JP2014157351A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レジストパターンの除去工程におけるカラーフィルタの剥がれが抑制されたカラーフィルタの製造方法を提供する。
【解決手段】支持体上に、一次粒子径が1nm〜100nmの金属酸化物粒子を含有する硬化膜を形成する硬化膜形成工程と、硬化膜上に、着色層を形成する着色層形成工程と、着色層上に、フォトレジスト層を形成するフォトレジスト層形成工程と、フォトレジスト層をパターン様に除去することにより、着色層上にレジストパターンを形成するパターン形成工程と、レジストパターンをエッチングマスクとして、エッチングガスを用いたドライエッチング法によって着色層をエッチングするエッチング工程と、エッチング工程後に残存するレジストパターンを除去するレジストパターン除去工程と、を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルタの製造方法に係り、特に、ドライエッチング法を用いたカラーフィルタの製造方法に関する。
液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタにおいては更なる高精細化が望まれている。特に、固体撮像素子の微細化は顕著であり、2.0μmサイズを下回る高解像技術が必要となっており、従来のフォトリソ法では解像力の限界になりつつある。
フォトリソ法を利用するカラーフィルタの製造法に対して、より薄膜で、かつ微細パターンの形成に有効な方法としてドライエッチング法が知られている。ドライエッチング法は、色素の蒸着薄膜に対してパターン形成する方法として従来から採用されており、様々な方法が提案されている。
例えば、特許文献1では、着色層を除去した領域の支持体の一部までもが削られ、段差が発生してしまうことを抑制するために、金属によるストッパー層を使用することが提案されている。
特開2008−241744号公報
しかしながら、本発明者らが特許文献1で具体的に開示されているストッパー膜(ラサ工業社製ACCUGLASS)を用いてその評価を行ったところ、後工程のレジストパターンを除去する際、形成されたカラーフィルタが支持体から剥がれてしまう場合があることを知見した。
本発明は、上記実情に鑑みて、レジストパターンの除去工程におけるカラーフィルタの剥がれが抑制されたカラーフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、支持体上に一次粒子径が1nm〜100nmの金属酸化物粒子を含有する硬化膜を設けることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 支持体上に、一次粒子径が1nm〜100nmの金属酸化物粒子を含有する硬化膜を形成する硬化膜形成工程と、
硬化膜上に、着色層を形成する着色層形成工程と、
着色層上に、フォトレジスト層を形成するフォトレジスト層形成工程と、
フォトレジスト層をパターン様に除去することにより、着色層上にレジストパターンを形成するパターン形成工程と、
レジストパターンをエッチングマスクとして、エッチングガスを用いたドライエッチング法によって着色層をエッチングするエッチング工程と、
エッチング工程後に残存するレジストパターンを除去するレジストパターン除去工程と、を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
(2) 硬化膜中における金属酸化物粒子の含有量が、硬化膜全質量に対して、50質量%以上77質量%以下である、(1)に記載のカラーフィルタの製造方法。
(3) 金属酸化物粒子が、二酸化チタン及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種である、(1)又は(2)に記載のカラーフィルタの製造方法。
(4) 硬化膜の厚さが5nmから500nmである、(1)〜(3)のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
(5) 硬化膜が、重量平均分子量10000以下の後述する一般式(1)で表される高分子化合物(A)を含有する、(1)〜(4)のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
(6) 硬化膜形成工程が、金属酸化物粒子と分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物とを少なくとも含む硬化膜形成用組成物を用いて硬化膜を形成する工程である、(1)〜(5)のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
本発明によれば、レジストパターンの除去工程におけるカラーフィルタの剥がれが抑制されたカラーフィルタの製造方法を提供することができる。
本発明によるカラーフィルタが用いられる固体撮像素子の断面図。 本発明のカラーフィルタの製造方法を示した断面図。
以下、添付図面に従って本発明に係るカラーフィルタの製造方法の好ましい実施の形態について詳説する。
まず、本発明に係るカラーフィルタの製造方法により形成されるカラーフィルタが用いられた固体撮像素子等の例を示す。図1は、固体撮像素子の断面図である。
固体撮像装置1は、n型の基板の上にp型のウエル層が形成された半導体基板2の表面に、n型の固体撮像素子3、n型の転送チャネル4が形成されている。転送チャネル4の上方には、酸化シリコン等からなる絶縁膜を介し、転送電極5が形成されている。
転送電極5は、W(タングステン)等により形成され、固体撮像素子3上方に開口部を有する遮光膜により覆われている。遮光膜により覆われた転送電極5の上には、常圧CVD法により成膜され、リフロされたBPSG膜6が形成されている。
BPSG膜6には、下凸レンズの形状が形成されており、下凸レンズ形状部分には、層内レンズ7が高屈折率で透過性の高いSiNをプラズマCVDすることにより形成されている。
層内レンズ7の上方には、有機樹脂膜、BPSG膜、又は酸化シリコン系絶縁膜等により形成された平坦化層10が形成されている。
平坦化層10上には、赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色で構成されるカラーフィルタ8が形成される。カラーフィルタ8の上には、フォトレジスト材料によりマイクロレンズ9が形成されている。
固体撮像装置1はこのような構成を備え、マイクロレンズ9より入射した光がカラーフィルタ8を通過することにより各色の光が抽出され、層内レンズ7により集められた各色の光は固体撮像素子3により電気信号に変換される。
続いて、本発明に係わるカラーフィルタの製造方法について説明する。図2はカラーフィルタの製造方法を示した断面図である。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、支持体上に硬化膜を形成する硬化膜形成工程と、硬化膜上に着色層を形成する着色層形成工程と、着色層上にフォトレジスト層を形成するフォトレジスト層形成工程と、フォトレジスト層をパターン様に除去することにより、着色層上にレジストパターンを形成するパターン形成工程と、レジストパターンをエッチングマスクとして着色層のエッチングを行うエッチング工程と、レジストパターンを除去するレジストパターン除去(剥離)工程とを備える。
以下、各工程で使用される材料・手順について詳述する。
<硬化膜形成工程>
硬化膜形成工程は、支持体上に、一次粒子径が1nm〜100nmの金属酸化物粒子を含有する硬化膜を形成する工程である。
より具体的には、図2(a)及び(b)に示すように、平坦化層10まで形成された支持体としての基板1aの平坦化層10上に、一次粒子径が1nm〜100nmの金属酸化物粒子を含有する硬化膜20が形成される。
なお、図2(b)においては、平坦化層10上に硬化膜20が形成されているが、平坦化層10そのものが、上記硬化膜であってもよい。
まず、支持体、及び、硬化膜中に含まれる材料について詳述し、その後工程の手順について詳述する。
(支持体)
支持体となる基板1aとしては、カラーフィルタが用いられるものであれば特に制限はないが、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えば、シリコン基板、酸化膜、窒化シリコン等が挙げられる。また、これら支持体と着色層の間には本発明の効果を損なわない限り中間層など他の層が設けられていてもよい。
((A)金属酸化物粒子)
硬化膜中に含まれる金属酸化物粒子の一次粒子径は、1〜100nmである。なかでも、硬化膜の透明性と、硬化性組成物の経時安定性の観点で、5〜80nmが好ましく、10〜70nmがさらに好ましい。
一次粒子径が1nm未満の場合、硬化性組成物の経時安定性が悪くなると共に、レジストパターン除去の際に支持体からカラーフィルタの剥がれも発生する。また、100nm超の場合、光散乱により硬化膜の透明性が低下すると共に、レジストパターン除去の際に支持体からカラーフィルタの剥がれも発生する。
金属酸化物粒子の一次粒子径は平均値であり、その測定方法としては、硬化膜の断面を電子顕微鏡で観察し、少なくとも20個以上の金属酸化物粒子の一次粒子径(直径)を測定し、それらを算術平均して求める。なお、金属酸化物粒子が球状でない場合、その長径を直径として取り扱う。
なお、後述するように金属酸化物粒子を含む硬化膜形成用組成物を用いる場合は、組成物中における金属酸化物粒子の一次粒子径を公知の装置(例えば、日機装 マイクロトラックUPA−EX150(動的光散乱法))により測定し、求めることができる。
金属酸化物粒子に含まれる金属原子の種類は特に制限されず、例えば、周期律表(IUPAC1991)の第4周期、第5周期、及び第6周期からなる群から選ばれる金属原子を含むことが好ましい。また、第2〜14族からなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属を含有することが好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、及び第14族からなる群から選ばれる金属原子を含むことがより好ましい。
より具体的には、例えば、銅、銀、金、白金、亜鉛、パラジウム、ニッケル、錫、インジウム、ロジウム、イリジウム、鉄、ケイ素、アルミニウム、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、チタン、ビスマス、アンチモン、ジルコニウム及び鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属原子が挙げられる。なかでも、チタン、ジルコニウム、亜鉛、アルミニウムがより好ましく、チタンがさらに好ましい。これらの金属原子が好ましい理由としては、電子密度が高いことが影響していると推測される。
金属酸化物粒子の具体例としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなどが挙げられる。
無色又は透明な二酸化チタン粒子としては、化学式TiOで表すことができ、純度が70%以上であることが好ましく、純度80%以上であることがより好ましく、純度85%以上であることが更に好ましい。一般式Ti2n−1(nは2〜4の数を表す。)で表される低次酸化チタン、酸窒化チタン等は、粒子の全質量に対して、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが更に好ましい。また、二酸化チタン粒子としては、ルチル形結晶のものが好ましい。
金属酸化物粒子の屈折率としては特に制限はないが、高屈折率を得る観点から、1.75〜2.70であることが好ましく、1.90〜2.70であることが更に好ましい。この屈折率の測定方法はアッベ屈折率計(アタゴ(株)製)にて測定することができる(測定温度25℃,波長633nm)。
また金属酸化物粒子の比表面積は、10m/g〜400m/gであることが好ましく、20m/g〜200m/gであることが更に好ましく、30m/g〜150m/gであることが最も好ましい。
また金属酸化物粒子の形状には特に制限はない。例えば、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状あるいは不定形状であることができる。
金属酸化物粒子は、有機化合物により表面処理されたものであってもよい。表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤が含まれる。中でもステアリン酸が好ましい。
表面処理は、1種単独の表面処理剤でも、2種類以上の表面処理剤を組み合わせて実施してもよい。
また金属酸化物粒子の表面が、アルミニウム、ケイ素、ジルコニアなどの酸化物により処理されていることもまた好ましい。これにより、耐候性が向上する。
金属酸化物粒子としては、市販されているものを好ましく用いることができる。
二酸化チタン粒子の市販物としては、例えば石原産業(株)製TTOシリーズ(TTO−51(A)、TTO−51(C)、TTO−55(C)、など)、TTO−S、Vシリーズ(TTO−S−1、TTO−S−2、TTO−V−3など)、テイカ(株)製MTシリーズ(MT−01、MT−05など)などを挙げることができる。
二酸化ジルコニウム粒子の市販物としては、例えば、UEP(第一稀元素化学工業(株)製)、PCS(日本電工(株)製)、JS−01、JS−03、JS−04(日本電工(株)製)、UEP−100(第一稀元素化学工業(株)製)などを挙げることができる。
二酸化珪素粒子の市販物としては、例えば、OG502−31クラリアント社(Clariant Co.)製などを挙げることができる。
金属酸化物粒子は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化膜中における金属酸化物粒子の含有量は特に制限されず、カラーフィルタの剥がれがより抑制される点で、硬化膜全質量に対して、5〜85質量%が好ましく、5〜80質量%がより好ましい。特に、より一層カラーフィルタの剥がれが抑制される点で、50〜77質量%がさらに好ましく、60〜75質量%が特に好ましい。
硬化膜の厚みは特に制限されず、カラーフィルタの剥がれがより抑制される点で、5〜500nmが好ましく、20〜450nmがより好ましく、50〜400nmがさらに好ましい。
硬化膜は、カラーフィルタの密着性の点から、屈折率が1.85〜2.60であることが好ましく、1.90〜2.60であることがより好ましい。
硬化膜の屈折率が1.85〜2.60であるという物性は、後述する(B)高分子分散剤を含有することにより好適に達成し得るが、更にどのような手段によって達成されてもよい。例えば、後述する(C)重合性化合物や、更に添加され得るバインダーポリマーの種類及び含有量の調整することや、金属酸化物粒子の種類及び含有量の調整することによってもより確実に達成され得る。
(硬化膜の製造方法)
硬化膜の製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、上述した金属酸化物粒子を含む硬化膜形成用組成物を、支持体上に塗布して、必要に応じて硬化処理(例えば、加熱処理及び/又は露光処理)を実施する方法を採用できる。
塗布の方法は特に制限されず、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、バー塗布法などが挙げられる。
なお、硬化膜形成用組成物には、後述するように金属酸化物粒子以外の成分が含まれていてもよい。例えば、後述する高分子分散剤、重合性化合物、溶媒などが挙げられる。
また、硬化膜形成用組成物は、透明な組成物であることが好ましく、より具体的には、組成物により膜厚1.0μmの硬化膜を形成した時、硬化膜の厚み方向に対する光透過率が、400〜700nmの波長領域全域に渡って90%以上となるような組成物であることが好ましい。
すなわち、硬化膜(透明膜)は、膜厚1.0μmにおいて、膜の厚み方向に対する光透過率が、400〜700nmの波長領域全域に渡って90%以上となるような膜が好ましい。
このような光透過率の物性はどのような手段によって達成されてもよいが、例えば、硬化膜形成用組成物に後述する(C)重合性化合物や、さらに添加され得る(I)バインダーポリマーの種類及び含有量の調整することにより、好適に達成される。また、(A)金属酸化物粒子の粒子径や、後述する(B)高分子分散剤の種類及び添加量を調整することによっても、上記光透過率の物性を好適に達成できる。
なお、上記光透過率は、400〜700nmの波長領域全域に渡って、95%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましく、100%であることが最も好ましい。
硬化膜形成用組成物は、実質的には、着色剤を含有しないことが好ましい。より具体的には、着色剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0質量%であることが好ましい。
(その他の任意成分)
硬化膜又は硬化膜形成用組成物には、上述した金属酸化物粒子以外の成分が含まれていてもよい。例えば、(B)高分子分散剤、(C)重合性化合物、(D)溶媒、(E)重合開始剤、(F)増感剤、(G)共増感剤、(H)重合禁止剤、(I)バインダーポリマー、(J)界面活性剤などが挙げられる。特に、硬化膜には、上記(B)高分子分散剤、(I)バインダーポリマー、(J)界面活性剤などが含まれることが好ましい。
以下に、各成分について詳述する。
((B)高分子分散剤)
硬化膜には、高分子分散剤が含まれていてもよい。なお、硬化膜に高分子分散剤を含有させる方法としては、上述した硬化膜形成用組成物に高分子分散剤を含有させる方法がある。
高分子分散剤の種類は特に制限されないが、例えば、一般的な高分子分散剤(以後、適宜、分散樹脂とも称する)〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等を挙げることができる。
これら分散樹脂は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
分散樹脂は、金属酸化物粒子の表面に吸着し、再凝集を防止するように作用する。そのため、金属酸化物粒子表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。
一方で、分散樹脂は、金属酸化物粒子表面を改質することで、分散樹脂の吸着を促進させる効果を有する。
分散樹脂の具体例としては、BYK Chemie社製「DISPERBYK101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110、180(酸性基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファィンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
分散樹脂の好適態様の一つとしては、pKa14以下の官能基を有する基Xを有する繰り返し単位と、側鎖に原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとを有し、かつ塩基性窒素原子を含有する樹脂(B1)が挙げられる。
pKa14以下の官能基を有する基X、及び、原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yの詳細については、後述する。
塩基性窒素原子とは、塩基性を呈する窒素原子であれば特に制限はないが、樹脂(B1)がpKb14以下の窒素原子を有する構造を含有することが好ましく、pKb10以下の窒素原子を有する構造を含有することがより好ましい。
塩基強度pKbとは、水温25℃でのpKbをいい、塩基の強さを定量的に表すための指標のひとつであり、塩基性度定数と同義である。塩基強度pKbと、後述の酸強度pKaとは、pKb=14−pKaの関係にある。
上記樹脂(B1)は、pKa14以下の官能基を有する基Xが結合する窒素原子を含有する繰り返し単位と、側鎖に原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとを有する樹脂(B2)であることが好ましい。
樹脂(B1)は、(i)ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の、窒素原子を含有する繰り返し単位であって、窒素原子に結合し、かつpKa14以下の官能基を有する基Xを有する繰り返し単位と、側鎖に(ii)原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとを有する樹脂(以下、適宜、「特定樹脂」と称する)であることが特に好ましい。なお、ポリ(低級アルキレンイミン)における低級とは炭素数が1〜5であることを示し、低級アルキレンイミンとは炭素数1〜5のアルキレンイミンを表す。
さらに、本発明の特定樹脂は、一般式(I−1)で表される繰り返し単位及び一般式(I−2)で表される繰り返し単位を有する構造を含むことが好ましい。
上記一般式(I−1)及び(I−2)中、R101及びR102は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。aは、各々独立に、1〜5の整数を表す。*は繰り返し単位間の連結部を表す。
XはpKa14以下の官能基を有する基を表す。
Yは原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖を表す。
本発明の特定樹脂は、一般式(I−1)又は一般式(I−2)で表される繰り返し単位に加えて、さらに一般式(I−3)で表される繰り返し単位を共重合成分として有することが好ましい。このような繰り返し単位を併用することで、この樹脂を金属酸化物粒子(A)の分散剤として用いたときにさらに分散性能が向上する。
上記一般式(I−3)中、*、R101、R102及びaは一般式(I−1)と同義である。
