JP3896450B2 - N−置換あるいはn,n−ジ置換スルフェンアミド化合物の製造方法 - Google Patents
N−置換あるいはn,n−ジ置換スルフェンアミド化合物の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、N-置換あるいはN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、N-置換あるいはN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物を、2-スルフェナモイル安息香酸エステル化合物とアミン類を反応することにより、効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スルフェンアミド化合物は、種々の機能性を持つことが報告されている(Chem. Rev. 89, 689 (1989))。たとえば、ゴムの加硫化剤(公開特許公報 昭和64−48831;米国特許 第2866777号(1955))、発芽前処理用除草剤(公開特許公報 昭53−31643)、殺菌剤(公開特許公報 昭55−51053)等の作用があることが知られている。また、N-モノ置換-2-アルコキシカルボニルフェニルスルフェンアミド化合物の場合は、下記反応式(ヘ)
【化7】
に示すように塩基の存在下において容易に環化して(公開特許公報 昭46−5516;J. Org. Chem., 40, 2029 (1975))、抗菌・抗バクテリア作用等の生理活性を持つことが知られている1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を製造することができる。
【0003】
従来、スルフェンアミド類は、メルカプト基やジスルフィド基を有する化合物を塩素ガスと処理をした後に得られる塩化スルフェニル化合物とアミン類を反応させる方法や、クロラミン化合物とメルカプト化合物を反応させる方法により製造されていたが、いずれの方法も出発原料を製造するにあたり有毒な塩素ガスを用いなければならず、また塩素ガスは製造装置の腐食の問題もあるので、安全な製造法の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、N−置換あるいはN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物を製造するにあたり、通常の方法である有毒な塩素ガスを用いるという欠点を克服し、N-置換あるいはN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物を製造するための工業的に有利な方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、N-置換あるいはN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物の製造方法について鋭意研究を重ねた結果、2-スルフェナモイル安息香酸エステル化合物とアミン類を反応することにより、安全かつ容易にN-置換あるいはN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物が得られることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち,本発明によれば,下記一般式(イ)
【化8】
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。R2は、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R2が複数ある場合は、各R2は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。R3は炭素数4〜12のアルキル基もしくは炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは炭素数6〜12の芳香族基もしくは複素環基を示す。)
で表されるN-置換スルフェンアミド化合物を製造する方法において、下記一般式(ロ)
【化9】
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。R2は、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R2が複数ある場合は、各R2は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。)
で表される2-スルフェナモイル安息香酸エステル化合物と、下記一般式(ハ)
【化10】
(式中、R3は炭素数4〜12のアルキル基もしくは炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは炭素数6〜12の芳香族基もしくは複素環基を示す。)
で表されるアミン類を反応させることを特徴とするN-置換スルフェンアミド化合物の製造方法が提供される。
また,下記一般式(ニ)
【化11】
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。R2は、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R2が複数ある場合は、各R2は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。R3、R4は炭素数2〜12のアルキル基もしくは炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは炭素数6〜12の芳香族基を示す。ただし、R3とR4が互いに連結して窒素原子と共に環を形成しているものを除く。)
で表されるN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物を製造する方法において、下記一般式(ロ)
【化12】
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。R2は、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R2が複数ある場合は、各R2は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。)
で表される2-スルフェナモイル安息香酸エステル化合物と、下記一般式(ホ)
【化13】
(式中、R3、R4は炭素数2〜12のアルキル基もしくは炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは炭素数6〜12の芳香族基を示す。ただし、R3とR4が互いに連結して窒素原子と共に環を形成しているものを除く。)
で表されるアミン類を反応させることを特徴とするN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物の製造方法が提供される。
【0007】
【発明実施の形態】
本発明の製造目的化合物であるN-置換換スルフェンアミド化合物を示す前記一般式(イ)において、R1は炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。前記アルキル基もしくはシクロアルキル基の具体例を示すと、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、エトキシエチル基、ベンジル基等が挙げられる。
【0008】
