JP4426190B2 - エレクトロルミネッセント素子の製造方法 - Google Patents

エレクトロルミネッセント素子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトリソグラフィー法を用いて形成された発光層を有するエレクトロルミネッセント(以下、エレクトロルミネッセントをELと略す場合がある。)素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
EL素子は、対向する電極から注入された正孔および電子が発光層内で結合し、そのエネルギーで発光層中の蛍光物質を励起し、蛍光物質に応じた色の発光を行うものであり、自発光の面状表示素子として注目されている。その中でも、有機物質を発光材料として用いた有機薄膜ELディスプレイは、印加電圧が10V弱であっても高輝度な発光が実現するなど発光効率が高く、単純な素子構造で発光が可能で、特定のパターンを発光表示させる広告その他低価格の簡易表示ディスプレイへの応用が期待されている。
【0003】
このようなEL素子を用いたディスプレイの製造にあっては、第1電極層や有機EL層のパターニングが通常なされている。このEL素子のパターニング方法としては、発光材料をシャドウマスクを介して蒸着する方法、インクジェットによる塗りわけ方法、紫外線照射により特定の発光色素を破壊する方法、スクリーン印刷法等がある。しかしながら、これらの方法では、発光効率や光の取り出し効率の高さ、製造工程の簡便さや高精細なパターン形成の全てを実現するEL素子を提供することはできなかった。
【0004】
このような問題点を解決する手段として、発光層をフォトリソグラフィー法によりパターニングすることにより形成するEL素子の製造方法が提案されている。この方法によれば、従来行われてきた蒸着によるパターニング法と比較すると、高精度のアライメント機構を備えた真空設備等が不要であることから、比較的容易にかつ安価に製造することができる。一方、インクジェット方式を用いたパターニング法と比較すると、パターニングを補助する構造物や基板に対する前処理等を行うことがない点で好ましく、さらにインクジェットヘッドの吐出精度との関係から、フォトリソグラフィー法による製造方法の方がより高精細なパターンの形成に対しては好ましい方法であるといった利点を有するものであった。
【0005】
このようなフォトリソグラフィー法により複数の発光部を形成する方法としては、例えば図3に示す方法が提案されている。
【0006】
まず、図3(a)に示すように第1電極層(図示せず)を有する基板1上に、第1発光層用塗工液2を全面に塗布する。次いで、図3(b)に示すようにポジ型レジスト3を全面塗布し、図3(c)に示すように第1発光部を形成する部分のみをフォトマスク6でマスクし、その部分以外を紫外線7で露光する。
【0007】
これをレジスト現像液によって現像し、水洗することにより、図3(d)に示すように露光部のレジストが除去されて、露光されていない部分のみレジスト3が残る。さらに発光層の溶媒等によって現像すると、図3(e)に示すように露出した第1発光層2が除去され、レジスト3とレジスト3に被覆された第1発光部2´が残る。
【0008】
次いで第1発光部2´の形成と同様に、図3(f)に示すように第2発光層用塗工液5およびポジ型レジスト3´を全面に塗布する。この際、図3(f)からも明らかなように、上記全面に塗布された第2発光層用塗工液5と、第1発光部2´とが接触する部分が生じる。すなわち、上述したように基体1上に残る第1発光部2´はポジ型レジスト3にその表面を覆われているが、発光層現像液により現像された端部aは露出した状態となっている。したがって、この発光部2´上に上記第2発光層用塗工液5を塗布すると、この端部aにおいて第1発光部2´と第2発光層用塗工液とが接触するのである。これにより、第1発光部が第2発光層用塗工液に溶出して、混色や画素細りといった不具合が発生する問題があった。
【0009】
次に図3(g)に示すように第1および第2発光部を形成する部分をフォトマスク6でマスクし、それ以外を紫外線7で露光する。
【0010】
これをレジスト現像液によって現像、水洗することにより、図3(h)に示すように露光部のレジスト3´が除去される。さらに発光層の溶媒によって現像すると、図3(i)に示すように露出した第2発光層5のみが除去され、レジスト3に被覆された第2発光部5´が形成される。
【0011】
さらに第1および第2発光部の形成と同様に、図3(j)に示すように第3発光層用塗工液9およびポジ型レジスト3´´を塗布する。この際、図3(j)からも明らかなように、最初に形成された第1発光部2´の端部aにおいて第1発光部と第3発光層用塗工液9が接触し、さらに第2発光部5´の端部bにおいて、第2発光部5´と第3発光層用塗工液9とが接触する。これにより、第3発光層用塗工液中に第1発光部2´および第2発光部5´が溶出し、混色、画素細り等の問題が生じる可能性があった。
【0012】
続いて、図3(k)に示すように第1、第2および第3発光部を形成する部分をフォトマスク6でマスクし、その部分以外を紫外線7で露光する。これをレジスト現像液によって現像、水洗することにより、図3(l)に示すように、露光部のレジスト3´´が除去される。さらに発光層の溶媒によって現像すると、図3(m)に示すように露出した第3発光層9のみ除去され、レジスト3´´に被覆された部分9´が残る。続いてレジスト剥離液により剥離処理をすることにより、レジストが形成された部分から上の層が剥離し、図3(n)に示すように、第1発光部2´、第2発光部5´、および第3発光部9´の3色の発光部形成される。これらの発光部上に第2電極層を形成すると図の下方にEL発光を放つEL素子が製造できる。
【0013】
上述したように、このフォトリソグラフィー法によると、パターニングされた第1発光部の端部aや第2発光部の端部bがフォトレジスト層によって被覆されていないため、後の発光層用塗工液を塗布する際、その端部で、パターニングされた発光部が後に塗布する発光層用塗工液に溶出し、混色や画素細りが生じるといった問題があった。
【0014】
また、例えば図3(m)に示すように、第1発光層2´や第2発光層5´上に、複数の発光層やフォトレジスト層が積層されていることから、発光層のみを得るための剥離処理を行う際に、フォトレジスト層においてフォトレジスト剥離液と接触する面積が微小であり、このため、フォトレジスト剥離液の作用が充分にフォトレジスト層に及ぼされるのに非常に長い時間を要するといった問題があった。長時間フォトレジスト剥離液に基板を曝すことは、製造効率上不利であると同時に、フォトレジスト剥離液の影響から、パターン形成された層が膨潤および溶出するといった不都合が生じる場合がある。そこで、剥離処理を行う際に、フォトレジスト剥離液が作用しやすい状態となるような方法も要求されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、フォトリソグラフィー法を用いて発光部を形成する際に、パターン状に形成された各発光部上に何層も余分な層が積層されている状態を回避し、その余分な層の剥離工程において、剥離処理を容易かつ迅速に行うことができ、さらに発光層用塗工液を塗布する際、その端部で、パターニングされた発光部が後に塗布する発光層用塗工液に溶出し、混色や画素細りが生じることを防ぐことが可能なEL素子の製造方法を提供することを主目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載するように、フォトリソグラフィー法を用いたエレクトロルミネッセント素子の製造方法において、
基板上に少なくとも1色の発光部と、上記発光部およびその端部が露出しないように上記発光部を溶解しない保護層形成用塗工液を用い、パターン露光および現像を行うことによりパターニングして形成された保護層とが設けられており、上記発光部上を含む基板上に、上記発光部とは異なる色を呈する異色発光層形成用塗工液を塗布し、異色発光層を形成する異色発光層形成工程と、
上記異色発光層上にフォトレジストを塗布し、異色発光層用フォトレジスト層を形成する異色発光層用フォトレジスト層形成工程と、
上記異色発光層用フォトレジスト層をパターン露光し、現像することにより、異色発光部が形成される部分の異色発光層用フォトレジスト層のみが残存するように、パターニングする異色発光層用フォトレジスト層パターニング工程と、
上記異色発光層用フォトレジスト層が除去されて露出している異色発光層を除去することにより異色発光層用フォトレジスト層を表面に有するパターン状の異色発光部を形成する異色発光部形成工程と、
上記各発光部上の上記各フォトレジスト層および各保護層をフォトレジスト剥離液により剥離する剥離工程と、
上記剥離工程後に、上記各発光部上に第2電極層を形成する第2電極層形成工程と、
を有することを特徴とするエレクトロルミネッセント素子の製造方法を提供する。
【0017】
本発明のフォトリソグラフィー法を用いたEL素子の製造方法によれば、各発光部およびその端部を覆うように保護層を形成することから、続いて他の種類の発光部を形成する際に、発光部が端部から他の種類の発光部を形成する発光層中に溶出し、混色や画素細りが生じる等の問題を防ぐことができるのである。これにより、複数種類の高精細な発光部を有するEL素子を製造することができるのである。
【0018】
また、異なる色の異色発光部を形成する際における、異色発光部のパターニングが終了した段階で、各発光部上には異なる色の異色発光層が積層されておらず、各発光部上には、各保護層のみ、または各フォトレジスト層および各保護層のみが積層された状態とすることができる。これにより、最終的に各フォトレジスト層および各保護層を剥離する際、剥離対象となるフォトレジスト層および保護層が最上部に位置することから、フォトレジスト剥離液の作用が及びやすく、剥離処理を迅速にかつ容易に行うことができる。
【0019】
上記請求項1に記載の発明においては、請求項2に記載するように、上記異色発光部形成工程の後、上記異色発光部上に残存する上記異色発光層用フォトレジスト層を剥離する異色発光層用フォトレジスト剥離工程を行い、次いで上記異色発光層用保護層形成工程を行うことが好ましい。これは、先に形成された異色発光層用フォトレジスト層上に重ねて保護層形成用塗工液を塗布すると、異色発光層用保護層を良好に形成することが困難となる場合があるからである。従って予め異色発光層用フォトレジスト層を除去した後、全面に異色発光層用保護層を形成するようにしたものである。
【0020】
また、本発明は請求項3に記載するように、フォトリソグラフィー法を用いたエレクトロルミネッセント素子の製造方法において、
基板上に第1発光部と、上記第1発光部およびその端部が露出しないように上記第1発光部を溶解しない保護層形成用塗工液を用い、パターン露光および現像を行うことによりパターニングして形成された第1保護層とが設けられており、上記第1保護層上を含む基板上に、第2発光層形成用塗工液を塗布し、第2発光層を形成する第2発光層形成工程と、