Y’はアニオン基を有する原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖を表す。
上記一般式(I−3)で表される繰り返し単位は、主鎖部に一級又は二級アミノ基を有する樹脂に、アミンと反応して塩を形成する基を有するオリゴマー又はポリマーを添加して反応させることで形成することが可能である。ここで、アニオン基としては、CO2 -又はSO3 -が好ましく、CO2 -が最も好ましい。アニオン基は、Y’が有するオリゴマー鎖又はポリマー鎖の末端位にあることが好ましい。
一般式(I−1)、一般式(I−2)及び一般式(I−3)において、R101及びR102は特に水素原子であることが好ましい。aは2であることが原料入手の観点から好ましい。
一般式(I−1)で表される繰り返し単位の含有量は、保存安定性・現像性の観点から、特定樹脂に含まれる全繰り返し単位中、1〜80モル%が好ましく、3〜50モル%が最も好ましい。
一般式(I−2)で表される繰り返し単位の含有量は、保存安定性の観点から、特定樹脂の全繰り返し単位中、10〜90モル%が好ましく、30〜70モル%が最も好ましい。
両者の含有比について検討するに、分散安定性及び親疎水性のバランスの観点からは、繰り返し単位(I−1):(I−2)はモル比で10:1〜1:100の範囲であることが好ましく、1:1〜1:10の範囲であることがより好ましい。
なお、所望により併用される一般式(I−3)で表される繰り返し単位は原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖を含む部分構造が、主鎖の窒素原子にイオン的に結合しているものであり、特定樹脂の全繰り返し単位中、効果の観点からは、0.5〜20モル%含有することが好ましく、1〜10モル%含有することが最も好ましい。
なお、ポリマー鎖Yがイオン的に結合していることは、赤外分光法や塩基滴定により確認できる。
(pKa14以下の官能基を有する基X)
基Xは水温25℃でのpKaが14以下の官能基を有する。ここでいう「pKa」とは、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に記載されている定義のものである。
「pKa14以下の官能基」は、物性がこの条件を満たすものであれば、その構造などは特に限定されず、公知の官能基でpKaが上記範囲を満たすものが挙げられるが、特にpKaが12以下である官能基が好ましく、pKaが11以下である官能基が最も好ましい。具体的には、例えば、カルボン酸(pKa 3〜5程度)、スルホン酸(pKa −3〜−2程度)、ホスホン酸(pKa −1〜4程度)、−COCH2CO−(pKa 8〜10程度)、−COCH2CN(pKa 8〜11程度)、−CONHCO−、フェノール性水酸基、−RFCH2OH又は−(RF)2CHOH(RFはペルフルオロアルキル基を表す。pKa 9〜11程度)、スルホンアミド基(pKa 9〜11程度)等が挙げられ、特にカルボン酸(pKa 3〜5程度)、スルホン酸(pKa −3〜−2程度)、−COCH2CO−(pKa 8〜10程度)が好ましい。
基Xが有する官能基のpKaが14以下であることにより、金属酸化物粒子とのより強固な相互作用を達成することができる。
このpKa14以下の官能基を有する基Xは、窒素原子を含有する繰り返し単位における窒素原子に直接結合することが好ましいが、窒素原子を含有する繰り返し単位の窒素原子とXとは、共有結合のみならず、イオン結合して塩を形成する態様で連結していてもよい。
本発明におけるpKa14以下の官能基を含有する基Xとしては、特に一般式(V−1)、一般式(V−2)又は一般式(V−3)で表される構造を有するものが好ましい。
上記一般式(V−1)、一般式(V−2)中、Uは単結合又は2価の連結基を表す。d及びeは、それぞれ独立して0又は1を表す。上記一般式(V−3)中、Qはアシル基又はアルコキシカルボニル基を表す。
Uで表される2価の連結基としては、例えば、アルキレン基(より具体的には、例えば、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CHMe−、−(CH25−、−CH2CH(n−C1021)−等)、酸素を含有するアルキレン基(より具体的には、例えば、−CH2OCH2−、−CH2CH2OCH2CH2−等)、アリーレン基(例えば、フェニレン基、トリレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、フラニレン基、ピロリレン基等)、アルキレンオキシ基(例えば、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、フェニレンオキシ基等)等が挙げられるが、特に炭素数1〜30のアルキレン基又は炭素数6〜20のアリーレン基が好ましく、炭素数1〜20のアルキレン基又は炭素数6〜15のアリーレン基が最も好ましい。
また、生産性の観点から、dは1が好ましく、また、eは0が好ましい。
Qはアシル基又はアルコキシカルボニル基を表す。Qにおけるアシル基としては、炭素数1〜30のアシル基(例えば、ホルミル基、アセチル基、n−プロパノイル基、ベンゾイル基等)が好ましく、特にアセチルが好ましい。Qにおけるアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基等)が好ましい。Qは、特にアシル基が好ましく、アセチル基が製造のし易さ、原料の入手性の観点から好ましい。
(原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Y)
オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとしては、特定樹脂の主鎖部と連結できるポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等の公知のポリマー鎖が挙げられる。オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yの特定樹脂との結合部位は、オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yの末端であることが好ましい。
オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yは、ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の窒素原子を含有する繰り返し単位の窒素原子と結合していることが好ましい。ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の窒素原子を含有する繰り返し単位などの主鎖部と、オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとの結合様式は、共有結合、イオン結合、又は、共有結合及びイオン結合の混合である。オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yと主鎖部の結合様式の比率は、共有結合:イオン結合=100:0〜0:100であるが、95:5〜5:95が好ましく、90:10〜10:90が最も好ましい。この範囲外であると、分散性・分散安定性が悪化し、且つ溶剤溶解性が低くなる。
オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yは、窒素原子を含有する繰り返し単位の窒素原子とアミド結合、又はカルボン酸塩としてイオン結合していることが好ましい。
オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yの原子数としては、分散性・分散安定性・現像性の観点から、50〜5,000であることが好ましく、60〜3,000であることがより好ましい。また、オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yの数平均分子量はGPC法によるポリスチレン換算値により測定することができる。オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yの数平均分子量は、特に1,000〜50,000が好ましく、1,000〜30,000が分散性・分散安定性・現像性の観点から最も好ましい。
特に、オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yは一般式(III−1)で表される構造を有するものが好ましい。また、特定樹脂が一般式(I−3)又は(II−3)で表される繰り返し単位を含有する場合、Y’が一般式(III−2)であることが好ましい。一般式(III−2)中、Zは一般式(III−1)のZと同義である。
特定樹脂の具体例としては、特開2012−255148号公報の段落[0075]〜[0084]で例示される樹脂が挙げられる。
高分子分散剤の他の好適態様としては、重量平均分子量10000以下の下記一般式(1)で表される高分子化合物が挙げられる。
1は、(m+n)価の連結基を表す。R2は、単結合又は2価の連結基を表す。A1は、炭化水素基、酸性基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、複素環基(複素環構造を有する基)、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、イミド基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及び水酸基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基(以後、単に置換基A1とも称する)を表す。n個のA1及びR2は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
mは8以下の正の数、nは1〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。
1はポリマー鎖を表す。m個のP1は、同一であっても、異なっていてもよい。
高分子化合物が有する、置換基Aは金属酸化物粒子と相互作用することができるので、高分子化合物はn個(1〜9個)の置換基A1を有することにより金属酸化物粒子と強固に相互作用することができる。また、高分子化合物がm個有するポリマー鎖P1は立体反発基として機能することができ、m個有することにより良好な立体反発力を発揮して金属酸化物粒子を均一に分散することができる。さらに、高分子化合物は分子構造的に、従来のグラフトランダム構造の分散剤で生じ得た粒子間架橋による粒子の凝集などの弊害が生じることもないものと推定される。
一般式(1)で表される高分子化合物の重量平均分子量は、10000以下であり、8000以下であることが好ましい。
重量平均分子量が大きすぎると、分散組成物(硬化膜形成用組成物)中の金属酸化物粒子(A)−高分子分散剤(B)複合体の粒径が大きくなり、得られる膜において粒子同士が密にならず、屈折率を高めることが難しいものと考えられる。一方、重量平均分子量を上記範囲とすることにより金属酸化物粒子(A)−高分子分散剤(B)複合体の粒径を小さく抑えることができ、得られる膜において粒子同士が密になり、屈折率を高めることができるものと考えられる。また、理由は定かではないが、上記範囲とすることにより分散性も向上させることができ、粘度を低減できるものと考えられる。
なお、重量平均分子量の下限値としては特に制限はないが、分散剤としての機能を発揮し、ひいては本発明の効果をより確実に達成する観点から、1000以上であることが好ましく、3000以上であることがより好ましい。
以下、一般式(1)における各基について詳細に説明する。
1は、炭化水素基、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、イミド基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及び水酸基のような金属酸化物粒子(A)に対する吸着能を有する官能基、複素環構造のような金属酸化物粒子(A)に対する吸着能を有し得る構造を少なくとも1種有する1価の置換基を表す。
なお、以下、この金属酸化物粒子(A)に対する吸着能を有する部位(上記官能基及び構造)を、適宜、「吸着部位」と総称して、説明する。
吸着部位は、1つのA1の中に、少なくとも1個含まれていればよく、2個以上を含んでいてもよい。
また、1つのAの中に、2個以上の吸着部位が含まれる態様としては、鎖状飽和炭化水素基(直鎖状でも分岐状であってもよく、炭素数1〜10であることが好ましい)、環状飽和炭化水素基(炭素数3〜10であることが好ましい)、芳香族基(炭素数5〜10であることが好ましく、例えば、フェニレン基)等を介して2個以上の吸着部位が結合し1価の置換基Aを形成する態様等が挙げられ、鎖状飽和炭化水素基を介して2個以上の吸着部位が結合し1価の置換基Aを形成する態様が好ましい。なお、吸着部位自体が1価の置換基を構成する場合には、吸着部位そのものがA1で表される1価の置換基であってもよい。
まず、Aを構成する吸着部位について以下に説明する。
上記「炭化水素基」としては、脂肪族炭化水素基、又は、芳香族炭化水素基が挙げられる。なかでも、炭素数1〜20の基が好ましく、炭素数1〜10の基がより好ましい。
上記「酸性基」として、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホウ酸基が好ましい例として挙げられ、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基がより好ましく、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基が更に好ましく、カルボン酸基が特に好ましい。
上記「ウレア基」として、例えば、−NR15CONR1617(ここで、R15、R16、及びR17は各々独立に、水素原子、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が好ましい例として挙げられ、−NR15CONHR17(ここで、R15及びR17は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)がより好ましく、−NHCONHR17(ここで、R17は、水素原子、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が特に好ましい。
上記「ウレタン基」として、例えば、−NHCOOR18、−NR19COOR20、−OCONHR21、−OCONR2223(ここで、R18、R19、R20、R21、R22及びR23は、それぞれ独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが好ましい例として挙げられ、−NHCOOR18、−OCONHR21(ここで、R18及びR21は、それぞれ独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などがより好ましく、−NHCOOR18、−OCONHR21(ここで、R18及びR21は、それぞれ独立に、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが特に好ましい。
上記「配位性酸素原子を有する基」としては、例えば、アセチルアセトナト基、クラウンエーテルなどが挙げられる。
また、上記「塩基性窒素原子を有する基」として、例えば、アミノ基(−NH2)、置換イミノ基(−NHR8、−NR910、ここで、R8、R9、及びR10は、それぞれ独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)、下記式(a1)で表されるグアニジル基、下記式(a2)で表されるアミジニル基などが好ましい例として挙げられる。
式(a1)中、R11及びR12は、それぞれ独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
式(a2)中、R13及びR14は、それぞれ独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
これらの中でも、アミノ基(−NH2)、置換イミノ基(−NHR8、−NR910、ここで、R8、R9、及びR10は、それぞれ独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、又は、ベンジル基を表す。)、式(a1)で表されるグアニジル基〔式(a1)中、R11及びR12は、それぞれ独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、又は、ベンジル基を表す。〕、式(a2)で表されるアミジニル基〔式(a2)中、R13及びR14は、それぞれ独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、又は、ベンジル基を表す。〕などがより好ましい。
特に、アミノ基(−NH2)、置換イミノ基(−NHR8、−NR910、ここで、R8、R9、及びR10は、それぞれ独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、又は、ベンジル基を表す。)、式(a1)で表されるグアニジル基〔式(a1)中、R11及びR12は、それぞれ独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を表す。〕、式(a2)で表されるアミジニル基〔式(a2)中、R13及びR14は、それぞれ独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、又は、ベンジル基を表す。〕などが好ましく用いられる。
上記「アルキルオキシカルボニル基」におけるアルキル基部分としては、炭素数1から20までのアルキル基であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。
上記「アルキルアミノカルボニル基」におけるアルキル基部分としては、炭素数1から20までのアルキル基であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
上記「カルボン酸塩基」としては、カルボン酸のアンモニウム塩からなる基などが挙げられる。
上記「スルホンアミド基」としては、窒素原子に結合する水素原子がアルキル基(メチル基等)、アシル基(アセチル基、トリフルオロアセチル基など)等で置換されていてもよい。
上記「複素環構造」としては、例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド等のイミド基、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノンが好ましい例として挙げられ、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、トリアゾール、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、ヒダントイン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノンがより好ましい。
上記「イミド基」としては、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド等が挙げられる。
なお、上記「複素環構造」は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から20までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基等が挙げられる。ここで、これらの置換基は、下記の構造単位又は該構造単位が組み合わさって構成される連結基を介して複素環と結合していてもよい。
上記「アルコキシシリル基」としては、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基のいずれでもよいが、トリアルコキシシリル基であることが好ましく、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などが挙げられる。
上記「エポキシ基」としては、置換又は無置換のオキシラン基(エチレンオキシド基)が挙げられる。エポキシ基としては、例えば、下記一般式(a3)で表すことができる。
上記一般式(a3)中、REP1〜REP3は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。また、REP1とREP2、REP2とREP3は、互いに結合して環構造を形成していてもよい。*は連結手を表す。
吸着部位と結合する連結基としては、単結合、又は、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ連結基が好ましく、この有機連結基は、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
この連結基の具体的な例として、下記の構造単位又は該構造単位が組み合わさって構成される基を挙げることができる。
連結基が更なる置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基等が挙げられる。
上記の中では、Aとして、酸性基、ウレア基、ウレタン基、スルホンアミド基、イミド基及び配位性酸素原子を有する基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基であることが好ましい。
