JP2010134137A - カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上に、該基板側から順に、少なくとも1色の着色層と、表面粗さ(Ra)が0.5nm以上2.5nm以下であり、結晶子の平均短径が15nm以上35nm以下である透明導電膜と、を有するカラーフィルタである。
【選択図】なし
Description
例えば、液晶表示装置(液晶ディスプレイ;LCD)用カラーフィルタについては、液晶ディスプレイがTV用途として用いられるようになり、従来のノートパソコン、モニター用途のものに比し、より高品位な画質が求められている。また、大型TV生産のため基板サイズが拡大しており、歩留まりの向上やコスト削減の要求が大きくなっている。
透明導電膜を形成する技術については、これまでに種々の検討がなされている。
例えば、STN(Super Twisted Nematic)方式の液晶表示装置とした際の、ディスクリネーションラインに基づく「ざらつき」を抑制するために、配向膜の下地膜である透明導電膜の表面粗さを1.4〜2.8nmとする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、抵抗が低い透明導電膜を有し、コントラストに優れたカラーフィルタ及びその製造方法、並びに、パネルコントラストに優れ表示品質に優れた液晶表示装置を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下のとおりである。
<1> 基板上に、該基板側から順に、少なくとも1色の着色層と、表面粗さ(Ra)が0.5nm以上2.5nm以下であり、結晶子の平均短径が15nm以上35nm以下である透明導電膜と、を有するカラーフィルタである。
<3> 前記透明導電膜が、酸化インジウムスズを含む<1>又は<2>に記載のカラーフィルタである。
<6> 前記第2スパッタにおける流量比〔酸素流量/アルゴン流量〕が、前記第1スパッタにおける流量比〔酸素流量/アルゴン流量〕より小さい<4>又は<5>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<7> 前記透明導電膜は、表面抵抗が5Ω/□以上30Ω/□以下である<4>〜<6>のいずれか1つに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<8> 前記透明導電膜が、酸化インジウムスズを含む<4>〜<7>のいずれか1つに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<10> 前記着色層形成工程は、(a)顔料と、(b)顔料分散剤と、(c)バインダー樹脂と、(d)光重合性モノマーと、(e)光重合開始剤と、(f)溶剤と、(g)フッ素系界面活性剤と、(h)前記(g)とは異なり、ポリ(オキシエチレン)基と窒素原子とを分子中に含有するノニオン系界面活性剤と、を含有する着色感光性樹脂組成物を用いて前記少なくとも1色の着色層を形成する<4>〜<9>のいずれか1つに記載のカラーフィルタの製造方法である。
本発明のカラーフィルタは、基板上に、該基板側から順に、少なくとも1色の着色層と、表面粗さ(Ra)が0.5nm以上2.5nm以下であり、結晶子の平均短径が15nm以上35nm以下である透明導電膜と、を有する。
カラーフィルタを上記本発明の構成とすることにより、カラーフィルタ全体としてのコントラストが向上する。更に、上記構成とすることにより、透明導電膜の抵抗を低減できる。
本発明において、「カラーフィルタのコントラスト」は、以下のようにして求められる値を指す。
即ち、カラーフィルタを2枚の偏光板の間に配置し、2枚の偏光板の偏光軸を平行にした時の透過光の輝度と、2枚の偏光板の偏光軸を互いに直交させた時の透過光の輝度と、をそれぞれ測定し、それらの比〔平行時の輝度/直交時の輝度〕をカラーフィルタのコントラストとする。
本発明のカラーフィルタは、着色層上に、表面粗さ(Ra)が0.5nm以上2.5nm以下であり、結晶子の平均短径が15nm以上35nm以下である透明導電膜を有する。
このような透明導電膜を形成する方法については特に限定はなく公知の成膜方法を用いることができ、例えば、スパッタリングにより好適に形成できる。特に好ましい形成方法については、後述のカラーフィルタの製造方法の項で詳述する。
中でも、本発明における透明導電膜としては、酸化インジウムスズ(ITO)を含む膜であることが、高透明性および低抵抗の点で好ましい。
酸化インジウムスズ(ITO)を含む膜における酸化スズの添加量は、5〜15質量%の範囲が、抵抗値を小さくするためには好ましく、8〜12質量%がさらに好ましい。
2層以上の構成の場合、前記第1透明導電膜及び前記第2透明導電膜を含む透明導電膜全体としては、積層構造を明確に認識できる状態となっていてもよいし、層同士の界面が混ざり合って積層構造を明確に認識できない状態となっていてもよい。
また、2層以上の構成の場合、各層同士は、同一組成であっても異なる組成であってもよい。
前記透明導電膜の表面抵抗(2層以上の場合には該2層以上の膜全体としての表面抵抗)は、5Ω/□以上30Ω/□以下が好ましく、5Ω/□以上20Ω/□以下がより好ましい。
本発明における透明導電膜は、表面粗さ(Ra)が0.5nm以上2.5nm以下である。
本発明において、表面粗さ(Ra)は、JIS B0601(1994)に規定されている算術平均粗さ(Ra)を指す。本発明における表面粗さ(Ra)は、以下の条件で測定された値を指す。
〜表面粗さ(Ra)の測定条件〜
測定装置 … AFM装置(ナノワールド社製ナノスコープIIIa)
探針 … 単結晶シリコン
測定条件 … バネ定数45N/m、タッピングモード、フレームサイズ1μm
また、表面粗さ(Ra)が0.5nm未満の透明導電膜は、実用上形成が困難である。
カラーフィルタのコントラストをより向上させる観点からは、前記表面粗さ(Ra)は、0.5nm以上1.5nm以下が好ましい。
本発明における透明導電膜は、結晶子の平均短径が15nm以上35nm以下である。
本発明において「結晶子の平均短径」は、以下のようにして求められた値を指す。
即ち、まず、(株)日立ハイテクノロジーズ製電子顕微鏡S−4800を用いて、10万倍の倍率で透明導電膜の写真を撮影する。撮影された写真より、10個の結晶子の短径をそれぞれ測定し、10個の測定値の平均値を求める。得られた平均値が、本発明における「結晶子の平均短径」である。
結晶子の平均短径が35nmを超えると、カラーフィルタのコントラストが低下する。
コントラストをより向上させ、透明導電膜の抵抗を低減する観点からは、結晶子の平均短径は、15nm以上30nm以下であることが好ましい。
本発明のカラーフィルタは、基板上に、少なくとも1色の着色層を有する。
本発明の着色層の材質には特に限定はないが、例えば、後述の着色感光性樹脂組成物を用いて作製できる。
ここで、着色画素は、例えば、格子状パターンであるブラックマトリクスにより区画された基板上の画素部に設けられることが好ましい。前記着色画素は、一画素毎(一画素領域)に孤立状パターン(「アイランド状パターン」、「島状パターン」ともいう)としてパターニングされていてもよいし、直線状に配列された複数画素にまたがって、棒状パターン(「連続パターン」、「ストライプ状パターン」ともいう)としてパターニングされていてもよい。
本発明のカラーフィルタは前述のとおり、ブラックマトリクスを備えていてもよい。
ここで、ブラックマトリクスとしては、基板上を複数の画素領域に区画する格子状パターンや、ストライプ状パターンの形態が好適である。
前記ブラックマトリクスとしては、例えば、濃色樹脂組成物を用いて形成されたブラックマトリクス(樹脂ブラックマトリクス)を用いることができる。
なお、ここで言う光学濃度とは、ISO Visual透過光学濃度をいう。ISO Visual透過光学濃度の測定に用いることができる測定器としては、例えば、サカタインクスエンジニアリング株式会社のX−Rite 361T(V)を挙げることができる。
