JP4589245B2 - エレクトロルミネッセント素子の製造方法 - Google Patents
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Description
上記第3発光層上に、フォトレジストを塗布しバッファー層形成に用いられるバッファー層溶媒に不溶である第3フォトレジスト層を形成する工程と、上記第3フォトレジスト層をパターン露光した後、現像することにより第3発光部が形成される部分の第3フォトレジスト層が残存するようにパターニングする工程と、上記第3フォトレジスト層が除去された部分の第3有機EL層を除去することにより第3フォトレジスト層を表面に有するパターン状の第3発光部、および上記第3発光部と同一形状であり、かつ上記第3発光部の上記第3フォトレジスト層と反対側の表面に配置された第3バッファー層とからなる第3有機EL部を形成する工程と、を有することを特徴とするEL素子の製造方法を提供する。
本工程においては、まず、第1電極層が形成された基板上に、第1発光層形成用塗工液を塗布して第1発光層を形成し、さらに、その上にフォトレジストを全面塗布し、第1フォトレジスト層を形成する。その後、第1発光部が形成される位置のみフォトマスクでマスクしパターン露光する。次いで、露光部分の第1フォトレジスト層をフォトレジスト現像液で現像する。これにより、露光部分の第1フォトレジスト層は除去され、その下に位置している第1発光層が剥き出しとなる。次いで、剥き出しとなった第1発光層を除去し、表面に第1フォトレジスト層を有する第1発光部を得る。
本発明に用いられる基板は、透明性が高いものであれば特に限定されるものではなく、ガラス等の無機材料や、透明樹脂等を用いることができる。
上記基板上には、上述したように第1電極層が形成されている。このような第1電極層としては、通常EL素子に用いられるものであれば特に限定されるものではない。
本発明においては、上記第1電極層が少なくとも形成された基板上に第1発光層形成用塗工液が塗布され、乾燥されることにより基板上に第1発光層が形成される。
本発明に用いられる発光材料としては、蛍光を発する材料を含み発光するものであれば特に限定されず、発光機能と正孔輸送機能や電子輸送機能をかねていることができる。本発明においては、後述するようにフォトリソグラフィー法により発光層のパターニングを行なう関係上、発光層を形成する材料が、後述するフォトレジスト溶媒、フォトレジスト現像液、およびフォトレジスト剥離液に不溶である材料が好ましい。また、この場合は、発光層をフォトリソグラフィー法によりパターニングする際に用いるフォトレジストが、発光層の形成に用いる溶媒に不溶の材料を用いることが好ましい。
色素系材料としては、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾ−ル誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等を挙げることができる。
金属錯体系材料としては、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、中心金属に、Al、Zn、Be等または、Tb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体等を挙げることができる。
高分子系の材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体等、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体、金属錯体系発光材料を高分子化したもの等を挙げることができる。
発光層形成用塗工液は、上記図1に示す例からも明らかなように、フォトレジスト層上に塗布される場合がある。したがって、この発光層形成用塗工液に用いられる溶媒としては、フォトレジストに対する溶解度が25℃、1気圧で0.001(g/g溶媒)以下の溶媒を選択することが好ましく、さらに好ましくは0.0001(g/g溶媒)以下の溶媒を選択することが好ましい。例えば、後述するバッファー層が水系やDMF、DMSO、アルコール等の極性溶媒に溶解し、フォトレジストが一般的なノボラック系ポジレジストの場合、ベンゼン、トルエン、キシレンの各異性体およびそれらの混合物、メシチレン、テトラリン、p−シメン、クメン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ブチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンの各異性体およびそれらの混合物等をはじめとする芳香族系溶媒、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、ジグライム等をはじめとするエーテル系溶媒、ジクロロメタン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1−クロロナフタレン等のクロル系溶媒、シクロヘキサノン等が挙げられるが、この他でも条件を満たす溶媒であれば使用可能であり、2種以上の混合溶媒であっても良い。
