JP4044362B2 - 有機el素子の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光層がパターン形成されたエレクトロルミネッセンス(EL)素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
EL素子は、図15に示すように、対向する電極2,7から注入された正孔および電子が有機発光層5内で結合し、そのエネルギーで発光層5中の蛍光物質を励起し、蛍光物質に応じた色の発光を行うものであり、自発光の面状表示素子として注目されている。
【0003】
その中でも有機物質を発光材料として用いた有機薄膜ELディスプレイは、印加電圧が10V弱であっても高輝度な発光が実現するなど、発光効率が高く、単純な素子構造で発光が可能で、特定のパターンを発光表示させる広告、その他の低価格の簡易表示ディスプレイヘの応用が期待されている。
【0004】
このようなEL素子を用いたディスプレイの製造にあっては、電極層や有機発光層のパターニングが通常なされている。このEL素子のパターニング方法としては、発光層材料をシャドウマスクを介して電極基板に蒸着する方法、インクジェット方式により発光材料を塗り分ける方法、紫外線照射により特定の発光層を破壊する方法、スクリーン印刷法で発光層を形成する方法などがある。しかしながら、これらの方法では、発光効率や光の取り出し効率の高さ、製造工程の簡便さや、高精細なパターン形成の全てを実現するEL素子を提供することはできなかった。
【0005】
このような問題点を解決する手段として、発光層をフォトリソグラフィー法を用いてパターニングして形成するEL素子の製造方法が提案されている。この方法によれば、従来行われてきた蒸着によるパターニング法と比較すると、高精度のアライメント機構を備えた真空設備などが不要であることから、比較的容易にかつ安価に製造することができる。
【0006】
一方、フォトリソグラフィー法をインクジェット方式を用いた発光層のパターニング方法と比較すると、パターニングを補助する構造物や基体に対する前処理などを行うことがない点で好ましく、さらにインクジェット方式の吐出精度との関係から、フォトリソグラフィー方法の方が、より高精細なパターンの形成に対して好ましい方法であるといえる。しかし、フォトリソグラフィー法によると、使用するレジスト溶液の溶媒が発光層を溶解・膨潤するなどの問題があり、発光層に悪影響を与えないレジスト溶液を選定する必要がある。このような注意を怠ると、レジスト溶液の溶媒やレジストの現像液が発光層へ侵食し、EL素子特性の劣化の原因となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、上記問題点に解決し、発光効率や取り出し効率の高さ、製造工程の簡便さや、高精細なパターンの形成といったフォトリソグラフィー法による利点を有しつつ、フォトレジスト溶媒および現像液による発光層の特性劣化を抑制するフォトリソグラフィー法によるEL素子の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、パターニングされた有機発光層を少なくとも有する有機EL素子の製造方法において、上記パターニングをドライフイルムレジストを用いるフォトリソグラフィー法により行なう際に、前記ドライフイルムレジストが、所望のパターンに現像されており、上記パターン化されたレジストを発光層上に積層し、レジストが存在しない領域の発光層をエッチングして除去した後、レジストパターンを除去することを特徴とする有機EL素子の製造方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、前記発光層のパターニングを3回行ない、EL素子をフルカラー表示可能にする前記の有機EL素子の製造方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。図1〜図5が本発明の基本的実施形態を説明している。図1は、例えば、ITOなどの透明電極が形成されている基板上に第一の有機発光層が形成された状態を示している。有機発光性材料については後述する。有機発光層の形成に際しては予め電極上に図15に示す如きバッファー層、正孔注入層などを形成しておくことができる。この発光層形成工程は従来技術と同様である。
【0014】
本発明では、フォトリソグラフィー法による発光層のパターニングに、レジスト溶液を使用せずに、ドライフイルムレジストを使用することを特徴としている。ドライフイルムレジストについては後述する。
【0015】
本発明の参考例では、上記ドライフイルムレジストを、図2に示すように発光層の表面に転写後、図3に示すように所望のパターンを有するマスクを介してレジスト層を露光する。図3に示すレジストはポジ型である。勿論、ネガ型のドライフイルムレジストも使用できる。次いで現像を行なうことにより、図4に示すように第一レジスト層がパターン化される。この現像に際して使用する現像液の溶媒は発光層に対して悪影響を与えない溶媒を使用することが好ましい。