上記第2発光層上にフォトレジストを塗布し、第2発光層用フォトレジスト層を形成する第2発光層用フォトレジスト層形成工程と、
上記第2発光層用フォトレジスト層をパターン露光し、現像することにより、第2発光部が形成される部分の第2発光層用フォトレジスト層のみが残存するように、パターニングする第2発光層用フォトレジスト層パターニング工程と、
上記第2発光層用フォトレジスト層が除去されて露出している第2発光層を除去することにより第2発光層用フォトレジスト層を表面に有するパターン状の第2発光部を形成する第2発光部形成工程と、
上記第2発光部を覆うように上記第2発光部を溶解しない保護層形成用塗工液を塗布し、第2保護層を形成する第2保護層形成工程と、
上記第2発光部およびその端部が露出しないように、上記第2保護層を露光した後、現像する第2保護層パターニング工程と、
上記基板上に第1発光部と、上記第1発光部およびその端部が露出しないように形成された第1保護層と、第2発光部と、上記第2発光部およびその端部が露出しないように形成された第2保護層とが設けられており、上記第1保護層上および第2保護層上を含む基板上に、第3発光層形成用塗工液を塗布し、第3発光層を形成する第3発光層形成工程と、
上記第3発光層上にフォトレジストを塗布し、第3発光層用フォトレジスト層を形成する第3発光層用フォトレジスト層形成工程と、
上記第3発光層用フォトレジスト層をパターン露光し、現像することにより、第3発光部が形成される部分の第3発光層用フォトレジスト層のみが残存するように、パターニングする第3発光層用フォトレジスト層パターニング工程と、
上記第3発光層用フォトレジスト層が除去されて露出している第3発光層を除去することにより第3発光層用フォトレジスト層を表面に有するパターン状の第3発光部を形成する第3発光部形成工程と、
上記各発光部上の上記各フォトレジスト層および各保護層をフォトレジスト剥離液により剥離する剥離工程と、
上記剥離工程後に、上記各発光部上に第2電極層を形成する第2電極層形成工程と、
を有することを特徴とするエレクトロルミネッセント素子の製造方法を提供する。
【0021】
本発明におけるEL素子の製造方法によれば、各発光部およびその端部が露出しないように各保護層が形成されることから、続いて他の種類の発光部を形成する際に、発光部が端部から他の種類の発光部を形成する発光層中に溶出し、混色や画素細りが生じる等の問題を防ぐことができる。
【0022】
また、本発明は、2色目の発光層のパターニングを行う際、2色目の発光部が形成される位置のみのフォトレジスト層を残存させることを特徴とする。また、これは3色目の発光層のパターニングにおいても同様である。これにより、各発光層のパターニングが終了した段階で、その発光部と異なる発光層は積層されておらず、各発光部上には、保護層または保護層およびフォトレジスト層のみ積層された状態とすることが可能となる。よって、最終的にフォトレジスト層を剥離する際、フォトレジスト剥離液を即座にフォトレジスト層または保護層に作用させることができ、フルカラーのEL素子を製造するに当たって、その製造効率を向上させることが可能となるからである。また、フォトレジスト剥離液に長時間、基板を曝す必要がないため、当該剥離液による基板等への影響を最小限に食い止めることができ、歩留まりの向上にも効果を奏する。
【0023】
上記請求項3に記載の発明においては、請求項4に記載するように、上記第2発光部形成工程の後、上記第2発光部上に残存する上記第2発光層用フォトレジスト層を剥離する第2発光層用フォトレジスト剥離工程を行い、次いで上記第2保護層形成工程を行うことが好ましい。これは、先に形成された第2発光層用フォトレジスト層上に重ねて保護層形成用塗工液を塗布すると、フォトレジスト層を良好に形成することが困難となる場合があるからである。従って予めフォトレジスト層を除去した後、全面にフォトレジスト層を形成するようにしたものである。
【0024】
上記請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項5に記載するように、上記各発光部は、上記基板上に形成された第1電極層上に形成される場合において、上記第1電極層から上記各発光部へ電荷の注入が容易に行われるように、上記第1電極層と上記各発光部との間に設けられるバッファー層と共にパターニングされてバッファー層上に形成されていることが好ましい。バッファー層は、第1電極層と発光層との間に設けられ、少なくとも1層以上の層であり、電荷注入層、電荷輸送層または電荷ブロッキング層等から構成され、またこれらの積層体である場合もある。これにより、発光層への電荷の注入を効率的に行う、または電極から注入された電荷が対向電極側につき抜けるのを防止し、注入電荷を効率的に結合させることによって、発光に寄与する役割を担う。従って、バッファー層を設けることにより電荷の注入効率および結合効率が高まり、発光効率の向上に繋がるからである。
【0025】
上記請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の発明においては、請求項6に記載するように、上記フォトリソグラフィー法を用いたエレクトロルミネッセント素子の製造方法において、各発光部形成工程が、ドライエッチングを用いて各フォトレジスト層が除去された部分の各発光層のパターニングを行う工程であることが好ましい。このように発光層をパターニングする際にドライエッチングを用いることにより、パターニング形成の目的とする発光層以外の層にパターニングによる影響を与えることが少なくなり、より高精細なEL素子の製造が可能となるからである。
【0026】
上記請求項6に記載の発明においては、請求項7に記載するように、上記ドライエッチングが、反応性イオンエッチングであってもよい。これにより、効果的に発光層またはバッファー層の除去を行うことができるからである。
【0027】
上記請求項6に記載の発明においては、請求項8に記載するように、上記ドライエッチングに、酸素単体または酸素を含むガスを用いてもよい。これにより、酸化反応により基板やITOに影響を与えることなく効果的に発光層またはバッファー層の除去が行えるからである。
【0028】
上記請求項6に記載の発明においては、請求項9に記載するように、上記ドライエッチングに大気圧プラズマを用いるものであってもよい。大気圧プラズマを用いることにより、真空工程を無くすことができ、生産性の高いパターニングが可能となるからである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のEL素子の製造方法について説明する。
【0030】
本発明のEL素子の製造方法は、フォトリソグラフィー法を用いたエレクトロルミネッセント素子の製造方法であって、
少なくとも1色の発光部と、上記発光部およびその端部が露出しないように形成された保護層とが設けられている基板上に、上記発光部とは異なる色を呈する異色発光層形成用塗工液を塗布し、異色発光層を形成する異色発光層形成工程と、
上記異色発光層上にフォトレジストを塗布し、異色発光層用フォトレジスト層を形成する異色発光層用フォトレジスト層形成工程と、
上記異色発光層用フォトレジスト層をパターン露光し、現像することにより、異色発光部が形成される部分の異色発光層用フォトレジスト層のみが残存するように、パターニングする異色発光層用フォトレジスト層パターニング工程と、
上記異色発光層用フォトレジスト層が除去されて露出している異色発光層を除去することにより異色発光層用フォトレジスト層を表面に有するパターン状の異色発光部を形成する異色発光部形成工程と、
上記異色発光部を覆うように保護層形成用塗工液を塗布し、異色発光層用保護層を形成する異色発光層用保護層形成工程と、
上記異色発光部およびその端部が露出しないように、上記異色発光層用保護層を露光した後、現像する異色発光層用保護層パターニング工程と、
を有することを特徴とする方法である。
【0031】
ここで、上記「異色発光層」とは、既にパターン形成されている発光部に対して、異なる色を呈する発光層を示し、例えば、赤色の発光部が既に基板上に形成されている場合は、緑色または青色を呈する発光層を指す。さらに赤色および緑色の2色の発光部が基板上に形成されている場合は、青色を呈する発光層を意味する。さらに、「異色発光層形成用塗工液」とはこのような異色発光層を形成する際に用いる塗工液のことを示す。
【0032】
上述したEL素子の製造方法は、2色目以降の発光部のパターニング工程を異色発光層、異色発光層形成用塗工液および異色発光部、異色発光層用フォトレジスト層、異色発光層用保護層により表現したが、以下に、その具体例として、3色の発光部で構成されるEL素子における各発光部のパターニング工程をその形成順に説明する。
【0033】
なお、以下では本発明のEL素子をフルカラーとする場合における製造方法について説明している。従って、異色発光層は第2または第3発光層として、異色発光層形成用塗工液は、第2または第3発光層形成用塗工液として、異色発光部は第2または第3発光部として、異色発光層形成用フォトレジスト層は第2または第3発光層用フォトレジスト層として、および異色発光層用保護層は、第2保護層として以下に説明するものとする。
【0034】
すなわち、このようなEL素子の製造方法は、第1発光部と、上記第1発光部およびその端部が露出しないように形成された第1保護層とが設けられている基板上に、第2発光層形成用塗工液を塗布し、第2発光層を形成する第2発光層形成工程と、
上記第2発光層上にフォトレジストを塗布し、第2発光層用フォトレジスト層を形成する第2発光層用フォトレジスト層形成工程と、
上記第2発光層用フォトレジスト層をパターン露光し、現像することにより、第2発光部が形成される部分の第2発光層用フォトレジスト層のみが残存するように、パターニングする第2発光層用フォトレジスト層パターニング工程と、
上記第2発光層用フォトレジスト層が除去されて露出している第2発光層を除去することにより第2発光層用フォトレジスト層を表面に有するパターン状の第2発光部を形成する第2発光部形成工程と、
上記第2発光部を覆うように保護層形成用塗工液を塗布し、第2保護層を形成する第2保護層形成工程と、
上記第2発光部およびその端部が露出しないように、上記第2保護層を露光した後、現像する第2保護層パターニング工程と、
第1発光部と、上記第1発光部およびその端部が露出しないように形成された第1保護層と、第2発光部と、上記第2発光部およびその端部が露出しないように形成された第2保護層とが設けられている基板上に、第3発光層形成用塗工液を塗布し、第3発光層を形成する第3発光層形成工程と、
上記第3発光層上にフォトレジストを塗布し、第3発光層用フォトレジスト層を形成する第3発光層用フォトレジスト層形成工程と、
上記第3発光層用フォトレジスト層をパターン露光し、現像することにより、第3発光部が形成される部分の第3発光層用フォトレジスト層のみが残存するように、パターニングする第3発光層用フォトレジスト層パターニング工程と、
