JP3896455B2 - N−アシルスルフェンアミド化合物の製造方法 - Google Patents

N−アシルスルフェンアミド化合物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、N-アシルスルフェンアミド化合物の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、スルフェンアミド化合物と酸塩化物を反応させることによりN-アシルスルフェンアミド化合物を効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スルフェンアミド化合物は、従来からゴムの加硫化剤、殺菌剤、殺虫剤、除草剤としての機能を有するものがあることが知られており(Chem. Rev., 89, 689 (1989))、特に、N-ベンゾイル-4-クロロベンゼンスルフェンアミドには、植物成長調整機能があることが報告されている(Fiziol. Akt. Veshch, 16, 47 (1984); Chem. Abstr., 103, 18314 (1985).)。
このように、一群のN-アシルスルフェンアミド化合物は、産業上重要な化合物であり、より安全な製法の開発が必要とされている。
【0003】
アミド化合物は一般的にはアミン化合物のアシル化によって製造されている。同様に20世紀初頭の論文には、スルフェンアミドのアシル化によってN-アシルスルフェンアミド化合物が得られるとの報告があるが(Ann. 391, 55 (1912), Ann., 400, 1 (1913), Ann., 406, 103 (1914), Ber., 72, 663 (1939).),その後スルフェンアミド化合物に対するアシル化は、通常の方法である酸塩化物や酸無水物による反応では進行せず、ジスルフィド化合物やジスルフェニルアミン化合物が得られことが報告されている(J. Gen. Chem. USSR, 47, 1004 (1977); Zh. Obshch. Khim., 47, 1096 (1977).)。
したがって、N-アシルスルフェンアミド化合物を製造するためには、塩化スルフェニル化合物とアミド化合物の反応により製造されてきた(例えばBull. Chem. Soc. Jpn., 51, 3004 (1978).)。
しかしながら、塩化スルフェニル化合物は、従来、チオール化合物あるいはジスルフィド化合物と塩素ガスとの反応により製造しなければならなかったので、有毒な塩素ガスを気体で反応系に供給することが必要であり、その取り扱いに困難なことが多く、安全な製造方法が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、N-アシルスルフェンアミド化合物を製造するにあたり、有毒な塩素ガスを用いて合成されている塩化スルフェニル化合物を原料に用いるという欠点を克服し、N-アシルスルフェンアミド化合物を製造するための工業的に有利な方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、N-アシルスルフェンアミド化合物及びその製造方法について鋭意研究を重ねた結果、スルフェンアミド化合物と酸塩化物を−78℃〜0℃の低温で反応させることにより、塩素ガスを用いることなく、安全かつ容易にN-アシルスルフェンアミド化合物が得られることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明によれば、下記一般式(イ)で表されるN-アシルスルフェンアミド化合物を製造する方法において、下記一般式(ロ)で表されるスルフェンアミド化合物と、下記一般式(ハ)で表される酸塩化物を、−78〜0℃の温度条件下に反応させることを特徴とするN-アシルスルフェンアミド化合物の製造方法が提供される。
【化4】
Figure 0003896455
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。Rは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12の芳香族基を示す。)
【化5】
Figure 0003896455
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。)
【化6】
Figure 0003896455
(式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12の芳香族基を示す。)
【0007】
【発明の実施の形態】
下記一般式(イ)で表されるN-アシルスルフェンアミド化合物を製造する方法において、下記一般式(ロ)で表されるスルフェンアミド化合物と、
下記一般式(ハ)で表される酸塩化物を反応させる。
【化7】
Figure 0003896455
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。Rは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12の芳香族基を示す。)
【化8】
Figure 0003896455
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。)
【化9】
Figure 0003896455
(式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12の芳香族基を示す。)
この反応によれば、塩素ガスを用いることなく、また、効率よく反応を進めることができる。
【0008】
前記式中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示す。
前記アルキル基の具体例を示すと、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、2-ヘキシル、3-ヘキシル基、n-ヘプチル基、2-ヘプチル基、3-ヘプチル基、4-ヘプチル基、n-オクチル基、2-オクチル基、3-オクチル基、4-オクチル基等が挙げられる。
前記シクロアルキル基の具体例を示すと、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
前記アルコキシル基の具体例を示すと、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ヘキシロキシ基等が挙げられる。
前記アルコキシカルボニル基の具体例を示すと、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、ベンジロキシカルボニル基等が挙げられる。
nは0または1〜4の整数を示す。
は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基を示す。
