以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施の形態における液封入式防振装置100の断面図である。
なお、図1に示す矢印Xは、液封入式防振装置500の水平方向を示すと共に、矢印Yは、液封入式防振装置500の垂直方向を示しており、これら矢印X及び矢印Yは、自動車(車両)における左右方向および上下方向にそれぞれ対応する。また、理解を容易とするために、図1に示すナットNとおねじ6aとは、側面を示している。
この液封入式防振装置100は、自動車(トラック)のキャブを車体フレームに支持固定しつつ、キャブへ伝達されるエンジン振動などを低減するための防振装置であり、図1に示すように、キャブ側に取り付けられる第1取付け金具1と、キャブ下方の車体フレーム側に取り付けられる筒状の第2取付け金具2と、これらを連結すると共にゴム状弾性体から構成される防振基体3と、第2取付け金具2に取り付けられる底金具9とを主に備えている。
第1取付け金具1は、第1取付け金具1が第2取付け金具2に近接する方向であるバウンド方向の変位を規制する上部ストッパ金具4と、第1取付け金具1が第2取付け金具2から離間する方向であるリバウンド方向の変位を規制する下部ストッパ金具5と、これらを連結すると共にキャブ側の取付けボルトBが凸設される連結部材6とを主に備えている。
第2取付け金具2は、図1に示すように、防振基体3が加硫成形されると共に車体フレーム側に取り付けられる取付金具7と、その取付金具7に上方(図1上方)が取着されると共に防振基体3が加硫成形される筒状金具8とを備えている。
筒状金具8の下方(図1下方)には、底金具9が取着されており、この底金具9と防振基体3との間には、液封入室10が形成されている。なお、液封入室10には、シリコンオイルが封入されている。
上述のように構成された液封入式防振装置100は、第1取付け金具1の第2取付け金具2に対する変位を防振基体3の弾性変形にて吸収する。そして、第1取付け金具1が第2取付け金具2に対して変位すると、下部ストッパ金具5が液封入室10の内で変位する。これにより、液封入室10の内部に封入されたシリコンオイルが抵抗となって液封入式防振装置100が減衰力を発生させる。その結果、エンジンなどからの振動がキャブ側へ伝達されることを防止することができる。
図2は、上部ストッパ金具4及び連結部材6を示す図であり、図2(a)は、上部ストッパ金具4の上面図であり、図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb線における上部ストッパ金具4及び連結部材6の断面図である。
上部ストッパ金具4は、鉄鋼材料にて構成された平板から板厚寸法T1にプレス成形されており、図2(a)及び図2(b)に示すように、上部ストッパ基部4aと、一対の上部ストッパ接続部4bと、一対の上部ストッパ当接部4cとを備えている。
上部ストッパ基部4aは、上面視(図2(a)紙面垂直方向視)において矩形の平板形状に構成されその中央からボルトBが凸設されている。一対の上部ストッパ接続部4bは、上部ストッパ基部4aの両側端(図2(b)左右方向両側端)からそれぞれ下方(図2(b)下方)に延設されている。
一対の上部ストッパ当接部4cは、第2取付け金具2(図1参照)に当接して第1取付け金具1(図1参照)が第2取付け金具2に近接する方向であるバウンド方向(図2(b)下方向)への変位を規制する部位であり、図2(a)及び図2(b)に示すように、一対の上部ストッパ接続部4bの下端(図2(b)下端)から外側方向(図2(b)左右方向)に向かってそれぞれ延設されると共に上面視(図2(a)紙面垂直方向視)円弧形状に切り欠かれた上部ストッパ切り欠き部4c−1を備えている。
その上部ストッパ切り欠き部4c−1によって切り欠かれた空間を利用して、後述する取付金具7の取付孔7c−1(図4参照)に第2取付け金具2(図1参照)を車体フレームに固定するボルト(図示せず)が挿通される。
また、上部ストッパ当接部4cは、第2取付け金具2(図1参照)に当接されるので、その当接される面積が広いほど上部ストッパ当接部4cに作用する力が分散されて、上部ストッパ金具4の耐久性を向上させることができる。
そこで、一対の上部ストッパ当接部4cを軸心Oに対して外側(図2(a)左右方向外側)に向けて延設すると、その方向には、後述する第2取付け金具2の取付フランジ部7cが延設されており、上部ストッパ当接部4cと取付フランジ部7cとが軸心O方向視(図2(a)紙面垂直方向視)において重なり合う面積が増加する。よって、上部ストッパ当接部4cが第2取付け金具2に当接される面積を確保することができる。
しかしながら、後述する一対の取付孔7c−1(図4参照)を結ぶ方向(図4左右方向および図2(a)左右方向)には、取付孔7c−1に挿通されたボルト(図示せず)が配設されており、上部ストッパ当接部4cがその方向に延設されると取付孔7c−1の開口方向(図2紙面垂直方向)に上部ストッパ当接部4cが配設される。そのため、取付孔7c−1(図4参照)へのボルトの挿通が困難となり、液封入式防振装置100の車体フレーム側への取付けが困難となる。
ここで、第1実施の形態では、上部ストッパ当接部4cが上部ストッパ切り欠き部4c−1を備えているので、後述する取付孔7c−1へのボルト(図示せず)の挿通に影響することがない。よって、上部ストッパ切り欠き部4c−1の両側(図2(a)上下両側)の部位を軸心Oから外側(図2左右方向外側)に向かって延設することができる。そのため、上部ストッパ当接部4cの面積を広く確保して上部ストッパ金具4の耐久性を向上させると共に液封入式防振装置100の車体フレーム側への組み付け性を確保することができる。
また、連結部材6は、図2(b)に示すように、鉄鋼材料にて外径D1の略円柱状に形成され上部ストッパ基部4aの矩形の中央から下方(図2(b)下方)に向けて凸設されており、その連結部材6の下面6bからは、外径D2のおねじ6aが凸設されている。
そのおねじ6aに下部ストッパ金具5(図1参照)が挿通されナットN(図1参照)をおねじ6aに螺合させることで下部ストッパ金具5が下面6bとナットNとに狭持されて下部ストッパ金具5が連結部材6に締結される。
図3は、下部ストッパ金具5を示す図であり、図3(a)は、下部ストッパ金具5の上面図であり、図3(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線における下部ストッパ金具5の断面図である。
下部ストッパ金具5は、後述する液封入室10(図1参照)の内部を移動することで、減衰力を発生させる部材であり、図3(a)及び図3(b)に示すように、鉄鋼材料にて構成された平板から板厚寸法T2にプレス成形されており、下部ストッパ基部5aと、下部ストッパ接続部5bと、下部ストッパ当接部5cとを備えている。
下部ストッパ基部5aは、図3(a)に示すように、上面視(図3(a)紙面垂直方向視)において円形に構成されその中央におねじ6a(図2(b)参照)が挿通される内径D3の貫通孔を備えている。下部ストッパ接続部5bは、図3(b)に示すように、下部ストッパ基部5aの外縁から下方外側(図3(b)下方外側)に向けて立設され下広がりの円筒形状に構成されている。
