JP3895870B2 - レールの伸縮継目装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は鉄道レールの伸縮継目部に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりロングレールの伸縮を調節する、いわゆる伸縮継目装置として図10に示すものが知られている。これは前後のレール端部1、2の一方に、先端を尖鋭に形成するとともに対向側面1hを傾斜状に形成したトングレールを使用し、また前後のレール端部1、2の他方に、傾斜状の対向側面2hを有する受けレールを使用し、対向側面1h、2hを近接するものである。この従来例によると軌間線欠線b′とレール端部2の頭側面2gとの間隔を小さくすることができ、車輪フランジが頭側面2gに係止され、車輪全体がレール端部2に乗り上げることがなく、効果的である。
【0003】
しかし、この従来例の場合、破線で示すようにレール端部を短くすると、トングレールの傾斜角fが、長く形成したトングレール(実線で示す)の傾斜角eより大きくなる。このため温度上昇によりトングレールが例えば距離x、伸長すると、トングレールが長い場合は実線細線で示すようになり、距離w、変位するのに対し、短い場合は1点鎖線で示すように距離W、変位して車両の安全走行を阻害するほど軌間が小さくなる。よって従来例では傾斜角を小さく、つまりレール端部1、2を長くせざるを得ず、高価につき、経済的に不利である。
【0004】
また従来他例として図11に示すものが知られている。これは前後のレール端部1、2の継目端を残部1″、2″より細く、かつレール長手方向に平行に形成し、継目細端1′、2′同士をレール長手方向に平行に近接するものである。この従来他例によれば前述の軌間変化を考慮する必要がなく、先の従来例よりレール端部1、2を短かくすることができ、この点での経済性は有利であるが、前後のレール端部1、2が収縮移動すると軌間線欠線b′と継目細端2′の頭側面2gとに大きい間隔b″が生じて仮想線で示すように一方の車輪4が前記間隔b″に進入して車輪4、4が脱線する可能性があり、そのため符号36で示すように車輪フランジ4′を挟持するガードレール36を伸縮継目装置と平行に設置している。しかしガードレール36を伸縮継目装置と整合するように配設するには熟練性を要し、作業性および保守性の点で不利となり、しかもレール端部1、2とガードレール36とを一体的に結合する専用のプレート等、各種の部品を必要とし、構造が複雑で高価につく。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明のうち請求項1の発明は車輪が軌間線欠線部より進入してレールに乗り上げることがなく、安全に走行でき、また前後のレール端部の長手方向距離を短かくして安価に提供し、しかもガードレールのような設備を設けることなく、容易に設置作業および保守作業をすることができるようにすることを課題とする。
【0006】
請求項2の発明は請求項1の発明の課題に加えて車輪の誘導手段の構造を簡単にして安価に製造でき、しかも車輪の誘導手段を容易、迅速かつ確実に位置決めできるようにすることを課題とする。
【0007】
請求項3の発明は請求項2の発明の課題に加えて車輪を確実に誘導できるようにし、しかも係止部の機械的強度を大きくすることを課題とする。
【0008】
請求項4の発明は請求項3の発明の課題に加えて誘導板の機械的強度をより大きくすることを課題とする。
【0009】
請求項5の発明は請求項1の発明の課題に加えて車輪の誘導手段を専用部品を要することなく、確実に取りつけて前後のレール端部のレール長手方向への伸縮移動を保持できるようにすることを課題とする。
【0010】
請求項6の発明は請求項1の発明の課題に加えて前後のレール端部のレール長手方向への伸縮移動を確実に保持できるようにすることを課題とする。
【0011】
請求項7の発明は請求項5の発明の課題に加えて車輪の誘導手段を専用部品を要することなく、より容易かつ迅速に取りつけることができるようにすることを課題とする。
【0012】
請求項8の発明は請求項6の発明の課題に加えて車輪の誘導手段を専用部品を要することなく、確実に取りつけることができるようにすることを課題とする。
【0013】
