JP5593174B2 - 着色硬化性組成物、着色パターン、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、及び液晶表示素子 - Google Patents
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Description
スピンコート法は、比較的小サイズの基板への薄膜形成に広く用いられている方法であり、透明基板を一定の回転数で回転させながら、透明基板中心部に塗布液を滴下し、遠心力によって塗布液を薄く延ばし、その塗布液に適した透明基板の回転数や回転時間等を制御することにより、所望の膜厚の塗膜を透明基板の表面に形成する塗布方法である。しかしながら、回転による遠心力を利用し塗膜を薄く延ばすという原理に起因し、透明基板の回転中心部分及び周辺部分の塗布膜厚が、その中間部分に比べて厚くなりすぎるという欠点がある。
本発明の目的は、塗布に起因する面状劣化を抑制し、且つ、欠陥の少ない着色膜を形成し得る着色硬化性組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記着色硬化性組成物を用いてなる、面状が良好で、且つ、欠陥の少ない着色パターン、この着色パターンを有するカラーフィルタ、該カラーフィルタの製造方法、及びこのカラーフィルタを備える液晶表示素子を提供することにある。
<1> (A)着色剤、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)下記一般式(1)で表される繰り返し単位A0及び繰り返し単位Bを含み、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が1000以上10000以下である共重合体、を含有する着色硬化性組成物。
<2> 前記一般式(1)における繰り返し単位A0が、下記繰り返し単位Aである<1>に記載の着色硬化性組成物。
<3> 前記(D)共重合体の重量平均分子量が1500以上5000以下である<1>又は<2>に記載の着色硬化性組成物。
<4> <1>〜<3>の何れか1つに記載の着色硬化性組成物により形成された着色パターン。
<6> 基板上に、<1>〜<3>の何れか1つに記載の着色硬化性組成物を、スピンコート法、スリット・アンド・スピン法、又はダイコート法で塗布する着色層形成工程と、形成された着色層をパターン状に露光し、現像して着色パターンを形成する着色パターン形成工程と、を含むカラーフィルタの製造方法。
<7> <4>に記載のカラーフィルタを用いた液晶表示素子。
また、本発明によれば、上記着色硬化性組成物を用いてなる、面状が良好で、且つ、欠陥の少ない着色パターン、この着色パターンを有するカラーフィルタ、該カラーフィルタの製造方法、及びこのカラーフィルタを備える液晶表示素子を提供することができる。
<着色硬化性組成物>
本発明の着色硬化性組成物は、(A)着色剤、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)下記一般式(1)で表される繰り返し単位A0及び繰り返し単位Bを含み、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が1000以上10000以下である共重合体を含有する着色硬化性組成物。
以下、(A)〜(D)の各成分について詳細に説明する。
(一般式(1)で表される繰り返し単位A0及び繰り返し単位B)
本発明の着色硬化性組成物は、(D)下記一般式(1)で表される繰り返し単位A0及び繰り返し単位Bを含み、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が1000以上10000以下である共重合体を含有する。以下、この共重合体を、適宜、「特定共重合体」と称する。なお、該特定共重合体は、本発明の着色硬化性組成物中でフッ素系界面活性剤として機能するため、本明細書中において「特定フッ素系界面活性剤」と称することがある。
なお、前記繰り返し単位BにおけるLの総炭素数とは、分岐を有する場合には、分岐部分も含めたアルキレン基を構成する全ての炭素数をいう。
前記Lは、下記一般式(2)又は一般式(3)で表されるアルキレン基であることがより好ましく、下記一般式(2)で表されるアルキレン基であることが最も好ましい。下記一般式におけるR4は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2以上3以下のアルキル基がより好ましく、炭素数2のアルキル基であるエチル基が最も好ましい。本発明においては、(D)特定共重合体として、下記一般式(2)又は一般式(3)で表されるアルキレン基におけるR 4 がエチル基である繰り返し単位を有するものを含む。
前記rは6以上18以下の整数が好ましい。また、前記nは6以上10以下の整数が好ましい。
本発明に係る特定共重合体は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位A0、あるいは、その好ましい態様である繰り返し単位Aと、繰り返し単位Bと、をそれぞれ2種類以上含んでいてもよい。
特定共重合体が含みうる他の繰り返し単位には、特に制限はなく、公知のエチレン不飽和化合物由来の繰り返し単位を適宜、使用できる。
特定共重合体に含まれる繰り返し単位を構成する全モノマー中、繰り返し単位A0を形成するモノマー単位の含有量と繰り返し単位Bを形成するモノマー単位の含有量との合計は、90モル%以上であることが好ましい。
使用カラム:TSKgel superHZM−H、TSKgel superHZ4000、TSKgel superHZ2000 東ソー製
溶離液:THF
流量:0.35ml/min
温度:40℃
検出条件:RI
システム:高速 GPC 装置一式 (東ソ− HLC−8220)