【0016】
次いで、図5に示すように、現像工程を経た積層物は、湿式(ウエット)または乾式(ドライ)によりエッチングすることにより、第一レジスト層が存在しない領域の第一発光層が除去され、有機発光層がパターニングされる。この状態で残っているレジスト層を除去し、図15に示す如き構成にすることによりEL素子が得られる。上記のパターニングは何れのパターンでもよく、代表的にはストライプ型またはドット型が挙げられる。なお、エッチングは湿式でも乾式でもよいが、溶剤を使用しないドライエッチングが好ましい。ドライエッチングについては後述する
【0017】
図1〜図12は、本発明の参考例の方法によりフルカラー表示可能なEL素子の製造を説明する図である。前記の通り図1〜図5の工程で得られた構成物に、図6に示すように第二の有機発光層を形成する。続いて図2〜図4に示したと同様な方法でドライレジストフイルムから第二のレジスト層を形成する(図7)。これを図8に示すようにエッチングすることにより、不要な第二発光層を除去する。さらに図9に示すように第三の発光層を形成する。
【0018】
この構成物に前記図2および図3に示すと同様な方法で第三のレジスト層を形成する(図10)。次いで図11に示すように第三のエッチングを行い、不要な第三の発光層を除去し、図12に示す様に全てのレジスト層を除去することにより、3色に発光する有機発光層からなるパターニングされた有機発光層が形成される。3種の発光層を、例えば、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の発光層とし、これらの発光層をストライプ状またはドット状にパターニングすることにより、フルカラー表示可能なEL素子とすることができる。
【0019】
図13および図14は、本発明の実施形態を示している。この実施形態では、図13に示すように、予めドライレジストフイルムを所望のパターンに露光および現像しておき、パターニングされたドライフイルムレジストを用いる。このパターニングされたドライフイルムレジストを図14に示す如く発光層の表面に転写し、以下図5に示すように発光層をパターニングする。
【0020】
この実施形態においては、レジスト層の現像を発光層の表面で行なわないことから、現像液の発光層に対する悪影響を生じることがない。また、この実施形態において前記図1〜図12に示すと同様に処理することにより、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の発光層をストライプ状またはドットマトリックス状にパターニングすることにより、フルカラー表示可能なEL素子とすることができる。
【0021】
本発明の方法は以上の通りであるが、上記本発明で使用する各材料および方法についてさらに説明する。
(基板)
本発明で使用するEL素子の基板としては、従来のEL素子に使用されているガラスや透明プラスチックシートなどの基板であればよく特に限定されない。これらの基板の厚みは通常約0.1〜2.0mmである。
【0022】
(電極層)
本発明においては、図15に示す基板1上に第一電極層2を形成し、また、前記発光層5の上には第二電極層7を形成する。このような電極層は従来のEL素子に使用されているものでよく、特に限定されない。これらの電極層は、陽極2と陰極7とからなり、陽極2と陰極7の何れか一方が透明または半透明であり、陽極2として正孔が注入しやすいように仕事関数の大きい導電性材料から形成することが好ましい。また、複数の材料を混合して形成してもよい。一般的には金属材料が用いられるが、有機物または無機物であってもよい。
【0023】
好ましい陽極材料としては、例えば、酸化インジウムや金などが挙げられる。好ましい陰極材料としては、例えば、マグネシウム合金(Mg−Agなど)、アルミニウム合金(Al−Li、Al−Ca、Al−Mgなど)、金属カルシウムおよび仕事関数の小さい金属が挙げられる。これらの電極層の厚みは、それぞれ通常約20〜1000Åである。
【0024】
(電荷注入層)
本発明のEL素子には、図15に示すように、電極層2,7と発光層5との間に他の層が形成されていてもよい。この層には、バッファー層、正孔注入層および/または電子注入層が含まれる。これらは、例えば、特開平11−4011号公報に記載のもののように、従来のEL素子に一般に用いられているものであれば特に限定されない。
【0025】
(発光層)
第一電極2上に形成する有機発光層5は、主として蛍光を発光する有機物(低分子化合物および高分子化合物)と、これを補助するドーパントとから通常形成される。このような発光材料としては、例えば、下記の如き材料が挙げられる。
1.色素系材料
色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどが挙げられる。
【0026】
2.金属錯体系材料