下部ストッパ当接部5cは、後述する筒状金具8の筒状当接部8b(図1参照)に防振基体3(図1参照)を介して当接されることでストッパ作用を発揮する部位であり、図3(b)に示すように、下部ストッパ接続部5bの下端(図3(b)下端)から軸心Oを中心とする径方向外側(図3(b)左右方向外側)に向けて延設されている。また、下部ストッパ当接部5cの外形は、上面視(図3(a)紙面垂直方向視)において外径D4のリング形状に構成されている。
図4は、取付金具7の上面図である。また、図5は、取付金具7の断面を示す図であり、図5(a)は、図4のVa−Va線における取付金具7の断面図であり、図5(b)は、図4のVb−Vb線における取付金具7の断面図である。
取付金具7は、図5(a)及び図5(b)に示すように、鉄鋼材料にて構成された平板から板厚寸法T3にプレス成形されており、取付かしめ部7aと、取付接続部7bと、取付フランジ部7cとを備えている。
取付かしめ部7aは、図4に示すように、上面視(図4紙面垂直方向視)において内径D5のリング形状に構成されている。その取付かしめ部7aの下側の面である下面7a−1及び上側の面である上面7a−2は、図5(a)及び図5(b)に示すように、平坦に形成されており、取付かしめ部7aの内側の面である内側面7a−3は、軸心Oを含む断面において直線となる曲面に形成されている。
取付接続部7bは、図5(a)及び図5(b)に示すように、取付かしめ部7aの外縁から上方外側(図5(a)上方外側)に向けて立設され上広がりの円筒形状に構成されている。
また、取付金具7は、プレス機(図示せず)で上方(図5(a)及び図5(b)上方)から打ち抜かれて成形されているので、取付かしめ部7aの内縁の上部(図5(a)及び図5(b)上部)が丸みを帯びた形状に成形されている(図11参照)。
取付フランジ部7cは、取付接続部7bの上端(図5(a)及び図5(b)上端)から軸心Oを中心とする径方向外側(図5(a)及び図5(b)左右方向外側)に延設されると共に両端(図5(a)及び図5(b)両端)にそれぞれ1個ずつの取付孔7c−1を備えている。
それら一対の取付孔7c−1は、図4に示すように、取付フランジ部7cの180度対向する位置に貫通形成されている。その取付孔7c−1にボルト(図示せず)が挿通されて締結されることで液封入式防振装置100が車体フレーム側に取り付られる。
図6は、筒状金具8の上面図である。図7は、筒状金具8の断面を示す図であり、図7(a)は、図6のVIIa−VIIa線における筒状金具8の断面図であり、図7(b)は、図6のVIIb−VIIb線における筒状金具8の断面図である。また、図8は、図6のVIII−VIII線における筒状金具8の断面図である。
筒状金具8は、図7(a)及び図7(b)に示すように、鉄鋼材料にて構成された平板から板厚寸法T4にプレス成形されており、筒状かしめ部8aと、筒状当接部8bと、筒状部8cと、筒状下かしめ部8dと、筒状拡径部8eとを備えている。
筒状かしめ部8aは、取付金具7の取付かしめ部7a(図5(a)及び図5(b)参照)をかしめるための部位であり、図6、図7(a)及び図7(b)に示すように、上面視(図6紙面垂直方向視)において内径D6及び外径D7で高さH1の円筒形状に構成されている。その筒状かしめ部8aの外側の面である上部外側面8a−1及び下部外側面8a−2は、軸心Oを含む断面において直線となる曲面に形成されている。
なお、下部外側面8a−2は、後述する上面8b−1から筒状かしめ部8aの凸設方向(図7(a)及び図7(b)上方向)に取付金具7の板厚寸法T3と同じ高さ寸法値の高さH4の領域の面であり、上部外側面8a−1は、下部外側面8a−2から筒状かしめ部8aの凸設方向(図7(a)及び図7(b)上方向)に連成される残りの面である。
その筒状かしめ部8aの外径D7は、取付かしめ部7a(図5(a)及び図5(b)参照)の内径D5より大きい寸法値に設定されおり(D7>D5)、筒状かしめ部8aの高さH1は、前述した取付金具7の板厚寸法T3(図5(a)及び図5(b)参照)と取付かしめ部7aの内径D5とを加算して筒状かしめ部8aの外径D7を減算した値より大きな寸法値に設定されている(H1>T3+D5−D7)。また、筒状かしめ部8aの板厚寸法T4は、前述した取付金具7の板厚寸法T3(図5(a)及び図5(b)参照)より小さな寸法値に設定されている(T4<T3)。
筒状当接部8bは、取付金具7の取付かしめ部7a(図5(a)及び図5(b)参照)をかしめるための部位であり、図6に示すように、上面視(図6紙面垂直方向視)において内径D6及び外径D8のリング形状に構成されその内縁が筒状かしめ部8aの下端(図7(a)及び図7(b)下端)に接続されている。また、筒状当接部8bの内径D6は、下部ストッパ当接部5cの外径D4(図3(a)及び図3(b)参照)より小さい寸法値に設定されている(D6<D4)。
上述のように、筒状かしめ部8aの外径D7は、取付金具7の取付かしめ部7aの内径D5(図5(a)及び図5(b)参照)より大きい寸法値に設定されているので(D7>D5)、筒状かしめ部8aを取付かしめ部7a(図5(a)及び図5(b)参照)に内嵌させることができる。
また、筒状当接部8bの内縁が筒状かしめ部8aの下端(図7(a)及び図7(b)下端)に接続されているので、筒状かしめ部8aが取付かしめ部7aに内嵌されると取付かしめ部7a(図5(a)及び図5(b)参照)の下面7a−1(図5(a)及び図5(b)下面)が筒状当接部8bの上面8b−1(図7(a)及び図7(b)上面)に当接される(図11参照)。
そして、筒状かしめ部8aの高さH1は、前述した取付金具7の板厚寸法T3(図5(a)及び図5(b)参照)と取付かしめ部7aの内径D5とを加算して筒状かしめ部8aの外径D7を減算した値より大きな寸法値に設定されているので(H1>T3+D5−D7)、筒状かしめ部8aが取付かしめ部7aに内嵌されてその取付かしめ部7aの下面7a−1(図5(a)及び図5(b)参照)が筒状当接部8bの上面8b−1に当接された状態において、筒状かしめ部8aを取付かしめ部7a側(図7外側)に折り返すことで、筒状かしめ部8aの外周面を取付かしめ部7aの上面7a−2(図5(a)及び図5(b)参照)に当接させことができる(図11参照)。
よって、筒状かしめ部8aの上部外側面8a−1は、取付かしめ部7aの上面7a−2(図5(a)及び図5(b)参照)を押さえ込むことができる。そのため、筒状かしめ部8aの上部外側面8a−1が取付かしめ部7aの上面7a−2に当接し筒状当接部8bの上面8b−1が取付かしめ部7aの下面7a−1に当接して、取付かしめ部7aをかしめ固定することができる。その結果、筒状金具8と取付金具7とを一体とすることができる(図11参照)。
また、筒状金具8の板厚寸法T4を取付金具7の板厚寸法T3より小さな寸法値としたので(T4<T3)、筒状かしめ部8aの強度を取付かしめ部7aの強度より低くすることができる。よって、取付かしめ部7a(図5(a)及び図5(b)参照)を筒状かしめ部8aにてかしめる場合に、筒状かしめ部8aを取付かしめ部7aに対して変形しやすくすることができる。
そのため、取付かしめ部7a(図5(a)及び図5(b)参照)の形状に習って筒状かしめ部8aを変形させることができるので、取付かしめ部7aの形状が維持され液封入式防振装置100の製品形状を狙った形状とすることができる(図11参照)。
