JP3829113B2 - レール弾性締結装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに長さ方向に対向する一対のレール端部同士が、該両レール端部のレール腹部にそれぞれ固定された継ぎ目板により結合されてなるレール継ぎ目部を、まくらぎ又はスラブ盤に弾性的に締結するためのレール弾性締結装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、鉄道のレール継ぎ目部は、互いに長さ方向に対向する一対のレール端部同士が、該両レール端部のレール腹部に固定された継ぎ目板により結合されてなっている(例えば、特許文献1参照)。このレール継ぎ目部においては、2つの継ぎ目板がレール腹部をレール幅方向に挟むようにその両側に設けられて、その2つの継ぎ目板及びレール腹部を連続的に貫通しかつレール長さ方向に所定間隔をあけて配置された複数のボルトと該各ボルトに螺合するナットとにより、レール腹部に固定されている。
【0003】
一方、従来のレール弾性締結装置としては、レール(50Nレールや60kgレール)が第1締結具を介して上面に取り付けられるタイプレートと、第2締結具を介してまくらぎ又はスラブ盤に取り付けられるベースプレートと、これら両プレート間に介装された弾性部材とを備えたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。上記第1締結具は、タイプレート上面におけるレールの幅方向両側相当位置に上方に起立するようにそれぞれ形成した2つの起立壁の上面のボルト取付用凹部に取り付けられるレール締結用ボルトと、このレール締結用ボルトのねじ部に螺合するナットと、ねじ部が挿通される貫通孔を有し、この貫通孔に上記ねじ部を挿通してその上から上記ナットを締め付けることにより、レール底部を下方に押圧するように構成された板バネ部材とからなっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−111702号公報
【0005】
【特許文献2】
実開平5−3302号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のレール弾性締結装置は、レール継ぎ目部以外の部分には用いられているが、列車通過時に特に大きな衝撃力が作用するレール継ぎ目部には用いられておらず、このレール継ぎ目部には普通のレール締結装置が用いられている。これは、上記レール継ぎ目部には、継ぎ目板をレール腹部に固定するためのボルト及びナットがレール長さ方向に所定間隔をあけて存在しており、この継ぎ目板固定用ボルト及びナットの高さ位置が上記第1締結具のレール締結用ボルト及びナット並びに板バネ部材と干渉する高さ位置にあるからである。すなわち、たとえレール弾性締結装置を継ぎ目板固定用ボルト及びナットに対して平面視で異なる位置に配置したとしても、レールは気温差や鉄橋のたわみにより大きく伸縮するため、レール継ぎ目部の位置がレール弾性締結装置に対して30〜50cmも移動することがあり、この移動距離は、上記継ぎ目板固定用ボルト及びナットの間隔よりもかなり大きいので、この移動時に継ぎ目板固定用ボルト又はナットとレール弾性締結装置の第1締結具とが干渉してしまう。
【0007】
したがって、従来のレール弾性締結装置では、上記継ぎ目板固定用ボルト又はナットとレール弾性締結装置の第1締結具との干渉があるために、レール継ぎ目部には使用することができず、このため、騒音や振動の低減効果が十分に得られないという問題がある。
【0008】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記のようなレール弾性締結装置に対して、その構成を改良することによって、第1締結具やレール継ぎ目部の構成を変えることなく、レール継ぎ目部に使用できるようにして、騒音や振動の低減効果が十分に得られるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、タイプレートの両起立壁の上面に、該起立壁の上面の高さを低くする段差部をそれぞれ形成して、この各段差部の上面に、レール締結用ボルトの頭部を取り付けるためのボルト取付用凹部を形成するとともに、タイプレート上面のレール取付部上に、レール高さ調整板を設け、このレール高さ調整板の下面のレール敷設方向両端部に、該下面から下方に突出しかつレールの伸縮に伴って該レール高さ調整板がレール敷設方向に移動するのを規制する突出部をそれぞれ形成するようにした。
【0010】
