JP2006092975A - 有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、ダークスポットやダークスポット等のない良好な画像表示が可能であり、安価な有機EL素子用カラーフィルタ基板および有機EL表示装置を提供することを主目的とする。
【解決手段】 本発明は、基板1と、上記基板1上にパターン状に形成された着色層2と、上記着色層上2にパターン状に形成された密着性向上層3と、上記密着性向上層3上に形成された透明電極層4とを有する有機EL素子用カラーフィルタ基板であって、上記密着性向上層3が塗膜であり、かつ導電性を有することを特徴とする有機EL素子用カラーフィルタ基板を提供することにより、上記目的を達成するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カラー表示が可能な有機エレクトロルミネッセント表示装置に用いられる有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板に関するものである。
有機エレクトロルミネッセント(以下、有機ELと略すことがある。)素子は、印加電圧が10V弱であっても高輝度な発光が実現するなど発光効率が高く、単純な素子構造で発光が可能であるため、画像表示装置への応用が期待され、盛んに研究が行われている。特に有機EL素子は、自己発色により視認性が高いこと、液晶ディスプレイとは異なり全固体ディスプレイであるため耐衝撃性に優れること、温度変化の影響が少ないこと、および、視野角が大きいこと等の利点を有することから、近年、画像表示装置における発光素子としての実用化が進んでいる。
一般的な有機EL素子としては、透明基板上に着色層が形成され、その上に透明電極層が形成されており、この透明電極層と交差するように有機EL層および金属電極層が形成され、透明電極層と金属電極層とで有機EL層を挟んだ構造を有する有機EL素子が知られている。このような有機EL素子において、透明電極層には一般に酸化インジウム錫(ITO)などが用いられるが、着色層には顔料や樹脂が用いられるので、両者は異質な材料となり材質適合性が良くないために密着性が悪く、界面での剥離やクラックが生じやすいという問題があった。
また、有機EL素子には、有機EL層が水分、酸素、および着色層等からの脱ガスの影響を受けやすく、ダークスポットと呼ばれる発光欠陥が発生するので、これを防止するためにバリア層が設けられることが多い。これは、ダークスポットによって表示品位が損なわれるだけでなく、ダークスポットの成長により有機EL素子の寿命が低下するからである。この場合には、バリア層が一般にスパッタリング法やCVD法等により成膜されるので、着色層等との密着性が悪い。このため、上記と同様に剥離が生じてしまう。
このような問題を解決するため、一般的には透明電極層の下地層として酸化ケイ素等の薄膜を設けている。この酸化ケイ素等の薄膜はスパッタリング法やCVD法を用いて成膜されるので、通常は透明基板の全面に形成される。このため、下地層はある程度のガスバリア性を有すると考えられる。
しかしながら、一般に有機EL素子の製造工程においては着色層等からの脱ガス成分を除去するガス抜き処理が行われるものであり、この際上記の下地層がある程度のガスバリア性を有していると、脱ガス成分が除去されにくくなるという問題があった。これは、下地層のガスバリア性によってガス抜き処理での脱ガス成分の放出が抑制されてしまうからである。さらに、下地層はガスバリア性を有するもののそのガスバリア性が不十分であるので、有機EL素子の駆動時に脱ガス成分が放出されてしまうおそれがあり、ダークスポットが発生するという問題もあった。
そこで、例えば特許文献1には、着色層が形成された透明基板と透明電極層との間に密着性に優れるバリア層が設けられた有機EL素子が提案されている。この有機EL素子では、バリア層がガスバリア性とともに密着性を有するので、上記のような下地層を設ける必要がない。
しかしながら、上記のバリア層はスパッタリング法やCVD法等により成膜されるものであり、このような方法によってパーティクル等の異物やピンホールのないバリア層を得ることは技術的に困難である。そこで、有機EL素子の劣化を防ぐ防湿性、ガスバリア性を得るために、バリア層の膜厚を厚くするのが一般的である。このため、スパッタリング法やCVD法等により成膜されたバリア層を設ける場合には、非常にコストが高くなるという問題があった。
特開2002−134268号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ダークスポットやダークエリア等のない良好な画像表示が可能であり、安価な有機EL素子用カラーフィルタ基板および有機EL表示装置を提供することを主目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、基板と、上記基板上にパターン状に形成された着色層と、上記着色層上にパターン状に形成された密着性向上層と、上記密着性向上層上に形成された透明電極層とを有する有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板であって、上記密着性向上層が塗膜であり、かつ導電性を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板を提供する。
本発明によれば、密着性向上層を設けることにより、透明電極層と着色層との密着力を向上させることができるので、着色層が形成された基板および透明電極層の界面での剥離やクラックの発生を抑制することが可能である。また、密着性向上層が塗膜であるので、着色層上の凹凸や異物を補修して着色層表面を平坦化することができ、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いた場合、ダークエリアの発生を抑制することができる。さらに、着色層表面を密着性向上層によって平坦化し、その上に緻密な透明電極層を形成することができるので、着色層が設けられた画像表示領域への水蒸気や酸素の侵入および着色層等から発生するガスの放出を抑制することができる。これにより、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いた場合、ダークスポットの発生を抑制することができる。また、密着性向上層および透明電極層の積層によってバリア性が得られるので、従来のように厚膜のバリア層を設ける必要がなく、製造コストを削減することができる。さらに、密着性向上層が導電性を有するので、透明電極層と一体として電極として機能させることができ、電気抵抗を小さくすることができる。
上記発明においては、上記密着性向上層が、平均粒径が1nm〜10nmの範囲内である微粒子を含有することが好ましい。微粒子特有のサイズ効果により、密着性向上層形成時における微粒子を含有する密着性向上層形成用塗工液の焼成温度を、通常の焼成温度と比較して低くすることができ、着色層の耐熱温度以下での焼成が可能となるからである。
この際、上記微粒子が、酸化インジウム錫(ITO)の微粒子であることが好ましい。電極として、ITOが好ましく用いられるからである。
さらに、上記微粒子が、Au、Ag、Cu、Pt、Sn、Zn、In、Pb、Alおよびそれらの酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の微粒子であってもよい。
また本発明においては、上記透明電極層の平均表面粗さ(Ra)が、10Å〜100Åの範囲内であることが好ましい。透明電極層の平均表面粗さ(Ra)が上記範囲内であれば、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いた場合、ダークエリアの発生を抑制することができるからである。
さらに本発明においては、上記密着性向上層が、パターン状に形成された上記着色層の端部から所定の幅を残して形成されていることが好ましい。このような構成とすることにより、非表示領域となる着色層の端部から選択的に脱ガス成分を放出させ、画像表示領域となる透明電極層を脱ガス成分が通過するのを防ぐことができるからである。よって、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置とした場合、ダークスポットの発生を抑制することができる。
また本発明においては、上記密着性向上層が、パターン状に形成された上記着色層の全面を覆うように形成されていてもよい。着色層の全面が密着性向上層に覆われていれば、すなわち着色層が露出していなければ、着色層から発生するガスの流出をより効果的に防ぐことができるからである。
また本発明においては、上記基板上であって、上記着色層間に遮光部が形成されていてもよい。ブラックマトリクス等の遮光部を設けることにより、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置とした際に、コントラストを向上させることが可能となるからである。
この際、上記遮光部が絶縁性を有することが好ましい。遮光部が絶縁性を有することにより、遮光部と透明電極層とが接触している場合でも、遮光部と透明電極層とが導通するのを防ぐことができるからである。
また本発明においては、上記着色層上であって、上記着色層と上記密着性向上層との間に、色変換層が形成されていてもよい。
さらに本発明においては、上記着色層と上記密着性向上層との間に、バリア層が形成されていてもよい。これにより、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板のバリア性を高めることができるからである。
本発明は、また、上述した有機EL素子用カラーフィルタ基板と、上記有機EL素子用カラーフィルタ基板の透明電極層上に形成され、少なくとも発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された対向電極層とを有することを特徴とする有機EL表示装置を提供する。
本発明によれば、上述した有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いるので、ダークエリアやダークスポットの発生を抑制することができ、良好な画像表示が可能な有機EL表示装置とすることができる。また、従来のように厚膜のバリア層を設ける必要がないため、安価に有機EL表示装置を提供できる。
本発明によれば、密着性向上層を設けることにより、透明電極層と着色層との密着力を向上させ、着色層が形成された基板および透明電極層の界面での剥離やクラックの発生を抑制することができるという効果を奏する。また、密着性向上層が塗膜であるので着色層表面を平坦化することができ、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いた場合、ダークエリアの発生を抑制することが可能である。さらに、着色層上の平坦性の良い密着性向上層上に緻密な透明電極層が形成されるので、着色層が設けられた画像表示領域にてバリア性を得ることができ、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いた場合、ダークスポットの発生を抑制することが可能である。また、従来のように厚膜のバリア層を設ける必要がなく、低コスト化が図れるという効果を奏する。
以下、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板、および有機EL表示装置について詳細に説明する。
A.有機EL素子用カラーフィルタ基板
まず、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板について説明する。
本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板は、基板と、上記基板上にパターン状に形成された着色層と、上記着色層上にパターン状に形成された密着性向上層と、上記密着性向上層上に形成された透明電極層とを有する有機EL素子用カラーフィルタ基板であって、上記密着性向上層が塗膜であり、かつ導電性を有することを特徴とするものである。
本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板10は、基板1上に着色層2、密着性向上層3、および透明電極層4が順次パターン状に形成されたものである。
