JP3896036B2 - 捨て型枠およびその固定用具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は捨て型枠およびその固定用具、詳しくは打設時に流し込まれたコンクリートの漏れから、コンクリートの充填完了を確認することが可能な捨て型枠およびこれを被打設面に固定するときに利用される固定用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅の建築時には、あらかじめ地盤に対して基礎工事を行う。
一般的な基礎施工方法は、まず地盤上に捨てコンクリートを打設し、次いで捨てコンクリートの表面に合板製のフーチング型枠を組み立てる。その後、フーチング型枠の内部に逆T字形の鉄筋を配筋し、この型枠内にコンクリートを流し込んでフーチング部を打設する。次に、フーチング部の上面に鋼製の立ち上げ型枠を組み立てる。それからコンクリートを流し込み、立ち上げ部を打設する。これにより、地盤の上に基礎が作製される。
しかしながら、この基礎施工方法では、フーチング部と立ち上げ部とが2回にわたり別々に打設されていた。そのため、基礎の施工時間が長くなり、コスト高を招くとともに、フーチング部と立ち上げ部との打ち継ぎ目が一体化せず、これらの界面にコールドジョイントが発生していた。その結果、基礎の耐久性に問題が生じていた。
【0003】
そこで、これを解消する従来技術として、フーチング部と立ち上げ部とを一体的に打設する方法が開発されている。具体的には、まず捨てコンクリートの表面に、フーチング型枠と立ち上げ型枠とを組み立てる。このとき、立ち上げ型枠は、外部の支持構造体によりフーチング型枠と連結していない状態で組み立てられる。次に、型枠内に逆T字形の鉄筋を配筋し、コンクリートを流し込む。こうして、フーチング部と立ち上げ部とが一体化した基礎が打設される。その結果、基礎施工の工期の短縮や施工コストの低下が図れ、コールドジョイントも解消することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の基礎施工方法にあっては、このようにフーチング部と立ち上げ部とが1回のコンクリートの打設で作製されている。そのため、立ち上げ型枠とフーチング型枠とのあいだに大きな隙間が現出される。これにより、コンクリートの流し込み時に、型枠内にバイブレータを挿入してコンクリートを密実に締め固めることができなかった。その結果、打設された基礎の耐久性に若干の問題があった。
また、フーチング型枠および立ち上げ型枠が金属製であったので、型枠が重くて嵩張るとともに、型枠費も高価であった。
さらに、フーチング部は、その両側部分が立ち上げ部よりも外方に膨出した形状を有している。そのため、コンクリートの流し込み時において、フーチング型枠の両側上部などにコンクリート中の空気が溜まりやすかった。これにより、打設後の基礎の一部分に欠けなどが発生し、これが基礎の強度低下などの原因となっていた。
【0005】
【発明の目的】
そこで、この発明は、型枠の軽量化およびコンパクト化が図れるとともに型枠費を廉価にすることができ、湾曲するシート材の曲率が限定されず、しかもコンクリートの充填完了を簡単に確認することができ、さらにはコンクリート内の空気を良好に型枠外に抜き出すことができ、しかも打設後に接触しても角がない分だけ傷が付きにくく、設定されたコンクリート形状を確保することができ、打設後はコンクリートの養生に利用することができ、そしてシート材を紙製とした場合には、地中でシート材を自然に朽ちらせることができる捨て型枠を提供することを、目的としている。
この発明は、保管スペースが小さく、組み立てが簡単である入隅用、出隅用および止め用の捨て型枠を提供することを、その目的としている。
この発明は、定規を使用しなくても、捨て型枠の大まかな長さを認識することができる捨て型枠を提供することを、その目的としている。
この発明は、安価で、簡単な着脱作業により捨て型枠を立ち上げ型枠に連結することができる型枠固定具を提供することを、その目的としている。
この発明は、捨て型枠の裾部を被打設面にしっかりと固定することができる型枠固定用釘を提供することを、その目的としている。
この発明は、安価で、嵩張らず、使い勝手もよい型枠固定用補強部材を提供することを、その目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、打設時に流し込まれたコンクリートの漏れから、コンクリートの充填完了を確認可能な充填確認孔が形成された湾曲可能な紙製のシート材からなる捨て型枠であって、前記シート材が型枠組立時に型枠の外方に膨出したなだらかな凸状に湾曲する法面を有し、打設中でも打設前の形状を保持可能な硬度を有している捨て型枠である。
打設用のコンクリートの種類は限定されない。例えば、普通ポルトランドセメントなどが挙げられる。
このコンクリートの中には、直交する2つの仮想面内でそれぞれ屈曲したコンクリート補強用金属繊維を混入した方が好ましい。その混入量は、コンクリートの用途により異なる。例えば、建物の基礎用で20〜40kg/mである。
【0007】
このコンクリート補強用金属繊維の原料である金属材料は限定されない。例えば鋼鉄材料である純鉄、鋼鉄、軟鋼、特殊鋼、電気用鋼、鋳鋼、鋳鉄などが挙げられる。この鋼鉄材料の場合、コンクリート補強用金属繊維がコンクリート補強用鋼繊維となる。なお、比較的安価で高強度を有する非鉄金属、例えばアルミニウム合金なども採用することができる。
コンクリート補強用金属繊維の種類も限定されない。例えば、断面矩形状の細長い板である平線型の金属繊維、断面円形状の細長い金属繊維、突条の節を所定間隔ごとに有するインデント型の金属繊維、折れ曲がったフックが両端部に配置された両端フック型の金属繊維、略繊維全長にわたって波形状に屈曲した波型の金属繊維などが挙げられる。