該膜厚が0.5μm以上であれば、OD値をより高くすることができる。また、該膜厚が2.0μm以下であれば、着色層との境界付近の段差をより低減ことができ、液晶表示装置としたときの配向不良をより低減でき、液晶表示装置としたときのコントラストをより向上できる。
本発明のカラーフィルタにおける基板としては、例えば、液晶表示装置等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス等;固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板(例えばシリコン基板等);プラスチック基板等が挙げられる。これらの基板上には、下塗り層等が設けられていてもよい。
また、前記基板として、薄膜トランジスタ(TFT)が配置されたTFT基板を用いることもできる(この場合、本発明のカラーフィルタは、カラーフィルタ・オン・アレイ(COA)基板となる)。
プラスチック基板には、その表面にガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を設けることができる。
本発明のカラーフィルタは上述した要素(透明導電膜、着色層、ブラックマトリクス、基板)以外にも、フォトスペーサー、配向制御用突起パターン、下塗り層等、公知の要素を有して構成されていてもよい。
また、前記カラーフィルタにおける着色パターン(着色画素)の色は、前述のとおり、3色以上であることがより好ましい。中でも、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色であることが特に好ましい。
また、本発明のカラーフィルタは、テレビ、パーソナルコンピューター、産業用や医療用等のモニター、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなど、種々の用途の表示装置に適用できる。
前述の本発明のカラーフィルタを製造する方法については特に限定はないが、例えば、下記本発明のカラーフィルタの製造方法を用いて好適に作製できる。
即ち、本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に少なくとも1色の着色層を形成する着色層形成工程と、前記少なくとも1色の着色層上に、基板温度100℃以上160℃以下の条件下で行う第1スパッタ、及び、前記第1スパッタより後に基板温度180℃以上240℃以下の条件下で行う第2スパッタにより、表面粗さ(Ra)が0.5nm以上2.5nm以下であり結晶子の平均短径が15nm以上35nm以下である透明導電膜を形成する透明導電膜形成工程と、を有して構成される。
カラーフィルタの製造方法を上記本発明の構成とすることにより、透明導電膜形成時の着色層のコントラストの低下を抑制できるので、コントラストが高いカラーフィルタを得ることができる。更に、抵抗が低い透明導電膜を得ることができる。
上記着色層のコントラストの低下は、比率〔(透明導電膜形成後のカラーフィルタのコントラスト(C2)/透明導電膜形成前の着色層付き基板のコントラスト(C1))×100(%)〕を測定することにより確認することができ、この比率が、100%に近いほど着色層のコントラストの劣化が少なく、良好である。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法の各工程について説明する。
本発明における透明導電膜形成工程は、着色層上に、少なくとも、基板温度100℃以上160℃以下の条件下で行う第1スパッタ、及び、前記第1スパッタより後に基板温度180℃以上240℃以下の条件下で行う第2スパッタにより、表面粗さ(Ra)が0.5nm以上2.5nm以下であり結晶子の平均短径が15nm以上35nm以下である透明導電膜を形成する工程である。
本発明における透明導電膜形成工程は、第1スパッタ及び第2スパッタに加え、その他のスパッタやその他の処理を行ってもよい。
本発明における透明導電膜形成工程では、前記第1スパッタにより下層側(基板に近い側)に第1透明導電膜が形成され、前記第2スパッタにより上層側(基板から離れた側)に第2透明導電膜が形成される。そして、前記第1透明導電膜及び前記第2透明導電膜を含む全体の透明導電膜として、表面粗さ(Ra)が0.5nm以上2.5nm以下であり結晶子の平均短径が15nm以上35nm以下である透明導電膜が形成される。
また、前記第1透明導電膜と前記第2透明導電膜とは同一組成であっても異なる組成であってもよい。
前記第1スパッタは、基板温度100℃以上160℃以下の条件下で行うスパッタである。これにより、第1透明導電膜が形成される。
本発明において、第1スパッタにおける基板温度及び第2スパッタにおける基板温度は、日本シンテック株式会社製プロセス温度プロファイラー Super M.O.L.E Gold に熱電対(K)を接続し、これらを耐熱テープで基板に固定してスパッタ装置内を通過させ、取り出して、データを読み出すことにより測定された値を指す。
前記第1スパッタにおける基板温度が160℃を超えると、透明導電膜形成による着色層の劣化(即ちコントラストの低下)が著しくなり、ひいてはカラーフィルタ全体としてのコントラストが低下する。
カラーフィルタのコントラストをより向上させ、透明導電膜の抵抗をより低減させる観点等からは、前記第1スパッタの基板温度は、110℃以上140℃以下がより好ましい。
このとき、酸素の流量としては、抵抗を低く抑え、かつ着色も低く抑える観点から、10〜60sccmが好ましく、20〜45sccmがより好ましい。
また、アルゴンの流量としては、スパッタ効率を高くする観点から、300〜800sccmが好ましく、400〜600sccmがより好ましい。
前記第1のスパッタにおける流量比〔酸素流量/アルゴン流量〕は、0.04以上0.15以下が好ましく、0.05以上0.10以下がより好ましい。
例えば、本発明において「1sccm」は、1013.25hPa(1気圧)、0℃における気体の流量が、1cm3/minに相当することをいう。
前記第2スパッタは、前記第1スパッタより後に基板温度180℃以上240℃以下の条件下で行うスパッタである。即ち、第1スパッタにより形成された第1透明導電膜上に、第2スパッタにより第2透明導電膜を基板温度180℃以上240℃以下の条件下で形成する工程である。
前記第2スパッタは、前記第1スパッタより後に行う限り、具体的形態には特に限定はない。例えば、第1スパッタ後、第1透明導電膜が形成された基板を大気圧に晒すことなく、連続的に前記第2スパッタを行っても良いし、第1スパッタ後、第1透明導電膜が形成された基板を大気圧に晒した後、前記第2スパッタを行っても良い。
前記第2スパッタにおける基板温度が180℃未満であると、透明導電膜の抵抗が高くなる傾向がある。
前記基板温度が240℃を超えると、透明導電膜形成による着色層の劣化(即ちコントラストの低下)が著しくなり、ひいてはカラーフィルタ全体としてのコントラストが低下する。
このとき、酸素の流量としては、抵抗を低く抑え、かつ着色も低く抑える観点から、10〜60sccmが好ましく、20〜45sccmがより好ましい。
また、アルゴンの流量としては、スパッタ効率を高くする観点から、300〜800sccmが好ましく、400〜600sccmがより好ましい。
前記第2のスパッタにおける流量比〔酸素流量/アルゴン流量〕は、0.04以上0.15以下が好ましく、0.05以上0.10以下がより好ましい。
本発明における透明導電膜形成工程(第1スパッタ及び第2スパッタ)は、RFマグネトロンスパッタリング法やDCマグネトロンスパッタリング法等を特に制限無く用いることができる。
また、前記第1スパッタと前記第2スパッタとを同一のスパッタ装置で行う場合、前記第1スパッタと前記第2スパッタとを同一のスパッタ室で行ってもよいし、これらを別々のスパッタ室で行ってもよい。
中でも、複数枚の基板に対し、透明導電膜を効率よく形成する観点からは、前記第1スパッタと前記第2スパッタとを、同一のスパッタ装置の別々のスパッタ室で行うことが好ましい。
スパッタ装置の具体的な構成については、積層膜を形成するためのスパッタ装置の構成として、当該技術分野において公知の構成を適用できる。