本発明によれば、密着性向上層を設けることにより、透明電極層と着色層および基板との密着力を向上させることができるので、着色層が形成された基板および透明電極層の界面での剥離やクラックの発生を抑制することが可能である。
ここで、「密着性向上層上に形成された透明電極層」とは、透明電極層が密着性向上層上にのみ形成されている場合を示す。上述したように、密着性向上層によって着色層と透明電極層との密着性が向上するので、透明電極層の下には必ず密着性向上層が設けられているのである。
また本発明においては、密着性向上層が塗膜であるので、密着性向上層形成時に着色層上に密着性向上層形成用塗工液を塗布することにより、着色層上の凹凸や異物を補修して着色層表面を平坦化することができる。着色層に凹凸が存在すると、着色層の上に形成される透明電極層にもこの凹凸形状が反映されることとなり、有機EL表示装置に用いた場合、厚みの薄い有機EL層に静電破壊等による欠陥が発生し易くなる。このような欠陥箇所は不良箇所(ダークエリア)となり、表示品質を低下させる原因となる。本発明においては、上述したように密着性向上層によって着色層表面を平坦化することができるので、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いた場合、ダークエリアの発生を抑制することができる。
さらに、平坦性の良い密着性向上層上に透明電極層が形成されるので、緻密な透明電極層とすることができる。ここで、透明電極層には一般に酸化インジウム錫(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)等が用いられており、このような透明電極層は水蒸気、酸素、および着色層等から発生するガスに対してある程度のバリア性を有している。よって、密着性向上層と透明電極層とを積層することにより、水蒸気、酸素、および着色層等から発生するガスに対してバリア性を得ることができる。
また、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置とした際に、着色層が設けられた領域は画像表示領域となるが、本発明においては着色層上に密着性向上層および透明電極層が設けられているので、画像表示領域に水蒸気や酸素が侵入したり、着色層等からのガスが放出されたりするのを抑制することができ、ダークスポットの発生を抑制することができる。さらに、従来のようにスパッタリング法やCVD法等により厚膜のバリア層を設ける必要がなく、低コスト化が図れるという利点を有する。
さらに、本発明における密着性向上層が導電性を有するので、密着性向上層を透明電極層と一体として、電極として機能させることができ、電気抵抗を小さくすることができる。
以下、このような有機EL素子用カラーフィルタ基板の各構成について説明する。
1.密着性向上層
本発明に用いられる密着性向上層は、着色層上にパターン状に形成され、湿式法により形成される塗膜であり、導電性を有するものである。
本発明においては、密着性向上層がバリア性を有することが好ましい。密着性向上層のバリア性としては、密着性向上層と後述する透明電極層とを積層することによって、水蒸気や酸素の浸入、および着色層等から発生するガスの流出を防ぐことができればよい。
このような密着性向上層は、着色層上にパターン状に形成されたものであれば特に限定されるものではない。例えば図1に示すように密着性向上層3がパターン状に形成された着色層2表面を覆うようにパターン状に形成されていてもよく、また例えば図2に示すように密着性向上層3がパターン状に形成された着色層2の全面を覆うようにパターン状に形成されていてもよい。本発明においては、中でも、例えば図1に示すように密着性向上層3がパターン状に形成された着色層2の端部から所定の幅を残して形成されていることが好ましい。図1において、着色層2の端部は透明電極層3と接触していないので、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置とした際に、非表示領域となる。本来、着色層中の脱ガス成分は、抜け道がなければ透明電極層の弱い部分を通過し有機EL層にダメージを与えるので、ダークスポットが発生してしまう。これに対し、本発明においては着色層の端部に密着性向上層および透明電極層を形成しないで、非表示領域をバリア性の低い領域とし、この非表示領域から選択的に脱ガス成分を放出させる。このため、脱ガス成分が透明電極層の弱い部分を通過するのを抑制することができ、ダークスポットの発生を改善することができる。
上記の所定の幅は、画像表示領域の開口率やパターニング精度等を考慮して適宜選択されるが、具体的には1μm〜30μm程度で設定される。また、着色層および密着性向上層のパターンが帯状である場合、着色層の幅を100としたときに、密着性向上層の幅が40〜98の範囲内であることが好ましい。
一方、例えば図2に示すように密着性向上層3がパターン状に形成された着色層2の全面を覆うようにパターン状に形成されている場合は、密着性向上層3および透明電極層4によってバリア性が得られるので、着色層から発生するガスの流出や、水蒸気および酸素の浸入を防ぐことが可能である。これにより、上記と同様に、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いた場合に、ダークスポットの発生を抑制することができる。
ここで、「着色層の全面を覆うように形成」するとは、着色層の表面および側面の全てが覆われ、着色層が露出していないことを意味するものであり、例えば図2に示すように着色層2のいずれの面も露出しないように密着性向上層3が形成されている場合をいう。
また、密着性向上層は、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いた場合には基板側から光が取り出されるため、光透過性を有することが好ましい。密着性向上層の光透過性としては、可視光領域における光透過率が60%以上、中でも80%以上、特に90%以上であることが好ましい。
なお、上記光透過率は、波長380nm〜800nmの範囲内において、島津製作所(株)製 UV−3100を用いて測定した値の平均値である。
このような密着性向上層の導電性としては、密着性向上層および透明電極層の二層が一体となって電極として機能すればよいので、単独で電極として機能する程のシート抵抗値を有する必要はない。具体的には、密着性向上層のシート抵抗値が、50Ω/□〜10000Ω/□程度であればよく、好ましくは100Ω/□〜1000Ω/□の範囲内である。
なお、上記シート抵抗値は、三菱ケミカルコーポレーションLoresta−GP(MCP−T600)を用いて四探針法により測定した値とする。
また、上記密着性向上層に用いられる材料としては、上述した性質を有し、かつ湿式法により形成可能なものであれば特に限定されるものではない。具体的には、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化ガリウム、In(ZnO)、InGaO(ZnO)、CaWO、酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫アンチモン(ATO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)等の金属酸化物を挙げることができる。また、Au、Ag、Cu、Pt、Sn、Zn、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Pb、Mo、Cd、In、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Ti、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等の導電性金属、およびそれらの酸化物を挙げることができる。これらの中でも、ITOが好ましい。また、Au、Ag、Cu、Pt、Sn、Zn、In、Pb、Alおよびそれらの酸化物からなる群から選択される少なくとも1種も好ましい。
この際、密着性向上層に用いられる材料は、透明電極層に用いられる材料と同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。密着性向上層および透明電極層に用いられる材料が同一であれば、着色層が形成された基板全面に密着性向上層および透明電極層の二層を形成した後、例えば同一のエッチング液を用いて二層同時にパターニングすることができるからである。
また、密着性向上層および透明電極層に用いられる材料が異なる場合であっても、密着性向上層の膜厚が比較的薄い場合には、同一のエッチング液を用いて二層同時にパターニングすることができる場合がある。これは、用いる材料によって異なるものではあるが、例えば、密着性向上層として膜厚5nmのAg膜を成膜し、透明電極層として膜厚150nmのITO膜を成膜した場合には、ITO膜用のエッチング液を用いて、ITO膜およびAg膜の両方を同時にパターニングすることができる。
本発明に用いられる密着性向上層は、平均粒径が50nm以下である微粒子を含有していることが好ましい。微粒子特有のサイズ効果により、密着性向上層形成時における微粒子を含有する密着性向上層形成用塗工液の焼成温度を、通常の焼成温度と比較して低くすることができ、着色層の耐熱温度以下での焼成が可能となるからである。
このような微粒子としては、上述した金属酸化物、導電性金属、および導電性金属の酸化物の微粒子が挙げられる。本発明においては特に、微粒子が酸化インジウム錫(ITO)の微粒子であることが好ましい。電極として、ITOが好ましく用いられるからである。また、Au、Ag、Cu、Pt、Sn、Zn、In、Pb、Alおよびそれらの酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の微粒子も好ましい。
上記微粒子の平均粒径としては、上述した微粒子特有のサイズ効果を得ることが可能であればよく、具体的には0.5nm〜50nmの範囲内であり、好ましくは1nm〜10nmの範囲内である。平均粒径が小さすぎるものは製造が難しく、一方、微粒子の平均粒径が大きすぎると、微粒子特有のサイズ効果による焼成温度の低下が期待できなくなるからである。
ここで、平均粒径とは、一般に粒子の粒度を示すために用いられるものであり、本発明においては、レーザー法により測定した値である。レーザー法とは、粒子を溶媒中に分散し、その分散溶媒にレーザー光線を当てて得られた散乱光を細くし、演算することにより、平均粒径、粒度分布等を測定する方法である。なお、上記平均粒径は、レーザー法による粒径測定機として、リーズ&ノースラップ(Leeds & Northrup)社製 粒度分析計 マイクロトラックUPA Model-9230を使用して測定した値である。
このような微粒子を含有する密着性向上層は、後述するように微粒子を含有する密着性向上層形成用塗工液を塗布して焼結することにより形成されることから、微粒子からなるものであると考えられる。よって、密着性向上層中に含有される微粒子の含有量は約100%であると想定される。
なお、密着性向上層が上記微粒子を含有していることは、走査型電子顕微鏡(SEM)観察写真(倍率:5万倍以上)により確認することができる。この際、まず密着性向上層と透明電極層との界面を確認し、密着性向上層中に、密着性向上層形成時の焼成により溶けた粒状形状が確認されれば、微粒子を含有しているとする。
さらに、密着性向上層の膜厚は、上述した性質を満たすような厚みであれば特に限定されるものではないが、具体的には5nm〜2000nmの範囲内で設定することができ、好ましくは50nm〜500nmの範囲内である。密着性向上層の膜厚が厚すぎると、光透過率が低下したり、透明電極層が剥離したりする可能性があるからである。一方、密着性向上層の膜厚が薄すぎると、密着性が低下する可能性があるからである。
また、密着性向上層として上述した導電性金属またはそれらの酸化物を用いた場合は、密着性向上層の膜厚が厚すぎると光透過性が損なわれるので、上記範囲の中でも比較的薄い方が好ましい。具体的には、5nm〜50nmの範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられる密着性向上層は、塗膜である。なお、「塗膜」とは、湿式法により形成されるものを意味し、例えば塗工液を用いて塗布することにより形成されるものをいう。
なお、密着性向上層が塗膜であることは、走査型電子顕微鏡(SEM)観察写真(倍率:5万倍以上)により確認することができる。この際、着色層表面の凹凸が密着性向上層によって平坦化されていることが確認できれば、塗膜であるとする。
