル CF200シリーズ(いずれもタイセル化学工業株式会社製)、Ebecry 13800(ダイセルユーシーピー株式会社製)、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン株式会社製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業株式会社製)等が好ましい。
また、硬化被膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとエピクロルヒドリンのポリエーテル等も有用である。
本発明に用いることができる着色剤としては、従来公知の種々の顔料、(絶縁性)カーボンブラック、染料を一種又は二種以上混合して用いることができる。
C.I.Pigment Yellow 11, 24, 31, 53, 83, 93, 99, 108, 109, 110, 138, 139, 147, 150, 151, 154, 155, 167, 180, 185, 199, ;
C.I.Pigment Orange 36, 38, 43, 71;
C.I.Pigment Red 81, 105, 122, 149, 150, 155, 171, 175, 176, 177,209, 220, 224, 242, 254, 255, 264, 270;
C.I.Pigment Violet 19, 23, 32, 39;
C.I.Pigment Blue 1, 2, 15, 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66;
C.I.Pigment Green 7, 36, 37;
C.I.Pigment Brown 25, 28;
C.I.Pigment Black 1, 7;
等を挙げることができる。
C.I.Pigment Orange 36, 71,
C.I.Pigment Red 122, 150, 171, 175, 177, 209, 224, 242, 254, 255, 264,
C.I.Pigment Violet 19, 23, 32,
C.I.Pigment Blue 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66,
C.I.Pigment Black 1
カーボンブラックを樹脂(被覆樹脂)で被覆するには、カーボンブラックに被覆樹脂及び溶剤を加えてミルベースをつくり、それをフラッシング処理やニーダー、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、2本又は3本ロールミル、エクストルーダー、ペイントシェーカー、超音波、ホモジナイザーなどの方法により分散処理を行う。これらの処理方法は2つ以上組合わせることも可能である。必要に応じてカーボンブラックを均一に分散させるため分散剤を用いることができる。
1)ポリオレフィン系ポリマー
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン等
2)ジエン系ポリマー
ポリブタジエン、ポリイソプレン等
3)共役ポリエン構造を有するポリマー
ポリアセチレン系ポリマー、ポリフェニレン系ポリマー等
4)ビニルポリマー
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルフェノール等
5)ポリエーテル
ポリフェニレンエーテル、ポリオキシラン、ポリオキセタン、ポリテトラヒドロフラン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール等
6)フェノール樹脂
ノボラック樹脂、レゾール樹脂等
7)ポリエステル
ポリエチレンテレフタレート、ポリフェノールフタレインテレフタレート、ポリカーボネート、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等
8)ポリアミド
ナイロン−6、ナイロン66、水溶性ナイロン、ポリフェニレンアミド等
9)ポリペプチド
ゼラチン、カゼイン等
10)エポキシ樹脂及びその変性物
ノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールエポキシ樹脂、ノボラックエポキシアクリレート及び酸無水物による変性樹脂等
11)その他
ポリウレタン、ポリイミド、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイミダゾール、ポリオキサゾール、ポリピロール、ポリアニリン、ポリスルフィド、ポリスルホン、セルロース類等
エチレン性二重結合を導入する合成手段として、例えば、特公昭50−34443号公報、特公昭50−34444号公報などに記載の方法等が挙げられる。
具体的には、カルボキシル基や水酸基にグリシジル基、エポキシシクロヘキシル基および(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物やアクリル酸クロライドなどを反応させる方法が挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、α−エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、(イソ)クロトン酸グリシジルエーテル、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アリルクロライドなどの化合物を使用し、カルボキシル基や水酸基を有する樹脂に反応させることにより側鎖に重合基を有する樹脂を得ることができる。