上記第3発光層用フォトレジスト層が除去されて露出している第3発光層を除去することにより第3発光層用フォトレジスト層を表面に有するパターン状の第3発光部を形成する第3発光部形成工程と、
を有することを特徴とする方法である。
【0035】
このように本発明では特に、第2発光層用フォトレジスト層パターニング工程において、フォトレジスト層にパターン露光する際、フォトレジスト層が2色目の発光部が形成される位置のみ残存するようにパターン露光することを特徴とするものであり、これは3色目の発光部のパターニング工程においても同様である。
【0036】
従来は、パターン露光を行う際、例えば図3(c)および図3(g)に示すように、パターニング対象とする発光部が形成される位置の他に、既にパターン状に形成されている発光部上も露光する対象としていた。
【0037】
しかしながら、本発明では、上述のように既にパターン形成されている発光部上には例えばフォトマスクによりマスクをせずに露光することから、既にパターニングを終了した発光部上にそれ以上不要なフォトレジスト層が積層されることがない。従って、各発光部のパターニングが終了した段階では、各発光部上には、それと異なる色を呈する発光層が積層されていることはなく、また、発光部上には保護層、または保護層およびフォトレジスト層のみ積層されている状態とすることができる。これにより、後にフォトレジスト層および保護層を剥離する段階で、剥離すべきフォトレジスト層または保護層が最上部に位置するため、剥離処理に使用するフォトレジスト剥離液との接触面積が十分に確保され、速やかな剥離を可能とするのである。
【0038】
また、基板には、第1発光部およびその端部が露出しないように形成された第1保護層が形成されていることから、第2発光部を形成する工程および第3発光部を形成する工程において、第2または第3発光層中に、第1発光部が溶出し、混色や画素細りが生じる等の問題を防ぐことができるのである。また、第2発光部については、第2発光部形成工程後、第2保護層形成工程および第2保護層パターニング工程により、第2発光部およびその端部が露出しないように第2保護層が形成されることにより、第3発光層中に第2発光部が溶出することを防ぐことができる。これにより、複数種類の高精細な発光部を有するEL素子を製造することができるのである。
【0039】
なお、本発明において「発光層」とは発光層形成用塗工液を塗布し、乾燥させることにより形成された層を意味し、「発光部」とは所定の位置に形成された発光層を意味するものとする。
【0040】
このような特徴を有する本発明のEL素子の製造工程の一例を図示したものが図1である。以下、図1を用いて具体的に説明する。
【0041】
この例においては、まず図1(a)に示すように、第1電極層(図示せず)と、第1発光部2と、その第1発光部2上に形成された第1フォトリソグラフィー層3と、上記第1発光部およびその端部を覆うように形成された第1保護層4とが設けられている基板1を準備する。本発明においては、第1発光部2および第1保護層4のパターニングに関しては、通常行われているフォリソグラフィー法で形成することができる。ここで、本発明においては、第1フォトリソグラフィー層3を有さない基板1であってもよい。
【0042】
次いで、第2発光層形成用塗工液を塗布し、第2発光層5を形成し(第2発光層形成工程、図1(b))、さらに、その上にポジ型フォトレジストを全面塗布し、第2発光層用フォトレジスト層3´を形成する(第2発光層用フォトレジスト層形成工程、図1(c))。この際、第1発光部2は、第1保護層4により、第1発光部2およびその端部aが保護されていることにより、第2発光層5と接触することがなく、第1発光部2が端部aから第2発光層5中に溶出することを防ぐことが可能となるのである。
【0043】
次いで、図1(d)に示すように、第2発光部が形成される位置にのみフォトマスク6でマスクし第2発光部が形成される位置以外の位置に紫外線7を露光し、第2発光層用フォトレジスト層3´をフォトレジスト現像液により現像し、洗浄する。これにより、第2発光部が形成される部分のみに第2発光層用フォトレジスト層3´が残る(第2発光層用フォトレジスト層パターニング工程、図1(e))。
【0044】
さらに、第2発光層用フォトレジスト層3´が除去され、露出した第2発光層5を除去することにより、基板1上には、第2発光層用フォトレジスト層3´に被覆された第2発光部5´と、第1保護層4および第1フォトレジスト3に被覆された第1発光部2が残る(第2発光部形成工程、図1(f))。
【0045】
次に、図1(g)に示すように、第2発光部を覆うように保護層形成用塗工液を塗布して第2保護層8を形成し(第2保護層形成工程)、さらに第2発光層およびその端部が露出しないように第2保護層8を露光し、現像することにより、第2発光部5´およびその端部bを覆う第2保護層8を形成する(第2保護層パターニング工程、図1(h))。
【0046】
次いで、3色目の発光部のパターニングを行う。第1フォトリソグラフィー層3と、第1発光部2およびその端部を覆うように形成された第1保護層4とにより被覆された第1発光部2と、第2発光層用フォトレジスト層3´と、第2発光部5´およびその端部を覆うように形成された第2保護層8とにより被覆された第2発光部5´とが形成された基板1上に、図1(i)に示すように、第3発光層形成用塗工液を塗布し、第3発光層9を形成する(第3発光層形成工程)。さらに、その上にポジ型フォトレジストを塗布し、第3発光層用フォトレジスト層3´´を形成する(第3発光層用フォトレジスト層形成工程、図1(j))。この際、第1発光部2および第2発光部5´は、第1保護層4および第2保護層8により、第1発光部2およびその端部aと、第2発光部5´およびその端部bとが保護されていることにより、第3発光層9と接触することがない。これにより、第1発光部3および第2発光部5´が端部aおよびbから第3発光層9中に溶出することを防ぐことが可能となるのである。
【0047】
次いで、図1(k)に示すように、第3発光部が形成される位置のみフォトマスク6でマスクし、マスクされた以外の領域を紫外線7で露光した後、フォトレジスト現像液で現像、洗浄することにより、第3発光部が形成される領域以外に位置する第3発光層用フォトレジスト層3´´が除去される(第3発光層用フォトレジスト層パターニング工程、図1(l))。
【0048】
次いで、第3発光層用フォトレジスト層3´´が除去され露出した第3発光層9を除去することにより、表面に第3発光層用フォトレジスト層3´´を有する第3発光部9´が残る(第3発光部形成工程、図1(m))。
【0049】
本発明においては、第3発光層用フォトレジスト層パターニング工程において、第3発光部が形成される位置のみフォトマスクを介してパターン露光したことから、第1発光部2上には一層の第1発光層用フォトレジスト層3および第1保護層4が、さらに第2発光部5´上には一層の第2発光層用フォトレジスト層3´および第2保護層8が積層された状態とすることができるのである。
【0050】
最後に、図1(n)に示すように、最上層に位置する各フォトレジスト層および保護層を剥離し(剥離工程)、露出した各発光層上に第2電極層を形成し、図の下方に発光するEL素子を製造することが可能となる。
【0051】
ここで、本発明においては、上記第2発光部形成工程後、第2発光部上に残存する第2発光層用フォトレジスト層を剥離する第2発光層用フォトレジスト層剥離工程を行った後、第2保護層を形成する第2保護層形成工程を行ってもよい。この場合のEL素子の製造方法について図2を用いて説明する。
【0052】
まず、第1電極層(図示せず)と、第1発光部2と、その第1発光部およびその端部を覆うように形成された第1保護層4とが設けられている基板1を準備し(図2(a))、次いで、上記と同様に第2発光層形成用塗工液を塗布し、第2発光層5を形成する(第2発光層形成工程、図2(b))。さらに、その上にポジ型フォトレジストを全面塗布し、第2発光層用フォトレジスト層3´を形成する(第2発光層用フォトレジスト層形成工程、図2(c))。
【0053】
次いで、図2(d)に示すように、上記と同様に第2発光部が形成される位置にのみフォトマスク6でマスクし第2発光部が形成される位置以外の位置に紫外線7を露光し、第2発光層用フォトレジスト層3´をフォトレジスト現像液により現像し、洗浄する。これにより、第2発光部が形成される部分のみに第2発光層用フォトレジスト層3´が残る(第2発光層用フォトレジスト層パターニング工程、図2(e))。
【0054】
さらに、第2発光層用フォトレジスト層3´が除去されて、露出した第2発光層5を除去することにより、基板1上には、第2発光層用フォトレジスト層3´に被覆された第2発光部5´と、第1保護層4に被覆された第1発光部2が残る(第2発光部形成工程、図2(f))。
【0055】
ここで、上記第2発光部5´上の第2発光層用フォトレジスト層3´を剥離して、第2発光層5´を露出させる(第2発光層用フォトレジスト層剥離工程、図2(g))。この工程は、第2発光層用フォトレジスト層3´上に重ねて、後の工程で保護層形成用塗工液を塗布すると、第2保護層を良好に形成することが困難となる場合があるからである。なお、通常この際、第1発光部2上に形成された第1保護層4も、上記第2発光層用フォトレジスト層3´と同時に剥離する。
【0056】
続いて、図2(h)に示すように、上記工程で露出した第1発光部2および第2発光部5´を覆うように保護層形成用塗工液を塗布して第2保護層8を形成し(第2保護層形成工程)、さらに第1および第2発光層とそれぞれの端部が露出しないように第2保護層8を露光し、現像する。これにより、第1発光層2およびその端部と、第2発光部5´およびその端部とを覆う第2保護層8を形成する(第2保護層パターニング工程、図2(i))。なお、第1発光部2上に形成された第2保護層と第2発光部上に形成された第2保護層とは、つながっていてもよい。
【0057】
次いで、3色目の発光部のパターニングを行う。第1発光部2およびその端部を覆うように形成された第2保護層8により被覆された第1発光部2と、第2発光部5´およびその端部を覆うように形成された第2保護層8により被覆された第2発光部5´とが形成された基板1上に、図2(j)に示すように、第3発光層形成用塗工液を塗布し、第3発光層9を形成する(第3発光層形成工程)。さらに、その上にポジ型フォトレジストを塗布し、第3発光層用フォトレジスト層3´´を形成する(第3発光層用フォトレジスト層形成工程、図2(k))。この際、第1発光部2および第2発光部5´は、第2保護層8により、第1発光部2およびその端部aと、第2発光部5´およびその端部bとが保護されていることにより、第3発光層9と接触することがない。これにより、第1発光部3および第2発光部5´が端部aおよびbから第3発光層9中に溶出することを防ぐことが可能となるのである。
【0058】