重合開始剤としては、ラジカル熱重合開始剤や、ラジカル光重合開始剤等の公知の化合物を使用することができるが、特に、ラジカル熱重合開始剤を使用することが好ましい。
ここで、ラジカル熱重合開始剤は、分解温度以上に加熱することにより、ラジカルを発生させる化合物である。このようなラジカル熱重合開始剤としては、例えば、ジアシルパーオキサイド(アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等)、ケトンパーオキサイド(メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等)、ハイドロパーオキサイド(過酸化水素、tert−ブチルハイドパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等)、ジアルキルパーオキサイド(ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等)、パーオキシエステル類(tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート等)、アゾ系化合物(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等)、過硫酸塩類(過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等)が挙げられる。このようなラジカル熱重合開始剤は、1種を単独で使用することもできるし、或いは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
連鎖移動剤としてはメルカプタン類(例えば、オクチルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、チオフェノール、p−ノニルチオフェノール等)、ポリハロゲン化アルキル(例えば、四塩化炭素、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,1−トリブロモオクタンなど)、低活性モノマー類(α−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマー等)のいずれも用いることができるが、好ましくは炭素数4〜16のメルカプタン類である。これらの連鎖移動剤の使用量は、連鎖移動剤の活性やモノマーの組み合わせ、重合条件などにより著しく影響され精密な制御が必要であるが、通常は使用するモノマーの全モル数に対して0.01モル%から50モル%程度であり、好ましくは0.05モル%から30モル%、特に好ましくは0.08モル%から25モル%である。これらの連鎖移動剤は、重合過程において重合度を制御するべき対象のモノマーと同時に系内に存在させればよく、その添加方法については特に問わない。モノマーに溶解して添加してもよいし、モノマーと別途に添加することも可能である。
なお、検討の結果、驚くべきことに(D)特定共重合体を含有する本発明の着色硬化性組成物は、上記効果に加え、さらに、液晶比抵抗が良好であるという効果が得られることが分かった。
本発明の着色硬化性組成物中において、特定共重合体の含有量としては、該着色組成物中、0.005質量%〜5質量%が好ましく、0.005質量%〜1質量%がより好ましく、0.005質量%〜0.5質量%が更に好ましく、0.01質量%〜0.2質量%が最も好ましい。
(D)特定共重合体の含有量を上記範囲とすることにより、着色硬化性組成物層の形成時に、優れた塗布性が得られ、大面積の塗膜を形成する場合においても均一な塗膜が形成される。従って、特定共重合体の含有量を上記範囲にすることは、大型基板にダイコート法などによりスリット塗布する際に特に有効である。ここでいう大型基板とは、1m×1m角以上5m×5m角以下の基板を指す。
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同29SHPA、同SH30PA、ポリエーテル変性シリコンオイルSH8400(商品名:トーレシリコーン(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341、KF6001、KF6002、KF6003、X22−160AS(信越シリコーン製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(ジーイー東芝シリコーン(株)製)などが挙げられる。
これらの他の界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の着色硬化性組成物は、(A)着色剤を含有する。該着色剤としては、顔料、染料を用いることができる。
(顔料)
本発明の着色硬化性組成物に用いることができる顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を用いることができる。また、顔料は、無機顔料又は有機顔料を問わず、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、できるだけ粒子径が小さく微少な粒子サイズの顔料を使用することが好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、好ましくは平均一次粒子径0.01μm〜0.3μm、より好ましくは0.01μm〜0.15μmの顔料である。該粒径が前記範囲内であると、透過率が高く、色特性が良好であると共に、高いコントラストのカラーフィルタを形成するのに有効である。
平均一次粒子径は、SEM或いはTEMで観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、平均値を算出することによって求める。
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279、
