JP5511297B2 - 伸縮継目用車輪ガード装置 - Google Patents

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本発明は、鉄道車両(以下単に「車両」という)の脱線や、脱線した車両の軌道外への逸走を防止するための車輪ガード装置に関する。
軌道には、本線レール上を走行する車両の脱線又は逸走を防ぐため、本線レールに沿って車輪ガード装置が設置されることがある(例えば特許文献1,2参照)。
特許文献1の車輪ガード装置は、まくらぎに固定した支持部材にL状のガードレールが支持されてなる。ガードレールのフランジの一方は支持部材に支持されて鉛直に延び、他方は支持部材に対して本線レールに向かって水平に延びている。これにより、車輪が本線レールから外れようとしても車輪の内側面がガードレールの水平フランジの端部に当接するようになり、脱線を未然に防止することができる。
特許文献2の車輪ガード装置は、本線レール間の中央部にガードレールを配置してなる。これにより、車両が万が一脱線しても本線レール間に脱落した車輪がガードレールに当接するようになり、車両が軌道外へと大きく逸走するのを防止することができる。
特開2006−328644号公報 特開2006−112215号公報
ところで、本線レールにロングレールを用いる場合には、温度変化によるレール端部の伸縮を許容するため、ロングレールの端部に伸縮継目を設けることがある。伸縮継目は、ロングレールの端部に連設された受けレールと、受けレールに左右方向に接触するトングレールとを備え、これら左右に並ぶ2つのレールが床板を介してまくらぎに締着される。このため、伸縮継目の設置箇所では、道床上の構造が複雑となりがちである。他方、かかる箇所においても、車両の脱線や逸走を防止することに対して高い要望がある。
しかし、特許文献1,2には、一般の本線レールに車輪ガード装置を附設する場合が開示され、伸縮継目への適用を示唆するものではない。また、この従来の車輪ガード装置は、本線レールの構造部材とは独立した専用の部品からなる。
かかる従来の車輪ガード装置を伸縮継目の設置箇所に流用するとなれば、元々複雑な構造を有している伸縮継目に専用部品からなる車輪ガード装置を設置することとなるため、車輪ガード装置を配置すること自体極めて困難となる。たとえ配置することができたとしても、道床上の構造が非常に複雑化し、迅速な保線作業の妨げとなる可能性がある。
そこで本発明は、伸縮継目の設置箇所周辺に車輪ガード装置を附設するに際し、その構造を簡素化することを目的としている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明に係る伸縮継目用車輪ガード装置は、幅方向に接する一対のトングレール及び受けレールが夫々床板を介してまくらぎに支持されてなる伸縮継目に附設される伸縮継目用車輪ガード装置であって、前記まくらぎ上に設けられ、前記一対のトングレール及び受けレールの内側に配置された一対の支持部材と、前記一対の支持部材に夫々支持され、前記一対のトングレール及び受けレールの内側を該レールに沿って延在する一対のガードレールと、を備え、前記支持部材が、前記トングレール及び受けレールに対して前記受けレールと反対側の前記床板上に設けられ、前記トングレール及び前記支持部材の間には前記トングレールを支持するレールブレスが設けられ、前記レールブレスが前記ガードレールと離隔して前記床板に支持されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、車輪ガード装置が、伸縮継目のトングレール及び受けレールに沿って配置された一対のガードレールと、これを支持する支持部材とで構成され、この支持部材が、伸縮継目の床板に受けレール及びトングレールと共に支持される。このため、伸縮継目及び車輪ガード装置の全体的な構造を簡素化することができる。また、トングレール及び支持部材の間にトングレールを支持するレールブレスを設け、これを床板に支持しているため、トングレールを支持するための構造と車輪ガード装置の構成部品とが共通の床板で支持され、伸縮継目及び車輪ガード装置の全体的な構造を簡素化することができる。その上で、レールブレスは車輪ガード装置とは別に設けられておりガードレールと離隔しているため、伸縮継目及び車輪ガード装置の両者の保守点検や部品交換の作業を容易に独立して行うことができる。
前記レールブレスが前記受けレールを支持するブレスに対して幅方向に小さいことが好ましい。これにより、トングレールとガードレールとの間の距離を適切に保ち易くなり、伸縮継目上を走行中の車両の脱線を効果的に防止することができるようになる。