次いで、図2(l)に示すように、第3発光部が形成される位置のみフォトマスク6でマスクし、マスクされた以外の領域を紫外線7で露光した後、フォトレジスト現像液で現像、洗浄することにより、第3発光部が形成される領域以外に位置する第3発光層用フォトレジスト層3´´が除去される(第3発光層用フォトレジスト層パターニング工程、図2(m))。
【0059】
次いで、第3発光層用フォトレジスト層3´´が除去され露出した第3発光層9を除去することにより、表面に第3発光層用フォトレジスト層3´´を有する第3発光部9´が残る(第3発光部形成工程、図2(n))。
【0060】
本発明においては、第3発光層用フォトレジスト層パターニング工程において、第3発光部が形成される位置のみフォトマスクを介してパターン露光したことから、第1発光部2および第2発光部5´上には一層の第2保護層8が積層された状態とすることができるのである。
【0061】
最後に、図2(o)に示すように、最上層に位置する各フォトレジスト層および保護層を剥離し(剥離工程)、露出した各発光層上に第2電極層を形成し、図の下方に発光するEL素子を製造することが可能となる。
【0062】
以下、上記のような本発明のEL素子の製造方法の各工程について、詳細に説明する。
【0063】
1.第2発光層用フォトレジスト層形成工程
まず、本発明のEL素子の製造方法における第2発光層用フォトレジスト層形成工程について説明する。
【0064】
本発明における第2発光層用フォトレジスト層形成工程は、第1発光部と、その第1発光部およびその端部を覆うように形成された第1保護層とが設けられている基板上に、第2発光層形成用塗工液を塗布し、第2発光層を形成する工程である。以下、本工程の各構成について説明する。
【0065】
(第1発光部および第1保護層が形成された基板)
まず、本工程に用いられる第1発光部および第1保護層が形成された基板について説明する。本工程に用いられる第1発光部および第1保護層が形成された基板とは、第1発光部と、その第1発光部およびその端部が露出しないように形成された第1発光部とが形成された基板であれば、その構造等は特に限定されるものではなく、例えば図1(a)に示すように、第1発光部上にフォトレジストからなる第1発光層用フォトレジスト層を有するものであってもよく、またバッファー層上に第1発光部が形成されたもの等であってもよい。以下、第1発光部および第1保護層が形成された基板における各構成について説明する。
【0066】
(1)基板
まず、本工程に用いられる基板について説明する。本工程に用いられる基板は、表面に各発光部や各保護層等が形成可能であり、透明性が高いものであれば特に限定されるものではなく、ガラス等の無機材料や、透明樹脂等を用いることができる。
【0067】
上記透明樹脂としては、フィルム状に成形が可能であれば特に限定されるものではないが、透明性が高く、耐溶媒性、耐熱性の比較的高い高分子材料が好ましい。具体的には、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフッ化ビニル(PFV)、ポリアクリレート(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、非晶質ポリオレフィン、またはフッ素系樹脂等が挙げられる。
【0068】
このような基板上には、通常、第1電極層が形成されており、このような第1電極層としては、通常EL素子に用いられるものであれば特に限定されるものではない。
【0069】
ここで、通常EL素子において、第1電極層は基板に予め先に設けられ、発光層形成後に、発光層上に第2電極層が設けられる。これらの電極層は、陽極と陰極とからなり、陽極または陰極のどちらか一方が、透明または、半透明であり、陽極としては、正孔が注入し易いように仕事関数の大きい導電性材料が好ましい。一方、陰極としては、電子が注入しやすいように仕事関数の小さな導電性材料であることが好ましい。また、複数の材料を混合させてもよい。いずれの電極層も、抵抗はできるだけ小さいものが好ましく、一般には、金属材料が用いられるが、有機物あるいは無機化合物を用いてもよい。
【0070】
(2)第1発光部
次に、本工程に用いられる第1発光部は、通常EL素子に用いられる発光部を用いることができ、その製造方法等は特に限定されるものではないが、通常フォトリソグラフィー法により形成される。フォトリソグラフィー法による第1発光部の形成方法としては、上記基板上に、第1発光層形成用塗工液を塗布して第1発光層を形成した後、その上にポジ型フォトレジストを塗布し、フォトレジスト層を形成する。次に第1発光部が形成される位置のみフォトマスクでマスクしてパターン露光し、フォトレジスト層をフォトレジスト現像液で現像する。これにより、露光部分の第1発光層用フォトレジスト層が除去され、その下に位置している第1発光層が露出する。次いで、露出した第1発光層を除去することにより、例えば図1(a)に示すような表面に第1発光層用フォトレジスト層を有する第1発光部を得ることができる。
【0071】
また、第1発光層は、バッファー層上に形成されていてもよく、この場合、バッファー層と第1発光部は、共にパターニングすることにより形成することもできる。
【0072】
これらのフォトリソグラフィー法により形成される第1発光部の材料や、形成方法、バッファー層等については、後述する第2発光部の形成の際に説明するものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0073】
(3)第1保護層
次に、本工程に用いられる第1保護層について説明する。本工程に用いられる第1保護層は、上記第1発光部上およびその端部を覆うように形成された層である。
【0074】
本発明においては、上記第1発光部が、このような第1保護層により第1発光部およびその端部が露出しないように、保護されていることから、後述する第2または第3発光層形成用塗工液が塗布された場合であっても、第1発光部と第2または第3発光層とが接触することを防ぐことができ、これにより、第1発光部が第2または第3発光層中に溶出することを防ぐことができ、高精細な有機EL素子を製造することができるのである。
【0075】
このような本工程に用いられる第1保護層は、後述する第2発光層形成用塗工液および第3発光層形成用塗工液に溶解しない材料であり、かつフォトレジスト剥離液により剥離することが可能な層であれば、その材料等は特に限定されるものではないが、通常フォトリソグラフィー法に用いられるフォトレジスト等を用いることができる。
【0076】
ここで、本発明においては、第1保護層は、例えば図1(a)に示すような、第1発光部2上の第1発光層用フォトレジスト層3を除去することなく、第1フォトレジスト3上に形成されたものであってもよいが、例えば図2(a)に示すような、上記第1発光層用フォトレジスト層を除去した後、第1保護層が形成されたものであることが好ましい。これは、先に形成された第1発光層用フォトレジスト層上に重ねて保護層形成用塗工液を塗布すると、第1保護層を良好に形成することが困難となる場合があるからである。
【0077】
なお、第1保護層の形成方法および材料については、後述する第2保護層の形成の際に説明するものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0078】
(第2発光層形成用塗工液)
次に、本工程に用いられる第2発光層形成用塗工液について説明する。本工程においては、上述した第1発光部および第1保護層が形成された基板上に第2発光層形成用塗工液を塗布し、第2発光層を形成する。
【0079】
このような第2発光層形成用塗工液としては、通常、発光材料、溶媒、およびドーピング剤等の添加剤により構成されるものである。以下、これら発光層形成用塗工液を構成する各材料について説明する。
【0080】
(1)発光材料
本発明に用いられる発光材料としては、蛍光を発する材料を含み発光するものであれば特に限定されず、発光機能と正孔輸送機能や電子輸送機能をかねていることができる。本発明においては、後述するようにフォトリソグラフィー法により発光層のパターニングを行う関係上、発光層を形成する材料が、後述するフォトレジスト溶媒、フォトレジスト現像液、およびフォトレジスト剥離液に不溶である材料が好ましい。また、この場合は、発光層をフォトリソグラフィー法によりパターニングする際に用いるフォトレジストが、発光層の形成に用いる溶媒に不溶の材料を用いることが好ましい。
【0081】
このような発光材料としては、色素系材料、金属錯体系材料、および高分子系材料を挙げることができる。
【0082】
a.色素系材料
色素系材料としては、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾ−ル誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等を挙げることができる。
【0083】
b.金属錯体系材料
金属錯体系材料としては、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、中心金属に、Al、Zn、Be等または、Tb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体等を挙げることができる。
【0084】
c.高分子系材料
高分子系の材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体等、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体、金属錯体系発光材料を高分子化したもの等を挙げることができる。
【0085】
本発明においては、発光層形成用塗工液を用いてフォトリソグラフィー法により発光部を精度よく形成することができるという利点を活かすという観点から、発光材料として上記高分子系材料を用いたものがより好ましい。
【0086】
(2)溶媒
発光層形成用塗工液は、上記図1に示す例からも明らかなように、フォトレジスト層上に塗布される場合がある。したがって、この発光層形成用塗工液に用いられる溶媒としては、フォトレジストに対する溶解度が25℃、1気圧で0.001(g/g溶媒)以下の溶媒を選択することが好ましく、さらに好ましくは0.0001(g/g溶媒)以下の溶媒を選択することが好ましい。例えば、後述するバッファー層が水系やDMF、DMSO、アルコール等の極性溶媒に溶解し、フォトレジストが一般的なノボラック系ポジレジストの場合、ベンゼン、トルエン、キシレンの各異性体およびそれらの混合物、メシチレン、テトラリン、p−シメン、クメン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ブチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンの各異性体およびそれらの混合物等をはじめとする芳香族系溶媒、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、ジグライム等をはじめとするエーテル系溶媒、ジクロロメタン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1−クロロナフタレン等のクロル系溶媒、シクロヘキサノン等が挙げられるが、この他でも条件を満たす溶媒であれば使用可能であり、2種以上の混合溶媒であっても良い。