金属錯体系材料としては、例えば、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体など、中心金属に、Al、Zn、BeなどまたはTb、Eu、Dyなどの希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを有する金属錯体などを挙げることができる。
【0027】
3.高分子系材料
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどが挙げられる。
【0028】
上記発光性材料のうち、青色に発光する材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、およびそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体やポリフルオレン誘導体などが好ましい。
【0029】
また、緑色に発光する材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
【0030】
また、赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
【0031】
(ドーパント材料)
発光層中に発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的で、ドーパントを添加することができる。このようなドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルプレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィレン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。
以上の如き有機発光層の厚みは、それぞれ通常約20〜2000Åである。
【0032】
(バッファー層)
本発明では、発光層を形成する工程の他にバッファー層を形成する工程を有してもよい、本発明でいうバッファー層とは、発光層に電荷の注入が容易に行われるように、陽極と発光層との間に、または陰極と発光層との間に設けられ、有機物、特に有機導電体などを含む層である。例えば、発光層への正孔注入効率を高めて、電極などの凹凸を平坦化する機能を有する導電性高分子から形成することができる。以上の如きバッファー層の厚みは、通常約100〜2000Åである。
【0033】
上記バッファー層は、その導電性が高い場合、素子のダイオード特性を保ち、クロストークを防ぐために、パターニングされていることが望ましい。なお、バッファー層の抵抗が高い場合などはパターニングされていなくてもよい場合があり、また、バッファー層が省ける素子の場合はバッファー層は設けなくてもよい場合がある。
【0034】
バッファー層を形成する材料としては、具体的には、ポリアルキルチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、トリフェニルアミンなどの正孔輸送性物質の重合体、無機化合物のゾルゲル膜、トリフルオロメタンなどの有機物の重合膜、ルイス酸を含む有機化合物膜などが挙げられる。
【0035】
以上の如き発光層やバッファー層を形成する方法としては通常の発光層などの形成と同様であって、特に制限されないが、蒸着法のほかに電着法、材料の溶融液、溶液または混合液を使用するスピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコーティング法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法などが挙げられる。
【0036】
(ドライフイルムレジスト)
本発明を主として特徴づけるドライフイルムレジストとは、ポリエチレンテレフタレートなどの基材フイルムの表面に、溶剤を含まずかつ転写可能なレジスト層が形成されているものである。該レジスト層が、紫外線などによる露光部分が光反応により現像液により現像除去可能となるポジ型と、露光部分が光反応により現像液に不溶になり、未露光領域が現像液により現像除去できるネガ型の2種がある。
【0037】
これらのドライフイルムレジストは、適当な基材フィルム上に光分解性樹脂(ポジ型)または光硬化性樹脂(ネガ型)を塗布し、溶剤を乾燥させレジスト層を形成して得られる。該レジスト層の厚みは通常約1〜30μm程度である。また、これらのドライフイルムレジストは、ネガ型に限りサンフォートなどの商品名(旭化成社製)で市場から入手して使用できる。
【0038】
(エッチング法)
本発明において、発光層(およびバッファー層)のエッチング方法は、溶剤などを用いる湿式法でもよいが、発光層に悪影響を与えないドライエッチングが好ましい。ドライエッチング法としては反応性イオンエッチング法が好ましい。反応性イオンエッチング法を用いることにより、有機発光層が化学的に反応を受け、分子量の小さい化合物になることにより、気化・蒸発して基板上から除去することができ、エッチング精度が高くかつ短時間での加工が可能となる。