請求項9、10の発明は請求項7、8の発明の課題に加え、レールブレスを一定の位置に確実に固定することにより、レールブレスがレール直角方向にずれて前後のレール端部、誘導板を必要以上に圧接し、その結果、前後のレール端部のレール長手方向への伸縮移動を束縛したり、逆に前後のレール端部と誘導板との間に大きい隙間をとって誘導板を不安定にしないようにすることを課題とする。
【0014】
さらに請求項10の発明はレールブレスと誘導板、レール端部との近接範囲の微調整をすることができるようにすることを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明のうち請求項1の発明は前後のレール端部に継目細端をそれぞれレール長手方向と平行に形成し、前記継目細端同士をレール長手方向に平行に近接して伸縮継目部を形成し、前記前後のレール端部のレール長手方向への伸縮移動を保持しつつ前記伸縮継目部の軌間線欠線部に車輪を軌間線に誘導する誘導板を設けることを特徴とするものである。
【0016】
なお本願明細書において近接とは互いの部材が遊びをもって接近する場合は勿論、レール端部のレール長手方向への伸縮移動を阻止せず、前記移動の可能な限度で、互いの部材が軽接触つまりかする程度に接触する場合をも含む意味である。
【0017】
前記の請求項1の発明のように構成すると、前後のレール端部がレール長手方向に収縮移動して大きい軌間線欠線部が生じても当該位置には誘導板が存在するので、車輪が軌間線欠線部より進入してレール端部に乗り上げることがなく、安全に走行でき、しかもガードレールのような別の設備を脱線のないよう伸縮継目装置との間隔を特定かつ整合させて設置するという作業上の困難性もなく、軌間線欠線部という、即座に認識できる位置に誘導板を設けるだけでよく、設置上の作業および保守がしやすく、また継目細端同士をレール長手方向に平行に近接するので、その距離を短かくすることができ、安価で足り、経済的に有利である。
【0018】
請求項1の発明において誘導板は車輪を軌間線に誘導できる板であればよいが、請求項2の発明のように誘導板が軌間線欠線部に位置する車輪の車輪フランジを係止可能な係止部と、前後のレール端部の側凹部に嵌まる凸部を有する板材であることが好ましい。
【0019】
このようにすると誘導手段の構造が簡単で、安価に製造することができ、しかも凸部を側凹部に嵌めるだけで誘導板を容易、迅速かつ確実に位置決めすることができる。
【0020】
請求項2の発明にあっては、係止部の形状および前後のレール端部の側凹部をより具体的に限定するものではないが、請求項3の発明のように係止部が車輪フランジの傾斜角より小さい角度の傾斜面を有し、また側凹部が前後のレール端部の各頭部のうち軌間線より下方の部分を腹部に向けて傾斜させた傾斜面と前記腹部と脚部上面とで形成されることが好ましい。
【0021】
係止部の傾斜角が車輪フランジの傾斜角より大きいと、車輪は持ち上げられて軌間線欠線部に進入し、レール端部に乗り上げるおそれがあるが、前記のようにすれば車輪フランジはそのおそれがなく、誘導板に確実に係止して誘導され、また従来のレールのように軌間線より下方をほぼ垂直に形成すると、車輪フランジの傾斜角より小さい傾斜角の係止部は薄肉にならざるを得ないが、前記のようにレール端部の頭部のうち軌間線より下方の部分を腹部に向けて傾斜させるので、これに嵌まる誘導板の係止部を厚肉にすることができ、係止部の機械的強度を大きくすることができる。
【0022】
請求項3の発明にあっては係止部の傾斜面の角度を下方まで一定にするか否かを限定するものではないが、請求項4の発明のように係止部の傾斜面の下方を傾斜延長線より外向きに膨出させることが好ましい。
【0023】
このようにすれば係止部を含む誘導板の肉厚はより大きくなり、機械的強度がより大きくなる。
【0024】
請求項1の発明にあっては、前後のレール端部がレール長手方向への伸縮移動を束縛されずに移動可能な状態で誘導板を軌間線欠線部に設けてあればよく、誘導板をどのように設けるかを限定するものではないが、請求項5の発明のように誘導板の一端を前後のレール端部の一方に固定し、前記誘導板の他端を前記前後のレール端部の他方に近接させて前記前後のレール端部の伸縮移動を保持しつつ軌間線欠線部に誘導板を設けること若しくは請求項6の発明のように誘導板の一端を前後のレール端部の一方に、また前記誘導板の他端を前記前後のレール端部の他方にそれぞれ近接させて前記前後のレール端部の伸縮移動を保持しつつ軌間線欠線部に誘導板を設けることが好ましい。