前記アルキル基もしくはシクロアルキル基の具体例を示すと、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、2-ヘキシル、3-ヘキシル基、n-ヘプチル基、2-ヘプチル基、3-ヘプチル基、4-ヘプチル基、n-オクチル基、2-オクチル基、3-オクチル基、4-オクチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、前記芳香族基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。これらの芳香族基はハロゲン原子、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基を有していてもよい。
【0009】
前記反応条件は以下の通りである。
前記N-アシルスルフェンアミド化合物の製造は、塩基として第三級アミン類の存在下で実施されるが、この場合のアミン類として、ピリジン、メチルピリジン、ジメチルピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等が用いられる。
また、N-アシルスルフェンアミド化合物の製造は、好ましくは反応溶媒の存在下で実施されるが、この場合の反応溶媒は、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール等の溶媒中で行われる。
また、これらの溶媒は単独または混合溶媒の形で使用される。
前記製造方法は、−78℃〜0℃の条件下に行う。この温度範囲未満の温度条件下に行うと、反応が進まなくなり、反応時間が長くなる。この温度範囲を超えて高温で行うと、分解反応や副反応が促進され、好ましくない。前記温度条件は、さらに−30℃〜0℃の範囲で行うことが好ましい。
反応時間は反応温度により左右され、一概に定めることはできないが、通常は5分〜5時間で十分である。
なお、前記原料物質である一般式(ロ)で表されるスルフェンアミド化合物は、チオール化合物とヒドロキシルアミン−O−スルホン酸を公知の方法で反応させて製造される。もう一方の原料物質である一般式(ハ)で表される酸塩化物は、カルボン酸を塩化チオニル等により塩素化させることにより製造される。
【0010】
【実施例】
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、本発明の実施例は本発明の理解を容易にするために代表的な物をあげたものであり、本発明はこれだけに限定されるものではない。N-アシルスルフェンアミド化合物は、既知のものについては融点および各種スペクトルデータを比較することより、未知のものについては各種スペクトルを主要な判定基準として同定した。
【0011】
実施例1
内容積30mlのガラス製容器中に2-メトキシカルボニルベンゼンスルフェンアミド(91.5mg,0.5mmol)を塩化メチレンに溶解させ、塩化ベンゾイル(70mg,0.5mmol)とピリジン(80μl)を加えた。−20℃で15分撹拌させた後,溶媒を減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:酢酸エチル=20:1)で精製することによりN-ベンゾイル-2-メトキシカルボニルベンゼンスルフェンアミドを収量138mg、収率96%で得た。この化合物は塩化メチレン−ヘキサンを用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
融点:156-158 °C. 1H NMR (500 MHz, CDCl3): d 7.99 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.56 (s, 1H), 7.54 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.45-7.41 (m, 3H), 7.30 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.16 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3): d 169.0, 167.1, 144.9, 133.1, 132.4, 131.1, 128.8, 127.7, 124.6, 124.2, 122.1, 52.4; IR (KBr): 3264, 3063, 2951, 1701, 1663, 1453, 1433, 1312, 1256, 1105, 745, 693 cm-1; 元素分析:計算値C15H13NO3S: C, 62.70; H, 4.56; N, 4.87. 実測値: C, 62.68; H, 4.27; N, 4.76.
【0012】
実施例2
実施例1において反応を0℃で行うと、N-ベンゾイル-2-メトキシカルボニルベンゼンスルフェンアミドを収率78%で得た。同時に副生成物としてN,N-ビス(2-メトキシカルボニルフェニルチオ)アミンが収率20%で得られた。
【0013】
実施例3
実施例1において、2-メトキシカルボニルベンゼンスルフェンアミドの代わりに4-クロロベンゼンスルフェンアミド(80mg,0.5mmol)を用いて同様な反応を行い、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン)で精製することにより、N-ベンゾイル-4-クロロベンゼンスルフェンアミドを収率112mg、収率85%で得た。この化合物は塩化メチレン−ヘキサンを用いて再結晶することによりさらに精製することができた。融点143−144℃(文献値143−144,138−139℃)。
【0014】
実施例4
実施例1において、塩化ベンゾイルの代わりに塩化アセチル(40mg,0.5mmol)を用いて同様な反応を行い、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:酢酸エチル=1:1)で精製することにより、N-アセチル-2-メトキシカルボニルベンゼンスルフェンアミドを収率106mg、収率94%で得た。この化合物は塩化メチレン−ヘキサンを用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
融点:129-130 °C. 1H NMR (500 MHz, CD3OD): d 8.02 (dd, J = 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.54 (ddd, J = 8.6, 7.4, 1.6 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 8.3, 0.7 Hz, 1H), 7.22 (ddd, J = 7.5, 7.5, 1.0 Hz, 1H), 3.91 (s, 3H), 2.21 (s, 3H); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): d 175.8, 168.3, 146.5, 134.2, 132.1, 125.5, 125.3, 123.1, 52.8, 23.0; IR (KBr): 3264, 2957, 1703, 1667, 1439, 1314, 1290, 1242, 1148, 747 cm-1; 元素分析:計算値C10H11NO3S: C, 53.32; H, 4.92; N, 6.22. 実測値: C, 53.44; H, 4.65; N, 6.11.