【0087】
また、本発明においては、バッファー層を設けてもよく、バッファー層を溶媒に可溶なものとする場合、発光層の成膜の際にバッファー層と発光層材料が混合や溶解することを防ぎ、発光材料本来の発光特性を保つためにバッファー層を溶解しないことが望ましい。
【0088】
このような観点から、発光層形成用塗工液用の溶媒はバッファー層材料に対する溶解度が25℃、1気圧で0.001(g/g溶媒)以下の溶媒を選択することが好ましく、さらに好ましくは0.0001(g/g溶媒)以下の溶媒を選択することが好ましい。
【0089】
(3)添加剤
本工程に用いられる発光層形成用塗工液には、上述したような発光材料および溶媒に加えて種々の添加剤を添加することが可能である。例えば、発光部中の発光効率の向上、発光波長を変化させる等の目的でドーピング材料が添加される場合がある。このドーピング材料としては例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィレン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン等を挙げることができる。
【0090】
(第2発光層形成用塗工液の塗布)
次に、第2発光層形成用塗工液の塗布について説明する。本工程においては、上述した第2発光層形成用塗工液を、例えば図1(b)に示すように、上述した基板1上に全面に塗布する。この第2発光層形成用塗工液の塗布方法は、一般的に塗工液を全面に塗布する方法であれば特に限定されるものではなく、具体的には、スピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法等の塗布方法が用いられる。
【0091】
2.第2発光層用フォトレジスト層形成工程
次に、本発明における第2発光層用フォトレジスト層形成工程について説明する。本発明における第2発光層用フォトレジスト層形成工程は、上述した第2発光層上にフォトレジストを塗布し、第2発光層用フォトレジスト層を形成する工程である。本発明においては、フォトレジスト層に第1、第2および第3の3種類を用いているが、いずれも便宜上使い分けているだけであり、全て同様のフォトレジスト層であってもよい。
【0092】
本発明は、このように発光層上にこのフォトレジスト層を積層し、発光層をフォトリソグラフィー法によりパターニングするが、この発光層のパターニング工程の際に行われるパターン露光に特徴を有するものである。このフォトリソグラフィー法とは、光照射により膜の光照射部の溶解性が変化することを利用して光照射パターンに応じた任意のパターンを形成する方法である。
【0093】
以下、この工程で用いられるフォトレジスト、およびフォトレジストの塗布について説明する。
【0094】
(フォトレジスト)
本発明において用いることができるフォトレジストは、ポジ型であってもネガ型であっても特に限定されるものではないが、発光層などの有機EL層形成に用いる溶媒に不溶であるものが好ましい。
【0095】
具体的に用いることができるフォトレジストとしては、ノボラック樹脂系、ゴム+ビスアジド系等を挙げることができる。
【0096】
一般的に、上記フォトレジストをコーティングする際に、フォトレジスト溶媒が用いられ、本発明においても同様である。上記フォトレジストをコーティングする際に用いられるフォトレジスト溶媒としては、フォトレジスト成膜の際に発光層等の有機EL層とフォトレジスト材料とが混合や溶解することを防ぎ、本来の発光特性を保つために発光層材料等の有機EL材料を溶解しないものを用いることが望ましい。この点を考慮すると、本発明に用いることができるフォトレジスト溶媒としては、発光層形成用材料等の有機EL層形成用の材料に対する溶解度が、25℃、1気圧で0.001(g/g溶媒)以下の溶媒を選択することが好ましく、さらに好ましくは0.0001(g/g溶媒)以下の溶媒を選択することが好ましい。
【0097】
例えば、バッファー層形成材料が水系の溶媒に溶解し、発光層が芳香族系等の無極性有機溶媒に溶解する場合に用いることができるフォトレジスト溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトンをはじめとするケトン類、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、をはじめとするセロソルブアセテート類、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルをはじめとするセロソルブ類、メタノール、エタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、シクロヘキサノールをはじめとするアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、シクロヘキサン、デカリン等が挙げられるが、この他でも条件を満たす溶媒であれば使用可能であり、2種以上の混合溶媒であっても良い。
【0098】
(フォトレジスト層の塗布)
次に、本工程におけるフォトレジストの塗布について説明する。本工程においては、上述した第2発光層上に上記フォトレジストを塗布することにより、第2発光層用フォトレジスト層を形成する。このフォトレジスト層の塗布方法については、一般的に塗工液を全面に塗布する方法であれば、特に限定されるものではなく、具体的には上述した第2発光層形成の際に用いることが可能な方法等を用いることができる。
【0099】
3.第2発光層パターニング工程
次に、本発明における第2発光層パターニング工程について説明する。本発明における第2発光層パターニング工程は、上記第2発光層用フォトレジスト層を例えばフォトマスク等を用いてパターン露光し、現像することにより、第2発光部が形成される部分の第2発光層用フォトレジスト層のみが残存するように、パターニングする工程である。
【0100】
これにより、既に基板上に形成されている第1発光部上には、第2発光層用フォトレジスト層が残存することがなく、第2発光層用フォトレジスト層が除去されたことにより露出した第2発光層も、後の工程により除去されることから、第1発光部上に第2発光層および第2発光層用フォトレジスト層が積層されることが回避されるのである。これにより第1発光部上には、第1保護層または第1保護層およびフォトレジスト層のみが積層されていることとなるのである。
【0101】
本工程においては、まず、フォトマスクを介してフォトレジスト層がパターン露光される。この露光方法等に関しては、一般的に用いられている露光方法により行うことができる。
【0102】
また、図1に示す例においては、フォトレジスト層がポジ型であるため、第2発光部に該当する部分が遮光するようなフォトマスクを用いているが、逆に、ネガ型のフォトレジストを用いる場合には、上記第2発光部に該当する部分のみ露光するようなフォトマスクが用いられる。
【0103】
次に、露光された第2発光層用フォトレジスト層をフォトレジスト現像液により、第2発光部が形成される部分の第2発光層用フォトレジスト層のみが残存するように現像する。
【0104】
このような現像に用いることが可能なフォトレジスト現像液としては、上記発光層を形成する材料を溶解するものでなければ特に限定されるものではない。具体的には、一般的に使用されている有機アルカリ系現像液を使用できるが、そのほかに、無機アルカリ、またはフォトレジスト層の現像が可能な水溶液を使用することができる。フォトレジスト層の現像を行った後は水で洗浄するのが望ましい。
【0105】
本発明に用いることができる現像液としては、発光層形成用材料に対する溶解度が、25℃、1気圧で0.001(g/g現像液)以下の現像液であることが好ましく、さらに好ましくは0.0001(g/g現像液)以下の現像液を選択することである。
【0106】
4.第2発光部形成工程
次に、本発明における第2発光部形成工程について説明する。本発明における第2発光部形成工程は、上記第2発光層用フォトレジスト層が除去されて露出している第2発光層を除去することにより第2発光層用フォトレジスト層を表面に有するパターン状の第2発光部を形成する工程である。
【0107】
前工程により、第2発光層用フォトレジスト層は第2発光部が形成される位置のみ残存していることから、本工程により、第2発光層は、第2発光部が形成される領域のみ残存するように形成される。従って、既にパターニングが完了している第1発光部上には、第2発光層用フォトレジスト層および第2発光層が残存することがなく、第1発光層において余分な層が積層されている状態を回避することができるのである。
【0108】
また、第1電極層上に位置する不要な層が除去された状態は、幾層をも積層することから生じる膜厚ムラ等の不都合を解消することができる効果を奏する。さらに、第1発光部上には後に剥離することとなる保護層または保護層およびフォトレジスト層が、積層されているだけであり、第1発光層用フォトレジスト層の剥離処理を速やかに進行させる効果をも奏するのである。
【0109】
このような第2発光部形成工程は、発光層を溶解する溶媒を用いる湿式法、およびドライエッチングを用いる乾式法を用いることが可能であるが、本発明においては、混色等の不具合の無い乾式法を用いることが好ましい。以下、それぞれの方法について説明する。
【0110】
(湿式法)
この場合の湿式法とは、フォトレジストを剥離することなく、発光層を溶解または剥離することができる溶媒を用いて第2発光層を溶解させて除去する方法である。この際用いることができる溶媒としては、上述した発光層形成用塗工液の溶媒を用いることができる他、上記条件を満たす溶媒であれば他の溶媒を選択することもできる。
【0111】
また、この溶媒を用いて除去する際に超音波浴中で行うようにしてもよい。このように超音波浴を用いることにより、第2発光部のパターンの細りや第2発光部の流出等の不具合の無い、精度の高いパターニングが可能となるからであり、短時間で精度の高いパターニングが可能となる点で好ましい。
【0112】
本発明においては、この超音波浴に用いる超音波の条件は、25℃において、20〜100キロヘルツの発振周波数で、0.1〜60秒間行うことが好ましく、このような条件とすることで、短時間で精度の高いパターニングが可能となる。
【0113】
(乾式法)
一方、乾式法とは、ドライエッチングを用いて第2発光層用フォトレジスト層が除去された部分の第2発光層を除去する方法である。
【0114】
通常、フォトレジスト層は、発光層よりかなり厚く成膜されることから、全体的にドライエッチングを行うことにより、発光層を除去することができるのである。
【0115】