前記床板の幅方向両辺縁部にはテーパ面が形成され、前記床板が前記テーパ面に当接する一対の楔片によって幅方向に挾持されていることが好ましい。これにより、車両側からの荷重が車輪ガード装置を床板に作用しても、楔作用によってその荷重を受け止めることができ、床板がまくらぎに対して固定されている状態を維持することができる。
前記床板の軌道延設方向端部には係止片が設けられ、前記係止片が前記まくらぎに係止されていることが好ましい。これにより、車両側からの荷重が車輪ガード装置を床板に作用しても、係止片により床板がまくらぎに固定されている状態を維持することができる
前記一対のガードレールがそれぞれ、前記トングレール及び受けレールに近接する方向に張り出して車輪が前記トングレール及び受けレールから外れるのを規制するための第1規制部と、前記トングレール及び受けレールから遠ざかるようにして内側に向かって張り出して車両が軌道から逸脱するのを規制するための第2規制部とを有していることが好ましい。
ここで、伸縮継目の敷設箇所を走行中の車両に大きな横力が作用した場合、一方の車輪は外側へと移動してトングレールや受けレール上に乗り上げ、他方の車輪は内側へ移動してトングレールや受けレールから外れようとする。上記構成とすることにより、横力の作用で内側へ移動する車輪はガードレールの第1規制部の端縁に当接するようになり、これよりも更に内側へと移動するのを規制される。よって、車両の脱線を未然に防止することができる。また、横力が過大で、車輪がガードレールを乗り越えて車両が脱線すると、車輪は車輪ガード装置よりも内側においてまくらぎ上に脱落し、車両が軌道外へと逸走しようとする。このとき、車両の構造体がガードレールの第2規制部の端縁に当接するようになり、車両が軌道外へと逸脱しながら走行していくのを規制することができる。よって、車両が万が一脱線したとしても軌道外へと大きく逸走するのを防止することができる。
前記ガードレールは、鉛直に延びる状態で前記支持部材に支持されるウェブ部と、前記ウェブ部の上端部に接続されて前記支持部材の上方を水平に延びるフランジ部とを有し、前記フランジ部のうち前記ウェブ部に対して前記トングレール及び受けレールに向かって延びる部位によって前記第1規制部が構成され、前記フランジ部のうち前記ウェブ部に対して前記第1規制部とは反対側に延びる部位によって前記第2規制部が構成されてもよい。このように断面T状とすることにより、ガードレールに第1規制部と第2規制部とが一体的に形成され、ガードレールの製造工程が複雑になるのを避けることができる。
前記ガードレールが、前記支持部材と、当該支持部材とは反対側に配設された保持部材とによって挾持された状態で、前記支持部材及び前記保持部材と共締めされていることが好ましい。これにより第1規制部に横力が作用しても、第2規制部に第1規制部への作用方向とは逆向きの横力が作用しても、支持部材及び保持部材によってその荷重を受けることができるようになるため、車輪ガード装置の耐荷重性を高めることができる。
前記第1規制部の上面が前記トングレール及び受けレールの上面よりも高い位置にあることが好ましい。これにより、横力が作用しても車輪が第1規制部を乗り上げにくくなるため、より脱線が起こりにくくなる。
前記第1規制部及び前記第2規制部の少なくともいずれか一方は、その車両の進行方向手前側端部が切り欠かれていることが好ましい。これにより、ガードレールの第1規制部又は第2規制部に車輪や車両の構造物が当接している状態で車両の走行が継続して行われている場合に、車輪や構造物からの荷重でガードレールが変形したとしても車輪や構造物が次のガードレールへとスムーズに乗り移ることができ、脱線又は逸走を防止した状態を継続させることができる。
本発明によれば、伸縮継目の敷設箇所周辺に車輪ガードを設置するに際してその構造を簡素化することができる。
本発明の実施形態に係る車輪ガード装置の平面図である。 (a)が図1に示す車輪ガード装置の平面図、(b)がそれを正面視で示す断面図、(c)がその側面図である。 図2に示す車輪ガード装置の作用図であって、(a)が通常走行時、(b)が脱輪を防止しているとき、(c)が逸走を防止しているときを夫々示している。 (a)が図2に示す楔片の平面図、(b)がその側面図である。 (a)が図2に示す車輪ガード装置を並設した場合のガードレールの継目を示す平面図、(b)が同斜視図である。 (a)が本発明の第2実施形態に係る車輪ガード装置を軌道側と分離して示す側面図、(b)が同車輪ガード装置を軌道側に組み付けた状態にして示す側面図である。