【0015】
実施例5
実施例3において、塩化ベンゾイルの代わりに塩化アセチル(40mg,0.5mmol)を用いて同様な反応を行い、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:酢酸エチル=5:1)で精製することにより、N-アセチル-4-クロロベンゼンスルフェンアミドを収率83mg、収率82%で得た。この化合物は塩化メチレン−ヘキサンを用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
融点:115-117 °C. 1H NMR (500 MHz, CD3OD): d 7.31 (ddd, J = 8.6, 2.1, 2.1 Hz, 2H ), 7.20 (ddd, J = 8.8, 2.1, 2.1 Hz, 2H), 2.14 (s, 3H); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): d 175.4, 139.3, 133.2, 130.1, 127.1, 22.8; IR (KBr): 3241, 2866, 1671, 1476, 1453, 1248, 1092, 814 cm-1; 元素分析:計算値C8H8ClNOS: C, 47.64; H, 4.00; N, 6.95. 実測値: C, 47.80; H, 3.71; N, 6.90.
【0016】
実施例6
実施例1において、塩化ベンゾイルの代わりに塩化プロピオニル(46mg,0.5mmol)を用いて同様な反応を行い、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:酢酸エチル=5:1)で精製することにより、N-プロピオニル-2-メトキシカルボニルベンゼンスルフェンアミドを収率117mg、収率98%で得た。この化合物は塩化メチレン−ヘキサンを用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
融点:138-139 °C. 1H NMR (500 MHz, CD3OD): d 8.01 (dd, J = 8.0, 1.2 Hz, 1H), 7.53 (ddd, J = 7.8, 7.8, 1.5 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.21 (ddd, J = 7.5, 7.5, 0.9 Hz, 1H), 3.90 (s, 3H), 2.50 (q, J = 7.7 Hz, 2H), 1.21 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): d 179.4, 168.3, 146.7, 134.1, 132.1, 125.5, 125.3, 123.0, 52.8, 30.4, 10.2; IR (KBr): 3239, 2986, 2949, 2882, 1705, 1676, 1439, 1300, 1277, 1258, 1190, 756 cm-1; 元素分析:計算値C11H13NO3S: C, 55.21; H, 5.48; N, 5.85. 実測値: C, 55.42; H, 5.23; N, 5.77.
【0017】
実施例7
実施例1において、塩化ベンゾイルの代わりに塩化イソブチリル(53mg,0.5mmol)を用いて同様な反応を行い、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:酢酸エチル=10:1)で精製することにより、N-イソブチリル-2-メトキシカルボニルベンゼンスルフェンアミドを収率107mg、収率85%で得た。この化合物は酢酸エチル−ヘキサンを用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
融点:148.1-149.1 °C. 1H NMR (500 MHz, CD3OD): d 8.02 (dd, J = 8.0, 1.2 Hz, 1H), 7.52 (ddd, J = 8.2, 7.3, 1.2 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.21 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H), 2.76 (sep, J = 7.0 Hz, 1H), 1.24 (t, J = 7.0 Hz, 6H); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): d 182.2, 168.1, 146.4, 133.9, 132.0, 125.3, 125.0, 122.7, 52.7, 36.7, 19.9; IR (KBr): 3210, 1701, 1674, 1435, 1101, 750 cm-1; 元素分析:計算値C12H15NO3S: C, 56.90; H,
5.97; N, 5.53. 実測値: C, 57.07; H, 5.85; N, 5.40.