また、R2は炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示す。前記アルキル基の具体例を示すと、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ペンチル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基等が挙げられる。前記アルコキシル基の具体例を示すと、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ヘキシロキシ基等が挙げられる。nは0または1〜4の整数を示す。
【0009】
また、R3は炭素数4〜12のアルキル基もしくは炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは炭素数6〜12の芳香族基もしくは複素環基を示す。これらのアルキル基は、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基を有していてもよい。前記アルキル基もしくはシクロアルキル基の具体例を示すと、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、クミル基、ベンジル基等が挙げられる。前記芳香族基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。これらの芳香族基はハロゲン原子、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基を有していてもよい。前記複素環基としては,2-ピリジル基,4-ピリジル基,2-ピリミジニル基,2-イミダゾリル基,2-フリル基,2-チエニル基等が挙げられる。これらの複素環基はハロゲン原子,アルキル基,アルコキシル基,ジアルキルアミノ基等の置換基を有していてもよい。
【0010】
本発明の製造目的化合物であるN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物を示す前記一般式(ニ)において、R1は炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。前記アルキル基もしくはシクロアルキル基の具体例を示すと、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、エトキシエチル基、ベンジル基等が挙げられる。
【0011】
また、R2は炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示す。前記アルキル基の具体例を示すと、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ペンチル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基等が挙げられる。前記アルコキシル基の具体例を示すと、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ヘキシロキシ基等が挙げられる。nは0または1〜4の整数を示す。
【0012】
また、R3,R4は炭素数2〜12のアルキル基もしくは炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは炭素数6〜12の芳香族基を示す。これらのアルキル基は、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基を有していてもよい。前記アルキル基もしくはシクロアルキル基の具体例を示すと、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、クミル基、ベンジル基等が挙げられる。前記芳香族基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。これらの芳香族基はハロゲン原子、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基を有していてもよい。
【0013】
本発明の新規な合成反応は次のような反応式(ト),(チ)によって表すことができる。
【化14】
【0014】
本発明におけるN-置換あるいはN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物の製造は、好ましくは反応溶媒の存在下で実施されるが、この場合の反応溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール等の溶媒中で行われる。また、これらの溶媒は単独または混合溶媒の形で使用される。
【0015】
前記製造方法における温度は20℃〜150℃付近の温度で行うことができるが、あまり温度が低すぎると反応時間が遅くなり、温度が高すぎると分解反応や副反応が多くなるので、50℃〜100℃の範囲で実施するのが好ましい。反応時間は反応温度により左右され、一概に定めることはできないが、通常は2〜8時間で十分である。
【0016】
本発明によって得られるN-置換スルフェンアミド化合物の代表例は以下のとおりである。2-(N−フェニル)スルフェナモイル安息香酸メチル、2-[N-(p-メチルフェニル)]スルフェナモイル安息香酸エチル、2-[N-(p-メトキシフェニル)]スルフェナモイル安息香酸メチル、2-(N-クミル)スルフェナモイル安息香酸エチル、2-[N-(t-ブチル)]スルフェナモイル安息香酸メチル等。
また,本発明によって得られるN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物の代表例は以下のとおりである。2-[N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)]スルフェナモイル安息香酸エチル、2-(N,N-ジエチル)スルフェナモイル安息香酸エチル、2-(N,N-ジベンジル)スルフェナモイル安息香酸エチル等。
【0017】
【実施例】
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、本発明の実施例は本発明の理解を容易にするために代表的な物をあげたものであり、本発明はこれだけに限定されるものではない。なお、下記実施例によって製造されるN-置換あるいはN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物は、既知のものについては融点および各種スペクトルデータを比較することより、未知のものについては各種スペクトルを主要な判定基準として同定した。
【0018】
実施例1
内容積30mlのガラス製容器中に2-スルフェナモイル安息香酸メチル(146mg,0.8mmol)とアニリン(186mg,2.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、4時間100℃で加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン)で精製することにより2-(N-フェニル)スルフェナモイル安息香酸メチルを収量108mg、収率52%で得た。この化合物はメタノールを用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0019】
実施例2
実施例1において、2-スルフェナモイル安息香酸メチルの代わりに2-スルフェナモイル安息香酸エチルを用いて同様な操作を行い、8時間反応させることにより2-(N-フェニル)スルフェナモイル安息香酸エチルを収率71%で得た。この化合物はエタノールを用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0020】
