JP2011141512A - 黒色硬化性組成物、遮光性カラーフィルタ、固体撮像素子、ウエハレベルレンズ、遮光膜およびその製造方法 - Google Patents

黒色硬化性組成物、遮光性カラーフィルタ、固体撮像素子、ウエハレベルレンズ、遮光膜およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外領域から赤外領域までの広い波長範囲にわたる光に対する遮光性と、基板との密着性とが良好な遮光膜を形成することができ、硬化感度が高く、高精細なパターンを形成しうる、ウエハレベルレンズの遮光膜の形成、並びに固体撮像素子用の遮光性カラーフィルタおよび赤外光遮蔽膜の形成に有用な黒色硬化性組成物を提供する。
【解決手段】(A)無機顔料、(B)親溶剤性部と、酸基又は塩基性基を有する顔料吸着部とを含む鎖状の樹脂、(C)重合開始剤、及び(D)重合性化合物、を含有する黒色硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、黒色硬化性組成物、遮光性カラーフィルタ、固体撮像素子、ウエハレベルレンズ、遮光膜およびその製造方法に関する。
液晶表示装置に用いられるカラーフィルタには着色画素間の光を遮蔽し、コントラストを向上させる等の目的で、ブラックマトリクスと呼ばれる遮光性カラーフィルタが備えられている。また、固体撮像素子及びレンズを一体で作るウエハレベルレンズを備えるカメラモジュールにおいてもノイズ発生防止、画質の向上等を目的として遮光性カラーフィルタ、または遮光膜が設けられる。
液晶表示装置用のブラックマトリクスや固体撮像素子用の遮光性カラーフィルタを形成するための組成物としては、カーボンブラックやチタンブラック等の黒色色材を含有する感光性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1〜5参照)。
液晶表示装置用ブラックマトリクスとしては、主に可視域における遮光性が要求されるのに対し、固体撮像素子用遮光性カラーフィルタおよびウエハレベルレンズ用の遮光膜としては、可視域における遮光性に加え、赤外域における遮光性をも備える必要がある。
即ち、固体撮像素子用遮光性カラーフィルタおよびウエハレベルレンズ用の遮光膜は、可視領域の遮光性と共に800nm〜1300nmの赤外領域の波長の光もノイズ発生防止の為に遮光する必要がある。従来液晶表示装置等のブラックマトリックスで用いられているカーボンブラックなどの黒色顔料を使用した感光性樹脂組成物を用いて、固体撮像素子用の遮光性カラーフィルタおよびウエハレベルレンズ用の遮光膜を形成した場合、赤外領域の遮光は不十分であり、赤外領域の遮光の要求を満足させようとするとカーボン含有量を高くしたり、遮光性カラーフィルタの黒色層を厚くしたりする必要があった。
カーボンブラックを含有する感光性樹脂組成物を紫外線等の露光によって硬化させようとすると、カーボンブラックが300nm〜500nm領域の紫外線を吸収してしまう。そのため、感光性樹脂組成物の硬化が不十分となり、上記要求を満足させるものが得られなかった。
その他の黒色無機顔料、例えば、銀、錫などの金属を含有する金属顔料やチタンブラックは、カーボンブラックよりも赤外領域の遮光性が高く、かつ300nm〜500nmの波長の紫外線の吸収はカーボンブラックに比べれば少ない。しかし、この黒色無機顔料を含有する感光性樹脂組成物を紫外線で硬化させようとすると、依然として硬化が不十分であり、基板への密着性が低いという問題点があった。
近年、遮光性硬化組成物を携帯電話等のカメラモジュール部材に使用する試みがなされている。特に、携帯端末の小型化・薄型化、そして携帯端末の普及により、それに搭載される撮像ユニットにも更なる小型化・薄型化が要請され、生産性が要請される。かかる要請に対して、複数のレンズが形成されたレンズ基板と、複数の固体撮像素子が形成されたセンサ基板とを一体に組み合わせ、その後に、それぞれにレンズ及び固体撮像素子を含むようにレンズ基板及びセンサ基板を切断して撮像ユニットを量産する方法が知られている。また、レンズのみをガラスウエハ上等で作成し、個々のセンサと組み合わせるサイズに切断し、予め個片化された撮像素子と組み合わせて撮像ユニットを作成することができる。また、樹脂のみで金型で複数のレンズを形成し、これらをセンサ基板上に組み合わせ切断する方法、レンズを個々のセンサと組み合わせるサイズに切断し、予め個片化された撮像素子と組み合わせ、撮像ユニットを作成することができる。以下、レンズ基板に形成された複数のレンズの個々のレンズをウエハレベルレンズと呼び、レンズ基板に形成されたレンズ群を、このレンズ基板を含めて、ウエハレベルレンズアレイと呼ぶ。
従来のウエハレベルレンズアレイとしては、ガラス等の光透過性材料で形成された平行平板の基板の表面に硬化性樹脂材料を滴下し、この樹脂材料を金型にて所定の形状に整形した状態で硬化させ、複数のレンズを形成したものが知られている(例えば特許文献6、7参照)。ウエハレベルレンズのレンズの周縁部、或いは、レンズの一部には、光の量を調整するため、黒色膜や金属膜などからなる遮光性の領域が形成されることがある。この遮光性の領域は、一般には、遮光性硬化性組成物を用いてフォトリソグラフィ法により形成されたり、金属を蒸着したりすることで形成される。フォトリソグラフィ法を用いる場合、遮光性硬化性組成物をレンズ及びガラス基板上に塗布し、遮光膜を形成する部分を露光・硬化させ、アルカリ現像液で未露光部の遮光性硬化性組成物を除去することで、黒色膜を形成する。そのため遮光膜には、レンズ部との高い密着性と、ガラス基板上での高い密着性との両者を満たすことが重要となる。
しかし、これら両者を満足させることは非常に困難であった。
また、近年の小型化や薄型化、高感度化に伴い、他方の面に撮像素子部を有するシリコン基板の一方の面側からシリコン基板に入射される赤外光を遮光する遮光膜(以下、「赤外光遮蔽膜」ともいう。)の要求が強くなっている。
その理由は、固体撮像素子の基体であるシリコン基板が赤外光に対し高い透過率を示すためであり、更に、固体撮像素子に備えられる撮像素子が可視光に対してだけでなく赤外光に対しても感度を示すためである。
ところで、上記のような固体撮像素子におけるシリコン基板の他方の面に有する撮像素子部への電気的接続は、シリコン基板の一方の面に形成された金属電極と電気的に接続するハンダボールを介して回路基板と接続される方式が採用されることが多い。この場合、金属電極とハンダボールとの接続箇所以外の金属電極には、保護層としてのソルダーレジスト層が形成される。そのため、赤外光遮蔽膜には、金属電極との高い密着力とソルダーレジスト層との高い密着力の両者が要求される。このような赤外光遮蔽膜は、金属電極上およびソルダーレジスト層上にフォトリソグラフィ法を用いてパターン状に形成されるのが一般的である。
このような状況下、カーボンブラックを用いた赤外光遮蔽膜においては、赤外光の透過率が高いため、上記要求を満足するとは言い難い。これに対し、銀、錫などの金属を含む金属顔料やチタンブラックは、カーボンブラックよりも赤外領域の遮光性が高く、赤外遮光能には優れる。
しかしながら、前述の通り、銀、錫などの金属を含む金属顔料やチタンブラックを含有する黒色硬化性組成物は300〜500nmの波長の透過性は不十分であり、ソルダーレジスト層または金属電極との密着性が不足していた。
また、着色顔料、遮光材料等の色材分散液を調製する分散剤として、ブロック型分散剤を用いた遮光性硬化性組成物が知られている(特許文献8参照)。しかし、遮光材料を用いた遮光膜の形成用途の具体的な例はなく、開発が望まれていた。
特開平10−246955号公報 特開平9−54431号公報 特開平10−46042号公報 特開2006−36750号公報 特開2007−115921号公報 特許第3926380号公報 国際公開2008/102648号パンフレット 特開2007−113000号公報
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、可視領域から赤外領域までの広い波長範囲に亘る光に対する遮光性と、基板との密着性とが良好な遮光膜を形成することができ、かつ硬化感度が高く、高精細なパターンを形成しうる黒色硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明のさらなる目的は、本発明による上記の黒色硬化性組成物を用いてなることで、微細で、ノイズ発生が防止され、画質が向上した固体撮像素子用の遮光性カラーフィルタを提供すること、光量が適切に調整され、簡易に製造しうるウエハレベルレンズを提供すること、並びに固体撮像素子用遮光膜およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段は、下記の<1>〜<16>の通りである。
<1> (A)無機顔料、(B)親溶剤性部と酸基又は塩基性基を有する顔料吸着部とを含む鎖状の樹脂、(C)重合開始剤、及び(D)重合性化合物、を含有する黒色硬化性組成物。
<2> 前記(A)無機顔料が、チタンブラックである<1>に記載の黒色硬化性組成物。
<3> 前記親溶剤性部、I/O値が0.05〜1.50の範囲にある繰り返し単位を80質量%以上含む<1>または<2>に記載の黒色硬化性組成物。
<4> 前記親溶剤性部が、下記一般式(I−A)または一般式(I−B)で表される繰り返し単位を含む<1>〜<3>のいずれか一項に記載の黒色硬化性組成物。
Figure 2011141512
(一般式(I−A)中、Rはアルコキシ基、シクロアルコキシ基またはアリールオキシ基を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表す。)
Figure 2011141512
(一般式(I−B)中、Rはアリール基を表す。Rは水素原子またはアルキル基を表す。)
<5> 前記(C)重合開始剤が、オキシムエステル化合物またはヘキサアリールビイミダゾール化合物である<1>〜<4>のいずれか一項に記載の黒色硬化性組成物。
<6> さらに、前記(B)の樹脂以外の(E)アルカリ可溶性樹脂を含有する<1>〜<5>のいずれか1項に記載の黒色硬化性組成物。
<7> さらに、(F)有機顔料を含有する<1>〜<6>のいずれか一項に記載の黒色硬化性組成物。
<8> <1>〜<7>のいずれか一項に記載の黒色硬化性組成物からなる固体撮像素子用黒色硬化性組成物。
<9> <8>に記載の黒色硬化性組成物を用いてなる固体撮像素子用遮光性カラーフィルタ。
<10> <9>に記載の固体撮像素子用遮光性カラーフィルタを備えた固体撮像素子。<11> <1>〜<7>のいずれか一項に記載の黒色硬化性組成物からなるウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
<12> 基板上に存在するレンズの周縁部に、<11>に記載の黒色硬化性組成物を用いて得られた遮光膜を備えたウエハレベルレンズ。
<13> シリコン基板の一方の面上に設けられる赤外光を遮光する赤外光遮蔽膜の形成に用いられる<1>〜<7>のいずれか一項に記載の黒色硬化性組成物。
<14> 撮像素子部を有するシリコン基板の該撮像素子が設けられた面とは反対側の面上に、<13>に記載の黒色硬化性組成物を用いて形成された赤外光遮蔽膜。
<15> 撮像素子部を有するシリコン基板の該撮像素子が設けられた面とは反対側の面上に、<13>に記載の黒色硬化性組成物を塗布して感光性層を形成する感光層形成工程と、前記感光性層をパターン状に露光する露光工程と、露光後の前記感光性層を現像してパターン形成する現像工程と、を有する赤外光遮蔽膜の製造方法。
<16> 撮像素子部を有するシリコン基板の該撮像素子が設けられた面とは反対側の面上に、<14>に記載の赤外光遮蔽膜を備えた固体撮像素子。
本発明に係る上記<1>の黒色硬化性組成物によれば、可視領域から赤外領域までの広い波長範囲に亘る光に対する遮光性と、基板との密着性とが良好な遮光膜を形成することができ、かつ硬化感度が高く、高精細なパターンを形成しうる黒色硬化性組成物が提供される。
また、本発明の黒色硬化性組成物を用いることで、微細で、ノイズ発生が防止され、画質が向上した固体撮像素子用の遮光性カラーフィルタを提供することができ、光量が適切に調整され、簡易に製造しうるウエハレベルレンズを提供することができる。
さらに、本発明の黒色硬化性組成物を用いることで、赤外光によるノイズが低減された固体撮像素子を提供することができる。
即ち、本発明による上記<9>〜<10>に係る本発明によれば、可視領域から赤外領域までの広い波長範囲に亘る光に対する遮光性と、基板との密着性とが良好な固体撮像素子用遮光性カラーフィルタを形成しうる固体撮像用黒色硬化性組成物、並びにそれを用いてなる固体撮像素子用遮光性カラーフィルタおよびその固体撮像素子用遮光性カラーフィルタを備えた固体撮像素子が提供される。
また、本発明による上記<11>〜<12>に係る本発明によれば、可視領域から赤外領域までの広い波長範囲に亘る光に対する遮光性と、基板との密着性とが良好な遮光膜を形成することができるウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物、およびそれを用いて得られた遮光膜を有するウェハレベルレンズが提供される。
さらにまた、本発明による上記<13>〜<16>に係る本発明によれば、赤外光を遮光する性能、並びに金属電極およびソルダーレジスト層の両者との密着性とに優れた赤外光遮蔽膜の形成に用いられる黒色硬化性組成物、並びにそれを用いて形成された赤外光遮蔽膜、その製造方法およびその赤外光遮光膜を有する固体撮像素子が提供される。
本発明は、(A)無機顔料、(B)特定構造の樹脂、(C)重合開始剤、および(D)重合性化合物を含有する黒色硬化性組成物であることを特徴とし、(B)特定構造の樹脂は親溶剤性部と、酸基又は塩基性基を有する顔料吸着部とを含有するので、固体撮像素子の遮光性カラーフィルタに用いたときに基板密着性が向上する。特に、ウエハレベルレンズ用途では、レンズ周縁部と遮光膜との密着性、及びガラス基板と遮光膜との密着性の両者の密着性を同時に向上させることができる。また、シリコン基板の一方の面の上に設けられる赤外光を遮光する赤外線遮光膜においては、ソルダーレジスト上及び金属電極上の双方に対する密着性が良好となる。これは、上記した(B)特定構造の樹脂が、溶剤中で親溶剤性部が広がり、且つ、酸基または塩基性基を密集して有していることによって、無機顔料の表面のみならず、レンズ周縁部上、ガラス基板上での密着性が向上したためと推定される。
ウエハレベルレンズアレイの一例を示す平面図である。 図1に示すA−A線断面図である。 基板にレンズとなる成形材料を供給している状態を示す図である。 図4A〜図4Cは、基板にレンズを型で成形する手順を示す図である。 図5A〜図5Cは、レンズが成形された基板にパターン状の遮光膜を形成する工程を示す概略図である。 ウエハレベルレンズアレイの一例を示す断面図である。 図7A〜図7Cは、遮光膜形成工程の他の態様を示す概略図である。 図8A〜図8Cは、パターン状の遮光膜を有する基板にレンズを成形する工程を示す概略図である。 本発明の一例に係る固体撮像素子を備えたカメラモジュールの構成を示す概略断面図である。 本発明の一例に係る固体撮像素子の概略断面図である。 実施例118〜172及び比較例7〜9で用いた基板Aの概略断面図である。 基板A上に遮光膜が形成された様子を示す概略断面図である。 実施例118〜172及び比較例7〜9で用いた基板Bの概略断面図である。 基板B上に遮光膜が形成された様子を示す概略断面図である
以下、本発明の黒色硬化性組成物について詳細に説明する。
<黒色硬化性組成物>
本発明の黒色硬化性組成物は、(A)無機顔料、(B)親溶剤性部と酸基又は塩基性基を有する顔料吸着部とを含む鎖状の樹脂(以下、適宜「特定樹脂」と称する。)、(C)重合開始剤、及び(D)重合性化合物、を含有する。以下、本発明の黒色硬化性組成物に含まれる各成分について順次説明する。
<(A)無機顔料>
本発明に係る黒色硬化性組成物に含有させられる(A)無機顔料としては、可視光から赤外線までの遮光性を発現するべく、可視光領域から赤外線領域まで吸収を有する顔料が好ましい。
(A)無機顔料としては、金属単体からなる顔料、金属酸化物、金属錯塩等から選ばれる金属化合物からなる顔料などを挙げることができる。
具体的には、例えば、亜鉛華、鉛白、リトポン、酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、鉛丹、酸化鉄赤、黄鉛、亜鉛黄(亜鉛黄1種、亜鉛黄2種)、ウルトラマリン青、プロシア青(フェロシアン化鉄カリ)、ジルコングレー、プラセオジムイエロー、クロムチタンイエロー、クロムグリーン、ピーコック、ビクトリアグリーン、紺青(プルシアンブルーとは無関係)、バナジウムジルコニウム青、クロム錫ピンク、陶試紅、およびサーモンピンク等が挙げられる。また、黒色の無機顔料としては、Co、Cr、Cu、Mn,Ru、Fe、Ni、Sn、Ti及びAgからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属元素を含む金属酸化物、金属窒素物が挙げられる。
これらの顔料は、一種のみを用いてもよく、また、2種以上を混合物として用いることもできる。
特に、可視光領域から赤外線領域までの広い波長域での遮光性を実現する目的で、単独のみならず、複数種の顔料を混合し、使用することが可能である。
また、遮光性と硬化性の観点から、銀または錫を含む金属顔料、チタンブラックが好ましく、可視光領域から赤外線領域までの遮光性の観点からチタンブラックが最も好ましい。
本発明においてチタンブラックとは、チタン原子を有する黒色粒子である。好ましくは低次酸化チタンや酸窒化チタン等である。チタンブラック粒子は、分散性向上、凝集性抑制などの目的で必要に応じ、表面を修飾することが可能であり、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムで被覆することが可能であり、また、特開2007−302836号公報に示されるような撥水性物質での処理も可能である。
また、前記チタンブラックは、分散性、着色性等を調整する目的でCu、Fe、Mn、V、Ni等の複合酸化物、酸化コバルト、酸化鉄、カーボンブラック、アニリンブラック等の黒色顔料を1種あるいは2種以上の組み合わせで含有してもよく、この場合、無機顔料の50質量%以上がチタンブラック粒子であることが好ましい。
チタンブラックの市販品の例としては、三菱マテリアル社製チタンブラック10S、12S、13R、13M、13M−C、13R、13R−N、赤穂化成(株)ティラック(Tilack)Dなどが挙げられる。
チタンブラックの製造方法としては、二酸化チタンと金属チタンの混合体を還元雰囲気で加熱し還元する方法(特開昭49−5432号公報)、四塩化チタンの高温加水分解で得られた超微細二酸化チタンを水素を含む還元雰囲気中で還元する方法(特開昭57−205322号公報)、二酸化チタンまたは水酸化チタンをアンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭60−65069号公報、特開昭61−201610号公報)、二酸化チタンまたは水酸化チタンにバナジウム化合物を付着させ、アンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭61−201610号公報)などがあるが、これらに限定されるものではない。
チタンブラックの粒子の平均一次粒子径は特に制限は無いが、分散性、着色性の観点から、3nm〜2000nmであることが好ましく、更に好ましくは10nm〜500nmである。最も好ましくは、10nm〜100nmである。
チタンブラックの比表面積は、とくに限定がないが、BET法にて測定した値が通常5m/g〜150m/g程度、特に20m/g〜100m/g程度であることが好ましい。
チタンブラックに代表される本発明に係る(A)無機顔料の粒径は、平均粒径が5nmから500nmであることが好ましく、分散性、遮光性、経時での沈降性の観点から平均粒径が10nm〜100nmであることが好ましい。
本発明の黒色硬化性組成物には、(A)無機顔料は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、後述するように、遮光性の調整等を目的として、有機顔料や染料などを所望により併用してもよい。
黒色硬化性組成物中の(A)無機顔料の含有量は、組成物の全固形分に対し、5質量%〜70質量%であることが好ましく、10質量%〜50質量%であることがさらに好ましい。この範囲であると遮光性が良好で、パターンを形成した時の現像性が良好である。
(A)無機顔料を黒色硬化性組成物に配合するに際しては、予め無機顔料を(B)特定樹脂等により分散してなる顔料分散物を調製し、顔料分散物として配合することが、得られる黒色硬化性組成物の均一性の観点から好ましい。
<(B)親溶剤性部と酸基又は塩基性基を有する顔料吸着部とを含む鎖状の樹脂>
本発明の黒色硬化性組成物は、(B)親溶剤性部と酸基又は塩基性基を有する顔料吸着部とを含む鎖状の樹脂(=特定樹脂)を含有する。
(B)特定樹脂は、親溶剤性部、および酸基又は塩基性基を有する顔料吸着部(以下、適宜「顔料吸着部」と称する。)を構成単位として含有する鎖状の樹脂である。