また、筒状金具8の板厚寸法T4が取付金具7の板厚寸法T3より小さな寸法値に設定されているので、取付金具7を筒状金具8でかしめるために必要なプレス力を大きくすること無く、張り出し部位(取付かしめ部7a、筒状かしめ部8aおよび筒状当接部8b)の強度を向上させることができる。
即ち、取付金具7の板厚寸法T3のみを増加させることで、張り出し部位(取付かしめ部7a、筒状かしめ部8aおよび筒状当接部8b)の強度を向上させることができる。よって、筒状金具8の板厚寸法T4を増加させる必要がないので、取付金具7を筒状金具8でかしめるプレス機を大きなプレス力を発生させることができる大型のものに変えることなく、大変位時のストッパ作用を得るために必要な強度を容易に確保することができる。
また、筒状金具8の板厚寸法T4は、前述した取付金具7の板厚寸法T3(図5(a)及び図5(b)参照)より小さな寸法値に設定されており(T4<T3)、取付かしめ部7aの内縁の上部(図11参照)が丸みを帯びた形状に成形されているので、筒状かしめ部8aで取付かしめ部7aをかしめる場合に、筒状かしめ部8aが取付かしめ部7aの内縁の上部(図5上部)形状に習って丸みの帯びた形状に成形することができる。
よって、筒状かしめ部8aの成形部位が鋭い形状に成形されることを防止して、筒状かしめ部8aに高い応力が発生することを防いで、筒状かしめ部8aの耐久性を向上させることができる。その結果、液封入式防振装置100の耐久性を向上させることができる。
また、筒状当接部8bの内径D6は、下部ストッパ当接部5cの外径D4(図3(a)及び図3(b)参照)より小さい寸法値に設定されているので(D6<D4)、筒状当接部8bの下面(図7(a)及び図7(b)下面)には、前述した下部ストッパ当接部5cが防振基体3を介して当接される(図1参照)。よって、大変位時のストッパ作用を得ることができる。
また、取付かしめ部7aをかしめた状態における筒状かしめ部8aの内径D61(図11参照)は、下部ストッパ当接部5cの外径D4(図3(a)及び図3(b)参照)より小さい寸法値に設定されているので(D61<D4)、下部ストッパ当接部5cが取付かしめ部7aをかしめた筒状かしめ部8aによって係止される。よって、大変位時のストッパ作用を得ることができる。
このように、取付かしめ部7aに筒状かしめ部8aを内嵌させてかしめる構成としたので、第2取付け金具2の内側には、かしめるために内側に張り出された張り出し部位(取付かしめ部7a、筒状かしめ部8aおよび筒状当接部8b)が形成される。よって、その張り出し部に下部ストッパ金具5の下部ストッパ当接部5cが防振基体3を介して当接されるのでストッパ作用を発揮させることができる(図1参照)。
上述のように、取付金具7を筒状金具8でかしめることで形成された張り出し部位(取付かしめ部7a、筒状かしめ部8aおよび筒状当接部8b)がストッパ作用を発揮するので、別途、ストッパ作用を発揮する部位を形成することを省略することができる。よって、液封入式防振装置100を組み立てる手間を省いて、液封入式防振装置100の製品コストを削減することができる。
また、筒状当接部8bの上面は、図8に示すように、プレス油(プレス成形を円滑に行うためにプレス型とプレス部品との間に介在する潤滑油)を排出するために凹凸形状に形成されており、複数(本実施の形態では36個)の溝部8fを備えている。
溝部8fは、筒状当接部8bの上面8b−1に筒状当接部8bの円周方向に沿って等間隔に凹設される深さH2の断面矩形の溝であり、筒状金具8のプレス成型時に同時にプレス成型形成される。よって、溝部8fの加工の手間を省くことができるので、液封入式防振装置100の製品コストを削減することができる。
また、取付かしめ部7aが筒状かしめ部8aにかしめられると、筒状当接部8bの上面8b−1には、前述した取付かしめ部7aの下面7a−1が当接される(図11参照)。そのため、取付かしめ部7aの下面7a−1と溝部8fの底面8f−1との間には、深さH2の隙間が形成される(図11参照)。この隙間は、プレス油を排出するためのものであり、詳細については、図11を参照して後述する。
また、図8に示すように、溝部8fの円周方向(図8左右方向)の幅W2は、隣り合う溝部8fとの円周方向(図8左右方向)の間隔W1より大きな寸法値とされている(W2>W1)。よって、プレス油の排出を効率的に行うことができる。なお、溝部8fは、径方向外側(図6軸心Oを中心とする円の径方向外側)に向かって幅が広がる形状に構成されているが、溝部8fが凹設される範囲内であって径方向のすべての位置で幅W2と間隔W1との大小関係が確保されるように形成されている。
また、図6に示すように、溝部8fは、軸心Oを中心とする径方向外側に向かうほど幅広な形状とされている。後述するが、液封入式防振装置100の組み立てにおいて、取付かしめ部7aを筒状かしめ部8aでかしめた後にサンドブラストによる脱脂工程がある。その工程において、サンドブラストに使用される砂が溝部8fに入り込むが、溝部8fを径方向外側に向かうほど幅広な形状とすることで砂の排出も確実に行うことができる。よって、溝部8fへの砂の残留を防止して、プレス油の排出を確実におこなうことができる。
また、隣接する溝部8f内の一方の縁が他方の縁に対して平行に形成されており、溝部8fは、筒状金具8のプレス成型時に同時にプレス成型される。ここで、プレス型は、溝部8fの形状を転写するので、溝部8fを形成する部分が突出して形成されている。
その突出部を形成するには、突出部となる部位の間を削り取る必要がある。ここで、隣接する溝部8fの縁が平行に形成に形成されていると一定幅の溝を加工すれば突出部を形成することができる。
例えば、その澪の幅と同じ直径のエンドミルを使用すれば、溝の両側を一度に加工することができる。よって、プレス型を製作する手間を省いて、液封入式防振装置100の製品コストを削減することができる。
また、上述したように、溝部8fの円周方向(図8左右方向)の幅W2を隣り合う溝部8fとの円周方向(図8左右方向)の間隔W1より大きな寸法値に設定すると、筒状当接部8bの強度が低下するという不具合が発生する。
それに対し第1実施の形態では、溝部8fの深さH2を筒状当接部8bの板厚寸法T4の1/3倍に設定している。そのため、筒状当接部8bの強度低下を防止すると共にプレス油の排出効率を確保することができる。なお、溝部8fの深さH2は、筒状当接部8bの板厚寸法T4の1/2倍から1/4倍に設定するのが好ましい。
筒状部8cは、図7(a)及び図7(b)に示すように、筒状当接部8bの外縁から下方(図7(a)及び図7(b)下方)に向けて立設される内径D9の円筒形状に構成されている。その筒状部8cの内径D9は、下部ストッパ当接部5cの外径D4(図3(a)及び図3(b)参照)に筒状部8cの内周面に加硫成形される防振基体3の厚みの2倍を加算した寸法値より大きな寸法値に設定されている。よって、下部ストッパ金具5の外径D4(図3参照)と筒状部8cの内周面に加硫成形される防振基体3との間に隙間が形成される(図1参照)。
筒状下かしめ部8dは、図6、図7(a)及び図7(b)に示すように、上面視(図6紙面垂直方向視)においてリング形状に構成されその内縁が筒状部8cの下端(図7(a)及び図7(b)下端)に接続されている。筒状拡径部8eは、筒状下かしめ部8dの外縁から下方(図7(a)及び図7(b)下方)に向けて立設される円筒形状に構成されており、底金具9がかしめ固定されている。