実施例3
内容積30mlのガラス製容器中に2-スルフェナモイル安息香酸メチル(146mg,0.8mmol)とp-トルイジン(214mg,2.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、100℃で4時間加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン)で精製することにより2-[N-(p-メチルフェニル)]スルフェナモイル安息香酸メチルを収量98mg、収率51%で得た。この化合物は塩化メチレン-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0021】
実施例4
実施例3において、2-スルフェナモイル安息香酸メチルの代わりに2-スルフェナモイル安息香酸エチルを用いて同様な反応を行い、2-[N-(p-メチルフェニル)]スルフェナモイル安息香酸エチルを収率71%で得た。この化合物は塩化メチレン-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0022】
実施例5
内容積30mlのガラス製容器中に2-スルフェナモイル安息香酸メチル(146mg,0.8mmol)とp-アニシジン(246mg,2.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、100℃で4時間加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン)で精製することにより2-[N-(p-メトキシフェニル)]スルフェナモイル安息香酸メチルを収量125mg、収率54%で得た。この化合物は塩化メチレン-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0023】
実施例6
実施例5において、2-スルフェナモイル安息香酸メチルの代わりに2-スルフェナモイル安息香酸エチルを用いて同様な反応を行い、8時間反応させることにより2-[N-(p-メトキシフェニル)]スルフェナモイル安息香酸エチルを収率62%で得た。この化合物は塩化メチレン-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0024】
実施例7
内容積10mlのガラス製封管中に2-スルフェナモイル安息香酸メチル(146mg,0.8mmol)とt-ブチルアミン(366mg,5.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、100℃で4時間加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン)で精製することにより2-[N-(t-ブチル)]スルフェナモイル安息香酸メチルを収量59mg、収率31%で得た。この化合物は塩化メチレン-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0025】
実施例8
実施例7において、2-スルフェナモイル安息香酸メチルの代わりに2-スルフェナモイル安息香酸エチルを用いて同様な反応を行い、2-[N-(t-ブチル)]スルフェナモイル安息香酸エチルを収率55%で得た。この化合物は塩化メチレン-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0026】
実施例9
内容積30mlのガラス製容器中に2-スルフェナモイル安息香酸エチル(146mg,0.8mmol)とクミルアミン(270mg,2.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、6時間100℃で加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:ヘキサン=2:1)で精製することにより2-(N-クミル)スルフェナモイル安息香酸エチルを収量169mg、収率67%で得た。この化合物はエタノール-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0027】
実施例10
内容積30mlのガラス製容器中に2-スルフェナモイル安息香酸エチル(146mg,0.8mmol)と2-アミノピリジン(188mg,2.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、8時間100℃で加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:酢酸エチル=20:1)で精製することにより2-[N-(2-ピリジル)]スルフェナモイル安息香酸エチルを収量79mg、収率36%で得た。この化合物は塩化メチレン-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0028】
実施例11
内容積30mlのガラス製容器中に2-スルフェナモイル安息香酸エチル(146mg,0.8mmol)とジエタノールアミン(210mg,2.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、4時間100℃で加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:アセトン:メタンオール=100:40;8)で精製することにより2-[(N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)]スルフェナモイル安息香酸エチルを収量119mg、収率52%で得た。
【0029】
実施例12
内容積10mlのガラス製封管中に2-スルフェナモイル安息香酸エチル(146mg,0.8mmol)とジエチルアミン(366mg,5.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、100℃で4時間加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:ヘキサン=1:1)で精製することにより2-(N,N-ジエチル)スルフェナモイル安息香酸エチルを収量83mg、収率41%で得た。
【0030】
実施例13
内容積30mlのガラス製容器中に2-スルフェナモイル安息香酸エチル(146mg,0.8mmol)とジベンジルアミン(395mg,2.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、4時間100℃で加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:ヘキサン=2:1)で精製することにより2-(N,N-ジベンジル)スルフェナモイル安息香酸エチルを収量211mg、収率70%で得た。
【0031】
【発明の効果】