具体的には、請求項1の発明では、互いに長さ方向に対向する一対のレール端部同士が、該両レール端部のレール腹部にそれぞれ固定された継ぎ目板により結合されてなるレール継ぎ目部を、まくらぎ又はスラブ盤に弾性的に締結するためのレール弾性締結装置を対象とする。
【0011】
そして、上面にレール取付部が設けられ、該レール取付部に第1締結具を介して上記レール継ぎ目部におけるレール底部が取り付けられるように構成されたタイプレートと、上記タイプレートの下側に配設され、第2締結具を介して上記まくらぎ又はスラブ盤に取り付けられるベースプレートと、上記タイプレートとベースプレートとの間に介装された弾性部材とを備え、上記タイプレート上面において上記レール取付部のレール敷設方向と直交する方向の両側に、上方に起立しかつレール敷設方向に延びる起立壁がそれぞれ形成され、上記各起立壁は、該起立壁の上面の高さが低くなるように形成された段差部と、該段差部の上面に、レール敷設方向と直交する方向から見て略逆T字状をなすように形成されたボルト取付用凹部とを有し、上記第1締結具は、上記各ボルト取付用凹部に対し、ねじ部が上記段差部の上面から上側に突出するように取り付けられるレール締結用ボルトと、該レール締結用ボルトのねじ部に螺合するナットと、上記ねじ部が挿通される貫通孔を有し、該貫通孔にねじ部を挿通してその上から上記ナットを締め付けることにより、上記レール取付部に載置されたレール継ぎ目部におけるレール底部を下方に押圧するように構成された板バネ部材とからなり、上記タイプレート上面のレール取付部上に、レール高さ調整板が設けられ、上記両起立壁は、上記タイプレート上面のレール敷設方向全体に亘って形成され、上記段差部は、一方の起立壁の上面におけるレール敷設方向一端部側と、他方の起立壁の上面におけるレール敷設方向他端部側とにそれぞれ形成され、上記レール高さ調整板の下面のレール敷設方向両端部に、該下面から下方に突出しかつレールの伸縮に伴って該レール高さ調整板がレール敷設方向に移動するのを規制する突出部がそれぞれ形成されているものとする。
【0012】
上記の構成により、両起立壁のボルト取付用凹部が段差部の上面に形成されているので、その段差部の段差分だけ第1締結具の板バネ部材並びにレール締結用ボルトのねじ部の先端及び該ねじ部に螺合するナットの各高さ位置を、継ぎ目板固定用ボルト及びナットに対して低くすることができる。しかも、レール底部がレール高さ調整板を介してタイプレート上面のレール取付部に取り付けられることになるので、このレール高さ調整板によって継ぎ目板固定用ボルト及びナットの高さ位置を、第1締結具に対して高くすることができる。この結果、第1締結具と継ぎ目板固定用ボルト及びナットとの間には、高さ方向に十分な隙間を形成することができ、この隙間により、レールが伸縮しても、第1締結具が継ぎ目板固定用ボルト又はナットと干渉することはない。よって、このレール弾性締結装置をレール継ぎ目部に使用することができ、騒音や振動の低減効果を高めることができる。
【0013】
また、起立壁の上面高さが段差部により低くなっても、起立壁における段差部以外の部分の高さは、従来のものと同じ程度の高さにすることができるので、レールの幅方向移動を確実に規制することができる。
【0014】
さらに、第1締結具やレール継ぎ目部は従来の構成のままで変更する必要はなくて経済的である。また、このレール弾性締結装置は、レール継ぎ目部以外の箇所にも使用することができる。
【0015】
さらにまた、レール高さ調整板の下面のレール敷設方向両端部の突出部によって、レールの伸縮に伴ってレール高さ調整板がタイプレートから外れるのを防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3は本発明のレール弾性締結装置1を示し、このレール弾性締結装置1は、図4〜図6に示すように、互いに長さ方向に対向する一対のレールRの端部同士が、該両レールRの端部における括れたレール腹部Rbにそれぞれ固定された継ぎ目板31により結合されてなるレール継ぎ目部を、まくらぎ11(又はスラブ盤)に弾性的に締結するためのものである。
【0017】
上記レール弾性締結装置1は、鉄板等からなるタイプレート2と、このタイプレート2の下側に配設された、鉄板等からなるベースプレート3と、これらタイプレート2とベースプレート3との間に介装された、天然ゴムからなる弾性部材4とを備えていて、これらが後述の中間部材6と共に加硫結合により一体的に結合されてなる。
【0018】