この特定樹脂を含有することにより、本発明に係る黒色硬化性組成物の基板に対する密着性が向上するものと考えられる。特に、ウエハレベルレンズ用途では、これまで両立が難しかったレンズ上での密着性とガラス基板上での密着性との両立が可能となる。また、他方の面に固体撮像素子が設けられたシリコン基板の一方の面に設けられる赤外光遮蔽膜を形成するために、本発明に係る黒色硬化性組成物を使用する場合には、これまで両立が難しかったソルダーレジスト層との密着性と金属電極との密着性との両立が可能となる。
特定樹脂が含有する親溶剤性部は、親溶剤性を示す構成単位を含む。ここでいう親溶剤性とは、黒色硬化性組成物に含まれる溶剤の主成分であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対し、高い溶剤溶解性を示すことを意味する。この親溶剤性を示すには、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのI/O値(0.67)に近いI/O値を有する繰り返し単位を含むことが好ましい。
上記のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのI/O値(0.67)に近いとは、繰り返し単位のI/O値が、0.05〜1.50の範囲にあり、好ましくは0.30〜1.30の範囲にあり、0.40〜0.70の範囲にあることがさらに好ましい。I/O値がこの範囲の繰り返し単位を含むことにより、分散安定性がさらに良好になる。これは、黒色硬化性組成物に用いる溶剤の主成分であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのI/O値である0.67に近いほど、特定樹脂の親溶剤性が高まり、顔料の凝集を抑制するためと考えられる。
特定樹脂は前記親溶剤性部中に、I/O値が0.05〜1.50の範囲にある親溶剤性を示す繰り返し単位を80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことが分散安定性の観点から最も好ましい。
また、このような親溶剤性を示す構成単位が特定樹脂中で30質量%以上95質量%以下であることが、溶剤溶解性及び分散安定性の観点で本発明では好ましく、40質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上90質量%以下であることがさらに好ましい。
前記I/O値は、(無機性値)/(有機性値)とも呼ばれる各種有機化合物の極性を有機概念的に取り扱った値であり、各官能基にパラメータを設定する官能基寄与法の一つである。前記I/O値としては、詳しくは、有機概念図(甲田善生 著、三共出版(1984));KUMAMOTO PHARMACEUTICAL BULLETIN,第1号、第1〜16項(1954年);化学の領域、第11巻、第10号、719〜725項(1957年);フレグランスジャーナル、第34号、第97〜111項(1979年);フレグランスジャーナル、第50号、第79〜82項(1981年);などの文献に詳細に説明されている。
前記I/O値の概念は、化合物の性質を、共有結合性を表わす有機性基と、イオン結合性を表わす無機性基とに分け、すべての有機化合物を有機軸と無機軸と名付けた直行座標上の1点ずつに位置づけて示すものである。
前記無機性値とは、有機化合物が有している種々の置換基や結合等の沸点への影響力の大小を、水酸基を基準に数値化したものである。具体的には、直鎖アルコールの沸点曲線と直鎖パラフィンの沸点曲線との距離を炭素数5の付近で取ると約100℃となるので、水酸基1個の影響力を数値で100と定め、この数値に基づいて、各種置換基或いは各種結合などの沸点への影響力を数値化した値が、有機化合物が有している置換基の無機性値である。例えば、−COOH基の無機性値は150であり、2重結合の無機性値は2である。従って、ある種の有機化合物の無機性値とは、該化合物が有している各種置換基や結合等の無機性値の総和を意味する。
前記有機性値とは、分子内のメチレン基を単位とし、そのメチレン基を代表する炭素原子の沸点への影響力を基準にして定めたものである。即ち、直鎖飽和炭化水素化合物の炭素数5〜10付近での炭素1個加わることによる沸点上昇の平均値は20℃であるから、これを基準に、炭素原子1個の有機性値を20と定め、これを基礎として、各種置換基や結合等の沸点への影響力を数値化した値が有機性値である。例えば、ニトロ基(−NO)の有機性値は70である。
前記I/O値は、0に近いほど非極性(疎水性、有機性の大きな)の有機化合物であることを示し、大きいほど極性(親水性、無機性の大きな)の有機化合物であることを示す。
以下において前記I/O値の計算方法を説明する。
下記繰り返し単位(A)のI/O値は、該繰り返し単位の無機性値及び有機性値を以下の方法により計算し、次式、(前記共重合体の無機性値)/(前記共重合体の有機性値)、を計算することにより求められる。
Figure 2011141512
前記繰り返し単位(A)は、エステル基を1個有するため、前記繰り返し単位(A)の無機性値は、
60(エステル基の無機性値)×1(エステル基の個数)=60
となる。
前記繰り返し単位(A)は、炭素原子を8個有するため、前記繰り返し単位(A)の有機性値は、
20(炭素原子の有機性値)×8=160
となる。
よって、前記共重合体のI/O値は、60(前記共重合体の無機性値)/160(前記共重合体の有機性値)=0.38となる。
親溶剤性部を構成する繰り返し単位は、具体的には、下記一般式(I−A)又は下記一般式(I−B)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 2011141512
一般式(I−A)中、Rはアルコキシ基、シクロアルコキシ基及びアリールオキシ基を表す。Rにおけるアルコキシ基としては、炭素数1〜30の鎖状又は環状のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜10の鎖状又は環状のアルコキシ基が好ましい。また、アルコキシ基の一部の炭素が酸素原子、窒素原子及び硫黄原子等のヘテロ原子で置換されていてもよい。具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、tert−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ、2−メトキシエチル、3−エトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、ベンジルオキシ、2−ヒドロキシエチルオキシ、3−ヒドロキシプロピルオキシ等の基が挙げられる。
におけるシクロアルキル基としては、炭素数3〜30の単環又は多環のシクロアルキル基が好ましく、炭素数5〜20の単環又は多環のシクロアルキル基が最も好ましい。また、シクロアルコキシ基の一部の炭素が酸素原子、窒素原子及び硫黄原子等のヘテロ原子で置換されていてもよい。具体例としては、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロオクチルオキシ、シクロデシルオキシ、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イルオキシ、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イルオキシ、トリシクロ[5.2.1.02、6]デカン-8-イルオキシ等の基が挙
げられる。
におけるアリールオキシ基としては、炭素数6〜30のアリールオキシ基が好ましく、炭素数6〜20のアリールオキシ基が好ましい。アリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基が好ましい。Rは、特に炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数5〜15のシクロアルコキシ基が好ましい。
は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基を表す。Rにおけるアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、2−ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が重合性の観点から好ましい。Rは、特に水素原子及びメチル基が好ましい。
Figure 2011141512
一般式(I−B)中、Rはアリール基を表す。Rは水素原子、またはアルキル基を表す。
が表すアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、炭素数6〜20のアリール基がさらに好ましく、炭素数6〜15のアリール基が最も好ましい。具体例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
以下に一般式(I−A)及び一般式(I−B)の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、具体例におけるRは一般式(I−A)中のRと、またRは一般式(I−B)のRと、それぞれ同義である。
Figure 2011141512
前記繰り返し単位のうち、特に(I−A−1)〜(I−A−17)、(I−A−23)で表され、且つRが水素原子又はメチル基である(メタ)アクリル酸エステルをモノマーとする繰り返し単位、及び(I−B−1)で表され、且つRが水素原子であるスチレンをモノマーとする繰り返し単位が、分散安定性の観点から好ましい。
親溶剤性部は、上記した親溶剤性を示す繰り返し単位を2種以上含んでもよい。
また、親溶剤性部は上記した親溶剤性を示す繰り返し単位以外の繰り返し単位として上記したI/O値が、0.05〜1.50の範囲外の繰り返し単位を含んでもよく、親溶剤性を示す繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、酸基、水酸基、アミド基等の極性基を有する繰り返し単位やアルキル基、又はアルケニル基のみからなる繰り返し単位が挙げられる。
親溶剤性を示す繰り返し単位以外の繰り返し単位のI/O値としては、0.05未満又は1.50を超える値であり、好ましくは0.03以下或いは2.00以上であることが好ましい。
上記した親溶剤性を示す繰り返し単位以外の繰り返し単位の具体例としては、メタクリル酸からなる繰り返し単位(I/O値4.375)、アクリル酸からなる繰り返し単位(I/O値5.833)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルからなる繰り返し単位(I/O値1.33)、メタクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピルからなる繰り返し単位(I/O値1.857)、N−ビニルピロリドンからなる繰り返し単位(I/O値2.1)、N、N−ジメチルアクリルアミドからなる繰り返し単位(I/O値0.875)、エチレンからなる繰り返し単位(I/O値 0)、イソプレンからなる繰り返し単位(I/O値0.02)である。これらの繰り返し単位は、親溶剤部の全質量に対し、20質量%以下含有されるが、10質量%以下であることが好ましい。
親溶剤性部が酸基を有する場合、酸価(親溶剤性部中に含まれる酸基のミリモル数(mmol)×56.1(g−KOH/mol)/親溶剤性部の質量(g))は20mgKOH/ g以下であり、10mgKOH/gであることが好ましい。この値よりも大きいと、分散安定性が低くなる。
親溶剤性部のGPC測定法による重量平均分子量は、2,000〜30,000の範囲であることが好ましく、3,000〜20,000の範囲であることがさらに好ましく、5,000〜15,000の範囲であることが分散安定性の観点から最も好ましい。ここで、「親溶剤性部の重量平均分子量」とは、親溶剤性部を導入する前の樹脂の重量平均分子量をMw1とし、親溶剤性部を導入した後の樹脂の重量平均分子量をMw2としたとき、[Mw2−Mw1]で定義する。
特定樹脂における酸基又は塩基性基を有する顔料吸着部について説明する。ここでいう「酸基又は塩基性基を有する顔料吸着部」とは、酸基又は塩基性基を少なくとも一つ有し、且つ分子量が70〜500の範囲であるモノマー(以下、「酸基含有モノマー」或いは「塩基性基含有モノマー」ともいう)からなる繰り返し単位を含むことが好ましい。
酸基含有モノマーは、(メタ)アクリル酸系、スチレン系が重合性の観点から好ましい。酸基含有モノマーが有する酸基には、カルボン酸、りん酸及びスルホン酸が挙げられる。
酸基含有モノマーからなる繰り返し単位の具体的な構造を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、式中のRは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、またはトリフルオロメチル基を表す。
Figure 2011141512
酸基含有モノマーからなる繰り返し単位のうち、特にカルボキシ基を含む繰り返し単位である(B−1)、および(B−4)〜(B−12)が分散安定性に対し好ましい。
塩基性基含有モノマーからなる繰り返し単位とは、塩基性基を少なくとも一つ有し、且つ分子量が70〜500の範囲であるモノマー(以下、塩基性基含有モノマーともいう)からなる繰り返し単位を表す。塩基性基含有モノマーは、(メタ)アクリル酸系、スチレン系が重合性の観点から好ましい。塩基性基含有モノマーが含む塩基性基には、アミノ基、含窒素へテロ環基が好ましく、アミノ基、ピリジニル基がさらに好ましく、アミノ基が最も好ましい。
塩基性基含有モノマーからなる繰り返し単位の具体的な構造を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、式中のRは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、またはトリフルオロメチル基を表す。
Figure 2011141512
塩基性基を含む繰り返し単位のうち、特にアミノ基を有する(B−14)〜(B−31)、(B−34)〜(B−36)が分散安定性に対し好ましく、三級アミノ基を有する(B−14)〜(B−31)がさらに好ましく、(B−14)〜(B−19)、(B−22)〜(B−25)が最も好ましい。
特定樹脂が酸基を含む繰り返し単位を含有する場合、酸価は50mgKOH/g〜150mgKOH/gが好ましく、60mgKOH/g〜130mgKOH/gがさらに好ましく、75mgKOH/g〜120mgKOH/gが最も好ましい。この範囲にあることで、ガラス基板上及びレンズ上の密着性が両立する。
また、特定樹脂が塩基性基を含む場合、アミン価は50mgKOH/g〜150mgKOH/gが好ましく、60mgKOH/g〜140mgKOH/gがさらに好ましく、75mgKOH/g〜120mgKOH/gが最も好ましい。この範囲にあることで、ガラス基板上及びレンズ上の密着性が両立する。特定樹脂における顔料吸着部は、特に酸基を含む繰り返し単位で構成されることが現像性の観点から好ましい。
特定樹脂における顔料吸着部のGPC測定法による重量平均分子量は、500〜10,000の範囲であることが好ましく、1,000〜5,000の範囲であることがさらに好ましく、1,000〜3,000の範囲であることが密着性の観点から最も好ましい。ここで、「顔料吸着部の重量平均分子量」とは、顔料吸着部を導入する前の樹脂の重量平均分子量をMw1とし、顔料吸着部を導入した後の樹脂の重量平均分子量をMw2としたとき、[Mw2−Mw1]と定義する。
顔料吸着部は、上記した酸基又は塩基性基を有する繰り返し単位を2種以上含んでもよい。
また、前記酸基又は塩基性基を有する顔料吸着部は、酸基又は塩基性基を含む繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでもよく、このような繰り返し単位としては、アルキル基、アルキレンオキシド基、シアノ基、アミド基、水酸基、ラクトン基、芳香族環基、ヘテロ環基である。
上記した酸基又は塩基性基を含む繰り返し単位以外の繰り返し単位の具体例としては、前記(I−A−1)〜(I−A−24)、及び(I−B−1)、(I−B−2)に示した繰り返し単位、アクリロニトリルからなる繰り返し単位、N,N−ジメチルアクリルアミドからなる繰り返し単位、N−ビニルピロリドンからなる繰り返し単位、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどである。これらの繰り返し単位は、顔料吸着部の全質量に対し、10質量%以下含有されるが、5質量%以下であることが好ましい。
前記酸基又は塩基性基を有する顔料吸着部は、酸基又は塩基性基を含む繰り返し単位を90質量%以上含有することが好ましく、95質量%以上含有することがさらに好ましく、99質量%以上含有することが最も好ましい。この範囲にあることにより、密着性がさらに向上する。
特定樹脂における親溶剤性部と顔料吸着部との含有量(質量比)は、親溶剤性部:顔料吸着部が95:5〜30:70の範囲にあることが好ましく、90:10〜40:60の範囲にあることがさらに好ましく、90:10〜50:50の範囲にあることが最も好ましい。この範囲にあることで、分散安定性と密着性がさらに向上する。
特定樹脂は、GPC測定法による重量平均分子量で5,000〜25,000の範囲であることが好ましく、6,000〜20,000の範囲であることがさらに好ましく、7,000〜15,000の範囲であることが最も好ましい。この範囲にあることにより、分散安定性が非常に高くなる。
本発明における特定樹脂は、意図的に親溶剤性部及び顔料吸着部を導入した鎖状の分散樹脂である。親溶剤性部及び顔料吸着部の導入方法としては、リビング重合法が好ましく、特にリビングラジカル重合法が好ましい。リビングラジカル重合の方法としては、特許第4,304,014号公報に記載されているニトロキシフリーラジカル存在下で行うリビングラジカル重合法や、特開2009−9114号公報に記載されているジチオエステル存在下で行うリビングラジカル重合法が好ましい。
<親溶剤性部と顔料吸着部とを含む特定樹脂の構造>
親溶剤性部が1種の親溶剤性を示す繰り返し単位だけから構成され、顔料吸着部が1種の酸基又は塩基性基含有モノマーからなる繰り返し単位だけから構成される場合は、親溶剤性部を構成するモノマーPと顔料吸着部を構成するモノマーQを重合する。この場合はPとQとを混合した状態でラジカル発生剤と混合して重合する方法では、通常は、次の様にPとQとからなる繰り返し単位がほぼランダムに配列する。
PPPQPPQP・・・・・・・PPQPQPPQPPQP
(ランダムな配列部位)
これに対し、本発明における特定樹脂の場合は、同一繰り返し単位のみを重合させることによってP又はQが連続して配列する箇所が存在する。この場合には特定樹脂は、ブロックポリマーを構成する。
その場合に、下記のようにPとQとを特定樹脂の構成部位として一つずつ有してもよい(PQ型)し、PとQとPとを一つずつ有してもよい(PQP型)。特にPQ型であることが密着性の観点から好ましい。
・親溶剤性部と顔料吸着部とを有する場合(PQ型)
PPPPPPPPPPPPPPP−QQQQQQQQQQQQ
(親溶剤性部) (顔料吸着部)
・親溶剤性部と顔料吸着部と親溶剤性部とを有する場合(PQP型)
PPPPPPPPPPPP−QQQQQQQQQQ−PPPPPPPPPPPPP
(親溶剤性部) (顔料吸着部) (親溶剤性部)
なお、親溶剤性部が親溶剤性を示す繰り返し単位P以外の繰り返し単位Aを含み、顔料吸着性部が酸基又は塩基性基含有モノマーからなる繰り返し単位Q以外の繰り返し単位Bを含む場合は、上記のPQ型類似のケースでは、下記のようになる。
PPPPAPPPPAAA−BQQQQQQBBQQQQQ
ここでAとBとが同一構造をとる場合は、下記のようになるが、親溶剤性基は顔料吸着部を構成する酸基又は塩基性基を有する構成単位を除いた部分のことを示す。
PPPPAPPPPAAA−AQQQQQQAAQQQQQ
即ち、本発明では、上記の場合には、Qに挟まれた部分「QQQQQQAAQQQQQ」を顔料吸着部とし、それを除いた「PPPPAPPPPAAA−A」を親溶剤性部と定義する。親溶剤性を示す繰り返し単位が2種以上、酸基又は塩基性基含有モノマーからなる繰り返し単位が2種以上の場合も、酸基又は塩基性基含有モノマーからなる繰り返し単位で挟まれた部分を顔料吸着部とし、それ以外を親溶剤性部と定義する。顔料吸着部に含有するAは、顔料吸着部の全質量に対し、10質量%以下含有されるが、5質量%以下であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物を調製する際、特定樹脂を固体のまま添加しても良いし、溶剤に溶解して添加しても良い。溶剤に溶解させる場合、後述する(F)有機溶剤に溶解させることが好ましい。特定樹脂の溶液は、固体状態の特定樹脂を溶剤に溶解させて調製しても良く、また特定樹脂を構成するモノマーを溶剤に溶解させ、それらを重合して調製しても良い。特定樹脂を溶剤に溶解させて用いる場合、溶液の固形分濃度は、10質量%〜70質量%が好ましく、20質量%〜50質量%が好ましい。
特定樹脂の黒色硬化性組成物中の含有量としては、黒色硬化性組成物の固形分に対し、2質量%〜30質量%の範囲が好ましく、5質量%〜20質量%の範囲がより好ましい。この範囲にあると、基板密着性がより好ましい。