図9は、底金具9を示す図であり、図9(a)は底金具9の上面図であり、図9(b)は、図9(a)のIXb−IXb線における底金具9の断面図である。
底金具9は、図9(a)及び図9(b)に示すように、鉄鋼材料にて構成された平板からプレス成形されており上面視(図9(a)紙面垂直方向視)において円形の平板形状に形成されている。また、底金具9は、防振基体3が加硫成形された筒状金具8の下端側の筒状拡径部8eに取着されている(図1参照)。そのため、底金具9の上面側と防振基体3の下面側との間には、液封入室10が形成される。その液封入室10にはシリコンオイルが封入されている。
ここで、下部ストッパ金具5(図1参照)は、後述する液封入室10内を移動するので、上述した隙間を液封入室10の内部を満たすシリコンオイルが流動して、液封入式防振装置100が減衰効果を発揮することができる。
次いで、上述のように構成された液封入式防振装置100の組み立て方法について、図4から図7、図10及び図11を参照して説明する。図10(a)は、防振基体3を加硫成形する加硫金型内へ配設される加硫前の液封入式防振装置(加硫後に液封入式防振装置100に組み上げられるもの)の断面図であり、図10(b)は、加硫後の液封入式防振装置(液封入式防振装置100に組み上げられるもの)の断面図である。また、図11は、図10のXIで示した部分を拡大した取付金具7の部分拡大断面図である。なお、図11に示す破線の矢印は、プレス油の流れの概略を示している。
液封入式防振装置100の組み立ては、まず、図4及び図5に示す取付金具7の取付かしめ部7aに、図6及び図7に示すかしめ前の筒状金具8の筒状かしめ部8aを嵌合させて、筒状かしめ部8aを取付かしめ部7a側へ折り曲げて筒状金具8により取付金具7をかしめ固定する。
次いで、取付金具7及び筒状金具8にゴム状弾性体を加硫接着するための下地を整えるために、かしめられた取付金具7と筒状金具8との内側面に砂粒を衝突させるサンドブラスト加工を施す。そのサンドブラスト加工によって取付金具7及び筒状金具8の内周面が薄く削られる。よって、内周面の表面に付いたプレス油が取り除かれると共に砂粒で表面を削るため内周面の表面積が大きくなり加硫接着における接着剤の接着力を向上させることができる。
例えば、プレス成型された取付金具7及び筒状金具8を別体とした状態でサンドブラスト工程にて脱脂した場合には、2個の部品を脱脂するために工程が増加するという不具合と、脱脂した後にかしめるためかしめの型に付着した油が筒状金具8の内周面に付着するという不具合がある。
ここで、第1実施の形態では、取付金具7と筒状金具8とをかしめた後に取付金具7と筒状金具8とを脱脂しているので、筒状金具8の内周面に油が付着することを防止して、加硫接着における接着剤の接着力を向上させることができる。そして、サンドブラスト加工が施された取付金具7及び筒状金具8の内周面の接着剤が塗布される。
ここで、その接着剤が塗布された取付金具7及び筒状金具8と、下部ストッパ金具5及び第1取付け金具1とを加硫金型(図示せず)内に配置して加熱すると共に、この加硫金型内へゴム状弾性体を注入し、上部ストッパ金具4の下面(図10下面)の一部および連結部材6の外周面と、取付金具7の内周面および筒状金具8の内周面との間に防振基体3を加硫接着する。
これにより、図10(b)に示す底金具9が取り付られる前の加硫成形体(液封入式防振装置100)が得られる。そして、これらを加硫金型(図示せず)から取り出して、下部ストッパ金具5をおねじ6aに挿入してナットNで締結してから底金具9を筒状拡径部8eの内周に配置する。そして、底金具9を配置した後、筒状金具8の筒状拡径部8eをかしめることで、液封入式防振装置100の組み立てが完了する。
ここで、加硫成形では、ゴム状弾性体を加硫するために熱を付与するので、その熱でプレス油(プレス成形を円滑に行うためにプレス型とプレス部品との間に介在する潤滑油)が加熱されて粘性が低くなる。そのため、取付金具7の表面と筒状金具8の表面とからその表面に付着していたプレス油が流れ出す。
この場合、流れ出したプレス油が取付金具7の内周面および筒状金具8の内周面まで流れ込むと、塗布されている接着剤の表面に流れ込むため、接着剤の接着力が悪化するという不具合がある。
ここで、第1実施の形態では、図11に示すように、溝部8fが配設されることで、深さH2の隙間が形成されており、その隙間が外部に連通されているので、その隙間を利用して取付金具7の内周面および筒状金具8の内周面から流れ出したプレス油を外部に排出することができる。よって、流れ出したプレス油が取付金具7の内周面および筒状金具8の内周面に付着することを防止して、加硫接着における接着剤の接着力を向上させることができる。
また、図11に示すように、取付かしめ部7aが筒状かしめ部8aによってかしめられることで、筒状かしめ部8aの上部外側面8a−1が取付かしめ部7aの上面7a−2に押圧される。その取付かしめ部7aの上面7a−2は、プレス成型により平坦に形成されており、筒状かしめ部8aの上部外側面8a−1は、かしめの力で取付かしめ部7aの上面7a−2に押し付けられ取付かしめ部7aの上面7a−2の面形状にならって変形される。そのため、筒状かしめ部8aの上部外側面8a−1と取付かしめ部7aの上面7a−2との隙間を小さくしてプレス油が漏れ出さないようにシールすることができる。
また、取付かしめ部7aの内径D5は、筒状かしめ部8aの外径D7より大きく設定されているので(D5>D7)、図11に示すように、軸心Oを合わせた状態で筒状かしめ部8aに取付かしめ部7aを挿入してかしめると、筒状かしめ部8aの下部外側面8a−2と取付かしめ部7aの内側面7a−3との間には、隙間S1が形成される。
例えば、筒状かしめ部8aの外径D7と取付かしめ部7aの内径D5とがほぼ同じ大きさで、筒状かしめ部8aの下部外側面8a−2と取付かしめ部7aの内側面7a−3とが部分的に接触する場合には、取付かしめ部7aの上面7a−2より筒状当接部8b側(図11下側)がシールされた状態となり、プレス油の排出が困難となるという不具合が発生する。
また、そのシールされた部分のシール性が取付かしめ部7aの上面7a−2と筒状かしめ部8aの上部外側面8a−1とのシール性より高い場合には、プレス油が取付かしめ部7aの上面7a−2と筒状かしめ部8aの上部外側面8a−1との間から漏れ出し、取付金具7と筒状金具8との内周面に塗布された接着剤上に流れ出する。そのため、接着剤の接着力が低下するという不具合が発生する。
これに対し、第1実施の形態では、筒状かしめ部8aの下部外側面8a−2と取付かしめ部7aの内側面7a−3との間に隙間S1が形成されるので、プレス油がその隙間S1を通って溝部8fから排出される。その結果、取付金具7と筒状金具8との内周面へのプレス油の流入を防止するとともに溝部8fから効率よくプレス油を排出することができる。
また、溝部8fは、筒状かしめ部8aの下部外側面8a−2から所定の間隔離れた位置から形成され、溝部8fの軸心O側の端部を結んだ円の直径は、取付かしめ部7aの内径D5より小さく設定されている。
よって、軸心Oを合わせた状態で筒状かしめ部8aに取付かしめ部7aを挿入してかしめると、溝部8fを隙間S1と連通させることができる。
