JP3896555B2 - 液体封入式マウント - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は転倒保護構造用のキャブを用いた建設機械に使用する液体封入式マウントに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来のホイールローダの斜視図であり、図6は図5の断面図である。図において、1はキャブであり、このキャブ1は、保護すべき構造物であり、ホイールローダ2のフレーム3に固着されたブラケット4に液体封入式マウント5を介して装着されている。6は保護部材であり、この保護部材6は、キャブ1の外側に存在し、ブラケット4を介してフレーム3に強固に固定され、ホイールローダ2の転倒時にキャブ1および液体封入式マウント5を保護する。
次に、液体封入式マウント5を図7の平面図及びそのA1−A2断面図を用いて説明する。図において、7はケースであり、このケース7は、カップ部8と、取付け穴9および固定用爪10を持った取付け板11とから構成される。12はスタッドであり、このスタッド12は、軸方向には粘性液13を注入するための貫通穴14およびネジ穴15が設けられている。
【0003】
16は減衰板であり、この減衰板16は、中心部に透穴17が設けられている。そして、この透穴17に、上記スタッド12の一端が挿入されている。
18は筒状ケースであり、この筒状ケース18は、円筒部19と、取付け穴20を持った取付け板21とから構成される。22はゴムなどの弾性体であり、この弾性体22は、上記筒状ケース18を包み込んで構成される。この弾性体22の下面には、凹み23が形成され、粘性液13の流れを複雑にして、緩衝能力を向上させることができる。
【0004】
次に、上記構成の液体封入式マウントの緩衝動作について説明する。まず、ホイールローダ2の運転によりフレーム3およびブラケット4に振動が加わると、この振動は、ケース7に伝わる。このため、このケース7が上下に振動するため、粘性液13がかき回される。この時、粘性液13の粘性抵抗と減衰板16により、緩衝作用が働き、振動が減衰し、キャブ1などの振動保護部に伝わる振動を少なくすることができる。
【0005】
しかし、上記ホイールローダ2は、キャブ1と液体封入式マウント5とを保護する保護部材6を用いているので、コストが高くなるという問題が生じていた。そこで、近時、図8に示す転倒保護構造用のキャブを用いたホイールローダが提案されている。図において、24は転倒保護構造用のキャブであり、この転倒保護構造用のキャブ24は、このキャブ24の側壁25を厚くすることによってキャブ24の強度を上げ、転倒時に運転手の安全を保つことができると思われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の転倒保護構造用のキャブを用いたホイールローダは、その側壁が液体封入式マウントのスタッドを介して、この液体封入式マウントの弾性体で支持されているため、側壁の側面が大きな力を受けた時、液体封入式マウントのスタッドが弾性体を圧縮して傾くため、結果として、キャブの側壁が図9およびその部分拡大図を図10に示すように傾く。このように、従来の転倒保護構造用のキャブの傾きにより、運転手の居住空間が狭まり、運転手の身に危険が生じるという問題があった。
また、この時、減衰板の一部上面は弾性体の一部下面に当接しているので、側壁の側面が更に大きな力を受けたときには、減衰板が当接する側の弾性体が引っ張られた状態で減衰板が弾性体を圧縮するので、弾性体にせん断力がかかり、応力が集中したところから弾性体に亀裂が発生したりするという問題があった。
したがって、本発明の目的は、液体封入式マウントにストッパーを取付け、スタッドの傾きを規制する。言い替えれば、側壁の傾きを規制し、運転手の居住空間を確保し、運転手の身に危険を生じさせないことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上下方向に開口し、上端に半径方向の張り出し部を設け、この張り出し部に上方に突出する第1のストッパーを設け、下端に第2のストッパーを設けた金属製の筒部材と、上方が開口し、この開口端が筒部材の下端に一体に固着する金属製の容器と、この容器に封入された高粘性液と、上端に保護すべき構造物を固定可能にしたスタッドと、このスタッドの下端に固定され、高粘性液中に設けられた金属製の減衰板と、筒部材の中心軸にスタッドが位置決めされるように、この筒部材の内周面とスタッドの外周面との間に固着された弾性部材とから構成し、保護すべき構造物が設定された値に傾いたとき、この構造物が上記第1のストッパーに当接するとともに、減衰板の外周面が第2のストッパーに当接した状態となり、保護すべき構造物がそれ以上の値に傾かないようにしたものである。
【0008】
【作用】
本発明の液体封入式マウントによれば、側壁の側面が大きな力を受けた時、側壁が液体封入式マウントの第1のストッパーに当接し、減衰板が第2のストッパーに当接することによって、転倒保護用キャブの側壁の傾きを最小限に抑えて運転手の居住空間が確保できるので、運転手の身に危険が生じることがない。また、減衰板が第1のストッパーに当接するので、弾性体に亀裂が発生しない。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1(A)及び図1(B)は本発明の液体封入式マウントの一実施例を示す平面図及びそのB1−B2断面図である。図において、26はケースであり、このケース26は、上下方向に開口した金属製の筒部材27と、上下が開口し、かつ、底のある金属製の容器28から構成される。そして、上記筒部材27は、上端に設けた張り出し部29と、この張り出し部29から上方に突出する第1のストッパー30と、上記張り出し部に設けた取付け穴31と、下端に設けた第2のストッパー32とからなる。