本発明の黒色硬化性組成物は、無機顔料を前記した特定樹脂、およびその他の顔料分散剤を添加して分散して、顔料分散物として予め調製してもよい。その他の顔料分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
その他の顔料分散剤としては、側鎖に複素環を有する高分子化合物が好ましい。このような高分子化合物としては、特開2008−266627号公報に記載の一般式(1)で表される単量体、または、マレイミド、マレイミド誘導体からなる単量体に由来する重合単位を含む重合体であることが好ましい。このような顔料分散剤は、特開2008−266627号公報段落番号〔0020〕〜〔0047〕に詳細に記載され、ここに記載の分散剤を本発明にも好適に使用しうる。
また、その他の顔料分散剤としては、公知の化合物を任意に選択して用いることができ、市販の分散剤、界面活性剤なども使用可能である。その他の顔料分散剤として用いうる市販品としては、具体的には、例えば、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学工業(株)製)、W001(裕商(株)社製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)社製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(いずれもチバ・スペシャルテイケミカル社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(いずれもサンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000、32000、36000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール(株)社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化(株)製)及びイソネットS−20(三洋化成(株)製)、Disperbyk 101,103,106,108,109,111,112,116,130,140,142,162,163,164,166,167,170,171,174,176,180,182,2000,2001,2050,2150(ビックケミー(株)社製)が挙げられる。
その他、アクリル系共重合体など、分子末端もしくは側鎖に極性基を有するオリゴマーもしくはポリマーも分散剤として好適に挙げられる。
分散性、現像性、沈降性の観点から、本願出願人が先に提案した特願2008−258907明細書に記載される側鎖にポリエステル鎖を有する樹脂が好ましく、特に、分散性の観点から、側鎖にポリエステル鎖を有する樹脂が好ましく、また、分散性と解像性の観点からは、さらに酸基を有する樹脂が好ましい。好ましい酸基としては、吸着性の観点から、pKaが6以下の酸基が好ましく、特にカルボン酸、スルホン酸、リン酸由来の酸基が好ましい。
顔料分散物への溶解性、分散性、現像性の観点から最も好ましくは、ポリエステル鎖がポリカプロラクトン側鎖であり、カルボン酸基を有する樹脂が好ましい。
顔料分散物を調製する際のその他の顔料分散剤の含有量としては、顔料分散物中の無機顔料に対して、1質量%〜90質量%が好ましく、3質量%〜70質量%がより好ましい。この範囲あると、基板密着性がより好ましい。
<(C)重合開始剤>
本発明の黒色硬化性組成物は、(C)重合開始剤を含有する。本発明の黒色硬化性組成物における重合開始剤は、光や熱により分解し、後述する重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300nm〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。
具体的には、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物が挙げられるが、特にオキシムエステル化合物及びヘキサアリールビイミダゾール系化合物が残渣及び密着性の観点から好ましい。
より具体的には、例えば、特開2006−78749号公報の段落番号[0081]〜[0100]、段落番号[0101]〜[0139]等に記載される重合開始剤が挙げられる。
好適なオキシムエステル化合物としては、電子部品用途等の感光性組成物の光重合開始剤として知られている公知の化合物を使用することができる。例えば、特開昭57−116047、特開昭61−24558、特開昭62−201859、特開昭62−286961、特開平7−278214、特開2000−80068、特開2001−233842、特表2004−534797、特表2002−538241、特開2004−359639、特開2005−97141、特開2005−220097、WO2005−080337A1、特表2002−519732、特開2001−235858、特開2005−227525などの各公報に記載の化合物から選択して使用することができる。
一般にオキシムエステル化合物は、波長が365nmや405nm等の近紫外光領域の吸収が小さいため低感度であるが、増感剤により、近紫外光領域の感光性を高め、高感度化されることが知られている。またアミン類やチオール等の共増感剤との併用により有効ラジカル発生量を増加させ得ることが知られているが、実用的には更なる高感度が求められていた。
本発明においては、波長が365nmや405nm等の近紫外光領域の吸収が小さいオキシムエステル化合物でも、増感剤と併用することによって著しく高感度化され実用的な感度まで到達させることができる。
ここでオキシムエステル化合物は380nm〜480nmの波長領域に吸収が小さく、着色、特に黄着色が小さいので、本発明の主たる用途である画像表示装置用のカラーフィルタに用いたときに、色純度の高い画像が得られる。また他の用途である固体撮像素子用の色分解用カラーフィルタに用いたときには、解像力の高い色信号が得られるので高解像力の固体撮像素子が得られる。
オキシムエステル化合物としては、380nm〜480nmの波長範囲の吸収が小さく、かつ分解効率の高い化合物か、もしくは380nm〜480nmの波長範囲の吸収が大きくても、光分解によりこの領域の吸収が小さくなる化合物(副生成物の吸収が短波長)である化合物が好ましい。
本発明においては、オキシムエステル系化合物の中でも、下記一般式(a)で表される化合物が、感度、径時安定性、後加熱時の着色の観点から、好ましい。また、チバ・スペシャリティ・ケミカル社製イルガキュア OXE−01、OXE−02なども好ましい。
Figure 2011141512
一般式(a)中、R及びXは、各々独立に、1価の置換基を表し、Aは、2価の有機基を表し、Arは、アリール基を表す。nは、1〜5の整数である。
Rとしては、高感度化の点から、アシル基が好ましく、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、トルイル基が好ましい。
Aとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換のアルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換されたアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
Arとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換又は無置換のフェニル基が好ましい。置換フェニル基の場合、その置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基が好ましい。
Xとしては、溶剤溶解性と長波長領域の吸収効率向上の点から、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基が好ましい。
また、一般式(a)におけるnは1〜2の整数が好ましい。
以下、オキシムエステル化合物の具体例を示す。
Figure 2011141512
Figure 2011141512
Figure 2011141512
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
本発明の黒色硬化性組成物における(C)重合開始剤の含有量は、黒色硬化性組成物の全固形分中、0.1質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜25質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。重合開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の黒色硬化性組成物には、用いる重合開始剤によっては、連鎖移動剤を加えると好ましい。連鎖移動剤としては、N,N-ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル
やチオール系化合物があげられ、チオール系化合物としては、2-メルカプトベンゾチア
ゾール、2-メルカプト-1-フェニルベンズイミダゾール、3-メルカプトプロピオン酸、などを単独または2種以上混合して使用することができる。特に、ヘキサアリールビイミダゾール化合物とチオール系化合物を組み合わせて用いることが、残渣及び密着性の観点から好ましい。
<(D)重合性化合物>
本発明の黒色硬化性組成物は、(D)重合性化合物を含有する。
(D)重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましい。
前記少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号公報に記載のウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号公報に記載のポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートを挙げることができる。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー
及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、前記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も用いることができる。
中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びこれらのアクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
また、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた黒色硬化性組成物を得ることができる。市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化薬社製
)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
また、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類も好適であり、市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO−1382などが挙げられる。
本発明に用いられる重合性化合物としては、4官能以上のアクリレート化合物がより好ましい。
重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。組み合わせの好ましい例として、含有する重合性基の異なるモノマーを2種組み合わせることが好ましく、重合性基が4官能以下であるモノマーと5官能以上であるモノマーを組み合わせることが、現像性・密着性の観点より好ましい。
重合性化合物の黒色硬化性組成物中における含有量としては、質量換算で全固形分100部に対して、3部〜55部が好ましく、より好ましくは10部〜50部である。重合性化合物の含有量が前記範囲内において、十分な硬化反応が進行する。
<その他の添加剤>
本発明の黒色硬化性組成物には、前記(A)〜(D)の必須成分及びその他の顔料分散剤に加え、必要に応じて以下に記載する種々の化合物を使用することができる。
(E)前記成分(B)の樹脂とは異なるアルカリ可溶性樹脂(以下、単に「アルカリ可溶性樹脂」ともいう。)
本発明において使用しうるアルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシ基、リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシ基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
上記アルカリ可溶性樹脂としてより好ましいものは、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等のアクリル系共重合体のものが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の酸価としては、20mgKOH/g〜200mgKOH/g、好ましくは30mgKOH/g〜150mgKOH/g、更に好ましくは50mgKOH/g〜120mgKOH/gの範囲のものが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の具体例としては、特に(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が好適である。前記(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート、及びアリール(メタ)アクリレートとしては、CH=C(R11)(COOR13)〔ここで、R11は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R13は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(アルキルは炭素数1〜8のアルキル基)、ヒドロキシグリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等を挙げることができる。
またアルカリ可溶性樹脂の側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有する樹脂も好ましいものである。前記ポリアルキレンオキサイド鎖としては、ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、ポリテトラメチレングリコール鎖あるいはこれらの併用も可能である。
ポリエチレンオキシド鎖、およびポリプロピレンオキシド鎖の繰り返し単位数は1〜20が好ましく、2〜12がより好ましい。これらの側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系共重合体は、例えば2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなどおよびこれらの末端OH基をアルキル封鎖した化合物、例えばメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなどを共重合成分とするアクリル系共重合体も好ましい。
また、前記ビニル化合物としては、CH=CR1214〔ここで、R12は炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表し、R14は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。〕具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等を挙げることができる。
これら共重合可能な他の単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましい共重合可能な他の単量体は、アルキル(メタ)アクリレート(アルキルは炭素数2から4のアルキル基)、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びスチレンである。
アルカリ可溶性樹脂としては、下記一般式(ED)を必須とする単量体成分を重合してなるポリマー(a)を、必須成分であるポリマー成分(A)として含むことも好ましい。これにより、本発明の硬化性樹脂組成物は、耐熱性とともに透明性にも極めて優れた硬化塗膜を形成しうる。
Figure 2011141512
(一般式(ED)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。)で示される化合物(以下「エーテルダイマー」と称することもある。)前記エーテルダイマーを示す前記一般式(1)中、RおよびRで表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級または2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。なお、RおよびRは、同種の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。
前記エーテルダイマーの具体例としては、例えば、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−アミル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチルシクロヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等が挙げられる。これらの中でも特に、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。これらエーテルダイマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
これらの中では特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
これらのアクリル系樹脂は、既に述べたように、20〜200mgKOH/gの範囲の酸価を有することが好ましい。酸価をこの範囲とすることで、アクリル系樹脂のアルカリに対する溶解性が適正になり、現像適正範囲(現像ラチチュード)を広くすることができる。
また、アクリル系樹脂の重量平均分子量Mw(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)は、黒色硬化性組成物を塗布等の工程上使用しやすい粘度範囲を実現するために、また膜強度を確保するために、2,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜50,000である。
本発明の黒色硬化性組成物にアルカリ可溶性樹脂を添加する際の添加量としては、黒色硬化性組成物の全固形分の5質量%〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは10質量%〜60質量%である。アルカリ可溶性樹脂がこの範囲であれば、適度な膜強度が向上し、現像での溶解性のコントロールがし易くなるので好ましい。また所望する厚さの塗膜が得やすくなる点で好ましい。
また、本発明における黒色硬化性組成物の架橋効率を向上させるために、ポリマーの側鎖に重合性二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂を用いることが好ましい。特に、側鎖に(メタ)アクリロイル基を含有するアルカリ可溶性樹脂を用いることが好ましい。これにより、感度が向上し、且つレンズ上及びガラス基板上の残渣が低減する。
これら重合性二重結合を含有するポリマーの例を以下に示すが、COOH基、OH基等のアルカリ可溶性基と炭素炭素間不飽和結合が含まれていれば下記に限定されない。
(1)予めイソシアネート基とOH基を反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ含む化合物とカルボキシル基を含むアクリル樹脂との反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂、(2)カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基及び重合性二重結合を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂、
(3)酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂、
(4)OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂。
上記のうち、特に(1)及び(2)の樹脂が好ましい。
本発明における重合性二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂の酸価としては、好ましくは30mgKOH/g〜150mgKOH/g、より好ましくは35mgKOH/g〜120mgKOH/gであり、また重量平均分子量Mwとしては好ましくは2,000〜50,000、より好ましくは3,000〜30,000である。