以下これら図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、軌道の延設方向と直交する方向であって一対の本線レールが並ぶ方向を「左右方向」とし、本線レール間の左右方向中心線に対して近づく側を「内側」、遠ざかる側を「外側」とする。
図1に示す軌道の本線は、道床上の複数のまくらぎ1に締着された所謂ロングレール2を連設してなる。ロングレール2は温度変化による伸縮が大きくなりがちであるため、ロングレール2の継目として、レールの伸縮を許容する伸縮継目4が設けられている。伸縮継目4は一対の受けレール5と、トングレール6とを備えている。一対の受けレール5は、伸縮継目4を介して接続されるロングレール2の端部にそれぞれ連続しており、接続相手のロングレール2から軌道の延設方向に沿って互いに近づくようにして延びている。トングレール6は、かかる一対の受けレール5の間を軌道の延設方向に沿って延びている。各受けレール5の先端部7は、トングレール6の端部8にそれぞれ左右に接し、このトングレール6の端部8が内側に位置している。
トングレール6の端部8は、その左右幅が先端に向かうにつれて細くなっている。この細くなっていく部分では、内側縁が軌道の延設方向に沿って延びている一方、受けレール5と接する外側縁は平面視で軌道の延設方向に対して傾斜している。ロングレール2、受けレール5及びトングレール6の各内側縁は軌道の延設方向に沿って連続しているため、車両の車輪が片フランジ付の場合その車輪は左右にぶれることなくレールからレールへと円滑に乗り移っていくことができる。他方、受けレール5の左右幅は長手方向に関して略一様であり、トングレール6の外側縁に接している部分では、先端に向かうにつれて外側へ湾曲している。かかる受けレール5の端部7は長手方向に関して拘束されておらず、トングレール6の外側縁に案内されてその伸縮が許容される。伸縮が生じても、車輪のフランジと対向する受けレール5及びトングレール6の各内側縁は上記連続した状態を維持するため、車輪の上記円滑動作が妨げられることはない。
伸縮継目4は、ロングレール2,2間において概ね12m程度の距離に亘って設けられている。この伸縮継目4の区間を走行中の車両が脱線及び逸走するのを防止するため、伸縮継目4の設置箇所及びその周辺には車輪ガード装置10が附設されている。車輪ガード装置10は、まくらぎ2に固定される複数の支持部材11にガードレール12が支持されてなり、このガードレール12は軌道の延設方向に沿ってトングレール6と平行に延びている。
図2(a),(b)に基づいて伸縮継目4の締着構造をより具体的に説明すると、まくらぎ1は、その長手方向を左右に向けるようにして道床上に設けられ、床板9はこのまくらぎ1の左右端部に設けられている。受けレール5の下部は床板9に形成された溝に嵌め込まれており、その上面が床板9の上面と略面一に連続している。トングレール6の下面は、これら受けレール5の下部上面と床板9の上面とに跨って支持されている。受けレール5の外側には受けレール5を固定するための受け用ブレス13が床板9に固定され、トングレール6の内側にはトングレール6を固定するためのトング用ブレス14が床板9に固定されている。
トング用ブレス14は、トングレール6と車輪ガード装置10の支持部材11との左右間に配置され、支持部材11とは離隔している。これにより、車輪ガード装置10を組み付けたままでトング用ブレス14の分解・組付を行うことができ、車輪ガード装置10によってトングレール6の保守点検や交換の作業が妨げられることがない。車輪ガード装置10に係るこれら作業についても同様のことが言え、両者に係る作業を互いに独立して容易に行うことができる。その上で、トング用ブレス14は受け用ブレス13よりも左右幅が小さくなっている。このため、トングレール6から見てトング用ブレス14の更に内側に配置される車輪ガード装置10をトングレール6から遠くに設置せざるを得なくなるという事態を防ぐことができ、車輪ガード装置10とトングレール6との間隔を適切なものとなるように容易に設定することができる。
車輪ガード装置10に関しては、支持部材11は床板9に衝立状に設けられており、床板9から立設する一対の側壁15を有する。互いに直交する側壁15の下面と床板の上面とは溶接され、これにより支持部材11が固定されるが、支持部材11の強度確保のため開先溶接を行うことが好ましい。また、側壁15の下面には段差が設けられ、床板の上面に対応する段差が設けられている。これら段差が噛み合わせることによって支持部材11の強度が向上する。側壁15の外側上端部はレール支持壁16によって接続されている。レール支持壁16は鉛直に延び、その外側端面にはガードレール12が支持される。