C.I.Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214
C.I.Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73、
C.I. Pigment Green 7,10,36,37,58
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,79のCl置換基をOHに変更したもの,80、
C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42、
C.I.Pigment Brown 25,28、
C.I.Pigment Black 1,7等を挙げることができる。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185、
C.I.Pigment Orange 36,71、
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264、
C.I.Pigment Violet 19,23,32、
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66、
C.I.Pigment Green 7,36,37,58
C.I.Pigment Black 1,7
本発明において、必要に応じて、微細でかつ整粒化された有機顔料を用いることができる。顔料の微細化は、顔料と水溶性有機溶剤と水溶性無機塩類と共に高粘度な液状組成物を調製し、この液状組成物を用いて顔料を摩砕する工程である。
水溶性有機溶剤の使用量は、顔料に対して50質量%から300質量%の範囲であり、好ましくは100質量%から200質量%の範囲である。
着色剤としての有機顔料は、単独で用いることできるが、色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。組合せの具体例を以下に示す。
例えば、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料を単独で用いてもよいが、それらの少なくとも1種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、又は、ペリレン系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料、ジケトピロロピロール系赤色顔料と、の混合を行ってもよい。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド155、C.I.ピグメント・レッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド254が挙げられ、色再現性の点で、C.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー139、又はC.I.ピグメント・レッド177との混合が好ましい。
また、赤色顔料と他顔料との質量比は、100:5〜100:80が好ましい。100:5未満では400nmから500nmの光透過率を抑えることが困難で色純度を上げることができない場合がある。また、100:80を超えると発色力が下がる場合がある。特に、上記質量比としては、100:10〜100:65の範囲が最適である。なお、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
緑顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:200が好ましい。上記質量比が100:5未満では400nm〜450nmの光透過率を抑えることが困難となり色純度を上げることができない場合がある。また、100:200を越えると主波長が長波長寄りになりNTSC目標色相からのずれが大きくなる場合がある。上記質量比としては100:20〜100:150の範囲が特に好ましい。
青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:100が好ましく、より好ましくは100:70以下である。
ラックとの組合せが好ましい。
また、カーボンブラックとチタンブラックとの質量比は、100:0〜100:60の範囲が好ましい。100:61以上では、分散安定性が低下する場合がある。
本発明において、(A)着色剤として染料を用いる場合は、均一に溶解された着色硬化性組成物が得られる。
着色剤として使用可能な染料としては、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用途として用いられている公知の染料を使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に記載の色素である。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
また、目的に応じて、着色剤として、染料と前記顔料とを併用してもよい。
本発明において、(A)着色剤として顔料を用いる場合には、予め調製された顔料分散液を用いて、本発明の着色硬化性組成物を調製することが好ましい。
顔料分散液中の顔料の含有量としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、10質量%〜60質量%が好ましく、15質量%〜50質量%がより好ましい。顔料の含有量が前記範囲内であると、色濃度が充分で優れた色特性を確保するのに有効である。
本発明における顔料分散液は、分散剤の少なくとも1種を含有することが好ましい。この分散剤の含有により、顔料の分散性を向上させることができる。
分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