【0039】
上記ドライエッチングに際して、酸素単体または酸素を含むガスを用いることが好ましい。酸素単体または酸素を含むガスを用いることで、有機発光層の酸化反応による分解除去が可能であり、基板上から不要な有機物を除去することができ、エッチング精度が高くかつ短時間での加工が可能となる。また、この条件では通常用いられるITOなどの酸化物透明導電膜をエッチングすることがないので、電極特性を損なうことなく、電極表面を浄化することができる点においても効果的である。
【0040】
さらに上記ドライエッチングに、大気圧プラズマを用いることが好ましい。大気圧プラズマを用いることで、通常真空装置が必要であるドライエッチングを大気圧下で行うことができ、処理時間の短縮やコストの低減が可能である。この場合、エッチングはプラズマ化した大気中の酸素によって有機発光層が酸化分解することを利用することができるが、ガスの置換および循環によって反応雰囲気のガス組成を任意に調整してもよい。
【0041】
(絶縁層)
本発明のEL素子において、基板上に形成されている第一電極層のパターニングしたエッジ部分および素子の非発光部分を覆い、発光に不要な部分での短絡を防ぐために、絶縁層を発光部分が開口となるように予め設けておいてもよい。このようにすることで、素子の短絡などによる欠陥が低減し、長寿命で安定発光する素子が得られる。
【0042】
このような絶縁層は、例えば、紫外線硬化性樹脂などを用いて1μm程度の膜厚でパターン形成できるが、本発明においてドライエッチングで発光層をパターニングする場合、絶縁層はドライエッチング耐性があることが望ましく、耐性が小さい場合は、1μm以上、例えば、1.5〜10μmの膜厚に形成し、ドライエッチングで欠損しないようにすることが好ましく、さらに好ましくは2〜5μmの膜厚で形成することができる。
【0043】
【実施例】
次に、参考例および実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
参考例1>
板厚1.1mmで、サイズ6インチ□のパターニングされたITO基板を洗浄した。この基板上にバッファー層塗布液(バイエル製 BaytronP)を0.5mlとり、基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2,500rpmで20秒間保持してバッファー層の形成を行った。この結果、バッファー層の膜厚は800Åとなった。
【0044】
第一有機発光層として、バッファー層上に赤色発光性材料である塗布液(ポリビニルカルバゾール70重量部、オキサジアゾール30重量部、ジシアノメチレンピラン誘導体1重量部、モノクロロベンゼン4900重量部)を1mlとり、基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2,000rpmで10秒間保持して第一有機発光層を形成した(図1)。この結果、第一有機発光層の膜厚は800Åとなった。
【0045】
次にポジ型のレジスト(商品名OFPR−800、東京応化社製)を厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(商品名ルミラー、東レ社製)の表面に厚さ2μmとなるように塗布しドライフイルムレジストを作製した。前記ドライフイルムレジストを、第一有機発光層上へ張り合わせ、ラミネーターにより熱圧着し、レジスト層の積層を行った。この結果、レジスト層の膜厚は約2μmとなった(図2)。その後、上記構成物をアライメント露光機に露光マスクとともにセットし、第一色目の有機発光層以外の有機発光層を除去すべき部分に紫外線露光した(図3)。次いでレジスト現像液(東京応化製NMD−3)で20秒間現像後、水洗し、露光部のフォトレジストを除去した(図4)。次いでドライエッチングにて、フォトレジストが除去された部分の有機発光層およびバッファー層を除去し、第一の有機発光層のパターンを得た(図5)。
【0046】
次に第二バッファー層として前記バッファー層と同様にバッファー層塗布液(バイエル製 BaytronP)を0.5mlとり、第一有機発光層のパターンを有する基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2,500rpmで20秒間保持して層形成を行った。この結果、第二のバッファー層の膜厚は800Åとなった。
【0047】
第二有機発光層として、緑色発光性材料である塗布液(ポリビニルカルバゾール70重量部、オキサジアゾール30重量部、クマリン6の1重量部、モノクロロベンゼン4900重量部)を1mlとり、第二のバッファー層を有する基板面の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2,000rpmで10秒間保持して層形成を行った(図6)。この結果、第二有機発光層の膜厚は800Åとなった。
【0048】