特に、金属酸化物粒子(A)との相互作用を良好にし、屈折率を向上し、かつ組成物の粘度を低減する観点から、A1は、pKa5以上の官能基を少なくとも1種有する1価の置換基であることが好ましく、pKa5〜14の官能基を少なくとも1種有する1価の置換基であることがより好ましい。
ここでいう「pKa」とは、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に記載されている定義のものである。
上記pKa5以上の官能基としては、ウレア基、ウレタン基、スルホンアミド基、イミド基又は配位性酸素原子を有する基が挙げられる。
具体的には、例えば、ウレア基(pKa 12〜14程度)、ウレタン基(pKa 11〜13程度)、配位性酸素原子を有する基としての−COCH2CO−(pKa 8〜10程度)、スルホンアミド基(pKa 9〜11程度)等が挙げられる。
1は、下記一般式(4)で表される1価の置換基として表されることが好ましい。
一般式(4)中、B1は吸着部位を表し、R24は単結合又は(a+1)価の連結基を表す。aは、1〜10の整数を表し、一般式(4)中にa個存在するB1は同一であっても、異なっていてもよい。
で表される吸着部位としては、前述の一般式(1)のA1を構成する吸着部位と同様のものが挙げられ、好ましい例も同様である。
中でも、酸性基、ウレア基、ウレタン基、スルホンアミド基、イミド基又は配位性酸素原子を有する基であることが好ましく、pKa5〜14の官能基であることがより好ましい観点から、ウレア基、ウレタン基、スルホンアミド基、イミド基又は配位性酸素原子を有する基であることがより好ましい。
24は、単結合又は(a+1)価の連結基を表し、aは1〜10を表す。好ましくは、aは1〜7であり、より好ましくは、aは1〜5であり、特に好ましくは、aは1〜3である。
(a+1)価の連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
(a+1)価の連結基は、具体的な例として、下記の構造単位又は該構造単位が組み合わさって構成される基(環構造を形成していてもよい)を挙げることができる。
24としては、単結合、又は、1から50個までの炭素原子、0個から8個までの窒素原子、0個から25個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から10個までの硫黄原子から成り立つ(a+1)価の連結基が好ましく、単結合、又は、1から30個までの炭素原子、0個から6個までの窒素原子、0個から15個までの酸素原子、1個から50個までの水素原子、及び0個から7個までの硫黄原子から成り立つ(a+1)価の連結基がより好ましく、単結合、又は、1から10個までの炭素原子、0個から5個までの窒素原子、0個から10個までの酸素原子、1個から30個までの水素原子、及び0個から5個までの硫黄原子から成り立つ(a+1)価の連結基が特に好ましい。
上記のうち、(a+1)価の連結基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R2は単結合又は2価の連結基を表す。n個のR2は、同一であっても、異なっていてもよい。
2価の連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
上記2価の連結基は、具体的な例として、下記の構造単位又は該構造単位が組み合わさって構成される基を挙げることができる。
2としては、単結合、又は、1から50個までの炭素原子、0個から8個までの窒素原子、0個から25個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から10個までの硫黄原子から成り立つ2価の連結基が好ましく、単結合、又は、1から30個までの炭素原子、0個から6個までの窒素原子、0個から15個までの酸素原子、1個から50個までの水素原子、及び0個から7個までの硫黄原子から成り立つ2価の連結基がより好ましく、単結合、又は、1から10個までの炭素原子、0個から5個までの窒素原子、0個から10個までの酸素原子、1個から30個までの水素原子、及び0個から5個までの硫黄原子から成り立つ2価の連結基が特に好ましい。
上記のうち、2価の連結基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R1は、(m+n)価の連結基を表す。m+nは3〜10を満たす。
1で表される(m+n)価の連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
(m+n)価の連結基は、具体的な例として、下記の構造単位又は該構造単位が組み合わさって構成される基(環構造を形成していてもよい)を挙げることができる。
(m+n)価の連結基としては、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から40個までの酸素原子、1個から120個までの水素原子、及び0個から10個までの硫黄原子から成り立つ基が好ましく、1から50個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から30個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から7個までの硫黄原子から成り立つ基がより好ましく、1から40個までの炭素原子、0個から8個までの窒素原子、0個から20個までの酸素原子、1個から80個までの水素原子、及び0個から5個までの硫黄原子から成り立つ基が特に好ましい。
上記のうち、(m+n)価の連結基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基等が挙げられる。
1で表される(m+n)価の連結基の具体的な例〔具体例(1)〜(17)〕を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
上記の具体例の中でも、原料の入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の観点から、最も好ましい(m+n)価の連結基は下記の基である。
一般式(1)中、mは8以下の正の数を表す。mとしては、0.5〜5が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
また、一般式(1)中、nは1〜9を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
一般式(1)中、P1はポリマー鎖を表し、公知のポリマーなどから目的等に応じて選択することができる。m個のP1は、同一であっても、異なっていてもよい。
ポリマーの中でも、ポリマー鎖を構成するには、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらの変性物、又は共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、及びこれらの変性物又は共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体が特に好ましい。
ポリマー鎖P1は、少なくとも1種の繰り返し単位を含有することが好ましい。
ポリマー鎖P1における、少なくとも1種の繰り返し単位の繰り返し単位数kが、立体反発力を発揮し分散性を向上し、高屈折率かつ低粘度を達成する観点から、3以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。
また、高分子分散剤(B)の嵩張りを抑え低粘度を達成し、更に硬化膜(透明膜)中に金属酸化物粒子(A)を密に存在させ、高屈折率を達成する観点から、少なくとも1種の繰り返し単位の繰り返し単位数kは、50以下であることが好ましく、40以下であることがより好ましく、30以下であることが更に好ましい。
なお、ポリマー鎖を構成するポリマーは有機溶媒に可溶であることが好ましい。有機溶媒との親和性が低いと、分散媒との親和性が弱まり、分散安定化に十分な吸着層を確保できなくなることがある。
上記ビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、酸基を有するビニルモノマー、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、オレフィン類、マレイミド類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましく、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、酸基を有するビニルモノマーであることがより好ましく、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類であることが更に好ましい。
これらのビニルモノマーの好ましい例としては、特開2007−277514号公報(対応US公報:US2010/233595 A1)の段落0089〜0094、0096、及び、0097に記載のビニルモノマーが挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
上記の化合物以外にも、例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基などの官能基を有するビニルモノマーも用いることができる。このようなウレタン基、又はウレア基を有する単量体としては、例えば、イソシアナート基と水酸基、又はアミノ基の付加反応を利用して、適宜合成することが可能である。具体的には、イソシアナート基含有モノマーと水酸基を1個含有する化合物又は1級あるいは2級アミノ基を1個含有する化合物との付加反応、又は水酸基含有モノマー又は1級あるいは2級アミノ基含有モノマーとモノイソシアネートとの付加反応等により適宜合成することができる。
酸性基を有するビニルモノマーの例としては、カルボキシル基を有するビニルモノマーやスルホン酸基を有するビニルモノマーが挙げられる。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
また、スルホン酸基を有するビニルモノマーとして、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられ、リン酸基を有するビニルモノマーとして、リン酸モノ(2−アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−2−アクリロイルオキシエチルエステル)などが挙げられる。
更に、酸性基を有するビニルモノマーとして、フェノール性ヒドロキシル基を含有するビニルモノマーやスルホンアミド基を含有するビニルモノマーなども利用することができる。
一般式(1)で表される高分子化合物の中でも、下記一般式(2)で表される高分子化合物が好ましい。
一般式(2)において、A2は、炭化水素基、酸性基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、イミド基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、複素環基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及び水酸基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基を表す。n個のA2は同一であっても、異なっていてもよい。
なお、A2は、一般式(1)における上記A1と同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(2)において、R4及びR5は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。n個のR4は、同一であっても、異なっていてもよい。また、m個のR5は、同一であっても、異なっていてもよい。
4、R5で表される2価の連結基としては、一般式(1)のR2で表される2価の連結基として挙げられたものと同様のものが用いられ、好ましい態様も同様である。
一般式(2)において、R3は、(m+n)価の連結基を表す。m+nは3〜10を満たす。
3で表される(m+n)価の連結基としては、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
3で表される(m+n)価の連結基として、具体的には、一般式(1)のR1で表される(m+n)価の連結基として挙げられたものと同様のものが用いられ、好ましい態様も同様である。
一般式(2)中、mは8以下の正の数を表す。mとしては、0.5〜5が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
また、一般式(2)中、nは1〜9を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
また、一般式(2)中のP2は、ポリマー鎖を表し、公知のポリマーなどから目的等に応じて選択することができる。m個のP2は、同一であっても、異なっていてもよい。ポリマーの好ましい態様については、一般式(1)におけるP1と同様である。
一般式(2)で表される高分子化合物のうち、以下に示すR3、R4、R5、P2、m、及びnを全て満たすものが最も好ましい。
3:上記具体例(1)、(2)、(10)、(11)、(16)、又は(17)
4:単結合、又は、下記の構造単位若しくは該構造単位が組み合わさって構成される「1から10個までの炭素原子、0個から5個までの窒素原子、0個から10個までの酸素原子、1個から30個までの水素原子、及び0個から5個までの硫黄原子」から成り立つ2価の連結基(置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基等が挙げられる。)
5:単結合、エチレン基、プロピレン基、下記基(a)、又は下記基(b)
なお、下記基中、R12は水素原子又はメチル基を表し、lは1又は2を表す。
2:ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー及びこれらの変性物
m:1〜3
n:3〜6
高分子分散剤(B)の酸価は特に制限はないが、粘度ないし分散性の観点から、酸価が400mgKOH/g以下であることが好ましく、300mgKOH/g以下であることがより好ましく、250mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
なお、酸価の下限値としては特に制限はないが、金属酸化物粒子の分散安定性の観点から、5mgKOH/g以上であることが好ましく、10mgKOH/g以上であることがより好ましい。
ここで、高分子分散剤の酸価は、高分子化合物の固形分酸価である。
本発明において、高分子分散剤の酸価は、例えば、高分子分散剤中における酸性基の平均含有量から算出することができる。高分子分散剤の酸価は高分子分散剤中の酸基の量と、後述のpKa5〜14の官能基の量とを適宜調整することにより、調整できる。例えば、高分子分散剤の合成に際し、原料となる酸性基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物の仕込み量、pKa5〜14の官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物の仕込み量、酸性基を有するビニルモノマーの仕込み量を適宜調整することで所望の酸価を有する高分子分散剤を合成することができる。
(一般式(1)又は(2)で表される高分子化合物の合成方法)
一般式(1)又は(2)で表される高分子化合物は、特に制限されないが、特開2007−277514号公報の段落0114〜0140及び0266〜0348に記載の合成方法に準じて合成することができる。
特に、複数の吸着部位を有するメルカプタン化合物存在下で、ビニルモノマーをラジカル重合する方法により一般式(1)又は(2)で表される高分子化合物を合成することが好ましい。
上記のビニルモノマーは1種のみで重合させてもよいし、2種以上を併用して共重合させてもよい。
ここで、ビニルモノマーの具体例(M−1)〜(M−13)を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(1)又は(2)で表される高分子化合物の合成方法として、より具体的には、下記一般式(3)で表される化合物存在下で、ビニルモノマーをラジカル重合させる方法が好ましい。
一般式(3)において、R6、R7、A3、m、及びnは、それぞれ一般式(2)におけるR3、R4、A2、m、及びnと同義であり、その好ましい態様も同様である。
一般式(3)で表される化合物は下記の方法で合成することが好ましい。
一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物と、吸着部位を有し、かつメルカプト基と反応可能な炭素−炭素二重結合を有する化合物とを付加反応させる方法。
付加反応がラジカル付加反応であることが特に好ましい。なお、炭素−炭素二重結合としては、メルカプト基との反応性の点で、1置換もしくは2置換のビニル基がより好ましい。
一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物の具体的な例〔具体例(18)〜(34)〕としては、以下の化合物が挙げられる。
上記の中でも、原料の入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の観点から、特に好ましい化合物は、以下の化合物である。
上記は、市販品として、(例えば(33)はジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート):堺化学工業(株)製)などが入手可能である。
吸着部位を有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物(具体的には、炭化水素基、酸性基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、複素環基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及び水酸基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物)としては、特に制限されないが、以下のようなものが挙げられる。
「一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物」と、「吸着部位を有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物」とのラジカル付加反応生成物は、例えば、上記の「一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物」及び「吸着部位を有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物」を適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル発生剤を添加して、約50℃〜100℃で、付加させる方法(チオール−エン反応法)を利用して得られる。
チオール−エン反応法で用いられる適当な溶媒の例としては、用いる「一分子中に3〜10個のメルカプト基を有する化合物」、「吸着部位を有し、かつ、炭素−炭素二重結合を有する化合物」、及び「生成するラジカル付加反応生成物」の溶解性に応じて任意に選択できる。
例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−エチルヘキサノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンが挙げられる。これらの溶媒は、二種以上を混合して使用してもよい。
また、ラジカル発生剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル〔V−601、和光純薬工業(株)製〕のようなアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシドのような過酸化物、及び過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムのような過硫酸塩などが利用できる。
高分子化合物としては、これらのビニルモノマーと一般式(3)で表される化合物とを用いて、公知の方法で常法に従って重合させることで得られるものが好ましい。なお、本発明における一般式(3)で表される化合物は、連鎖移動剤として機能するものであり、以下、単に「連鎖移動剤」と称することがある。
例えば、これらのビニルモノマー、及び連鎖移動剤を適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して、約50℃〜220℃で、溶液中で重合させる方法(溶液重合法)を利用して得られる。
溶液重合法で用いられる適当な溶媒の例としては、用いる単量体、及び生成する共重合体の溶解性に応じて任意に選択できる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−エチルヘキサノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンが挙げられる。これらの溶媒は、二種以上を混合して使用してもよい。
また、ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル〔V−601、和光純薬工業(株)製〕のようなアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシドのような過酸化物、及び過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムのような過硫酸塩などが利用できる。