特に、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートを反応させた樹脂が好ましい。
ここで、ハロゲン原子の具体例としては、Cl、Br、Iなどが挙げられる。
アルキル基としては、直鎖、分岐、又は環状であってもよく、メチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基などが挙げられ、炭素数1〜7のものが好ましい。アリール基としては、フェニル基、フリル基、ナフチル基などが挙げられる。
線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、樹脂側鎖または主鎖にカルボキシ基あるいはフェノール性水酸基等の酸性基を有するものがアルカリ現像可能なため、公害防止の観点から好ましい。特にカルボキシル基を有する樹脂、例えば、アクリル酸(共)重合体、スチレン/無水マレイン酸樹脂、ノボラックエポキシアクリレートの酸無水物変性樹脂等は高アルカリ現像性なので好ましい。側鎖にカルボン酸を有するポリマーとしては、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等があり、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたものなども有用である。これらのなかでベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/および他のモノマーとの多元共重合体も好適である。
この他に水溶性ポリマーとして、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニールピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニールアルコール等も有用である。また硬化皮膜の強度をあげるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンのポリエーテルなども有用である。これらのポリマーは任意な量を混合させることができる。
1.グリシジルアミン型エポキシ樹脂
2.トリフェニルグリシジルメタン型エポキシ樹脂
3.テトラフェニルグリシジルメタン型エポキシ樹脂
4.アミノフェノール型エポキシ樹脂
5.ジアミドジフェニルメタン型エポキシ樹脂
6.フェノールノボラック型エポキシ樹脂
7.オルソクレゾール型エポキシ樹脂
8.ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂
樹脂で被覆されたカーボンブラックの好ましい平均粒径は0.003〜0.5μmの範囲であり、より好ましくは0.005〜0.3μmの範囲であり、これにより本発明の種々の効果、特に現像性と画像再現性が一層優れるようになる。
前記光硬化性組成物を構成する着色剤として使用できる染料は、特に制限はなく、従来カラーフィルター用として公知の染料が使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に開示されている色素が使用できる。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
本発明において、前記光硬化性組成物を調製する際には、通常、溶剤を使用する。例えば、エステル類、具体的には酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレシ等が挙げられる。
前記光硬化性組成物には、上記した成分の他に、必要に応じて各種添加物、例えば充填剤、上記アルカリ可溶性樹脂以外の高分子化合物、上記以外の界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することかできる。
前記光硬化性組成物は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤、さらに必要に応じて用いられるその他の添加剤を溶剤と混合し各種の混合機、分散機を使用して混合分散することによって調製することができる。
尚、混合分散工程は、混練分散とそれに続けて行う微分散処理からなるのが好ましいが、混練分散を省略して、微分散処理のみとすることも可能である。
微分散工程では、ガラスやセラミックの微粒の分散用メディアと共に混合攪拌することにより、着色剤粒子を一次粒子に近い微小な状態にまで分散する。従って、混練分散工程では着色剤粒子表面が形成する界面を空気から溶液に変換する必要があるので、強い剪断力圧縮力が必要となり、それにふさわしい混練機、被混練物は高粘度のものが望ましく、一方、微分散工程では粒子を微小な状態にまで均一に安定に分布させることが必要となり、凝集している着色剤粒子に衝撃力と剪断力を不要するような分散機と、比較的低い被分散物は比較的低粘度であることが望ましい。