また、筒状金具8はプレス成型品であるため、プレス機がプレスする側の面と反対側の面は、バリが出るなどして精度良く加工することができない。そのため、プレス成型したままの筒状金具8を取付金具7に組み付けると溝部8fと隙間S1とのつながりを部分的に塞ぐか場合によってはすべて塞いでしまうことがある。
その場合、溝部8fにプレス油が排出されずそのプレス油が取付かしめ部7aの上面7a−2と筒状かしめ部8aの上部外側面8a−1との間から漏れ出し、取付金具7と筒状金具8との内周面に塗布された接着剤上に流れ出して、接着剤の接着力が低下するという不具合が発生する。
これに対し、第1実施の形態では、取付金具7の取付かしめ部7aの内縁側の下端を、軸心Oに対して所定の角度を有すると共に軸心Oを含む断面において直線的に削り取っている。そのため、取付かしめ部7aの内縁側には筒状当接部8bの上面8b−1に対して隙間S2が形成される。
よって、隙間S1と溝部8fとの間に隙間S2が介在することで、溝部8fと隙間S1とのつながりが確保される。
よって、プレス油がその隙間S1を通って溝部8fから排出される。その結果、取付金具7と筒状金具8との内周面へのプレス油の流入を防止するとともに溝部8fから効率よくプレス油を排出することができる。
例えば、取付金具7と筒状金具8とを溶接にて接続する場合には、取付金具7と筒状金具8とが溶接の熱で変形するという不具合がある。これに対し、第1実施の形態では、取付金具7を筒状金具8でかしめることで取付金具7と筒状金具8とを接続しているので、取付金具7と筒状金具8との熱による変形を防ぐことができる。
また、同様に、取付金具7と筒状金具8とを溶接にて接続する場合には、溶接により取付金具7と筒状金具8との温度が上昇しているが、その温度が高いほど室温による温度低下の度合いが大きく取付金具7と筒状金具8との温度が安定しない。よって、加硫成形する条件が不安定となり、接着材の接着力が不均一となる。
そのため、取付金具7と筒状金具8とを所定時間冷却するなど、取付金具7と筒状金具8との温度を安定させる工程が必要となり、液封入式防振装置100の組み立てに手間が掛かり、液封入式防振装置100の製品コストが嵩むという不具合がある。
これに対し、第1実施の形態では、取付金具7を筒状金具8でかしめることで、取付金具7と筒状金具8とを接続しているので、取付金具7と筒状金具8とに熱が付与されることを防止することができる。そのため、取付金具7と筒状金具8との温度を安定させる工程を不要とすることができる。よって、組み立て時間を短縮して液封入式防振装置100の製品コストを削減することができる。
次いで、図12から図14を参照して、第2実施の形態について説明する。図12は、第2実施の形態における取付金具207の上面図である。また、図13は、取付金具207の断面を示す図であり、図13(a)は、図12のXIIIa−XIIIa線における取付金具207の断面図であり、図13(b)は、図12のXIIIb−XIIIb線における取付金具207の断面図である。また、図14は、図12のXIV−XIV線における取付金具207の断面図である。
第1実施の形態では、筒状金具8の筒状当接部8bの上面(図8上面)に溝部8fが凹設されているが、第2実施の形態では、筒状金具8に凹設される溝部8fが省略され、取付金具207の取付かしめ部207aの下面(図13下面)に溝部207fが凹設されている。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
第2実施の形態における溝部207fは、図12、図13(a)及び図13(b)に示すように、取付かしめ部207aの下面(図13(a)及び図13(b)下面)に凹設される深さH2の溝であり、取付かしめ部207aの円周方向全周に等間隔に配設されている。
よって、筒状かしめ部8a(図7参照)を取付かしめ部207aに内嵌させると、下面207a−1には、筒状当接部8bの上面8b−1(図11参照)が当接される。そのため、筒状かしめ部8aの上面8b−1と取付かしめ部207aに凹設される溝部207fの底面との間には、深さH2の隙間が形成される。
また、図14に示すように、溝部207fの円周方向(図14左右方向)の幅W202は、隣り合う溝部207fとの円周方向(図8左右方向)の間隔W201より大きな寸法値とされている(W202>W201)。なお、溝部207fは、径方向外側(図12軸心Oを中心とする円の径方向外側)に向かって幅が広がる形状に構成されているが、溝部207fが凹設される範囲内であって径方向のすべての位置で幅W202と間隔W201との大小関係が確保されるように形成されている。
上述のように、第2実施の形態では、第1実施の形態と同様に、深さH2の隙間が形成されており、その隙間が外部に連通されているので、その隙間を利用して取付金具7の内周面および筒状金具8の内周面から流れ出したプレス油を外部に排出することができる。よって、流れ出したプレス油が取付金具7の内周面および筒状金具8の内周面に付着することを防止して、加硫接着における接着剤の接着力を向上させることができる。
次いで、図15を参照して、第3実施の形態について説明する。図15は、第3実施の形態における筒状金具308の断面図であり、図8の筒状金具8の断面図に対応する。
第1実施および第2実施の形態では、溝部8fの円周方向(図8左右方向)の幅W2は、隣り合う溝部8fとの円周方向(図8左右方向)の間隔W1より大きな寸法値とされているが(W2>W1)、第3実施の形態では、筒状金具308の溝部308fの円周方向(図15左右方向)の幅W302が隣り合う溝部308fとの円周方向(図8左右方向)の間隔W301より小さい寸法値に設定されている(W302<W301)。なお、上記した第1実施および第2実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
第3実施の形態における筒状金具308の溝部308fの円周方向(図15左右方向)の幅W302は、図15に示すように、隣り合う溝部308fとの円周方向(図8左右方向)の間隔W301より小さい寸法値に設定されている(W302<W301)。なお、溝部308fは、径方向外側(図15紙面垂直方向奥側)に向かって幅が広がる形状に構成されているが、溝部308fが凹設される範囲内であって径方向のすべての位置で幅W302と間隔W301との大小関係が確保されるように形成されている。
よって、筒状当接部308bの上面の面積を広く確保することができるので、その分、取付金具7の取付かしめ部7a(図4参照)を筒状金具308にて確実にかしめて固定することができる。また、面積を広く確保した分、筒状当接部308bにかしめの力が作用しても筒状当接部308bの上面に作用する圧力を低く抑えて筒状当接部308bの形状を保持することができる。
次いで、図16を参照して、第4実施の形態について説明する。図16は、第4実施の形態における筒状金具408の断面図であり、図8の筒状金具8の断面図に対応する。
第1実施および第2実施の形態では、溝部8fは、断面矩形の溝として構成されているが、第4実施の形態では、筒状金具408の溝部408fが断面三角形状の溝として構成されている。なお、上記した第1実施および第2実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