本発明における2-スルフェナモイル安息香酸エステル化合物とアミン類の反応により、N-置換あるいはN,N-ジ置換2-スルフェナモイル安息香酸エステル化合物を収率よく製造することができる。しかも、有毒な塩素ガスを用いることなく安全に製造できるので、工業的なN-置換あるいはN,N-ジ置換2-スルフェナモイル安息香酸エステル化合物の合成法として最適である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、N-置換あるいはN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、N-置換あるいはN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物を、2-スルフェナモイル安息香酸エステル化合物とアミン類を反応することにより、効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スルフェンアミド化合物は、種々の機能性を持つことが報告されている(Chem. Rev. 89, 689 (1989))。たとえば、ゴムの加硫化剤(公開特許公報 昭和64−48831;米国特許 第2866777号(1955))、発芽前処理用除草剤(公開特許公報 昭53−31643)、殺菌剤(公開特許公報 昭55−51053)等の作用があることが知られている。また、N-モノ置換-2-アルコキシカルボニルフェニルスルフェンアミド化合物の場合は、下記反応式(ヘ)
【化7】
に示すように塩基の存在下において容易に環化して(公開特許公報 昭46−5516;J. Org. Chem., 40, 2029 (1975))、抗菌・抗バクテリア作用等の生理活性を持つことが知られている1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を製造することができる。
【0003】
従来、スルフェンアミド類は、メルカプト基やジスルフィド基を有する化合物を塩素ガスと処理をした後に得られる塩化スルフェニル化合物とアミン類を反応させる方法や、クロラミン化合物とメルカプト化合物を反応させる方法により製造されていたが、いずれの方法も出発原料を製造するにあたり有毒な塩素ガスを用いなければならず、また塩素ガスは製造装置の腐食の問題もあるので、安全な製造法の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、N−置換あるいはN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物を製造するにあたり、通常の方法である有毒な塩素ガスを用いるという欠点を克服し、N-置換あるいはN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物を製造するための工業的に有利な方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、N-置換あるいはN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物の製造方法について鋭意研究を重ねた結果、2-スルフェナモイル安息香酸エステル化合物とアミン類を反応することにより、安全かつ容易にN-置換あるいはN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物が得られることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち,本発明によれば,下記一般式(イ)
【化8】
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。R2は、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R2が複数ある場合は、各R2は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。R3は炭素数4〜12のアルキル基もしくは炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは炭素数6〜12の芳香族基もしくは複素環基を示す。)
で表されるN-置換スルフェンアミド化合物を製造する方法において、下記一般式(ロ)
【化9】
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。R2は、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R2が複数ある場合は、各R2は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。)
で表される2-スルフェナモイル安息香酸エステル化合物と、下記一般式(ハ)
【化10】
(式中、R3は炭素数4〜12のアルキル基もしくは炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは炭素数6〜12の芳香族基もしくは複素環基を示す。)
で表されるアミン類を反応させることを特徴とするN-置換スルフェンアミド化合物の製造方法が提供される。
また,下記一般式(ニ)
【化11】
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。R2は、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R2が複数ある場合は、各R2は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。R3、R4は炭素数2〜12のアルキル基もしくは炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは炭素数6〜12の芳香族基を示す。ただし、R3とR4が互いに連結して窒素原子と共に環を形成しているものを除く。)
で表されるN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物を製造する方法において、下記一般式(ロ)
【化12】
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。R2は、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示し、R2が複数ある場合は、各R2は互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。)
で表される2-スルフェナモイル安息香酸エステル化合物と、下記一般式(ホ)
【化13】
(式中、R3、R4は炭素数2〜12のアルキル基もしくは炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは炭素数6〜12の芳香族基を示す。ただし、R3とR4が互いに連結して窒素原子と共に環を形成しているものを除く。)
で表されるアミン類を反応させることを特徴とするN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物の製造方法が提供される。
【0007】
【発明実施の形態】
本発明の製造目的化合物であるN-置換換スルフェンアミド化合物を示す前記一般式(イ)において、R1は炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。前記アルキル基もしくはシクロアルキル基の具体例を示すと、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、エトキシエチル基、ベンジル基等が挙げられる。
【0008】
また、R2は炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示す。前記アルキル基の具体例を示すと、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ペンチル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基等が挙げられる。前記アルコキシル基の具体例を示すと、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ヘキシロキシ基等が挙げられる。nは0または1〜4の整数を示す。