尚、混練、分散についての詳細はT.C. Patton著"Paint Flow and Pigment Dispersion"(1964年 John Wiley and Sons社刊)等にも記載されている。
本実施形態のカラーフィルターは、特開平9−311347号公報の図1などに開示されている、いわゆるCOAタイプのカラーフィルターであり、TFT基板上に画素及び画素電極が形成されてなるものである。
基板上にTFT膜を形成し、その上に各画素パターンを形成しカラーフィルター層を設け、通常はゲート電極に対向する部分にクロム薄膜などの金属膜もしくはカーボンブラックなどの黒色着色剤を分散した塗膜からなる遮光膜を形成する。さらに、カラーフィルター層の上にゲート電極に対応する画素電極をパターン状に形成する。画素電極は、ITO(インジウムチンオキシド、酸化インジウムと酸化スズの混合物)、酸化錫、酸化インジウムなどの金属酸化物をスパッタリング、蒸着法などの真空成膜法で形成された金属酸化物薄膜上にポジ型フォトレジストを塗布し、フォトレジスト法で画素電極パターンを形成する。画素電極を形成後、電極上に残存するレジスト膜を剥離液で除去する。剥離液によるレジスト硬化膜の除去は、通常溶解力の高い有機溶媒を100℃近い高温で行うため、カラーフィルター層を破壊することがある。したがって、カラーフィルター層を剥離液から保護するために、カラーフィルター層と画素電極との間に画素保護膜を形成することもある。保護膜形成材料としては、請求項9〜16に記載の光硬化性組成物が適用可能である。
プラスチック基板に求められる特性としては、低熱膨張(カラーフィルター作成時の硬化処理に伴う表示精度の劣化防止)、ガスバリヤー性(液晶の安定性確保)、光透過率や光学等方性などの光学特性、表面平滑性などがある。熱膨張に関しては熱膨張係数が10-4以下であることが好ましい。
また、プラスチック基板にはその表面にガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。
また、前記画素電極としては、従来公知のものを特に制限なく用いることができる。
これらの層を配する場合、これらの層の形成材料や厚みなどは従来公知の材料や厚みを特に制限なく採用することができる。
本発明のカラーフィルターは、TFT基板上に前記光硬化性組成物を塗布して、光硬化性組成物の塗布膜を形成し、該塗布膜にパターン露光、アルカリ現像、ポストベーク処理を施して、各画素を形成し、該各画素上に透明電極(ITO)膜をスパッタリングで形成し、次いで、ポジ型フォトレジスト塗布膜を形成し、該フォトレジスト膜にパターン露光、現像を施し、更に必要なITOをエッチングして画素電極パターンを形成した後に、該画素電極パターン上に残存しているフォトレジスト膜を剥離液で除去することにより製造することができる。
次いでアルカリ現像処理を行うことにより、上記露光により光未照射部分をアルカリ水溶液に溶出させ、光硬化した部分だけが残る。現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間は20〜90秒である。
アルカリとしては、例えばアンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物を濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
次いで、余剰の現像液を洗浄除去し、乾燥を施した後に加熱処理(ポストベーク)を行う。このように各色ごとに前記工程を順次繰り返して硬化皮膜を製造することができる。これによりカラーフィルターが得られる。
このポストベーク処理は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
次に、形成された画素電極上に残っているポジ型レジストを剥離液で速やかに剥離除去する。この剥離液としては特に制限はなく従来公知の剥離液を使用することができる。例えば、特開昭51−72503号、特開昭57−84456号、特開平6−222573号等の各公報や米国特許第4165294号および欧州特許第0119337号の各明細書に開示されている各種の有機溶剤が使用できる。代表的な剥離液としては、モノエタノールアミン(MEA)とジメチルスルホキシド(DMSO)の混合溶媒が挙げられる。また、剥離液として60℃以上に加熱した有機溶剤を使用することで、剥離工程を短時間にすることができ、さらにまた、現像残査の問題もなくすことができる。本願発明における光硬化性組成物は特に耐剥離液性が優れているので、60℃以上に加熱した有機溶剤を使用してもカラーフィルターの塗膜が剥れるようなことはなく、レジスト膜を除去することができる。
本発明のカラーフィルターは、COAタイプであるため、位置合わせが容易で、開口率を高めることができる。しかも、前記光硬化性組成物を用いて画素を形成しているので、剥離液耐性が高く、そのため良品化率が高く、生産効率も高いものである。また、通常カラーフィルターに要求される耐熱変色性、低誘電率性、膜厚均一性、解像性、電圧保持率、耐光性なども良好である。
本発明の上記(2)の形態は、カラーフィルター層(画素層)と画素電極の間に着色剤を含まない(2)の画素保護膜層を設けることにより、従来の剥離液耐性の悪いカラーフィルターの画素を保護すること、及びその上にスパッタリングで付ける透明電極の均一化のために、平坦化することができるものである。