本発明に用いられる発光層形成用塗工液には、上述したような発光材料および溶媒に加えて種々の添加剤を添加することが可能である。例えば、発光層中の発光効率の向上、発光波長を変化させる等の目的でドーピング材料が添加される場合がある。このドーピング材料としては例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィレン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン等を挙げることができる。
次いで、第1発光層上に形成される第1フォトレジスト層について説明する。なお、本発明においては、フォトレジスト層に第1、第2および第3の3種類を用いているが、いずれも便宜上使い分けているだけであり、全て同様のフォトレジスト層であってもよい。
本発明において用いることができるフォトレジストは、ポジ型であってもネガ型であっても特に限定されるものではないが、発光層などの有機EL層形成に用いる溶媒に不溶であるものが好ましい。
本発明において、上記フォトレジストをコーティングする際に用いられるフォトレジスト溶媒としては、フォトレジスト成膜の際に発光層等の有機EL層とフォトレジスト材料が混合や溶解することを防ぎ、本来の発光特性を保つために発光層材料等の有機EL材料を溶解しないものを用いることが望ましい。この点を考慮すると、本発明に用いることができるフォトレジスト溶媒としては、発光層形成用材料等の有機EL層形成用の材料に対する溶解度が、25℃、1気圧で0.001(g/g溶媒)以下の溶媒を選択することが好ましく、さらに好ましくは0.0001(g/g溶媒)以下の溶媒を選択することが好ましい。
次いで、本工程におけるフォトレジスト層のパターニングに用いられる現像液について、説明する。
本発明においては、バッファー層を基板上に設けてもよい。本発明でいうバッファー層とは、発光部に電荷の注入が容易に行われるように、陽極と発光部との間または陰極と発光部との間に設けられ、有機物、特に有機導電対などを含む層である。例えば、発光部への正孔注入効率を高めて、電極などの凹凸を平坦化する機能を有する導電性高分子とすることができる。
次に、本発明においては、上記第2発光層が形成された基板に対し、フォトレジストを全面に塗布することにより、第2フォトレジスト層を形成する。
本発明において第2フォトレジスト層パターニング工程とは、全面に第2フォトレジスト層が形成された後、第2発光部が形成される位置の第2フォトレジスト層にフォトマスクによりマスクしてパターン露光し、現像することにより、第2発光部が形成される部分の第2フォトレジスト層が残存するようにパターニングする工程である。
本発明における第2発光部形成工程とは、前工程により第2フォトレジスト層が除去され、剥き出しとなった第2発光層を除去することにより、第2発光層をパターニングし、これを第2発光部とする工程である。
この場合の湿式法とは、フォトレジストを剥離することなく、発光層を溶解または剥離することができる溶媒を用いて第2発光層を溶解させて除去する方法である。この際用いることができる溶媒としては、上述した発光層形成用塗工液の溶媒を用いることができる他、上記条件を満たす溶媒であれば他の溶媒を選択することもできる。
一方、乾式法とは、ドライエッチングを用いて第2フォトレジスト層が除去された部分の第2発光層を除去する方法である。
本発明における第3フォトレジスト層形成工程とは、第1電極層、前記第1電極層上に形成され、かつ表面に第1フォトレジスト層を有する第1発光部および同様に第1電極層上にパターン状に形成され表面に第2フォトレジスト層を有する第2発光部が設けられている基板上に、第3発光層形成用塗工液を塗布し、第3発光層を形成し、その後、その第3発光層上にフォトレジストを全面塗布し、第3フォトレジスト層を形成する工程である。
本発明における第3フォトレジスト層パターニング工程とは、第3発光層上に形成された第3フォトレジスト層に対し、第3発光部が形成される位置のみフォトマスクでマスクしてパターン露光し、その後、フォトレジスト現像液により現像することにより、第3発光部が形成される位置のみ第3フォトレジスト層を残存させるようにパターニングする工程である。
本発明における第3発光部形成工程とは、前工程により、第3フォトレジスト層が除去され、剥き出しとなった第3発光層を除去し、第3発光層をパターン状に形成し、これを第3発光部とする工程である。
本工程において第3発光部を形成する際には、第3発光層は、第3発光部が形成される領域のみしか積層されない。従って、既にパターニングが完了している第1および第2発光部上には、第3フォトレジスト層および第3発光層が残存することがなく、両発光部に対して不要な層が幾層も積層された状態を回避することができるのである。従って、本工程を経た後は、第1発光部上には第1フォトレジスト層が形成され、第2発光部上には第2フォトレジスト層が、そして第3発光部上には第3フォトレジスト層が積層されている状態に各発光部を形成することができるのである。