なお、このコンクリート補強用金属繊維は、その表面を防錆膜で覆うこともできる。
【0008】
充填確認孔からのコンクリートの漏れの確認は、作業者などによる視認、液漏検出センサによる検出、カメラを用いた画像検出などを採用することができる。 充填確認孔の大きさは、コンクリートの液分は外部に漏れ、骨材などの固形物は漏れない大きさである。具体的には、直径2〜10mm、好ましくは4〜6mmである。2mm未満では目詰まりが生じて閉塞するおそれがある。また、10mmを超えるとモルタル成分が多量に漏れるおそれがある。
充填確認孔の形状は限定されない。通常は円形であるが、楕円形,三角形以上の多角形などでもよい。
充填確認孔の形成数は限定されない。例えば1つでもよいし、2つ以上形成してもよい。
【0009】
紙製のシート材は、遮水性を有する素材の方が、シート材自体からのコンクリートの液分の漏れがないので好ましい。遮水性を有するシート材としては、例えば、各種の合成樹脂シート、各種の合成樹脂膜により被覆されたラミネート紙、含有水分の増加に伴う強度の低下が小さい紙管原紙、撥水段ボール、耐水段ボール、紙素材に溶融パラフィンや微結晶ワックスなどを含浸された耐水紙などが挙げられる。
湾曲するシート材の曲率は限定されない。例えば、フーチング高さが住宅金融公庫仕様と同じで、フーチング部の体積が住宅金融公庫仕様と等しくなる半径120〜140mm程度である。
シート材の厚さは、シート材が湾曲可能で、かつ打設中でも打設前の形状を保持可能な厚さでれば限定されない。例えば0.7〜1.3mmくらいである。
【0010】
また、この発明は、前記捨て型枠が、コンクリートの入隅部分を打設する入隅用型枠で、該入隅用型枠が、それぞれ同じ曲率で凹状に湾曲した辺を有する2枚の入隅用部分型枠を有し、両入隅用部分型枠の湾曲した辺側の端部同士を屈曲自在に連結したものである。
入隅用部分型枠の湾曲した辺の曲率は限定されない。例えば、半径120〜140mmでもよい。
両入隅用部分型枠の屈曲自在な連結構造は限定されない。例えば、蝶番構造などを採用することができる。
【0011】
さらに、この発明は、前記捨て型枠が、コンクリートの出隅部分を打設する出隅用型枠で、該出隅用型枠が、それぞれ同じ曲率で凸状に湾曲した辺を有する2枚の出隅用部分型枠を有し、両出隅用部分型枠の湾曲した辺側の端部同士を曲率自在に連結したものである。
出隅用部分型枠の湾曲した辺の曲率は限定されない。例えば、半径120〜140mmでもよい。
両出隅用部分型枠の屈曲自在な連結構造は限定されない。例えば、入隅用部分型枠と同じ蝶番構造などを採用することができる。
【0012】
請求項1に記載の発明は、打設時に流し込まれたコンクリートの漏れから、コンクリートの充填完了を確認可能な充填確認孔が形成された湾曲可能なシート材からなり、前記シート材が型枠組立時になだらかに湾曲する法面を有し、かつ打設中でも打設前の形状を保持可能な硬度を有した捨て型枠であって、前記捨て型枠が、コンクリートの止め部分を打設する止め用型枠で、該止め用型枠がそれぞれ同じ曲率で凸状に湾曲した辺を有する3枚の止め用部分型枠を有し、これらの止め用部分型枠の湾曲した辺側の端部同士を屈曲自在に連結したものである捨て型枠である。
止め用部分型枠の湾曲した辺の曲率は限定されない。例えば、半径120〜140mmでもよい。
3枚の止め用部分型枠に屈曲自在な連結構造は限定されない。例えば、入隅用部分型枠と同じ蝶番構造などを採用することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記充填確認孔が、前記シート材に一定ピッチで複数形成されている請求項1に記載の捨て型枠である。
充填確認孔が複数の場合には、例えば縦方向60mm,横方向151.5mm程度の一定ピッチでシート材に形成することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、被打設面への基礎の打設時に流し込まれたコンクリートの漏れから、コンクリートの充填完了を確認可能な充填確認孔が形成された湾曲可能なシート材からなり、前記シート材が型枠組立時になだらかに湾曲する法面を有し、かつ打設中でも打設前の形状を保持可能な硬度を有した捨て型枠であるフーチング型枠と、その上に配置される立ち上げ型枠とを、互いに連続した状態で略逆T字形状に組み立てる際に利用される型枠固定具であって、前記フーチング型枠を掛止する第1の掛止部と、前記立ち上げ型枠に掛止される第2の掛止部とを有する線材製のクリップからなり、前記第1の掛止部は、前記シート材の上端部に形成された長孔に該長孔の立ち上げ型枠側から差し込み可能で、かつ平面視してコの字形状を有し、前記第2の掛止部は、前記第1の掛止部の両端部にそれぞれ屈曲して形成され、かつ前記立ち上げ型枠の下側に断面L字形に屈曲したフランジに掛止される型枠固定具である。
ここでいう被打設面とは、例えば捨てコンクリートの表面、填圧された地面などが挙げられる。捨てコンクリートは、直接、地面に打設してもよいし、割りぐり石などを介して打設してもよい。
基礎は建物用に限定されない。例えば、橋りょうや擁壁の基礎などが挙げられる。要は、主として地中に構築され、上部構造物の荷重を所定の支持地盤に伝え、安定した支持機能を負担する部分であればよい。
【0015】
基礎の種類としては、例えば柱1本に対して1個打設される独立基礎、複数本の組柱に対して1個打設される連続(布)基礎および複合基礎、上部構造物の全体に対して1個のべた基礎などが挙げられる。