硬化膜中における高分子分散剤の含有量は特に制限されないが、分散性、高屈折率及び塗布面状の観点から、硬化膜全質量に対する、5〜40質量%の範囲が好ましく、10〜35質量%の範囲がより好ましく、12〜30質量%の範囲が更に好ましい。
なお、硬化膜形成用組成物中における高分子分散剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、上記範囲であることが好ましい。
((C)重合性化合物)
硬化膜の耐溶剤性の観点から、硬化膜形成用組成物には、重合性化合物が含まれることが好ましい。なかでも、重合性化合物として、「分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物」を使用することが好ましい。
重合性化合物としての分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらは市販品として入手できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、JER−827、JER−828、JER−834、JER−1001、JER−1002、JER−1003、JER−1055、JER−1007、JER−1009、JER−1010(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等であり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、JER−806、JER−807、JER−4004、JER−4005、JER−4007、JER−4010(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)等であり、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、JER−152、JER−154、JER−157S70、JER−157S65、(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等であり、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)等であり、脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同EP−4085S、同EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE−3150、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)、デナコール EX−211L、EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L(以上、ナガセケムテックス(株)製)等である。その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、JER−1031S(三菱化学(株)製)等が挙げられる。
これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
分子内に2個以上のオキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独で又はエポキシ基を含む化合物と混合して使用することが好ましい。
また、重合性化合物として、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物を使用することもでき、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物を使用することが好ましい。このような化合物は当該技術分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。
このような化合物を重合性化合物として使用する場合、硬化膜形成用組成物は、後述の重合開始剤を更に含有することが好ましい。
このような少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物は、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類あるいは不飽和カルボン酸アミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、及び、単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいは不飽和カルボン酸アミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物;更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいは不飽和カルボン酸アミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。これらの具体的な化合物としては、特開2009−288705号公報の段落番号0095〜段落番号0108に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、重合性化合物(以下、単に「重合性モノマー等」、「重合性モノマー」ともいう。)としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物も好ましい。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシポリマーと(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレート及びこれらの混合物を挙げることができる。
多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。
また、その他の好ましい重合性モノマー等として、特開2010−160418、特開2010−129825、特許4364216等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性重合性基を2官能以上有する化合物、カルドポリマーも使用することが可能である。
また、常圧下で100℃以上の沸点を有し、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和基を持つ化合物としては、特開2008−292970号公報の段落番号[0254]〜[0257]に記載の化合物も好適である。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、重合性モノマーとして用いることができる。
本発明で用いる重合性モノマーは、さらに、下記一般式(MO−1)〜(MO−6)で表される重合性モノマーであることが好ましい。
(式中、nは、それぞれ、0〜14であり、mは、それぞれ、1〜8である。一分子内に複数存在するR、T及びZは、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。Tがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がRに結合する。Rのうち少なくとも1つは、重合性基である。)
nは0〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
mは1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
Rは、
で表される基であることが好ましく、
で表される基であることがより好ましい。
上記一般式(MO−1)〜(MO−6)で表される、ラジカル重合性モノマーの具体例としては、特開2007−269779号公報の段落[0248]〜段落[0251]に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
中でも、重合性モノマー等としては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては KAYARAD D−330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては KAYARAD D−320;日本化薬株式会社製)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D−310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD DPHA;日本化薬株式会社製)、及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造や、ジグリセリンEO(エチレンオキシド)変性(メタ)アクリレート(市販品としては M−460;東亜合成製)が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
例えば、RP−1040(日本化薬株式会社製)などが挙げられる。
重合性モノマー等としては、多官能モノマーであって、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基を有していてもよい。従って、エチレン性化合物が、上記のように混合物である場合のように未反応のカルボキシル基を有するものであれば、これをそのまま利用することができるが、必要において、上述のエチレン性化合物のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸性基を導入してもよい。この場合、使用される非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。
本発明において、酸性基を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸性基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、アロニックスシリーズのM−305、M−510、M−520などが挙げられる。
酸性基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。異なる酸性基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸性基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸価が上記範囲に入るように調製することが必須である。
また、重合性モノマー等として、カプロラクトン変性構造を有する多官能性単量体を含有することが好ましい。
カプロラクトン変性構造を有する多官能性単量体としては、その分子内にカプロラクトン変性構造を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸及びε−カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε−カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。なかでも下記式(11)で表されるカプロラクトン変性構造を有する多官能性単量体が好ましい。
(式中、6個のRは全てが下記式(12)で表される基であるか、又は6個のRのうち1〜5個が下記式(12)で表される基であり、残余が下記式(13)で表される基である。)
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、mは1又は2の数を示し、「*」は結合手であることを示す。)
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、「*」は結合手であることを示す。)
このようなカプロラクトン変性構造を有する多官能性単量体は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA−20(上記式(11)〜(13)においてm=1、式(12)で表される基の数=2、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−30(同式、m=1、式(2)で表される基の数=3、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−60(同式、m=1、式(12)で表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−120(同式においてm=2、式(12)で表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)等を挙げることができる。
本発明において、カプロラクトン変性構造を有する多官能性単量体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明における重合性モノマー等としては、下記一般式(i)又は(ii)で表される化合物の群から選択される少なくとも1種であることも好ましい。
一般式(i)及び(ii)中、Eは、各々独立に、−((CH2yCH2O)−、又は−((CH2yCH(CH3)O)−を表し、yは、各々独立に0〜10の整数を表し、Xは、各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、水素原子、又はカルボキシル基を表す。
一般式(i)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は3個又は4個であり、mは各々独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。但し、各mの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
一般式(ii)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は5個又は6個であり、nは各々独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。但し、各nの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
一般式(i)中、mは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。また、各mの合計は、2〜40の整数が好ましく、2〜16の整数がより好ましく、4〜8の整数が特に好ましい。
一般式(ii)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。また、各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が特に好ましい。
また、一般式(i)又は一般式(ii)中の−((CH2yCH2O)−又は−((CH2yCH(CH3)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
一般式(i)又は(ii)で表される化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、一般式(ii)において、6個のX全てがアクリロイル基である形態が好ましい。
一般式(i)又は(ii)で表される化合物は、従来公知の工程である、ペンタエリスリト−ル又はジペンタエリスリト−ルにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを開環付加反応により開環骨格を結合する工程と、開環骨格の末端水酸基に、例えば(メタ)アクリロイルクロライドを反応させて(メタ)アクリロイル基を導入する工程と、から合成することができる。各工程は良く知られた工程であり、当業者は容易に一般式(i)又は(ii)で表される化合物を合成することができる。
一般式(i)又は(ii)で表される化合物の中でも、ペンタエリスリトール誘導体及び/又はジペンタエリスリトール誘導体がより好ましい。
具体的には、下記式(a)〜(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)〜(f)」ともいう。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
一般式(i)、(ii)で表される重合性モノマー等の市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、日本化薬株式会社製のペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330などが挙げられる。
また、重合性モノマー等としては、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、重合性モノマー等として、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性モノマー類を用いることによって、非常に感光スピードに優れた硬化膜形成用組成物を得ることができる。
重合性モノマー等の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
重合性モノマー等としては、同一分子内に2個以上のメルカプト(SH)基を有する多官能チオール化合物も好適である。特に、下記一般式(I)で表すものが好ましい。
(式中、R1はアルキル基、R2は炭素以外の原子を含んでもよいn価の脂肪族基、R0はHではないアルキル基、nは2〜4を表す。)
上記一般式(I)で表される多官能チオール化合物を具体的に例示するならば、下記の構造式を有する1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン〔式(II)〕、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジアン−2,4,6(1H,3H5H)−トリオン〔式(III)〕、及びペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)〔式(IV)〕等が挙げられる。これらの多官能チオールは1種又は複数組み合わせて使用することが可能である。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミド系モノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(V)で表され、水酸基を有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
下記式(V)中、R7及びR8はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示す。
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた硬化膜形成用組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号公報、特公平1−40337号公報、特公平1−40336号公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に記載されている光硬化性モノマー及びオリゴマーも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、硬化膜形成用組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、硬化膜形成用組成物に含有される他の成分(例えば、重合開始剤、金属酸化物粒子等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の他の成分の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板などの硬質表面との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
硬化膜形成用組成物の全固形分に対して、(C)重合性化合物の含有量は、1質量%〜40質量%の範囲であることが好ましく、3質量%〜35質量%の範囲であることがより好ましく、5質量%〜30質量%の範囲であることが更に好ましい。
この範囲内であると、屈折率を低下させることなく、硬化性が良好で好ましい。
((D)溶媒)
硬化膜形成用組成物には、溶媒が含まれていてもよい。
使用される溶媒の種類は特に制限されず、公知の溶媒(水又は有機溶媒)が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、芳香族炭化水素溶媒(例えば、トルエン、キシレン)、アミド系溶媒(例えば、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル)、エステル系溶媒(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル)、カーボネート系溶媒(例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート)、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒などが挙げられる。これらの溶媒を、2種以上混合して使用してもよい。特に、スピン塗布時の塗布面状が良好である、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン、エチルエトキシプロピオネートを溶媒の主成分として含有することが好ましい。
((E)重合開始剤)
硬化膜形成用組成物は、更に重合開始剤を含有することが、さらなる硬化性向上の観点から好ましい。重合開始剤としては、以下に述べる重合開始剤として知られているものを用いることができる。