前記第1スパッタ室の温度は、第1スパッタ中の基板温度が100℃以上160℃以下となるように調整しておき、前記第2スパッタ室の温度は、第2スパッタ中の基板温度が180℃以上240℃以下となるように調整しておくことができる。温度調整機構は、公知のインライン式スパッタ装置の温度調整機構を特に制限無く用いることができる。
ここで、前記第1スパッタ室及び前記第2スパッタ室のそれぞれは、一室のみであってもよいし、二室以上であってもよい。
また、前記第1スパッタ室及び前記第2スパッタ室の少なくとも一方の上流側や、前記第2スパッタ室の下流側に、基板温度調節室や待機室(バッファ室)が設けられていてもよい。
前記第1スパッタ室の温度は、第1スパッタ中の基板温度が100℃以上160℃以下となるように調整しておき、前記第2スパッタ室の温度は、第2スパッタ中の基板温度が180℃以上240℃以下となるように調整しておくことができる。温度調整機構は、公知の枚葉式スパッタ装置の温度調整機構を特に制限無く用いることができる。
また、好ましいスパッタリングターゲットとして、例えば、日鉱金属(株)や三井金属鉱業(株)から提供されている、酸化スズを10質量%含む酸化インジウムターゲット(密度7.1〜7.2g/cm3、純度99.9〜99.99%、In2O3(90±0.5質量%−SnO2(10±0.5質量%))を挙げることができる。
前記着色層形成工程は、基板上に少なくとも1色の着色層を形成する工程である(以下、着色層が形成された基板を、「着色層付き基板」ともいう)。
前記着色層を形成する方法には特に限定はないが、例えば、着色感光性樹脂組成物を基板上に塗布して作製できる。
前記着色層形成工程において形成する着色層の詳細については、前述の本発明のカラーフィルタの項で説明したとおりである。
具体的には、前記透明導電膜形成工程前における前記着色層付き基板のコントラストが5000以上(より好ましくは10000以上)であることが好ましい。
このような高いコントラストを有する着色層は、例えば、後述する着色感光性樹脂組成物を用いることで容易に形成できる。
例えば、基板上に(例えば、格子状のブラックマトリクスが形成された基板のブラックマトリクス形成面側に)、着色感光性樹脂組成物を用いて着色感光性樹脂組成物層を形成し(例えば、公知の塗布方法や転写方法により形成し)、形成された着色感光性樹脂組成物層をパターン露光し、パターン露光された着色感光性樹脂組成物層を現像することにより形成できる。
前記パターン露光前の着色感光性樹脂組成物層に加熱処理(プリベーク)を施してもよいし、現像後の着色感光性樹脂組成物層にポスト露光や加熱処理(ポストベーク)を施してもよい。
前記スリットダイコート塗布は、スリット・アンド・スピン法、スリットダイコート塗布法(スピンレス)等のスリットノズルを用いる方法であり、特に好適な方法である。
スリット・アンド・スピン塗布法とスリットダイコート塗布法(スピンレス)は、塗布基板の大きさによって条件は異なるが、例えば第五世代のガラス基板(1100mm×1250mm)を塗布する場合、スリットノズルからの着色感光性樹脂組成物の吐出量は、通常、500〜2000マイクロリットル/秒、好ましくは800〜1500マイクロリットル/秒とすることができ、また塗工速度は、通常、50〜300mm/秒、好ましくは100〜200mm/秒とすることができる。着色感光性樹脂組成物の固形分としては通常、10〜20%、好ましくは13〜18%とすることができる。基板上に本発明の着色感光性樹脂組成物による塗膜を形成する場合、該塗膜の厚み(プリベーク処理後)としては、一般に0.3〜5.0μmとすることができるが、望ましくは0.5〜4.0μm、最も望ましくは0.8〜3.0μmである。
必要に応じ、プリベーク前に真空処理を施すことができる。真空乾燥の条件は、真空度が、通常、0.1〜1.0torr、好ましくは0.2〜0.5torr程度である。
プリベーク処理は、ホットプレート、オーブン等を用いて50〜140℃の温度範囲で、好ましくは70〜110℃程度であり、10〜300秒の条件にて行なうことができる。高周波処理などを併用しても良い。高周波処理は単独でも使用可能である。
この際、使用する放射線としては、特にg線、h線、i線、j線等の紫外線が好ましい。液晶表示装置用のカラーフィルタは、プロキシミティ露光機、ミラープロジェクション露光機で、主としてh線、i線を使用した露光が好ましく、露光量としては5〜300mJ/cm2、より好ましくは10〜150mJ/cm2、さらに好ましくは10〜100mJ/cm2である。
現像液としては、未硬化部における光硬化性の着色感光性樹脂組成物の塗膜を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
前記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。アルカリ性水溶液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
現像方式は、ディップ方式、シャワー方式、スプレー方式などいずれでもよく、これにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせても良い。現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像むらを防ぐこともできる。また基板を傾斜させて現像することもできる。
リンス工程は通常は純水で行うが、省液のために、最終洗浄で純水を用い、洗浄はじめは使用済の純水を使用したり、基板を傾斜させて洗浄したり、超音波照射を併用したりできる。
以上の操作を所望の色相数に合わせて各色毎に順次繰り返し行なうことにより、複数色の着色された硬化膜が形成されてなるカラーフィルタを作製することができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、必要に応じ、透明導電膜形成工程及び着色層形成工程以外のその他の工程(ブラックマトリクス形成工程、フォトスペーサー形成工程、下塗り層形成工程、オーバーコート層形成工程等)を有していてもよい。
上記その他の工程についても、前述の着色層形成工程と同様のフォトリソグラフィの手法を用いて行うことができる。
本発明における着色層は、着色感光性樹脂組成物を用いて形成することができる。
着色感光性樹脂組成物としては、公知のカラーレジストを特に制限無く用いることができるが、透明導電膜形成工程前における着色層付き基板のコントラストを高くし、本発明のカラーフィルタのコントラストをより高くする観点等からは、下記の着色感光性樹脂組成物が好適である。
即ち、本発明における好適な着色感光性樹脂組成物(以下、「特定着色感光性樹脂組成物」ともいう)は、(a)顔料と、(b)顔料分散剤と、(c)バインダー樹脂と、(d)光重合性モノマーと、(e)光重合開始剤と、(f)溶剤と、(g)フッ素系界面活性剤と、(h)前記(g)とは異なり、ポリ(オキシエチレン)基と窒素原子とを分子中に含有するノニオン系界面活性剤と、を含有する。
前記特定着色感光性樹脂組成物は、(a)顔料を少なくとも1種含有する。
前記特定着色感光性樹脂組成物に用いる顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を用いることができる。
顔料は、無機顔料または有機顔料を問わず、高輝度なカラーフィルタを得るために高透過率であることが好ましいことを考慮すると、できるだけ粒子径が小さく微少な粒子サイズの顔料を使用することが好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、好ましくは平均一次粒子径0.01〜0.30μm、より好ましくは0.01〜0.15μmの顔料である。該粒径が前記範囲内であると、透過率が高く、高色純度であると共に、高いコントラストのカラーフィルタを形成するのに有効である。
一次粒子サイズについての、0.02μm未満の一次粒子の割合、および0.08μmを超える一次粒子の割合は、顔料粉体を透過型電子顕微鏡で観察し、個々の一次粒子の長径を測定し、0.02μm未満及び0.08μmを超える顔料の粒子の割合(個数%)を算出することにより得ることができる。より具体的には、顔料粉体を透過型電子顕微鏡で3〜10万倍で観察し、写真を撮り、1000個の一次粒子の長径を測定し、0.02μm未満、及び0.08μmを超える一次粒子の割合を算出する。この操作を顔料粉体の部位を変えて合計で3箇所について行い、結果を平均した。