本発明における顔料分散液は、必要に応じて、顔料誘導体が添加される。分散剤と親和性のある部分、或いは、極性基が導入された顔料誘導体を顔料表面に吸着させ、これを分散剤の吸着点として用いることで、顔料を微細な粒子として顔料分散液中又は着色硬化性組成物中に分散させ、その再凝集を防止することができる。その結果、この着色硬化性組成物は、コントラストが高く、透明性に優れたカラーフィルタを形成する際に好ましく用いることができる。
顔料の分散方法としては、例えば、顔料と分散剤を混合してホモジナイザー等で予め分散しておいたものを、ジルコニアビーズ等を用いたビーズ分散機(例えばGETZMANN社製のディスパーマット)等を用いて微分散させる方法が用いられる。
分散時間としては、3時間〜6時間程度が好適である。
なお、前記したように着色剤として染料と顔料とを併用する場合には、顔料分散液と溶剤に溶解した染料とを混合して用いてもよく、顔料分散剤に染料を混合して用いてもよい。
本発明の着色硬化性組成物は(B)光重合性化合物を含有する。
この光重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましく、中でも、4官能以上のアクリレート化合物がより好ましい。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
また、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性化合物を得ることができる。市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」 (新中村化学社製、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
また、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類も好適であり、市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO−756、カルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO−1382及びTO−2349などが挙げられる。
光重合性化合物の着色硬化性組成物中における含有量としては、全固形量中、5質量%〜50質量%であることが好ましく、7質量%〜40質量%であることがより好ましく、10質量%〜35質量%であることが更に好ましい。
本発明の着色硬化性組成物は(C)光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤としては、例えば、特開平57−6096号公報に記載のハロメチルオキサジアゾール、特公昭59−1281号公報、特開昭53−133428号公報等に記載のハロメチル−s−トリアジン等活性ハロゲン化合物、米国特許第4318791号、欧州特許出願公開第88050号の各明細書に記載のケタール、アセタール、又はベンゾインアルキルエーテル類等の芳香族カルボニル化合物、米国特許第4199420号明細書に記載のベンゾフェノン類等の芳香族ケトン化合物、仏国特許発明第2456741号明細書に記載の(チオ)キサントン類又はアクリジン類化合物、特開平10−62986号公報に記載のクマリン類又はロフィンダイマー類等の化合物、特開平8−015521号公報等のスルホニウム有機硼素錯体等、等を挙げることができる。
また、これらの光重合開始剤を併用することもできる。
以下、本発明の着色硬化性組成物は、前述の(A)〜(D)成分以外に、目的に応じて、バインダーポリマー(アルカリ可溶性樹脂)、溶剤等の公知の添加剤を含んでいてもよい。
以下、本発明の着色硬化性組成物に添加しうる公知の添加剤について説明する。
本発明の着色硬化性組成物には、バインダーポリマーとしてアルカリ可溶性樹脂を含んでいてもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。このうち、更に好ましくは、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものである。
この他、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合したもの等も有用なものとして挙げられる。該ポリマーは任意の量で混合して用いることができる。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
本発明の着色硬化性組成物には、必要に応じて、溶剤を含有させることができる。
溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン、等が挙げられる。
溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、これらの溶剤は、前述の顔料分散液を調製する際に用いてもよい。
本発明の着色硬化性組成物には、必要に応じて、熱重合開始剤、熱重合成分、熱重合防止剤、その他充填剤、上記のアルカリ可溶性樹脂以外の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの各種添加物を含有することができる。
本発明の着色硬化性組成物には、熱重合開始剤を含有させることも有効である。
熱重合開始剤としては、例えば、各種のアゾ系化合物、過酸化物系化合物が挙げられ、前記アゾ系化合物としては、アゾビス系化合物を挙げることができ、前記過酸化物系化合物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどを挙げることができる。
本発明の着色硬化性組成物には、皮膜強度を向上させるために、熱重合成分を含有させることも有効である。