この場合、フォトレジスト層の膜厚は、0.1〜10μmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは、0.5〜5μmの範囲内である。このような膜厚とすることで、フォトレジストのレジスト機能を保ったまま、加工精度の高いドライエッチングが可能となる。
【0116】
このように、ドライエッチングを用いれば、エッチングの端部をよりシャープとすることが可能となることから、パターンの端部に存在する膜厚不均一領域の幅をより狭くすることが可能となり、その結果、より高精細なパターニングが可能となるという効果を奏する。
【0117】
本発明に用いられるドライエッチング法としては、ドライエッチングが、反応性イオンエッチングであってもよい。反応性イオンエッチングを用いることにより、有機膜が化学的に反応を受け、分子量の小さい化合物となることにより、気化・蒸発して基板上から除去することができ、エッチング精度の高い、短時間の加工が可能となるからである。
【0118】
また、本発明においては、上記ドライエッチングに際して、酸素単体または酸素を含むガスを用いることが好ましい。酸素単体または酸素を含むガスを用いることで有機膜の酸化反応による分解除去が可能であり、基板上から不要な有機物を除去することができ、エッチング精度の高い、短時間の加工が可能である。また、この条件では、通常用いられるITO等の酸化物透明導電膜をエッチングすることがないので、電極特性を損なうことなく、電極表面を浄化することができる点においても効果的である。
【0119】
さらに、本発明においては上記ドライエッチングに、大気圧プラズマを用いてもよい。大気圧プラズマを用いることで、通常真空装置が必要であるドライエッチングが大気圧下で行うことができ、処理時間の短縮、およびコストの低減が可能である。この場合、エッチングはプラズマ化した大気中の酸素によって有機物が酸化分解することを利用することとできるが、ガスの置換および循環によって反応雰囲気のガス組成を任意に調整してもよい。
【0120】
5.第2保護層形成工程
次に、本発明における第2保護層形成工程について説明する。本発明における第2保護層形成工程は、上記工程により形成された第2発光部を覆うように保護層形成用塗工液を塗布し、第2保護層を形成する工程である。本工程により、第2保護層を全面に形成し、後述する第2保護層パターニング工程により、第2発光部およびその端部を覆うように形成する。これにより、第3発光部を形成する際に、第2発光部と第3発光層とが接触することを防ぐことができ、第2発光部が第3発光層中に溶出することを防ぐことができるからである。
【0121】
このような第2保護層形成用塗工液として用いられる材料としては、後述する第2保護層パターニング工程によりパターニングすることが可能な材料であれば、特に限定されるものではないが、パターニングが容易であり、かつ最終的に各フォトレジスト層および各保護層を除去する際に用いられるレジスト剥離液により剥離可能であるという観点から上述したフォトレジスト等を用いることが好ましい。
【0122】
なお、本工程における第2保護層の塗布方法等は、上述した第2発光層用フォトレジスト層形成工程と同様の方法により行うことが可能であるので、ここでの説明は省略する。
【0123】
また、本工程は、例えば図2(g)に示すように、上記第2発光部5´上に残存する第2発光層用フォトレジスト層3を、フォトレジスト剥離液等により剥離(後述する第2発光層用フォトレジスト層剥離工程)した後、行うものであってもよい。これにより、より良好な保護層を形成することが可能となるからである。またこの際、通常第1保護層も第2発光層用フォトレジスト層とともに剥離されることから、後述する第2保護層パターニング工程において、第1発光部および第2発光部上に同時に保護層を形成してもよい。
【0124】
6.第2保護層パターニング工程
次に、本発明における第2保護層パターニング工程について説明する。本発明における第2保護層パターニング工程は、上記第2発光部およびその端部が露出しないように、上述した第2保護層を露光した後、現像する工程である。 このような第2保護層のパターニングにおける露光および現像については、上記第2発光部より大きな幅で発光部を覆うようにパターニングを行う。すなわち、発光部の端部を覆うとともに、隣接する発光部を形成する位置にかからない程度の大きさで第2保護層は露光・現像する。これにより、上記第2発光部およびその端部が第2保護層により保護することができる。よって、続いて行われる第3発光部形成の際に、第2発光部が第3発光層と接触せず、第2発光部が第3発光層中に溶出することを防ぐことができ、混色や画素細りといった問題を防止することができるからである。
【0125】
ここで、この第2保護層パターニング工程における露光および現像の方法等は、上述した第2発光層用フォトレジスト層パターニング工程と同様の方法により行うことが可能であるので、ここでの説明は省略する。
【0126】
なお、後述する第2発光層用フォトレジスト層剥離工程を行い、第2保護層用フォトレジストと同時に第1保護層を剥離する場合には、第1発光部上にも第2保護層を形成する。この際、第1発光部上および第2発光部上に形成される第2保護層は、例えば図2(i)に示すように、それぞれ独立していてもよいが、第1発光部2上に形成された第2保護層と第2発光部上に形成された第2保護層とは、つながっていてもよい。
【0127】
7.第3発光層形成工程
次に、本発明における第3発光層形成工程について説明する。本発明における第3発光層形成工程は、上述した第1保護層(または第2保護層)により第1発光部およびその端部が露出しないように保護されている第1発光部と、上述した第2発光部およびその端部が露出しないように保護されている第2発光部とが設けられている基板上に、第3発光層形成用塗工液を塗布し、第3発光層を形成する工程である。
【0128】
なお、本工程を構成する第3発光層形成用塗工液およびその塗布方法等は、上記「第2発光層形成工程」で詳述したことと同様であるためここでの説明は省略する。
【0129】
8.第3発光層用フォトレジスト層形成工程
次に、本発明においては第3発光層用フォトレジスト層形成工程を行う。本発明における第3発光層用フォトレジスト層形成工程においては、上記第3発光層上にフォトレジストを塗布し、第3発光層用フォトレジスト層を形成する工程である。
【0130】
なお、本工程を構成するフォトレジストおよびその塗布方法等は、上記「第2発光層用フォトレジスト形成工程」で詳述したことと同様であるためここでの説明は省略する。
【0131】
9.第3発光層用フォトレジスト層パターニング工程
次に、本発明における第3発光層用フォトレジスト層パターニング工程について説明する。本発明における第3発光層用フォトレジスト層パターニング工程は、上述した第3発光層用フォトレジスト層をパターン露光し、現像することにより、第3発光部が形成される部分の第3発光層用フォトレジスト層のみが残存するように、パターニングする工程である。
【0132】
これにより、既に基板上に形成されている第1発光部上および第2発光部上には、第3発光層用フォトレジスト層が残存することがなく、さらに、第3発光層用フォトレジスト層が除去されたことにより露出した第3発光層も、後の工程により除去されることから、第1発光部上および第2発光部上には、各保護層のみ、または各フォトレジスト層および各保護層のみが積層されるものとすることができる。
【0133】
なお、本工程を構成するパターニング方法等は、上記「第2発光層用フォトレジストパターニング工程」で詳述したことと同様であるためここでの説明は省略する。
【0134】
10.第3発光部形成工程
次に、本発明における第3光部形成工程について説明する。本発明における第3発光部形成工程は、上記第3発光層用フォトレジスト層が除去されて露出している第3発光層を除去することにより第3発光層用フォトレジスト層を表面に有するパターン状の第3発光部を形成する工程である。
【0135】
前工程により、第3発光層用フォトレジスト層は第3発光部が形成される位置のみ残存していることから、本工程により、第3発光層は、第3発光部が形成される領域のみ残存するように形成される。従って、既にパターニングが完了している第1発光部および第2発光部上には、第3発光層用フォトレジスト層および第3発光層が残存することがなく、第1発光部および第2発光部において余分な層が積層されている状態を回避することができるのである。
【0136】
また、第1電極層上に位置する不要な層が除去された状態は、幾層をも積層することから生じる膜厚ムラ等の不都合を解消することができる効果を奏する。さらに、第1発光部および第2発光部上には後に剥離することとなる保護層、またはフォトレジスト層および保護層が積層されているだけであり、フォトレジスト層および保護層の剥離処理を速やかに進行させる効果をも奏するのである。
【0137】
なお、本工程における第3発光部を形成する方法等は、上記「第2発光部形成工程」で詳述したことと同様であるためここでの説明は省略する。
【0138】
11.剥離工程
本発明においては、上述した第3発光部形成工程後、剥離工程等を行うことにより、EL素子を製造することができる。ここでいう剥離工程とは、各発光部上に位置する各フォトレジスト層および各保護層をフォトレジスト剥離液により剥離する工程である。
【0139】
この際、基板上にパターン形成された各発光部上には、保護層のみ、またはフォトレジスト層および保護層が形成されており、かつ、それらの保護層等は最上部に位置するため、本工程において、フォトレジスト剥離液を用いて、容易に剥離することができるのである。
【0140】
本工程におけるフォトレジスト等の剥離は、フォトレジスト剥離液に基板を浸漬させる方法、フォトレジスト剥離液をシャワー状に基板に噴出する方法等によりフォトレジスト層を剥離することができる。
【0141】
本発明に用いられるフォトレジスト層等の剥離液としては、上記各発光部を溶解せずに、フォトレジスト層等を溶解することができるものであれば特に限定されるものはないが、上述したようなフォトレジストの溶媒をそのまま使用することも可能であり、また、ポジ型レジストを用いた場合は紫外線露光を行った後でフォトレジスト現像液として列挙した液を用いて剥離することも可能である。
【0142】
さらに、強アルカリ水溶液、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒、およびそれらの混合物、市販のフォトレジスト剥離液を用いてもよい。
【0143】
12.その他
本発明においては、上記第2保護部形成工程後、上記第2発光部上に形成されている第2発光層用フォトレジスト層を剥離する第2発光層用フォトレジスト層剥離工程を行った後に、第2保護層形成工程を行ってもよい。これにより、第2保護層をより良好に形成することが可能となるからである。
【0144】
また、上記各発光部は、バッファー層上に形成されたものであってもよい。これにより、例えば、発光部への正孔注入効率を高めて、電極などの凹凸を平坦化する機能を有する導電性高分子とすることができるからである。