C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、279、
C.I.Pigment Green 7、10、36、37
C.I.Pigment Blue 1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66、79、79のCl置換基をOHに変更したもの、80
C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、32、37、42
C.I.Pigment Brown 25、28
C.I.Pigment Black 1、7等を挙げることができる。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185,
C.I.Pigment Orange 36,
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254、
C.I.Pigment Violet 19,23,32,
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66,
C.I.Pigment Green 7,36,37;
C.I.Pigment Black 1、7
水溶性有機溶剤の使用量は、顔料に対して50質量%から300質量%の範囲であり、好ましくは100質量%から200質量%の範囲である。本発明における湿式粉砕装置の運転条件については特に制限はないが粉砕メディアによる磨砕を効果的に進行させるため、装置がニーダーの場合の運転条件は、装置内のブレードの回転数は、10〜200rpmが好ましく、また2軸の回転比が相対的に大きい方が、摩砕効果が大きく好ましい。運転時間は乾式粉砕時間と併せて1時間〜8時間が好ましく、装置の内温は50〜150℃が好ましい。また粉砕メディアである水溶性無機塩は粉砕粒度が5〜50μmで粒子径の分布がシャープで、且つ球形が好ましい。
例えば、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジスアゾ系顔料単独又はそれらの組み合わせと、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料との混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド155、C.I.ピグメント・レッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド254が挙げられ、ジスアゾ系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド242が挙げられる。またイソインドリン系黄色顔料としては、C.I.ピグメント・エロー139、キノフタロン系黄色顔料としては、C.I.ピグメント・エロー138などをあげることができる。
また、カーボンブラックとチタンブラックとの質量比は、100:0〜100:60の範囲が好ましい。100:61以上では、分散安定性が低下する場合がある。
着色剤として使用可能な染料としては、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用途として用いられている公知の染料を使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に記載の色素である。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
顔料を高分子化合物で被覆することにより、微細化された顔料においても、2次凝集体の形成が抑制され、1次粒子の状態で分散させることができる。即ち、顔料を高分子化合物で被覆することにより、分散性を向上することができ、分散させた1次粒子が安定的に維持される性質(分散安定性)を向上させることができる。このように、分散性及び分散安定性が向上された着色感光性樹脂組成物を用いることにより、高いコントラストを有する着色層付き基板をより形成し易くなる。
以下、高分子化合物で被覆された顔料を、「被覆顔料」として説明する。
この態様に係る被覆状態は、以下に示す有機溶剤による洗浄で高分子化合物の遊離量(遊離率)を測定することにより確認できる。即ち、単に吸着してなる高分子化合物は有機溶剤による洗浄によりその殆ど、具体的には、65%以上が遊離、除去されるが、本発明の如く表面被覆された顔料の場合には遊離率は極めて少なく、30%以下である。
遊離率は小さいほど顔料への被覆率が高く、分散性、分散安定性が良好である。遊離率の好ましい範囲は30%以下、より好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下である。理想的には0%である。
ソルトミリング時に上記iii)有機溶剤にiv)少なくとも一部可溶な樹脂を併用することにより、さらに微細で、表面がiv)少なくとも一部可溶な樹脂による被覆された、乾燥時の顔料の凝集が少ないものが得られる。
なお、iv)高分子化合物を加えるタイミングは、ソルトミリング工程の初期にすべてを添加してもよく、分割して添加してもよい。また分散工程で添加することも可能である。
特に、着色層のコントラストの観点からは、前記高分子化合物が、下記一般式(1)で表される単量体に由来する重合単位を含む重合体であることが特に好ましい。
R1のアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
R1で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3がより好ましい。)メトキシ基、エトキシ基、シクロヘキシロキシ基等が挙げられる。
R1としては、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
R2で表されるアルキレン基は、ヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子)を介して2以上連結したものであってもよい。
R2で表される好ましいアルキレン基として具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が挙げられる。
R2で表される好ましいアルキレン基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、等が挙げられる。
上記した中でも、一般式(2)におけるEとしては、単結合、メチレン基、−O−、又は−C(=O)−が好ましく、−C(=O)−が特に好ましい。
上記した中でも、一般式(4)における、Y1及びY2としては、−N=、−NH−、及び−N(RB)−が特に好ましい。Y1及びY2の組み合わせとしては、Y1及びY2のいずれか一方が−N=であり他方が−NH−である組み合わせ、イミダゾリル基が挙げられる。
前記特定着色感光性樹脂組成物は、(b)顔料分散剤を少なくとも1種含有する。
即ち、前記特定着色感光性樹脂組成物は、顔料分散剤の少なくとも1種を用いて分散された顔料を含み、顔料分散組成物の形態で使用する。この顔料分散剤の含有により、顔料の分散性を向上させることができる。従って、高いコントラストを有する着色層をより形成し易くなる。
顔料分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
前記特定着色感光性樹脂組成物は、(c)バインダー樹脂を少なくとも1種含有する。
前記バインダー樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。このうち、更に好ましくは、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものである。