【0018】
実施例8
実施例1において、塩化ベンゾイルの代わりに塩化ピバロイル(60mg,0.5mmol)を用いて同様な反応を行い、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:酢酸エチル=20:1)で精製することにより、N-ピバロイル-2-メトキシカルボニルベンゼンスルフェンアミドを収率76mg、収率57%で得た。この化合物は酢酸エチル−ヘキサンを用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
融点:120.5-121.3 °C. 1H NMR (500 MHz, CDCl3): d 8.00 (dd, J = 7.6, 1.5 Hz, 1H), 7.46 (ddd, J = 8.8, 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.15-7.19 (m, 2H), 6.82 (s, 1H), 3.93 (s, 3H), 1.34 (s, 9H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3): d 179.8, 166.9, 145.1, 132.9, 131.1, 124.4, 124.3, 121.7, 52.3, 40.0, 27.7; IR (KBr): 3258, 1705, 1669, 1431, 1277, 1144, 741 cm-1; 元素分析:計算値C13H17NO3S: C, 58.40; H, 6.41; N, 5.24. 実測値: C, 58.37; H, 6.30; N, 5.11.
【0019】
実施例9
実施例1において、塩化ベンゾイルの代わりに塩化フェニルアセチル(77mg,0.5mmol)を用いて同様な反応を行い、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:酢酸エチル=10:1)で精製することにより、N-フェニルアセチル-2-メトキシカルボニルベンゼンスルフェンアミドを収率111mg、収率74%で得た。この化合物は酢酸エチル−ヘキサンを用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
融点:144.5-145 °C. 1H NMR (500 MHz, CD3OD): d 7.97 (dd, J = 7.9, 1.2 Hz, 1H), 7.28-7.39 (m, 6H), 7.01-7.03 (m, 1H), 7.02 (dd, J = 8.2, 0.9 Hz, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.76 (s, 2H); 13C NMR (125 MHz, CD3OD): d 176.4, 168.3, 146.5, 136.2, 134.0, 132.1, 130.3, 129.7, 128.3, 125.5, 125.2, 123.0, 52.8, 44.3; IR (KBr): 3196, 1703, 1661, 1435, 1107, 741 cm-1; 元素分析:計算値C16H15NO3S: C, 63.77; H, 5.02; N, 4.65. 実測値: C, 63.95; H, 4.92; N, 4.56.
【0020】
実施例10
実施例1において、塩化ベンゾイルの代わりに塩化フェノキシアセチル(85mg,0.5mmol)を用いて同様な反応を行い、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:酢酸エチル=20:1)で精製することにより、N-フェノキシアセチル-2-メトキシカルボニルベンゼンスルフェンアミドを収率147.5mg、収率93%で得た。この化合物は酢酸エチル−ヘキサンを用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
融点:131.8-132.6 °C. 1H NMR (500 MHz, CDCl3): d 8.02 (dd, J = 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.44 (ddd, J = 8.5, 7.1, 1.5 Hz, 1H), 7.38 (dd, J = 8.8, 7.6 Hz, 2H), 7.17-7.22 (m, 2H), 7.09 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.00 (dd, J = 8.8, 0.9 Hz, 2H), 4.76 (s, 2H), 3.94 (s,3H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3): d 170.6, 167.1, 156.9, 144.2, 133.2, 131.1, 130.0, 124.8, 124.4, 122.6, 121.9, 114.7, 67.9, 52.5; IR (KBr): 3221, 1699, 1378, 1456, 1292, 1179, 750 cm-1; 元素分析:計算値C16H15NO4S: C, 60.55; H, 4.76; N, 4.41. 実測値: C, 60.52; H, 4.62; N, 4.34.
【0021】
比較例1
実施例1において反応を室温で10分行うと,N,N-ビス(2-メトキシカルボニルフェニルチオ)アミンが収率56%で得られ、N-ベンゾイル-2-メトキシカルボニルベンゼンスルフェンアミドは得られなかった。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、スルフェンアミド化合物と酸塩化物を反応させることにより、N-アシルスルフェンアミド化合物を収率よく製造することができる。しかも、有毒な塩素ガスを用いることなく安全に製造できるので、工業的なN-アシルスルフェンアミド化合物の合成法として最適である。

Claims (1)

  1. 下記一般式(イ)で表されるN-アシルスルフェンアミド化合物を製造する方法において、下記一般式(ロ)で表されるスルフェンアミド化合物と、下記一般式(ハ)で表される酸塩化物を、−78〜0℃の温度条件下に反応させることを特徴とするN-アシルスルフェンアミド化合物の製造方法。
    Figure 0003896455
    (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても、異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。Rは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12の芳香族基を示す。)
    Figure 0003896455
    (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。)
    Figure 0003896455
    (式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12の芳香族基を示す。)
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