本発明における剥離工程とは、各発光部上に位置するフォトレジスト層をフォトレジスト剥離液により剥離する工程である。
(1色目の有機EL層の作製)
透明ガラス基板上に第1電極層として酸化インジウム錫(ITO)が形成されたガラス基板上に、正孔注入層塗布液(ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート:PEDT/PSS:バイエル社製Baytron P 以下の化学式(1)に示す。)をスピンコーティング法により全面に塗布、乾燥させて膜厚800Åの第1正孔注入層を作製した。
次に、第1発光層上にポジ型フォトレジスト(東京応化社製:OFPR-800)をスピンコーティング法により全面に塗布、乾燥させ膜厚1μmの第1フォトレジスト層を形成した。
次に、第1発光部に該当する部分が遮光部となるように作製されたフォトマスク(ライン幅(遮光部):85μm、スペース幅(透過部)215μm)を用いてアライメント露光機により紫外線照射を行った後、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)により露光部のフォトレジストを除去した。その後、大気圧プラズマ装置によりドライエッチングを行い、フォトレジストが除去された部分の有機EL層を除去した。
次に、残存するフォトレジストを剥離することなく再度第2正孔注入層および第2発光層(MEH−PPV)、第2フォトレジスト層をウェットプロセスにより形成した。
次に、上記フォトマスクを用いて1色目露光時と比較して、1ピッチ分(100μm)基板を横にずらし紫外線露光を行った後、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)により露光部のフォトレジストを除去した。その後、大気圧プラズマ装置によりドライエッチングを行い、フォトレジストが除去された部分の有機EL層を除去した。
ドライエッチング終了後、フォトレジストを剥離することなく、第3正孔注入層および第3発光層(MEH−PPV)、第3フォトレジスト層をウェットプロセスにより形成した。
上記フォトマスクを用いて1色目露光時よりも基板を2ピッチ分(200μm)横にずらし、アライメント露光機によりアライメント露光を行った後、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)により露光部のフォトレジストを除去した。その後、大気圧プラズマ装置によりドライエッチングを行い、フォトレジストが除去された部分の有機EL層を除去した。
残った未露光部分であるレジストをレジスト溶媒に室温で10分間浸漬し、レジストだけを完全に除去し、ライン幅85μm、スペース幅15μmでパターニングされた有機EL層が形成された基板を得た。
(1色目有機EL層の作製)
透明ガラス基板上に第1電極層として酸化インジウム錫(ITO)が形成されたガラス基板上に、実施例1と同様の正孔注入層塗布液(ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート:PEDT/PSS:バイエル社製Baytron P)をスピンコーティング法により全面に塗布、乾燥させて膜厚800Åの第1正孔注入層を作製した。
次に、第1発光層上にポジ型フォトレジスト(東京応化社製:OFPR-800)をスピンコーティング法により全面に塗布、乾燥させ膜厚1μmの第1フォトレジスト層を形成した。
次に、第1発光部に該当する部分が遮光部となるように作製されたフォトマスク(ライン幅(遮光部):85μm、スペース幅(透過部)215μm)を用いてアライメント露光機により紫外線照射を行った後、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)により露光部のフォトレジストを除去した。その後、大気圧プラズマ装置によりドライエッチングを行い、フォトレジストが除去された部分の有機EL層を除去した。
次に、残存するフォトレジストを剥離することなく再度第2正孔注入層および第2発光層(MEH−PPV)、第2フォトレジスト層をウェットプロセスにより形成した。
次に、第1発光部および第2発光部に該当する部分が遮光部となるように作製されたフォトマスクを用いて紫外線露光を行った後、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)により露光部のフォトレジストを除去した。その後、大気圧プラズマ装置によりドライエッチングを行い、フォトレジストが除去された部分の有機EL層を除去した。
ドライエッチング終了後、フォトレジストを剥離することなく、第3正孔注入層および第3発光層(MEH−PPV)、第3フォトレジスト層をウェットプロセスにより形成した。
次に、第1発光部、第2発光部および第3発光部に該当する部分が遮光部となるように作製されたフォトマスクを用いて、アライメント露光機によりアライメント露光を行った後、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)により露光部のフォトレジストを除去した。その後、大気圧プラズマ装置によりドライエッチングを行い、フォトレジストが除去された部分の有機EL層を除去した。