【0145】
以下、第2発光層用フォトレジスト層剥離工程およびバッファー層について説明する。
【0146】
(第2発光層用フォトレジスト層剥離工程)
まず、本発明における第2発光層用フォトレジスト層剥離工程について説明する。本発明における第2発光層用フォトレジスト層剥離工程は、上記第2発光部形成工程後、上記第2発光部上に形成されている第2発光層用フォトレジスト層を剥離する工程である。本工程は、例えば図2(g)に示すように、上記第2発光部5´上に形成されている第2発光層用フォトレジスト層3を除去することにより、第2発光部5´を露出させる工程である。これは、第2発光層用フォトレジスト層が形成されている場合には、第2保護層を良好に形成することが困難となる場合があるからである。この際、第1保護層を上記第2発光層用フォトレジスト層と同時に剥離してもよい。また第1保護層と第2発光層用フォトレジスト層とが異なる材料である場合には、剥離しない場合もある。
【0147】
本工程における第2発光層用フォトレジスト層の剥離は、上述した「剥離工程」で用いられるレジスト剥離液と同様の方法等により、行うことができるのでここでの説明は省略する。
【0148】
(バッファー層)
次に、本発明に用いることができるバッファー層について説明する。本発明においてバッファー層は基板上に設けられていてもよく、本発明でいうバッファー層とは発光部に電荷の注入が容易に行われるように、陽極と発光部との間または陰極と発光部との間に設けられ、有機物、特に有機導電対などを含む層である。
【0149】
本発明に用いられるバッファー層は、その導電性が高い場合、素子のダイオード特性を保ち、クロストークを防ぐためにパターニングされていることが望ましい。なお、バッファー層の抵抗が高い場合等はパターニングされていなくても良い場合もあり、またバッファー層が省ける素子の場合はバッファー層を設けなくても良い場合もある。
【0150】
本発明においては、バッファー層もフォトリソグラフィー法により上記各発光層と共にパターニングされて形成されることが好ましく、この場合、バッファー層を形成する材料が、フォトレジスト溶媒および発光層形成に用いる溶媒に不溶であるものを選択することが好ましく、より好ましくはバッファー層を形成する材料が、フォトレジスト剥離液に不溶である材料を選択した場合である。
【0151】
本発明に用いられるバッファー層を形成する材料としては、具体的にはポリアルキルチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、トリフェニルアミン等の正孔輸送性物質の重合体、無機酸化物のゾルゲル膜、トリフルオロメタン等の有機物の重合膜、ルイス酸を含む有機化合物膜等が挙げられるが、上述したような溶解性に関する条件を満たしていれば特に限定されず、成膜後に反応、重合あるいは焼成等により上記の条件を満たしても良い。
【0152】
また、本発明においてバッファー層を形成する際に用いられる溶媒としては、バッファー材料が分散または溶解していればよく、特に制限されるものではないが、フルカラーのパターニング等において、複数回の成膜が必要である場合、フォトレジスト材料を溶解しないバッファー層溶媒を用いる必要があり、さらに好ましくは発光層を溶解しないバッファー層溶媒であることが好ましい。
【0153】
本発明に用いることができるバッファー層溶媒としては、レジスト材料の溶解度が、25℃、1気圧で0.001(g/g溶媒)以下の溶媒を選択することが好ましく、さらに好ましくは0.0001(g/g溶媒)以下の溶媒を選択することである。またバッファー層溶媒としてさらに好ましくは、発光層構成材料の溶解度が、25℃、1気圧で0.001(g/g溶媒)以下の溶媒を選択することであり、特に0.0001(g/g溶媒)以下の溶媒を選択することが好ましい。
【0154】
具体的には、水、メタノール、エタノールをはじめとするアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒が挙げられるが、この他でも条件を満たす溶媒であれば使用可能である。また、2種以上の溶媒を混合して用いても良い。
【0155】
なお、必要であれば、硬化性の樹脂等を用いた溶媒に不溶なバッファー層を用いても良い。具体的には、ゾルゲル反応液、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を挙げることができる。すなわち、未硬化状態のゾルゲル反応液、光硬化性樹脂もしくは熱硬化性樹脂にバッファー層として機能させるための添加剤を加えてバッファー層形成用塗工液としたものや、ゾルゲル反応液、光硬化性樹脂もしくは熱硬化性樹脂自体を変性することにより、バッファー層として機能させるようにしたバッファー層形成用塗工液を用い、このようなバッファー層形成用塗工液を硬化させることにより溶媒に不溶なバッファー層を用いることも可能である。
【0156】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0157】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をさらに説明する。
【0158】
<実施例>
(第1バッファー層の成膜)
6インチ□、板厚1.1mmのパターニングされたITO基板を洗浄し、基板および第1電極層とした。バッファー層塗布液(バイエル社製Baytron P)を0.5mlとり、基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2000rpmで10秒間保持してバッファー層形成を行った。この結果、膜厚は800Åとなった。
【0159】
(第1発光層の形成)
次に、第1発光層として、上記バッファー層上に赤色発光有機材料である塗布液(ポリビニルカルバゾール70重量部、オキサジアゾ−ル30重量部、ジシアノメチレンピラン誘導体1重量部、モノクロロベンゼン4900重量部)を1mlとり、基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2500rpmで20秒間保持して第1発光層形成を行った。この結果、膜厚は800Åとなった。
【0160】
次に、第1発光層上にポジ型フォトレジスト(東京応化社製:OFPR-800)を2mlとり、基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。500rpmで10秒間保持した後、2000rpmで20秒間保持して、第1発光層用フォトレジスト層を形成した。この結果、膜厚は1μmとなった。続いて80℃で30分間プリベークを行った。
【0161】
その後、アライメント露光機に露光マスクと共にセットし、第1発光部以外の第1発光層を除去したい部分に紫外露光し、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)で20秒間現像後、水洗し、露光部のフォトレジスト層を除去した。
【0162】
続いて、120℃で30分間ポストベークした後、酸素プラズマを用いた反応性イオンエッチングにより、フォトレジスト層が除去された部分のバッファー層および発光層を除去した。
【0163】
次にアセトンでフォトレジストを除去した後、再度、ポジ型フォトレジスト(東京応化社製:OFPR-800)を2mlとり、基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。500rpmで10秒間保持した後、2000rpmで20秒間保持して、第1保護層を形成した。この結果、膜厚は1μmとなった。続いて80℃で30分間プリベークを行った。その後、アライメント露光機に露光マスクと共にセットし、第1発光部の幅より10μmずつ大きい幅のフォトレジスト層を残すように紫外露光し、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)で20秒間現像後、水洗し、露光部のフォトレジストを除去した。さらに120℃で30分間ポストベークし、第1発光部が、第1発光部の幅より10μmずつ大きい幅を有する保護層で保護された基板を得た。
【0164】
(第2バッファー層の成膜)
得られた基板に、バッファー層塗布液(バイエル社製Baytron P)を0.5mlとり、基板の中心部に滴下して、スピンコーティング法により2500rpmで20秒間保持して第2バッファー層の形成を行った。この結果、膜厚は800Åとなった。
【0165】
(第2発光層の成膜)
第2の発光層として、上記バッファー層上に緑色発光有機材料である塗布液(ポリビニルカルバゾール70重量部、オキサジアゾ−ル30重量部、クマリン6を1重量部、モノクロロベンゼン4900重量部)を1mlとり、基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2000rpmで10秒間保持して第2発光層形成を行った。この結果膜厚は800Åとなった。
【0166】
次に、第2発光層上にポジ型フォトレジスト(東京応化社製:OFPR-800)を2mlとり、基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。500rpmで10秒間保持した後、2000rpmで20秒間保持して、第2発光層用フォトレジスト層を形成した。この結果、膜厚は1μmとなった。続いて80℃で30分間プリベークを行った。
【0167】
その後、アライメント露光機に露光マスクと共にセットし、第2発光部以外の第2発光層を除去したい部分に紫外露光し、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)で20秒間現像後、水洗し、露光部のフォトレジストを除去した。
【0168】
続いて、120℃で30分間ポストベークした後、酸素プラズマを用いた反応性イオンエッチングにより、フォトレジスト層が除去された部分のバッファー層および発光層を除去した。
【0169】
次にアセトンでフォトレジストおよび保護層を除去した後、再度、ポジ型フォトレジスト(東京応化社製:OFPR-800)を2mlとり、基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。500rpmで10秒間保持した後、2000rpmで20秒間保持して、第1発光部および第2発光部上に、第2保護層を形成した。この結果、膜厚は1μmとなった。続いて80℃で30分間プリベークを行った。その後、アライメント露光機に露光マスクと共にセットし、第2発光部の幅より10μmずつ大きい幅のフォトレジスト層を残すように紫外露光し、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)で20秒間現像後、水洗し、露光部のフォトレジストを除去した。さらに120℃で30分間ポストベークし、第2発光部が、第2発光部の幅より10μmずつ大きい幅を有する保護層で保護された基板を得た。