このように、密着性向上層の形成方法としては湿式法が用いられ、例えばゾルゲル法を利用する方法や、微粒子を含有する密着性向上層形成用塗工液を用いる方法等が挙げられる。ゾルゲル法を利用する場合は、密着性向上層形成用塗工液を塗布して加熱し、重縮合反応させることにより密着性向上層を形成することができる。また、微粒子を用いた方法では、密着性向上層形成用塗工液を塗布して焼結することにより密着性向上層を形成することができる。また、密着性向上層のパターニング方法としては、通常、フォトリソグラフィー法が用いられる。
本発明においては特に、微粒子を含有する密着性向上層形成用塗工液を用いる方法によって密着性向上層が形成されることが好ましい。上述したように、微粒子特有のサイズ効果により、密着性向上層形成時に着色層の耐熱温度以下での焼成が可能となるからである。
以下、このような微粒子を含有する密着性向上層形成用塗工液を用いた密着性向上層の形成方法について説明する。
微粒子を含有する密着性向上層形成用塗工液を用いた密着性向上層の形成方法としては、密着性向上層の構成材料により2つの態様に分けることができる。第1の態様は密着性向上層が金属酸化物からなる導電層である場合であり、第2の態様は密着性向上層が導電性金属および導電性金属の酸化物の少なくともいずれか一方からなる導電性金属層である場合である。
以下、各態様に分けて説明する。
(1)第1の態様
本態様の密着性向上層の形成方法は、金属酸化物に含まれる金属の微粒子または上記金属酸化物に含まれる金属からなる合金の微粒子を含有する導電層形成用分散液を調製し、上記導電層形成用分散液を塗布し、大気圧の酸素ガスもしくはオゾンガス雰囲気中、または不活性ガスに酸素ガスもしくはオゾンガスを添加したガスのプラズマ雰囲気中、150℃〜250℃で焼成し、酸化および焼結を同時に行い、金属酸化物からなる導電層を形成するものである。
本態様によれば、酸化性雰囲気中で所定の温度で焼成することにより、酸化と焼結とが同時に進行して導電層の成膜が可能となる。この際、微粒子が、一般的な導電層の焼成温度よりもはるかに低温で緻密に焼結するため、着色層の耐熱温度以下での焼成が可能となる。
本態様における金属酸化物としては、上述した性質を有する密着性向上層を形成することが可能なものであればよく、例えば酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化ガリウム、In(ZnO)、InGaO(ZnO)、CaWO、酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫アンチモン(ATO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、および酸化亜鉛アルミニウム(AZO)の金属酸化物が挙げられる。これらの中でも、ITO、ATO、IZO、酸化亜鉛、酸化錫、CaWOが好ましく、特にITOが好ましい。本態様に用いられる微粒子としては、上記金属酸化物に含まれる金属の微粒子、または上記金属酸化物に含まれる金属からなる合金の微粒子を挙げることができる。
また、本態様に用いられる導電層形成用分散液は、上記微粒子を溶媒に分散させたものである。用いる溶媒としては、使用する微粒子によって適宜選択すればよく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコールおよびブタノール等のアルコール類、エチレングリコール等のグリコール類;アセトン、メチルエチルケトンおよびジエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルおよび酢酸ベンジル等のエステル類;メトキシエタノールおよびエトキシエタノール等のエーテルアルコール類;ジオキサンおよびテトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;等を挙げることができる。さらに、水を用いることもできる。
上記溶媒の使用量は、使用する微粒子に応じて、塗布しやすく、かつ所望の膜厚を得ることができるように適宜選択すればよい。例えば、溶媒に対し微粒子1〜50wt%の範囲内で含有させるとよい。好ましくは10〜40wt%の範囲内である。微粒子の含有量が少なすぎると所望の膜厚を得るのが困難となり、一方、微粒子の含有量が多すぎると流動性が低下するので、密着性向上層表面の平坦性が損なわれる可能性があるからである。
導電層形成用分散液の塗布方法としては、例えば、スピンコート、スプレーコート、インクジェット法、ダイコート、ディップコート、ロールコート、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。
また、導電層形成用分散液を塗布した後は、酸化性雰囲気中で、上記微粒子を単体で焼結するのに必要な温度(一般に、500〜700℃)よりはるかに低温(150〜250℃)で焼成し、酸化と焼結とを同時に行って成膜することにより導電層が得られる。
焼成温度としては、150〜250℃の範囲内とする。焼成温度が低すぎると十分に焼結しない可能性があり、また、焼成温度が高すぎると製造工程上問題が生じるからである。
酸化性雰囲気としては、大気圧の酸素ガスもしくはオゾンガス雰囲気、または不活性ガス、例えばヘリウム等の希ガス等に酸素ガスもしくはオゾンガスを添加したガスの大気圧プラズマのようなプラズマ雰囲気が挙げられる。
また、導電層形成用分散液を塗布した後、焼成する前に、塗布した導電層形成用分散液を所定の温度で乾燥してもよい。
さらに、酸化と焼結とは酸化性雰囲気中で同時に行われるが、この際、同時に紫外線照射を行うことが好ましい。時間短縮・低温化の面でさらに効果がある。また、大気圧プラズマ等を用いた、いわゆるプラズマ焼結を用いることもできる。
(2)第2の態様
本態様の密着性向上層の形成方法は、導電性金属の微粒子を含有する導電性金属層形成用分散液を塗布し、大気中、180〜250℃で焼結し、導電性金属および導電性金属の酸化物の少なくともいずれか一方からなる導電性金属層を形成するものである。
本態様によれば、微粒子が、一般的な導電性金属層の焼成温度よりもはるかに低温で緻密に焼結するため、着色層の耐熱温度以下での焼成が可能となる。
また本態様においては、導電性金属の微粒子を用いて密着性向上層を形成するので、上述したように、密着性向上層の膜厚が厚すぎると光透過性が損なわれるため、膜厚が比較的薄くなるように形成する必要がある。なお、具体的な膜厚については上述した通りである。
本態様に用いられる導電性金属の微粒子としては、Ag、SnおよびZnの少なくとも1種の微粒子が好ましいが、その他に、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Cu、Pb、Mo、Cd、In、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Ti、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群から選択される少なくとも1種の微粒子を用いることもできる。これらの中でも、焼結温度を低くするためには、Ag、Sn、Zn、In、Cu、Pbの微粒子が好ましい。
導電性金属層形成用分散液は、上記導電性金属の微粒子を溶媒に分散させたものである。なお、溶媒、溶媒の使用量および導電性金属層形成用分散液の塗布方法については、上記第1の態様に記載した導電層形成用分散液のものと同様である。
また、導電性金属層形成用分散液を塗布した後は、大気中で、上記導電性金属の微粒子を単体で焼結するのに必要な温度(一般に、400〜600℃)よりはるかに低温(180〜250℃)で焼結し、成膜することにより導電性金属層が得られる。
本態様においては、導電性金属層の製造過程で、導電性金属が多少酸化する場合がある。このため、導電性金属層は、導電性金属の酸化物の微粒子を含有する場合があるので、導電性金属および導電性金属の酸化物の少なくともいずれか一方からなるものとする。
焼成温度としては、180〜250℃の範囲内とする。焼成温度が低すぎると十分に焼結しない可能性があり、また、焼成温度が高すぎると製造工程上問題が生じるからである。
2.透明電極層
次に、本発明に用いられる透明電極層について説明する。本発明に用いられる透明電極層は、上記密着性向上層上に形成されるものである。
透明電極層としては、有機EL素子の透明電極層として一般的に使用されているものを用いることができるが、ITOが好ましく用いられる。
また、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いた場合には、基板側から光が取り出されるため、上述した密着性向上層と同程度の光透過性を有することが好ましい。
さらに上述したように、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いる場合、透明電極層上に有機EL層が形成されることから、ダークエリアの発生を抑制するために、透明電極層表面は平坦であることが好ましい。具体的には、透明電極層の平均表面粗さ(Ra)が、10Å〜500Åの範囲内であることが好ましく、より好ましくは10Å〜100Åの範囲内である。透明電極層の平均表面粗さ(Ra)が上述した範囲内であることにより、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いた場合、ダークエリアの発生を抑制することができ、良好な画像表示を得ることが可能となるからである。
なお、上記透明電極層の平均表面粗さ(Ra)は、走査型プローブ顕微鏡(デジタルインスツルメント社製 SPM:D−3000)を用い、下記の条件にて観察範囲5μmで測定した値である。
(測定条件)
タッピングモード
設定ポイント:1.6程度
スキャンライン:256
周波数:0.8Hz
上記透明電極層の膜厚としては特に限定されるものではないが、具体的には50nm〜500nmの範囲内で設定することができ、好ましくは100nm〜200nmの範囲内である。透明電極層の膜厚が厚すぎると、光透過率が低下したり、また、密着性向上層から剥離したりする可能性があるからである。一方、透明電極層の膜厚が薄すぎると、所望の電気特性が得られない場合があるからである。
また、透明電極層のシート抵抗値としては、上述したように、透明電極層および密着性向上層の二層が一体となって電極として機能すればよく、具体的には10Ω/□〜50Ω/□程度、好ましくは10Ω/□〜30Ω/□の範囲内である。
なお、上記シート抵抗値の測定方法については、上記密着性向上層の項に記載した方法と同様である。
本発明においては、上記密着性向上層によって着色層と透明電極層との密着性を向上させているので、着色層と透明電極層との間には必ず密着性向上層が形成される。よって、例えば図1に示すように密着性向上層3がパターン状に形成された着色層2表面を覆うようにパターン状に形成されている場合、透明電極層4は、密着性向上層3と同様に着色層2表面の上に形成される。一方、例えば図2に示すように密着性向上層3がパターン状に形成された着色層2の全面を覆うようにパターン状に形成されている場合、透明電極層4は、密着性向上層3と同様に着色層2の全面を覆うように形成されていてもよく、また図示しないが着色層表面の上に形成されていてもよい。
上記の中でも、本発明においては、パターン状に形成された着色層の端部から所定の幅を残して密着性向上層および透明電極層が形成されていることが好ましい。このような構成とすることにより、上述したように、非表示領域となる着色層の端部から選択的に脱ガス成分を放出させて、着色層と透明電極層とが接触している画像表示領域に脱ガス成分が放出されるのを防ぐことができるので、ダークスポットの発生を抑制することが可能となるからである。
本発明に用いられる透明電極層は、一般的な透明電極層の形成方法を用いて形成することができる。透明電極層の形成方法としては、例えばスパッタリング法、真空蒸着法等が挙げられる。
3.第2の透明電極層
本発明においては、例えば図3に示すように、上記透明電極層4上に第2の透明電極層5が形成されていてもよい。本発明に用いられる第2の透明電極層としては2つの態様に分けることができ、第2の透明電極層がバリア性を有する塗膜である場合(第3の態様)と、第2の透明電極層が上記透明電極層に存在するピンホールを閉塞している場合(第4の態様)とが挙げられる。
以下、各態様について説明する。
(1)第3の態様