このほか、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合したもの等も有用なものとして挙げられる。該ポリマーは任意の量で混合して用いることができる。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記特定着色感光性樹脂組成物は、(d)光重合性モノマーを少なくとも1種含有する。
光重合性モノマーとしては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましく、中でも4官能以上のアクリレート化合物がより好ましい。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー
及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
また、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200(新中村化学社製)、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
また、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類も好適であり、市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO−1382などが挙げられる。
前記特定着色感光性樹脂組成物は、(e)光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤は、光により分解し、前記(d)光重合性モノマーの重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。また、前記光重合開始剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩が、アリロキシ基、アリールチオ基を置換基に有する300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。
et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
前記特定着色感光性樹脂組成物は、(f)溶剤を少なくとも1種含有する。
溶剤を含むことによって上記した各成分を混合したり、着色感光性樹脂組成物として調合、調整したり、あるいは基板上に着色感光性樹脂組成物を塗布したりすることが容易にできる。また上述の顔料分散液の調製にも使用することができる。
このような(f)溶剤としては、各種の有機溶剤を使用することができる。例えば、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン、等が挙げられる。
溶剤は、各成分の溶解性、ハンドリング性、蒸発性、沸点などを考慮して選択すればよく、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記特定着色感光性樹脂組成物では、界面活性剤として(g)フッ素系界面活性剤と(h)ノニオン系界面活性剤をともに含有する。(h)ノニオン系界面活性剤としては、(g)とは異なり、ポリ(オキシエチレン)基と窒素原子とを分子中に含有するノニオン系界面活性剤である。
一般式(I)中、R11は、水素原子、又はメチル基を表し、R12は、−CpH2p−、−CpH2pCH(OH)CnH2n−、−C(CpH2p+1)H−、−CH2C(CpH2p+1)H−、又は−CH2CH2O−を表し、Rfは、−CnF2n+1、−(CF2)nH、−(CF2)pOCnH2nCiF2i+1、−(CF2)pOCmH2mCiF2iH、−N(CpH2p+1)COCnF2n+1、又は−N(CpH2p+1)SO2CnF2n+1を表わす。
但し、pは1〜10、nは1〜16、mは0〜10、iは0〜16の整数である。
一般式(I)で好ましい化合物としては、R12が−CpH2p−、Rfが−CnF2n+1、nが6の化合物である。
一般式(II)中、Rgは、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を表わす。
一般式(II)で好ましい化合物としては、Rgが−C6F13の化合物である。
一般式(III)中、Rgは、式(II)のRgと同義である。
一般式(III)で好ましい化合物としては、Rgが−C6F13の化合物である。
一般式(IV)中、R13、およびR14は、水素原子又はメチル基を表し、R15およびR16は、−CqH2q−、−C(CqH2q+1)H−、−CH2C(CqH2q+1)H−、又は−CH2CH2O−を表し、Rjは−CtF2t−を表わす。
但し、qは1〜10、tは1〜16の整数である。
一般式(IV)で好ましい化合物としては、RjがC6F12の化合物である。
一般式(V)中、R17、R18は、水素原子又はメチル基を表し、Rjは、一般式(IV)と同義である。
一般式(V)で好ましい化合物としては、Rjが−C6F12−の化合物である。
一般式(I)で示されるモノマーとしては、例えば、CF3(CF2)7CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)7CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF2)5CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)3CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)7CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)5CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)3CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)6(CH2)2OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)4(CH2)2OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)2(CH2)2OCOCH=CH2、
また、界面活性能の観点からはパーフルオロアルキル基の末端がフッ素原子であることも好ましい。またパーフルオロアルキル基の末端が分岐していることも同じ観点で好ましい。
以上のような観点から最も好ましいフッ素系モノマーとして、CF3(CF2)5CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF2)5CH2CH(OH)CH2OCOCH=CH2、(CF3)2CF(CF2)4(CH2)2OCOCH=CH2、を挙げることができる。
含有量が BF<GF<RF の関係にあると、もっとも膜厚の均一性が重要視される赤色(R)の膜厚均一性が向上し、また、過剰添加によるガラス/カラーフィルタ界面の密着性、カラーフィルタ/ITO界面の密着性を損なうことがなく好ましい。
前記特定着色感光性樹脂組成物の界面活性剤としては、(g)とは異なり、ポリ(オキシエチレン)基と窒素原子とを分子中に含有するノニオン系界面活性剤(以下、特定ノニオン系界面活性剤と称することがある)を含有する。このような特定ノニオン系界面活性剤としては以下の一般式(A)、および(B)のものを挙げることが出来る。
また、含N化合物としてピロール、ピリジン、ピリミジン、ピロリジン、アゾール、モルフォリン、ピロリドン、などの含窒素複素環化合物、シアノ、イソシアネート、イミド、アミドなどの含窒素官能基を有する化合物が含まれる。
前記特定着色感光性樹脂組成物において、(i)分子中に複数のエポキシ環を含有するエポキシ化合物(以下多官能エポキシ化合物と称することがある)を含有することが好ましい。この(i)多官能エポキシ化合物とは、アルカリ可溶性樹脂やその他の添加剤のカルボキシル基、アミン、水酸基、チオールなどと熱架橋する化合物を言い、熱架橋することによって架橋密度が高くなり、耐薬品性の向上が図られる。