以下、本発明の上記(1)の形態と異なる点を特に説明する。なお、特に説明しない点については上記[I]〜[III]における説明が適宜適用される。
前記画素用光硬化性組成物は、前記着色剤、前記アルカリ可溶性樹脂、前記光重合性モノマー、及び前記光重合開始剤を含有してなる。すなわち、前記多官能エポキシ化合物を含有せず、また好ましく配合される前記イミダゾール化合物、前記エポキシシラン系化合物、前記イミダゾールシラン系化合物を含有しない点以外は、前記光硬化性組成物と同じであり、これらの具体例や配合割合は、上述の光硬化性組成物と同様である。
(b)画素保護膜用光硬化性組成物
前記画素保護膜用光硬化性組成物は、前記アルカリ可溶性樹脂、前記光重合性モノマー、前記光重合開始剤及び前記多官能エポキシ化合物を含有してなる。すなわち、前記着色剤を含有しない点を除いては、前記光硬化性組成物と同じであり、前記イミダゾール化合物、前記エポキシシラン系化合物、並びに前記イミダゾールシラン系化合物及び/又はその誘導体が好ましく含有される。また、熱重合開始剤として、前記ベンゾフェノン系有機過酸化物が好ましく用いられる。
これらの具体例や配合割合は、上述の光硬化性組成物と同様である。
カラーフィルターの構造は、本発明の上記(1)の形態においては、画素が1層のみからなるものだったのに対して、本形態においては、前記画素用光硬化性組成物の塗布膜からなる画素膜と該画素膜上に形成された前記画素保護膜用光硬化性組成物からなる画素保護膜との2層を基板と画素電極との間に有する。
前記画素膜の膜厚は、0.3〜5.0μmが好ましく、0.5〜3.5μmがより好ましい。塗布厚みが厚い方が高色度を達成できるが、塗布厚みが厚いとコンタクトホールの解像性が悪くなるので、バランスが必要である。また、前記画素保護膜の膜厚は0.2〜5.0μmが好ましく、0.2〜3.0μmがより好ましい。また、下地の画素の凹凸を平坦化して、表面は平滑であることが望ましい。
本形態のカラーフィルターは、TFT基板上に前記画素用光硬化性組成物を塗布して、画素用光硬化性組成物の塗布膜を形成し、次いでパターン露光、アルカリ現像、ポストベーク処理を施して、各画素を形成した後、更に前記画素保護膜用光硬化性組成物の塗布膜を形成し、コンタクトホールをパターン露光、アルカリ現像によって形成し、ポストベーク処理を行う。次いで透明電極(ITO)膜を形成し、前記と同様にパターン露光、現像、エッチングによって画素電極を形成する。次いで剥離液でポジ型レジストの剥離を行う。前記剥離液としては、前記した60℃以上の有機溶剤を用いるのが好ましい。即ち、比較的高温の極性有機溶剤を用いることにより、レジストの剥離工程が短縮化され、固定コストの低減に結びつく。
以下に示すようにしてカラーフィルターの試験片を調整した。
a)コーニング社製LCD用ガラス基板(製品名1737,1.1t)に表1に示す組成の光硬化性着色組成物をスピンコーターにて硬化後(ポストベーク後)の膜厚が3.0μmになるように回転数を調整し、塗布した。
b)次いで、ホットプレート上で100℃×120秒プリベークし溶剤乾燥させた。
c)次いで2.5Kwの超高圧水銀灯を使用し、マスクを通して200mJ/cm2の露光量で光照射した。
d)次いで、有機アルカリ現像液(26℃の富士フイルムアーチ(株)製、有機アルカリ系水溶液CD−2000,12.5%純水希釈)に50秒浸漬して現像、水洗、乾燥した。
e)次いで熱風循環式乾燥機にて220℃×40分加熱硬化(ポストベーク)した。
そして、得られた試験片について下記剥離液耐性試験を行った。その結果を下記表1に示す。
剥離液は、モノエタノールアミン(MEA)とジメチルスルフォキシド(DMSO)の混合物(I;MEA/DMSO=3/7、II;MEA/DMSO=7/3(いずれも質量比))とし、各々80℃×2分試験片を浸漬後、水洗し、90℃20分間乾燥を行い、剥離液耐性試験を行った。
剥離液耐性の優劣は、剥離液浸漬前後の膨潤率を膜厚変化(膜厚計=触針式表面形状測定器;(株)アルバック製DEKTAK3)で測定するとともに、及び色度変化ΔE*ab(分光光度計:大塚電子(株)製MCPD−1000)を測定することにより判断した。
膨潤率は、試験片の膜厚(A)をあらかじめ測定し、80℃に2分間試験片を浸漬した後、水洗し、さらに90℃20分の乾燥を行った後、再度膜厚(B)を測定し、式Sw=(B−A)×100/Aにより算出した。
色度変化については剥離液I及びIIの両方について、膨潤率については剥離液Iのみについて結果を測定した。その結果を表1に示す。
組成物の組成を下記表2に示すものとした以外は、実施例1〜9と同様にして試験片を作成し、剥離液耐性を評価した。その結果を表2に示す。
組成物の組成を下記表3に示すものとした以外は、実施例1〜9と同様にして試験片を作成し、膨潤率についてのみ剥離液耐性を評価した。その結果を表3に示す。
また、実施例10は膨潤率に問題がないが、比較例6〜7は剥がれて測定が不可能であった。
膨潤した試験片をさらに220℃40分間加熱後、再度膜厚を測定すると、実施例1〜9及び実施例10では、いずれも元の剥離液浸漬前の膜厚に戻っていた。このことは剥離液の沸点以上の加熱により、膨潤した膜に含まれていた剥離液が蒸散したことを意味する。膜自体を光学顕微鏡で観察しても全く変化はみられなかった。従って、実施例の剥離液耐性試験では、全く膜は侵されず、剥離液で膨潤した状態となっており、再度剥離液の沸点以上の加熱処理をすることにより元の状態に戻ることがわかる。