本態様の第2の透明電極層は、バリア性を有し、湿式法により形成される塗膜である。本態様においては、透明電極層上に塗膜である第2の透明電極層を設けることにより、着色層等から発生するガス、水蒸気および酸素に対するバリア性をより一層高めることができる。これは、第2の透明電極層が塗膜であるので、透明電極層に製造面での欠陥やミクロ的な構造欠陥等が存在する場合であっても、透明電極層上に第2の透明電極層形成用塗工液を塗布することにより、欠陥を修正することができるからである。すなわち、第2の透明電極層形成用塗工液を塗布し乾燥させる過程で、この第2の透明電極層形成用塗工液が透明電極層に存在するピンホールに浸透するためピンホールを塞ぐことができる。
本態様における第2の透明電極層のバリア性としては、上記透明電極層のピンホール等の欠陥を塞ぐことが可能であればよい。
また、第2の透明電極層は、上記透明電極層と一体となって電極として機能すればよいので、第2の透明電極層の導電性としては、単独で電極として機能する程のシート抵抗値を有する必要はない。具体的には、第2の透明電極層のシート抵抗値が、50Ω/□〜10000Ω/□程度であればよく、好ましくは100Ω/□〜1000Ω/□の範囲内である。
なお、上記シート抵抗値の測定方法は、上述した密着性向上層の項に記載した測定方法と同様である。
さらに、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いた場合には、基板側から光が取り出されるため、第2の透明電極層は光透過性を有することが好ましい。第2の透明電極層の光透過性としては、可視光領域における光透過率が60%以上、中でも80%以上、特に90%以上であることが好ましい。
なお、上記光透過率の測定方法は、上述した密着性向上層の項に記載した測定方法と同様である。
また、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いる場合、第2の透明電極層上に有機EL層が形成されることから、ダークエリアの発生を抑制するために、第2の透明電極層表面は平坦であることが好ましい。具体的には、上記透明電極層の項に記載した平均表面粗さ(Ra)を有していることが好ましい。
本態様における第2の透明電極層は、上述した性質を有し、湿式法により形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば上記密着性向上層が導電性を有する場合に用いられる材料を挙げることができる。具体的には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫アンチモン(ATO)、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化ガリウム、In(ZnO)、InGaO(ZnO)、CaWO等の金属酸化物を挙げることができる。また、Au、Ag、Cu、Pt、Sn、Zn、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Pb、Mo、Cd、In、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Ti、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等の導電性金属、およびそれらの酸化物を挙げることができる。これらの中でも、ITOが好ましい。また、Au、Ag、Cu、Pt、Sn、Zn、In、Pb、Alおよびそれらの酸化物からなる群から選択される少なくとも1種も好ましい。
この際、第2の透明電極層に用いられる材料は、上記透明電極層に用いられる材料と同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。第2の透明電極層および透明電極層に用いられる材料が同一であれば、着色層が形成された基板全面に透明電極層および第2の透明電極層の二層を形成した後、例えば同一のエッチング液を用いて二層同時にパターニングすることができるからである。また、密着性向上層、透明電極層および第2の透明電極層に用いられる材料が同一であれば、三層同時にパターニングすることもできる。これにより、製造工程を簡略化することが可能となる。
また、第2の透明電極層および透明電極層に用いられる材料が異なる場合であっても、第2の透明電極層の膜厚が比較的薄い場合には、同一のエッチング液を用いて二層同時にパターニングすることができる場合がある。これは、用いる材料によって異なるものではあるが、例えば、透明電極層として膜厚150nmのITO膜を成膜し、第2の透明電極層として膜厚5nmのAg膜を成膜した場合には、ITO膜用のエッチング液を用いて、ITO膜およびAg膜の両方を同時にパターニングすることができる。
本態様における第2の透明電極層は、平均粒径が50nm以下の微粒子を含有していることが好ましい。この微粒子は、平均粒径が透明電極層のピンホール等の欠陥より小さく、効果的にピンホール等の欠陥を塞ぐことができるからである。また、微粒子特有のサイズ効果により、第2の透明電極層形成時における微粒子を含有する第2の透明電極層形成用塗工液の焼成温度を、通常の焼成温度と比較して低くすることができ、着色層の耐熱温度以下での焼成が可能となるからである。
なお、微粒子については、上述した密着性向上層の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
さらに、第2の透明電極層の膜厚は、上述した性質を満たすような厚みであれば特に限定されるものではないが、具体的には5nm〜2000nmの範囲内で設定することができ、好ましくは50nm〜500nmの範囲内である。第2の透明電極層の膜厚が厚すぎると、光透過率が低下したり、また、透明電極層から剥離したりする可能性があるからである。さらに、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の最表面に第2の透明電極層が設けられるため、第2の透明電極層の膜厚が厚すぎると端子接続部の抵抗が高くなる可能性があるからである。一方、第2の透明電極層の膜厚が薄すぎると、透明電極層に存在するピンホール等を塞ぐことが困難となるからである。
また、第2の透明電極層として上述した導電性金属またはそれらの酸化物を用いた場合は、第2の透明電極層の膜厚が厚すぎると光透過性が損なわれるので、上記範囲の中でも比較的薄い方が好ましい。具体的には、5nm〜50nmの範囲内であることが好ましい。
本態様における第2の透明電極層は、塗膜である。なお、「塗膜」とは、湿式法により形成されるものを意味し、例えば塗工液を用いて塗布することにより形成されるものをいう。
ここで、一般に透明電極層は、スパッタリング法や真空蒸着法により形成されるものである。第2の透明電極層が、塗布により形成されたものであるか、スパッタリング法や真空蒸着法により形成されるものであるかは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)観察写真により確認することができる。塗布により形成されたものであれば、例えば図4(a)に示すように第2の透明電極層5を形成するための第2の透明電極層形成用塗工液のレベル性のために透明電極層4のピンホールPH内に第2の透明電極層形成用塗工液が入り込むので、ピンホールPHがほぼ平坦化されると考えられる。一方、スパッタリング法等により形成されたものであれば、例えば図4(b)に示すように、スパッタリング膜25によって透明電極層24のピンホールPHを十分に塞ぐことができず平坦化することはできない。このように、透明電極層のピンホールがほぼ完全に塞がれ平坦化されていれば、第2の透明電極層が塗布により形成されたものであるということができる。
本態様においては、第2の透明電極層の形成方法として塗布法が用いられ、例えばゾルゲル法を利用する方法や、微粒子を含有する第2の透明電極層形成用塗工液を用いる方法等が挙げられる。また、第2の透明電極層のパターニング方法としては、通常、フォトリソグラフィー法が用いられる。
本態様においては特に、微粒子を含有する第2の透明電極層形成用塗工液を用いる方法によって第2の透明電極層が形成されることが好ましい。上述したように、微粒子が効果的にピンホールを塞ぐことができ、さらに、微粒子特有のサイズ効果により、第2の透明電極層形成時に着色層の耐熱温度以下での焼成が可能となるからである。
なお、第2の透明電極層の形成方法については、上述した密着性向上層の形成方法と同様であるので、ここで説明は省略する。
また、本態様の第2の透明電極層の形成位置としては、上記透明電極層の場合と同様である。例えば図3に示すように密着性向上層3がパターン状に形成された着色層2表面を覆うようにパターン状に形成されている場合、第2の透明電極層5は、密着性向上層3と同様に着色層2表面の上に形成される。一方、例えば図5に示すように密着性向上層3がパターン状に着色層2の全面を覆うようにパターン状に形成されている場合、第2の透明電極層5は、密着性向上層3と同様に着色層2の全面を覆うように形成されていてもよく、また図示しないが着色層表面の上に形成されていてもよい。
上記の中でも、本発明においては、パターン状に形成された着色層の端部から所定の幅を残して密着性向上層、透明電極層および第2の透明電極層が形成されていることが好ましい。このような構成とすることにより、上述したように、非表示領域となる着色層の端部から選択的に脱ガス成分を放出させて、画像表示領域となる透明電極層を脱ガス成分が通過するのを防ぐことができるので、ダークスポットの発生を抑制することが可能となるからである。
(2)第4の態様
本態様の第2の透明電極層は、上記透明電極層に存在するピンホールを閉塞しているものである。本態様においては、例えば図4(a)に示すように、透明電極層4に存在するピンホールPHを第2の透明電極層5が閉塞しているので、着色層や色変換層等から発生するガス、水蒸気および酸素に対するバリア性を向上させることができる。
なお、透明電極層に存在するピンホールを第2の透明電極層が閉塞していることは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)観察写真により確認することができる。例えば図4(a)に示すように、透明電極層4に存在するピンホールPHを第2の透明電極層5が閉塞していれば、ピンホールPHがほぼ平坦化されると考えられる。一方、例えば図4(b)に示すように、透明電極層24に存在するピンホールPHを第2の透明電極層25が閉塞していない場合は、ピンホールPHを平坦化することはできない。このように本発明においては、透明電極層のピンホールがほぼ平坦化されている状態を、第2の透明電極層がピンホールを閉塞しているという。
また、第2の透明電極層のその他の点については、上記第3の態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
4.密着性向上層、透明電極層および第2の透明電極層
本発明においては、密着性向上層および透明電極層によって、着色層等から発生するガス、水蒸気および酸素に対するバリア性を得ることができる。このような密着性向上層および透明電極層が設けられた際のバリア性としては、酸素ガス透過率が1cc/m/day/atm以下、中でも0.5cc/m/day/atm以下であることが好ましい。また、水蒸気透過率が、1g/m/day以下、中でも0.5g/m/day以下であることが好ましい。
また本発明においては、透明電極層上に第2の透明電極層を設けることにより、上記のバリア性の向上させることができる。この場合、密着性向上層、透明電極層および第2の透明電極層が設けられた際のバリア性としては、酸素ガス透過率が1cc/m/day/atm以下、中でも0.5cc/m/day/atm以下、特に0.1cc/m/day/atm以下であることが好ましい。また、水蒸気透過率が1g/m/day以下、中でも0.5g/m/day以下、特に0.1g/m/day以下であることが好ましい。
酸素ガス透過率および水蒸気透過率が、上述した範囲であることにより、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板をバリア性の高いものとすることができ、酸素や水蒸気、着色層等からのガスに弱い部材を有する有機EL素子に好適に用いることができるからである。