具体例として、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレートとメタクリル酸と、さらにこれらと共重合可能なアクリル系若しくはビニル系化合物等のモノマーとの共重合体に、OH基に対し反応性を有するエポキシ環と炭素間不飽和結合基とを有する化合物(例えばグリシジルアクリレートなどの化合物)を反応させて得られる化合物等を使用できる。OH基との反応ではエポキシ環のほかに酸無水物、イソシアネート基、アクリロイル基を有する化合物も使用できる。また、特開平6−102669号公報、特開平6−1938号公報に記載のエポキシ環を有する化合物にアクリル酸のような不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物に、飽和もしくは不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる反応物も使用できる。また、重合性二重結合を有するアルカリ樹脂の重合性基を有する繰り返し単位は、樹脂に対し5〜60質量%含有されることが好ましく、10〜40質量%含有されることがさらに好ましい。
COOH基のようなアルカリ可溶化基と炭素炭素間不飽和基とを併せ持つ化合物として、例えば、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製);Photomer 6173(COOH基含有Polyurethane acrylic oligomer、Diamond Shamrock Co.Ltd.,製);ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製);サイクロマーPシリーズ、プラクセルCF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業(株)製);Ebecryl3800(ダイセルユーシービー(株)製)、などが挙げられる。
本発明に用いてもよい(E)前記成分(B)の樹脂とは異なるアルカリ可溶性樹脂としては、(メタ)アクリル酸アルキルまたはスチレンと、(メタ)アクリル酸との共重合体を(メタ)アクリル酸グリシジルで変性した樹脂、が最も好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルとしては、炭素数1〜10のアルキルを有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
着色剤
本発明では、所望の遮光性を発現させるべく、公知の(F)有機顔料、または染料などの無機顔料以外の着色剤を併用することが可能である。
併用することができる着色剤としては、(F)有機顔料では、例えば、特開2008−224982号公報段落番号〔0030〕〜〔0044〕に記載の顔料や、C.I.Pigment Green 58、C.I.Pigment Blue 79のCl置換基をOHに変更したものなどが挙げられ、これらのなかでも、好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185,
C.I.Pigment Orange 36,
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254、255
C.I.Pigment Violet 19,23,29、32,
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66,
C.I.Pigment Green 7,36,37、58
C.I.Pigment Black 1、7
着色剤として使用可能な染料としては、特に制限はなく、公知の染料を適宜選択して使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に記載の色素である。
具体例としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
本発明では、無機顔料との組み合わせにおいて、硬化性と遮光性を両立する組み合わせとして、チタンブラック顔料とオレンジ顔料及び/または赤顔料及び/またはバイオレット顔料を組み合わせることが好ましく、最も好ましくはチタンブラック顔料と赤顔料の組み合わせが良い。
本発明の黒色硬化性組成物に(F)有機顔料を添加する際の添加量としては、黒色硬化性組成物の全固形分の5質量%〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは10質量%〜30質量%である。
上記(F)有機顔料は、無機顔料と共に分散して調合してもよく、又は分散剤で分散して分散液を添加して調合しても良い。
本発明の有機顔料の分散液を調製する際に用いうる分散剤(顔料分散剤)としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、および、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造からさらに直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
本発明に用いうる顔料分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル者製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。
これらの分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、特に、顔料誘導体と高分子分散剤とを組み合わせて使用することが好ましい。
本発明における分散剤の含有量としては、(F)有機顔料に対して、1質量%〜100質量%であることが好ましく、3質量%〜100質量%がより好ましく、5質量%〜80質量%が更に好ましい。
具体的には、高分子分散剤を用いる場合であれば、その使用量としては、顔料に対して、5質量%〜100質量%の範囲が好ましく、10質量%〜80質量%の範囲がより好ましい。また、顔料誘導体を使用する場合であれば、その使用量としては、顔料に対し1質量%〜30質量%の範囲にあることが好ましく、3質量%〜20質量%の範囲にあることがより好ましく、5質量%〜15質量%の範囲にあることが特に好ましい。
(G)増感剤
黒色硬化性組成物は、重合開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、(G)増感剤を含有していてもよい。
本発明に用いることができる増感剤としては、使用する(C)重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
増感剤の好ましい例としては、特開2008−214395号公報の段落番号〔0085〕〜〔0098〕に記載された化合物を挙げることができる。
増感剤の含有量は、感度と保存安定性の観点から、黒色硬化性組成物の全固形分の質量に対し、0.1質量%〜30質量%の範囲が好ましく、1質量%〜20質量%の範囲がより好ましく、2質量%〜15質量%の範囲が更に好ましい。
(H)重合禁止剤
黒色硬化性組成物には、該組成物の製造中或いは保存中において、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の(H)重合禁止剤を添加することが望ましい。重合禁止剤としては、公知の熱重合防止剤を用いることができ、具体的には、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、黒色硬化性組成物の全固形分に対し約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を黒色硬化性組成物に添加して、塗布後の乾燥の過程で塗布膜の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、黒色硬化性組成物の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
(I)密着向上剤
黒色硬化性組成物には、支持体などの表面との密着性を向上させるために、(I)密着向上剤を添加することができる。密着向上剤としては、シラン系カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
シラン系カップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、が好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましく挙げられる。
密着向上剤の添加量は、黒色硬化性組成物の全固形分中0.5質量%〜30質量%が好ましく、0.7質量%〜20質量%がより好ましい。
特に本発明の黒色硬化性組成物によって、ガラス基板上のウエハレベルレンズを作製する場合には、感度向上の観点から密着向上剤を添加することが好ましい。
(J)界面活性剤
本発明の着色感光性組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
特に、本発明の着色感光性組成物は、フッ素系界面活性剤を含有することで、塗布液として調製したときの液特性(特に、流動性)がより向上することから、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する着色感光性組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3質量%〜40質量%が好適であり、より好ましくは5質量%〜30質量%であり、特に好ましくは7質量%〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、着色感光性組成物中における溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F479、同F482、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、CW−1(ゼネカ社製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、トーレシリコーン株式会社製「トーレシリコーンDC3PA」、「トーレシリコーンSH7PA」、「トーレシリコーンDC11PA」,「トーレシリコーンSH21PA」,「トーレシリコーンSH28PA」、「トーレシリコーンSH29PA」、「トーレシリコーンSH30PA」、「トーレシリコーンSH8400」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−444(4)(5)(6)(7)6」、「TSF−44 60」、「TSF−4452」、信越シリコーン株式会社製「KP341」、ビッグケミー社製「BYK323」、「BYK330」等が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
(K)その他の成分
更に、黒色硬化性組成物に対しては、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による光重合性化合物の重合阻害を抑制する等の目的で共増感剤を含有してもよい。また、硬化皮膜の物性を改良するために希釈剤、可塑剤、感脂化剤等の公知の添加剤を必要に応じて加えてもよい。
(L)有機溶剤
本発明に係る黒色硬化性組成物は、一般には、有機溶剤を含んで構成することができる。有機溶剤は、各成分の溶解性や着色硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的には特に制限はないが、特に紫外線吸収剤、バインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。また、本発明における着色硬化性組成物を調製する際には、少なくとも2種類の有機溶剤を含むことが好ましい。
有機溶剤としては、エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸アルキル(例:オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等))、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル))、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル及び2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(例えば、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等、並びに、エーテル類として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等、並びに、ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等、並びに、芳香族炭化水素類として、例えば、トルエン、キシレン等が好適に挙げられる。
これらの有機溶剤は、紫外線吸収剤及びアルカリ可溶性樹脂の溶解性、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合することも好ましい。この場合、特に好ましくは、上記の3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液である。
有機溶剤の着色硬化性組成物中における含有量は、塗布性の観点から、組成物の全固形分濃度が5質量%〜80質量%になる量とすることが好ましく、5質量%〜60質量%が更に好ましく、10質量%〜50質量%が特に好ましい。
本発明の黒色硬化性組成物は、既述の(A)無機顔料(好ましくは、顔料分散剤を含む顔料分散組成物として)、(B)特定樹脂、(C)重合開始剤、(D)重合性化合物、お
よび、所望により併用される各種添加剤を、溶剤と共に含有させ、これに必要に応じて界面活性剤等の添加剤を混合し調製することができる。
本発明の黒色硬化性組成物は、上記構成としたことから、高感度で硬化し、遮光性に優れた遮光膜を形成しうる。また、(E)前記成分(B)の樹脂とは異なるアルカリ可溶性樹脂を併用することでさらに高精細な遮光性パターンが形成される。
〔固体撮像素子用遮光性カラーフィルタ、及びその製造方法〕
次に、本発明の固体撮像素子用遮光性カラーフィルタ及びその製造方法について説明する。
本発明の固体撮像素子用遮光性カラーフィルタは本発明の黒色硬化性組成物を用いてなるパターンを有することを特徴とする。
本発明の固体撮像素子用遮光性カラーフィルタの製造方法は、本発明の黒色硬化性組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現像してパターンを形成する工程を有する。
具体的には、支持体上に、本発明の黒色硬化性組成物を塗布して黒色硬化性組成物層を形成する工程(以下、適宜「黒色硬化性組成物層形成工程」と称する)と、前記黒色硬化性組成物層を、マスクを介して露光する工程(以下、適宜「露光工程」と称する)と、露光後の前記黒色硬化性組成物層を現像してパターンを形成する工程(以下、適宜「現像工程」と称する)と、を有する。
より具体的には、本発明の黒色硬化性組成物を、直接又は他の層を介して支持体(基板)上に塗布して、黒色硬化性組成物層を形成し(黒色硬化性組成物層形成工程)、所定のマスクパターンを介して露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させ(露光工程)、現像液で現像することによって(現像工程)、黒色の画素からなるパターン状皮膜を形成し、本発明の固体撮像素子用遮光性カラーフィルタを製造することができる。
以下、本発明の固体撮像素子用遮光性カラーフィルタの製造方法における各工程について説明する。
〔黒色硬化性組成物層形成工程〕
黒色硬化性組成物層形成工程では、支持体上に、本発明の黒色硬化性組成物を塗布して黒色硬化性組成物層を形成する。
本工程に用いうる支持体としては、例えば、液晶表示装置等に用いられるソーダガラス、無アルカリガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
支持体上への本発明の黒色硬化性組成物の塗布方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。
黒色硬化性組成物の塗布膜厚としては、解像度と現像性の観点から、乾燥後の膜厚で0.35μm〜1.5μmが好ましく、0.40μm〜1.0μmがより好ましい。
支持体上に塗布された黒色硬化性組成物は、通常、70℃〜110℃で2分間〜4分間程度の条件下で乾燥され、黒色硬化性組成物層が形成される。
〔露光工程〕
露光工程では、前記黒色硬化性組成物層形成工程において形成された黒色硬化性組成物層を、マスクを介して露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させる。
露光は放射線の照射により行うことが好ましく、露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられ、このなかでもi線が好ましく、露光機としてはi線ステッパーがより好まれる。照射強度は5mJ/cm〜1500mJ/cmが好ましく10mJ/cm〜1000mJ/cmがより好ましく、10mJ/cm〜800mJ/cmが最も好ましい。
〔現像工程〕
露光工程に次いで、アルカリ現像処理(現像工程)を行い、露光工程における光未照射部分をアルカリ水溶液に溶出させる。これにより、光硬化した部分だけが残る。
現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間は20秒間〜90秒間である。
現像液に用いる有機アルカリとしては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7− ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物を濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
なお、現像液には無機アルカリを用いてもよく、無機アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウムなどが好ましい。
なお、本発明における固体撮像素子用遮光性カラーフィルタの製造方法においては、上述した、黒色硬化性組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要により、形成されたパターンを加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
以上説明した、黒色硬化性組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程(更に、必要により硬化工程)を経ることにより、本発明における固体撮像素子用遮光性カラーフィルタを作製することができる。
さらに、前記黒色硬化性組成物層形成工程において、黒色硬化性組成物中の(A)無機顔料を所望の色相の着色剤(例えば有彩色の顔料や染料)に替え、有彩色硬化性組成物を用いることにより、RGBに対応する有彩色硬化性組成物層を形成することができる(以下、「有彩色硬化性組成物層形成工程」とも称する)。
したがって、例えば、上記のようにして得られる固体撮像素子用遮光性カラーフィルタに、さらに、有彩色硬化性組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程(更に、必要により硬化工程)を所望の色相数だけ繰り返すことにより、所望の色相よりなる有彩色のパターンを備えたカラーフィルタが作製される。
〔固体撮像素子〕
本発明における固体撮像素子は、本発明の固体撮像素子用遮光性カラーフィルタを備える。本発明における固体撮像素子用遮光性カラーフィルタは、本発明の黒色硬化性組成物を用いているため、形成されたパターンが、支持体基板との高い密着性を示し、硬化した黒色硬化性組成物は耐現像性に優れるため、露光感度に優れ、露光部の基板との密着性が良好であり、かつ、所望の断面形状を与える高解像度のパターンを形成することができる。従って、100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS等に好適である。
本発明における固体撮像素子用遮光性カラーフィルタは、例えば、CCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置される固体撮像素子用遮光性カラーフィルタとして用いることができる。
<ウエハレベルレンズ>
本発明のウエハレベルレンズは、基板上に存在するレンズの周縁部に、本発明の黒色硬化性組成物を用いて得られた遮光膜を有することを特徴とする。
以下、図面を参照して、本発明のウエハレベルレンズについて説明する。
図1は、複数のウエハレベルレンズを有するウエハレベルレンズアレイの構成の一例を示す平面図である。