【0025】
請求項5の発明では、誘導板の一端を伸縮継目自体の必須構成材である前後のレール端部の一方に固定するため、ガードレールを取付ける専用プレートのような専用部品を要することなく、誘導板を無駄なく、かつ確実に取付けて前後のレール端部のレール長手方向への伸縮移動を保持することができる。
【0026】
請求項6の発明では、前後のレール端部のいずれにも誘導板を近接するだけで、固定しないので、レール端部の長手方向への伸縮移動を確実に保持することができる。
【0027】
請求項5の発明にあっては誘導板の一端の固定手段および誘導板の他端のレール端部への近接手段をより具体的に限定するものではないが、請求項7の発明のように誘導板の一端を前後のレール端部の一方にボルト、ナットで締着して固定し、前記誘導板の他端を前記前後のレール端部の他方に、床板に固定されたレールブレスにより近接させることが好ましい。
【0028】
このようにすれば熟練を要することなく、より容易かつ迅速に誘導板を取りつけることができ、しかもレールブレスという元々レール端部を設置する上での必要な部品を利用するものであり、専用部品を要することなく、安価に提供することができる。
【0029】
請求項6の発明にあっては誘導板の両端をレール端部に近接させる手段をより具体的に限定するものではないが、請求項8の発明のように誘導板の一端および他端の少なくとも一方を、床板に固定されたレールブレスに固定して前記誘導板の一端および他端を前後のレール端部の一方および他方に近接させることが好ましい。
【0030】
このようにすれば誘導板の少なくとも一端がレールブレスに固定され、誘導板は確実に取りつけられ、しかもレールブレスを利用するため、専用部品を要することなく、安価に提供することができる。
【0031】
請求項7、8の発明にあってはレールブレスの具体的構成、固定手段を限定するものではないが、請求項9の発明のようにレールブレスが蟻ほぞ状の基部よりあご部を立ち上がらせて成り、前記基部を床板に形成した蟻溝に密嵌し、しかも前記基部上面をバネクリップで弾接して前記レールブレスを床板に固定することまたは請求項10の発明のようにレールブレスが脚部を有し、しかも細長孔を斜設した基部よりあご部を立ち上がらせて成り、床板に前記細長孔と平行な嵌挿溝を斜設し、前記脚部を前記嵌挿溝に嵌入するとともに前記床板に突設したボルトに前記細長孔を外挿し、ナットにより締着して前記レールブレスを床板に固定することが好ましい。
【0032】
このようにすればレールブレスを一定の位置に確実に固定することができ、この結果、レールブレスが前後のレール端部、誘導板をレール直角方向に必要以上に圧接して前後のレール端部のレール長手方向への伸縮移動を束縛したり、逆に前後のレール端部と誘導板との間に大きい隙間をとって誘導板を不安定にすることがないものである。
【0033】
さらに請求項10の発明では脚部を斜設した嵌挿溝内で摺動させることにより、レールブレスと誘導板、レール端部との近接範囲の微調整をすることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を説明する。図1で示すように中央およびその左右に間隔をおいて配設したまくらぎ11、11′、11′上にそれぞれ床板12、12′、12′を固定する。具体的には各取付孔13を介して犬くぎ若しくはレール用ねじくぎ13aで固定する。
【0035】
図1、2、4で示すように中央および左右の床板12、12′、12′にそれぞれ蟻溝16を設けるとともにバネクリップ17端を係止する空隙19を有する取付部18を設ける。具体的には中央の床板12の上面に1対の段付片14、14を、また左右の床板12′、12′の各上面に1対のフラット片14′、14′をそれぞれ間隔をおいて対向かつ固着し、各段付片14の内側下段15および各フラット片14′の内側にそれぞれに蟻溝16を形成し、各段付片14の上段および各フラット片14′にそれぞれ取付部18を突設固着する。
【0036】
このようにすれば後述の継目細端1′、2′を含むレール端部1、2を床板12、12′、12′上に載置する際に段付片14、14、フラット片14′、14′・・の間隔内に置けばよく、位置決めしやすく、また蟻溝16、取付部18を床板12、12′、12′に直接設けるよりも簡単に製造することができる。