残った未露光部分であるレジストをレジスト溶媒に室温で180分間浸漬したが、第1発光部上に第1フォトレジストおよび第2発光部が残存した箇所や、第1フォトレジスト、第2発光部、第2フォトレジスト、第3発光部が残存した箇所、第2発光部上に第3発光部が残存した箇所、または第3発光部が欠落した箇所が多数確認された。
次に、実施例1および比較例1により得られた基板に、金属電極形成を行った。金属電極としてはカルシウムを1000Åの厚さで蒸着し、さらに、酸化保護層として銀を2000Åの厚さで蒸着した。
(1色目有機EL層の作製)
透明ガラス基板上に第1電極層として酸化インジウム錫(ITO)が形成されたガラス基板上に、実施例1と同様の正孔注入層塗布液(ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート:PEDT/PSS:バイエル社製Baytron P)をスピンコーティング法により全面に塗布、乾燥させて膜厚800Åの第1正孔注入層を作製した。
次に、第1発光層上にポジ型フォトレジスト(東京応化社製:OFPR-800)をスピンコーティング法により全面に塗布、乾燥させ膜厚1μmの第1フォトレジスト層を形成した。
次に、第1発光部に該当する部分が遮光部となるように作製されたフォトマスク(ライン幅(遮光部):85μm、スペース幅(透過部)215μm)を用いてアライメント露光機により紫外線照射を行った後、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)により露光部のフォトレジストを除去した。その後、大気圧プラズマ装置によりドライエッチングを行い、フォトレジストが除去された部分の有機EL層を除去した。
次に、残存するフォトレジストを剥離することなく再度第2正孔注入層を形成した。次に、第2発光層として緑色発光有機材料である塗布液(ポリビニルカルバゾール70重量部、オキサジアゾ−ル30重量部、クマリン6を1重量部、モノクロロベンゼン4900重量部)を1mlとり、基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2000rpmで10秒間保持して層形成を行った。膜厚は800Åとなった。得られた基体上にフォトレジスト層をウェットプロセスにより形成した。
次に、上記フォトマスクを用いて1色目露光時と比較して、1ピッチ分(100μm)基板を横にずらし紫外線露光を行った後、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)により露光部のフォトレジストを除去した。その後、大気圧プラズマ装置によりドライエッチングを行い、フォトレジストが除去された部分の有機EL層を除去した。この基板の顕微鏡観察、膜厚測定、および断面観察を行ったところ、第1発光部は第1有機EL層上に第1フォトレジストが形成され、第1発光部上の第2発光層および第2フォトレジストは完全に除去されており、基板構造は図1(e)であることを確認した。
ドライエッチング終了後、フォトレジストを剥離することなく、第3正孔注入層を形成した。次に、第3発光層として、青色発光有機材料である塗布液(ポリビニルカルバゾール70重量部、オキサジアゾ−ル30重量部、ペリレン1重量部、モノクロロベンゼン4900重量部)基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2000rpmで10秒間保持して層形成を行った。この結果、膜厚は800Åとなった。得られた基体上にフォトレジスト層をウェットプロセスにより形成した。
上記フォトマスクを用いて1色目露光時よりも基板を2ピッチ分(200μm)横にずらし、アライメント露光機によりアライメント露光を行った後、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)により露光部のフォトレジストを除去した。その後、大気圧プラズマ装置によりドライエッチングを行い、フォトレジストが除去された部分の有機EL層を除去した。
残った未露光部分であるレジストをレジスト溶媒に室温で10分間浸漬し、レジストだけを完全に除去し、ライン幅85μm、スペース幅15μmでパターニングされた有機EL層が形成された基板を得た。
(1色目有機EL層の作製)
透明ガラス基板上に第1電極層として酸化インジウム錫(ITO)が形成されたガラス基板上に、実施例1と同様の正孔注入層塗布液(ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート:PEDT/PSS:バイエル社製Baytron P)をスピンコーティング法により全面に塗布、乾燥させて膜厚800Åの第1正孔注入層を作製した。
次に、第1発光層上にポジ型フォトレジスト(東京応化社製:OFPR-800)をスピンコーティング法により全面に塗布、乾燥させ膜厚1μmの第1フォトレジスト層を形成した。