図1に示されるように、ウエハレベルレンズアレイは、基板10と、該基板10に配列されたレンズ12と、を備えている。ここで、図1では、複数のレンズ12は、基板10に対して2次元に配列されているが、1次元に配列されていてもよい。
また、図2は、図1に示すA−A線断面図である。
図2に示すように、ウエハレベルレンズアレイにおいて、基板10に配列された複数のレンズ12の間には、レンズ12以外の箇所からの光透過を防止する遮光膜14が設けられている。
本発明のウエハレベルレンズは、基板10上に存在する1つのレンズ12とその周縁部に設けられた遮光膜14により構成される。本発明の黒色硬化性組成物は、この遮光膜14の形成に用いられる。
以下、図1のように、複数のレンズ12が、基板10に対して2次元に配列されているウエハレベルレンズアレイの構成を例に説明する。
レンズ12は、一般的には、基板10と同じ材料から構成され、該基板10上に一体的に成形されるか、或いは、別の構造体として成形され、基板上に固定化されたものである。ここでは、一例を挙げたが、本発明のウエハレベルレンズは、この態様に限定されず、多層構造をとるもの、ダイシングによりレンズモジュールに分離されたものなど種々の態様をとり得る。
レンズ12を形成する材料としては、例えば、ガラスを挙げることができる。ガラスは種類が豊富であり、高屈折率を有するものを選択できるので、大きなパワーを持たせたいレンズの素材に好適である。また、ガラスは耐熱性に優れ、撮像ユニット等へのリフロー実装に耐えるという利点をも有する。
レンズ12を形成する他の材料としては、樹脂が挙げられる。樹脂は加工性に優れており、型等でレンズ面を簡易且つ安価に形成するのに適している。
ウエハレベルレンズの形成には、エネルギー硬化性の樹脂を用いることが好ましい。該エネルギー硬化性の樹脂は、熱により硬化する樹脂、或いは活性エネルギー線の照射(例えば、熱、紫外線、電子線照射)により硬化する樹脂のいずれであってもよい。
撮像ユニットのリフロー実装を考慮すると、軟化点が例えば200℃以上といった、軟化点の比較的高い樹脂が好ましく、軟化点が250℃以上の樹脂がより好ましい。
以下、レンズ材料として好適な樹脂について説明する。
紫外線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性シリコン樹脂、紫外線硬化性エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を例示することができる。エポキシ樹脂としては、線膨張係数が40〜80[10−6/K]で、屈折率が1.50〜1.70、好ましくは1.50〜1.65のものを用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、熱硬化性シリコン樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等を例示できる。例えば、シリコン樹脂としては、線膨張係数が30〜160[10−6/K]で、屈折率が1.40〜1.55のものを用いることができる。エポキシ樹脂としては、線膨張係数が40〜80[10−6/K]で、屈折率が1.50〜1.70、好ましくは1.50〜1.65のものを用いることができる。フェノール樹脂としては、線膨張係数が30〜70[10−6/K]で、屈折率が1.50〜1.70のものを用いることができる。アクリル樹脂としては、線膨張係数が20〜60[10−6/K]で、屈折率が1.40〜1.60、好ましくは1.50〜1.60のものを用いることができる。
これらの熱硬化性樹脂としては、市販品を用いることができ、具体的には、例えば、富士高分子工業株式会社製SMX−7852・SMX−7877、株式会社東芝製IVSM−4500、東レ・ダウコーニング社製SR−7010、等を例示することができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等を例示することができる。ポリカーボネートとしては、線膨張係数が60〜70[10−6/K]で、屈折率が1.40〜1.70、好ましくは1.50〜1.65のものを用いることができる。ポリサルフォン樹脂としては、線膨張係数が15〜60[10−6/K]で、屈折率が1.63のものを用いることができる。ポリエーテルサルフォン樹脂としては、線膨張係数が20〜60[10−6/K]で、屈折率が1.65のものを用いることができる。
なお、一般に、光学ガラスの線膨張係数は20℃で4.9〜14.3[10−6/K]であり、屈折率は波長589.3nmで1.4〜2.1である。また、石英ガラスの線膨張係数は0.1〜0.5[10−6/K]であり、屈折率は約1.45である。
レンズの形成に適用しうる硬化性の樹脂組成物としては、モールド形状の転写適性等、成形性の観点から、硬化前には適度な流動性を有していることが好ましい。具体的には、常温で液体であり、粘度が1000mPa・s〜50000mPa・s程度のものが好ましい。
一方、レンズの形成に適用しうる硬化性の樹脂組成物は、硬化後にはリフロー工程を通しても熱変形しない程度の耐熱性を有していることが好ましい。かかる観点から、硬化物のガラス転移温度は200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましく、300℃以上であることが特に好ましい。樹脂組成物にこのような高い耐熱性を付与するためには、分子レベルで運動性を束縛することが必要であり、有効な手段としては、(1)単位体積あたりの架橋密度を上げる手段、(2)剛直な環構造を有する樹脂を利用する手段(例えば、シクロヘキサン、ノルボルナン、テトラシクロドデカン等の脂環構造、ベンゼン、ナフタレン等の芳香環構造、9,9’−ビフェニルフルオレン等のカルド構造、スピロビインダン等のスピロ構造を有する樹脂、具体的には例えば、特開平9−137043号公報、同10−67970号公報、特開2003−55316号公報、同2007−334018号公報、同2007−238883号公報等に記載の樹脂)、(3)無機微粒子など高Tgの物質を均一に分散させる手段(例えば、特開平5−209027号公報、同10−298265号公報等に記載)等が挙げられる。これらの手段は複数併用してもよく、流動性、収縮率、屈折率特性など他の特性を損なわない範囲で調整することが好ましい。
形状転写精度の観点からは、硬化反応による体積収縮率が小さい、硬化性の樹脂組成物を用いることが好ましい。樹脂組成物の硬化収縮率としては、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが特に好ましい。
硬化収縮率の低い樹脂組成物としては、例えば、(1)高分子量の硬化剤(プレポリマーなど)を含む樹脂組成物(例えば、特開2001−19740号公報、同2004−302293号公報、同2007−211247号公報等に記載、高分子量硬化剤の数平均分子量は200〜100,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは500〜50,000の範囲であり、特に好ましくは1,000〜20,000の場合である。また該硬化剤の数平均分子量/硬化反応性基の数で計算される値が、50〜10,000の範囲にあることが好ましく、100〜5,000の範囲にあることがより好ましく、200〜3,000の範囲にあることが特に好ましい。)、(2)非反応性物質(有機/無機微粒子,非反応性樹脂等)を含む樹脂組成物(例えば、特開平6−298883号公報、同2001−247793号公報、同2006−225434号公報等に記載)、(3)低収縮架橋反応性基を含む樹脂組成物(例えば、開環重合性基;例えば、エポキシ基(例えば、特開2004−210932号公報等に記載)、オキセタニル基(例えば、特開平8−134405号公報等に記載)、エピスルフィド基(例えば、特開2002−105110号公報等に記載)、環状カーボネート基(例えば、特開平7−62065号公報等に記載)等)、エン/チオール硬化基(例えば、特開2003−20334号公報等に記載)、ヒドロシリル化硬化基(例えば、特開2005−15666号公報等に記載)等)、(4)剛直骨格樹脂(フルオレン、アダマンタン、イソホロン等)を含む樹脂組成物(例えば、特開平9−137043号公報等に記載)、(5)重合性基の異なる2種類のモノマーを含み相互貫入網目構造(いわゆるIPN構造)が形成される樹脂組成物(例えば、特開2006−131868号公報等に記載)、(6)膨張性物質を含む樹脂組成物(例えば、特開2004−2719号公報、特開2008−238417号公報等に記載)等を挙げることができ、本発明において好適に利用することができる。また上記した複数の硬化収縮低減手段を併用すること(例えば、開環重合性基を含有するプレポリマーと微粒子を含む樹脂組成物など)が物性最適化の観点からは好ましい。
本発明のウエハレベルレンズの形成には、高−低2種類以上のアッベ数の異なる樹脂組成物の使用が望ましい。
高アッベ数側の樹脂は、アッベ数(νd)が50以上であることが好ましく、より好ましくは55以上であり特に好ましくは60以上である。屈折率(nd)は1.52以上であることが好ましく、より好ましくは1.55以上であり、特に好ましくは1.57以上である。
このような樹脂組成物に含有される樹脂としては、脂肪族の樹脂が好ましく、特に、脂環構造を有する樹脂(例えば、シクロヘキサン、ノルボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の環構造を有する樹脂、具体的には例えば、特開平10−152551号公報、特開2002−212500号公報、同2003−20334号公報、同2004−210932号公報、同2006−199790号公報、同2007−2144号公報、同2007−284650号公報、同2008−105999号公報等に記載の樹脂)が好ましい。
低アッベ数側の樹脂は、アッベ数(νd)が30以下であることが好ましく、より好ましくは25以下であり特に好ましくは20以下である。屈折率(nd)は1.60以上であることが好ましく、より好ましくは1.63以上であり、特に好ましくは1.65以上である。
このような樹脂としては芳香族構造を有する樹脂が好ましく、例えば、9,9’‐ジアリールフルオレン、ナフタレン、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール等の構造を含む樹脂(具体的には例えば、特開昭60−38411号公報、特開平10−67977号公報、特開2002−47335号公報、同2003−238884号公報、同2004−83855号公報、同2005−325331号公報、同2007−238883号公報、国際公開2006/095610号公報、特許第2537540号公報等に記載の樹脂等)が好ましい。
また、ウエハレベルレンズの形成に使用される樹脂組成物には、屈折率を高める目的やアッベ数を調整する目的のために、無機微粒子をマトリックス中に分散させてなる有機無機複合材料を使用することも好ましい態様である。
有機無機複合材料中の無機微粒子としては、例えば、酸化物微粒子、硫化物微粒子、セレン化物微粒子、テルル化物微粒子が挙げられる。より具体的には、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、硫化亜鉛等の微粒子を挙げることができる。
無機微粒子は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、複数の成分による複合物であってもよい。
また、無機微粒子には、光触媒活性低減、吸水率低減などの種々の目的から、異種金属をドープしたり、表面をシリカやアルミナ等異種金属酸化物で被覆したり、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、有機酸(カルボン酸類、スルホン酸類、リン酸類、ホスホン酸類等)、又は有機酸基を持つ分散剤などで表面修飾してもよい。
無機微粒子の数平均1次粒子サイズは通常1nm〜1000nm程度とすればよいが、小さすぎると物質の特性が変化する場合があり、大きすぎるとレイリー散乱の影響が顕著となるため、1nm〜15nmが好ましく、2nm〜10nmが更に好ましく、3nm〜7nmが特に好ましい。また、無機微粒子の粒子サイズ分布は狭いほど望ましい。このような単分散粒子の定義の仕方はさまざまであるが、例えば、特開2006−160992号公報に記載されるような数値規定範囲が好ましい粒径分布範囲に当てはまる。
ここで上述の数平均1次粒子サイズとは、例えば、X線回折(XRD)装置或いは透過型電子顕微鏡(TEM)などで測定することができる。
無機微粒子の屈折率としては、22℃、589.3nmの波長において、1.90〜3.00であることが好ましく、1.90〜2.70であることが更に好ましく、2.00〜2.70であることが特に好ましい。
有機無機複合材料において、無機微粒子のマトリックスである樹脂に対する含有量は、透明性と高屈折率化の観点から、5質量%以上であることが好ましく、10質量%〜70質量%が更に好ましく、30質量%〜60質量%が特に好ましい。
有機無機複合材料に用いられる、マトリックスとなる樹脂としては、ウエハレベルレンズの材料として前記した、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、高アッベ数の樹脂、低アッベ数の樹脂のいずれもが使用できる。また、特開2007−93893号に記載された屈折率1.60より大きい樹脂、特開2007−211164号に記載された疎水性セグメント及び親水性セグメントで構成されるブロック共重合体、特開2007−238929号、特願2008−12645号、同2008−208427号、同2008−229629号、同2008−219952号に記載された高分子末端又は側鎖に無機微粒子と任意の化学結合を形成しうる官能基を有する樹脂、特願2008−197054号、同2008−198878号に記載された熱可塑性樹脂等を挙げることができる。
なお、有機無機複合材料には、必要に応じて、可塑剤、分散剤等の添加剤を加えることができる。
ここで、マトリックスである樹脂と無機微粒子との好ましい組み合わせとしては以下のようなものがある。
即ち、上記のごとき高アッベ数の樹脂をマトリックスとした場合には、無機微粒子として、酸化ランタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましく、低アッベ数の樹脂をマトリックスとした場合には、無機微粒子として、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましい。
なお、無機微粒子を均一に分散させるためには、例えば、マトリックスを形成する樹脂のモノマーとの反応性を有する官能基を含む分散剤(例えば、特開2007−238884号公報実施例等に記載)、疎水性セグメント及び親水性セグメントで構成されるブロック共重合体(例えば、特開2007−211164号公報に記載)、或いは高分子末端又は側鎖に無機微粒子と任意の化学結合を形成しうる官能基を有する樹脂(例えば、特開2007−238929号公報、特開2007−238930号公報等に記載)等を適宜用いることが望ましい。
また、ウエハレベルレンズの形成に用いられる樹脂組成物には、シリコン系、フッ素系、長鎖アルキル基含有化合物等の公知の離型剤やヒンダードフェノール等の酸化防止剤等の添加剤が適宜配合されていてもよい。
更に、ウエハレベルレンズの形成に用いられる樹脂組成物には、必要に応じて、硬化触媒又は開始剤を配合することができる。具体的には、例えば、特開2005−92099号公報段落番号〔0065〕〜〔0066〕等に記載の熱又は活性エネルギー線の作用により硬化反応(ラジカル重合或いはイオン重合)を促進する化合物を挙げることができる。これらの硬化反応促進剤の添加量は、触媒や開始剤の種類、或いは硬化反応性部位の違いなどによって異なり一概に規定することはできないが、一般的には樹脂組成物の全固形分に対して0.1質量%〜15質量%程度が好ましく、0.5質量%〜5質量%程度がより好ましい。
本発明のウエハレベルレンズの作製に用いる樹脂組成物は、上記成分を適宜配合して製造することができる。この際、液状の低分子モノマー(反応性希釈剤)等に他の成分を溶解することができる場合には、別途溶剤を添加する必要はないが、このケースに当てはまらない場合には溶剤を用いて各構成成分を溶解することにより樹脂組成物を製造することができる。該樹脂組成物に使用できる溶剤としては、組成物が沈殿することなく、均一に溶解又は分散されるものであれば特に制限はなく適宜選択することができ、具体的には、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール等)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン等)、水等を挙げることができる。樹脂組成物が溶剤を含む場合には該組成物を基板及び/又は型の上にキャストし溶剤を乾燥させた後にモールド形状転写操作を行うことが好ましい。
基板10は、レンズ12の成形材料と同じものを用いることができる。また、基板10が可視光に対して透明なガラスなどの材料からなるものであれば、レンズ12の成形材料とは異なる材料により形成されていてもよい。この場合には、基板10を形成する材料としては、レンズ12を形成する材料と線膨張係数が同じか極めて近い材料であることが好ましい。レンズ12を形成する材料と基板10を形成する材料との線膨張係数が互いに同じか近似する場合には、撮像ユニットへのウエハレベルレンズのリフロー実装において、線膨張率が異なることで生じる加熱時のレンズ12の歪みや割れを抑制しうる。
なお、図1及び図2中に図示してはいないが、基板10の光入射側の面には、赤外線フィルタ(IRフィルタ)が形成されていてもよい。
以下、図3〜図8を参照して、ウエハレベルレンズの形態及び作製について、ウエハレベルレンズアレイの作製方法の例にとり、具体的に説明する。
〔ウエハレベルレンズの形態及び作製(1)〕
−レンズの形成−
まず、図3及び図4(A)〜(C)を参照して、基板10上にレンズ12を形成する方法について説明する。
ここで、図3は、基板10に、レンズ形成用の樹脂組成物である成形材料(図3中にMと記載)を供給している状態を示す図である。
また、図4(A)〜(C)は、基板10にレンズ12を型60で成形する手順を示す図である。
図3に示すように、基板10のレンズ12を成形する部位にディスペンサ50を用いて成形材料Mを滴下する。ここでは、供給する1つの部位には、1つのレンズ12に相当する量の成形材料Mが供給される。
基板10に成形材料Mを供給した後、基板10の成形材料Mを供給された面側に、図4(A)に示すように、レンズ12を成形するための型60を配置する。
ここで、型60には、レンズ12の形状を転写するための凹部62が、所望のレンズ12の数に応じて設けられている。
図4(B)に示すように、型60を基板10上の成形材料Mに押し付け、成形材料Mを凹部62の形状に倣って変形させる。そして、型60を成形材料Mに押し付けた状態で、成形材料Mが熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂の場合には、型60の外側から熱又は紫外線を照射して、成形材料Mを硬化させる。
成形材料Mを硬化させた後、図4(C)に示すように、型60から基板10及びレンズ12を離型する。
−遮光膜の形成−
次に、図5(A)〜(C)を参照して、レンズ12の周縁部に遮光膜14を形成する方法について説明する。
ここで、図5(A)〜(C)は、レンズ12が成形された基板10に遮光膜14を設ける工程を示す概略断面図である。
遮光膜14の形成方法は、基板10上に、本発明の黒色硬化性組成物を塗布して遮光性塗布層14Aを形成する遮光性塗布層形成工程(図5(A)参照。)と、該遮光性塗布層14Aを、マスク70を介してパターン露光する露光工程(図5(B)参照。)と、露光後の遮光性塗布層14Aを現像して未硬化部を除去し、パターン状の遮光膜14を形成する現像工程(図5(C)参照。)と、を含む。
なお、遮光膜14の形成は、レンズ12を作製する前でも、レンズ12を作製した後でも任意に行うことができるが、ここでは、レンズ12を作製した後の方法について詳述する。
以下、遮光膜14の形成方法における各工程について説明する。
<遮光性塗布層形成工程>
遮光性塗布層形成工程では、図5(A)に示すように、基板10上に、黒色硬化性組成物を塗布して該黒色硬化性組成物からなる光反射率の低い遮光性塗布層14Aを形成する。このとき、遮光性塗布層14Aは、基板10の表面、及び、レンズ12のレンズ面12aとレンズ縁部12bの表面を全て覆うように形成される。
本工程に用いうる基板10としては、特に制限はない。例えば、ソーダガラス、無アルカリガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及び透明樹脂等が挙げられる。
なお、ここで言う基板10とは、レンズ12と基板10を一体形成する態様においては、レンズ12と基板10の両方を含む形態を言う。
また、これらの基板10上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止、或いは基板10表面の平坦化のために、下塗り層を設けてもよい。
基板10及びレンズ12上に黒色硬化性組成物を塗布する方法としては、スリット塗布、スプレー塗布法、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。