熱重合成分としては、エポキシ化合物が用いられる。エポキシ化合物は、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などのエポキシ環を分子中に2個以上有する化合物である。
具体的には、例えば、ビスフェノールA型としては、エポトートYD−115、YD−118T、YD−127、YD−128、YD−134、YD−8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上東都化成製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上ナガセ化成製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上ダイセル化学製)の他に、これらの類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型も挙げることができる。またEbecryl 3700、3701、600(以上ダイセルユーシービー製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。
ビフェニル型としては3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニルなど、
脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上ダイセル化学製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上東都化成製)などを挙げることができる。
また、1,1,2,2−テトラキス(p−グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(p−グリシジルオキシフェニル)メタン、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、o−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
本発明の着色硬化性組成物には、熱重合防止剤を添加してもよい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
本発明の着色硬化性組成物は、(A)着色剤、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)特定共重合体(好ましくは溶剤と共に)に加え、任意の成分を混合し、各種の混合機、分散機を使用して混合分散する混合分散工程を経ることによって調製することができる。特に、(A)着色剤が顔料である場合には、予め顔料分散液を調製し、これを用いることが好ましい。
なお、混合分散工程は、混練分散とそれに続けて行なう微分散処理からなるのが好ましいが、混練分散を省略することも可能である。
顔料と水溶性有機溶剤と水溶性無機塩類との混合物を、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸若しくは2軸の押出機等の混練機を用いて、強い剪断力を与えながら顔料を摩砕した後、この混合物を水中に投入し、攪拌機等でスラリー状とする。次いで、このスラリーをろ過、水洗し、水溶性有機溶剤と水溶性無機塩を除去した後、乾燥し、微細化された顔料が得られる。なお、この顔料を微細化する処理は省くことも可能である。
なお、混練、分散についての詳細は、T.C.Patton著”Paint Flow and Pigment Dispersion”(1964年 John Wiley and Sons社刊)等に記載されている。
そして、上記のようにして得られた顔料分散液に、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)特定共重合体、及び任意の成分を添加した後、混合分散工程を経ることによって、本発明の着色硬化性組成物を得ることができる。
本発明の着色パターンは、前述の本発明の着色硬化性組成物により形成されたことを特徴とする。
得られた着色パターンは、塗布に起因する面状劣化を抑制し、且つ、欠陥の少ない着色膜を形成することができる。その結果、本発明の着色パターンは、カラーフィルタの画素部などに適用することができる。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に、前述の本発明の着色硬化性組成物を、スピンコート法、スリット・アンド・スピン法、又はダイコート法で塗布する工程を含む着色パターンの形成工程を有することを特徴とする。
以下、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法(本発明のカラーフィルタの製造方法)を通じて詳述する。
上記の方法により、液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタを、プロセス上の困難性が少なく、高品質でかつ低コストに作製することができる。
以下、塗布、露光、及び現像の各工程について説明する。
塗布工程では、本発明の着色硬化性組成物を、スピンコート法、スリット・アンド・スピン法、又はダイコート法を用いて基板上に塗布する。
塗布工程では、本発明の着色硬化性組成物を、スピンコート法、スリット・アンド・スピン法、又はダイコート法を用いて基板上に塗布する。
スリット・アンド・スピン法や、ダイコート法の場合、塗布基板の大きさによって条件は異なるが、例えば、ダイコート法により第五世代のガラス基板(1100mm×1250mm)を塗布する場合、スリットノズルからの着色硬化性組成物の吐出量は、通常、500〜2000マイクロリットル/秒、好ましくは800〜1800マイクロリットル/秒であり、また、塗工速度は、通常、50〜300mm/秒、好ましくは100〜200mm/秒である。着色硬化性組成物の固形分としては通常、10〜20%、好ましくは13〜18%である。