なお、上記酸素ガス透過率は、測定温度23℃、湿度90%Rhの条件下で、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN 2/20:商品名)を用いて測定した値である。また、上記水蒸気透過率は、測定温度37.8℃、湿度100%Rhの条件下で、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製、PERMATRAN−W 3/31:商品名)を用いて測定した値である。
5.着色層
次に、本発明に用いられる着色層について説明する。本発明に用いられる着色層は、基板上にパターン状に形成されるものである。
本発明に用いられる着色層は、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置とした際に、有機EL表示装置の発光層から発せられた白色光の色調を変化させる層、または後述する色変換層を透過した光の色調をさらに調整する層である。一般に、着色層は、青色、赤色、緑色の着色層として形成される。また、色変換層が設けられている場合には、色変換層の各色と対応した位置に、それぞれ青色、赤色、緑色の着色層が形成される。このような着色層が形成されることにより、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いた場合、高純度な発色とすることができ、色再現性の高いものとすることができる。
着色層の形成材料としては、一般的にカラーフィルタに用いることが可能な顔料やバインダー樹脂を用いることができる。
具体的には、赤色の着色層に用いられる顔料としては、例えばペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等を挙げることができる。これらの顔料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、緑色の着色層に用いられる顔料としては、例えばハロゲン多置換フタロシアニン系顔料、ハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等を挙げることができる。これらの顔料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
さらに、青色の着色層に用いられる顔料としては、例えば銅フタロシアニン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等を挙げることができる。これらの顔料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記顔料は、赤色、緑色または青色の着色層中にそれぞれ通常5〜50重量%の範囲内で含有される。
また、着色層に用いられるバインダー樹脂としては、可視光透過率が50%以上の透明な樹脂が好ましく、例えばポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
着色層の形成方法としては、一般的なカラーフィルタの形成方法、例えばフォトリソグラフィー法やマスク蒸着法等を用いることができる。
6.遮光部
本発明においては、例えば図6に示すように、基板1上であって、着色層2の間に遮光部6が形成されていてもよい。ブラックマトリクス等の遮光部を設けることにより、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置とした際に、コントラストを向上させることが可能となるからである。
本発明に用いられる遮光部は、絶縁性を有するものであっても、絶縁性を有しないものであってもよい。絶縁性を有する遮光部の形成材料としては、例えば黒色着色剤を含有する樹脂等が挙げられる。また、絶縁性を有しない遮光部の形成材料としては、例えばクロム等が挙げられる。この際、絶縁性を有しない遮光部は、CrO膜(xは任意の数)およびCr膜が2層積層されたものであってもよく、また、より反射率を低減させたCrO膜(xは任意の数)、CrN膜(yは任意の数)およびCr膜が3層積層されたものであってもよい。
本発明においては、密着性向上層がパターン状に形成された着色層の全面を覆うようにパターン状に形成されている場合、遮光部は絶縁性を有していることが好ましい。例えば図6においては、密着性向上層3および透明電極層4が着色層2の全面を覆うように形成されているので、密着性向上層3および透明電極層4と、遮光部6とが接触している。この場合、遮光部6が絶縁性を有しない、すなわち導電性を有すると、遮光部6と、密着性向上層3および透明電極層4とが導通してしまい、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いた有機EL表示装置において、透明電極層に信号を加えた際に隣り合う透明電極層の信号を独立に動作させることができないおそれがあるからである。
一方、密着性向上層がパターン状に形成された着色層の端部から所定の幅を残して形成されている場合、遮光部は絶縁性を有していなくてもよい、すなわち導電性を有していてもよい。この場合、遮光部が密着性向上層や透明電極層と接触することはないからである。また、絶縁性を有しない遮光部は上述したようにCr膜などが用いられるので、遮光部からガスが発生するおそれがなく、遮光部が設けられた領域はバリア性がなくてもよいからである。
黒色着色剤を含有する樹脂を用いた遮光部は、黒色着色剤を含有する樹脂組成物を基板上に塗布して、フォトリソグラフィー法によってパターン状に形成することができる。
また、クロム等の金属を用いた遮光部は、スパッタリング法や真空蒸着法等により、金属、金属酸化物または金属窒化物等の薄膜を形成し、フォトリソグラフィー法を利用してパターン状に形成することができる。また、無電界メッキ法や印刷法等を用いて形成することもできる。
上記遮光部の膜厚としては、スパッタリング法や真空蒸着法により形成する場合には0.2μm〜0.4μm程度であり、塗布により形成する場合や印刷法によるときは0.5μm〜2μm程度である。
本発明において、遮光部が例えば黒色着色剤を含有する樹脂等を用いて形成されたものである場合、この樹脂等からガスが発生する可能性があるので、このような場合には遮光部上に透明バリア層が設けられていてもよい。この透明バリア層としては、一般に有機EL素子の透明バリア層として用いられている例えば酸化ケイ素膜や窒化ケイ素膜等を挙げることができる。
ここで、上記遮光部に用いられる黒色着色剤を含有する樹脂は、遮光性を有するものであればよいので、着色層とは異なり十分な熱処理を行うことができる。このため、遮光部形成時に脱ガス成分を除去することができる。よって、有機EL素子用カラーフィルタ基板作製時の加熱の際に、遮光部からガスが発生する可能性は低いと考えられる。
また、遮光部が絶縁性を有しない場合、遮光部上に絶縁物層を設けることができる。これにより、透明電極層または密着性向上層と遮光部とが導通するのを防ぐことができる。
7.色変換層
本発明においては、例えば図7に示すように、着色層2上であって、着色層2と密着性向上3との間に、色変換層7が形成されていてもよい。
色変換層は、上記着色層と同様に、色変換層に含まれる色素等が分解してガスが発生することがあり、ダークスポットの要因となるが、本発明においては密着性向上層および透明電極層が設けられていることにより、着色層から発生したガスだけでなく、色変換層から発生したガスに対してもバリア性を得ることができる。
本発明において色変換層が設けられている場合、上記着色層の場合と同様に、選択的に非表示領域から脱ガス成分を放出させ、画像表示領域へのガスの流出を防止するために、パターン状に形成された着色層および色変換層の端部から所定の幅を残して、密着性向上層が形成されていることが好ましい。
また、第2の透明電極層を設ける場合には、密着性向上層、透明電極層および第2の透明電極層が、パターン状に形成された着色層および色変換層の端部から所定の幅を残して形成されていることが好ましい。
一方、密着性向上層がパターン状に形成された着色層および色変換層の全面を覆うように形成されていてもよい。この場合には、着色層および色変換層が露出しなくなるので、着色層および色変換層から発生するガスの流出をより効果的に防ぐことができる。
本発明に用いられる色変換層は、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置とした際に、有機EL素子の発光層から発光される光を吸収し、可視光領域蛍光を発光する蛍光材料を含有する層であり、発光層からの光を青色、赤色、または緑色とすることができるものであれば、特に限定されるものではない。色変換層は、例えば、青色、赤色、緑色の3色の蛍光をそれぞれ発光する層であってもよく、また青色の発光層を用いた場合には、青色の色変換層の代わりに透明樹脂層が形成されていてもよい。
色変換層は、通常、発光層からの光を吸収し、蛍光を発光する有機蛍光色素とマトリクス樹脂とを含有するものである。
色変換層に用いられる蛍光色素は、発光層から発せられる近紫外領域または可視領域の光、特に青色または青緑色領域の光を吸収して異なる波長の可視光を蛍光として発光するものである。通常、発光層としては、青色の発光層が用いられることから、少なくとも赤色領域の蛍光を発する蛍光色素の1種類以上を用いることが好ましく、緑色領域の蛍光を発する蛍光色素の1種類以上と組み合わせることが好ましい。
すなわち、光源として青色ないし青緑色領域の光を発光する発光層を用いる場合、発光層からの光を単なる赤色の着色層に通して赤色領域の光を得ようとすると、元々赤色領域の波長の光が少ないために極めて暗い出力光になってしまう。したがって、発光層からの青色ないし青緑色領域の光を、蛍光色素によって赤色領域の光に変換することにより、十分な強度を有する赤色領域の光の出力が可能となるからである。
一方、緑色領域の光は、赤色領域の光と同様に、発光層からの光を別の蛍光色素によって緑色領域の光に変換させて出力してもよい。あるいはまた、発光層の発光が緑色領域の光を十分に含む場合には、発光層からの光を単に緑色の着色層を通して出力してもよい。さらに、青色領域の光に関しては、発光層の光を蛍光色素を用いて変換させて出力させてもよいが、発光層の光を単なる青色の着色層に通して出力させることが好ましい。
発光層から発する青色から青緑色領域の光を吸収して、赤色領域の蛍光を発する蛍光色素としては、例えばローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2などのローダミン系色素、シアニン系色素、1−エチル−2−[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジニウム パークロレート(ピリジン1)などのピリジン系色素、あるいはオキサジン系色素などが挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も蛍光性があれば使用することができる。
また、発光層から発する青色ないし青緑色領域の光を吸収して、緑色領域の蛍光を発する蛍光色素としては、例えば3−(2´−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2´−ベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、3−(2´−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン30)、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)などのクマリン系色素、あるいはクマリン色素系染料であるベーシックイエロー51、さらにはソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116などのナフタルイミド系色素などが挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も蛍光性があれば使用することができる。
なお、蛍光色素を、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂およびこれらの樹脂混合物などに予め練り込んで顔料化して、蛍光顔料としてもよい。また、これらの蛍光色素や蛍光顔料(以下、上記2つを合わせて蛍光色素と総称する。)は単独で用いてもよく、蛍光の色相を調整するために2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記蛍光色素は、色変換層に対して、その色変換層の重量を基準として0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜2重量%含有される。蛍光色素の含有量が少なすぎると十分な波長変換を行うことができず、一方、蛍光色素の含有量が多すぎると、濃度消光等の効果により色変換効率が低下する可能性があるからである。