フーチング型枠と立ち上げ型枠とは、ほとんど隙間が存在しないように連結される。そのため、コンクリート流し込み時にコンクリートの締め固め用のバイブレータの使用が可能になる。
型枠固定具であるクリップの形状は限定されない。要は、前記フーチング型枠を掛止する第1の掛止部と、立ち上げ型枠を掛止する第2の掛止部とを有していればよい。
【0016】
さらに、この発明は、打設時に流し込まれたコンクリートの漏れから、コンクリートの充填完了を確認可能な充填確認孔が形成された湾曲可能なシート材からなり、前記シート材が型枠組立時になだらかに湾曲する法面を有し、かつ打設中でも打設前の形状を保持可能な硬度を有した捨て型枠の裾部を、被打設面に固定するときに使用される型枠固定用釘であって、頭部の外径が、胴部の外径の3倍を超えた型枠固定用釘である。
このような釘は、例えば製釘時、線材の先端部をクランプして所定長さの釘軸部を外方に突出させ、この釘軸部をパンチングして頭部を鍛造した後、この線材の先端部を釘長さ分で切断して釘を製造する際において、釘軸部が複数の部分釘軸部に分割され、この頭部は、この複数の部分釘軸部をそれぞれパンチングして分割鍛造することで得ることができる。
3倍以下では、捨て型枠の裾部を被打設面に押さえ付ける面積が小さい。
【0017】
請求項4に記載の発明は、打設時に流し込まれたコンクリートの漏れから、コンクリートの充填完了を確認可能な充填確認孔が形成された湾曲可能なシート材からなり、前記シート材が型枠組立時になだらかに湾曲する法面を有し、かつ打設中でも打設前の形状を保持可能な硬度を有した捨て型枠を利用して被打設面にコンクリートを打設する際、前記捨て型枠内に流し込まれたコンクリートが、被打設面と該被打設面に固定された前記捨て型枠の裾部との隙間から漏れるのを防ぐ型枠固定用補強部材であって、前記捨て型枠の裾部を被打設面に押し付ける押圧片と、該押圧片に一体形成され、前記捨て型枠の裾部に連続した立ち上げ部を外方から支持する当てがい片とを備えた型枠固定用補強部材である。
型枠固定用補強部材の素材は限定されない。例えば、請求項1の捨て型枠と同じ素材を採用することができる。中でも、少なくとも片面に合成樹脂フィルムが積層されたラミネート紙が、軽くて安価であるため好ましい。押圧片および当てがい片の大きさ、厚さなどは適宜設定される。
【0018】
【作用】
この発明の捨て型枠によれば、コンクリートの流し込み時、捨て型枠の内部空気の一部分およびコンクリートに含まれた空気は、充填確認孔を通して型枠の外に円滑に排出される。これにより、型枠の外方に膨出した部分に空気が溜まることで、コンクリートの強度低下が起きるおそれが低減される。
その後、充填確認孔からコンクリートが漏れた状態を、例えば作業者が視認することで、捨て型枠の内部空隙のうち、その充填確認孔が形成された部分までコンクリートが充填されていることを知ることができる。また、捨て型枠がこのようにシート材であるので、型枠の軽量化およびコンパクト化が図れるとともに、型枠費を廉価にすることができる。さらに、シート材を湾曲可能に構成したので、シート材の曲率が限定されず、打設後はコンクリートの養生に利用することができ、そしてシート材が紙製である場合には、地中でシート材を自然に朽ちらせることができる。
さらに、シート材が、型枠組立時になだらかに湾曲する法面を有しているので、打設されたコンクリートに作業者の足や資材などが接触しても、コンクリートに角がない分だけ怪我をしたり、資材に傷が付きにくい。また、打設中でも打設前の形状を保持可能な硬度を有しているので、打設後、あらかじめ設定されたコンクリート形状を確保することができる。
【0019】
特に、入隅用型枠、出隅用型枠および止め用型枠を折り畳み自在に設けたので、形状が複雑な入隅用型枠、出隅用型枠および止め用型枠であっても、保管スペースが小さく、組み立ても簡単に行うことができる。
【0020】
また、請求項2に記載の発明によれば、充填確認孔が、前記シート材に一定ピッチで形成されているので、定規を用いることなく、捨て型枠の長さを大まかに認識することができる。
【0021】
さらに、請求項3に記載の型枠固定具によれば、クリップ形状の型枠固定具のうち、第1の掛止部によりフーチング型枠を掛止し、第2の掛止部によって立ち上げ型枠を掛止する。このようにして、捨て型枠のフーチング型枠を立ち上げ型枠に固定するので、安価で、簡単な掛止作業によって捨て型枠を立ち上げ型枠に連結することができる。
【0022】
さらに、この発明の型枠固定用釘によれば、頭部の外径が、胴部の外径の3倍を超えているので、釘の頭部の面積が大きく、捨て型枠の裾部を被打設面にしっかりと固定することができる。
【0023】
そして、請求項4に記載の型枠固定用補強部材にあっては、捨て型枠の裾部を被打設面に固定する際、押圧片によりその裾部を被打設面に押し付け、当てがい片により捨て型枠の立ち上げ部を外方から保持する。型枠固定用補強部材は、押圧片と当てがい片とを一体化した部材であるので、安価で嵩張らず、使用も容易である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