また、スピンコート法により第3.5世代のガラス基板720mm×600mmを塗布する場合、ノズルからの着色硬化性組成物の吐出量は通常40〜50ccであり、塗布回転数は500〜1000rpmである。着色硬化性組成物の固形分としては通常15〜25%、好ましくは18〜22%である。
本発明における基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えば、シリコン基板等、並びにプラスチック基板が挙げられる。これらの基板上には、通常、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていたり、密着促進等のために透明樹脂層を設けたりしていてもよい。
プラスチック基板には、その表面にガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。
なお、このようなTFT方式液晶駆動用基板上に、本発明の着色硬化性組成物により着色パターンを形成する場合、露光の際に使用されるフォトマスクには、画素を形成するためのパターンのほか、スルーホール或いはコの字型の窪みを形成するためのパターンも設けられていることが好ましい。
プリベーク処理は、ホットプレート、オーブン等を用いて50〜140℃(好ましくは70〜110℃)の温度範囲で、10〜300秒の条件にて行なうことができる。ここでこのプリベーク処理には高周波処理などを併用してもよい。なお、高周波処理は単独でも使用可能である。
露光工程では、基板上に光硬化性の塗布膜が形成された後、該塗布膜に対して所定のマスクパターンを介して露光を行う。
この際、使用する放射線としては、特にg線、h線、i線、j線等の紫外線が好ましい。なお、液晶表示装置用のカラーフィルタを製造する際には、プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション露光機で、主としてh線、i線を使用した露光が行われることが好ましい。
現像工程では、露光後の未硬化部を現像液に溶出させ、硬化分のみを残存させる。
現像温度としては、通常20〜30℃であり、現像時間としては20〜90秒である。
また、現像液としては、未硬化部における光硬化性の着色硬化性組成物の塗膜を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
前記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。アルカリ性水溶液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
また、基板を傾斜させて現像することもできる。
リンス工程は、通常は、純水で行うが、省液のために、最終洗浄で純水を用い、洗浄はじめは使用済の純水を使用したり、基板を傾斜させて洗浄したり、超音波照射を併用したりできる。
前記ブラックマトリックスは、顔料としてカーボンブラック、チタンブラックなどの黒色顔料を用いた本発明における顔料分散液を露光、現像し、その後、必要に応じて更にポストベークして膜の硬化を促進させることで形成できる。
本発明の液晶表示素子は、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示素子である。
より具体的には、本発明のカラーフィルタの内面側に配向膜を形成し、電極基板と対向させ、間隙部に液晶を満たして密封することにより、本発明の液晶表示素子であるパネルが得られる。
フタロジニトリル、塩化亜鉛を原料として亜鉛フタロシアニンを製造した。
ハロゲン化は、塩化スルフリル3.1部、無水塩化アルミニウム3.7部、塩化ナトリウム0.46部、亜鉛フタロシアニン1部を40℃で混合し、臭素2.2部を滴下して行った。80℃で15時間反応し、その後、反応混合物を水に投入し、部分臭素化亜鉛フタロシアニン粗顔料を析出させた。この水性スラリーを濾過し、80℃の湯洗浄を行い、90℃で乾燥させ、2.6部の精製された部分臭素化亜鉛フタロシアニン粗顔料を得た。
得られた部分臭素化亜鉛フタロシアニン顔料は、質量分析によるハロゲン含有量分析から、平均組成はZnPcBr10Cl4H2で(Pc;フタロシアニン)、1分子中に平均10個の臭素を含有するものであった。
なお、透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製JEM−2010)で測定した一次粒径の平均値は0.065μmであった。
ポリエステル樹脂(i−1)の合成
n−オクタン酸6.4g、ε−カプロラクトン200g、チタン(IV)テトラブトキシド5gを混合し、160℃で8時間加熱した後、室温まで冷却しポリエステル樹脂(i−1)を得た。
スキームを以下に示す。
樹脂(J−1)の合成
ポリエチレンイミン(SP−018、数平均分子量1,800、日本触媒製)10g及び前記ポリエステル樹脂(i−1) 100gを混合し、120℃で3時間加熱して、中間体(J−1B)を得た。その後、65℃まで放冷し、無水コハク酸 3.8gを含有するプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート(以下、PGMEAとよぶ)200gをゆっくり添加し2時間攪拌した。その後、PGMEAを添加し、樹脂(J−1)のPGMEA10質量%溶液を得た。樹脂(J−1)は、ポリエステル樹脂(i−1)由来の側鎖と無水コハク酸由来のカルボキシ基を有するものである。
合成スキームを以下に示す。
直径0.5mmのジルコニアビーズを仕込んだ五十嵐機械製造社製高速分散機「TSC−6H」に、前記で得た部分臭素化亜鉛フタロシアニン顔料(PG58と称する) 14.9部、ビックケミー社製アクリル系分散剤「BYK−2001」 7.1部、PGMEA 78部を仕込み、毎分2000回転で8時間攪拌して、部分臭素化したハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の分散液(緑色顔料PG58の分散液)を調製した。