ガードレール12は断面T状に形成され、互いに直交するウェブ部17及びフランジ部18を有している。ウェブ部17は側面を左右に向けて延長に延びる状態で支持部材11と押え座金19との間に左右方向に挟まれ、これら支持部材11及び押え座金19にボルト共にボルト20で共締めされ、これによりガードレール12が支持部材11に締着される。
この締着に際しては、ウェブ部17の一側面が支持部材11のレール支持壁16の外側端面に突き合わされる。ウェブ部17の一側面には軌道の延設方向に沿って水平に延びる凹溝21が形成され、支持部材11にはレール支持壁16から外側に突出して軌道の延設方向に沿って水平に延びる凸条22が設けられている。ウェブ部17とレール支持壁16との突き合わせにおいては凹溝21内に凸条22が嵌め合わされ、これによりガードレール12の支持部材11に対する位置決めが容易に行われる。また、締着後においてはアンカー効果によってガードレール12が支持部材11に対して上下方向にガタつくのを防ぐことができる。
フランジ部18はウェブ部17が支持部材15に締着された状態において、支持部材11及び押え座金19の上方を水平に延在している。ここではフランジ部18のうち、ウェブ部17に対して外側に向かって延び、トングレール6に近接する方向に張り出した部位を「第1規制部23」、その反対側に向かって延びてトングレール6から遠ざかる方向に張り出した部位を「第2規制部24」とする。
支持部材11のレール支持壁16の上端部には、上方に突出するフランジ支持部25が一体的に設けられており、第2規制部24の下面がこのフランジ支持部25によって支持されている。フランジ支持部25の上端部は面取りされており、ウェブ部17の側面とフランジ部18の下面とを繋ぐ湾曲部との干渉を防ぐようになっている。また、第1規制部23の下面は押え座金19の上面によって支持されている。第1及び第2規制部23,24がこのように支持されるため、フランジ部18には下方への曲げが生じにくい。
第1規制部23の端縁と、トングレール6上面の内側縁との間には、左右方向に関して所定の間隔Aがおかれている。また、第1規制部23の上面は、トングレール6の上面よりも所定高さBだけ上方に位置している。間隔Aは車輪ガード装置10を建築限界内に設置するために十分大きい寸法に設定され、高さBは同様目的達成のため十分小さい寸法に設定されている。
従って、図3(a)に示すように、車両がトングレール6上を走行している間は、トングレール6上の車輪91がガードレール12と干渉することはない。なお、符号92は、車両90に下方に突出するよう設けられた突起部92である。この突起部92は車両限界内に配置されており、通常走行中に車輪ガード装置10や道床上の固定子(図示せず)と干渉することはない。なお、この固定子には車両の通過を検知する検知器等が含まれる。
図3(b)に示すように、車両90に大きな横力が作用した場合、一方の車輪91(図中左側)は外側へと移動してトングレール6上に乗り上げ、他方の車輪91(図中右側)は内側へと移動する。内側へ移動する車輪91は、ガードレール12のフランジ部18の第1規制部23の端縁に当接し、これより更に内側へ移動するのを規制される。即ち、前述した間隔Aは、このように脱線しつつある車両90の車輪が内側へと移動する過程で、第1規制部23の端縁と当接する前にトングレール6から脱落するのを防ぐために十分小さい寸法に設定されている。
車輪91がガードレール12に当接している間は、その車輪はロングレール6上に乗った状態を維持している。よって、横力の作用がなくなると、両方の車輪がトングレール6上を適切に走行する状態に容易に復帰可能である。このように本車輪ガード装置10によれば、車両90の脱線を未然に効果的に防止することができる。
横力が過大であれば、ガードレール12に当接している車輪91がガードレール12を乗り越えて更に内側へと移動しようとする。ここで、前述したように、第1規制部30の上面はトングレール6の上面よりも上方に位置し、これにより車輪91はガードレール12を乗り越えにくくなっている。このように本車輪ガード装置10によれば、車両90の脱線を効果的に防止することができる。
万が一車輪91がガードレール12を乗り越えて車両90が脱線すると、図3(c)に示すように、その車輪91は車輪ガード装置10よりも内側においてまくらぎ1上に落下し、横力に基づいて車両90は軌道外へと逸走しようとする。このとき、車両90に設けられた突起部92が第2規制部24の端縁に当接する。これにより、車両90が軌道外へと走行していくのを規制することができる。このように本車輪ガード装置10によると、車両90に設けた突起部92とガードレール12の第2規制部24とが協働し、その車両90が万が一脱線したとしても軌道外へと大きく逸走するのを効果的に防止することができる。