図1は、この発明の一実施例に係る捨て型枠を利用した基礎のストレート部分の施工状態を示す斜視図である。図2は、この発明の一実施例に係る捨て型枠を利用した基礎の入隅部分の施工状態を示す斜視図である。図3は、この発明の一実施例に係る入隅用捨て型枠の分解状態を示す平面図である。図4は、この発明の一実施例に係る捨て型枠を利用した基礎の出隅部分の施工状態を示す斜視図である。図5は、この発明の一実施例に係る出隅用捨て型枠の分解状態を示す平面図である。図6は、この発明の一実施例に係る止め用型枠を利用した基礎の止め部分の施行状態を示す斜視図である。図7は、この発明の一実施例に係る止め用型枠の分岐状態を示す平面図である。図8は、この発明の一実施例に係る型枠固定具を示す斜視図である。図9は、この発明の一実施例に係る型枠固定具の使用状態を示す斜視図である。図10(a)〜図15(a)は、この発明の別の形態の型枠固定具を示す正面図である。図10(b)〜図15(b)は、この発明の別の形態の型枠固定具を示す側面図である。図16(a)は、この発明の一実施例に係る基礎施工方法に利用されるコンクリート補強用金属繊維の拡大正面図である。図16(b)は、この発明の一実施例に係る基礎施工方法に利用されるコンクリート補強用金属繊維の拡大平面図である。図17(a)は、この発明の一実施例に係る基礎施工方法の捨てコンクリート打設後の状態を示す縦断面図である。図17(b)は、この発明の一実施例に係る基礎施工方法の型枠組み立て工程を示す縦断面図である。図17(c)は、この発明の一実施例に係る基礎施工方法のコンクリート流し込み工程を示す縦断面図である。図18は、この発明の一実施例に係る基礎施工方法によって施工された基礎の要部拡大断面図である。
【0025】
図1において、10は住宅用の略逆T字形を有する基礎のフーチング部を打設する際に利用される、湾曲自在なシート材からなるストレート部用型枠(フーチング型枠/捨て型枠)である。ここでは平面視して直線的に左右対配置される多数のストレート部用型枠10…が使用される。ストレート部用型枠10…はラミネート紙製の捨て型枠で、紙の表裏両面が防水フィルムにより覆われている。その紙サイズは、縦900mm,横330mmで、厚さ0.7〜1.0mmである。表裏両面のフィルム厚さは20μmである。これにより、ストレート部用型枠10…は、型枠組立時に半径132mmのなだらかに湾曲する法面を有し、打設中でも打設前の形状を保持可能なシートとなる。
ストレート部用型枠10…のシート幅方向の一端部には、シート長さ方向に向かって151.5mmピッチで、多数の長孔10a…が形成されている。しかも、各ストレート部用型枠10…の長孔10aが形成されていない部分には、シート長さ方向に向かって151.5mmピッチ、シート幅方向に向かって60mmピッチで、多数の充填確認孔10b…が点在されている。
充填確認孔10b…とは、打設時に流し込まれたコンクリートの漏れから、コンクリートの充填完了を確認する孔である。直径は5mmである。
【0026】
次に、図2および図3を参照して、平面視すると直線的なストレート部用型枠10…とは異なり、基礎のうち、入隅部分を打設するときに利用される入隅用型枠(フーチング型枠/捨て型枠)10A…を説明する。
各入隅用型枠10Aは、同じ曲率で凹状に湾曲した辺を有する略線対称な台形状の2枚の入隅用部分型枠40A,40Bから構成される。一方の入隅用部分型枠40Aには、その凹状に湾曲した辺に沿って、一定ピッチで多数の掛止スリット40a…が形成されている。他方の入隅用型枠40Bには、その凹状に湾曲した辺に沿って、一定ピッチで多数の掛止突起40b…が一体的に突設されている。また、両入隅用部分型枠40A,40Bの下底には、捨てコンクリート12の表面(被打設面)に固定される裾部が一体形成されている。入隅用部分型枠40Aの掛止スリット40a…に、入隅用部分型枠40Bの掛止突起40b…をそれぞれ差し込んで連結し、それを略90度開くことで、入隅用型枠10Aが組み立てられる(図2)。
【0027】
次に、図4および図5を参照して、基礎のうち、出隅部分を打設するときに利用される出隅用型枠(フーチング型枠/捨て型枠)10Bを説明する。
各出隅用型枠10Bは、それぞれ同じ曲率で凸状に湾曲した辺を有する略線対称な台形状の2枚の出隅用部分型枠50A,50Bから構成される。一方の出隅用部分型枠50Aには、その凸状に湾曲した辺に沿って、一定ピッチで多数の掛止突起50a…が一体的に突設されている。他方の出隅用型枠50Bには、その凸状に湾曲した辺に沿って、一定ピッチで掛止スリット50b…が形成されている。また、両出隅用部分型枠50A,50Bの下底には、捨てコンクリート12の表面に固定される裾部が一体形成されている。出隅用部分型枠50Aの掛止突起50a…と、出隅用部分型枠50Bの掛止スリット50b…とをそれぞれ掛止し、それを略90度開くことで、出隅用型枠10Bが組み立てられる(図4)。
【0028】
次に、図5および図6を参照して、基礎のうち、止め部分を打設するときに利用される止め用型枠(フーチング型枠/捨て型枠)10Cを説明する。
止め用型枠10Cは、両側にそれぞれ同じ曲率で凸状に湾曲した2辺を有する1枚の止め用部分型枠80Aと、この2辺の曲率と同じ曲率で凸状に湾曲した1辺を有する台形状の2枚の止め用部分型枠80B,80Bとから構成される。止め用部分型枠80Aには、その凸状に湾曲した両辺に沿って、一定ピッチで多数の掛止突起80a…が一体的に突設されている。各止め用部分型枠80B,80Bには、その凸状に湾曲した辺に沿って、一定ピッチで掛止スリット80b…が形成されている。また、各止め用部分型枠80A,80B,80Bの下底には、捨てコンクリート12の表面に固定される裾部が一体形成されている。止め用部分型枠80Aの掛止突起80a…と、止め用部分型枠80B,80Bの掛止スリット80b…とをそれぞれ掛止し、3枚の止め用部分型枠80A,80B,80Cを平面視して略コの字形に開くことで、止め用型枠10Cが組み立てられる(図6)。
【0029】
次に、図1および図17を参照して、基礎用の型枠を組み立てる際に用いられる型枠固定金具20…を説明する。