また、色変換層に用いられるマトリクス樹脂としては、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂(レジスト)を、光および/または熱処理して、ラジカル種またはイオン種を発生させて重合または架橋させ、不溶不融化させたものを用いることができ、色変換層のパターニングを行うために、上記光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂は、未露光の状態において有機溶媒またはアルカリ溶液に可溶性であることが望ましい。
このような光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂は、(1)アクロイル基やメタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと、光または熱重合開始剤とからなる組成物、(2)ボリビニルケイ皮酸エステルと増感剤とからなる組成物、(3)鎖状または環状オレフィンとビスアジドとからなる組成物、および(4)エポキシ基を有するモノマーと酸発生剤とからなる組成物などを含む。特に(1)のアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと光または熱重合開始剤とからなる組成物が、高精細なパターニングが可能であること、および耐溶剤性、耐熱性等の信頼性が高いことから好ましい。上述したように、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂に光および/または熱を作用させて、マトリクス樹脂を形成する。
また、色変換層に用いることができる光重合開始剤、増感剤および酸発生剤は、含まれる蛍光色素が吸収しない波長の光によって重合を開始させるものであることが好ましい。色変換層において、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂中の樹脂自身が光または熱により重合することが可能である場合には、光重合開始剤および熱重合開始剤を添加しないことも可能である。
色変換層の形成方法としては、一般的なカラーフィルタの形成方法、例えばフォトリソグラフィー法や蒸着法等を用いることができる。
8.基板
次に、本発明に用いられる基板について説明する。本発明に用いられる基板は、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置とした際に基板側から光を取り出すため、透明であることが好ましい。また、基板は、耐溶媒性、耐熱性を有し、寸法安定性に優れているものであることが好ましい。これにより、基板上に着色層、密着性向上層および透明電極層等を形成する際にも安定なものとすることができるからである。
このような透明な基板としては、例えばガラス板や、有機材料で形成されたフィルム状やシート状のもの等を用いることができる。
本発明において、透明な基板としてガラス板が用いられる場合には、可視光に対して透過性の高いものであれば、特に限定されるものではなく、例えば未加工のガラス板であってもよく、また加工されたガラス板等であってもよい。このようなガラス板としては、アルカリガラスおよび無アルカリガラスのどちらも使用可能であるが、本発明において、不純物が問題とされる場合には、例えば、パイレックス(登録商標)ガラス等の無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、加工されたガラス板の種類は、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の用途に応じて適宜選択されるものであり、例えば透明ガラス基板に塗布加工をしたものや、段差加工を施したもの等が挙げられる。
このようなガラス板の厚みは、20μm〜2mmの範囲内であることが好ましく、中でもフレキシブル基板として使用する場合には、20μm〜200μmの範囲内であることが好ましく、リジッドな基板として使用する場合には200μm〜2mmの範囲内であることが好ましい。
また、透明な基板として用いられる有機材料としては、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、結晶化ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、UV硬化型メタクリル樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
さらに、透明な基板としては、上述した有機材料と、例えば、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂等と2種以上併せて用いることができる。
上記のような有機材料を用いて透明な基板とする場合には、基板の厚みは、10μm〜500μmの範囲内、中でも50〜400μmの範囲内、特に100〜300μmの範囲内であることが好ましい。基板の厚みが厚すぎると、耐衝撃性に劣ることや、巻き取り時に巻き取りが困難となり、バリア性が劣化する可能性があるからである。また、基板の膜厚みが薄すぎると、機械適性が悪く、バリア性が低下する可能性があるからである。
また、本発明においては、基板を洗浄して用いることが好ましく、その洗浄方法としては、酸素、オゾン等による紫外光照射処理や、プラズマ処理、アルゴンスパッタ処理等を行うことが好ましい。これにより、水分や酸素の吸着のない状態とすることができ、ダークスポットの低減や有機EL素子の長寿命化を図ることが可能となるからである。
9.有機EL素子用カラーフィルタ基板の製造方法
次に、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の製造方法の一例について説明する。
まず、基板上に例えばスパッタリング法により酸化窒化複合クロム膜を成膜し、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングすることによりブラックマトリクスを形成する。次いで、上記ブラックマトリクスが形成された基板上に、着色層形成用感光性塗料組成物を例えばスピンコート法により塗布し、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングすることにより着色層を形成する。さらに、上記着色層上に、Snを含むIn合金の微粒子を含有する導電層形成用分散液をスピンコート法により塗布し、焼成することにより導電膜を形成する。そして、導電膜上に例えばスパッタリング法によりITO膜を形成し、上記導電膜およびITO膜をフォトリソグラフィー法を用いて同時にパターニングすることにより、密着性向上層および透明電極層を形成する。これにより、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を作製することができる。
10.その他
本発明においては、着色層と密着性向上層との間にバリア層が形成されていてもよい。これにより、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板のバリア性を高めることができるからである。また、バリア層にピンホール等が存在する場合であっても、そのピンホールを塗膜である密着性向上層で塞ぐことができる。このバリア層としては、一般に有機EL素子に用いられるものが使用できる。また、密着性向上層および透明電極層によって良好なバリア性が得られるので、本発明に用いられるバリア層の膜厚は、通常の膜厚よりも薄くてよい。
B.有機EL表示装置
次に、本発明の有機EL表示装置について説明する。
本発明の有機EL表示装置は、上述した有機EL素子用カラーフィルタ基板と、上記有機EL素子用カラーフィルタ基板の透明電極層上に形成され、少なくとも発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された対向電極層とを有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上述した有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いるので、ダークエリアやダークスポットの発生を抑制することができ、良好な画像表示が可能な有機EL表示装置とすることができる。また、有機EL素子用カラーフィルタ基板では、密着性向上層および透明電極層によりバリア性が得られるので、従来のように厚膜のバリア層を設ける必要がなく、低コスト化が図れる。
図8は本発明の有機EL表示装置の一例を示すものである。図8に示すように、本発明の有機EL表示装置は、上述した有機EL素子用カラーフィルタ基板10と、上記有機EL素子用カラーフィルタ基板10の透明電極層4上にパターン状に形成された有機EL層11と、上記有機EL層11上に形成された対向電極層12とを有するものである。また、透明電極層4上であって、有機EL層11の間には絶縁層13が形成されている。この絶縁層13は、透明電極層4と対向電極層12とを接触させないようにするために設けられる層である。さらに、この絶縁層13上には隔壁部14が形成されている。有機EL層11が形成されている部分は画像表示領域である。
以下、このような有機EL表示装置の各構成について説明する。
1.有機EL層
本発明に用いられる有機EL層は、少なくとも発光層を含む1層もしくは複数層の有機層から構成されるものである。すなわち、有機EL層とは、少なくとも発光層を含む層であり、その層構成が有機層1層以上の層をいう。通常、塗布による湿式法で有機EL層を形成する場合は、溶媒との関係で多数の層を積層することが困難であることから、1層もしくは2層の有機層で形成される場合が多いが、溶媒への溶解性が異なるように有機材料を工夫したり、真空蒸着法を組み合わせたりすることにより、さらに多数層とすることも可能である。
発光層以外に有機EL層内に形成される有機層としては、正孔注入層や電子注入層といった電荷注入層を挙げることができる。さらに、その他の有機層としては、発光層に正孔を輸送する正孔輸送層、発光層に電子を輸送する電子輸送層といった電荷輸送層を挙げることができるが、通常これらは上記電荷注入層に電荷輸送の機能を付与することにより、電荷注入層と一体化されて形成される場合が多い。その他、有機EL層内に形成される有機層としては、キャリアブロック層のような正孔あるいは電子の突き抜けを防止し、さらに励起子の拡散を防止して発光層内に励起子を閉じ込めることにより、再結合効率を高めるための層等を挙げることができる。
以下、このような有機EL層の各構成について説明する。
(1)発光層
本発明に用いられる発光層は、電子と正孔との再結合の場を提供して発光する機能を有するものである。上記発光層を形成する材料としては、通常、色素系発光材料、金属錯体系発光材料、または高分子系発光材料を挙げることができる。
色素系発光材料としては、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどを挙げることができる。
また、金属錯体系発光材料としては、アルミニウムキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体、イリジウム金属錯体、プラチナ金属錯体等、中心金属に、Al、Zn、Be、Ir、Pt等、またはTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体等を挙げることができる。具体的には、トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体(Alq)を用いることができる。
さらに、高分子系発光材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレノン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、ポリジアルキルフルオレン誘導体、およびそれらの共重合体等を挙げることができる。また、上記色素系発光材料および金属錯体系発光材料を高分子化したものも挙げられる。