黒色硬化性組成物の塗布直後の膜厚としては、塗布膜の膜厚均一性、塗布溶剤の乾燥のし易さの観点から、0.1μm〜10μmが好ましく、0.2μm〜5μmがより好ましく、0.2μm〜3μmが更に好ましい。
基板10上に塗布された遮光性塗布層14Aの乾燥(プリベーク)は、ホットプレート、オーブン等を用い、50℃〜140℃の温度で10秒〜300秒で行うことができる。
黒色硬化性組成物の乾燥後の塗布膜厚(以下、適宜、「乾燥膜厚」と称する)は、所望の遮光性などの性能から任意に選択することができ、概ね0.1μm以上50μm未満の範囲である。
<露光工程>
露光工程では、遮光性塗布層形成工程において形成された遮光性塗布層14Aをパターン状に露光する。パターン露光は走査露光でもよいが、図5(B)に示すように、所定のマスクパターンを有するマスク70を介して露光する態様が好ましい。
本工程における露光においては、遮光性塗布層14Aのパターン露光は、所定のマスクパターンを介して露光し、この露光により遮光性塗布層14Aのうち光照射された部分だけを硬化する。ここでは、レンズ縁部12bの表面とレンズ12間の基板10の表面に光を照射するマスクパターンを用いる。こうすることで、レンズ面12aを除く領域の遮光性塗布層14Aのみが光照射によって硬化し、この硬化領域が遮光膜14を形成することとなる。
露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。この放射線は単一波長の光源であってもよいし、高圧水銀灯のように全ての波長を含んだ光源を用いてもよい。
<現像工程>
次いで、アルカリ現像処理(現像工程)を行うことにより、露光における光未照射部分、即ち、遮光性塗布層14Aの未硬化領域をアルカリ水溶液に溶出させ、光照射により硬化した領域だけを残す。
具体的には、図5(B)に示すように露光された遮光性塗布層14Aは、現像されることにより、図5(C)に示すように、レンズ面12aに形成された遮光性塗布層14Aのみが除去され、それ以外の領域に硬化された遮光膜14が形成される。
現像工程で用いられる現像液(アルカリ性水溶液)に含まれるアルカリ剤としては、有機又は無機のアルカリ剤、及びそれらの組み合わせのいずれも用いることができる。本発明における遮光膜形成においては周囲の回路などに損傷を与えがたいという観点からは有機アルカリ剤を用いることが望ましい。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物(有機アルカリ剤)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機化合物(無機アルカリ剤)等が挙げられ、これらのアルカリ剤を濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が現像液として好ましく使用される。
現像温度としては、通常20℃〜30℃であり、現像時間は20秒間〜90秒間の範囲で行なわれる。
なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像液により塗布膜の未露光部を除去した後、純水で洗浄(リンス)する。即ち、現像処理後には、余剰の現像液を純水により十分に洗浄、除去し、更に、乾燥工程に付す。
なお、上述した、遮光性塗布層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要に応じて、形成された遮光膜(遮光パターン)を、加熱(ポストベーク)及び/又は露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理であり、通常100℃〜250℃の熱硬化処理を行う。ポストベークの温度、及び時間などの条件は、基板10又はレンズ12の素材により、適宜設定することができる。例えば、基板12がガラスである場合は上記温度範囲の中でも180℃〜240℃が好ましく用いられる。
このポストベーク処理は、現像後に形成された遮光膜14を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式或いはバッチ式で行うことができる。
なお、以上の手順では、レンズ12の形状が凹状である場合を例に説明したが、形状は特に限定されず、凸状や非球面の形状であってもよい。また、上記手順では、基板10の一方の面に複数のレンズ12が成形されたウエハレベルレンズを例に説明したが、基板10の両方の面に複数のレンズ12が成形された構成としてもよく、その場合には、両方の面に、レンズ面を除く領域にパターン状の遮光膜14が形成される。
〔ウエハレベルレンズの形態及び作製(2)〕
図6は、ウエハレベルレンズアレイの他の構成例を示す図である。
図6に示すウエハレベルレンズは、基板10とレンズ12とを同一の成形材料で同時に成形した構成(モノリシックタイプ)である。
このようなウエハレベルレンズを作成する際には、成形材料としては上述したものと同じものを用いることができる。また、この例では、基板10の一方の面(図中の上側の面)には、凹状のレンズ12が複数形成され、他方の面(図中の下側の面)には、凸状のレンズ20が複数形成されている。また、基板10のレンズ面12aを除く領域、つまり、基板10の表面及びレンズ縁部12bの表面にパターン状の遮光膜14が形成されている。遮光膜14を形成する際のパターニング方法としては、上述した手順を適用することができる。
〔ウエハレベルレンズの形態及び作製(3)〕
次に、図7(A)〜(C)及び図8(A)〜(C)を参照して、ウエハレベルレンズアレイの更なる他の構成例と、それを作製する手順について説明する。
ここで、図7(A)〜(C)は、パターン状の遮光膜14を形成する他の工程を示す概略図である。
また、図8(A)〜(C)は、まず、パターン状の遮光膜14を形成した後、レンズ12を成形する工程を示す概略図である。
図3〜図6に示すウエハレベルレンズアレイの例では、レンズ12が設けられた基板10にパターン状の遮光膜14を形成するものであったが、以下に説明する手順では、まず、基板10にパターン状の遮光膜14を形成した後、基板10にレンズ12を成形する手順である。
−遮光膜の形成−
先ず、図7(A)に示すように、基板10上に黒色硬化性組成物を塗布して遮光性塗布層14Aを形成する遮光性塗布層形成工程を行う。
その後、基板10上に塗布された遮光性塗布層14Aの乾燥をホットプレート、オーブン等で50℃〜140℃の温度で10秒〜300秒で行う。黒色硬化性組成物の乾燥膜厚は、所望の遮光性などの性能から任意に選択することができ、概ね0.1μm以上50μm未満の範囲である。
次に、図7(B)に示すように、遮光性塗布層形成工程において形成された遮光性塗布層14Aを、マスク70を介してパターン状に露光する露光工程を行う。マスク70は、所定のマスクパターンを有する。
本工程における露光においては、遮光性塗布層14をパターン露光することで、遮光性塗布層14Aのうち光照射された部分だけを硬化する。ここでは、後工程でレンズ12を成形した際にレンズ12のレンズ開口14aとなる部位を除く領域の遮光性塗布層14Aにのみ光を照射するマスクパターンを用いる。この方法によりレンズ12のレンズ開口14aとなる部位を除く領域の遮光性塗布層14Aのみが光照射によって硬化する。なお、露光に際して用いることができる放射線としては、先に説明した手順と同様に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
次いで、アルカリ現像処理(現像工程)を行うことにより、上記パターン露光における遮光性塗布層14Aの未硬化領域であるレンズ12のレンズ開口14aに相当する領域の遮光性塗布層14Aのみがアルカリ水溶液に溶出される。この際、図7(C)に示すように、レンズ12のレンズ開口14aの領域を除く領域の光硬化した遮光性塗布層14Aが基板10上に残存して、遮光膜14を形成する。
ここで、現像液であるアルカリ水溶液中のアルカリ剤としては、先に説明した手順と同じものを用いることができる。
現像処理後は、その後、余剰の現像液を洗浄除去し、乾燥を施す。
本実施形態においても、上述した、遮光性塗布層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要により、形成された遮光膜を上述のポストベーク及び/又は露光により硬化する硬化工程を施してもよい。
−レンズの形成−
次に、遮光膜14を形成後に、レンズ12を形成する工程について説明する。
図8(A)に示すように、パターン状の遮光膜14が形成された基板10の上に、レンズ12を構成する成形材料Mがディスペンサ50により滴下される。成形材料Mは、レンズ12のレンズ開口14aに相当する領域を覆うように、該開口に隣接する遮光膜14の端部を一部含むように供給される。
基板10に成形材料Mを供給した後、基板10の成形材料Mを供給された面側に、図8(B)に示すように、レンズを成形するための型80を配置する。型80には、レンズ12の形状を転写するための凹部82が、所望のレンズ12の数に応じて設けられている。
型80を基板10上の成形材料Mに押し付け、成形材料Mを凹部の形状に倣って変形させる。そして、型80を成形材料Mに押し付けた状態で、成形材料Mが熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂の場合には型の外側から熱又は紫外線を照射することで、成形材料Mを硬化させる。
成形材料Mを硬化させた後、型80から基板10及びレンズ12を離型し、図8(C)に示すように、基板10にパターン状の遮光膜14を備えるウエハレベルレンズを得る。
上述のように、ウエハレベルレンズに備えられるパターン状の遮光膜14は、図5に示すようにレンズ12のレンズ面12aを除く領域に設けた構成だけでなく、図8(C)に示すように、遮光膜14をレンズ12のレンズ開口14aを除く領域に設けた構成としてもよい。
ウエハレベルレンズは、基板10の少なくとも一方の表面にパターン上に形成された、光反射率が低い遮光膜14によって、レンズ12のレンズ面12a又はレンズ開口14a以外の領域で遮光を十分にしつつ、反射光の発生を抑制できる。このため、固体撮像素子を備えた撮像モジュールに適用した場合に、撮像時に反射光に伴うゴーストやフレアといった不具合の発生を防止できる。
また、遮光膜14は基板の表面に設けられるため、ウエハレベルレンズに別の遮光部材などを取り付ける必要がなく、製造コストの増加を抑えることができる。
なお、前述した特許文献7に示される構成のように、レンズの周囲に表面が凹凸の構造物を設ける構成の場合には、該構造物に入射した光が反射又は発散することで、ゴースト等の不具合が生じやすいことが懸念される。そこで、図2に示すようにレンズ12のレンズ面12aを除く領域にパターニングされた遮光膜14を設けた構成とすれば、レンズ面12a以外では光を遮光することができ、光学性能を改善できる。
本発明に係る黒色硬化性組成物は、固体撮像素子の製造にも使用することができる。具体的には、一方の面(この面を「第1の主面」ともいう。)と他方の面(この面を「第2の主面」ともいう。)を有するシリコン基板の一方の面上に撮像素子部を形成し、他方方の面上に赤外光遮蔽膜を形成する場合において、この赤外光遮蔽膜の形成に、本発明に係る黒色硬化性組成物を使用することができる。また、固体撮像素子の撮像素子部が形成される第1の主面上の所望の配置に形成され、意図せずに侵入する光を遮蔽する機能を有する遮光性カラーフィルタの作製に、本発明に係る黒色硬化性組成物を使用することができる。
以下、これらの態様について、説明する。
≪固体撮像素子≫
本発明の固体撮像素子は、一方の面に撮像素子部を有するシリコン基板の他方の面(前記撮像素子部を有する面とは反対側の面)に、前記の本発明に係る黒色硬化性組成物を用いて形成された赤外光遮蔽膜を有して構成される。
即ち、本発明の固体撮像素子は、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成された赤外光遮蔽膜を備えるため、撮像素子部が設けられた面の反対側の面からシリコン基板(固体撮像素子の基体)に入射される赤外光によるノイズや、残渣物によるノイズが低減される。
本発明の固体撮像素子の構造は、シリコン基板の一方の面に撮像素子部(詳しくは、複数の撮像素子が例えばマトリクス状に配列されて構成された撮像素子部)が設けられ、該シリコン基板の他方の面に前記本発明の赤外光遮蔽膜が設けられた構造であれば特に限定はない。
また、撮像素子は、CCDであってもCMOSであってもよい。
中でも、特開2009−99591号公報や特開2009−158863号公報に記載されているような、撮像素子部が形成された面の反対側の面に、実装基板(以下、「回路基板」ともいう)との接続用の金属電極を有する固体撮像素子の構造は、本発明の固体撮像素子の構造として好適である。
即ち、本発明の固体撮像素子の好適な一実施形態は、第1の主面に撮像素子部を有するシリコン基板と、前記シリコン基板の第2の主面に設けられ、前記撮像素子部と電気的に接続された金属電極と、前記シリコン基板の前記金属電極が設けられた面に設けられ、前記金属電極の少なくとも1部が露出するようにパターニングされた前記本発明に係る赤外光遮蔽膜と、を有する固体撮像素子である。
まず、前記一実施形態との対比として、ワイヤボンディング方式が採用されていた従来の固体撮像素子について述べる。
従来より固体撮像素子は、ワイヤボンディング方式により回路基板に接続されてきた。 詳細には、固体撮像素子を回路基板の上に配置し、前記シリコン基板の撮像素子部側の面に設けられた接続用電極と、回路基板上の接続用電極と、をワイヤにより接続していた。このワイヤボンディング方式を採用する構造は、ボンディング領域の面積が大きくなり、カメラモジュールの小型化が難しい構造である。
これに対し、上記一実施形態の固体撮像素子は、ワイヤではなく、ハンダボール等の接続材料を介して実装基板(以下、回路基板ともいう)に接続されるものである。
上記一実施形態の固体撮像素子と前記回路基板との接続は、前記固体撮像素子と前記回路基板とを、前記金属電極と回路基板上の接続用電極とが対向する向きに配置し、接続材料により前記金属電極と前記接続用電極とを接続することにより行われる(例えば、後述する図9及び図10参照)。
上記一実施形態の固体撮像素子のように、(ワイヤを用いず)第2の主面上に形成された金属電極により回路基板と接続される固体撮像素子を用いることで、ワイヤボンディングスペースを省略できるので、カメラモジュールの大幅な小型化が可能となる(例えば、”株式会社東芝ニュースリリース「携帯電話用CMOSカメラモジュール内製化によるCMOSイメージセンサ事業の強化について」”参照)。
しかしながら、第2の主面上に形成された金属電極により回路基板と接続される固体撮像素子を用いた場合、金属電極の厚みや接続材料(例えば、ハンダボール260)の大きさに起因して、固体撮像素子と回路基板との間に隙間が生じやすく、この隙間からシリコン基板に対し赤外光が入射されやすい。
また、例えば後述するカメラモジュール200の場合、遮光兼電磁シールド244が設けられているものの、ハンダボール260の体積バラツキ等の影響で、加工精度上、遮光兼電磁シールド244と回路基板270との間の隙間Sを完全に無くすことは極めて困難である。
以上の理由により、裏面側の金属電極により回路基板と接続される固体撮像素子の構造は、シリコン基板の裏面側から入射する赤外光を遮光する必要性が特に高い構造である。
従って、このような構造においては、本発明の効果(赤外光遮光能向上及び赤外光によるノイズ低減の効果)がより効果的に奏される。
更に、第2の主面上に金属電極を有する固体撮像素子は、該金属電極と、回路基板との接続ための接続材料と、の接続性が要求される構造である。
従って、このような構造においては、本発明の効果(残渣物低減の効果及び残渣物によるノイズ低減の効果)がより効果的に奏される。
前記一実施形態では、通例、更に前記赤外光遮蔽膜の下層側(シリコン基板に近い側)であって前記金属電極の上層側(シリコン基板から離れた側)に、ソルダーレジスト層等の保護絶縁層が設けられる。
即ち、前記一実施形態は、前記金属電極が形成された第2の主面上に設けられ、前記金属電極の少なくとも1部を露出するようにパターニングされた保護絶縁層を有し、前記赤外光遮蔽膜が、前記保護絶縁層を覆うようにして設けられ、かつ、前記金属電極の少なくとも1部を露出するようにパターニングされた形態であってもよい。
なお、前記一実施形態において「電気的に接続された」とは、直接的に接続されている形態に限られず、周辺回路等を介して間接的に接続されている状態も含む。
以下、前記一実施形態の具体例について、図9及び図10を参照しながら説明するが本発明は以下の具体例によって限定されることはない。
図9は、前記一実施形態の具体例に係る固体撮像素子を備えたカメラモジュールの構成を示す概略断面図である。
図10は、図9中の固体撮像素子基板100を拡大した断面図である。
なお、図9及び図10にわたり、共通する部分には共通する符号を付す。
また、説明に際し、「上方」及び「上側」は、固体撮像素子基板100またはシリコン基板110からみて遠い側を指し、「下方」及び「下側」は、はシリコン基板110に近い側を指す。
図9に示すカメラモジュール200は、実装基板である回路基板270に接続部材であるハンダボール260を介して接続されている。
詳細には、カメラモジュール200は、固体撮像素子基板100と、固体撮像素子基板100の一方の主面上に配置されるガラス基板230(光透過性基板)と、ガラス基板230の上方に配置される赤外線カットフィルタ242と、ガラス基板230及び赤外線カットフィルタ242の上方に配置され内部空間に撮像レンズ240を有するレンズホルダー250と、固体撮像素子基板100、ガラス基板230およびレンズホルダー250の一部の周囲を囲うように配置された遮光兼電磁シールド244と、を備えて構成されている。各部材は、接着剤221、241、243、245により接着されている。
カメラモジュール200では、外部からの入射光hνが、撮像レンズ240、赤外線カットフィルタ242、ガラス基板230を順次透過した後、固体撮像素子基板100に到達するようになっている。
また、カメラモジュール200は、固体撮像素子基板100の前記一方の主面とは反対側の他方の主面側で、ハンダボール260(接続材料)を介して回路基板270に接続されている。
図10において、固体撮像素子基板100は、基体であるシリコン基板110、シリコン基板110の第1の主面上に形成された複数の撮像素子112、層間絶縁膜113、ベース層114、赤色のカラーフィルタ115R、緑色のカラーフィルタ115G、青色のカラーフィルタ115B、オーバーコート116、マイクロレンズ117、内部電極126および素子面電極127と、前記シリコン基板110の第2の主面上に形成された、絶縁膜122、金属電極123、ソルダーレジスト層124および赤外光遮蔽膜118と、を備えて構成されている。そして、前記内部電極126と金属電極123とは、シリコン基板110に形成された第2の主面と第1の主面とをつなぐ貫通孔110Hの部分で電気的に接続されている。
但し、ソルダーレジスト層124は省略されていてもよい。
まず、固体撮像素子基板100の第1の主面側の構成を中心に説明する。
図10に示すように、固体撮像素子基板100の基体であるシリコン基板110の第1の主面上に、CCDやCMOS等の撮像素子112が前記主面に平行な2次元に複数配列された撮像素子部が設けられている。
撮像素子部における撮像素子112上には層間絶縁膜113が形成されており、層間絶縁膜113上にはベース層114が形成されている。更にベース層114上には、撮像素子112に対応するように、赤色のカラーフィルタ115R、緑色のカラーフィルタ115G、青色のカラーフィルタ115B(以下、これらをまとめて「カラーフィルタ115」ということがある)がそれぞれ配置されている。
赤色のカラーフィルタ115R、緑色のカラーフィルタ115G、青色のカラーフィルタ115Bの境界部、及び撮像素子部の周辺には、図示しない遮光膜が設けられていてもよい。この遮光膜は、例えば、公知のブラックのカラーレジストまたは本発明に係る黒色硬化性組成物を用いて作製できる。
カラーフィルタ115上にはオーバーコート116が形成され、オーバーコート116上には撮像素子112(カラーフィルタ115)に対応するようにマイクロレンズ117が形成されている。
また、第1の主面側の撮像素子部の周辺は、周辺回路(不図示)及び内部電極126が設けられており、内部電極126は、周辺回路(不図示)を介して撮像素子112と電気的に接続されている。
さらに、内部電極126上には、層間絶縁膜113を介して素子面電極127が形成されている。内部電極126と素子面電極127間の層間絶縁膜113内には、これら電極間を電気的に接続するコンタクトプラグ(不図示)が形成されている。素子面電極127は、コンタクトプラグ、内部電極126を介して電圧の印加及び信号の読み出しなどに使用される。
素子面電極127上には、ベース層114が形成されている。ベース層114上にはオーバーコート116が形成されている。素子面電極127上に形成されたベース層114及びオーバーコート116が開口されて、パッド開口部が形成され、素子面電極127の一部が露出している。
以上が固体撮像素子基板100の第1の主面側の構成である。