33は減衰板であり、この減衰板33はボルト34を介してスタッド12の底に取り付けられる。
なお、筒部材27および減衰板33は、側壁25が傾いたとき、転倒保護構造用のキャブ24の荷重を受けるので、容器28より板厚を厚くして高強度にしなければならない。
その他の構造は、図7に示す液体封入式マウントと同様である。
また、転倒保護構造用のキャブ24を使用したホイールローダに限らず、転倒保護構造用のキャブ24を使用した建設機械に上記液体封入式マウントを用いてもよいことは勿論である。
【0010】
次に、図1に示す液体封入式マウントの一実施例の組立方法について説明する。まず、筒部材27とスタッド12とを図示せぬ金型にセットして、筒部材27の内周面とスタッド12の外周面との間と、張り出し部29の上面に弾性体22を加硫接着する。そして、スタッド12の底にボルト34で減衰板33を固定する。そして、容器28を第2のストッパー32にかしめて固定する。そして、容器28の注入口35から粘性液13を注入して、溶接プラグ36で栓をする。
【0011】
次に、転倒保護構造用のキャブの側壁の側面が大きな力を受け、この転倒保護構造用のキャブが傾いたときの、側壁と液体封入式マウントについて、図2およびこの図2の一部を拡大した図3を用いて説明する。まず、キャブ24が傾くと、スタッド12が弾性体22を圧縮して側壁が第1のストッパー30に当接する。さらに、キャブ24が傾くと、減衰板33が第2のストッパー32に当接する。このように、側壁25が当接する第1のストッパー30と減衰板33が当接する第2のストッパー32とで側壁の傾きを規制することができるので、運転手の居住空間が確保でき、運転手が側壁25に当たって怪我をすることがない。また、減衰板33が第2のストッパー32に当接するので、弾性体22が引っ張られた状態でせん断変形を起こさず、この弾性体に亀裂が発生しない。
なお、特に第1のストッパー30、第2のストッパー32および減衰板33は、転倒保護構造用のキャブ24が傾いたときの荷重を直接受けるので、高強度のものを使用しなけばならない。
【0012】
図4(A)及び図4(B)は、本発明の液体封入式マウントの他の実施例を示す平面図及びそのC1−C2断面図である。図において、37はケースであり、このケース37は、上下方向に開口した金属製の筒部材27と、上下が開口し、かつ、上端が上記筒部材27に一体に成形され、かつ、下端に蓋38をかしめた金属製の容器39から構成される。このように、容器39は、筒部材27と別体でなくてもよいことは勿論である。
その他の構成は、図1に示す液体封入式マウントと同様である。
【0013】
次に、図4に示す本発明の液体封入式マウントの他の実施例の組立方法は、蓋38を容器39の下端にかしめることを除いて、図1に示す液体封入式マウントと同様である。
【0014】
【発明の効果】
本発明に係る液体封入式マウントによれば、側壁の側面が大きな力を受けた時、側壁が液体封入式マウントの第1のストッパーに当接し、減衰板が第2のストッパーに当接することによって、転倒保護用キャブの側壁の傾きを最小限に抑えて運転手の居住空間が確保できるので、運転手の身に危険が生じることがない。また、減衰板が第1のストッパーに当接するので、弾性体に亀裂が発生しないなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体封入式マウントの一実施例の平面図およびそのB1−B2断面図である。
【図2】図1の液体封入式マウントを取り付けた転倒保護構造用のキャブの側壁の側面が大きな力を受けたときのホイールローダの断面図である。
【図3】図2の一部拡大図である。
【図4】本発明の液体封入式マウントの他の実施例の平面図およびそのC1−C2断面図である。
【図5】ホイールローダの斜視図である。
【図6】図5の断面図である。
【図7】従来の液体封入式マウントの側面図およびそのA1−A2断面図である。
【図8】図7の液体封入式マウントを転倒保護構造用のキャブに取り付けたホイールローダの断面図である。
【図9】図7の液体封入式マウントを取り付けた転倒保護構造用のキャブの側壁の側面が大きな力を受けたときのホイールローダの断面図である。
【図10】図9の一部拡大図である。
【符号の説明】
26 ケース
27 筒部材
28 容器
29 張り出し部
30 第1のストッパー
31 取付け穴
32 第2のストッパー
33 減衰板
Claims (1)
- 上下方向に開口し、上端に半径方向の張り出し部を設け、この張り出し部に上方に突出する第1のストッパーを設け、下端に第2のストッパーを設けた金属製の筒部材と、上方が開口し、この開口端が筒部材の下端に一体に固着する金属製の容器と、この容器に封入された高粘性液と、上端に保護すべき構造物を固定可能にしたスタッドと、このスタッドの下端に固定され、高粘性液中に設けられた金属製の減衰板と、筒部材の中心軸にスタッドが位置決めされるように、この筒部材の内周面とスタッドの外周面との間に固着された弾性部材とから構成し、
保護すべき構造物が設定された値に傾いたとき、この構造物が上記第1のストッパーに当接するとともに、減衰板の外周面が第2のストッパーに当接した状態となり、保護すべき構造物がそれ以上の値に傾かないようにしたことを特徴とする液体封入式マウント。
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