【0037】
図1で示すように前方のロングレール10に図示のトングレールを溶着して前方のレール端部1を形成する。図1、2で示すようにレール端部1は継目端の頭部1aおよび脚部1cの一側面を垂直に削成して残部1″より細く形成したレール長手方向と平行な継目細端1′を有するトングレールよりなるもので、この継目細端1′を中央の床板12上に載置し、図1で示すようにレール端部1のうち両脚1d、1eを有する脚部1cを右側の床板12′上に載置する。
【0038】
図1で示すように後方のロングレール20に受けレールの一端を溶着して後方のレール端部2を形成する。この受けレールはその継目端を図示のようにへ字状に曲げ、図1、2で示すように継目端の頭部2aおよび脚部2cの一側面を垂直に削成して残部2″より細く形成したレール長手方向と平行な継目細端2′を有するもので、この継目細端2′を中央の床板12上に載置し、継目細端1′、2′の頭部1a、2aおよび脚部1c、2cの各対向面をレール長手方向に近接して継目細端1′、2′同士を平行に配設し、図1、4で示すようにレール端部2のうち両脚2d、2eを有する脚部2cを左側の床板12′上に載置する。レール端部2の腹部2bにはボルト挿通孔24、24、24を穿設してある。図2では頭部1a、2aおよび脚部1c、2cの各対向面を、レール端部1、2のレール長手方向への伸縮移動が可能な程度に接触(軽接触)させているが、遊びをもって接近させてもよい。
【0039】
また図2、4で示すように継目細端1′およびレール端部2の各頭部1a、2aのうち軌間線a位置より下方の部分を各腹部1b、2bに向けて傾斜させた傾斜面1f、2fに形成してある。
【0040】
誘導板5の一端をレール端部2に固定する。この誘導板5はレール端部1、2と同材である例えば構造用炭素鋼や、レール端部1、2と同等の強度を有する材料で形成された細長板よりなり、図2、3、4で示すように凸部7と係止部9を有するものであり、凸部7は前方のレール端部1の継目細端1′および後方のレール端部2の各側凹部6、つまり傾斜面1fおよびこれに連続する腹部1b側面、脚部1cの脚1e上面により形成される側凹部6と、傾斜面2fおよびこれに連続する腹部2b側面、脚部2cの脚2e上面により形成される側凹部6に嵌まる形状を有し、また係止部9は図3で示すように軌間線欠線部bに位置する車輪4のフランジ4′を係止可能なもので、車輪フランジ4′の傾斜角βより小さい角度αの傾斜面9′を有し、しかも傾斜面9′の下方9″を細線cで示す傾斜延長線より外向きに膨出するものである。この誘導板5の一端外向面に図4で示す凹溝25を形成し、凹溝25よりボルト挿通孔26、26、26を穿設してある。
【0041】
そして凸部7の一端を図4で示すようにレール端部2の側凹部6に、凸部7の他端を図2で示すように継目細端1′の側凹部6にそれぞれ嵌めて図1、3で示すように軌間線欠線部bに車輪4を軌間線aに誘導するための誘導板5を掛設し、図4で示すように各ボルト挿通孔26、24にボルト27を挿通するとともに座金21を介してナット22締めし、誘導板5の一端を固定する。
【0042】
図1、4で示すように左右の床板12′、12′に座金29、29を、また図1、2で示すように中央の床板12にレールブレス8、8′をそれぞれ取付けるとともに各座金29でレール端部1、2の脚部を遊び37をもって係止し、図2で示すようにレールブレス8、8′で継目細端1′、2′の脚部1c、2cを遊び37をもって係止し、しかも誘導板5および継目細端2′の腹部2bに遊び37をもってレールブレス8、8′を接近させ、誘導板5を継目細端1′に遊び37をもって接近させる。
【0043】
図1、4で示すように各座金29は蟻ほぞ状の基部30より切欠き部31を有するL字部32を延出して成り、また図1、2で示すようにレールブレス8、8′は蟻ほぞ状の基部33より切欠き部34を有するあご部35を立ち上がらせて成り、各基部30を左右の床板12′、12′に固着したフラット片14′、14′の各蟻溝16に密嵌し、各切欠き部31をレール端部1、2の各脚部の各上面および各側面に遊び37をもって接近させ、また図1、2で示すように各基部33を中央の床板12に固着した段付片14、14の各蟻溝16に密嵌し、各切欠き部34を脚部1c、2cの各上面および各側面に遊び37をもって接近させ、レールブレス8のあご部35を誘導板5に遊び37をもって接近させ、またレールブレス8′のあご部35を継目細端2′の腹部2bにそれぞれ遊び37をもって接近させて誘導板5、継目細端1′、2′をレールブレス8、8′で挟む。このように座金29の切欠き部31をレール端部1、2の脚部に、レールブレス8、8′の各切欠き部34を脚部1c、2cに、またレールブレス8、8′のあご部35を誘導板5、継目細端2′に、さらに誘導板5をレール端部1に、それぞれ遊び37をもって接近させた方がそれぞれ軽接触つまりかするように接触させるよりもレール端部1、2を極めて容易に伸縮移動することができ、伸縮継目装置としてより有効である。