次に、第1発光部に該当する部分が遮光部となるように作製されたフォトマスク(ライン幅(遮光部):85μm、スペース幅(透過部)215μm)を用いてアライメント露光機により紫外線照射を行った後、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)により露光部のフォトレジストを除去した。その後、大気圧プラズマ装置によりドライエッチングを行い、フォトレジストが除去された部分の有機EL層を除去した。
次に、残存するフォトレジストを剥離することなく再度第2正孔注入層を形成した。次に、第2発光層として緑色発光有機材料である塗布液(ポリビニルカルバゾール70重量部、オキサジアゾ−ル30重量部、クマリン6を1重量部、モノクロロベンゼン4900重量部)を1mlとり、基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2000rpmで10秒間保持して層形成を行った。この結果膜厚は800Åとなった。得られた基体上にフォトレジスト層をウェットプロセスにより形成した。
次に、第1発光部および第2発光部に該当する部分が遮光部となるように作製されたフォトマスクを用いて紫外線露光を行った後、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)により露光部のフォトレジストを除去した。その後、大気圧プラズマ装置によりドライエッチングを行い、フォトレジストが除去された部分の有機EL層を除去した。
ドライエッチング終了後、フォトレジストを剥離することなく、第3正孔注入層を形成した。次に、第3発光層として、青色発光有機材料である塗布液(ポリビニルカルバゾール70重量部、オキサジアゾ−ル30重量部、ペリレン1重量部、モノクロロベンゼン4900重量部)基板の中心部に滴下して、スピンコーティングを行った。2000rpmで10秒間保持して層形成を行った。この結果、膜厚は800Åとなった。得られた基体上にフォトレジスト層をウェットプロセスにより形成した。
次に、第1発光部、第2発光部および第3発光部に該当する部分が遮光部となるように作製されたフォトマスクを用いてアライメント露光機によりアライメント露光を行った後、レジスト現像液(東京応化社製:NMD−3)により露光部のフォトレジストを除去した。その後、大気圧プラズマ装置によりドライエッチングを行い、フォトレジストが除去された部分の有機EL層を除去した。
残った未露光部分であるレジストをレジスト溶媒に室温で180分間浸漬したが、第1発光部上に第1フォトレジストおよび第2発光部が残存した箇所や、第1フォトレジスト、第2発光部、第2フォトレジスト、第3発光部が残存した箇所、第2発光部上に第3発光部が残存した箇所、または第3発光部が欠落した箇所が多数確認された。
次に、実施例2および比較例2により得られた基板に、金属電極形成を行った。金属電極としてはカルシウムを1000Åの厚さで蒸着し、さらに、酸化保護層として銀を2000Åの厚さで蒸着した。
2 … 第1電極層
3 … 第1発光部
4 … 第1フォトレジスト層
4' … 第2フォトレジスト層
4'' … 第3フォトレジスト層
5 … 第2発光層
5' … 第2発光部
6 … フォトマスク
7 … 第3発光層
7' … 第3発光部
Claims (6)
- フォトリソグラフィー法を用いたエレクトロルミネッセント素子の製造方法において、
表面にバッファー層形成に用いられるバッファー層溶媒に不溶であるフォトレジスト層を有する少なくとも1色の発光部、および前記発光部と同一形状であり、かつ前記発光部の前記フォトレジスト層と反対側の表面に配置されたバッファー層が設けられている基板上に、前記フォトレジスト層上に直にバッファー層形成用塗工液を塗布することにより、発光層形成に用いられる発光層溶媒、フォトレジスト層形成に用いられるフォトレジスト溶媒およびフォトレジスト剥離液に不溶であるバッファー層を形成し、次いで前記バッファー層上に直に前記発光部とは異なる色を呈する異色発光層形成用塗工液を塗布し、バッファー層形成に用いられるバッファー層溶媒、フォトレジスト層形成に用いられるフォトレジスト溶媒、フォトレジスト現像液、およびフォトレジスト剥離液に不溶である異色発光層を形成することにより、前記バッファー層および前記異色発光層を有する異色有機エレクトロルミネッセント層を形成する工程と、
前記異色発光層上に直にフォトレジストを塗布し、バッファー層形成に用いられるバッファー層溶媒に不溶である異色有機エレクトロルミネッセント層用フォトレジスト層を形成する工程と、
前記異色有機エレクトロルミネッセント層用フォトレジスト層をパターン露光し、現像することにより、異色発光部が形成される部分のみに異色有機エレクトロルミネッセント層用フォトレジスト層が残存するようにパターニングする工程と、
前記異色有機エレクトロルミネッセント層用フォトレジスト層が除去された部分の異色有機エレクトロルミネッセント層を除去することにより、異色有機エレクトロルミネッセント層用フォトレジスト層を表面に有するパターン状の異色発光部、および前記異色発光部と同一形状であり、かつ前記異色発光部の前記異色有機エレクトロルミネッセント層用フォトレジスト層と反対側の表面に配置されたバッファー層を形成する工程と、