第4実施の形態における筒状金具408の溝部408fは、図16に示すように、断面三角形状の溝として構成されている。そのため、三角形状の上側(図16上側)の頂点が取付かしめ部7aの下面7a−1(図4参照)に当接されるので、筒状金具408にてかしめて固定された場合には、取付金具7の取付かしめ部7aへの接触圧力を高くして、取付金具7が筒状金具408に対して円周方向(図16左右方向)に滑ることを防止することができる。よって、取付金具7の取付かしめ部7aを筒状金具408にて確実にかしめて固定することができる。その結果、液封入式防振装置100を確実に組み立てることができる。
次いで、図17から図21を参照して、第5実施の形態について説明する。図17は、第5実施の形態における液封入式防振装置500の断面図であり、図1の液封入式防振装置100の断面図に対応する。
なお、図17に示す矢印Xは、液封入式防振装置500の水平方向を示すと共に、矢印Yは、液封入式防振装置500の垂直方向を示しており、これら矢印X及び矢印Yは、自動車(車両)における左右方向および上下方向にそれぞれ対応する。また、理解を容易とするために、図17に示すナットNとおねじ506aとは、側面を示している。
図18は、第5実施の形態における中間板511を示す図であり、図18(a)は、中間板511の上面図であり、図18(b)は、図18(a)のXVIIIb−XVIIIb線における中間板511の断面図である。
上記各実施の形態では、鉄鋼材料から平板状に構成された底金具9によって液封入室10を密閉する場合を説明したが、第5実施の形態では、底金具509がゴム膜509cを備えると共に、そのゴム膜509cが第1取付け金具501の変位に連動して変位するように構成されている。なお、上記各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
第5実施の形態では、液封入式防振装置500は、第1取付け金具501と第2取付け金具502とを備えている。第1取付け金具501は、防振基体503と、連結部材506とを備えており、防振基体503は、図17及び図18に示すように、中間板511を備えている。
その中間板511は、鉄鋼材料にて構成され後述する連結部材基部506bと同一の軸心Oを有する円筒形状に形成されており、取付金具7の内側であって後述する連結部材506の外側に同芯状に配設されると共に防振基体503のゴム状弾性体中に埋設されている。
そのため、防振基体503が変形し難くなり、防振基体503の水平方向(左右方向、矢印X方向)のばね定数を高く設定することができる。その結果、振幅を抑えることができるので、キャブの余分な触れを防止することができる。なお、中間板511の下端(図17下端)は、防振基体503を加硫成形する時の固定部位として防振基体503から露出している。
連結部材506は、図17に示すように、おねじ506aと、連結部材基部506bと、連結部材延長部506cと、連結部材カラー506dとを有している。
連結部材延長部506cには、下部ストッパ金具5、連結部材カラー506d及び底金具509が外嵌されており、その連結部材基部506bの下端(図17下端)に形成されるおねじ506aにナットNが螺合されることで、下部ストッパ金具5、連結部材カラー506d及び底金具509が連結部材基部506bとナットNとの間に狭持される。そのため、第1取付け金具501と底金具509とを一体とすることができる。
液封入式防振装置500は、図17に示すように、底金具509を備える。底金具509は、防振基体3との間に液封入室510を形成するための部材であり、筒状金具8の下方(図17下方)に取着されている。なお、液封入室510には、シリコンオイルが封入されている。
底金具509は、内側リング509aと、外側リング509bと、ゴム膜509cとを備えている。内側リング509aは、第1取付け金具501に取着(連結)され、外側リング509bは、筒状金具8の筒状拡径部8eによってかしめられる。ゴム膜509cは、ゴム状弾性体から膜状に構成され、外側リング509bと内側リング509aとを連結する。
そのため、第1取付け金具501が変位すると内側リング509aが外側リング509bに対して変位し、それら内側リング509aと外側リング509bとを連結するゴム膜509cが変形される。
上述のように構成された液封入式防振装置500によれば、第1取付け金具501が第2取付け金具502に対して相対変位すると、下部ストッパ金具5が液封入室510の内で変位する。これにより、液封入室510の内部に封入されたシリコンオイルが抵抗となる(下部ストッパ金具5の外周側と筒状部8cとの間の隙間をシリコンオイルが流動する)ことで、減衰力を発生させる。その結果、エンジンなどからの振動がキャブへ伝達されることを防止することができる。
なお、後述するように、本実施の形態における液封入式防振装置500よれば、底金具509の内側リング509aを第1取付け具501に連結して、振動入力に伴って第1取付け具501が変位すると、第1取付け具501と同位相で底金具509の内側リング509aが変位するように構成されているので、液封入室510内の液圧の上昇をより確実に抑制して、左右方向のばね定数と上下方向のばね定数との比を大きくすると共に、動的ばね定数と静的ばね定数との比を小さくすることができる。
また、防振基体503は中間板511を備えているので、水平方向(左右方向、矢印X方向)のばね定数を垂直方向(上下方向、矢印Y方向)のばね定数と比して、より高い値に設定することができる。これにより、底金具509を第1取付け金具501に連結したことによる上述の効果と相まって、左右方向(矢印X方向)と上下方向(矢印Y方向)とのばね定数の比をより大きくすることができる。
よって、車両旋回時などにおけるキャブの水平方向への振れを防止しつつ、アイドリング時などにおける振動のキャブ側への伝達を低減することができる。
図19は、第1取付け金具501の断面図であり、図2(a)のIIb−IIb線における第1取付け金具1の断面図に対応する。また、理解を容易とするために、図19に示すナットNとおねじ506aとは、側面を示している。
また、図20は、連結部材カラー506dを示す図であり、図20(a)は、連結部材カラー506dの上面図であり、図20(b)は、図20(a)のXXb−XXb線における連結部材カラー506dの断面図である。
連結部材基部506bは、図17及び図19に示すように、軸心Oを有する円柱形状に構成され上部ストッパ基部4aの矩形の中央から下方(図17及び図19下方)に向けて凸設されている。また、連結部材基部506bの外径D10は、下部ストッパ金具5に形成された貫通孔の内径D3(図3参照)より大きく設定されている。
連結部材延長部506cは、図17及び図19に示すように、連結部材基部506bと同一の軸心Oを有する円柱形状に構成され連結部材基部506bの下面(図17及び図19下面)から凸設されている。また、連結部材延長部506cは、下部ストッパ金具5に形成された貫通孔の内径D3(図3参照)に対応した外径D11を有しており、その外径D11は、連結部材基部506bの外径D10より小さく設定されている。
おねじ506aは、連結部材延長部506cの下端(図17下端)に形成されるおねじである。連結部材カラー506dは、図17及び図20に示すように、円筒形状に構成され下部ストッパ金具5の貫通孔の内径D3(図3参照)と同一の大きさの内径D12を有している。