次に前記と同じドライフィルムレジストを、第二有機発光層を有する基板面に張り合わせ、ラミネーターにより熱圧着し、第二のレジスト層の積層を行った。
この結果、第二のレジスト層の膜厚は約2μmとなった(図7)。その後、アライメント露光機に露光マスクとともにセットし、第二色目の有機発光部以外の有機発光層を除去すべき部分に紫外線露光した。レジスト現像液(東京応化製NMD−3)で20秒間現像後、水洗し、露光部のフォトレジストを除去した。ドライエッチングにて第二有機発光層以外の部分の有機発光層およびバッファー層を除去し、第二有機発光層のパターンを得た(図8)。
【0049】
第三バッファー層として前記バッファー層と同様にバッファー層塗布液(バイエル製 BaytronP)を0.5mlとり、第一および第二の有機発光層を有する基板面の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2,500rpmで20秒間保持して層形成を行った。この結果、バッファー層の膜厚は800Åとなった。
【0050】
第三有機発光層として、青色発光性材料である塗布液(ポリビニルカルバゾール70重量部、オキサジアゾール30重量部、ペリレン1重量部、モノクロロベンゼン4900重量部)の1質量%キシレン溶液を1mlとり、第三バッファー層を有する基板面の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2,000rpmで10秒間保持して層形成を行った。この結果、第三有機発光層の膜厚は800Åとなった(図9)。
【0051】
前記と同じドライフィルムレジストを、第三有機発光層を有する基板面に張り合わせ、ラミネーターにより熱圧着し、レジスト層の積層を行った。この結果、レジスト層の膜厚は約2μmとなった。その後、上記構造物をアライメント露光機に露光マスクとともにセットし、三色目の有機発光層以外の有機発光層を除去すべき部分に紫外線露光した。次いでレジスト現像液(東京応化製NMD−3)で20秒間現像後、水洗し、露光部のフォトレジストを除去した(図10)。
【0052】
次いでドライエッチングにて第三有機発光層以外の部分の有機発光層およびバッファー層を除去し、第三発光層のパターンを得た(図11)。このようにして得られた基板を酢酸エチル浴中に浸漬して、発光層上のフォトレジストをすべて除去し、パターニングされた発光層を露出させた(図12)。
【0053】
100℃で1時間乾燥した後、得られた基板上に第二電極層としてCaを500Å、さらに保護層としてAgを2,500Åの厚みで蒸着し、本発明のEL素子を作製した。ITO電極側を正極に、そしてAg電極側を負極に接続し、ソースメーターにより、直流電流を印加した。10V印加時に第一〜第三の有機発光層のそれぞれより発光が認められた。
【0054】
<実施例
板厚1.1mmで、サイズ6インチ□のパターニングされたITO基板を洗浄した。この基板上にバッファー層塗布液(バイエル製 BaytronP)を0.5mlとり、基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2,500rpmで20秒間保持してバッファー層の形成を行った。この結果、バッファー層の膜厚は800Åとなった。
【0055】
第一有機発光層として、バッファー層上に赤色発光性材料である塗布液(ポリビニルカルバゾール70重量部、オキサジアゾール30重量部、ジシアノメチレンピラン誘導体1重量部、モノクロロベンゼン4900重量部)を1mlとり、基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2,000rpmで10秒間保持して第一有機発光層を形成した。この結果、第一有機発光層の膜厚は800Åとなった(図1)。
【0056】
次にポジ型のレジスト(商品名OFPR−800、東京応化社製)を厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(商品名ルミラー、東レ社製)の表面に厚さ2μmとなるように塗布しドライフイルムレジストを作製した。前記ドライフィルムレジストに第一有機発光層を残すように露光および現像を行ない、パターンニングされたドライフイルムレジストとした(図13)。このレジストフイルムを、第一有機発光層上へ張り合わせ、ラミネーターにより熱圧着し、レジスト層の積層を行った(図14)。この結果、レジスト層の膜厚は約2μmとなった。その後、ドライエッチングにて、フォトレジストが除去された部分の第一有機発光層およびバッファー層を除去し、第一有機発光層のパターンを得た。
【0057】
次に第二バッファー層として前記バッファー層と同様にバッファー層塗布液(バイエル製 BaytronP)を0.5mlとり、第一有機発光層のパターンを有する基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2,500rpmで20秒間保持して第二バッファー層の形成を行った。この結果、第二のバッファー層の膜厚は800Åとなった。
【0058】