固体撮像素子基板100の第1の主面側において、撮像素子部の周辺には接着剤221が設けられ、この接着剤221を介し、固体撮像素子基板100とガラス基板230とが接着される。
また、シリコン基板110は、該シリコン基板110を貫通する貫通孔110Hを有しており、貫通孔110Hの内壁には、金属電極123の一部である貫通電極が備えられている。この貫通電極により、内部電極126と回路基板270とが電気的に接続されている。
次に、固体撮像素子基板100の第2の主面側の構成を中心に説明する。
シリコン基板110の第2の主面上には、第1の主面上から貫通孔110Hの内壁にわたり絶縁膜122が形成されている。
絶縁膜122上には、シリコン基板110の第2の主面上の領域から貫通孔110Hの内部に至るようにパターニングされた金属電極123が設けられている。金属電極123は、固体撮像素子基板100中の撮像素子部と回路基板270との接続用の電極である。
前記貫通電極は、この金属電極123のうち、貫通孔110Hの内部に形成された部分である。貫通電極は、シリコン基板110及び層間絶縁膜の一部を貫通して内部電極126の下側に至り、該内部電極126に電気的に接続されている。
更に、第2の主面上には、金属電極123を覆い、かつ、該金属電極123上の一部123Eを露出する開口部124Hを有するソルダーレジスト層124(保護絶縁膜)が設けられている。
更に、ソルダーレジスト層124の上方には、前記開口部124Hを除くソルダーレジスト層124を覆う赤外光遮蔽膜118が設けられている。
この赤外光遮蔽膜118を、前述の本発明に係る黒色硬化性組成物を用いてリソグラフィーにより形成する。
これにより、第2の主面側からシリコン基板110に入射する赤外光が遮光される。更に、金属電極123では、現像残渣が抑制される。このため、金属電極123との露出部123Eハンダボール260との接続性、ひいては撮像素子112から構成される撮像素子部と回路基板270との接続性も良好に維持される。
なお、図10では、赤外光遮蔽膜118は、金属電極123の露出部123Eを除く部分を覆うようにパターニングされているが、金属電極123の全部を露出させるようにパターニングされていてもよい(ソルダーレジスト層124のパターニングについても同様である)。
また、ソルダーレジスト層124は省略されていてもよく、金属電極123の上方に金属電極123と接するように赤外光遮蔽膜118が直接形成されていてもよい。
金属電極123の露出部123E上には、接続部材としてのハンダボール260が設けられ、このハンダボール260を介し、固体撮像素子基板100の金属電極123と、回路基板270の不図示の接続用電極と、が電気的に接続される。
以上、固体撮像素子基板100の構成について説明したが、固体撮像素子基板100のうち赤外光遮蔽膜118以外の各部は、特開2009−158863号公報中の段落番号[0033]〜[0068]に記載の方法や、特開2009−99591号公報の段落番号[0036]〜[0065]に記載の方法など、公知の方法により形成できる。
赤外光遮蔽膜118の形成は、既述の本発明の赤外光遮蔽膜の製造方法によって形成できる。
層間絶縁膜113は、例えば、スパッタやCVD(Chemical vapor deposition)等によりSiO膜またはSiN膜として形成する。
カラーフィルタ115は、例えば、公知のカラーレジストを用い、フォトリソグラフィーにより形成する。
オーバーコート116及びベース層114は、例えば、公知の有機層間膜形成用レジストを用い、フォトリソグラフィーにより形成する。
マイクロレンズ117は、例えば、スチレン系樹脂等を用い、フォトリソグラフィー等により形成する。
ソルダーレジスト層124は、例えばフェノール系樹脂、あるいはポリイミド系樹脂、アミン系樹脂を含む公知のソルダーレジストを用い、フォトリソグラフィーにより形成する。
ハンダボール260は、例えば、Sn−Pb(共晶)、95Pb−Sn(高鉛高融点半田)、Pbフリー半田として、Sn−Ag、Sn−Cu、Sn−Ag−Cuなどを用いて形成する。ハンダボール260は、例えば、直径1μm〜1,000μm(好ましくは直径5μm〜100μm)の球状に形成する。
内部電極126及び素子面電極127は、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)、またはフォトリソグラフィー及びエッチングにより、Cu等の金属電極として形成する。
金属電極123は、例えば、スパッタ、フォトリソグラフィー、エッチング、及び電解めっきにより、Cu、Ni、Au等の金属電極として形成する。金属電極23は、単層構成でも2層以上からなる積層構成であってもよい。
金属電極123の膜厚は、例えば、0.1μm〜100μm(好ましくは0.5μm〜10μm)とする。
シリコン基板10としては、例えば、厚み10μm〜10,000μm(好ましくは100μm〜1,000μm)のシリコンウエハーを用いる。
シリコン基板10の貫通孔は、例えば、フォトリソグラフィー及びRIE(Reactive Ion Etching)により形成する。
以上、前記一実施形態の具体例である固体撮像素子基板100について図9及び図10を参照して説明したが、前記一実施形態は図9及び図10の形態に限られず、第2の主面上に金属電極及び赤外光遮蔽膜を有する構成であれば、その構成に特に限定はない。
≪赤外光遮蔽膜≫
赤外光遮蔽膜は、前記の通り、シリコン基板の第2の主面上に形成されるものである。
このため、本発明の赤外光遮蔽膜は赤外遮光能に優れる。
また、本発明の赤外光遮蔽膜の周辺(シリコン基板上の該赤外光遮蔽膜が形成されていない領域)では、残渣物が低減される。
赤外光遮蔽膜の膜厚としては、特に限定はなく、本発明による効果をより効果的に得る観点から、0.1μm〜10μmが好ましく、0.3μm〜5.0μmがより好ましく、0.5μm〜3.0μmが特に好ましい。また、赤外光遮蔽膜のパターンサイズとしては、特に限定はなく、本発明による効果をより効果的に得る観点から、1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、300μm以下が特に好ましい。下限については、1μmが望ましい。
また、本発明の赤外光遮蔽膜の分光特性としては特に限定はないが、赤外遮光能をより向上させる観点、可視域と赤外域との遮光能のバランスの観点等から、波長1200nmにおける光学濃度(OD1200)と波長365nmにおける光学濃度(OD365)との比〔OD1200/OD365〕が、0.5以上3以下であることが好ましい。
光学濃度(OD)は、(株)島津製作所製UV-3600を用い、得られた膜の透過率測定を行ない、得られた透過率(%T)を下記式Bにより変換しOD値とする。
OD値=−Log(%T/100) … 式B
本発明では、波長λnmにおける光学濃度を「ODλ」で表す。
可視域と赤外域との遮光能のバランスの観点、及び本発明の効果をより効果的に得る観点より、赤外光遮蔽膜の光学濃度としては以下の条件が好適である。即ち、
前記〔OD1200/OD365〕は、1.0以上2.5以下がより好ましく、1.3以上2.0以下が特に好ましい。
前記赤外光遮蔽膜の波長1200nmにおける光学濃度(OD1200)は、1.5〜10であることが好ましく、2〜10であることがより好ましい。
前記赤外光遮蔽膜の波長365nmにおける光学濃度(OD365)は、1〜7であることが好ましく、2〜6であることがより好ましい。
前記赤外光遮蔽膜の、900nm〜1300nmの波長領域における光学濃度は、2以上10以下であることが好ましく、2以上9以下であることがより好ましく、2以上8以下であることが特に好ましい。
前記赤外光遮蔽膜の比〔OD900/OD365〕は、1.0以上2.5以下であることが好ましく、1.1以上2.5以下であることがより好ましい。
前記赤外光遮蔽膜の比〔OD1100/OD365〕は、0.6以上2.5以下であることが好ましく、0.7以上2.5以下であることがより好ましい。
前記赤外光遮蔽膜の比〔OD1300/OD365〕は、0.4以上2.3以下であることが好ましく、0.5以上2.0以下であることがより好ましい。
以上で説明した本発明の赤外光遮蔽膜の具体的形態としては、本発明のチタンブラック分散物及び感光性樹脂組成物の用途として説明した赤外光遮蔽膜が挙げられる。
≪赤外光遮蔽膜の製造方法≫
本発明の遮光膜の製造方法は、第1の主面に撮像素子部を有するシリコン基板の第2の主面に既述の本発明に係る黒色硬化性組成物の有機溶剤溶液を塗布して感光性層を形成する工程(以下、「感光性層形成工程」ともいう。)と、前記感光性層をパターン状に露光する工程(以下、「露光工程」ともいう。)と、露光後の前記感光性層を現像してパターンを形成する工程(以下、「現像工程」ともいう。)と、を設けて構成されたものである。
本発明の遮光膜の製造方法によれば、赤外遮光能に優れた遮光膜を形成でき、該遮光膜を形成する際、該遮光膜の形成領域外における残渣物(以下、「現像残渣」ともいう)を低減できる。
以下、本発明に係る赤外光遮蔽膜の製造方法の各工程を説明する。
−感光性層形成工程−
感光性層形成工程では、シリコン基板上に、本発明に係る黒色硬化性組成物の有機溶剤溶液(以下、単に「塗布液」ともいう。)を塗布し、有機溶剤を除去することにより感光性層を形成する。有機溶剤の除去に際しては、加熱した空気を吹き付ける等、有機溶剤の除去を促進させる手段を講じても良い。
シリコン基板上への塗布液の塗布方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。
感光性層の塗布膜厚(乾燥膜厚)としては、解像度と現像性の観点から、0.35μm〜3.0μmが好ましく、0.50μm〜2.5μmがより好ましい。
シリコン基板上に塗布された感光性樹脂組成物は、通常は70℃〜130℃で2分〜4分程度の条件下で乾燥され、感光性層が形成される。
−露光工程−
露光工程では、前記感光性層形成工程で形成された感光性層を、例えばマスクを介して、パターン状に露光して硬化させる(マスクを介して露光する場合には、光照射された塗布膜部分だけを硬化させる)。
露光は放射線の照射により行なうことが好ましく、露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられ、高圧水銀灯がより好まれる。照射強度は5mJ〜3000mJが好ましく10mJ〜2000mJがより好ましく、10mJ〜1000mJが最も好ましい。
−現像工程−
前記露光工程に引き続いて、露光後の感光性層を例えばアルカリ現像処理により現像してパターンを形成する。現像工程では、露光工程における感光性層の非照射部分をアルカリ水溶液等に溶出させることにより、光照射部分だけが残る。
現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない点で、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度は、通常は20℃〜30℃であり、現像時間は20秒間〜240秒間である。
前記現像液としては、有機アルカリ化合物を0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%の濃度となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が挙げられる。有機アルカリ化合物としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどを用いることができる。なお、アルカリ性水溶液を現像液として用いた場合、一般には現像後に純水で洗浄(リンス)が行なわれる。
本発明の遮光膜の製造方法においては、上記の感光性層形成工程、露光工程、及び現像工程に加え、必要により、現像後のパターンを加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を更に設けてもよい。
≪遮光性カラーフィルタ≫
本発明に係る黒色硬化性組成物は、固体撮像素子の撮像素子部が形成される第1の主面上の所望の位置に配置、形成され、意図せずに侵入する光を遮蔽する機能を有する遮光性カラーフィルタの作製に使用することができる。このような遮光性カラーフィルタの作製も、前記の赤外光遮蔽膜の形成と同様にして行えばよいので、その説明は省略する。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。また、室温は25℃を指す。
〔合成例1〕 樹脂(1)の合成(P−Q型)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと記載する。)233g中に、メタクリル酸メチル56g(0.56mol)及び連鎖移動剤(a)6.39g(0.029mol)を添加し、窒素気流下、80℃で1時間加熱した。その後、アゾビスイソブチロニトリル1.48g(0.0090mol)加え、3時間加熱攪拌し、さらに120℃で2時間加熱した。このとき、樹脂(親溶剤性部に相当する)の重量平均分子量(Mw)は2,500であった。次に、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル44g(0.28mol)を添加し、さらにアゾビスイソブチロニトリル1.48g(0.0090mol)添加して3時間攪拌し、さらに120℃で2時間加熱し、樹脂(1)の30質量%PGMEA溶液を得た。重量平均分子量(Mw)は、4,600、Mw/Mnは1.3であった。また、顔料吸着部の重量平均分子量(Mw)は、4,600(樹脂(1)の重量平均分子量)−2,500(親溶剤性部の重量平均分子量)=2,100であった。アミン価(滴定)は、159mgKOH/gであった。合成のスキームを下記に示す。
Figure 2011141512
〔合成例2〜44〕 樹脂(2)〜(44)の合成
合成例1のモノマー及び連鎖移動剤を、表1、または表2に記載の親溶剤性部に使用のモノマー、顔料吸着部に使用のモノマー、及び連鎖移動剤の種類および量にそれぞれ変更した以外は、合成例1と同様の操作を行い、樹脂(2)〜(44)の30質量%PGMEA溶液を合成した。
表1、表2で「P(Mw)」、「Q(Mw)」はそれぞれ親溶剤性部、顔料吸着部の重量平均分子量を示す。また「樹脂(Mw)」は得られた各樹脂の重量平均分子量を示し、「アミン価」は各樹脂のアミン価を示す。
Figure 2011141512
Figure 2011141512
合成例1〜44で用いたモノマーa〜i、および連鎖移動剤(b)は下記の通りである。連鎖移動剤(a)は合成例1で用いた連鎖移動剤(a)である。
Figure 2011141512
Figure 2011141512
〔合成例45〕 樹脂(45)の合成(P−Q−P型)
PGMEA233g中に、メタクリル酸メチル41.5g(0.415mol)及び連鎖移動剤(a)2.40g(0.011mol)を添加し、窒素気流下、80℃で1時間加熱した。その後、アゾビスイソブチロニトリル1.48g(0.0090mol)加え、3時間加熱攪拌し、120℃で2時間加熱攪拌した。このとき、樹脂(親溶剤性部に相当する)の重量平均分子量は4,700であった。次に、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル17g(0.11mol)を添加し、さらにアゾビスイソブチロニトリル1.48g(0.0090mol)添加して3時間攪拌した。このときの樹脂の重量平均分子量は7,000であったため、顔料吸着部の重量平均分子量は(7,000−4,700)=2,300であった。さらに、メタクリル酸メチル41.5g(0.415mol)を添加し、さらにアゾビスイソブチロニトリル1.48g(0.0090mol)添加して3時間攪拌し、さらに120℃で2時間加熱攪拌した。樹脂(45)の30質量%PGMEA溶液を得た。重量平均分子量は、12,000、分散度は1.3であった。また、親溶剤性部の重量平均分子量は(12,000−7,000)=5,000であった。アミン価(滴定)は、61mgKOH/gであった。合成のスキームを下記に示す。
Figure 2011141512
〔合成例46〕 樹脂(46)の合成(P−Q−P型)
PGMEA233g中に、メタクリル酸メチル41.5g(0.415mol)及び連鎖移動剤(a)2.40g(0.011mol)を添加し、窒素気流下、80℃で1時間加熱した。その後、アゾビスイソブチロニトリル1.48g(0.0090mol)加え、3時間加熱攪拌した。このとき、樹脂(親溶剤性部に相当する)の重量平均分子量は4,900であった。次に、モノマーd17g(0.079mol)を添加し、さらにアゾビスイソブチロニトリル1.48g(0.0090mol)添加して3時間攪拌した。このときの樹脂の重量平均分子量は7,800であったため、顔料吸着部の重量平均分子量は、(7,800−4,900)=2,900であった。さらに、メタクリル酸メチル41.5g(0.415mol)を添加し、さらにアゾビスイソブチロニトリル1.48g(0.0090mol)添加して3時間攪拌した。樹脂(46)の30質量%PGMEA溶液を得た。重量平均分子量は、13,000、分散度は1.3であった。また、親溶剤性部の重量平均分子量は、(13,000−7,800)=5,200であった。酸価(滴定)は、47mgKOH/gであった。合成のスキームを下記に示す。
Figure 2011141512
〔比較例用合成例1〕 樹脂(47)の合成
PGMEA233g中に、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル25g(0.16mol)、メタクリル酸メチル75g0.75mol)、及びドデシルメルカプタン2.0g(0.0099mol)を加え、窒素気流下で75℃まで加温した。次に、アゾビスイソブチロニトリル1.48g(0.0090mol)を添加し、2時間加熱した。さらに、アゾビスイソブチロニトリル1.48g(0.0090mol)を添加し、2時間加熱した後、90℃に昇温し1時間加熱した。得られた溶液を放冷し、樹脂(47)の30質量%PGMEA溶液を得た。樹脂(47)のアミン価は85mgKOH/gであり、重量平均分子量は19,000、重量平均分子量/数平均分子量は2.7であった。合成のスキームを下記に示す。
Figure 2011141512
〔比較例用合成例2〕 樹脂(48)の合成
PGMEA233g中に、メタクリル酸15g(0.17mol)、メタクリル酸メチル85g(0.85mol)、及びドデシルメルカプタン2.0g(0.0099mol)を加え、窒素気流下で75℃まで加温した。次に、アゾビスイソブチロニトリル1.48g(0.0090mol)を添加し、2時間加熱した。さらに、アゾビスイソブチロニトリル1.48g(0.0090mol)を添加し、2時間加熱した後、90℃に昇温し1時間加熱した。得られた溶液を放冷し、樹脂(48)の30質量%PGMEA溶液を得た。樹脂(48)の酸価は100mgKOH/gであり、重量平均分子量は21,000、重量平均分子量/数平均分子量は2.7であった。合成のスキームを下記に示す。
Figure 2011141512
<実施例1〜実施例52のチタンブラックを用いた黒色硬化性組成物の調製>
(分散液の調整)
下記(組成I)に示す成分を二本ロールにて高粘度分散処理を施し、分散物を得た。なお、高粘度分散処理の前にニーダーで30分混練することを行ってもよい。
(組成I)
・平均一次粒径75nmチタンブラック 40部
(三菱マテリアルズ(株)製 13MT)(Pigment Black35)
・各樹脂(1)〜(48)の30質量%PGMEA溶液 5部
得られた分散物に、下記(組成II)に示す成分を添加し、3,000rpmの条件でホモジナイザーを用いて3時間攪拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いた、分散機(商品名:ディスパーマット GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施して、チタンブラック分散液を得た。
(組成II)
・各樹脂(1)〜(48)の30質量%PGMEA溶液 20部
・溶剤:PGMEA 150部
(チタンブラックを用いた黒色硬化性組成物の調製)
下記の(組成III)の組成を攪拌機で混合して、実施例1〜実施例52のチタンブラック
を用いた各黒色硬化性組成物を調製した。
(組成III)
・アルカリ可溶性樹脂:表3および表4に記載の樹脂D−1または樹脂D−2(構造は下記に示す)、いずれも30質量%PGMEA溶液 10部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 2.0部
・重合性化合物:ペンタエリスリトールトリアクリレート 1.0部
・重合開始剤:表3および表4に記載の化合物(構造を下記に示す。) 0.3部
・各分散液:表3および表4に記載の分散液 24部
・溶剤:PGMEA 10部
・溶剤:エチル−3−エトキシプロピオネート(EEPと記載する) 8部
・γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 0.1部
・メガファックF171 0.05部
Figure 2011141512
<実施例53の銀錫組成物を用いた黒色硬化性組成物の調製>