図21は、底金具509を示す図であり、図21(a)は、底金具509の上面図であり、図21(b)は、図21(a)のXXIb−XXIb線における底金具509の断面図であり、図21(c)は、図21(a)のXXIc−XXIc線における底金具509の断面図である。
底金具509は、図21(a)から図21(c)に示すように、内側リング509aと、外側リング509bと、ゴム膜509cとを備えている。
図21(a)から図21(c)に示すように、内側リング509aは、鉄鋼材料にて構成され軸心Oを有する円環形状に形成されると共に下部ストッパ金具5の貫通孔の内径D3(図3参照)と同一の大きさの内径D13を有している。
図17に示すように、下部ストッパ金具5、連結部材カラー506d、底金具509は、連結部材基部506bからおねじ506a向かって、下部ストッパ金具5、連結部材カラー506d、底金具509の順で連結部材延長部506cに外嵌されており、連結部材基部506bの下面(図17下面)に下部ストッパ金具5の上面(図17上面)が当接され、その下部ストッパ金具5の下面(図17下面)に連結部材カラー506dの上面(図17上面)が当接され、連結部材カラー506dの下面(図17下面)に底金具509の上面(図17上面)が当接される。
そして、ナットNをおねじ506aに螺号させることで、下部ストッパ金具5と連結部材カラー506dと内側リング509aとを連結部材基部506bとナットNとで締め上げることができる。その結果、底金具509と第1取付け金具501とを一体とすることができる。
外側リング509bは、図21(a)から図21(c)に示すように、鉄鋼材料にて構成され軸心Oを有する円環形状に形成されると共に内側リング509aの外径より大きな内径を有している。また、外側リング509bは、図17に示すように、防振基体3が加硫成形された筒状金具8の下端側の筒状拡径部8eに取着されている。そのため、底金具509の上面側と防振基体503の下面側との間には、液封入室510が形成される。その液封入室510にはシリコンオイルが封入されている。
ゴム膜509cは、図21(a)から図21(c)に示すように、内側リング509aの外縁と外側リング509bの内縁とに加硫接着されゴム状弾性体にて構成される円環形状の膜である。そのため、第1取付け金具501が第2取付け金具502に対して変位すると内側リング509aが変位してゴム膜509cが変形される。なお、ゴム膜509cの変形とばね定数との関係については、図22を参照して後述する。
また、図21(a)から図21(c)に示すように、ゴム膜509cの上面(図21(b)上面)および下面(図21(b)下面)には、リブ509dが放射状に突設されている。よって、微振幅入力時の動ばね定数の増大を抑制すると共にゴム膜509cの膜剛性を確保して、ゴム膜509cの耐久性の向上を図ることができる。
次いで、図22を参照して、ゴム膜509cの変形と、液封入式防振装置500におけるばね定数との関係について説明する。図22は、振動入力により第1取付け金具501が第2取付け金具502側へ相対変位した状態を示した液封入式防振装置500の断面図である。また、図22に示す矢印Xは、液封入式防振装置500の水平方向を示すと共に、矢印Yは、液封入式防振装置500の垂直方向を示しており、これら矢印X及び矢印Yは、自動車(車両)における左右方向および上下方向にそれぞれ対応する。
例えば、図22に示すように、第1取付け金具501が第2取付け金具502に対して近接する方向(バウンド方向、図22下方向)に変位すると、底金具509のゴム膜509c自体が弾性変形することで、液圧を吸収して、液封入室510内の液圧が増加することを抑制することができる。リバウンド方向への変位においても、同様に、ゴム膜509c自体の弾性変形により、液圧を吸収して、液圧の増加を抑制することができる。
これにより、垂直方向(上下方向、矢印Y方向)のばね定数が液圧の影響により増加することを抑制することができるので、その分、水平方向(左右方向、矢印X方向)と上下方向とのばね定数の比を大きくすることができる。また、このように、ゴム膜509cの弾性変形により液圧を吸収することで、動的ばね定数を小さくすることができるので、その分、上下方向における動的ばね定数と静的ばね定数との比を小さくすることができる。
更に、本実施の形態における液封入式防振装置500よれば、底金具509の内側リング509aを第1取付け具501に連結して、振動入力に伴って第1取付け具501が変位すると、第1取付け具501と同位相で底金具509の内側リング509aが変位するように構成したので、液封入室510内の液圧の上昇をより確実に抑制して、左右方向のばね定数と上下方向のばね定数との比を大きくすると共に、動的ばね定数と静的ばね定数との比を小さくすることができる。
即ち、上下方向(矢印Y方向)への振動入力により第1取付け具501が第2取付け具502へ近接する方向(防振基体3が底金具509へ近接する方向、図22下方向)へ変位して、防振基体3が液封入室510内の液を圧縮させようとする場合には、図22に示すように、底金具509の内側リング509a及びゴム膜509cが防振基体3と同位相の方向(図22下方向)へ連動して変位することで、液封入室510内の液圧の正圧側への増加を緩和することができる。
同様に、上下方向(矢印Y方向)への振動入力により第1取付け具501が第2取付け具502から離間する方向(防振基体3が底金具509から離間する方向、図22上方向)へ変位して、防振基体3が液封入室510内の液を膨張させようとする場合には、底金具509の内側リング509a及びゴム膜509cが防振基体3と同位相の方向(図22上方向)へ連動して変位することで、液封入室510内の液圧の負圧側への増加を緩和することができる。
このように、本実施の形態における液封入式防振装置500よれば、底金具509のゴム膜509c自体の弾性変形により、液圧を吸収するだけでなく、底金具509(内側リング509a及びゴム膜509c)が防振基体3の変位に追従(防振基体3と同位相の方向へ変位)することで、液圧をより効果的に逃がすことができる。
これにより、上下方向(矢印Y方向)のばね定数が液圧の影響により増加することをより効果的に抑制することができるので、その分、左右方向(矢印X方向)と上下方向とのばね定数の比をより大きくすることができる。また、このように、ゴム膜509c自体の弾性変形に加え、底金具509(内側リング509a及びゴム膜509c)の変位により、液圧をより効果的に逃がすことで、動的ばね定数を小さくして、その分、動的ばね定数と静的ばね定数との比(静動比)をより小さくすることができる。
次いで、図23を参照して、第6実施の形態について説明する。図23は、第6実施の形態における液封入式防振装置600の断面図であり、図1の液封入式防振装置100の断面図に対応する。
なお、図23に示す矢印Xは、液封入式防振装置600の水平方向を示すと共に、矢印Yは、液封入式防振装置600の垂直方向を示しており、これら矢印X及び矢印Yは、自動車(車両)における左右方向および上下方向にそれぞれ対応する。また、理解を容易とするために、図23に示すナットNとおねじ506aとは、側面を示している。