【0009】
また、R3は炭素数4〜12のアルキル基もしくは炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは炭素数6〜12の芳香族基もしくは複素環基を示す。これらのアルキル基は、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基を有していてもよい。前記アルキル基もしくはシクロアルキル基の具体例を示すと、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、クミル基、ベンジル基等が挙げられる。前記芳香族基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。これらの芳香族基はハロゲン原子、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基を有していてもよい。前記複素環基としては,2-ピリジル基,4-ピリジル基,2-ピリミジニル基,2-イミダゾリル基,2-フリル基,2-チエニル基等が挙げられる。これらの複素環基はハロゲン原子,アルキル基,アルコキシル基,ジアルキルアミノ基等の置換基を有していてもよい。
【0010】
本発明の製造目的化合物であるN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物を示す前記一般式(ニ)において、R1は炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。前記アルキル基もしくはシクロアルキル基の具体例を示すと、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、エトキシエチル基、ベンジル基等が挙げられる。
【0011】
また、R2は炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基を示す。前記アルキル基の具体例を示すと、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ペンチル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基等が挙げられる。前記アルコキシル基の具体例を示すと、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ヘキシロキシ基等が挙げられる。nは0または1〜4の整数を示す。
【0012】
また、R3,R4は炭素数2〜12のアルキル基もしくは炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは炭素数6〜12の芳香族基を示す。これらのアルキル基は、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基を有していてもよい。前記アルキル基もしくはシクロアルキル基の具体例を示すと、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、クミル基、ベンジル基等が挙げられる。前記芳香族基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。これらの芳香族基はハロゲン原子、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基を有していてもよい。
【0013】
本発明の新規な合成反応は次のような反応式(ト),(チ)によって表すことができる。
【化14】
【0014】
本発明におけるN-置換あるいはN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物の製造は、好ましくは反応溶媒の存在下で実施されるが、この場合の反応溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール等の溶媒中で行われる。また、これらの溶媒は単独または混合溶媒の形で使用される。
【0015】
前記製造方法における温度は20℃〜150℃付近の温度で行うことができるが、あまり温度が低すぎると反応時間が遅くなり、温度が高すぎると分解反応や副反応が多くなるので、50℃〜100℃の範囲で実施するのが好ましい。反応時間は反応温度により左右され、一概に定めることはできないが、通常は2〜8時間で十分である。
【0016】
本発明によって得られるN-置換スルフェンアミド化合物の代表例は以下のとおりである。2-(N−フェニル)スルフェナモイル安息香酸メチル、2-[N-(p-メチルフェニル)]スルフェナモイル安息香酸エチル、2-[N-(p-メトキシフェニル)]スルフェナモイル安息香酸メチル、2-(N-クミル)スルフェナモイル安息香酸エチル、2-[N-(t-ブチル)]スルフェナモイル安息香酸メチル等。
また,本発明によって得られるN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物の代表例は以下のとおりである。2-[N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)]スルフェナモイル安息香酸エチル、2-(N,N-ジエチル)スルフェナモイル安息香酸エチル、2-(N,N-ジベンジル)スルフェナモイル安息香酸エチル等。
【0017】
【実施例】
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、本発明の実施例は本発明の理解を容易にするために代表的な物をあげたものであり、本発明はこれだけに限定されるものではない。なお、下記実施例によって製造されるN-置換あるいはN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物は、既知のものについては融点および各種スペクトルデータを比較することより、未知のものについては各種スペクトルを主要な判定基準として同定した。
【0018】
実施例1
内容積30mlのガラス製容器中に2-スルフェナモイル安息香酸メチル(146mg,0.8mmol)とアニリン(186mg,2.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、4時間100℃で加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン)で精製することにより2-(N-フェニル)スルフェナモイル安息香酸メチルを収量108mg、収率52%で得た。この化合物はメタノールを用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0019】
実施例2
実施例1において、2-スルフェナモイル安息香酸メチルの代わりに2-スルフェナモイル安息香酸エチルを用いて同様な操作を行い、8時間反応させることにより2-(N-フェニル)スルフェナモイル安息香酸エチルを収率71%で得た。この化合物はエタノールを用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0020】
実施例3
内容積30mlのガラス製容器中に2-スルフェナモイル安息香酸メチル(146mg,0.8mmol)とp-トルイジン(214mg,2.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、100℃で4時間加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン)で精製することにより2-[N-(p-メチルフェニル)]スルフェナモイル安息香酸メチルを収量98mg、収率51%で得た。この化合物は塩化メチレン-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0021】