この他の解像性、耐熱変色性、耐光性、比誘電率及び25℃保存安定性には差がなく良好な性能を示した。
Claims (17)
- TFT基板上に直接又は他の層を介して形成された各画素上に直接もしくは他の層(液晶層を除く)を介して画素電極が形成されているカラーフィルターにおいて、
前記各画素は、少なくとも、下記一般式(I)で表されるイミダゾール化合物、下記一般式(II)で表されるエポキシシラン系化合物、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤及び4官能以上の多官能エポキシ化合物を含有する光硬化性組成物を用いて形成されたことを特徴とするカラーフィルター。
の整数を表し、nは1〜3の整数を表す。 - TFT基板上に直接又は他の層を介して形成された各画素上に直接もしくは他の層(液晶層を除く)を介して画素電極が形成されているカラーフィルターにおいて、
前記各画素は、下記一般式(I)で表されるイミダゾール化合物と下記一般式(II)で表されるエポキシシラン系化合物との反応生成物であるイミダゾールシラン系化合物及び/又はその誘導体、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤及び4官能以上の多官能エポキシ化合物を少なくとも含有する光硬化性組成物を用いて形成されたことを特徴とするカラーフィルター。
- 前記光硬化性組成物は、さらに熱重合開始剤を含有する請求項1〜3の何れか1項に記載のカラーフィルター。
- 前記熱重合開始剤が有機過酸化物である請求項4に記載のカラーフィルター。
- TFT基板上に直接又は他の層を介して形成された各画素上に直接もしくは他の層(液晶層を除く)を介して画素電極が形成されているカラーフィルターにおいて、
前記各画素は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含む画素用光硬化性組成物により形成されており、
前記各画素と前記画素電極との間に、少なくとも、下記一般式(I)で表されるイミダゾ
ール化合物、下記一般式(II)で表されるエポキシシラン系化合物、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤及び4官能以上の多官能エポキシ化合物を含有する光硬化性組成物から形成された画素保護膜が配設されていることを特徴とするカラーフィルター。
- TFT基板上に直接又は他の層を介して形成された各画素上に直接もしくは他の層(液晶層を除く)を介して画素電極が形成されているカラーフィルターにおいて、
前記各画素は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含む画素用光硬化性組成物により形成されており、
前記各画素と前記画素電極との間に、下記一般式(I)で表されるイミダゾール化合物と下記一般式(II)で表されるエポキシシラン系化合物との反応生成物であるイミダゾールシラン系化合物及び/又はその誘導体、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤及び4官能以上の多官能エポキシ化合物を少なくとも含有する光硬化性組成物から形成された画素保護膜が配設されていることを特徴とするカラーフィルター。
れ独立に、水素原子、ビニル基または炭素数1〜5のアルキル基を表す。
- 前記光硬化性組成物は、さらに熱重合開始剤を含有する請求項8〜10の何れか1項に記載のカラーフィルター。
- 前記熱重合開始剤が有機過酸化物である請求項11に記載のカラーフィルター。
- TFT基板上に請求項1〜7の何れか1項に記載の前記光硬化性組成物を塗布して、光硬化性組成物の塗布膜を形成し、該塗布膜にパターン露光、アルカリ現像、ポストベーク処理を施して、各画素を形成し、該各画素上に透明電極(ITO)膜を形成し、次いで、透明電極(ITO)膜上にポジ型フォトレジスト塗布膜を形成し、該ポジ型フォトレジスト塗布膜にパターン露光、現像を施し、更に不要な透明電極(ITO)膜をエッチングして透明画素電極パターンを形成した後に、該透明画素電極パターン上に残存しているフォトレジスト塗布膜を剥離液で除去するカラーフィルターの製造方法。
- TFT基板上にカラーフィルターの各画素を形成し、該画素上に請求項8〜14の何れか1項に記載の光硬化性組成物を塗布して画素保護膜用塗膜を形成し、次いで該画素保護膜用塗膜にパターン露光、アルカリ現像、ポストベーク処理を施して、画素保護膜を形成した後、該画素保護膜上に透明電極(ITO)被膜を形成し、該透明電極(ITO)被膜上にポジ型フォトレジスト塗布膜を形成し、該ポジ型フォトレジスト塗布膜にパターン露光、現像を施し、更に不要な透明電極(ITO)膜をエッチングして透明画素電極パターンを形成した後に、該透明画素電極パターン上に残存しているフォトレジスト塗布膜を剥離液で除去するカラーフィルターの製造方法。
- 前記剥離液が60℃以上の有機溶剤である請求項15または請求項16に記載のカラーフィルターの製造方法。
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