【0044】
さらに図1で示すような公知の「の」の字状のバネクリップ17の一端を空隙19に嵌入するとともに他端を各座金29の基部30およびレールブレス8、8′の各基部33に弾接する。
【0045】
ここに各座金29、レールブレス8、8′は各蟻溝16に密嵌しているとともに各バネクリップ17のバネ圧により下方に押圧されて固定されているが、継目細端1′、2′を含むレール端部1、2は各座金29およびレールブレス8、8′の各切欠き部31、34に遊び37をもって係止されており、また伸縮継目部3において誘導板5はその一端をボルト27、ナット22により固定されているが、他端はレールブレス8のあご部35が遊び37をもって接近し、しかも継目細端2′の腹部2bはレールブレス8′のあご部35が遊び37をもって接近しているだけで固定されておらず、ロングレール10、20の伸縮に伴ってレール端部1、2はレール長手方向への伸縮移動を束縛されることがない。
【0046】
なお各切欠き部31、34と各脚部1c、2cとに、またレールブレス8、8′のあご部35と誘導板5、腹部2bとに、さらに誘導板5と継目細端1′とにそれぞれ遊び37、37・・・を形成せず、レール端部1、2がレール長手方向への伸縮移動を阻止されることなく、前記移動が可能な限度で接触(軽接触)つまりかするように接触させてもよい。
【0047】
なお前記実施の形態では後方のレール端部2に誘導板5の一端をボルト27、ナット22により固定するとともに他端を前方のレール端部1にレールブレス8により近接させたが、逆に前方のレール端部1に誘導板5の一端をボルト締め等により固定し、後方のレール端部2にレールブレス8により誘導板5の他端を近接させてもよいものである。
【0048】
図5〜6に示すものは第2の実施の形態であり、原理的には先述の実施の形態と同じであり、共通部分については同一の符号を付してその詳述については省略し、差異点について述べる。
【0049】
この実施の形態では左方の床板12′に図6で示すようにレールブレス8と座金29を固定し、中央の床板12および前記床板12′に固定した各内側のレールブレス8、8に誘導板5の両端一側面を溶接により固定するとともに誘導板5の両端他側面を継目細端1′、後方のレール端部2に近接させて軌間線欠線部に誘導板5を掛設するものであり、誘導板5の両端をレールブレス8、8に固定する手段はボルト締めであってもよく、誘導板5の両端のうち少なくとも一端が前記レールブレスに固定されればよく、他端はレールブレスに固定されていても、また固定されずに第1の実施の形態のようにレールブレスが誘導板に近接していてもよい。なお誘導板5の両端をレールブレスに固定した方が誘導板を確実に取付けることができる。
【0050】
また図7〜9に示すものは第1の実施の形態における各レールブレス8、8′、座金29と床板12、12′、12′との固定手段を異にする変形例であり、第1の実施の形態と共通部分については同一符号を付し、その詳述については省略し、差異点について述べる。
【0051】
基部33よりあご部35を立ち上がらせたレールブレス8、8′の各基部33および各座金29の各基部30に、床板12、12′、12′に斜設した嵌挿溝41、38に嵌入する脚部39、44を突設するとともに嵌挿溝41、38と平行なボルト挿通用の細長孔40、45を形成し、脚部39を嵌挿溝41に、脚部44を嵌挿孔38にそれぞれ嵌入するとともに床板12、12′、12′に突設したボルト42、46に細長孔40、45を外挿し、脚部39、44を嵌挿溝41、38内で摺動してレールブレス8、8′および各座金29のレール直角方向位置への微調整をし、ボルト42、46にナット43、47を締着するものである。これによればレールブレス8、8′および各座金29を確実に固定できるとともにレールブレス8、8′、誘導板5、継目細端1′、2′の各対向面の近接範囲およびレールブレス8、8′の各切欠部34と継目細端1′、2′並びに各座金29の各切欠部31と各レール端部の近接範囲をそれぞれ調整することができる。なお第2の実施の形態におけるレールブレス8、8′、座金29と床板12、12′、12′との固定手段を前記の変形例のようにしてもよい。