実施例4
実施例3において、2-スルフェナモイル安息香酸メチルの代わりに2-スルフェナモイル安息香酸エチルを用いて同様な反応を行い、2-[N-(p-メチルフェニル)]スルフェナモイル安息香酸エチルを収率71%で得た。この化合物は塩化メチレン-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0022】
実施例5
内容積30mlのガラス製容器中に2-スルフェナモイル安息香酸メチル(146mg,0.8mmol)とp-アニシジン(246mg,2.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、100℃で4時間加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン)で精製することにより2-[N-(p-メトキシフェニル)]スルフェナモイル安息香酸メチルを収量125mg、収率54%で得た。この化合物は塩化メチレン-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0023】
実施例6
実施例5において、2-スルフェナモイル安息香酸メチルの代わりに2-スルフェナモイル安息香酸エチルを用いて同様な反応を行い、8時間反応させることにより2-[N-(p-メトキシフェニル)]スルフェナモイル安息香酸エチルを収率62%で得た。この化合物は塩化メチレン-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0024】
実施例7
内容積10mlのガラス製封管中に2-スルフェナモイル安息香酸メチル(146mg,0.8mmol)とt-ブチルアミン(366mg,5.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、100℃で4時間加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン)で精製することにより2-[N-(t-ブチル)]スルフェナモイル安息香酸メチルを収量59mg、収率31%で得た。この化合物は塩化メチレン-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0025】
実施例8
実施例7において、2-スルフェナモイル安息香酸メチルの代わりに2-スルフェナモイル安息香酸エチルを用いて同様な反応を行い、2-[N-(t-ブチル)]スルフェナモイル安息香酸エチルを収率55%で得た。この化合物は塩化メチレン-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0026】
実施例9
内容積30mlのガラス製容器中に2-スルフェナモイル安息香酸エチル(146mg,0.8mmol)とクミルアミン(270mg,2.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、6時間100℃で加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:ヘキサン=2:1)で精製することにより2-(N-クミル)スルフェナモイル安息香酸エチルを収量169mg、収率67%で得た。この化合物はエタノール-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0027】
実施例10
内容積30mlのガラス製容器中に2-スルフェナモイル安息香酸エチル(146mg,0.8mmol)と2-アミノピリジン(188mg,2.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、8時間100℃で加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:酢酸エチル=20:1)で精製することにより2-[N-(2-ピリジル)]スルフェナモイル安息香酸エチルを収量79mg、収率36%で得た。この化合物は塩化メチレン-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶することによりさらに精製することができた。
【0028】
実施例11
内容積30mlのガラス製容器中に2-スルフェナモイル安息香酸エチル(146mg,0.8mmol)とジエタノールアミン(210mg,2.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、4時間100℃で加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:アセトン:メタンオール=100:40;8)で精製することにより2-[(N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)]スルフェナモイル安息香酸エチルを収量119mg、収率52%で得た。
【0029】
実施例12
内容積10mlのガラス製封管中に2-スルフェナモイル安息香酸エチル(146mg,0.8mmol)とジエチルアミン(366mg,5.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、100℃で4時間加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:ヘキサン=1:1)で精製することにより2-(N,N-ジエチル)スルフェナモイル安息香酸エチルを収量83mg、収率41%で得た。
【0030】
実施例13
内容積30mlのガラス製容器中に2-スルフェナモイル安息香酸エチル(146mg,0.8mmol)とジベンジルアミン(395mg,2.0mmol)をトルエン(5ml)に溶解させ、4時間100℃で加熱した。トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:ヘキサン=2:1)で精製することにより2-(N,N-ジベンジル)スルフェナモイル安息香酸エチルを収量211mg、収率70%で得た。
【0031】
【発明の効果】
本発明における2-スルフェナモイル安息香酸エステル化合物とアミン類の反応により、N-置換あるいはN,N-ジ置換2-スルフェナモイル安息香酸エステル化合物を収率よく製造することができる。しかも、有毒な塩素ガスを用いることなく安全に製造できるので、工業的なN-置換あるいはN,N-ジ置換2-スルフェナモイル安息香酸エステル化合物の合成法として最適である。
Claims (2)
- 下記一般式(イ)
で表されるN-置換スルフェンアミド化合物を製造する方法において、下記一般式(ロ)
で表される2-スルフェナモイル安息香酸エステル化合物と、下記一般式(ハ)
で表されるアミン類を反応させることを特徴とするN-置換スルフェンアミド化合物の製造方法。 - 下記一般式(ニ)
で表されるN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物を製造する方法において、下記一般式(ロ)
で表される2-スルフェナモイル安息香酸エステル化合物と、下記一般式(ホ)
で表されるアミン類を反応させることを特徴とするN,N-ジ置換スルフェンアミド化合物の製造方法。
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