上記タイプレート2の上面には、平坦状に形成されかつレールR(50Nレールや60kgレール)が載置され取り付けられるレール取付部2aが設けられており、このレール取付部2aに第1締結具A(図4〜図6参照)を介して上記レール継ぎ目部におけるレール底部Raが取り付けられるようになっている。このタイプレート2の上面において上記レール取付部2aのレール敷設方向と直交する方向(図1のX方向)の両側に、上方に起立しかつレール敷設方向(図1のY方向)に延びる起立壁2bがそれぞれ形成されている。この両起立壁2bの間隔は、レール底部Raの幅と略同じに設定されている。また、上記タイプレート2の下面の中央部分には、下方に突出する嵌合突部2cが設けられている。
【0019】
一方、上記ベースプレート3には、上記タイプレート2の嵌合突部2cに対応して、嵌合凹部としての嵌合孔部3aが形成されている。また、このベースプレート3には、該ベースプレート3を第2締結具Bを介してまくらぎ11に取り付けるための2つのボルト挿通孔3bが形成されており、このボルト挿通孔3bに、後述の如く第2締結具Bのプレート締結用ボルト25(図4〜図6参照)が挿通されるようになっている。
【0020】
上記タイプレート2の嵌合突部2cには、中間部材6が外嵌され、この中間部材6の外側に、上記ベースプレート3の嵌合孔部3aが外嵌している。上記中間部材6は、フラットな基部6aと、該基部6aの周縁より鉛直上方に延びる周壁部6bとを有していて、電気的な絶縁と衝撃荷重に耐え得るように、電気絶縁特性及び高圧縮特性を有する樹脂(例えばナイロン樹脂)で構成されている。そして、中間部材6は、レール敷設方向と直交する方向に対しては変位・変形が起こらないように隙間を略0とし、レール敷設方向に対してはレールRの伸縮変形をある程度吸収できるように10mm程度の隙間を設けるとともに、ゴム溝4aを設けて許容範囲で動き易くしている。また、中間部材6付近の弾性部材4には、該弾性部材4の変形時の逃げとなる空隙部4bが、中間部材6のレール敷設方向と直交する方向の両側に形成されている。また、上記弾性部材4は、そのゴムの硬さ(JIS A)を40°以上70°以下の範囲で変更したりヤング率を変えたりすることにより、レール弾性締結装置1のバネ定数を49kN/cm以上294kN/cm以下の範囲になるように調整して、防音・防振効果を得るようにしている。
【0021】
上記タイプレート2の各起立壁2bは、タイプレート2上面のレール敷設方向全体に亘って形成されており、一方の起立壁2bの上面におけるレール敷設方向一端部側と、他方の起立壁2bの上面におけるレール敷設方向他端部側とに、起立壁2bの上面の高さを低くする段差部2fがそれぞれ形成されている。この各起立壁2bの段差部2fのレール取付部2aと反対側におけるタイプレート2上面には、起立壁2bと平行にレール敷設方向に延びる板バネ受け凹部2eが形成されている。
【0022】
上記各起立壁2bの段差部2fの上面には、レール敷設方向と直交する方向から見て略逆T字状をなすように形成されたボルト取付用凹部2dが設けられており、このボルト取付用凹部2dに、レール締結用ボルト21の頭部をねじ部を上側にした状態で取付可能になっている。
【0023】
上記第1締結具Aは、図5に示すように、上記ボルト取付用凹部2dに対し、ねじ部が上記段差部2fの上面から上側に突出するように取り付けられるレール締結用ボルト21と、このレール締結用ボルト21のねじ部に螺合するナット22と、板バネ部材23とからなっている。この板バネ部材23は、細長い矩形状板の長さ方向両端部を互いに厚み方向に重ねかつ長さ方向中間部を円弧状になるように曲げ加工することにより形成したものである。この板バネ部材23の幅は上記段差部2fのレール敷設方向の長さよりも小さく設定されているとともに、互いに厚み方向に重ねられた両端部には、レール締結用ボルト21のねじ部が挿通される貫通孔(図示せず)が形成されている。この貫通孔にレール締結用ボルト21のねじ部を挿通した状態において、板バネ部材23の両端部のうち下側に位置する端部が、起立壁2bの側面からレール取付部2a側に略水平状態で突出するようになっている。そして、上記貫通孔にレール締結用ボルト21のねじ部を挿通してその上から上記ナット22を締め付けることにより、板バネ部材23の下側の端部が、レール取付部2aに載置されたレール底部Raの上面を下方に押圧するように構成されている。尚、このナット22の締め付け時に、板バネ部材23の円弧状の長さ方向中間部はタイプレート2上面の板バネ受け凹部2eに当接することによって、上記押圧力が生じるようになっている。
【0024】
上記ベースプレート3の各ボルト挿通孔3bは、上記各板バネ受け凹部2eや板バネ部材23のレール敷設方向一方の側に位置しており、これにより、レール弾性締結装置1のレール敷設方向と直交する方向の長さを出来る限り小さくして、鉄橋やカーブにおいて脱線を防止する安全レール(ガードレール)をレールRと並設する場合であっても、この安全レールとレール弾性締結装置1とが干渉することはない。