【0170】
(第3バッファー層の成膜)
上記基板上に、バッファー層塗布液(バイエル社製Baytron P)を0.5mlとり、基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2500rpmで20秒間保持してバッファー層形成を行った。この結果、膜厚は800Åとなった。
【0171】
(第3発光層の形成)
次に、第3の発光層として、上記バッファー層上に青色発光有機材料である塗布液(ポリビニルカルバゾール70重量部、オキサジアゾ−ル30重量部、ペリレン1重量部、モノクロロベンゼン4900重量部)を1mlとり、基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2000rpmで10秒間保持して第3発光層形成を行った。この結果、膜厚は800Åとなった。
【0172】
次に、第3発光層上にポジ型フォトレジスト(東京応化社製:OFPR-800)を2mlとり、基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。500rpmで10秒間保持した後、2000rpmで20秒間保持して、第3発光層用フォトレジスト層を形成した。この結果、膜厚は1μmとなった。続いて80℃で30分間プリベークを行った。
【0173】
その後、アライメント露光機に露光マスクと共にセットし、第3発光部以外の第3発光層を除去したい部分に紫外露光し、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)で20秒間現像後、水洗し、露光部のフォトレジストを除去した。
【0174】
続いて、120℃で30分間ポストベークした後、酸素プラズマを用いた反応性イオンエッチングにより、フォトレジスト層が除去された部分のバッファー層および発光層を除去し、第1発光部、第2発光部、第3発光部がフォトレジストで保護された基板を得た。その後、アセトンでフォトレジストを全て除去し、パターニングされた発光層を露出させた。
【0175】
100℃で1時間乾燥した後、次いで、得られた基板上に第2電極層としてCaを500Åの厚みで蒸着し、さらに保護層としてAgを2500Åの厚みで蒸着し、EL素子を作製した。
【0176】
(EL素子の発光特性の評価)
ITO電極側を正極、Ag電極側を負極に接続し、ソースメーターにより直流電流を印加した。10V印加時に、第1、第2、および第3の各発光部により発光が認められた。
【0177】
【発明の効果】
本発明のフォトリソグラフィー法を用いたEL素子の製造方法によれば、各発光部およびその端部を覆うように保護層を形成することから、続いて他の種類の発光部を形成する際に、発光部が端部から他の種類の発光部を形成する発光層中に溶出し、混色や画素細りが生じる等の問題を防ぐことができるのである。これにより、複数種類の高精細な発光部を有するEL素子を製造することができるのである。
【0178】
また、異なる色の異色発光部を形成する際における、異色発光部のパターニングが終了した段階で、各発光部上には異なる色の異色発光層が積層されておらず、各発光部上には、各保護層のみ、または各フォトレジスト層および各保護層のみが積層された状態とすることができる。これにより、最終的に各フォトレジスト層および各保護層を剥離する際、剥離対象となるフォトレジスト層および保護層が最上部に位置することから、フォトレジスト剥離液の作用が及びやすく、剥離処理を迅速にかつ容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のEL素子の製造方法の一例を示す工程図である。
【図2】本発明のEL素子の製造方法の他の例を示す工程図である。
【図3】従来のEL素子の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1 … 基板
2 … 第1発光部
3 … 第1発光層用フォトレジスト層
3´ … 第2発光層用フォトレジスト層
3´´ … 第3発光層用フォトレジスト層
4 … 第1保護層
5 … 第2発光層
6 … フォトマスク
7 … 紫外光
8 … 第2保護層
9 … 第3発光層
9´ … 第3発光部

Claims (9)

  1. フォトリソグラフィー法を用いたエレクトロルミネッセント素子の製造方法において、
    基板上に少なくとも1色の発光部と、前記発光部およびその端部が露出しないように前記発光部を溶解しない保護層形成用塗工液を用い、パターン露光および現像を行うことによりパターニングして形成された保護層とが設けられており、前記保護層上を含む基板上に、前記発光部とは異なる色を呈する異色発光層形成用塗工液を塗布し、異色発光層を形成する異色発光層形成工程と、
    前記異色発光層上にフォトレジストを塗布し、異色発光層用フォトレジスト層を形成する異色発光層用フォトレジスト層形成工程と、
    前記異色発光層用フォトレジスト層をパターン露光し、現像することにより、異色発光部が形成される部分の異色発光層用フォトレジスト層のみが残存するように、パターニングする異色発光層用フォトレジスト層パターニング工程と、
    前記異色発光層用フォトレジスト層が除去されて露出している異色発光層を除去することにより異色発光層用フォトレジスト層を表面に有するパターン状の異色発光部を形成する異色発光部形成工程と、
    前記各発光部上の前記各フォトレジスト層および各保護層をフォトレジスト剥離液により剥離する剥離工程と、
    前記剥離工程後に、前記各発光部上に第2電極層を形成する第2電極層形成工程と、
    を有することを特徴とするエレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  2. 前記異色発光部形成工程の後、前記異色発光部上に残存する前記異色発光層用フォトレジスト層を剥離する異色発光層用フォトレジスト剥離工程を行い、次いで前記異色発光層用保護層形成工程を行うことを特徴とする請求項1に記載のエレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  3. フォトリソグラフィー法を用いたエレクトロルミネッセント素子の製造方法において、
    基板上に第1発光部と、前記第1発光部およびその端部が露出しないように前記第1発光部を溶解しない保護層形成用塗工液を用い、パターン露光および現像を行うことによりパターニングして形成された第1保護層とが設けられており、前記第1保護層上を含む基板上に、第2発光層形成用塗工液を塗布し、第2発光層を形成する第2発光層形成工程と、
    前記第2発光層上にフォトレジストを塗布し、第2発光層用フォトレジスト層を形成する第2発光層用フォトレジスト層形成工程と、
    前記第2発光層用フォトレジスト層をパターン露光し、現像することにより、第2発光部が形成される部分の第2発光層用フォトレジスト層のみが残存するように、パターニングする第2発光層用フォトレジスト層パターニング工程と、
    前記第2発光層用フォトレジスト層が除去されて露出している第2発光層を除去することにより第2発光層用フォトレジスト層を表面に有するパターン状の第2発光部を形成する第2発光部形成工程と、
    前記第2発光部を覆うように前記第2発光部を溶解しない保護層形成用塗工液を塗布し、第2保護層を形成する第2保護層形成工程と、
    前記第2発光部およびその端部が露出しないように、前記第2保護層を露光した後、現像する第2保護層パターニング工程と、
    前記基板上に第1発光部と、前記第1発光部およびその端部が露出しないように形成された第1保護層と、第2発光部と、前記第2発光部およびその端部が露出しないように形成された第2保護層とが設けられており、前記第1保護層上および第2保護層上を含む基板上に、第3発光層形成用塗工液を塗布し、第3発光層を形成する第3発光層形成工程と、
    前記第3発光層上にフォトレジストを塗布し、第3発光層用フォトレジスト層を形成する第3発光層用フォトレジスト層形成工程と、
    前記第3発光層用フォトレジスト層をパターン露光し、現像することにより、第3発光部が形成される部分の第3発光層用フォトレジスト層のみが残存するように、パターニングする第3発光層用フォトレジスト層パターニング工程と、
    前記第3発光層用フォトレジスト層が除去されて露出している第3発光層を除去することにより第3発光層用フォトレジスト層を表面に有するパターン状の第3発光部を形成する第3発光部形成工程と、
    前記各発光部上の前記各フォトレジスト層および各保護層をフォトレジスト剥離液により剥離する剥離工程と、
    前記剥離工程後に、前記各発光部上に第2電極層を形成する第2電極層形成工程と、
    を有することを特徴とするエレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  4. 前記第2発光部形成工程の後、前記第2発光部上に残存する前記第2発光層用フォトレジスト層を剥離する第2発光層用フォトレジスト剥離工程を行い、次いで前記第2保護層形成工程を行うことを特徴とする請求項3に記載のエレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  5. 前記各発光部は、前記基板上に形成された第1電極層上に形成される場合において、前記第1電極層から前記各発光部へ電荷の注入が容易に行われるように、前記第1電極層と前記各発光部との間に設けられるバッファー層と共にパターニングされてバッファー層上に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のエレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  6. 前記フォトリソグラフィー法を用いたエレクトロルミネッセント素子の製造方法において、各発光部形成工程が、ドライエッチングを用いて各フォトレジスト層が除去された部分の各発光層のパターニングを行う工程であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のエレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  7. 前記ドライエッチングが、反応性イオンエッチングであることを特徴とする請求項6に記載のエレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  8. 前記ドライエッチングに、酸素単体または酸素を含むガスを用いることを特徴とする請求項6に記載のエレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  9. 前記ドライエッチングに大気圧プラズマを用いることを特徴とする請求項6に記載のエレクトロルミネッセント素子の製造方法。
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