重合開始剤としては、重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の重合開始剤の中から適宜選択することができる。
また、重合開始剤は、約300nm〜500nm(330nm〜400nmがより好ましい。)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する化合物を、少なくとも1種含有していることが好ましい。
重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの、など)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノンなどが挙げられる。
これらの具体例として、特開2010−106268号の公報段落[0135](対応する米国特許出願公開第2011/0124824号明細書の[0163])以降の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
重合開始剤としては、オキシム系化合物も好適に用いることができる。オキシム系開始剤の具体例としては、特開2001−233842号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報記載の化合物、特開2006−342166号公報記載の化合物を用いることができる。
重合開始剤として好適に用いられるオキシム誘導体等のオキシム化合物としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年)pp.202−232、Journal of Applied Polymer Science(2012年)pp.725−731、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166号公報の各公報に記載の化合物等が挙げられる。
市販品ではIRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)も好適に用いられる。
また上記記載以外のオキシムエステル化合物として、カルバゾールN位にオキシムが連結した特表2009−519904号公報に記載の化合物、ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許7626957号公報に記載の化合物、色素部位にニトロ基が導入された特開2010−15025号公報及び米国特許公開2009−292039号記載の化合物、国際公開特許2009−131189号公報に記載のケトオキシム系化合物、トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許7556910号公報に記載の化合物、405nmに吸収極大を有しg線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114号公報記載の化合物などを用いてもよい。
さらに、特開2007−231000号公報、及び、特開2007−322744号公報に記載される環状オキシム化合物も好適に用いることができる。環状オキシム化合物の中でも、特に特開2010−32985号公報、特開2010−185072号公報に記載されるカルバゾール色素に縮環した環状オキシム化合物は、高い光吸収性を有し高感度化の観点から好ましい。
また、オキシム化合物の特定部位に不飽和結合を有する特開2009−242469号公報に記載の化合物も、重合不活性ラジカルから活性ラジカルを再生することで高感度化を達成でき好適に使用することができる。
他にも、特開2007−269779号公報に示される特定置換基を有するオキシム化合物や、特開2009−191061号公報に示されるチオアリール基を有するオキシム化合物が挙げられる。
オキシム開始剤としては、特開2012−208494号公報段落0513(対応する米国特許出願公開第2012/235099号明細書の[0632])以降の式(OX−1)、(OX−2)または(OX−3)で表される化合物の説明を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
オキシム化合物は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有するものであり、360nm〜480nmの波長領域に吸収波長を有するものであることが好ましく、365nm及び455nmの吸光度が高いものが特に好ましい。
オキシム化合物は、365nm又は405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、1,000〜300,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが特に好ましい。
化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いることができるが、具体的には、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Carry−5 spctrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
重合開始剤は、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合開始剤としては、硬化性の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、フォスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。
さらに好ましくは、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、フォスフィンオキサイド化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物であり、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が最も好ましい。
重合開始剤としては、オキシム化合物を使用することが特に好ましい。特に、固体撮像素子において微細なパターンを形成する場合、硬化用露光にステッパー露光を用いるが、この露光機はハロゲンにより損傷される場合があり、重合開始剤の添加量も低く抑えることが要求されるため、これらの点を考慮すれば、固体撮像素子の如き微細パターンを形成するには、重合開始剤としてはオキシム化合物を用いることが最も好ましい。
硬化膜形成組成物に含有される重合開始剤の含有量(2種以上の場合は総含有量)は、硬化膜形成組成物の全固形分に対し0.1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上20質量%以下、更に好ましくは1質量%以上15質量%以下である。この範囲で、良好な硬化性が得られる。
((F)増感剤)
硬化膜形成用組成物は、重合開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。増感剤としては、上述した重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
増感剤としては、特開2012−255148号公報の段落[0228]〜[0250]に記載のものが挙げられる。
((G)共増感剤)
硬化膜形成用組成物は、更に共増感剤を含有することも好ましい。共増感剤は、上述した重合開始剤や増感剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは、酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
共増感剤としては、特開2012−255148号公報の段落[0252]〜[0256]に記載のものが挙げられる。
((H)重合禁止剤)
硬化膜形成用組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な重合を阻止するために、重合禁止剤を添加することが好ましい。
重合禁止剤としては、フェノール系水酸基含有化合物、N−オキシド化合物類、ピペリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、ピロリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン類、ジアゾニウム化合物類、及びカチオン染料類、スルフィド基含有化合物類、ニトロ基含有化合物類、FeCl3、CuCl2等の遷移金属化合物類が挙げられる。
さらに好ましい態様としては、以下の通りである。
フェノール系水酸基含有化合物が、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、フェノール樹脂類、及びクレゾール樹脂類からなる群より選択される化合物であるのが好ましい。
N−オキシド化合物類が、5,5−ジメチル−1−ピロリンN−オキシド、4−メチルモルホリンN−オキシド、ピリジンN−オキシド、4−ニトロピリジンN−オキシド、3−ヒドロキシピリジンN−オキシド、ピコリン酸N−オキシド、ニコチン酸N−オキシド、及びイソニコチン酸N−オキシドからなる群より選択される化合物であるのが好ましい。
ピペリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類が、ピペリジン1−オキシルフリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−マレイミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、及び4−ホスホノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカルからなる群より選択される化合物であるのが好ましい。
ピロリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類が、3−カルボキシプロキシルフリーラジカル(3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン1−オキシルフリーラジカル)であるのが好ましい。
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン類が、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩及びN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩からなる化合物群から選択される化合物であるのが好ましい。
ジアゾニウム化合物類が、4−ジアゾフェニルジメチルアミンの硫酸水素塩、4−ジアゾジフェニルアミンのテトラフルオロホウ酸塩、及び3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミンのヘキサフルオロリン酸塩からなる群より選択される化合物であるのが好ましい。
好適な重合禁止剤を以下に例示するが、本発明はこれらに制限されるものではない。なおフェノール系重合禁止剤としては、下記例示化合物(P−1)〜(P−24)が挙げられる。
アミン系重合禁止剤としては、下記例示化合物(N−1)〜(N−7)が挙げられる。
硫黄系重合禁止剤としては、下記例示化合物(S−1)〜(S−5)が挙げられる。
フォスファイト系重合禁止剤としては、下記例示化合物(R−1)〜(R−5)が挙げられる。
さらに、以下に示す各化合物もまた、好適な重合禁止剤として使用しうる。
上記例示化合物のなかでも、好ましくは、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)のフェノール系水酸基含有化合物、ピペリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類若しくは、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−マレイミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、及び4−ホスホノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカルのピペリジン1−オキシルフリーラジカル化合物、若しくはN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩及びN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩のN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン化合物であり、より好ましくは、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−マレイミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、及び4−ホスホノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカルのピペリジン1−オキシルフリーラジカル化合物、若しくはN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩及びN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩のN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン化合物であり、更に好ましくは、−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩及びN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩のN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン化合物である。
重合禁止剤の好ましい添加量としては、重合開始剤100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、更に0.01質量部以上8質量部以下であることが好ましく、0.05質量部以上5質量部以下の範囲にあることが最も好ましい。
((I)バインダーポリマー)
硬化膜には、皮膜特性向上などの観点から、更にバインダーポリマーを含むことが好ましい。なお、硬化膜にバインダーポリマーを含有させる方法としては、上述した硬化膜形成用組成物にバインダーポリマーを含有させる方法がある。
バインダーポリマーとしては、線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような線状有機ポリマーとしては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭54−92723号公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等があげられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
バインダーポリマーとして、共重合体を用いる場合、共重合させる化合物として、先にあげたモノマー以外の他のモノマーを用いることもできる。他のモノマーの例としては、下記(1)〜(12)の化合物が挙げられる。
(1)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、ビニルアクリレート、2−フェニルビニルアクリレート、1−プロペニルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパルギルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、ビニルメタクリレート、2−フェニルビニルメタクリレート、1−プロペニルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−アリロキシエチルメタクリレート、プロパルギルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、ビニルアクリルアミド、ビニルメタクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N−ジアリルメタクリルアミド、アリルアクリルアミド、アリルメタクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)α位にヘテロ原子が結合したメタクリル酸系モノマー。例えば、特開2002−309057号、特開2002−311569号等の各公報に記載の化合物を挙げる事ができる。
本発明において、これらのモノマーは本発明の範囲内において特に制限なく組み合わせることによって、共重合体の合成に適用できる。例えば下記にこれらのモノマーを含む単量体成分を重合してなる共重合体の一例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。下記に示す例示化合物の組成比はモル%である。
バインダーポリマーには、下記一般式(ED)で表される化合物(以下「エーテルダイマー」と称することもある。)を必須とする単量体成分を重合してなる繰り返し単位を含むことも好ましい。
式(ED)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。
これにより、硬化膜形成用組成物は、耐熱性と共に透明性にも極めて優れた硬化塗膜を形成しうる。エーテルダイマーを示す一般式(ED)中、R1及びR2で表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状又は分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級又は2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。
エーテルダイマーの具体例としては、例えば、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−アミル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチルシクロヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等が挙げられる。これらの中でも特に、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。これらエーテルダイマーは、1種のみ使用してもよいし、2種以上使用してもよい。また、一般式(ED)で示される化合物由来の構造体は、その他のモノマーを共重合させてもよい。
エーテルダイマーと共に共重合しうるその他の単量体としては、例えば、酸性基を導入するための単量体、ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体、エポキシ基を導入するための単量体、及び、これら以外の他の共重合可能な単量体が挙げられる。このような単量体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
酸性基を導入するための単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸やイタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー、N−ヒドロキシフェニルマレイミド等のフェノール性水酸基を有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマー等が挙げられる。これらの中でも特に、(メタ)アクリル酸が好ましい。
また、酸性基を導入するための単量体は、重合後に酸性基を付与しうる単量体であってもよく、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する単量体、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する単量体、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有する単量体等が挙げられる。ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体を用いる場合、重合後に酸性基を付与しうる単量体を用いる場合、重合後に酸性基を付与する処理を行うことが要求され得る。重合後に酸性基を付与する処理は、単量体の種類によって異なり、例えば、次の処理が挙げられる。水酸基を有する単量体を用いる場合であれば、例えば、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物等の酸無水物を付加させる処理が挙げられる。エポキシ基を有する単量体を用いる場合であれば、例えば、N−メチルアミノ安息香酸、N−メチルアミノフェノール等のアミノ基と酸性基を有する化合物を付加させか、又は、例えば(メタ)アクリル酸のような酸を付加させた後に生じた水酸基に、例えば、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物等の酸無水物を付加させる処理が挙げられる。イソシアネート基を有する単量体を用いる場合であれば、例えば、2−ヒドロキシ酪酸等の水酸基と酸性基を有する化合物を付加させる処理が挙げられる。
一般式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体が、酸性基を導入するための単量体を含む場合、その含有割合は、特に制限されないが、全単量体成分中、5〜70質量%が好ましく、より好ましくは10〜60質量%である。
ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(又はm−、又はp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有するモノマー;等が挙げられる。ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体を用いる場合、重合後にラジカル重合性二重結合を付与するための処理を行う必要がある。重合後にラジカル重合性二重結合を付与するための処理は、用いるラジカル重合性二重結合を付与しうるモノマーの種類によって異なり、例えば、次の処理が挙げられる。(メタ)アクリル酸やイタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマーを用いる場合であれば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(又はm−、又はp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエポキシ基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物を付加させる処理が挙げられる。無水マレイン酸や無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマーを用いる場合であれば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物を付加させる処理が挙げられる。グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(又はm−、又はp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有するモノマーを用いる場合であれば、(メタ)アクリル酸等の酸性基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物を付加させる処理が挙げられる。
一般式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体が、ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体を含む場合、その含有割合は、特に制限されないが、全単量体成分中、5〜70質量量%が好ましく、より好ましくは10〜60質量%である。
エポキシ基を導入するための単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(又はm−、又はp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等が挙げられる。
一般式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体が、エポキシ基を導入するための単量体を含む場合、その含有割合は、特に制限されないが、全単量体成分中、5〜70質量%が好ましく、より好ましくは10〜60質量%である。
他の共重合可能な単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸メチル2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類;ブタジエン、イソプレン等のブタジエン又は置換ブタジエン化合物;エチレン、プロピレン、塩化ビニル、アクリロニトリル等のエチレン又は置換エチレン化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル類;等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレンが、透明性が良好で、耐熱性を損ないにくい点で好ましい。
一般式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体が、他の共重合可能な単量体を含む場合、その含有割合は特に制限されないが、95質量%以下が好ましく、85質量%以下であるのがより好ましい。
一般式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体の重量平均分子量は、特に制限されないが、硬化膜形成用組成物の粘度、及び該組成物により形成される塗膜の耐熱性の観点から、好ましくは2000〜200000、より好ましくは5000〜100000であり、更に好ましくは5000〜20000である。
また、一般式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体が酸性基を有する場合には、酸価が、好ましくは30〜500mgKOH/g、より好ましくは50〜400mgKOH/gであるのがよい。
一般式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体は、少なくとも、エーテルダイマーを必須とする上記の単量体を重合することにより、容易に得ることができる。このとき、重合と同時にエーテルダイマーの環化反応が進行してテトラヒドロピラン環構造が形成される。
一般式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体の合成に適用される重合方法としては、特に制限はなく、従来公知の各種重合方法を採用することができるが、特に、溶液重合法によることが好ましい。詳細には、例えば、特開204−300204号公報に記載されるポリマー(a)の合成方法に準じて、一般式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体を合成することができる。
以下、一般式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体の例示化合物を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記に示す例示化合物の組成比はモル%である。
本発明では特に、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート(以下「DM」と称する)、ベンジルメタクリレート(以下「BzMA」と称する)、メタクリル酸メチル(以下「MMA」と称する)、メタクリル酸(以下「MAA」と称する)、グリシジルメタクリレート(以下「GMA」と称する)を共重合させた重合体が好ましい。特に、DM:BzMA:MMA:MAA:GMAのモル比が5〜15:40〜50:5〜15:5〜15:20〜30であることが好ましい。本発明で用いる共重合体を構成する成分の95質量%以上がこれらの成分であることが好ましい。また、重合体の重量平均分子量は9000〜20000であることが好ましい。
本発明で用いる重合体は、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1000〜2×105であることが好ましく、2000〜1×105であることがより好ましく、5000〜5×104であることがさらに好ましい。
これらの中で、側鎖にアリル基やビニルエステル基とカルボキシル基を有する(メタ)アクリル樹脂及び特開2000−187322号公報、特開2002−62698号公報に記載されている側鎖に二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂や、特開2001−242612号公報に記載されている側鎖にアミド基を有するアルカリ可溶性樹脂が膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。上述のポリマーの例としては、ダイヤナ−ルNRシリーズ(三菱レイヨン株式会社製)、Photomer6173(COOH含有 polyurethane acrylic oligomer. Diamond Shamrock Co.Ltd.,製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業株式会社製)、サイクロマーP ACA230AA等のサイクロマーPシリーズ、プラクセル CF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業株式会社製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー株式会社製)などが挙げられる。
また、特公平7−12004号公報、特公平7−120041号公報、特公平7−120042号公報、特公平8−12424号公報、特開昭63−287944号公報、特開昭63−287947号公報、特開平1−271741号公報等に記載される酸性基を含有するウレタン系バインダーポリマーや、特開2002−107918号公報に記載される酸性基と二重結合を側鎖に有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、膜強度の点で有利である。
また、欧州特許第993966号、欧州特許第1204000号、特開2001−318463号公報等に記載の酸性基を有するアセタール変性ポリビニルアルコール系バインダーポリマーも、膜強度に優れており、好適である。
更にこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
バインダーポリマーの重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)としては、好ましくは5,000以上であり、更に好ましくは1万以上30万以下の範囲であり、数平均分子量については好ましくは1,000以上であり、更に好ましくは2,000以上25万以下の範囲である。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、更に好ましくは1.1以上10以下の範囲である。
これらのバインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
バインダーポリマーは、従来公知の方法により合成できる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上混合して用いられる。
バインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が挙げられる。
バインダーポリマーは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化膜には、バインダーポリマーを含有してもしなくてもよいが、含有する場合、バインダーポリマーの含有量は、硬化膜全質量に対して、1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、3質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、4質量%以上20質量%以下であることが更に好ましい。
なお、バインダーポリマーが硬化膜形成用組成物に含まれる場合は、硬化膜形成用組成物の全固形分に対して、上記含有量となることが好ましい。
((J)界面活性剤)
硬化膜形成用組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤が添加されていてもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
特に、硬化膜形成用組成物は、フッ素系界面活性剤を含有することで、塗布液として調製したときの液特性(特に、流動性)がより向上することから、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する硬化膜形成用組成物を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3質量%〜40質量%が好適であり、より好ましくは5質量%〜30質量%であり、特に好ましくは7質量%〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、硬化膜形成用組成物中における溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(OMNOVA社製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、特開2012−208494号公報の段落0553(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0679])等に記載のノニオン系界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
カチオン系界面活性剤として具体的には、特開2012−208494号公報の段落0554(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0680])に記載のカチオン系界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製「トーレシリコーンDC3PA」、「トーレシリコーンSH7PA」、「トーレシリコーンDC11PA」,「トーレシリコーンSH21PA」,「トーレシリコーンSH28PA」、「トーレシリコーンSH29PA」、「トーレシリコーンSH30PA」、「トーレシリコーンSH8400」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−4460」、「TSF−4452」、信越シリコーン株式会社製「KP341」、「KF6001」、「KF6002」、ビックケミー社製「BYK307」、「BYK323」、「BYK330」等が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
硬化膜形成用組成物は、界面活性剤を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、界面活性剤の添加量は、硬化膜形成用組成物の全質量に対して、0.001質量%〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005質量%〜1.0質量%である。
((K)その他の添加剤)
更に、硬化膜形成用組成物に対しては、硬化皮膜の物性を改良するために可塑剤や感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、バインダーポリマーを使用した場合、重合性化合物とバインダーポリマーとの合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
<着色層形成工程>
着色層形成工程は、硬化膜上に、着色層を形成する工程である。
より具体的には、図2(c)に示すように、硬化膜20の上に着色層21が形成される。着色層21は、本発明におけるカラーフィルタの画素の少なくとも1種を構成することができ、着色剤を含有する硬化性組成物によって形成されることが好ましい。より具体的には、着色層形成工程では、着色剤を含有する硬化性組成物を硬化膜上に直接又は他の層を介して塗布し、その後乾燥して塗布膜を形成する工程(塗膜形成工程)と、加熱処理を施す工程(ポストベーク工程)とを含むことが可能である。
以下では、硬化性組成物を使用した態様について、詳述する。
(硬化性組成物)
硬化性組成物としては、着色光硬化性組成物、又は、非感光性の着色熱硬化性組成物を挙げることができ、分光特性の観点から、着色層は、非感光性の着色熱硬化性組成物を用いて形成されることが好ましい。
非感光性の着色熱硬化性組成物としては、着色剤と、熱硬化性化合物とを含み、全固形分中の着色剤濃度が50質量%以上100質量%未満であることが好ましい。
また、着色光硬化性組成物としては、着色剤、光硬化性成分を少なくとも含むものであって、この内「光硬化性成分」としては、フォトリソ法に通常用いられる光硬化性組成物であり、バインダー樹脂(アルカリ可溶性樹脂等)、感光性重合成分(光重合成モノマー等)、光重合開始剤等を少なくとも含む組成物を用いることができる。
着色光硬化性組成物については、例えば、特開2005−326453号公報の段落番号0017〜0064に記載の事項を好適に適用することができる。
(着色剤)
着色層に使用される着色光硬化性組成物又は非感光性の着色熱硬化性組成物に含まれる着色剤としては、特に限定されず、従来公知の種々の染料や顔料を1種又は2種以上混合して用いることができる。
顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を挙げることができる。また、無機顔料であれ有機顔料であれ、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、平均粒子径がなるべく小さい顔料の使用が好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、上記顔料の平均粒子径は、0.01μm〜0.1μmが好ましく、0.01μm〜0.05μmがより好ましい。
好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
C.I.ピグメント・イエロー11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185;
C.I.ピグメント・オレンジ36,71;
C.I.ピグメント・レッド122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264;
C.I.ピグメント・バイオレット19,23,32;
C.I.ピグメント・ブルー15:1,15:3,15:6,16,22,60,66;
C.I.ピグメント・ブラック1
また、着色剤が染料である場合には、組成物中に均一に溶解して非感光性の熱硬化性着色樹脂組成物を得ることができる。
着色剤として使用できる染料は特に制限はなく、従来カラーフィルタ用として公知の染料が使用できる。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
本発明における着色熱硬化性組成物の全固形分中の着色剤含有率は特に限定されるものではないが、好ましくは50質量%以上100質量%未満であり、55質量%以上90質量%以下がより好ましい。50質量%以上とすることでカラーフィルタとして適度な色度を得ることができる。また、100質量%未満とすることで光硬化を充分に進めることができ、膜としての強度低下を抑制することができる。
(熱硬化性化合物)
非感光性の着色熱硬化性組成物に含まれる熱硬化性化合物としては、加熱により膜硬化を行えるものであれば特に限定はなく、例えば、熱硬化性官能基を有する化合物を用いることができる。熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ基、メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの基を有するものが好ましい。
更に好ましい熱硬化性化合物としては、(a)エポキシ化合物、(b)メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、熱硬化性化合物としては、多官能エポキシ化合物が特に好ましい。
着色熱硬化性組成物中における熱硬化性化合物の総含有量としては、素材により異なるが、着色熱硬化性組成物の全固形分(質量)に対して、0.1〜50質量%が好ましく、0.2〜40質量%がより好ましく、1〜35質量%が特に好ましい。
着色熱硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、各種添加物、例えば、バインダー、硬化剤、硬化触媒、溶剤、充填剤、上記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、分散剤、等を配合することができる。
バインダーとしては、顔料分散液調製時に添加する場合が多く、アルカリ可溶性を必要とせず、有機溶剤に可溶であればよく、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶であるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
これら各種バインダーの中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
特に、アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体、例えば、ベンジルメタアクリレート/メタアクリル酸、ベンジルメタアクリレート/ベンジルメタアクリルアミドのような各共重合体、KSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が好ましい。
これらのバインダー中に着色剤を高濃度に分散させることで、下層等との密着性を付与でき、これらはスピンコート、スリットコート時の塗布面状にも寄与している。
本発明において、熱硬化性化合物として、エポキシ樹脂を使用する場合、硬化剤を添加することが好ましい。エポキシ樹脂の硬化剤は種類が非常に多く、性質、樹脂と硬化剤の混合物との可使時間、粘度、硬化温度、硬化時間、発熱などが使用する硬化剤の種類によって非常に異なるため、硬化剤の使用目的、使用条件、作業条件などによって適当な硬化剤を選ばねばならない。硬化剤に関しては垣内弘編「エポキシ樹脂(昇晃堂)」第5章に詳しく解説されている。硬化剤の例を挙げると以下のようになる。