【0052】
いずれの実施の形態にあってもレール端部1、2の両方に誘導板5の両端をともに固定しているわけではなく、レール端部1、2の一方に誘導板5を固定した場合にはそのレール端部はレール伸縮時に誘導板5とともに図1の1点及び2点鎖線で示すように長手方向に移動するが、誘導板5を固定していないレール端部はその側凹部6が誘導板5に沿って移動する。なお前記誘導板5を固定していないレール端部の側凹部6の長手方向距離Lは前記レール端部の移動が可能な範囲に設定してあり、同図のようにレール端部1、2は長手方向に伸縮移動が可能である。またいずれの実施の形態にあっても車輪4は車輪フランジ4′を一方のレール端部の軌間線aに添わせて進行する。そして軌間線欠線部bにおいて図3で示すように1点鎖線位置の車輪4が2点鎖線で示すように横移動した場合、車輪フランジ4′は係止部9に係止されて進行し、続いて他方のレール端部の軌間線aに添って進行する。なお係止部9の傾斜角度aを車輪フランジ4′の傾斜角βより大きくすると、車輪4が持ち上げられ、軌間線欠線部bに進入することもありうるが、本実施の形態では角度αを傾斜角βより小さくするので、そのおそれがなく、安全に走行でき、また図4の仮想線dで示すようにレール端部1、2の各頭部を通常のレールのように軌間線aから下方をほぼ垂直に形成すると、前記角度αのため誘導板5の上縁が薄肉になり、機械的強度が小さくなるが、本実施の形態では頭部1a、2aの軌間線aより下方を腹部1b、2bに向けて傾斜させるので、これに嵌まる誘導板5の上縁は山型で厚肉となり、機械的強度を大きくすることができる。さらに図3で示す傾斜面9′の下方を細線cで示す傾斜延長線のように延出すると、誘導板5が薄肉となり、機械的強度が小さくなるが、本実施の形態では傾斜面9′の下方9″を前記傾斜延長線より外向きに膨出するので、誘導板5は厚肉となり、機械的強度がより大きくなる。
【0053】
【発明の効果】
本発明のうち請求項1の発明によれば、車輪が軌間線欠線部より進入してレールに乗り上げることなく安全に走行でき、またレール長手方向と平行に形成した継目細端同士をレール長手方向に平行に近接するので、第1番目の従来例に比べてレール端部の長手方向距離を短くすることができ、安価に提供でき、しかも従来他例のようにガードレールのような設備を設けることなく、容易に設置作業および保守作業をすることができる。
【0054】
請求項2の発明は請求項1の発明の効果に加えて車輪の誘導手段の構造が簡単で安価に製造でき、しかも車輪の誘導手段を容易、迅速かつ確実に位置決めすることができる。
【0055】
請求項3の発明は請求項2の発明の効果に加えて車輪を確実に誘導でき、しかも係止部の機械的強度を大きくすることができる。
【0056】
請求項4の発明は請求項3の発明の効果に加えて誘導板の機械的強度をより大きくすることができる。
【0057】
請求項5の発明は請求項1の発明の効果に加えて車輪の誘導手段を専用部品を要することなく、確実に取りつけて前後のレール端部のレール長手方向への伸縮移動を保持できる。
【0058】
請求項6の発明は請求項1の発明の効果に加えて前後のレール端部のレール長手方向への伸縮移動を確実に保持できる。
【0059】
請求項7の発明は請求項5の発明の効果に加えて車輪の誘導手段を専用部品を要することなく、より容易かつ迅速に取りつけることができる。
【0060】
請求項8の発明は請求項6の発明の効果に加えて車輪の誘導手段を専用部品を要することなく、確実に取りつけることができる。
【0061】
請求項9、10の発明は請求項7、8の発明の効果に加え、レールブレスを一定の位置に確実に固定することにより、レールブレスがレール直角方向にずれて前後のレール端部、誘導板を必要以上に圧接し、その結果、前後のレール端部のレール長手方向への伸縮移動を束縛したり、逆に前後のレール端部と誘導板との間に大きい隙間をとって誘導板を不安定にしないようにすることができる。さらに請求項10の発明はレールブレスと誘導板、レール端部との近接範囲の微調整をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施の形態の平面図である。