第5実施の形態では、連結部材カラー506dと、底金具509とが別部品として構成されているが、第6実施の形態では、連結部材カラー506dを省略して、内側リング509aが連結部材カラー506dの長さ(図23垂直方向)分だけ、軸心O方向(図23垂直方向)に延長された形状に構成されている。なお、上記各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
第6実施の形態では、液封入式防振装置600は、第1取付け金具601と第2取付け金具602とを備えており、第1取付け金具601は、第1取付け金具501の構成から連結部材カラー506dを省略した構成とされている。
液封入式防振装置600は、図23に示すように、底金具609を備える。底金具609は、防振基体3との間に液封入室510を形成するための部材であり、筒状金具8の下方(図23下方)に取着されている。
底金具609は、内側リング609aを備えており、その底金具609の内側リング609aは、内側リング509aの長さ(図23上下方向寸法値)から連結部材カラー506dの長さ(図23上下方向寸法値)分だけ、垂直方向(図23上下方向)に延長された円筒形状に構成されている。
即ち、内側リング609aが連結部材カラー506dの代替部品の役割をすることができる。そのため、連結部材カラー506dの連結部材延長部506cへの挿入を省略して、代わりに底金具609を連結部材延長部506cに挿入してからナットNをおねじ506aに螺合させることで、底金具609と第1取付け金具601とを一体とすることができる。
よって、連結部材カラー506dが省略されるので、その分、液封入式防振装置600の製品コストの削減を図ることができる。また、液封入式防振装置600を構成する部品数を削減することができるので、組み付けの手間を省いて、液封入式防振装置600の製品コストの削減を図ることができる。
なお、図24に示す矢印Xは、液封入式防振装置600の水平方向を示すと共に、矢印Yは、液封入式防振装置600の垂直方向を示しており、これら矢印X及び矢印Yは、自動車(車両)における左右方向および上下方向にそれぞれ対応する。また、理解を容易とするために、図24に示すナットNとおねじ506aとは、側面を示している。
第5実施の形態では、連結部材カラー506dと、下部ストッパ金具5とが別部品として構成されているが、第7実施の形態では、連結部材カラー506dを省略して、下部ストッパ金具705の下部ストッパ基部5aの中心に形成される孔の縁部から底金具509に向けて立設される延長部705dを備えている。
第7実施の形態では、液封入式防振装置700は、第1取付け金具701を備えており、その第1取付け金具701は、延長部705dを有する下部ストッパ金具705を備えている。
延長部705dは、連結部材カラー506dの長さ(図23上下方向寸法値)分だけ、垂直方向(図23上下方向)に延長された円筒形状に構成されている。
即ち、延長部705dが連結部材カラー506dの代替部品の役割をすることができる。そのため、連結部材カラー506dの連結部材延長部506cへの挿入を省略して、代わりに延長部705の延長部705dを連結部材延長部506cに挿入してからナットNをおねじ506aに螺合させることで、底金具609と第1取付け金具601とを一体とすることができる。
よって、連結部材カラー506dが省略されるので、その分、液封入式防振装置700の製品コストの削減を図ることができる。また、液封入式防振装置700を構成する部品数を削減することができるので、組み付けの手間を省いて、液封入式防振装置700の製品コストの削減を図ることができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施の形態で挙げた数値(例えば、各構成の数量や寸法など)は一例を示すものであり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記各実施の形態では、筒状金具8を変形させて取付金具7をかしめる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、取付金具7の内縁から円筒状のかしめ部分を立設させ、筒状金具8の筒状かしめ部8aを省略して、筒状金具8の筒状当接部8bの内側に取付け金具7のかしめ部分を挿入してから取付金具7のかしめ部分を筒状当接部8bに沿って変形させることで筒状金具8をかしめても良い。
この場合、筒状金具8には、下部ストッパ金具5が防振基体3を介して当接することで発生する力が作用しないので、その分、筒状金具8の強度を下げることができる。よって、筒状金具8の板厚寸法T4を薄くすることができ、液封入式防振装置100を軽量とすることができる。
第3実施の形態では、筒状金具8に溝部308fが凹設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、取付金具7の取付かしめ部7aの下面7a−1に凹設しても良い。
この場合、第1実施の形態と同様に、深さH2の隙間が形成されており、その隙間が外部に連通されているので、その隙間を利用して取付金具7の内周面および筒状金具8の内周面から流れ出したプレス油を外部に排出することができる。よって、流れ出したプレス油が取付金具7の内周面および筒状金具8の内周面に付着することを防止して、加硫接着における接着剤の接着力を向上させることができる。
第4実施の形態では、筒状金具8に溝部408fが凹設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、取付金具7の取付かしめ部7aの下面7a−1に凹設しても良い。
この場合、第1実施の形態と同様に、深さH2の隙間が形成されており、その隙間が外部に連通されているので、その隙間を利用して取付金具7の内周面および筒状金具8の内周面から流れ出したプレス油を外部に排出することができる。よって、流れ出したプレス油が取付金具7の内周面および筒状金具8の内周面に付着することを防止して、加硫接着における接着剤の接着力を向上させることができる。
第5実施の形態では、中間板511が連結部材基部506bと同一の軸心Oを有する円筒形状に構成されている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、円筒形状を軸心O方向に沿って分割した円弧形状の板として構成し、連結部材基部506bの周りに分割した状態で配置しても良い。
この場合、分割した円弧形状の板を連結部材基部506bに対してばね定数を上げたい方向に配設することで、ばね定数を上げると共に、ばね定数を上げる必要が無い方向には、分割した円弧形状の板の配設を省略することができる。よって、液封入式防振装置500の必要な機能を確保しつつ軽量化を図ることができる。
上記各実施の形態では、取付金具7の取付かしめ部7aの内縁側の下端を、軸心Oに対して所定の角度をもって軸心Oを含む断面において直線的に削り取る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、軸心Oを含む断面において下面7a−1と内側面7a−3とをなだらかにつなぐ曲線形状に削り取っても良い。
この場合、内側面7a−3及び下面7a−1がなだらかにつながっているので、プレス油の流れを円滑にしてプレス油の排出効率の向上を図ることができる。