触媒的に作用するものとしては、第三アミン類、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、エポキシ樹脂の官能基と化学量論的に反応するものとして、ポリアミン、酸無水物等;また、常温硬化のものとして、ジエチレントリアミン、ポリアミド樹脂、中温硬化のものの例としてジエチルアミノプロピルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;高温硬化の例として、無水フタル酸、メタフェニレンジアミン等がある。また化学構造別に見るとアミン類では、脂肪族ポリアミンとしてはジエチレントリアミン;芳香族ポリアミンとしてはメタフェニレンジアミン;第三アミンとしてはトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;酸無水物としては無水フタル酸、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、三フッ化ホウ素−モノエチルアミンコンプレックス;合成樹脂初期縮合物としてはフェノール樹脂、その他ジシアンジアミド等が挙げられる。
これら硬化剤は、加熱によりエポキシ基と反応し、重合することによって架橋密度が上がり硬化するものである。薄膜化のためには、バインダー、硬化剤とも極力少量の方が好ましく、特に硬化剤に関しては熱硬化性化合物に対して35質量%以下、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下とすることが好ましい。
本発明において高い着色剤濃度を実現するためには、硬化剤との反応による硬化の他、主としてエポキシ基同士の反応による硬化が有効である。このため、硬化剤は用いず、硬化触媒を使用することもできる。硬化触媒の添加量としてはエポキシ当量が150〜200程度のエポキシ樹脂に対して、質量基準で1/10〜1/1000程度、好ましくは1/20〜1/500程度さらに好ましくは1/30〜1/250程度のわずかな量で硬化させることが可能である。
着色熱硬化性組成物は、各種溶剤に溶解された溶液として用いることができる。溶剤は、各成分の溶解性や着色熱硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的に特に限定されない。
また、顔料の分散性を向上させるために、分散剤を添加することができる。分散剤としては、公知のものを適宜選定して用いることができ、例えば、カチオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、高分子分散剤等が挙げられる。
これらの分散剤としては、多くの種類の化合物が用いられるが、例えば、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(エフカ社製))、ソルスパース5000(日本ルーブリゾール社製);オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上森下産業(株)製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール社製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123(旭電化(株)製)及びイソネットS−20(三洋化成(株)製)が挙げられる。
分散剤は、単独で用いてもよくまた2種以上組み合わせて用いてもよい。
分散剤の着色熱硬化性組成物中の添加量は、通常顔料100質量部に対して0.1〜50質量部程度が好ましい。
本発明における着色熱硬化性組成物には、必要に応じて各種添加剤を更に添加することができる。各種添加物の具体例としては、例えば、上記特開2005−326453号公報に記載の各種添加剤を挙げることができる。
本発明における着色層は、例えば、上記の着色熱硬化性組成物を硬化膜上に塗布し、乾燥して形成することができる。具体的には、例えば、着色熱硬化性組成物を、硬化膜上に回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して形成することができる。
着色層の具体的な厚さとしては、0.005μm〜0.9μmが好ましく、0.05μm〜0.8μmが好ましく、0.1μm〜0.7μmで作製されることが更に好ましい。
着色層形成工程は、加熱工程(ポストベーク工程であってもよい)を更に含むことが好ましい。具体的に着色層は、着色熱硬化性組成物を支持体に塗布して塗布膜を形成した後、加熱工程により、該塗布膜を熱硬化させて形成することができる。
加熱工程は塗布後の乾燥と同時であってもよく、また塗布乾燥後に別途熱硬化の工程を設けてもよい。加熱工程は、オーブン、ホットプレートなど公知の加熱手段を用い、好ましくは130℃〜300℃、更に好ましくは150℃〜280℃、特に好ましくは170℃〜260℃の条件下で、好ましくは10秒〜3時間、更に好ましくは30秒〜2時間、特に好ましくは60秒〜60分の範囲で行うことができる。但し、製造を考慮すると硬化に要する時間は短時間であるほど好ましい。
<フォトレジスト層形成工程>
フォトレジスト層形成工程は、上記着色層上に、フォトレジスト層を形成する工程である。
より具体的には、図2(d)に示されるように、着色層形成工程で着色層21が形成された後、この着色層21上にフォトレジスト層22(感光性樹脂層)が更に形成される。
フォトレジスト層の形成方法は特に制限されないが、着色層上にポジ又はネガ型の感光性樹脂組成物を塗布し、これを乾燥させてフォトレジスト層が形成されることが好ましい。また、フォトレジスト層の形成においては、更にプリベーク処理を行うことが好ましい。
以下、上記好適なフォトレジスト層の形成方法について詳述する。
ポジ又はネガ型の感光性樹脂組成物としては、例えば、特開2007−11324号公報の段落番号0112〜0117に記載の事項を本発明においても好適に適用することができる。
感光性樹脂組成物の塗布方法としては、既述の塗布方法を好適に用いることができる。また、感光性樹脂層の具体的な厚さとしては、0.01μm〜3μmが好ましく、0.1μm〜2.5μmがより好ましく、0.15μm〜2μmで形成されることが更に好ましい。
ポジ型の感光性樹脂組成物としては、紫外線(g線、i線)、エキシマー・レーザー等を含む遠紫外線、電子線、イオンビーム及びX線等の放射線に感応するポジ型フォトレジスト用に好適なポジ型レジスト組成物が使用できる。放射線のうち、感光性樹脂層を露光するものとしては、本発明の目的からは、g線、i線が好ましく、中でもi線露光が好ましい。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、フォトレジスト層より形成されるレジストパターンをマスクとして、後述するエッチング工程でエッチング処理することにより、着色層を所望の形状(例えば、矩形)に形成することができる。
<パターン形成工程>
パターン形成工程は、上記で作製したフォトレジスト層をパターン様に除去することにより、着色層上にレジストパターンを形成する工程である。
より具体的には、図2(e)に示されるように、フォトレジスト層22を所望のパターン、例えば着色層21とは異なる色からなる第2の着色層が硬化膜20上に形成される領域に対応するパターン様に露光し、現像液で現像してエッチング用マスクとして機能するレジストパターン24(フォトレジストパターン)を形成する。
パターン形成工程により、パターン様に第1の着色層となる着色層21の表面(金属酸化物粒子を含有する硬化膜20と着色層21とが対向する側とは反対側の面)が露出することになる。一方、着色層21のうち、第2の着色層を金属酸化物粒子を含有する硬化膜20上に形成する領域以外の領域はレジストパターン24で被覆された状態となっている。
パターン形成工程後、エッチング等の各工程を実施し、着色層21をパターン様に形成し、再び各工程を経て第2の着色層を金属酸化物粒子を含有する硬化膜20上に形成することで、エッチングされてパターン様に形成された着色層21によって構成される画素に加えて、更にもう1種類の画素が形成される。
マスク材となるレジストパターン24は微細化が可能であり、かつ矩形性を有しているため、カラーフィルタの各画素を微細かつ矩形に形成することができる。
フォトレジスト層22の露光は、所定(画像様)のマスクパターンを介して、ポジ型又はネガ型の感光性樹脂組成物に、g線、h線、i線等、好ましくはi線で露光を施すことによって行われる。
現像液としては、着色剤を含む着色層21には影響を与えず、ポジレジストの露光部及びネガレジストの未硬化部を溶解するものであればいかなるものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
<エッチング工程>
エッチング工程は、レジストパターンをエッチングマスクとして、エッチングガスを用いたドライエッチング法によって着色層をエッチングする工程である。
より具体的には、図2(f)に示すように、エッチングガスを用いたドライエッチング法(例えば、プラズマエッチング処理等。ドライエッチング法の代表的な例としては、特開昭59−126506号、特開昭59−46628号、同58−9108号、同58−2809号、同57−148706号、同61−41102号などの公報に記載されているような方法が知られている。)により、レジストパターン24で覆われていない着色層21を除去して、パターン状の着色層が形成される。言い換えれば、パターン形成工程によって形成されたレジストパターン24様に、硬化膜露出部26が形成される。
エッチング工程で用いるエッチングガスの種類は特に制限されないが、ドライエッチング法により除去される着色層部分(被エッチング部分)を矩形に加工可能であるという観点から、フッ素系ガスの少なくとも1種を少なくとも含んでいることが好ましい。
フッ素系ガスとしては公知のフッ素系ガスを使用できるが、下記式(I)で表わされるフッ素系化合物のガスであることが好ましい。
CnHmFl 式(I)
式中、nは1〜6を表し、mは0〜13を表し、lは1〜14を表す。
式(I)で表されるフッ素系ガスとしては、例えば、CF4、C26、C38、C24、C48、C46、C58、及び、CHF3からなる群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。フッ素系ガスは、上記群の中から2種以上のガスを組合せて用いることも可能である。
更に、フッ素系ガスとしては、被エッチング部分の矩形性維持の観点から、CF4、C26、C48、及びCHF3からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、CF4及び/又はC26であることがより好ましく、CF4であることが特に好ましい。
エッチングガスは、酸素ガスを混合することがさらに好ましい。この混合ガス中でのフッ素系ガスと酸素ガスとの含有比率(フッ素系ガス/酸素ガス)は、流量比で2/1〜8/1とすることが好ましい。この範囲内とすることにより、エッチング処理時におけるレジストパターン24側壁へのエッチング生成物の付着を防止でき、後述するレジストパターン除去工程において、レジストパターン24の剥離が容易になる。中でも特に、被エッチング部分の矩形性を維持しながらエッチング生成物のレジストパターン24側壁への再付着の防止の点で、フッ素系ガスと酸素ガスとの含有比率が2/1〜6/1であることが好ましく、3/1〜5/1であることが特に好ましい。
また、混合ガスは、エッチングプラズマの分圧コントロール安定性、及び被エッチング形状の垂直性を維持する観点から、フッ素系ガス及び酸素ガスに加え、他のガスとしてさらに、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)などの希ガス、塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子を含むハロゲン系ガス(例えば、CCl4、CClF3、AlF3、AlCl3等)、N2、CO、及びCO2からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、Ar、He、Kr、N2、及びXeからなる群から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましく、He、Ar、及びXeのからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが更に好ましい。
但し、エッチングプラズマの分圧コントロール安定性、及び被エッチング形状の垂直性を維持することが可能である場合は、混合ガスが、フッ素系ガス及び酸素ガスのみからなっていてもよい。
混合ガスにおいて、フッ素系ガス及び酸素ガスに加えて含んでいてもよい他のガスの含有量は、酸素ガスを1としたときの流量比で25以下であることが好ましく、10以上20以下であることがより好ましく、14以上18以下であることが特に好ましい。
硬化膜20へのダメージをなるべく抑制するため、ドライエッチング処理の開始から、下記の所定の処理時間経過後にドライエッチング処理を終了することが好ましい。
ドライエッチング処理時間の算出方法は、エッチング工程におけるエッチングレート(nm/min.)を算出し、算出したエッチングレートより、エッチングに要する処理時間を算出する。エッチングレートは、例えば、エッチング時間と残膜の関係を採取することによって算出することができる。
エッチング処理時間としては、10分以内でエッチング処理を行うことが好ましく、7分以内で処理することがより好ましい。
エッチング工程におけるチャンバーの内部圧力は、2.0〜6.0Paであることが好ましく、4.0〜5.0Paであることより好ましく、チャンバーの内部圧力が上記範囲であることによりパターンの矩形性が良好になり、エッチングで生成される側壁保護膜のフォトレジストへの付着を抑制することができる。チャンバーの内部圧力は、例えば、エッチングガスの流量とチャンバーの減圧度を適宜制御することによって調整することができる。
また、エッチング工程では、基板1aの温度が30℃以上100℃以下であることが好ましい。これにより、エッチング処理時におけるレジストパターン24側壁へのエッチング生成物の付着をより抑制することができ、後述するレジストパターン除去工程におけるレジストパターン24の剥離をより容易にすることができる。なかでも、被エッチング部分の矩形性維持と、エッチング生成物のレジストパターン24側壁への再付着抑制の観点から、30℃〜80℃であることがより好ましく、40℃〜60℃であることが特に好ましい。
エッチング工程においては、例えば、ウエハステージの温度を30℃以上100℃以下に制御することで、基板1aの温度を30℃以上100℃以下とすることができる。
エッチング工程におけるドライエッチングの条件は着色層21の材質や層厚等によって異なるが、上記条件の以外の好ましい条件について以下説明する。
混合ガスのガス流量としては、1500mL/min(0℃、1013hPa)以下が好ましく500〜1000mL/min(0℃、1013hPa)がより好ましい。
高周波としては、400kHz、60MHz、13.56MHz、2.45GHz等から選択可能であり、50〜2000W好ましくは100〜1000WのRFパワーで処理できる。
ソースパワー(RF)とバイアスの関係としては、RFパワー/アンテナバイアス/基板バイアス(ウエハバイアス)がそれぞれ、600〜1000W/300〜500W/150〜250Wであることが好ましく、より好ましくは700〜900W/350〜450/200Wである。
また、上述したように、エッチング工程としては、フッ素系ガスを含むエッチングガスを用いて着色層の一部または全部をエッチングする工程が好ましいが、上記のエッチング工程は、エッチング条件の異なる2段階以上のエッチング工程を有していてもよい。例えば、異なるエッチングガスを用いたエッチング工程を有していてもよい。より具体的には、フッ素ガスを含むエッチングガスを用いて着色層のエッチング(第1のエッチング工程)を行い、金属酸化物粒子を含有する硬化膜が完全に露出する前でエッチングを止めて、さらに異なるガス(例えば、窒素ガスと酸素ガスとを含む混合ガス)による第2のエッチングを実施してもよい。
以下では、第2のエッチングで使用されるガスが、窒素ガスと酸素ガスとを含む混合ガスの場合について詳述する。
従来、着色層21をパターン様に除去するエッチング工程において、第1の混合ガスのみを用いて硬化膜20の下に位置する平坦化層10等により形成される支持体となる基板1aが露出するまでエッチング処理を行うと、支持体ダメージが発生してしまう傾向にある。また、発生する支持体ダメージは、特にオーバーエッチング処理を実施する場合に顕著であった。これに対して、第1のエッチング工程で用いる第1の混合ガスとは異なる、窒素ガスと酸素ガスとを含む第2の混合ガスを用いて第2のエッチング工程を行うことで支持体ダメージの発生が抑制されたエッチング加工が可能になる。
また、窒素ガスと酸素ガスとを含む第2の混合ガスを使用する第2のエッチング工程を行うことで、第1のエッチング工程の際にレジストパターン24の表層に形成されたプラズマに起因する変質層を除去することができる。これにより、後のレジストパターン除去工程において、剥離液や溶剤によるレジストパターン24の剥離をより容易に行うことができる。
更に、基板1aの平坦化層10上に形成された硬化膜20は、第2の混合ガスに対してエッチングレートが低いため、僅かにエッチングされるだけであって、硬化膜20下の支持体へのダメージが抑制される。
第2のエッチング工程で使用される第2の混合ガスは、窒素ガスと酸素ガスと含むが、本発明の効果を損なわない範囲でフッ素系ガスを含んでいてもよい。フッ素系ガスの含有比率(フッ素系ガス/酸素ガス)が流量比で5%以下であることが好ましく、フッ素系ガスを含まないことが特に好ましい。フッ素系ガスの含有量が上記範囲であることで支持体のダメージをより効果的に抑制することができる。
第2の混合ガスにおける窒素ガスと酸素ガスの含有比率(窒素ガス/酸素ガス)としては、流量比で10/1〜3/1とすることが好ましい。上記範囲内とすることにより、エッチング処理時におけるレジストパターン24側壁へのエッチング生成物の付着をより効果的に抑制することができ、後述するレジストパターン除去工程における、レジストパターン24の剥離をより容易にすることができる。上記含有比率は、被エッチング部分の矩形性維持と、エッチング生成物のレジストパターン24側壁への再付着防止の観点から、20/1〜3/1が好ましい範囲であり、15/1〜4/1であることがより好ましく、10/1〜5/1であることが特に好ましい。
第2の混合ガスは、エッチングプラズマの分圧コントロール安定性、及び被エッチング形状の垂直性を維持する観点から、窒素ガス及び酸素ガスに加え、他のガスとしてさらに、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、及びキセノン(Xe)からなる群から選択される少なくとも1種のガスを含んでいることが好ましく、He、Ar、及びXeからなる群から選択される少なくとも1種のガスを含んでいることがより好ましい。
但し、エッチングプラズマの分圧コントロール安定性、及び被エッチング形状の垂直性を維持することが可能である場合は、上記第2の混合ガスが、窒素ガス及び酸素ガスのみからなることができる。
第2の混合ガスにおいて、窒素ガス及び酸素ガスに加えて、更に含有してもよい他のガスの含有量は、酸素ガスを1としたときの流量比で25以下であることが好ましく、5以上20以下であることが好ましく、8以上12以下であることが特に好ましい。
第2のエッチング工程においては、例えば、第1のエッチング工程で残存した着色層21を除去するドライエッチング処理の開始から、第1のエッチング工程と同様に算出される処理時間の経過後にドライエッチング処理を終了することができる。また、エンドポイント検出によって残存する着色層21を除去するドライエッチング処理時間を管理してもよい。第2のエッチング工程においては、エンドポイント検出で着色層21を除去するドライエッチング処理時間を管理することが好ましい。
エッチング処理時間としては10分以内であることが好ましく、7分以内で処理することがより好ましい。
第2のエッチング工程が、チャンバーの内部圧力が1.0〜5.0Paであることが好ましく、2.0〜4.0Paであることがより好ましい。
上記混合ガスの混合比率、及びチャンバーの内部圧力を満たす条件において、パターンの矩形性を損なうことなく、支持体ダメージの発生が抑制されたパターンをより効率よく形成することができる。
第2のエッチング工程におけるソースパワー(RF)とバイアスの関係としては、RFパワー/アンテナバイアス/基板バイアスがそれぞれ、400〜800W/50〜200W/100〜300Wであることが好ましく、より好ましくは500〜700W/100〜150W/200〜300Wである。
第2のエッチング処理工程における、エッチング処理時の支持体温度及びその他の条件については、第1のエッチング処理工程おいて説明した事項を好適に適用することができる。
第2のエッチング工程は、オーバーエッチング処理工程を更に含むことが好ましい。第2の混合ガスを用いたドライエッチングにより着色層21を除去し、硬化膜露出部26を形成した後に、更に第2の混合ガスを用いてオーバーエッチング処理することで、残存するエッチング残渣を、パターンの矩形性を維持したまま効率よく除去することができ、且つ支持体ダメージの発生をより効果的に抑制することができる。
オーバーエッチング処理は、オーバーエッチング時間を設定して行うことが好ましい。オーバーエッチング時間は任意に設定できるが、レジストパターン24のエッチング耐性と被エッチングパターンの矩形性維持の点で、第1のエッチング工程におけるエッチング処理時間(t1)と、第2のエッチング工程におけるエッチング処理時間(t2)との合計処理時間(t1+t2)の、30%以下であることが好ましく、5〜25%であることがより好ましく、15〜20%であることが特に好ましい。
<レジストパターン除去工程>