本発明に用いられる発光材料としては、上記の中でも、金属錯体系発光材料または高分子系発光材料であることが好ましく、さらには高分子系発光材料であることが好ましい。また、高分子系発光材料の中でも、π共役構造をもつ導電性高分子であることが好ましい。このようなπ共役構造をもつ導電性高分子としては、上述したようなポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレノン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、ポリジアルキルフルオレン誘導体、およびそれらの共重合体等を挙げることができる。
発光層の厚みとしては、電子と正孔との再結合の場を提供して発光する機能を発現することができる厚みであれば特に限定はされなく、例えば1nm〜200nm程度とすることができる。
また、発光層中には、発光効率の向上、発光波長を変化させる等の目的で蛍光発光または燐光発光するドーパントを添加してもよい。このようなドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン、キノキサリン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体等を挙げることができる。
発光層の形成方法としては、高精細なパターニングが可能な方法であれば特に限定されるものではない。例えば蒸着法、印刷法、インクジェット法、またはスピンコート法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、および自己組織化法(交互吸着法、自己組織化単分子膜法)等を挙げることができる。中でも、蒸着法、スピンコート法、およびインクジェット法を用いることが好ましい。また、発光層をパターニングする際には、異なる発光色となる画素のマスキング法により塗り分けや蒸着を行ってもよく、または発光層間に隔壁を形成してもよい。このような隔壁を形成する材料としては、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂、および無機材料等を用いることができる。さらに、これらの隔壁を形成する材料の表面エネルギー(濡れ性)を変化させる処理を行ってもよい。
(2)電荷注入輸送層
本発明においては、透明電極層と発光層との間、あるいは発光層と対向電極層との間に電荷注入輸送層が形成されていてもよい。ここでいう電荷注入輸送層とは、上記発光層に透明電極層あるいは対向電極層からの電荷を安定に輸送する機能を有するものであり、このような電荷注入輸送層を、透明電極層と発光層との間、あるいは発光層と対向電極層との間に設けることにより、発光層への電荷の注入が安定化し、発光効率を高めることができる。
電荷注入輸送層としては、陽極から注入された正孔を発光層内へ輸送する正孔注入輸送層、陰極から注入された電子を発光層内へ輸送する電子注入輸送層とがある。以下、正孔注入輸送層および電子注入輸送層について説明する。
(i)正孔注入輸送層
本発明に用いられる正孔注入輸送層としては、発光層に正孔を注入する正孔注入層、および正孔を輸送する正孔輸送層のいずれか一方であってもよく、正孔注入層および正孔輸送層が積層されたものであってもよく、または、正孔注入機能および正孔輸送機能の両機能を有する単一の層であってもよい。
正孔注入輸送層に用いられる材料としては、陽極から注入された正孔を安定に発光層内へ輸送することができる材料であれば特に限定されるものではなく、上記発光層の発光材料に例示した化合物の他、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン誘導体等を用いることができる。具体的には、ビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン(α−NPD)、4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、ポリ3,4エチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS)、ポリビニルカルバゾール(PVCz)等が挙げられる。
また、正孔注入輸送層の厚みとしては、陽極から正孔を注入し、発光層へ正孔を輸送する機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されないが、具体的には0.5nm〜1000nmの範囲内、中でも10nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。
(ii)電子注入輸送層
本発明に用いられる電子注入輸送層としては、発光層に電子を注入する電子注入層、および電子を輸送する電子輸送層のいずれか一方であってもよく、電子注入層および電子輸送層が積層されたものであってもよく、または、電子注入機能および電子輸送機能の両機能を有する単一の層であってもよい。
電子注入層に用いられる材料としては、発光層内への電子の注入を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、上記発光層の発光材料に例示した化合物の他、アルミリチウム合金、フッ化リチウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、酸化アルミニウム、酸化ストロンチウム、カルシウム、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、リチウム、セシウム、フッ化セシウム等のようにアルカリ金属類、およびアルカリ金属類のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体等を用いることができる。
また、電子注入層の厚みとしては、電子注入機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されない。
一方、電子輸送層に用いられる材料としては、透明電極層あるいは対向電極層から注入された電子を発光層内へ輸送することが可能な材料であれば特に限定されるものではなく、例えばバソキュプロイン、バソフェナントロリン、フェナントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、またはトリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体(Alq)等を挙げることができる。
さらに、電子注入機能および電子輸送機能の両機能を有する単一の層からなる電子注入輸送層としては、電子輸送性の有機材料にアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属をドープした金属ドープ層を形成し、これを電子注入輸送層とすることができる。上記電子輸送性の有機材料としては、例えばバソキュプロイン、バソフェナントロリン、フェナントロリン誘導体等を挙げることができ、ドープする金属としては、Li、Cs、Ba、Sr等が挙げられる。
2.対向電極層
次に、本発明に用いられる対向電極層について説明する。対向電極層は、透明電極層に対向する電極であり、一般に金属が用いられる。具体的には、マグネシウム合金(MgAgなど)、アルミニウム合金(AlLi、AlCa、AlMgなど)、アルミニウム、アルカリ土類金属(Caなど)、アルカリ金属(K、Liなど)等が挙げられる。
対向電極層は、一般的な電極層の形成方法を用いて形成することができ、例えばスパッタリング法、真空蒸着法等が挙げられる。
3.絶縁層
本発明においては、例えば図8に示すように、有機EL層11の間に絶縁層13が形成されていてもよい。この絶縁層は、非表示領域としてパターン状に形成されるものである。
本発明に用いられる絶縁層の形成材料としては、例えば紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂等が挙げられる。このような絶縁層は、上記の樹脂を含む樹脂組成物を用いて形成することができる。また、パターニングの方法としては、フォトリソグラフィー法、印刷法等の一般的な方法を用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
(ブラックマトリクスの形成)
透明基板として、370mm×470mm、厚み0.7mmのソーダガラス(セントラル硝子社製 Sn面研磨品)を準備した。この透明基板を定法に従って洗浄した後、透明基板の片側全面にスパッタリング法により酸化窒化複合クロムの薄膜(厚み0.2μm)を形成し、この酸化窒化複合クロム薄膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、酸化窒化複合クロム薄膜のエッチングを行って、84μm×284μmの長方形状の開口部を100μmピッチでマトリクス状に備えたブラックマトリクスを形成した。
(着色層の形成)
赤色、緑色および青色の3色の各色着色層形成用の感光性塗料組成物を調製した。赤色着色剤としては縮合アゾ系染料(チバガイギー社製 クロモフタルレッドBRN)、緑色着色剤としてはフタロシアニン系緑色顔料(東洋インキ製造(株)製 リオノールグリーン2Y−301)、および青色着色剤としてはアンスラキノン系顔料(チバガイギー社製 クロモフタルブルーA3R)をそれぞれ用い、バインダー樹脂としてはポリビニルアルコール(10%水溶液)を用い、ポリビニルアルコール水溶液10部に対し、各色着色剤を1部(部数はいずれも質量基準)の割合で配合して、十分に混合分散させ、得られた溶液100部に対し、1部の重クロム酸アンモニウムを架橋剤として添加し、各色着色層形成用の感光性塗料組成物を得た。
上記の各色着色層形成用の感光性塗料組成物を順次用いて各色の着色層を形成した。すなわち、ブラックマトリクスが形成された上記透明基板上に、赤色の着色層形成用の感光性塗料組成物をスピンコート法により塗布し、100℃で5分間のプリベイクを行った。その後、フォトマスクを用いて露光し、現像液(0.05%KOH水溶液)にて現像を行った。次いで、200℃で60分間のポストベイクを行い、ブラックマトリクスのパターンに開口部を同調させ、幅;85μm、厚み;1.5μmの帯状の赤色の着色層を、その幅方向がフラックマトリクスの開口部の短辺方向になるように形成した。以降、緑色の着色層形成用の感光性塗料組成物、および青色の着色層形成用の感光性塗料組成物を順次用い、緑色の着色層および青色の着色層を形成し、3色のパターン状の着色層が幅方向に繰り返し配列した着色層を形成した。
(密着性向上層の形成)
Snを5%含むIn合金微粒子を濃度が5重量%となるように酢酸n−ブチルに分散して導電層形成用分散液を調製した。この導電層形成用分散液を、上記着色層が形成された上に、スピンコート法により塗布した後、大気圧の酸素ガス雰囲気(酸素ガス濃度100容量%)中、250℃で10分間焼成して、膜厚150nmの導電膜を形成した。この導電膜は、透明かつ均一な膜であった。
(透明電極層の形成)
密着性向上層が形成された上に、スパッタリング法により、膜厚150nmのITO膜を形成した。
(密着性向上層および透明電極層のパターニング)
上記導電膜およびITO膜に対して、感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、ITO膜および導電膜のエッチングを行って、密着性向上層および透明電極層をパターン状(幅100μm、スペース20μm)に形成した。
(絶縁層および隔壁部の形成)
平均分子量が約100000であるノルボルネン系樹脂(JSR社製ARTON)をトルエンで希釈した絶縁層用塗布液を使用し、スピンコート法により密着性向上層および透明電極層を覆うように透明電極層上に塗布した後、ベーク(100℃、30分)を行って絶縁膜(厚み1μm)を形成した。次に、この絶縁膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、絶縁膜のエッチングを行って絶縁層を形成した。この絶縁層は、透明電極層と直角に交差するストライプ状(幅20μm)のパターンであり、ブラックマトリクス上に位置するものとした。
次に、隔壁部用塗料(日本ゼオン社製 フォトレジスト ZPN1100)をスピンコート法により、絶縁層を覆うように全面に塗布し、プリベーク(70℃、30分間)を行った。その後、所定の隔壁部用フォトマスクを用いて露光し、現像液(日本ゼオン社製 ZTMA−100)にて現像を行い、ポストベーク(100℃、30分間)を行った。これにより、絶縁層上に隔壁部を形成した。この隔壁部は、高さ10μm、下部(絶縁層側)の幅15μm、上部の幅26μmである形状を有するものであった。