前記特定着色感光性樹脂組成物に使用できる多官能エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などで、エポキシ環を分子中に複数有する化合物である。
3700、3701、600(以上ダイセルユーシービー製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。
連鎖移動剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、混合分散工程は、混練分散とそれに続けて行なう微分散処理からなるのが好ましいが、混練分散を省略することも可能である。
顔料と水溶性有機溶剤と水溶性無機塩類との混合物を、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸もしくは2軸の押出機等の混練機を用いて、強い剪断力を与えながら顔料を摩砕した後、この混合物を水中に投入し、攪拌機等でスラリー状とする。次いで、このスラリーをろ過、水洗し、水溶性有機溶剤と水溶性無機塩を除去した後、乾燥し、微細化された顔料が得られる。微細化処理前に高分子化合物を添加して、顔料を被覆することが好ましい。
なお、混練、分散についての詳細は、T.C.Patton著”Paint Flowand Pigment Dispersion”(1964年 John Wiley
and Sons社刊)等に記載されている。
そして、上記のようにして得られた顔料分散組成物に、(c)バインダー樹脂、(d)光重合性モノマー、(e)光重合開始剤、(f)溶剤、(g)フッ素系界面活性剤、および(h)特定ノニオン系界面活性剤などを添加して、前記特定着色感光性樹脂組成物を得る。
本発明の液晶表示装置は、前述の本発明のカラーフィルタ又は本発明のカラーフィルタの製造方法を用いて作製されたカラーフィルタを備えたものである。
即ち、本発明の液晶表示装置は、抵抗の低い透明導電膜を有し、コントラストに優れた本発明カラーフィルタを用いて作製されたものであるため、パネルコントラストに優れ表示品質に優れる。
本発明において、液晶表示装置のパネルコントラストは、カラーフィルタのコントラストとは区別して用いられる。液晶表示装置のパネルコントラストは、比率〔全白表示時の輝度/全黒表示時の輝度〕で求められる値を指す。
表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
液晶表示装置はカラーフィルタ以外に電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなどさまざまな部材から構成される。本発明の遮光膜付基板はこれらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。
これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉(株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
5)(A.Konno et.al)や、月刊デイスプレイ 2005年12月号の18
〜24ページ (島 康裕)、同25〜30ページ(八木 隆明)などに記載されている。
本発明のカラーフィルタは、従来公知の冷陰極管の三波長管と組み合わせたときに高いコントラストを実現できるが、更に赤、緑、青のLED光源(RGB−LED)をバックライトとすることによって輝度が高く、また色純度の高い色再現性の良好な液晶表示装置を提供することができる。
(重合体1の合成)
M-11(下記構造) 27.0g、メチルメタクリレート 126.0g、メタクリ
ル酸 27.0g、および1-メトキシ-2-プロパノール 420.0gを、窒素置換し
た三つ口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して90℃まで昇温する。これに2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)製V−65)を1.69g加え、90℃にて2時間加熱攪拌を行った。2時間後、さらにV−65を1.69g加え、3時加熱攪拌の後、重合体1の30質量%溶液を得た。得られた高分子化合物の重量平均分子量をポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、2.0万であった。また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、98mgKOH/gであった。
M-6(下記構造) 27.0g、メチルメタクリレート 126.0g、メタクリル
酸 27.0g、および1-メトキシ-2-プロパノール 420.0gを、窒素置換した
三口フラスコに導入し、撹拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて撹拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して90℃まで昇温する。これに2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)製V−65)を1.80g加え、90℃にて2時間加熱撹拌を行った。2時間後、さらにV−65を1.80g加え、3時加熱撹拌の後、重合体2の30質量%溶液を得た。ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、得られた高分子化合物の重量平均分子量を測定した結果、2.1万であった。また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、99mgKOH/gであった。
(被覆顔料1の調製)
顔料(C.I.Pigment Red254) 50部、塩化ナトリウム 500部、上記した重合体1の溶液 20部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、9時間混練した。次に、この混合物を約3リットルの水中に投入し、ハイスピードミキサーで約1時間撹拌した後に、ろ過、水洗して塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、乾燥して被覆顔料1を調製した。
被覆顔料1の調製で、Pigment Red254の代わりに、C.I.Pigment Red 177を用いて、他は被覆顔料1の調製と同様にして調製した。
(被覆顔料3の調製)
被覆顔料1の調製で、Pigment Red254の代わりに、C.I.Pigment Green 36用いて、また重合体1の代わりに重合体2を用いて、他は被覆顔料1の調製と同様にして被覆顔料3を調製した。
(被覆顔料4の調製)
被覆顔料3の調製で、C.I.Pigment Green 36の代わりに、C.I.Pigment Yellow 150用いて、他は被覆顔料3の調製と同様にして被覆顔料4を調製した。
(被覆顔料5の調製)
被覆顔料3の調製で、C.I.Pigment Green 36の代わりに、C.I.Pigment Blue 15:6用いて、他は被覆顔料3の調製と同様にして被覆顔料5を調製した。
(被覆顔料6の調製)
被覆顔料3の調製で、C.I.Pigment Green 36の代わりに、C.I.Pigment Violet 23用いて、他は被覆顔料3の調製と同様にして被覆顔料6を調製した。
被覆顔料1 13.28部に対し、顔料分散剤としてソルスパース24000GR(日本ルーブリゾール社製)2.25部、溶剤:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 71.03部の組成にて、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、混合溶液を調製し、さらに0.1mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ウルトラアペックスミル(寿工業社製)にて6時間分散処理を行なった。