第二有機発光層として緑色発光性材料である塗布液(ポリビニルカルバゾール70重量部、オキサジアゾール30重量部、クマリン6の1重量部、モノクロロベンゼン4900重量部)を1mlとり、第二のバッファー層を有する基板面の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2,000rpmで10秒間保持して層形成を行った。この結果、第二有機発光層の膜厚は800Åとなった。
【0059】
次に前記ドライフィルムレジストに、第二有機発光層を残すように露光および現像を行ない、パターンニングされたドライフイルムレジストとした。このレジストフイルムを、第二有機発光層上に張り合わせ、ラミネーターにより熱圧着し、レジスト層の積層を行った。この結果、レジスト層の膜厚は約2μmとなった。その後、ドライエッチングにて、フォトレジストが除去された部分の有機発光層およびバッファー層を除去し、第二有機発光層のパターンを得た。
【0060】
第三バッファー層として前記バッファー層と同様にバッファー層塗布液(バイエル製 BaytronP)を0.5mlとり、第一および第二の有機発光層を有する基板面の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2,500rpmで20秒間保持して層形成を行った。この結果、バッファー層の膜厚は800Åとなった。
【0061】
第三有機発光層として青色発光性材料である塗布液(ポリビニルカルバゾール70重量部、オキサジアゾール30重量部、ぺリレン1重量部、モノクロロベンゼン4900重量部)を1mlとり、第三バッファー層を有する基板面の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2,000rpmで10秒間保持して層形成を行った。この結果、第三有機発光層の膜厚は800Åとなった。
【0062】
前記ドライフイルムレジストに、第三有機発光層を残すように露光および現像を行ない、パターニングされたドライフイルムレジストとした。このドライフイルムレジストを第三有機発光層を有する基板面に張り合わせ、ラミネーターにより熱圧着し、レジスト層の積層を行った。この結果、レジスト層の膜厚は約2μmとなった。その後、ドライエッチングにて第三有機発光層以外の部分の有機発光層およびバッファー層を除去し、第三発光層のパターンを得た。このようにして得られた基板を酢酸エチル浴中に浸漬して、発光層上のフォトレジストをすべて除去し、パターニングされた発光層を露出させた。
【0063】
100℃で1時間乾燥した後、得られた基板上に第二電極層としてCaを500Å、さらに保護層としてAgを2,500Åの厚みで蒸着し、本発明のEL素子を作製した。ITO電極側を正極に、そしてAg電極側を負極に接続し、ソースメーターにより、直流電流を印加した。10V印加時に第一〜第三の有機発光層のそれぞれより発光が認められた。
【0064】
【発明の効果】
以上の如き本発明によれば、発光効率や取り出し効率の高さ、製造工程の簡便さや高精細なパターンの形成といったフォトリソグラフィー法による利点を有しつつ、フォトレジスト溶媒および現像液による発光層の特性劣化を抑制するフォトリソグラフィー法によるEL素子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例の製造方法を説明する図。
【図2】 参考例の製造方法を説明する図。
【図3】 参考例の製造方法を説明する図。
【図4】 参考例の製造方法を説明する図。
【図5】 参考例の製造方法を説明する図。
【図6】 参考例の製造方法を説明する図。
【図7】 参考例の製造方法を説明する図。
【図8】 参考例の製造方法を説明する図。
【図9】 参考例の製造方法を説明する図。
【図10】 参考例の製造方法を説明する図。
【図11】 参考例の製造方法を説明する図。
【図12】 参考例の製造方法を説明する図。
【図13】 本発明の製造方法を説明する図。
【図14】 本発明の製造方法を説明する図。
【図15】 EL素子の基本構成を説明する図。

Claims (2)

  1. パターニングされた有機発光層を少なくとも有する有機EL素子の製造方法において、上記パターニングをドライフイルムレジストを用いるフォトリソグラフィー法により行なう際に、前記ドライフイルムレジストが、所望のパターンに現像されており、上記パターン化されたレジストを発光層上に積層し、レジストが存在しない領域の発光層をエッチングして除去した後、レジストパターンを除去することを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  2. 前記発光層のパターニングを3回行ない、EL素子をフルカラー表示可能にする請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
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