図1および図17に示すように、各型枠固定金具20は、型枠の長さ方向に一定ピッチで配置される。型枠固定金具20は、スタンド部材21と、スタンド部材21に設けられ、略逆T字形の基礎を打設する際に利用される、1対のストレート部用型枠10,10およびその上に配置される1対の立ち上げ型枠11,11を、互いに略隙間なく連結するための型枠連結部材22とを備えている。
スタンド部材21は、矩形状のベース板23と、このベース板23の長さ方向の両端部に立設された1対の支柱24,24とから構成される。支柱24,24の高さが、打設されたフーチング部の略高さとなる。これらの支柱24,24の上端に、型枠連結部材22が横架されている。
型枠連結部材22は、ベース板23と略同じサイズの板体である。型枠連結部材22の長さ方向の両端部には、2枚の立ち上げ型枠11,11の下部を内外方向から支える2対の支持片25…がそれぞれ突設されている。これらの支持片25…のうち、外側の支持片25…には、前記長孔10a…を介して、ストレート部用型枠10,10の一端部が掛止される。
【0030】
次に、図8および図9を参照して、ストレート部用型枠10…、入隅用型枠10A…、出隅用型枠10B…を、それぞれ立ち上げ型枠11…に固定する型枠固定具15…を説明する。
各型枠固定具15は、ストレート部用型枠10、入隅用型枠10Aまたは出隅用型枠10Bを立ち上げ型枠11に掛止する第1の掛止部15aと、立ち上げ型枠11に掛止される第2の掛止部15b,15cとを一体的に連結した大型のクリップである。素材の線材は鋼線で、直径は3.2mmである。以下、図8の図面上の方向を利用して説明する。第1の掛止部15aは、平面視してコの字形で、その平行なコの字の平行部分の間隔は、長孔10aより若干短い。この第1の掛止部15aの両端は上方に向かって若干屈曲した後、それぞれ外方に向かって屈曲している。これらの屈曲部が、前記第2の掛止部15b,15cとなる。そのうち、一方(図8左側)の第2の掛止部15bは、下方前方に向かって略V字形に傾斜している。この部分が、立ち上げ型枠11の下側の断面L字形に屈曲したフランジ11aに掛止される。これに対して、他方(図8右側)の第2の掛止部15cは、同様に下方前方に向かって略V字形状に折れ曲がった後、さらに上方後方に向かって略逆V字形状に折れ曲がっている。この第2の掛止部15cのうち、略V字形状に折れ曲がった部分が、同様に立ち上げ型枠11の下側のフランジ11aに掛止される。また、この第2の掛止部15cのうち、略逆V字形状に傾斜した部分が、型枠固定具15によりストレート部用型枠10を立ち上げ型枠11に掛止する際の把手15dとなる。
【0031】
すなわち、この型枠固定具15の使用法にあっては、長孔10aに第1の掛止部15aを挿入する。このとき、第1の掛止部15aの挿入方向は、立ち上げ型枠11側である。その後、一方の第2の掛止部15bを立ち上げ型枠11の下側のフランジ11aに掛止する。次いで、他方の第2の掛止部15cをこのフランジ11aに掛止する。このとき、型枠固定具15が直径3.2mmの鋼線製であるので、第2の掛止部15cには大きなばね力が作用する。しかしながら、把手5dを握り、この第2の掛止部15cを上方にねじ曲げることができるので、比較的簡単に第2の掛止部15cをフランジ11aに掛止することができる。
【0032】
ここで、図10〜図15を参照して、型枠固定具15の他の形態を示す。例えば、図10(a),(b)に示す型枠固定具15Aは、第2の掛止部15b,15cが側面視して略四角形に屈曲している。また、図11(a),(b)に示す別の型枠固定具15Bは、第2の掛止部15b,15cが、第1の掛止部15aに向かってくの字に屈曲している。さらに、図12(a),(b)に示す型枠固定具15Cは、第2の掛止部15b,15cが、先端に向かって徐々に第1の掛止部15a側に傾斜している。その他、図13(a),(b)に示す型枠固定具15Dは、連結部15eを介して、2つの第1の掛止部15a,15aが一体的に連続し、かつ第2の掛止部15b,15cが側面視して略四角形に屈曲している。図14(a),(b)に示す型枠固定具15Eは、連結部15eを介して、2つの第1の掛止部15a,15aが一体的に連続し、かつ第2の掛止部15b,15cが、側面視して第1の掛止部15aに向かってくの字に屈曲している。図15(a),(b)に示す型枠固定具15Fは、連結部15eを介して、2つの第1の掛止部15a,15aが一体的に連続し、かつ第2の掛止部15b,15cが、先端に向かって徐々に第1の掛止部15a側に傾斜している。
【0033】
次に、図16を参照して、基礎打設用のコンクリートに混入されるコンクリート補強用鋼繊維30…を詳細に説明する。
図16に示す各コンクリート補強用鋼繊維30は、長さL30mm、幅w0.75mm、厚さt0.40mm、正面視した波形のピッチP1は8.5mm、その波形の丈H1は1.25mm(図16(a))、平面視した波形のピッチP2は14.0mm、その波形の丈H2は2.0mm(図16(b))の軟鉄製からなる細長い板片である。
コンクリートへの混入割合は20kg/mである。なお、この鋼繊維30の製造は、冷間引き抜き法による。
【0034】
このように、コンクリート補強用鋼繊維30が、直交する2つの仮想面(正面および平面)内で波形状に屈曲しているので、コンクリート中に、仮にコンクリート補強用鋼繊維30が十分に分散されていなくても、例えば1つの仮想面だけで屈曲する波形状のコンクリート補強用鋼繊維に比べて、それぞれのコンクリート補強用鋼繊維30の波形の突出部分が障害となり、隣接するコンクリート補強用鋼繊維30が重なりにくくなる。その結果、隣接するコンクリート補強用鋼繊維30とコンクリート補強用鋼繊維30とのあいだに隙間が確保されやすくなる。よって、コンクリート中でのファイバーボールの発生を抑えることができる。 したがって、このような構造のコンクリート補強用鋼繊維30が分散された基礎は、その強度が基礎全体で略均一化する。よって、例えば基礎の表層のように、埋め込まれた鉄筋によるひび割れ分散効果の影響が小さい領域でも、ひび割れの進行を抑えることができる(図18)。