レジストパターン除去工程は、上記エッチング工程後に残存するレジストパターンを除去する工程である。
より具体的には、図2(g)に示すように、エッチング処理終了後に、マスクのレジストパターン24を専用の剥離液や溶剤によって除去可能な状態にし、洗浄水を用いて除去する。
なお、本発明においては、金属酸化物粒子を含有する硬化層を適用していることにより、レジストパターン24剥離時にカラーフィルタ(パターン化された着色層)の剥がれを十分抑制してレジストパターン24を除去することができる。
レジストパターン24上に、剥離液又は溶剤を付与して、除去可能な状態にするには、例えば、剥離液又は溶剤を、少なくともレジストパターン24上に付与し、所定の時間停滞させるパドル現像工程を挙げることができる。剥離液又は溶剤を停滞させる時間としては、特に制限はないが、数十秒から数分であることが好ましい。
洗浄水を用いてレジストパターン24を除去するには、例えば、スプレー式又はシャワー式の噴射ノズルから、レジストパターン24に洗浄水を噴射して、レジストパターン24を除去する。洗浄水としては、純水を好ましく用いることができる。
噴射ノズルとしては、その噴射範囲内に支持体全体が包含される噴射ノズルや、可動式の噴射ノズルであってその可動範囲が支持体全体を包含する噴射ノズルを挙げることができる。噴射ノズルが可動式の場合、レジストパターン24を除去する工程中に基板1a中心部から基板1a端部までを2回以上移動して洗浄水を噴射することで、より効果的にレジストパターン24を除去することができる。
剥離液は一般的には有機溶剤を含有するが、無機溶媒を更に含有してもよい。有機溶剤としては、例えば、炭化水素系化合物、ハロゲン化炭化水素系化合物、アルコール系化合物、エーテル又はアセタール系化合物、ケトン又はアルデヒド系化合物、エステル系化合物、多価アルコール系化合物、カルボン酸又はその酸無水物系化合物、フェノール系化合物、含窒素化合物、含硫黄化合物、又は含フッ素化合物が挙げられる。
剥離液としては、含窒素化合物を含有することが好ましく、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物とを含むことがより好ましい。
非環状含窒素化合物としては、水酸基を有する非環状含窒素化合物であることが好ましい。具体的には例えば、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられ、好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンであり、より好ましくはモノエタノールアミン(H2NCH2CH2OH)である。
環状含窒素化合物としては、イソキノリン、イミダゾール、N−エチルモルホリン、ε−カプロラクタム、キノリン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラジン、ピリジン、ピロリジン、N−メチル−2−ピロリドン、N−フェニルモルホリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジンなどが挙げられ、好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチルモルホリンであり、より好ましくはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)である。
剥離液は、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物とを含むことが好ましいが、なかでも、非環状含窒素化合物として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種と、環状含窒素化合物として、N−メチル−2−ピロリドン及びN−エチルモルホリンから選ばれる少なくとも1種とを含むことがより好ましく、モノエタノールアミンとN−メチル−2−ピロリドンとを含むことが更に好ましい。
非環状含窒素化合物の含有量としては、剥離液100質量部に対して、9質量部以上11質量部以下であって、環状含窒素化合物の含有量が65質量部以上70質量部以下であることが望ましい。
また、剥離液は、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物の混合物を純水で希釈したものであることが好ましい。
レジストパターン24剥離後は、硬化膜露出部26に既に形成された着色層とは異なる着色層を形成することにより2色のカラーフィルタが製造され、更に2色のカラーフィルタ上に再びフォトレジスト層形成工程を形成し、同様にパターン形成工程、エッチング工程、及びレジストパターン除去工程を繰り返せば多色のカラーフィルタが形成される。
以上説明したように、本発明に係るカラーフィルタの製造方法によれば、支持体の上に一次粒子径が1nm〜100nmの金属酸化物粒子を含有する硬化膜を形成し、エッチング工程でエッチングガスを用いてドライエッチング処理を行って着色層をエッチングしてパターン状の着色層を形成することにより、レジストパターン剥離時に着色層のパターン剥がれを抑制することが可能となり、非常に有用である。
本発明の製造方法で作製したカラーフィルタは、液晶表示素子やCCD等の固体撮像素子に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS等に好適である。本発明のカラーフィルタは、例えば、CCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることが可能となる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の各工程において、市販の処理液を用いた処理を行う場合、特記しない限りメーカー指定の方法に従って各処理を行った。
また、後述する実施例中の「部」は、「質量部」を意図する。
<実施例1>
[金属酸化物微粒子分散液(分散組成物)の調製]
下記組成の混合液に対し、循環型分散装置(ビーズミル)として、寿工業株式会社製ウルトラアペックスミルを用いて、以下のようにして分散処理を行い、分散組成物として二酸化チタン分散液を得た。
〜組成〜
・二酸化チタン(石原産業(株)製 TTO−51(C))
結晶形:ルチル、TiO%:79〜85%、Al及びステアリン酸で表面処理、比表面積50〜60m/g、一次粒子径10〜30nm、吸油量24〜30g/100g
:181.8部
・分散剤(高分子分散剤(B))B−1(30質量%溶液) :133.3部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):284.9部
なお、上記分散剤(B−1)は、特開2007−277514号公報の段落[0266]〜[0348]に記載の合成方法に準じて、合成した。具体的には以下の通りである。
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)〔(33);堺化学工業(株)製〕100部、及び下記の、吸着部位を有し、かつ炭素−炭素二重結合を有する化合物(A−3)91.38部を、1−メトキシ−2−プロパノール446.6部に溶解させ、窒素気流下、90℃に加熱した。これに、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)〔V−601、和光純薬工業(株)製〕0.81部を加えて2時間加熱した。更に、V−601を0.81部加え、窒素気流下、90℃で2時間反応させた。室温まで冷却することで、メルカプタン化合物の30質量%溶液を得た。
上記メルカプタン化合物の30質量%溶液499.57部、及びメタクリル酸メチル(M−1)100.13部の混合溶液を、窒素気流下、90℃に加熱した。これに、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)〔V−601、和光純薬工業(株)製〕0.681部をプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート72.73部に溶解した液を2時間かけて滴下し、続いて90℃で2時間加熱した。更にV−601を0.230部加え、窒素気流下、90℃で2時間反応させ、再びV−601を0.230部加え、窒素気流下、90℃で2時間反応させた。その後、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート160.9部を加え、室温まで冷却することにより、上記に示す分散剤(高分子分散剤(B))B−1(B−1:ポリスチレン換算の重量平均分子量3300、酸価241mgKOH/g)の30質量%溶液を得た。
また、分散装置は以下の条件で運転した。
・ビーズ径:φ0.05mm
・ビーズ充填率:75体積%
・周速:10m/sec
・ポンプ供給量:10kg/時間
・冷却水:水道水
・ビーズミル環状通路内容積:0.15L
・分散処理する混合液量:0.44kg
分散開始後、30分間隔(1パスの時間)で平均粒子径の測定を行った。
平均粒子径は分散時間(パス回数)と共に減少していったが、次第にその変化量が少なくなっていった。分散時間を30分間延長したときの一次粒子径の変化が5nm以下となった時点で分散を終了した。なお、この分散液中の二酸化チタン粒子の一次粒子径は40nmであった。
なお、二酸化チタンの一次粒子径は、二酸化チタンを含む混合液又は分散液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで80倍に希釈し、得られた希釈液について動的光散乱法を用いて測定することにより得られる。この測定は、日機装株式会社製マイクロトラックUPA−EX150を用いて行って得られた数平均粒子径のこととする。
[硬化膜形成用組成物の調製]
上記で得られた金属酸化物微粒子分散液(分散組成物)を用いて、以下の組成となるように各成分を混合して硬化膜形成用組成物を得た。
〜硬化膜形成用組成物の組成〜
・上記で調製した二酸化チタン分散液(分散組成物) … 82.00部
・重合性化合物:JER−157S65(三菱化学(株)製)(重合性化合物(C))…3.70部
・バインダーポリマーM−1(バインダーポリマー(I)) … 0.44部
(下記M−1;重量平均分子量(Mw)及び共重合比(重量比)は下記の通りである)
・界面活性剤 メガファックF−781(界面活性剤(J)) … 0.03部
・p−メトキシフェノール(重合禁止剤(H)) … 0.01部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 13.82部
硬化膜形成工程として、上記硬化膜形成用組成物をシリコンウェーハ上にスピンコーター(東京エレクトロン製、ACT−8)にて塗布した。ホットプレートを使用して230℃で10分間の加熱を行い、膜厚が0.4μmの硬化膜を形成した。なお、硬化膜中には、一次粒子径が40nmの二酸化チタンが含有される。
着色層形成工程としては、硬化膜上に顔料含有熱硬化性組成物(着色熱硬化性組成物)(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製SG−5000L)をスピンコーター(東京エレクトロン製、ACT−8)にて、膜厚が0.8μmの塗布膜となるように塗布した。ホットプレートを使用して、220℃で5分間の加熱を行い、塗布膜を硬化させて着色層21を形成した。顔料含有熱硬化性組成物(着色熱硬化性組成物)により形成された着色層の膜厚は0.6μmであった。
フォトレジスト層形成工程としては、上記SG−5000L上に、ポジ型フォトレジスト「FHi622BC」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコーター(東京エレクトロン製、ACT−8)にて塗布し、100℃で2分間の加熱処理を行い、膜厚が0.8μmになるようにフォトレジスト層を形成した。
パターン形成工程としては、REDのフィルタアレイに対応する領域を、i線ステッパー(キャノン(株)製、FPA3000i5+)にて350mJ/cm2のパターン露光を行い、110℃で1分間の加熱処理を実施した後、現像液「FHD−5」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)で1分間の現像処理後、110℃で2分間のポストベーク処理を実施して、REDのフィルタアレイを形成すべき領域のフォトレジストを除去し、1.4μm×1.4μmサイズのアイランドパターン(レジストパターン)を形成した。
エッチング工程としては、ドライエッチング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、U−621)にて、RFパワー:800W、アンテナバイアス:400W、ウエハバイアス:200W、チャンバーの内部圧力:4.0Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をCF4:200mL/min.、O2:50mL/min.、Ar:800mL/min.とし、111秒のエッチング処理を実施した。
エッチング条件でのSG−5000Lのエッチングレートは326nm/minであって、着色層の削れ量は603nmであった。従って、エッチング工程において、SG−5000Lで形成された着色層がすべて除去された。
レジストパターン除去工程としては、フォトレジスト剥離液「MS−230C」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を使用して、120秒の剥離処理を実施して、レジストパターンの除去を行った。
以上の手順に従い、カラーフィルターパターンを形成し、単色のカラーフィルタを作製した。
(剥がれ評価)
上記で作製したカラーフィルタについて、パターン剥がれの発生数を、Applied Materials technology社製の欠陥検査装置ComPLUS3にて検査し、欠陥部分を検出し、これら欠陥部位より剥がれによる欠陥数を抽出した。より具体的には、上記装置を用いて、上記で作製された100億個の1.4μm×1.4μmのピクセル状のカラーフィルタ(パターン化された着色層)のうち、剥がれが生じているカラーフィルタの数(剥がれ欠陥数)を測定し、下記の評価基準により評価した。実用上、A又はBである必要がある。
〜評価基準〜
A:剥がれ欠陥数が0個以上10個以下
B:剥がれ欠陥数が11個以上20個以下(実用上許容できる程度)
C:剥がれ欠陥数が21個以上
<実施例2〜12、比較例1>
以下の表1に示すように、使用する材料及び成分比を変更して、上記実施例1と同様の手順に従って、カラーフィルタを製造し、剥がれ評価を行った。
また、表1に示す「二酸化チタン」の一次粒子径は40nmであり、「酸化ジルコニウム」の一次粒子径は20nmであった。
また、比較例1では、硬化膜中に金属酸化物粒子が含まれていない。
なお、表1に示す「B−2」は以下の化合物である。
分散剤B−2は、以下の手順に従って、合成した。
ポリエチレンイミン(SP−018、数平均分子量1,800、日本触媒製)10g及び、以下のポリエステル(i−1)100gを混合し、120℃で3時間加熱して、中間体を得た。その後、65℃まで放冷し、無水コハク酸2.3gを含有するプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート(以下、PGMEAと称することがある)200gをゆっくり添加し2時間攪拌し、分散剤B−2を得た。
中間体の酸価滴定を行ったところ、酸価が6.4mgKOH/gであることが確認できた。また、分散剤B−2のアミン価滴定、酸滴定を行ったところ、酸価が17.9mgKOH/g、アミン価が46.2mgKOH/gであった。すなわち、分散剤B−2の酸価と中間体の酸価の差より、(k)が、分散剤B−2のアミン価と反応前の樹脂の窒素原子数の差より(l1+l2)が、中間体の酸価より(m1+m2)のモル%が計算でき、k/(l1+l2)/(m1+m2)/n=10/50/5/35であった。
また、GPC法による重量平均分子量は15,000であった。
<比較例2>
一次粒子径が1nm〜100nmの金属酸化物粒子を含有する硬化膜のかわりに、ACCUGLASS(ラサ工業社製)を用いた以外は、上記実施例1と同様の手順に従って、カラーフィルタを製造し、剥がれ評価を行った。
なお、比較例2は、上述した特許文献1で具体的に開示される態様に該当する。
上記表1中、「分散液量」は、硬化膜形成用組成物中に加えられる金属酸化物微粒子分散液(分散組成物)の質量部を意図する。
「重合性化合物」欄の「量」欄は、硬化膜形成用組成物中に加えられる重合性化合物の質量部を意図する。
「バインダーポリマー」欄の「量」欄は、硬化膜形成用組成物中に加えられるバインダーポリマーの質量部を意図する。
「界面活性剤」欄の「量」欄は、硬化膜形成用組成物中に加えられる界面活性剤の質量部を意図する。
「PGMEA量」欄は、硬化膜形成用組成物中に加えられるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)の質量部を意図する。
「金属酸化物含有量」欄は、硬化膜中における金属酸化物粒子の含有量(質量%:wt%)を意図する。
「剥がれ数」欄は、剥がれ欠陥数を意図する。
表1中、DPHAは、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)社製)を意味する。
表1中、OXE−01はBASF社製の開始剤である。
表1に示すように、本発明の製造方法で得られたカラーフィルタにおいては、レジストパターンの剥離後のパターン剥がれが少なく良好であった。
なかでも、実施例1と10との比較より、金属酸化物粒子として酸化チタンを使用した場合、よりパターン剥がれが少なくなることが確認された。
また、実施例1〜8の比較より、硬化膜中における金属酸化物粒子の含有量が、硬化膜全質量に対して、50質量%以上77質量%以下である場合(実施例1〜3の場合)、よりパターン剥がれが少なくなることが確認された。
また、実施例1と9との比較より、上述した一般式(1)で表される高分子化合物を使用した場合、よりパターン剥がれが少なくなることが確認された。
また、実施例1と11との比較より、重合性化合物として分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物を使用した場合、よりパターン剥がれが少なくなることが確認された。
一方、硬化膜を設けなかった比較例1、及び、特許文献1に具体的に開示されている比較例2では、パターン剥がれが多く、効果が劣っていた。
1…固体撮像装置,1a…基板(支持体),2…半導体基板,3…固体撮像素子,4…転送チャネル,5…転送電極,6…BPSG膜,7…層内レンズ,8…カラーフィルタ,9…マイクロレンズ,10…平坦化層,20…硬化膜,21…着色層,22…フォトレジスト層,24…レジストパターン,26…硬化膜露出部

Claims (6)

  1. 支持体上に、一次粒子径が1nm〜100nmの金属酸化物粒子を含有する硬化膜を形成する硬化膜形成工程と、
    前記硬化膜上に、着色層を形成する着色層形成工程と、
    前記着色層上に、フォトレジスト層を形成するフォトレジスト層形成工程と、
    前記フォトレジスト層をパターン様に除去することにより、前記着色層上にレジストパターンを形成するパターン形成工程と、
    前記レジストパターンをエッチングマスクとして、エッチングガスを用いたドライエッチング法によって着色層をエッチングするエッチング工程と、
    前記エッチング工程後に残存する前記レジストパターンを除去するレジストパターン除去工程と、を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記硬化膜中における前記金属酸化物粒子の含有量が、前記硬化膜全質量に対して、50質量%以上77質量%以下である、請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記金属酸化物粒子が、二酸化チタン及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記硬化膜の厚さが5nmから500nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記硬化膜が、重量平均分子量10000以下の下記一般式(1)で表される高分子化合物(A)を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
    (一般式(1)中、R1は、(m+n)価の連結基を表す。R2は、単結合又は2価の連結基を表す。A1は、炭化水素基、酸性基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、複素環基、イミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及び水酸基からなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基を表す。n個のA1及びR2は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
    mは8以下の正の数、nは1〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。
    1はポリマー鎖を表す。m個のP1は、同一であっても、異なっていてもよい。)
  6. 前記硬化膜形成工程が、前記金属酸化物粒子と分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物とを少なくとも含む硬化膜形成用組成物を用いて硬化膜を形成する工程である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
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