【図2】同上のA−A拡大断面図である。
【図3】同上のB−B拡大端面図である。
【図4】同上のC−C拡大断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態におけるA−A線位置の拡大断面図である。
【図6】同上におけるC−C線位置の拡大断面図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるレールブレス、座金と床板との固定手段の変形例を示す平面図である。
【図8】同上のD−D拡大断面図である。
【図9】同上のE−E拡大断面図である。
【図10】従来例の説明図である。
【図11】従来他例の説明図である。
【符号の説明】
1 レール端部 1′継目細端
1a 頭部 1b 腹部
1c 脚部 1f 傾斜面
2 レール端部 2′継目細端
2a 頭部 2b 腹部
2c 脚部 2f 傾斜面
3 伸縮継目部 4 車輪
4′車輪フランジ 5 誘導板
6 側凹部 7 凸部
8 レールブレス 8′レールブレス
9 係止部 9′傾斜面
9″下方 12 床板
12′床板 16 蟻溝
17 バネクリップ 22 ナット
27 ボルト 33 基部
35 あご部 39 脚部
40 細長孔 41 嵌挿溝
42 ボルト 43 ナット
a 軌間線 b 軌間線欠線部
c 傾斜延長線 α 係止部の角度
β 車輪フランジの傾斜角
Claims (10)
- 前後のレール端部に継目細端をそれぞれレール長手方向と平行に形成し、前記継目細端同士をレール長手方向に平行に近接して伸縮継目部を形成し、前記前後のレール端部のレール長手方向への伸縮移動を保持しつつ前記伸縮継目部の軌間線欠線部に車輪を軌間線に誘導する誘導板を設けることを特徴とするレールの伸縮継目装置。
- 誘導板が軌間線欠線部に位置する車輪の車輪フランジを係止可能な係止部と、前後のレール端部の側凹部に嵌まる凸部を有する板材であることを特徴とする請求項1のレールの伸縮継目装置。
- 係止部が車輪フランジの傾斜角より小さい角度の傾斜面を有し、また側凹部が前後のレール端部の各頭部のうち軌間線より下方の部分を腹部に向けて傾斜させた傾斜面と前記腹部と脚部上面とで形成されることを特徴とする請求項2のレールの伸縮継目装置。
- 係止部の傾斜面の下方を傾斜延長線より外向きに膨出させることを特徴とする請求項3のレールの伸縮継目装置。
- 誘導板の一端を前後のレール端部の一方に固定し、前記誘導板の他端を前記前後のレール端部の他方に近接させて前記前後のレール端部の伸縮移動を保持しつつ軌間線欠線部に誘導板を設けることを特徴とする請求項1のレールの伸縮継目装置。
- 誘導板の一端を前後のレール端部の一方に、また前記誘導板の他端を前記前後のレール端部の他方にそれぞれ近接させて前記前後のレール端部の伸縮移動を保持しつつ軌間線欠線部に誘導板を設けることを特徴とする請求項1のレールの伸縮継目装置。
- 誘導板の一端を前後のレール端部の一方にボルト、ナットで締着して固定し、前記誘導板の他端を前記前後のレール端部の他方に、床板に固定されたレールブレスにより近接させることを特徴とする請求項5のレールの伸縮継目装置。
- 誘導板の一端および他端の少なくとも一方を、床板に固定されたレールブレスに固定して前記誘導板の一端および他端を前後のレール端部の一方および他方に近接させることを特徴とする請求項6のレールの伸縮継目装置。
- レールブレスが蟻ほぞ状の基部よりあご部を立ち上がらせて成り、前記基部を床板に形成した蟻溝に密嵌し、しかも前記基部上面をバネクリップで弾接して前記レールブレスを床板に固定することを特徴とする請求項7または8のレールの伸縮継目装置。
- レールブレスが脚部を有し、しかも細長孔を斜設した基部よりあご部を立ち上がらせて成り、床板に前記細長孔と平行な嵌挿溝を斜設し、前記脚部を前記嵌挿溝に嵌入するとともに前記床板に突設したボルトに前記細長孔を外挿し、ナットにより締着して前記レールブレスを床板に固定することを特徴とする請求項7または8のレールの伸縮継目装置。
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