【0035】
次に、図1および図17を参照して、この一実施例に係る基礎施工方法を説明する。
まず、地盤上に捨てコンクリート12を打設する(図17(a))。地盤には、あらかじめ割ぐりを敷設した割ぐり地業、砂を敷設した砂地業、砂利を敷設した砂利地業、杭打ちを行った杭打ち地業などを施しておいてもよい。
次いで、図17(b)に示すように、捨てコンクリート12の表面に、複数台の型枠固定金具20…を離間状態で、基礎が施工される仮想直線上に配置する。その後、各型枠連結部材22の中間部上に、逆T字形の鉄筋13を載置する。 それから、各型枠固定金具20…を介して、2枚のストレート部用型枠10…と、入隅部分の入隅用型枠10A…と、出隅部分の出隅用型枠10B…と、対配置される立ち上げ型枠11…とを、略隙間がない連結状態で組み立てる。
【0036】
すなわち、ストレート部用型枠10…の各一端部を、型枠長さ方向に1つ置きの長孔10a…を介して、支持片25…のうちの外側の支持片25…にそれぞれ掛止する。また、入隅用型枠10A…は、あらかじめ各入隅用部分型枠40A,40Bを、掛止スリット40a…と掛止突起40b…との掛止部を中心にして略90度開いて組み立てておく(図2)。その後、ストレート部用型枠10…と同様に、外側の支持片25…にそれぞれ掛止する。さらに、出隅用型枠10B…は、あらかじめ各出隅用部分型枠50A,50Bを、掛止突起50a…と掛止スリット60b…との掛止部を中心にして略90度開いて組み立てておく(図4)。その後、ストレート部用型枠10…と同様に、外側の支持片25…にそれぞれ掛止する。
そして、支持片25…が遊挿されていない長孔10a…には型枠固定具15…をそれぞれ挿入し、これらの型枠固定具15…を介して、ストレート部用型枠10…、入隅用型枠10A…および出隅用型枠10B…の各一部分を、立ち上げ型枠11…の下端部に掛止する。これらのクリップ15…は繰り返し使用することができる。
【0037】
ストレート部用型枠10…、入隅用型枠10A…および出隅用型枠10B…の他端部は、捨てコンクリート12の表面にそれぞれ釘止めする。使用される釘60…は焼き入れされ、頭部60a…の外径が胴部60b…の外径の3倍を超えるものを使用する。具体的には、頭部60a…の外径が8.5〜11.5mm、胴部60b…の長さが38〜50mmの釘である。これにより、ストレート部用型枠10…などの裾部を捨てコンクリート12にそれぞれしっかりと固定することができる(図1の部分拡大図)。捨てコンクリート12に代えて、填圧された地面に固定する場合には、頭部の外径が8.5〜11.5mm、胴部の長さが75〜150mmの焼き入れしていない釘を使用する。
【0038】
また、この一実施例では、釘60を捨てコンクリート12に打ちつける際に、平面視して矩形状の型枠固定用補強部材70…を当て板にして釘打ちしている。これは、コンクリートが捨てコンクリート12とストレート部用型枠10…、入隅用型枠10A…および出隅用型枠10B…の裾部から外部に漏れないようにするためである。この型枠固定用補強部材70…は、ストレート部用型枠10…と同じ防水性を有するラミネート紙製で、前記各裾部を被打設面に押し付ける短冊状の押圧片71…と、押圧片71…に一体形成され、対応する裾部に連続したストレート部用型枠10…などの各立ち上げ部を外方から支持する当てがい片71…とから構成されている。このため、安価で嵩張らず、使用も簡単である。
立ち上げ型枠11…は、各型枠連結部材22…の両端部でそれぞれ対向配置された支持片25…間にそれぞれ横架される。これにより、対応するストレート部用型枠10…などの内部空間(フーチング部打設空隙)と、立ち上げ型枠11…の内部空間(立ち上げ部打設空隙)とが連通される。
【0039】
次に、図17(c)に示すように、各立ち上げ型枠11…間の上端開口部から、フーチング部打設空隙および立ち上げ部打設空隙にコンクリートを流し込む。その際、棒状のバイブレータ14を挿入し、コンクリートを流動化させ、コンクリート中の空隙や不要の水分を排除し、型枠内でコンクリートを密実に締め固める。これにより基礎の耐久性が高まる。その際、前述したようにストレート部用型枠10…、入隅用型枠10A…および出隅用型枠10B…と立ち上げ型枠11…との連結部分には、隙間がほとんど存在しない。そのため、この型枠の連結部分からコンクリートが漏れるおそれはほとんどない。
コンクリートの流し込み時、フーチング部打設空隙の内部空気の一部分およびコンクリートに含まれている空気は、充填確認孔10b…を通して型枠の外に円滑に排出される。これにより、ストレート部用型枠10…などの外方に膨出した両端部上に空気が溜まり、打設されたフーチング部の強度低下を招くおそれが低減される。
【0040】
特に、この一実施例のように、ストレート部用型枠10…などが湾曲自在なシート材で作製されている場合には、シート材の柔軟性の度合いによっては、ストレート部用型枠10…などの全体またはその一部分に大小の凹凸が現出し、前記空気の溜まり部分が多発するおそれがある。しかしながら、これらのストレート部用型枠10…などは、型枠組立時になだらかに湾曲する法面を有し、打設中でも打設前の形状を保持可能な硬度を有しているので、凹凸が現出するおそれがない。しかも、コンクリート中の空気は、近傍の充填確認孔10b…から型枠の外に抜き出すことができる。