【0025】
次に、上記レール弾性締結装置1を上記レール継ぎ目部に使用する場合について説明する。
【0026】
このレール継ぎ目部においては、図4〜図6に示すように、2つの継ぎ目板31がレール腹部Rbをレール幅方向に挟むようにその両側に設けられて、その2つの継ぎ目板31及びレール腹部Rbを連続的に貫通しかつレール長さ方向に所定間隔をあけて配置された複数の継ぎ目板固定用ボルト32と該各継ぎ目板固定用ボルト32に螺合するナット33とにより、レール腹部Rbに固定されている。
【0027】
上記レール弾性締結装置1は、図6に示すように、レール継ぎ目部におけるレール長さ方向両端部と中央部(継ぎ目位置)との3箇所に配置されて、各々、第2締結具Bとしてのプレート締結用ねじ25、座金26及びゴムリング27によりまくら木11に締結される。尚、図7に示すように、レール弾性締結装置1をレール継ぎ目部におけるレール長さ方向両端部(上記のように3箇所に配置する場合よりも中央寄りの位置)の2箇所に配置してもよい。
【0028】
上記タイプレート2上面のレール取付部2a上には、鉄板からなるレール高さ調整板14が設けられ、レール底部Raがこのレール高さ調整板14を介してタイプレート2上面のレール取付部2aに取り付けられることになる。このレール高さ調整板14の下面のレール敷設方向両端部には、該下面から下方に突出する突出部14a(図6参照)がそれぞれ形成されて、この各突出部14aの先端位置がタイプレート2上面よりも低い高さ位置になるように構成されており、レールRが伸縮してレール高さ調整板14がレールRと共にレール長さ方向(レール敷設方向)に移動しようとしても、このレール高さ調整板14の両突出部14aの一方がタイプレート2の側面に当接することでその移動が規制され、レール高さ調整板14がタイプレート2から外れることがないようになされている。また、レール高さ調整板14は、亜鉛メッキやダクロタイズド処理が施されており、表面を錆び難くしてレールRの伸縮がスムーズに行われるようにしている。
【0029】
尚、上記レール高さ調整板14は、鉄板のような剛性板に限らず、例えば図8に示すように、調整パッキン15と軌道パッド16とを組み合わせたものであってもよい。
【0030】
上記レール弾性締結装置1を用いてレール継ぎ目部をまくらぎ11に締結するには、予めベースプレート3を第2締結具Bを介してまくらぎ11に締結したレール弾性締結装置1におけるタイプレート2のレール取付部2aに、レール高さ調整板14を配置した状態でレール底部Raを載置する。そして、起立壁2bのボルト取付用凹部2dにレール締結用ボルト21の頭部をねじ部を上側にした状態で取り付けて、このレール締結用ボルト21のねじ部を板バネ部材23の貫通孔に挿通させるとともに、該板バネ部材23の長さ方向中間部をタイプレート2上面の板バネ受け凹部2eに当接させて位置決めする。この状態で、レール締結用ボルト21のねじ部にナット22を締め付けることにより、板バネ部材23の下側の端部によって、レール底部Raの上面を下方に押圧するようにする。このことで、レールRがレール弾性締結装置1に締結されて、まくら木11に対して弾性的に締結されることになる。
【0031】
したがって、上記実施形態では、ボルト取付用凹部2dが、起立壁2bの上面高さを低くする段差部2fの上面に形成されているので、その段差分だけ第1締結具Aの板バネ部材23並びにレール締結用ボルト21のねじ部の先端及び該ねじ部に螺合するナット22の各高さ位置を継ぎ目板固定用ボルト32及びナット33に対して低くすることができる。しかも、レール底部Raとレール取付部2aとの間に配設されたレール高さ調整板14により、継ぎ目板固定用ボルト32及びナット33の高さ位置を、第1締結具Aに対して高くすることができるとともに、レール高さ調整板14の厚みによりレール高さを容易に調整することができる。この結果、第1締結具Aと継ぎ目板固定用ボルト32及びナット33との間には、高さ方向に十分な隙間を形成することができ、この隙間により、レールRが伸縮したとしても、第1締結具Aが継ぎ目板固定用ボルト32又はナット33と干渉することはない。よって、このレール弾性締結装置1をレール継ぎ目部に使用することができ、騒音や振動の低減効果を高めることができる。
【0032】
また、起立壁2bの上面高さが段差部2fにより低くなっても、起立壁2b全体を低くするのとは異なり、起立壁2bにおける段差部2f以外の部分の高さは、従来のものと同じ程度の高さに維持することができるので、レールRをレール取付部2aに対してレール幅方向に移動しないように確実に規制することができる。