を有し、前記フォトレジスト剥離液が、前記フォトレジスト溶媒に用いられる有機溶媒であることを特徴とするエレクトロルミネッセント素子の製造方法。 - フォトリソグラフィー法を用いたエレクトロルミネッセント素子の製造方法において、
表面にバッファー層形成に用いられるバッファー層溶媒に不溶である第1フォトレジスト層を有する第1発光部、および前記第1発光部と同一形状であり、かつ前記第1発光部の前記第1フォトレジスト層と反対側の表面に配置された第1バッファー層を有し、パターニングされた第1有機エレクトロルミネッセント層が設けられている基板上に、前記第1フォトレジスト層上に直にバッファー層形成用塗工液を塗布することにより、発光層形成に用いられる発光層溶媒、フォトレジスト層形成に用いられるフォトレジスト溶媒およびフォトレジスト剥離液に不溶である第2バッファー層を形成し、次いで前記第2バッファー層上に直に第2発光層形成用塗工液を塗布し、バッファー層形成に用いられるバッファー層溶媒、フォトレジスト層形成に用いられるフォトレジスト溶媒、フォトレジスト現像液、およびフォトレジスト剥離液に不溶である第2発光層を形成することにより、前記第2バッファー層および前記第2発光層を有する第2有機エレクトロルミネッセント層を形成する工程と、
前記第2発光層上に直にフォトレジストを塗布し、バッファー層形成に用いられるバッファー層溶媒に不溶である第2フォトレジスト層を形成する工程と、
前記第2フォトレジスト層をパターン露光した後、現像することにより、第2発光部が形成される部分のみに第2フォトレジスト層が残存するようにパターニングする工程と、
前記第2フォトレジスト層が除去された部分の第2有機エレクトロルミネッセント層を除去することにより、第2フォトレジスト層を表面に有するパターン状の第2発光部、および前記第2発光部と同一形状であり、かつ前記第2発光部の前記第2フォトレジスト層と反対側の表面に配置された第2バッファー層を有し、パターニングされた第2有機エレクトロルミネッセント層を形成する工程と、
表面に前記第1フォトレジスト層を有し、パターニングされた前記第1有機エレクトロルミネッセント層と、前記第2フォトレジスト層を有し、パターニングされた前記第2有機エレクトロルミネッセント層とが設けられた基板上に、前記第2フォトレジスト層上に直にバッファー層形成用塗工液を塗布することにより、発光層形成に用いられる発光層溶媒、フォトレジスト層形成に用いられるフォトレジスト溶媒およびフォトレジスト剥離液に不溶である第3バッファー層を形成し、次いで第3バッファー層上に直に第3発光層形成用塗工液を塗布し、バッファー層形成に用いられるバッファー層溶媒、フォトレジスト層形成に用いられるフォトレジスト溶媒、フォトレジスト現像液、およびフォトレジスト剥離液に不溶である第3発光層を形成することにより、前記第3バッファー層および前記第3発光層を有する第3有機エレクトロルミネッセント層を形成する工程と、
前記第3発光層上に直にフォトレジストを塗布し、バッファー層形成に用いられるバッファー層溶媒に不溶である第3フォトレジスト層を形成する工程と、
前記第3フォトレジスト層をパターン露光した後、現像することにより、第3発光部が形成される部分のみに第3フォトレジスト層が残存するようにパターニングする工程と、
前記第3フォトレジスト層が除去された部分の第3有機エレクトロルミネッセント層を除去することにより、第3フォトレジスト層を表面に有するパターン状の第3発光部、および前記第3発光部と同一形状であり、かつ前記第3発光部の前記第3フォトレジスト層と反対側の表面に配置された第3バッファー層を有し、パターニングされた第3有機エレクトロルミネッセント層を形成する工程と、
を有し、前記フォトレジスト剥離液が、前記フォトレジスト溶媒に用いられる有機溶媒であることを特徴とするエレクトロルミネッセント素子の製造方法。 - 前記フォトリソグラフィー法を用いたエレクトロルミネッセント素子の製造方法において、パターニングされる各発光層上に直にフォトレジストを塗布し、露光し、現像することにより各フォトレジスト層をパターニングした後、ドライエッチングを用いて各フォトレジスト層が除去された部分の各発光層をパターニングすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレクトロルミネッセント素子の製造方法。
- 前記ドライエッチングが、反応性イオンエッチングであることを特徴とする請求項3に記載のエレクトロルミネッセント素子の製造方法。
- 前記ドライエッチングに、酸素単体または酸素を含むガスを用いることを特徴とする請求項3に記載のエレクトロルミネッセント素子の製造方法。
- 前記ドライエッチングに大気圧プラズマを用いることを特徴とする請求項3に記載のエレクトロルミネッセント素子の製造方法。
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