その後、作業者が充填確認孔10b…からのコンクリートの漏れを視認することで、フーチング部打設空隙のうちの、この充填確認孔10b…が形成された部分まではコンクリートが充填されていることを、容易に知ることができる。
コンクリートの流し込み後、所定の時間だけ放置し、コンクリートを養生、固化する。次に、立ち上げ型枠11…を脱型することで、捨てコンクリート12上に、フーチング部および立ち上げ部からなる基礎が打設される。このとき、シート状の捨て型枠であるストレート部用型枠10…、入隅用型枠10A…、出隅用型枠10B…および止め用型枠10C…は、フーチング部の表面から剥ぎ取らずに放置されることにより、続くコンクリートの養生にも利用される。
【0041】
このように、ストレート部用型枠10…などが湾曲自在なシート材であるので、型枠の軽量化およびコンパクト化が図れ、型枠費を廉価にすることができる。
また、ストレート部用型枠10…などと立ち上げ型枠11…とが、型枠固定金具20…を介して略隙間なく連結されているので、フーチング部と立ち上げ部とを1回のコンクリートの打設で作製することができる。その結果、基礎施工の工期が短縮し、施工コストの低下が図れ、コールドジョイントも解消することができる。
さらに、ストレート部用型枠10…、入隅用型枠10A…、出隅用型枠10B…および止め用型枠10C…などを遮水性を有するラミネート紙により作製したので、充填確認孔10b…以外のフーチング型枠の全体からのコンクリートの漏れを防止することができる。しかも、充填確認孔10b…の周辺では充填確認孔10b…以外の部分からのコンクリート漏れがないので、充填確認孔10b…を利用したコンクリートの充填確認作業の誤認を防ぐことができる。
【0042】
そして、ストレート部用型枠10…、入隅用型枠10A…、出隅用型枠10B…および止め用型枠10C…が、型枠組立時になだらかに湾曲する法面を有しているので、打設されたコンクリートに作業者の足や資材などが接触しても、フーチング部に角がない分だけ作業者が怪我をしたり、資材などに傷が付いたりしにくい。また、打設中でも打設前の形状を保持可能な硬度を有しているので、打設後、あらかじめ設定された住宅金融公庫仕様のフーチング部の形状を確保することができる。
また、入隅用型枠10A…、出隅用型枠10B…および止め用型枠10C…を折り畳み自在に設けたので、断面形状が一定なストレート部用型枠10…に比較して形状が複雑な入隅用型枠10A…、出隅用型枠10B…および止め用型枠10C…であっても、保管スペースが小さく、組み立ても簡単に行うことができる。
各充填確認孔10b…が、ストレート部用型枠10…などに一定ピッチで形成されているので、定規を使用しなくても、ストレート部用型枠10…などの大まかな長さを認識することができる。
また、クリップ形状の型枠固定具15…によりストレート部用型枠10…などを所定の立ち上げ型枠11…に固定するので、安価で、簡単な掛止作業によってストレート部用型枠10…などを立ち上げ型枠11…に連結することができる。
【0043】
【発明の効果】
この発明によれば、型枠として充填確認孔を有するシート材の捨て型枠を採用したので、コンクリートの流し込み時、捨て型枠の内部空気やコンクリートに含まれた空気は、充填確認孔から型枠の外にスムーズに排出される。そのため、例えば型枠の外方に膨出した部分が存在しても、この部分に、コンクリートの強度低下を招く空気の溜まり部分が発生するおそれを低減することができる。
また、捨て型枠がシート材であるため、型枠の軽量化およびコンパクト化が図れ、しかも型枠代を廉価にすることができる。
さらに、シート材に充填確認孔を形成したので、充填確認孔からコンクリートが漏れた状態を確認するだけで、コンクリートの充填が終了した範囲を容易に知ることができる。 さらにまた、シート材が、型枠組立時になだらかに湾曲する法面を有しているので、打設されたコンクリートに作業者や資材などが接触しても、怪我をしたり、資材などが傷付きにくい。また、打設中でも打設前の形状を保持可能な硬度を有しているので、打設後、あらかじめ設定されたコンクリート形状を確保することができる。また、打設後はこの捨て型枠をコンクリートの養生に利用することができる。そして、シート材が紙製の場合には、地中でシート材を自然に朽ちらせることができる。
【0044】
特に、入隅用型枠、出隅用型枠および止め用型枠を折り畳み自在にしたので、形状が複雑な入隅用型枠、出隅用型枠および止め用型枠であっても、保管スペースが小さく、組み立ても簡単に行うことができる。
【0045】
また、請求項2に記載の発明によれば、シート材に充填確認孔が一定ピッチで形成されているので、定規がなくても、捨て型枠の大まかな長さを認識することができる。
【0046】
請求項3に記載の型枠固定具によれば、クリップ形状の型枠固定具を使用して、捨て型枠のフーチング型枠を立ち上げ型枠に固定するので、安価で、簡単な掛止作業により捨て型枠を立ち上げ型枠に連結することができる。
【0047】
この発明の型枠固定用釘によれば、頭部の外径が、胴部の外径の3倍を超えているので、釘の頭部の面積が大きく、捨て型枠の裾部を被打設面にしっかりと固定することができる。
【0048】
請求項4に記載の型枠固定用補強部材にあっては、捨て型枠の裾部を被打設面に押し付ける押圧片と、捨て型枠の立ち上げ部を外方から保持する当てがい片とを有しているので、安価で、嵩張らず、捨て型枠の裾部と被打設面との隙間からコンクリートが漏れるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係る捨て型枠を利用した基礎のストレート部分の施工状態を示す斜視図である。