【0033】
さらに、第1締結具Aのレール締結用ボルト21、ナット22及び板バネ部材23並びにレール継ぎ目部の継ぎ目板31、継ぎ目板固定用ボルト32及びナット33は、既存のものがそのまま利用できるので経済的である。また、このレール弾性締結装置1は、レール継ぎ目部以外の箇所にも使用することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレール弾性締結装置によると、タイプレートにおけるレール取付部のレール敷設方向と直交する方向の両側にそれぞれ形成した両起立壁の上面に、該起立壁の上面の高さを低くする段差部をそれぞれ形成して、この各段差部の上面に、レール締結用ボルトの頭部を取り付けるためのボルト取付用凹部を形成するとともに、タイプレート上面のレール取付部上に、レール高さ調整板を設け、このレール高さ調整板の下面のレール敷設方向両端部に、該下面から下方に突出しかつレールの伸縮に伴って該レール高さ調整板がレール敷設方向に移動するのを規制する突出部をそれぞれ形成するようにしたことにより、第1締結具やレール継ぎ目部の構成を変えることなく、レール弾性締結装置をレール継ぎ目部に使用することができ、騒音や振動の低減効果が最大限に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るレール弾性締結装置を示す平面図である。
【図2】 図1のII−II線断面図である。
【図3】 図1のIII−III線断面図である。
【図4】 レール弾性締結装置をレール継ぎ目部に使用した場合を示す平面図である。
【図5】 図4のV−V線断面図である。
【図6】 レール弾性締結装置の配置例を示すレール継ぎ目部の側面図である。
【図7】 レール弾性締結装置の別の配置例を示す図6相当図である。
【図8】 レール高さ調整板の変形例を示す図5相当図である。
【符号の説明】
1 レール弾性締結装置
2 タイプレート
2a レール取付部
2b 起立壁
2d ボルト取付用凹部
2f 段差部
3 ベースプレート
4 弾性部材
11 まくら木
14 レール高さ調整板
14a 突出部
21 レール締結用ボルト
22 ナット
23 板バネ部材
31 継ぎ目板
A 第1締結具
B 第2締結具
R レール
Ra レール底部
Rb レール腹部
Claims (1)
- 互いに長さ方向に対向する一対のレール端部同士が、該両レール端部のレール腹部にそれぞれ固定された継ぎ目板により結合されてなるレール継ぎ目部を、まくらぎ又はスラブ盤に弾性的に締結するためのレール弾性締結装置であって、
上面にレール取付部が設けられ、該レール取付部に第1締結具を介して上記レール継ぎ目部におけるレール底部が取り付けられるように構成されたタイプレートと、
上記タイプレートの下側に配設され、第2締結具を介して上記まくらぎ又はスラブ盤に取り付けられるベースプレートと、
上記タイプレートとベースプレートとの間に介装された弾性部材とを備え、
上記タイプレート上面において上記レール取付部のレール敷設方向と直交する方向の両側に、上方に起立しかつレール敷設方向に延びる起立壁がそれぞれ形成され、
上記各起立壁は、該起立壁の上面の高さが低くなるように形成された段差部と、該段差部の上面に、レール敷設方向と直交する方向から見て略逆T字状をなすように形成されたボルト取付用凹部とを有し、
上記第1締結具は、上記各ボルト取付用凹部に対し、ねじ部が上記段差部の上面から上側に突出するように取り付けられるレール締結用ボルトと、該レール締結用ボルトのねじ部に螺合するナットと、上記ねじ部が挿通される貫通孔を有し、該貫通孔にねじ部を挿通してその上から上記ナットを締め付けることにより、上記レール取付部に載置されたレール継ぎ目部におけるレール底部を下方に押圧するように構成された板バネ部材とからなり、
上記タイプレート上面のレール取付部上に、レール高さ調整板が設けられ、
上記両起立壁は、上記タイプレート上面のレール敷設方向全体に亘って形成され、
上記段差部は、一方の起立壁の上面におけるレール敷設方向一端部側と、他方の起立壁の上面におけるレール敷設方向他端部側とにそれぞれ形成され、
上記レール高さ調整板の下面のレール敷設方向両端部に、該下面から下方に突出しかつレールの伸縮に伴って該レール高さ調整板がレール敷設方向に移動するのを規制する突出部がそれぞれ形成されていることを特徴とするレール弾性締結装置。
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