顔料としてC.I.ピグメントイエロー150(PY150)を15部(平均粒子径60nm)、前記樹脂(J−1)7.5部、PGMEA77.5部を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.3mm)により3時間混合・分散して、黄色顔料PY150の分散液を調製した。
・黄色顔料PY150の分散物 … 11.20部
・ジペンタエリスリトールヘキサヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物とジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸誘導体の混合物(商品名:TO−1382(M−520) 東亜合成製) … 3.94部
・光重合開始剤:エタノン、1−[9−エチル−6−(2メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−、1−(Oアセチルオキシム)(商品名:IRGACURE OXE02 チバ) … 1.086部
・アリルメタクリレート/メタクリル酸(=80/20[モル比])共重合体(重量平均分子量:30,000) … 1.186部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 25.36部
・酸化防止剤(商品名:LA−52 アデカ) … 0.080部
・特定フッ素系界面活性剤(前記例示化合物:W−1) …0.017部
・3−エトキシエチルプロピオネート … 24.60部
参考例1において、用いた参考フッ素系界面活性剤(前記例示化合物:W−1) 0.017部を、表1及び表2に示す特定又は参考フッ素系界面活性剤(何れも前記例示化合物)及び使用量に変更した以外は、参考例1と同様にして、実施例3〜5、8〜17、22〜25、参考例2、6、7、18〜21の着色硬化性組成物(カラーレジスト液)を調製した。
参考例1において、参考フッ素系界面活性剤(前記例示化合物:W−1)を、下記に示す比較フッ素系界面活性剤:比較化合物W−aに変更した以外は、参考例1と同様にして、比較例1の着色硬化性組成物(カラーレジスト液)を調製した。
参考例1において、参考フッ素系界面活性剤(前記例示化合物:W−1)を、下記に示す比較フッ素系界面活性剤:比較化合物W−bに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の着色硬化性組成物(カラーレジスト液)を調製した。
参考例1において、参考フッ素系界面活性剤(前記例示化合物:W−1)を、下記に示す比較フッ素系界面活性剤:比較化合物W−cに変更した以外は、参考例1と同様にして、比較例3の着色硬化性組成物(カラーレジスト液)を調製した。
参考例1において、参考フッ素系界面活性剤(前記例示化合物:W−1) 0.017部を、下記に示す比較フッ素系界面活性剤:比較化合物W−d 0.020部に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の着色硬化性組成物(カラーレジスト液)を調製した。
参考例1において、参考フッ素系界面活性剤(前記例示化合物:W−1) 0.017部を、下記に示す比較フッ素系界面活性剤:比較化合物W−e 0.020部に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例5の着色硬化性組成物(カラーレジスト液)を調製した。
参考例1において、参考フッ素系界面活性剤(前記例示化合物:W−1)を、下記に示す比較フッ素系界面活性剤:比較化合物W−fに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例6の着色硬化性組成物(カラーレジスト液)を調製した。
参考例1において、参考フッ素系界面活性剤(前記例示化合物:W−1)を、下記に示す比較フッ素系界面活性剤:比較化合物W−gに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例7の着色硬化性組成物(カラーレジスト液)を調製した。
参考例1において、参考フッ素系界面活性剤(前記例示化合物:W−1)を、下記に示す比較フッ素系界面活性剤:比較化合物W−hに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例8の着色硬化性組成物(カラーレジスト液)を調製した。
比較例3において、比較フッ素系界面活性剤(前記比較化合物W−c)の使用量を0.025部に変更した以外は、比較例3と同様にして、比較例9の着色硬化性組成物(カラーレジスト液)を調製した。
比較例3において、比較フッ素系界面活性剤(前記比較化合物W−c)の使用量を0.220部に変更した以外は、比較例3と同様にして、比較例9の着色硬化性組成物(カラーレジスト液)を調製した。
−1.塗布スジ及び乾燥ムラの評価−
(1−1.550mm×650mmのガラス基板)
各実施例及び比較例で調製した着色硬化性組成物(カラーレジスト液)の各々を、550mm×650mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、スリットダイにより、塗布速度100mm/s、塗布ギャップ100μm、塗布流速1.3ml/sの条件で、ウエット厚みが25μmとなるように塗布した後、減圧乾燥チャンバーにて到達圧力0.5Torrにて真空乾燥して、基板上に着色膜を形成した。この乾燥した着色膜を有する基板をNaランプ及び白色灯にて観察し、着色膜の塗布スジ及び乾燥ムラを以下の基準で評価した。その結果を表1及び表2に示す。本評価結果は、表中に「塗布スジ」、「乾燥ムラ」の項目にて記載した。