60℃に保温した純水200mlに錫コロイド(平均粒子系:20nm、固形分:20質量%、住友大阪セメント社製)15gと、銀コロイド(平均粒子系:7nm、固形分:20質量%、住友大阪セメント社製)60gとポリビニルピロリドン0.75gを水100mlに溶解した溶液を加え、コロイド溶液とした。
次いで、このコロイド溶液を60℃に保持した状態で60分間攪拌し、その後、超音波を5分間照射した。次いでこのコロイド溶液を遠心分離により濃縮し、固形分が25%のA液を得た。A液をフリーズドライ方法により乾燥し、粉末試料を得た。
チタンブラックの代わりにこの粉末試料を用い、樹脂は樹脂(3)を用いて、他はチタンブラック分散液の調製と同様にして、銀錫分散液を調製し、さらにチタンブラックを用いた黒色硬化性組成物の実施例1の調製におけるチタンブラック分散液の代わりに、銀錫分散液を用いて銀錫組成物を用いた黒色硬化性組成物を調製した。
<実施例54の黒色硬化性組成物の調製>
実施例53において、樹脂(3)の代わりに、樹脂(24)を用いる以外は実施例53と同様にして、実施例54の黒色硬化性組成物を得た。
<実施例55、56のチタンブラック−赤色顔料の混合黒色硬化性組成物の調製>
(赤色顔料分散液の調製)
下記組成物を0.3mmジルコニアビーズを用いた分散機(商品名:ディスパーマット
GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施して赤色顔料分散液を調製した。
・有機顔料:C.I.ピグメントレッド254 30部
・樹脂溶液(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、mol比:80/10/10、Mw:10000、樹脂固形分濃度:40%のPGMEA溶液) 10部
・溶剤:PGMEA 200部
・分散剤:樹脂(3)の30%PGMEA溶液 30部
(硬化性組成物の調製)
樹脂(3)を用いて得られたチタンブラック分散液20部、および赤色顔料分散液4部の混合物を、組成(III)における分散液に用いて、実施例1と同様にして黒色硬化性組成
物を調製した。なお、実施例55では樹脂(3)を用い、実施例56では樹脂(24)を用いた。
<比較例1、2のチタンブラックを用いた黒色硬化性組成物の調製>
実施例1における樹脂(1)を比較合成例で得られた樹脂(47)、または樹脂(48)にそれぞれ変更する以外は、実施例1と同様にして黒色硬化性組成物を調製し比較例1、比較例2の黒色硬化性組成物を調製した。
<比較例3のカーボンブラックを用いた黒色硬化性組成物の調製>
実施例1におけるチタンブラックをカーボンブラック(東海カーボン社製 トーカブラック#7400、平均1次粒子径28nm)に変更し、それ以外は実施例1と同様にして黒色硬化性組成物を調製した。
実施例1〜56、および比較例1〜3の黒色硬化性組成物に用いた特定樹脂、または比較用樹脂、アルカリ可溶性樹脂、および重合開始剤を表3および表4に示す。また用いた重合開始剤は下記に示す化合物(I−1)〜(I−6)である。
Figure 2011141512
Figure 2011141512
Figure 2011141512
〔固体撮像子用遮光性カラーフィルタの作成及び評価〕
(黒色硬化性組成物層形成工程)
塗布・加熱処理後の膜厚が2.0μmになるように、スピンコートの塗布回転数を調整して、シリコンウエハ(基板)上に、実施例1〜56、比較例1〜3の各黒色硬化性組成物を均一に塗布し、表面温度120℃のホットプレートにより120秒間加熱処理した。このようにして、膜厚2.0μmの黒色硬化性組成物層を得た。
(露光工程)
次いで、i線ステッパー、FPA−3000iS+(キャノン(株)製)を使用して、20.0μmラインアンドスペース状パターン用フォトマスクを介して、100〜5000mJ/cmの範囲の露光量を、50mJ/cmの刻みで変化させて照射(露光)した。
(現像工程)
照射(露光)後に、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)0.3質量%水溶液を用いて、23℃にて60秒間パドル現像を行い、その後、純水を用いて20秒スピンシャワーにて、リンスを行い、更に純水にて水洗を行った。
その後、付着した水滴を高度のエアーで除去し、基板を乾燥させ、黒色の画像パターン(20.0μmのラインアンドスペース状パターン)を得た。
このようにして、固体撮像素子用遮光性カラーフィルタを得た。
[評価]
上記のようにして得られた各黒色硬化性組成物、及び各固体撮像素子用遮光性カラーフィルタについて、以下のような評価を行った。評価結果をまとめて表5、表6に示す。
(保存安定性)
黒色硬化性組成物を調液して1日後、及び1ヶ月後(保存温度10℃)の粘度をE型粘度計(東機産業株式会社製 TV−22型粘度計コーンプレートタイプ)を用いて25℃で測定し、その差を保存安定性とした。粘度の差が小さいほど、保存安定性が良好であることを示す。
(基板密着性評価)
SEM観察において、基板からのはがれが生じなくなった最小の露光量を感度として評価した。感度の値が小さいほど基板密着性が高いことを示す。
(遮光性評価)
得られた遮光性カラーフィルタを用いて、400nm〜800nmの波長領域における最大の透過率を分光光度計(島津製作所製 UV23600)で測定した。数値が少ない程良好である。最大透過率が1%未満の場合は遮光性が良好であることを示す。
Figure 2011141512
Figure 2011141512
表5および表6より、本発明の黒色硬化性組成物は、保存安定性、基板密着性が良好であり、且つ遮光性に優れていることが分かる。
<実施例57〜117、比較例4〜6> ウエハレベルレンズ用遮光膜の作成及び評価
以下の操作により、レンズ膜用硬化性組成物を用いた樹脂膜を形成した。
この樹脂膜を用いて、黒色硬化性組成物とレンズとの密着性の模擬評価に供した。
(レンズ膜用熱硬化性樹脂膜の形成)
表7に示す成分2の化合物を成分2の欄に示した量だけ成分1に対して添加し、レンズ膜用硬化性組成物1〜6を調製した。成分2が空欄のレンズ膜用硬化性組成物は成分1だけを用いた。
表7に示す硬化性組成物1〜4(2mL)を5×5cmのガラス基板(厚さ1mm、Schott社製、BK7)に塗布し、200℃で1分間加熱して硬化させ、レンズ上の残渣を評価できるレンズ膜(膜1〜4)を形成した。
(レンズ膜用光硬化性樹脂膜の形成)
表7に示す硬化性組成物5及び6(2mL)を5×5cmのガラス基板(厚さ1mm、Schott社製、BK7)に塗布し、メタルハライドランプで3000mJ/cmの光を照射して硬化させ、レンズ上の残渣を評価できるレンズ膜(膜5、6)を形成した。
Figure 2011141512
(レンズ上の黒色硬化性組成物層の形成)
レンズ膜用硬化性組成物1〜6により樹脂膜を形成したガラスウエハ基板上に、塗布・加熱処理後の膜厚が2.0μmになるように、スピンコートの塗布回転数を調整して、実施例1〜56および比較例1〜3で用いた黒色硬化性組成物(B−1)〜(B−59)を均一に塗布し、表面温度120℃のホットプレートにより120秒間加熱処理した。このようにして、膜厚2.0μmの黒色硬化性組成物層を得た。なお、各実施例、比較例で用いたレンズ膜用硬化性組成物1〜6、および黒色硬化性組成物(B−1)〜(B−59)は、表8、表9に示す。
(露光工程)
次いで、得られた黒色硬化性組成物層を、高圧水銀灯を用い、5.0mmのホールパターンを有するフォトマスクを介して露光量100mJ/cmから1000mJ/cmまで50mJ/cmずつ露光量を変更し露光した。
(現像工程)
前記露光後の黒色硬化性組成物層に対し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.3%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後スピンシャワーにてリンスを行いさらに純水にて水洗し、パターン状の遮光膜を得た。
レンズ膜用硬化性組成物による樹脂膜を形成したガラスウエハ上に黒色硬化性組成物層を形成し、露光・現像・リンスを施して得られた遮光膜付基板を用いて以下の評価を行った。評価結果をまとめて表8、表9に示す。
(レンズ上での密着性評価)
レンズ膜用硬化性組成物による樹脂膜からのはがれが生じなくなった最小の露光量をレンズ上での密着性の指標として評価した。最小の露光量の値が小さいほどレンズとの密着性が高いことを示している。
(ガラスウエハ上の黒色硬化性組成物層の形成)
塗布・加熱処理後の膜厚が2.0μmになるように、スピンコートの塗布回転数を調整して、ガラスウエハ基板(厚さ1mm、Schott社製、BK7)上に、黒色硬化性組成物(B−1)〜(B−59)を均一に塗布し、表面温度120℃のホットプレートにより120秒間加熱処理した。このようにして、膜厚2.0μmの黒色硬化性組成物層を得た。
(露光工程) 次いで、得られた塗布層を、高圧水銀灯を用い、5.0mmのホールパターンを有するフォトマスクを介して露光量100mJ/cmから1000mJ/cmまで50mJ/cmずつ露光量を変更して露光した。
(現像工程)
前記露光後の黒色硬化性組成物層に対し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.3%水溶液を用いて、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後スピンシャワーにてリンスを行いさらに純水にて水洗し、パターン状の遮光膜を得た。
(ガラスウエハ上の密着性評価)
ガラスウエハ上に黒色硬化性組成物層を形成し、露光・現像・リンスを施して得られた遮光膜付基板を用いて以下の評価を行った。
ガラスウエハ基板からのはがれが生じなくなった最小の露光量をガラスウエハ上の密着性の指標として評価した。最小の露光量の値が小さいほどガラスウエハ上の密着性が高い。
(遮光性評価)
得られた遮光性カラーフィルタを用いて、400nm〜800nmの波長領域における最大の透過率を分光光度計(島津製作所製 UV23600)で測定した。数値が少ない程良好である。最大透過率が1%未満の場合は遮光性が良好であることを示す。
評価結果をまとめて表8、表9に示す。
Figure 2011141512
Figure 2011141512
表8および表9から、本発明の黒色硬化性組成物は、ウエハレベルレンズ用途で重要なレンズ上及びガラスウエハ基板上の密着性に優れることがわかる。
以上より、本発明の黒色硬化性組成物は、固体撮像素子用途遮光膜を形成する際に必要とされるi線ステッパー露光照射下でのシリコンウエハへの密着性、及びウエハレベルレンズ用途遮光膜を形成する際に必要とされる水銀灯照射下でのレンズ及びガラス基板上の密着性に非常に優れることがわかる。
<実施例118>
レンズ膜用硬化性組成物5を用いてガラス基板上に硬化性樹脂層を形成し、レンズ形状を持つ石英モールドで形状を転写して高圧水銀ランプにより3000mJ/cmの露光量
で硬化させることにより、レンズを形成した。次に、実施例1の硬化性組成物(B−1)を塗布し、0.5mmのホールパターンを有するフォトマスクを介して高圧水銀ランプで露光し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.3%水溶液で未露光部を除去することにより、レンズ外部及びレンズ外縁部に遮光膜を形成し、ウエハレベルレンズを複数有するウエハレベルレンズアレイを作製した。
作製されたウエハレベルレンズアレイを切断し、これにレンズモジュールを作製した後に、撮像素子及びセンサ基板を取り付け、撮像ユニットを作製した。
実施例118で得られたウエハレベルレンズは、レンズ開口部に残渣物が無く良好な透過性を有し、かつ遮光層の部分の塗布面の均一性が高く、遮光部の剥がれも観察されず、遮光性が高いものであった。
<実施例119〜172、比較例7〜9> 固体撮像素子用赤外線遮蔽膜の作成及び評価
<基板A及び基板Bの準備>
(基板Aの準備)
前記一実施形態の固体撮像素子(裏面にソルダーレジスト層を有しない形態)における現像残渣の検証用として、以下のようにして基板Aを準備した。
即ち、厚み1000μmのシリコン基板上に、微細加工(フォトリソグラフィー)技術とスパッタ法および電解めっき法を用いて、厚さ5μm、直径10μmの銅(Cu)製の円形金属電極を得た。
以上により、図11の概略断面図に示すような、シリコン基板上300に円形金属電極310を複数有する構成の基板Aを得た。
(基板Bの準備)
前記一実施形態の固体撮像素子(裏面にソルダーレジスト層を有する形態)における現像残渣の検証用として、以下のようにして基板Bを準備した。
前記基板Aの円形金属電極形成面側に、下記ソルダーレジストを用いてフォトリソグラフィーにより、パターン状のソルダーレジスト層を形成した。
ソルダーレジスト層のパターンは、図13に示すように、金属電極の一部を露出する開口部を有するパターンとした。
以上により、図13の概略断面図に示すような、シリコン基板300上に円形金属電極310及びソルダーレジスト層330をそれぞれ複数有する構成の基板Bを得た。
ソルダーレジストの成分は以下の通りである。
下記樹脂溶液 155部
2−(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテンー9−オン(光重合開始剤)
2部
2−メチル−1−[4−(メチルチオフェニル)]−2−モルホリノプロパンー1−オン(光重合開始剤) 6部
2,4−ジエチルチオキサントン(増感剤) 1部
C.I.ピグメントブルー15:6(着色剤) 0.9部
C.I.ピグメントイエロー199(着色剤) 2.3部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(モノマー) 20部
トリメチロールプロパントリアクリレート(モノマー) 10部
硫酸バリウム(フィラー) 130部
フェノールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製EPPN−201)(熱硬化成分)
15部
ビキシレノール型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製YX−4000)
30部
メラミン 3部
ジブロピレングリコールメチルエーテルアセテート 5部
#150(出光石油化学社製 芳香族系有機溶剤) 5部
(樹脂溶液の調製)
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製EOCN−104S)660g、カルビトールアセテート421.3g、及びソルベントナフサ180.6g仕込み、90℃に加熱・攪拌し、溶解した。次に、60℃まで冷却し、アクリル酸216g、トリフェニルホスフィン4.0g、p−メトキシフェノール1.3gを加え、100℃で12時間反応させた。このときの酸価は0.3mgKOH/gであった。これにテトラヒドロ無水フタル酸241.7gを仕込み、90℃に加熱し、6時間反応させた。これにより、固形分濃度65質量%、固形分酸価77mgKOH/g、二重結合当量(不飽和基1モル当たりの樹脂のg重量)400g/当量、重量平均分子量8,000の樹脂溶液を得た。
<遮光膜の作製>
上記で得られた黒色硬化性組成物を、上記基板Aの金属電極が形成された側の面にスピンコート法で塗布し、その後ホットプレート上で120℃で2分加熱して黒色硬化性組成物塗布層を得た。
次いで、得られた塗布層を、i線ステッパーを用い、100mJ/cm、200mJ/cm、300mJ/cm、400mJ/cm、500mJ/cmの各露光量にてパターン露光した。
次に、露光後の塗布層に対し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド0.3%水溶液を用い、23℃60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにてリンスを行いさらに純水にて水洗し、パターン状の遮光膜を得た。
ここで遮光膜は、図12に示すように、金属電極310の一部を露出する開口部を有するパターン(図12中の遮光膜320)とした。
上記と同様にして、但し、基板Aに代えて基板Bを用いて、同様にして、パターン状の遮光膜を形成した。
ここで遮光膜は、図14に示すように、金属電極310の一部を露出する開口部を有するパターン(詳しくは、基板法線方向からみたときにソルダーレジスト層と重なるパターン;図14中の遮光膜340)とした。
(密着性評価)
SEM観察において、はがれが生じなくなった最小の露光量を感度として評価した。感度の値が小さいほど基板密着性が高いことを示す。
(遮光性評価)
得られた遮光性カラーフィルタを用いて、800nm〜1200nmの波長領域における最大の透過率を分光光度計(島津製作所製 UV23600)で測定した。数値が少ない程良好である。最大透過率が1%未満の場合は遮光性が良好であることを示す。
結果を表10および表11に示す。
Figure 2011141512
Figure 2011141512
表10および表11の結果から、本発明による赤外光遮蔽膜は、金属電極としての銅、およびソルダーレジスト層の何れに対しても、高い密着性を示すことが理解できる。
10 基板
12 レンズ
14 遮光膜
110 シリコン基板
112 撮像素子
113 層間絶縁膜
114 ベース層
115R 赤色のカラーフィルタ
115G 緑色のカラーフィルタ
115B 青色のカラーフィルタ
116 オーバーコート
117 マイクロレンズ
118 赤外光遮蔽膜
122 絶縁膜
123 金属電極
124 ソルダーレジスト層
126 内部電極
127 素子面電極
200 カメラモジュール
230 ガラス基板
240 撮像レンズ
250 レンズホルダー
260 ハンダボール
270 回路基板

Claims (16)

  1. (A)無機顔料、(B)親溶剤性部と酸基又は塩基性基を有する顔料吸着部とを含む鎖状の樹脂、(C)重合開始剤、及び(D)重合性化合物、を含有する黒色硬化性組成物。
  2. 前記(A)無機顔料が、チタンブラックである請求項1に記載の黒色硬化性組成物。
  3. 前記親溶剤性部が、I/O値が0.05〜1.50の範囲にある繰り返し単位を80質量%以上含む請求項1または請求項2に記載の黒色硬化性組成物。
  4. 前記親溶剤性部が、下記一般式(I−A)または一般式(I−B)で表される繰り返し単位を含む請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の黒色硬化性組成物。
    Figure 2011141512

    一般式(I−A)中、Rはアルコキシ基、シクロアルコキシ基またはアリールオキシ基を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表す。
    Figure 2011141512

    一般式(I−B)中、Rはアリール基を表す。Rは水素原子またはアルキル基を表す。
  5. 前記(C)重合開始剤が、オキシムエステル化合物またはヘキサアリールビイミダゾール化合物である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の黒色硬化性組成物。
  6. さらに、(E)前記(B)の樹脂以外のアルカリ可溶性樹脂を含有する請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の黒色硬化性組成物。
  7. さらに、(F)有機顔料を含有する請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の黒色硬化性組成物。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の黒色硬化性組成物からなる固体撮像素子用黒色硬化性組成物。
  9. 請求項8に記載の黒色硬化性組成物を用いてなる固体撮像素子用遮光性カラーフィルタ。
  10. 請求項9に記載の固体撮像素子用遮光性カラーフィルタを備えた固体撮像素子。
  11. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の黒色硬化性組成物からなるウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
  12. 基板上に存在するレンズの周縁部に、請求項11に記載の黒色硬化性組成物を用いて得られた遮光膜を備えたウエハレベルレンズ。
  13. シリコン基板の一方の面上に設けられる赤外光を遮光する赤外光遮蔽膜の形成に用いられる請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の黒色硬化性組成物。
  14. 撮像素子部を有するシリコン基板の該撮像素子が設けられた面とは反対側の面上に、請求項13に記載の黒色硬化性組成物を用いて形成された赤外光遮蔽膜。
  15. 撮像素子部を有するシリコン基板の該撮像素子が設けられた面とは反対側の面上に、請求項13に記載の黒色硬化性組成物を塗布して感光性層を形成する感光層形成工程と、前記感光性層をパターン状に露光する露光工程と、露光後の前記感光性層を現像してパターン形成する現像工程と、を有する赤外光遮蔽膜の製造方法。
  16. 撮像素子部を有するシリコン基板の該撮像素子が設けられた面とは反対側の面上に、請求項14に記載の赤外光遮蔽膜を備えた固体撮像素子。
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