(有機EL層の形成)
上記の隔壁部をマスクとして、真空蒸着法により正孔注入層、青色発光層、電子注入層からなる有機EL層を形成した。
すなわち、まず4,4´,4´´−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミンを、画像表示領域に相当する開口部を備えたフォトマスクを介して200nm厚まで蒸着して成膜し、その後4,4´−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルを20nm厚まで蒸着して成膜することによって、隔壁部がマスクパターンとなり、各隔壁部間のみを正孔注入層材料が通過して透明電極層上に正孔注入層を形成した。同様にして、4,4´−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニルを50nm厚まで蒸着して成膜することにより青色発光層を形成した。その後、トリス(8−キノリノール)アルミニウムを20nm厚まで蒸着して成膜することにより電子注入層を形成した。このようにして形成された有機EL層は、幅280μmの帯状パターンとして各隔壁部間に存在するものであり、隔壁部の上部表面にも同様の層構成でダミーの有機EL層を形成した。
(対向電極層の形成)
次に、画像表示領域よりも広い所定の開口部を備えたフォトマスクを介して、上記の隔壁部が形成されている領域に、真空蒸着法によりアルミニウムを蒸着(アルミニウムの蒸着速度=1.3〜1.4nm/秒)して成膜した。これにより、隔壁部がマスクとなって、アルミニウムからなる対向電極層(背面電極層、厚み200nm)を有機EL素子層上に形成した。この対向電極層は、幅280μmの帯状パターンとして有機EL層上に形成されたものであり、隔壁部の上部表面にもダミーの対向電極層を形成した。
以上の方法により、有機EL素子を得た。また、有機EL素子を封止し、有機EL表示装置を得た。
[実施例2]
実施例1と同様にして、透明基板上に、ブラックマトリクスおよび着色層を形成した。
(密着性向上層の形成)
Ag微粒子を濃度が1%となるように酢酸n−ブチルに分散して導電性金属層形成用分散液を調製した。この導電性金属層形成用分散液を、着色層が形成された上に、スピンコート法により塗布し、乾燥した。次に、大気中、250℃で10分間焼成することにより、厚み5nmのAg膜を形成して導電性金属膜とした。この導電性金属膜は、透明かつ均一な膜であった。
さらに、導電性金属膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、およびエッチングを行って、密着性向上層をパターン状(幅100μm、スペース20μm)に形成した。
(透明電極層の形成)
密着性向上層が形成された上に、スパッタリング法により、膜厚150nmのITO膜を形成した。さらに、ITO膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、およびエッチングを行って、透明電極層をパターン状(幅100μm、スペース20μm)に形成した。
(有機EL素子の作製)
次いで、実施例1と同様にして、絶縁層、隔壁部、有機EL層および対向電極層を形成し、有機EL素子を得た。また、有機EL素子を封止し、有機EL表示装置を得た。
[実施例3]
実施例1と同様にして、透明基板上に、ブラックマトリクス、着色層、導電膜およびITO膜を形成した。
(第2の透明電極層の形成)
Snを5%含むIn合金微粒子を濃度が5重量%となるように酢酸n−ブチルに分散して導電層形成用分散液を調製した。この導電層形成用分散液を、ITO膜が形成された上に、スピンコート法により塗布した後、大気圧の酸素ガス雰囲気(酸素ガス濃度100容量%)中、250℃で10分間焼成して、膜厚150nmの導電膜を形成した。この導電膜は、透明かつ均一な膜であった。また、上記ITO膜形成時に発生した欠陥(ピンホール)を導電膜が覆い、欠陥を修正していることが確認できた。
(密着性向上層、透明電極層および第2の透明電極層のパターニング)
上記の導電膜、ITO膜および導電膜に対して、感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、導電膜、ITO膜および導電膜のエッチングを行って、密着性向上層、透明電極層および第2の透明電極層をパターン状(幅100μm、スペース20μm)に形成した。
(有機EL素子の作製)
次いで、実施例1と同様にして、絶縁層、隔壁部、有機EL層および対向電極層を形成し、有機EL素子を得た。また、有機EL素子を封止し、有機EL表示装置を得た。
[実施例4]
実施例1と同様にして、透明基板上に、ブラックマトリクスおよび着色層を形成した。
(色変換層の形成)
ブラックマトリクスおよび着色層が形成された上に、青色変換層(ダミー層)形成用塗布液(富士ハントエレクトロニクステクノロジー(株)製 透明感光性樹脂組成物 商品名;「カラーモザイクCB−701」)をスピンコート法により塗布し、100℃で5分間のプリベイクを行った。次いで、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行った後、200℃で60分間のポストベイクを行った。これにより、青色着色層上に、幅;85μm、厚み;10μmの帯状の青色変換層(ダミー層)を形成した。
次いで、緑色変換蛍光体(アルドリッチ(株)製 クマリン6)を分散させたアルカリ可溶性ネガ型感光性レジストを緑色変換層形成用塗布液とし、上記と同様の手順により、緑色着色層上に、幅;85μm、厚み;10μmの帯状の緑色変換層を形成した。
さらに、赤色変換蛍光体(アルドリッチ(株)製 ローダミン6G)を分散させたアルカリ可溶性ネガ型感光性レジストを赤色変換層形成用塗布液とし、上記と同様の手順により、赤色着色層上に、幅;85μm、厚み;10μmの帯状の赤色変換層を形成した。
(ハードコート層の形成)
次いで、色変換層が形成された上に、アクリレート系熱硬化性樹脂(新日鐵化学(株)製 品名;「V−259PA/PH5」)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈したハードコート層形成用塗布液を用い、スピンコート法により塗布し、120℃で5分間のプリベイクを行った後、紫外線を照射線量が300mJになるように全面露光を行い、露光後、200℃で60分間のポストベイクを行って、色変換層上の全体を覆うように、厚み;5μmの透明なハードコート層を形成した。
(有機EL素子の作製)
次いで、ハードコート層が形成された上に、実施例3と同様にして、密着性向上層、透明電極層、第2の透明電極層、絶縁層、隔壁部、有機EL層および対向電極層を形成し、有機EL素子を得た。また、有機EL素子を封止し、有機EL表示装置を得た。
[比較例1]
実施例1において、密着性向上層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
[比較例2]
実施例1において、密着性向上層の代わりに、蒸着法によって厚み;20nmのSiO薄膜を、着色層等が形成された透明基板の全面に形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
[評価]
実施例1〜4および比較例2においては透明電極層形成時に膜剥離は観察されなかったが、比較例1では透明電極層形成時に膜剥離が発生した。
また、実施例1〜4および比較例2の有機EL表示装置の透明電極層と対向電極層とに直流8.5Vの電圧を10mA/cmの一定電流密度で印加して連続駆動させることにより、透明電極層と対向電極層とが交差する所望の部位の青色発光層を発光させた。この有機EL表示装置の発光領域は6mm□であり、有機EL表示装置を温度85℃、相対湿度60%で保存試験を行い、500時間経過後における有機EL素子欠陥を、光学顕微鏡(倍率50倍)観察を行うことで評価した。
その結果、比較例2の有機EL表示装置ではダークスポットが発生した。これは、着色層表面の凹凸をSiO膜で平坦化できなかったため、凹凸部分から脱ガス成分が流出し、ダークスポットが発生したと考えられる。これに対し、実施例1〜4の有機EL表示装置ではダークスポットの発生が認められず、優れた耐久性のある表示特性を示した。
本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の一例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の他の例を示す概略断面図である。 第2の透明電極層を説明するための説明図である。 本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL表示装置の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 … 基板
2 … 着色層
3 … 密着性向上層
4 … 透明電極層
5 … 第2の透明電極層
6 … 遮光部
7 … 色変換層
10 … 有機EL素子用カラーフィルタ基板
11… 有機EL層
12 … 対向電極層
13 … 絶縁層
14 … 隔壁部
PH … ピンホール

Claims (12)

  1. 基板と、前記基板上にパターン状に形成された着色層と、前記着色層上にパターン状に形成された密着性向上層と、前記密着性向上層上に形成された透明電極層とを有する有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板であって、前記密着性向上層が塗膜であり、かつ導電性を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板。
  2. 前記密着性向上層が、平均粒径が1nm〜10nmの範囲内である微粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板。
  3. 前記微粒子が、酸化インジウム錫(ITO)の微粒子であることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板。
  4. 前記微粒子が、Au、Ag、Cu、Pt、Sn、Zn、In、Pb、Alおよびそれらの酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の微粒子であることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板。
  5. 前記透明電極層の平均表面粗さ(Ra)が、10Å〜100Åの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板。
  6. 前記密着性向上層が、パターン状に形成された前記着色層の端部から所定の幅を残して形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板。
  7. 前記密着性向上層が、パターン状に形成された前記着色層の全面を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板。
  8. 前記基板上であって、前記着色層間に遮光部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板。
  9. 前記遮光部が絶縁性を有することを特徴とする請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板。
  10. 前記着色層上であって、前記着色層と前記密着性向上層との間に、色変換層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板。
  11. 前記着色層と前記密着性向上層との間に、バリア層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板と、前記有機エレクトロルミネッセント素子用カラーフィルタ基板の透明電極層上に形成され、少なくとも発光層を含む有機エレクトロルミネッセント層と、前記有機エレクトロルミネッセント層上に形成された対向電極層とを有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセント表示装置。
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