各実施例及び比較例で調製した着色硬化性組成物(カラーレジスト液)の各々を、2,880mm×3,080mmのガラス基板(大型基板)上に、スリットダイにより、塗布速度150mm/s、塗布ギャップ100μm、塗布流速1.8ml/sの条件で、ウエット厚みが25μmとなるように塗布した後、乾燥して、基板上に着色膜を形成し、同様にして着色膜の塗布スジ及び乾燥ムラを以下の基準で評価した。その結果を表1及び表2に示す。本評価結果は、表中に「大型基板塗布スジ」、「大型基板乾燥ムラ」の項目にて記載した。
○:塗布スジが無い。
△:周端部に僅かな塗布スジがある。
×:周端部及び中心部に塗布スジがある。
○:乾燥ムラ(干渉縞)が全く観察されない。
△:わずかに観察されるが許容範囲である。
×:許容範囲を超える乾燥ムラ(干渉縞)が観察される。
ウエット厚みが25μmとなるように塗布し、減圧乾燥チャンバーにて真空乾燥する前の基板を、90℃のオーブンで90秒間乾燥させた(プリベーク)。その後、塗布した箇所の全面に50mJ/cm2にて(照度20mW/cm2)露光し、露光後の塗布膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて覆い、60秒間静止した。静止後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。更に、上記のように露光及び現像処理が施された塗布膜を220℃のオーブンで1時間加熱処理し(ポストベーク)、ガラス基板上にカラーフィルタ構成用の着色樹脂被膜を形成し、着色フィルタ基板(カラーフィルタ)を作製した。
得られたカラーフィルタに実施例3と同様の着色硬化性組成物をスリットダイにより塗布速度100mm/s、塗布ギャップ100μm、塗布流速1.3ml/sの条件で、ウエット厚みが25μmとなるように塗布して、塗布後の面状をナトリウムランプ及び光学顕微鏡にて観察し、画像欠陥(塗布ハジキ)を以下の基準で評価した。その結果を表1及び表2に示す。
○:画像欠陥がない。
△:画像欠陥はないが、面状に僅かな凹凸は確認される。
×:画像欠陥が僅かでも観察される。
各実施例及び比較例で調整した着色硬化性組成物塗布液を、それぞれ、100mm×100mmのガラス基板(EAGLE2000、コーニング社製)に、乾燥膜厚2μm(ウェット厚み11μm)となるようにスピン塗布し、減圧乾燥チャンバーにて到達真空度0.5Torrとなるように真空乾燥した。
この乾燥した基板をホットプレートにて80℃×120secで乾燥させた後、40mJ/cm2にて全面露光した後、コンベクションオーブンで230℃×40分のポストベークを行った。完成した塗膜を基板より剥離した後、9mgを液晶(メルク社製MLC−6608)2gに混入し、120℃×5時間加熱した後に超微小電流計((株)エーディーシー製デジタル超高抵抗/微小電流計 8340A)を用いて液晶比抵抗を測定した。評価結果は以下の通りで判定した。
○:比抵抗が、1.0×1012[Ω・cm]以上である
△:比抵抗が、1.0×1011以上1.0×1012[Ω・cm]未満である
×:比抵抗が、1.0×1011[Ω・cm]未満である
一般的に、液晶比抵抗は高い数値を示した方が、液晶に対する汚染度が低く、パネルの信頼性という面で優れている。なお、液晶そのものの比抵抗は一般に1.0×1013[Ω・cm]前後である。
Claims (7)
- (A)着色剤、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)下記一般式(1)で表される繰り返し単位A0及び繰り返し単位Bを含み、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が1000以上10000以下である共重合体、を含有する着色硬化性組成物。
(一般式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、R0は炭素数が1以上4以下のアルキレン基を表す。Lは下記一般式(2)又は一般式(3)で表されるアルキレン基を表し、R3は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。p及びqは、それぞれ繰り返し単位A0及び繰り返し単位Bの重合比を表す質量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表す。rは1以上18以下の整数を表し、nは1以上10以下の整数を表す。)
(一般式(2)及び一般式(3)中、R 4 は、エチル基を表す。)
- 前記一般式(1)における繰り返し単位A0が、下記繰り返し単位Aである請求項1に記載の着色硬化性組成物。
(前記繰り返し単位A中、R1は水素原子又はメチル基を表す。pは繰り返し単位Aの重合比を表す質量百分率であり、10質量%以上80質量%以下の数値を表す。nは1以上10以下の整数を表す。) - 前記(D)共重合体の重量平均分子量が1500以上5000以下である請求項1又は請求項2に記載の着色硬化性組成物。
- 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の着色硬化性組成物により形成された着色パターン。
- 基板上に、請求項4に記載の着色パターンを備えるカラーフィルタ。
- 基板上に、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の着色硬化性組成物を、スピンコート法、スリット・アンド・スピン法、又はダイコート法で塗布する着色層形成工程と、形成された着色層をパターン状に露光し、現像して着色パターンを形成する着色パターン形成工程と、を有するカラーフィルタの製造方法。
- 請求項5に記載のカラーフィルタを用いた液晶表示素子。
Priority Applications (4)
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