【図2】 この発明の一実施例に係る捨て型枠を利用した基礎の入隅部分の施工状態を示す斜視図である。
【図3】 この発明の一実施例に係る入隅用捨て型枠の分解状態を示す平面図である。
【図4】 この発明の一実施例に係る捨て型枠を利用した基礎の出隅部分の施工状態を示す斜視図である。
【図5】 この発明の一実施例に係る出隅用捨て型枠の分解状態を示す平面図である。
【図6】 この発明の一実施例に係る止め用型枠を利用した基礎の止め部分の施行状態を示す斜視図である。
【図7】 この発明の一実施例に係る止め用型枠の分岐状態を示す平面図である。
【図8】 この発明の一実施例に係る型枠固定具を示す斜視図である。
【図9】 この発明の一実施例に係る型枠固定具の使用状態を示す斜視図である。
【図10】 (a)は、この発明の別の形態の型枠固定具を示す正面図である。
(b)は、この発明の別の形態の型枠固定具を示す側面図である。
【図11】 (a)は、この発明のまた別の形態の型枠固定具を示す正面図である。
(b)は、この発明のまた別の形態の型枠固定具を示す側面図である。
【図12】 (a)は、この発明のさらに別の形態の型枠固定具を示す正面図である。
(b)は、この発明のさらに別の形態の型枠固定具を示す側面図である。
【図13】 (a)は、この発明のさらにまた別の形態の型枠固定具を示す正面図である。
(b)は、この発明のさらにまた別の形態の型枠固定具を示す側面図である。
【図14】 (a)は、この発明の他の形態の型枠固定具を示す正面図である。
(b)は、この発明の他の形態の型枠固定具を示す側面図である。
【図15】 (a)は、この発明のさらに他の形態の型枠固定具を示す正面図である。
(b)は、この発明のさらに他の形態の型枠固定具を示す側面図である。
【図16】 (a)は、この発明の一実施例に係る基礎施工方法に利用されるコンクリート補強用金属繊維の拡大正面図である。
(b)は、この発明の一実施例に係る基礎施工方法に利用されるコンクリート補強用金属繊維の拡大平面図である。
【図17】 (a)は、この発明の一実施例に係る基礎施工方法の捨てコンクリート打設後の状態を示す縦断面図である。
(b)は、この発明の一実施例に係る基礎施工方法の型枠組み立て工程を示す縦断面図である。
(c)は、この発明の一実施例に係る基礎施工方法のコンクリート流し込み工程を示す縦断面図である。
【図18】 この発明の一実施例に係る基礎施工方法によって施工された基礎の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
10 ストレート部用型枠(フーチング型枠/捨て型枠)、
10A 入隅用型枠、
10B 出隅用型枠、
10C 止め用型枠、
10b 充填確認孔、
11 立ち上げ型枠、
12 捨てコンクリート(被打設面)、
15 型枠固定具、
15a 第1の掛止部、
15b、15c 第2の掛止部、
40A、40B 入隅用部分型枠、
50A、50B 出隅用部分型枠、
60 型枠固定用釘、
60a 頭部、
60b 胴部、
70 型枠固定用補強部材、
71 押圧片、
72 立ち上げ部、
80A、80B 止め用部分型枠。

Claims (4)

  1. 打設時に流し込まれたコンクリートの漏れから、コンクリートの充填完了を確認可能な充填確認孔が形成された湾曲可能なシート材からなり、前記シート材が型枠組立時になだらかに湾曲する法面を有し、かつ打設中でも打設前の形状を保持可能な硬度を有した捨て型枠であって、
    前記捨て型枠が、コンクリートの止め部分を打設する止め用型枠で、
    該止め用型枠がそれぞれ同じ曲率で凸状に湾曲した辺を有する3枚の止め用部分型枠を有し、これらの止め用部分型枠の湾曲した辺側の端部同士を屈曲自在に連結したものである捨て型枠。
  2. 前記充填確認孔が、前記シート材に一定ピッチで複数形成されている請求項1に記載の捨て型枠。
  3. 被打設面への基礎の打設時に流し込まれたコンクリートの漏れから、コンクリートの充填完了を確認可能な充填確認孔が形成された湾曲可能なシート材からなり、前記シート材が型枠組立時になだらかに湾曲する法面を有し、かつ打設中でも打設前の形状を保持可能な硬度を有した捨て型枠であるフーチング型枠と、その上に配置される立ち上げ型枠とを、互いに連続した状態で略逆T字形状に組み立てる際に利用される型枠固定具であって、
    前記フーチング型枠を掛止する第1の掛止部と、前記立ち上げ型枠に掛止される第2の掛止部とを有する線材製のクリップからなり、
    前記第1の掛止部は、前記シート材の上端部に形成された長孔に該長孔の立ち上げ型枠側から差し込み可能で、かつ平面視してコの字形状を有し、
    前記第2の掛止部は、前記第1の掛止部の両端部にそれぞれ屈曲して形成され、かつ前記立ち上げ型枠の下側に断面L字形に屈曲したフランジに掛止される型枠固定具。
  4. 打設時に流し込まれたコンクリートの漏れから、コンクリートの充填完了を確認可能な充填確認孔が形成された湾曲可能なシート材からなり、前記シート材が型枠組立時になだらかに湾曲する法面を有し、かつ打設中でも打設前の形状を保持可能な硬度を有した捨て型枠を利用して被打設面にコンクリートを打設する際、前記捨て型枠内に流し込まれたコンクリートが、被打設面と該被打設面に固定された前記捨て型枠の裾部との隙間から漏れるのを防ぐ型枠固定用補強部材であって、
    前記捨て型枠の裾部を被打設面に押し付ける押圧片と、
    該押圧片に一体形成され、前記捨て型枠の裾部に連続した立ち上げ部を外方から支持する当てがい片とを備えた型枠固定用補強部材。
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