同様に、被覆顔料種、顔料分散剤、バインダー樹脂、溶剤PGMEAの種と量とを、表1のように変更して、顔料分散液1〜6を得た。
・PR254:C.I.Pigment Red 254(商品名:CROMOPHTAL RED BP、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
・RP177:C.I.Pigment Red 177(商品名:Cromophtal Red A2B、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株) 製)
・PG36:C.I.Pigment Green 36(商品名:Rionol Green6YK、東洋インキ製造(株)製)
・PY150:C.I.Pigment Yellow 150(商品名:E4GN‐GT:P.Y.150、ランクセス社製)
・PB15:6:C.I.Pigment Blue 15:6(商品名:Rionol Blue ES、東洋インキ製造(株)製)
・PV23:C.I.Pigment Violet 23(商品名:Hostaperm Violet RL−NF、 クラリアントジャパン(株)製)
・顔料分散剤:ソルスパース24000GR(日本ルーブリゾール(株)製)
・バインダー樹脂1:下記構造の化合物の30質量%PGMEA溶液
式P1のそれぞれのAに、P1−2を介してP1−1が置換された構造である。
(赤色感光性樹脂組成物の調製)
以下の組成の成分を撹拌混合して、赤色感光性樹脂組成物(塗布液)を調製した。
・顔料分散液1 … 34.00部
・顔料分散液2 … 1.64部
・溶剤(PGMEA)プロピレングリコールメチルエーテルアセテート…36.73部
・溶剤(EEP)エチルエトキシプロピオネート=8/2) … 17.00部
・バインダー樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=70/30[モル比])との共重合体 重量平均分子量=6,000 … 4.95部
・光重合性モノマー1:日本化薬社製 DPHA … 2.98部
・光重合開始剤(トリアジン系):4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン
… 0.77部
・光重合開始剤(イミダゾール系):2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール … 0.33部
・ジエチルアミノベンゾフェノン … 0.15部
・N−フェニルメルカプトベンズイミダゾール … 0.20部
・エポキシ化合物:DIC社製 エピクロン695 … 0.75部
・フッ素系界面活性剤1(構造を以下に示す) … 0.042部
以下の組成の成分を撹拌混合して、緑色感光性樹脂組成物(塗布液)を調製した。
・顔料分散液3 … 31.28部
・顔料分散液4 … 3.14部
・溶剤(PGMEA)プロピレングリコールメチルエーテルアセテート…40.62部
・溶剤(EEP)エチルエトキシプロピオネート=8/2) … 17.00部
・バインダー樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=70/30[モル比])との共重合体 重量平均分子量=6,000 … 2.03部
・光重合性モノマー1:日本化薬社製 DPHA … 1.89部
・光重合性モノマー2:新中村化学社製UA−7200(構造を以下に示す。即ち、下記P2のそれぞれのBに、下記P2−1が結合した構造である。)
… 1.89部
・光重合開始剤(オキシム系): チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製OXE−01
… 0.56部
・ジエチルアミノベンゾフェノン … 0.17部
・N−フェニルメルカプトベンズイミダゾール … 0.16部
・エポキシ化合物:ダイセル化学工業(株)製 EHPE3150 … 0.60部
・前記フッ素系界面活性剤1 … 0.035部
・前記ノニオン系界面活性剤1 … 0.45部
・禁止剤(ハイドロキノンモノメチルエーテル) …0.0019部
以下の組成の成分を撹拌混合して、青色感光性樹脂組成物(塗布液)を調製した。
・顔料分散液5 … 30.71部
・顔料分散液6 … 0.74部
・溶剤(PGMEA)プロピレングリコールメチルエーテルアセテート…37.61部
・溶剤(EEP)エチルエトキシプロピオネート=8/2) … 17.00部
・バインダー樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=70/30[モル比])との共重合体 重量平均分子量=6,000 … 8.14部
・光重合性モノマー1:日本化薬社製 DPHA … 3.86部
・光重合開始剤(イミダゾール系):2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール … 0.33部
・光重合開始剤(オキシム系): チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製OXE−01
… 0.33部
・ジエチルアミノベンゾフェノン … 0.15部
・N−フェニルメルカプトベンズイミダゾール … 0.20部
・エポキシ化合物:DIC社製 エピクロン695 … 0.45部
・前記フッ素系界面活性剤1 … 0.017部
・前記ノニオン系界面活性剤1 … 0.45部
・禁止剤(ハイドロキノンモノメチルエーテル) …0.0019部
実施例1として、コントラスト変化及び表面抵抗の、表面粗さ依存性及び結晶子の平均短径依存性を調査した。
≪カラーフィルタ(試料1−1〜試料1−11)の作製≫
(着色層の形成)
ガラス基板に、上記で得られた赤色感光性樹脂組成物を、スリットとガラス基板との距離を150μmに設定し、塗布速度120mm/秒でスリットダイコータにて塗布した。この塗布において、スリットからの赤色感光性樹脂組成物の吐出量は、ポストベーク後の膜厚は2.4μmとなるように調節した。
上記塗布により得られた塗膜を、真空乾燥装置にて、真空度が66Paに到達するまで乾燥の後、100℃のホットプレートで80秒間乾燥させた(プリベーク)。
その後、マスクを介さずに塗膜の全面を露光量50mJ/cm2(照度20mW/cm2)にて露光し、露光後の塗膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液をシャワー状に散布して現像を行った。その後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。
そして、上記のように露光処理及び現像処理が施された塗膜を220℃のオーブンで30分加熱処理し(ポストベーク)、ガラス基板上の全面に、赤色の着色層(パターニングされていない膜(ベタ膜))を形成した。
上記で得られた着色層上に更に、透明導電膜(透明電極)として、ITO(Indium Tin Oxide)膜をスパッタリングにより形成した。
ITO膜の形成は、基板搬送方向上流側から下流側に向かって、第1スパッタ用のスパッタ室(スパッタチャンバー)と第2スパッタ用のスパッタ室(スパッタチャンバー)とをこの順に有するインライン方式のスパッタ装置(エーケーティー(株)製)を用い、下記条件の第1スパッタにより第1ITO膜を成膜し、成膜された第1ITO膜上に下記条件の第2スパッタにより第2ITO膜を成膜することにより行った。第1ITO膜の膜厚と第2ITO膜の膜厚との合計は、0.15μmであった。
・スパッタ電力:DC9.1W
・ターゲット:ITOターゲット(密度7.155g/cm3、純度99.99%)
・基板温度:120℃
・スパッタ時のチャンバー内圧力:5×10−3Pa
・導入ガス種:酸素(O2)及びアルゴン(Ar)
・酸素(O2)の流量:36sccm
・アルゴン(Ar)の流量:464sccm
・第1のITO膜の膜厚:0.075μm
・スパッタ電力:DC9.1W
・ターゲット:ITOターゲット(密度7.155g/cm3、純度99.99%)
・基板温度:230℃
・スパッタ時のチャンバー内圧力:5×10−3Pa
・導入ガス種:酸素(O2)及びアルゴン(Ar)
・酸素(O2)の流量:36sccm
・アルゴン(Ar)の流量:464sccm
・第1のITO膜の膜厚:0.075μm
上記で得られたカラーフィルタ(試料1−1〜試料1−11)について、以下の測定及び評価を行った。測定及び評価の結果を下記表2に示す。
ITO膜の表面粗さ(Ra)を、以下の条件により測定した。
〜表面粗さ(Ra)の測定条件〜
測定装置 … AFM装置(ナノワールド社製ナノスコープIIIa)
探針 … 単結晶シリコン
測定条件 … バネ定数45N/m、タッピングモード、フレームサイズ1μm
ITO膜の結晶子の平均短径は、以下のようにして求めた。
まず、(株)日立ハイテクノロジーズ製電子顕微鏡S−4800を用いて、10万倍の倍率でITO膜の写真を撮影した。
次に、撮影された写真より、10個の結晶子の短径をそれぞれ測定し、10個の測定値の平均値を求めた。得られた平均値を「結晶子の平均短径」とした。
上記で得られたカラーフィルタ(ITO膜形成後)を2枚の偏光板の間に配置し、2枚の偏光板の偏光軸を平行にした時の透過光の輝度と、2枚の偏光板の偏光軸を互いに直交させた時の透過光の輝度と、をそれぞれ測定し、それらの比〔平行時の輝度/直交時の輝度〕をコントラストとした(この評価法は、「1990年第7回 色彩光学コンファレンス、512色表示10.4“サイズTFT−LCD用カラーフィルター、植木、小関、福永、山中」を参考にした。)。得られたコントラストをC2とした。
ここで、透過光としては、バックライトユニット(3波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)製FWL18EX−N))に拡散板を設置したものを用いた。また、輝度の測定は、輝度計((株)トプコン製BM−5)を用いた。
得られたコントラストC1(ITO膜形成前)及びコントラストC2(ITO膜形成後)を用い、ITO膜形成前後のコントラストの変化(比率C2/C1)を算出した。
上記で得られたカラーフィルタのITO膜の表面抵抗(シート抵抗)を、三菱化学(株)製「ロレスタ」を用い、四探針法にて測定した。
基板内25箇所についての表面抵抗の平均値を、そのカラーフィルタの表面抵抗(単位:Ω/□)とした。
例えば、Naイオンは、比較例のカラーフィルタが150ppbであったのに対し、本発明のカラーフィルタでは40ppbであった。
なお、イオン溶出試験は、サンプル表面10cm四方にNMPを2ml滴下し、60℃で15分間放置してイオンの抽出を行い、その後、上記NMPを回収してイオン分析をすることにより行った。
以上により、本発明のカラーフィルタでは、作製方法によっては問題となりやすいイオン溶出問題も低減されることがわかった。
実施例2として、コントラスト変化及び表面抵抗の、スパッタ温度依存性を調査した。
具体的には、第1スパッタの基板温度及び第2スパッタ時の基板温度を下記表3に示すように調整した以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ(試料2−1〜試料2−10)を作製し、実施例1と同様の測定及び評価を行った。
評価結果を後述の表3に示す。
例えば、Naイオンは、比較例のカラーフィルタが150ppbであったのに対し、本発明のカラーフィルタでは40ppbであった。
なお、イオン溶出試験は、サンプル表面10cm四方にNMPを2ml滴下し、60℃で15分間放置してイオンの抽出を行い、その後、上記NMPを回収してイオン分析をすることにより行った。
以上により、本発明のカラーフィルタでは、作製方法によっては問題となりやすいイオン溶出問題も低減されることがわかった。
以上の実施例では、基板上にパターニングされていない着色層を形成し、形成された着色層上に透明導電膜を形成したが、フォトリソグラフィにより着色層をパターニングし、パターニングされた着色層上に透明導電膜を形成してもよい。また、赤色感光性樹脂組成物として、前述の赤色感光性樹脂組成物以外にも、市販の赤色カラーレジストを用いてもよい。
更に、例えば、基板上にブラックマトリクス及び3色の着色層(着色画素)を形成し、形成されたブラックマトリクス及び3色の着色画素上に透明導電膜を形成してカラーフィルタを作製してもよい。
以下、基板上にブラックマトリクス及び3色の着色層(着色画素)を有するカラーフィルタを作製する例について説明する。
例えば、赤色画素は、上記の実施例における露光工程において、全面露光を、フォトマスクを介したパターン露光に変更することで形成できる。
青色画素は、例えば、前述の青色感光性樹脂組成物を用い(市販の青色カラーレジストを用いてもよい)、赤色画素と同様の方法により作製できる。
緑色画素は、例えば、前述の緑色感光性樹脂組成物を用い(市販の緑色カラーレジストを用いてもよい)、赤色画素と同様の方法により作製できる。
次に、基板上にブラックマトリクス及び3色の着色層(着色画素)を有するカラーフィルタを用いて液晶表示装置を作製する例について説明する。
次に、カラーフィルタの透明導電膜及び柱状フォトスペーサーが設けられた上に、更にポリイミドよりなる配向膜を設ける。
別途、対向基板としてTFT(薄膜トランジスタ)を備えたアクティブマトリクス基板を用意し、TFT形成面側にポリイミドよりなる配向膜を設ける。
Claims (11)
- 基板上に、該基板側から順に、
少なくとも1色の着色層と、
表面粗さ(Ra)が0.5nm以上2.5nm以下であり、結晶子の平均短径が15nm以上35nm以下である透明導電膜と、
を有するカラーフィルタ。 - 前記透明導電膜は、表面抵抗が5Ω/□以上30Ω/□以下である請求項1に記載のカラーフィルタ。
- 前記透明導電膜が、酸化インジウムスズを含む請求項1又は請求項2に記載のカラーフィルタ。
- 基板上に少なくとも1色の着色層を形成する着色層形成工程と、
前記少なくとも1色の着色層上に、少なくとも、基板温度100℃以上160℃以下の条件下で行う第1スパッタ、及び、前記第1スパッタより後に基板温度180℃以上240℃以下の条件下で行う第2スパッタにより、表面粗さ(Ra)が0.5nm以上2.5nm以下であり結晶子の平均短径が15nm以上35nm以下である透明導電膜を形成する透明導電膜形成工程と、
を有するカラーフィルタの製造方法。 - 前記第1スパッタは、流量比〔酸素流量/アルゴン流量〕0.04以上0.15以下の条件下で行う請求項4に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記第2スパッタにおける流量比〔酸素流量/アルゴン流量〕が、前記第1スパッタにおける流量比〔酸素流量/アルゴン流量〕より小さい請求項4又は請求項5に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記透明導電膜は、表面抵抗が5Ω/□以上30Ω/□以下である請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記透明導電膜が、酸化インジウムスズを含む請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記透明導電膜形成工程前における前記着色層が形成された基板のコントラストが5000以上である請求項4〜請求項8のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記着色層形成工程は、(a)顔料と、(b)顔料分散剤と、(c)バインダー樹脂と、(d)光重合性モノマーと、(e)光重合開始剤と、(f)溶剤と、(g)フッ素系界面活性剤と、(h)前記(g)とは異なり、ポリ(オキシエチレン)基と窒素原子とを分子中に含有するノニオン系界面活性剤と、を含有する着色感光性樹脂組成物を用いて前記少なくとも1色の着色層を形成する請求項4〜請求項9のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ、又は、請求項4〜請求項10のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタを備えた液晶表示装置。
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