本実施形態の車輪ガード装置10によれば、本線レールを構成するトングレール6及び受けレール5に沿って左右一対のガードレール12が設置される。そして、このガードレール12には車両90の脱線を防止する機能を果たす第1規制部23と、車両90の逸走を防止する機能を果たす第2規制部24とが一体的に設けられている。従って、構造を簡素にした上で車両90の脱線及び逸走の両方を効果的に防止することができ、固定子との干渉を避けることができると共に保線作業が煩雑になることもない。
しかも、車輪ガード装置10をまくらぎ1に固定するに際しては、車輪ガード装置10の支持部材11を伸縮継目4の床板9に取り付けている。このように、伸縮継目4の設置箇所の周辺に車輪ガード装置10を附設するに際して床板9を共用することにより、伸縮継目4及び車輪ガード装置10の全体構造が複雑になるのを避けることができる。その上で前述したようにトング用ブレス14を配置したため、伸縮継目4及び車輪ガード装置10の両者の保守点検や交換の作業を容易に行うことができる。
以下、車輪ガード装置10の構造についてより具体的に説明する。図2(a)に示すように、伸縮継目4の床板9は平板状に形成され、その前後端面には前後一対の係止片31が一体的に設けられている。係止片31は側面視で逆L状に形成され、床板9の前後端面から前後外側に向けて張り出し、その端部から下方に向けて突出している。図2(c)に示すように、かかる床板9をまくらぎ1上に設置すると、係止片31の内面がまくらぎ1の前後端面に整合するようにして係止片31がまくらぎ1に対し前後方向外側に嵌め込まれる。このようにして床板9をまくらぎ1との固定を強固にするための構造を附加したため、ガードレール12を介して支持部材11に荷重が作用しても、その荷重を床板9及びまくらぎ1によって支持することができる。
図2(a)に示すように、伸縮継目4の床板9の左右両端縁はそれぞれ、平面視において前後方向及び左右方向に対して平行に傾斜するテーパ面32を有している。床板9は、このテーパ面32と整合するテーパ面34を有した左右一対の楔片33によって挟み込まれており、床板9のテーパ面32と楔片33のテーパ面34とは互いに突き合わされている。このようにして床板9が一対の楔片32で挾持されるため、車輪ガード装置10を介して床板9に荷重が作用しても、楔作用によってこの荷重が支持され、床板9がまくらぎ2に対して前後方向又は左右方向にずれるのを良好に防ぐことができる。
図4(a),(b)に示すように、楔片33はテーパ面34を有した楔部35と、楔部35に一体的に設けられた突出部36とを有している。突出部36は、3つの短冊状の板金材を溶接することによってテーパ面34の下部から水平に突出する枠体状に形成されており、その内側には上下に開放した中央空間37が形成されている。なお、突出部36の前後幅は楔部35のそれよりも小さい。
図2(b)に戻り、楔片33のテーパ面34を床板9のテーパ面32に突き合わせるときには、楔片33の突出部36を床板9の下面に潜り込ませることにより楔片33を床板9に係合させる。床板9はこのように楔片33と係合した状態でまくらぎ1上に設置される。このとき、床板9の下面よりも突出部36の下面の方が下方に位置するため、まくらぎ1に載置されるのはこの突出部36の下面となる。載置した状態において床板9の左右両端部には上側からボルト38が挿し通され、このボルト38は突出部36の中央空間36を通過してまくらぎ1に締め付けられる。これにより床板9がまくらぎ1に締着されるとともに楔片33がまくらぎ1と床板9との間に強固に挾持される。楔片33における楔部35の上面と突出部36の上面との間の高さは、床板9のテーパ面32の高さと等しい。よって、突出部36の下面がまくらぎ1上に載置されて突出部36の上面と床板9の下面とが同一面上に位置した状態では、楔部35の上面と床板9の上面とが面一となる。このためボルト38を挿し通すときにはワッシャ39をこれら楔部35及び床板9に跨るようにして設けることができ、ワッシャ39の設置位置が楔片33と床板9との間の段差によって制約を受けるようなことがない。
次に、ガードレール12に関し、図5(a),(b)に示すように、複数の車輪ガード装置を軌道の延設方向に並べて設置する場合、ガードレール12の熱変形に対応する等のため、ガードレール12の継目には所定のクリアランス40が設けられる。
ガードレール12の第1規制部23は、車両の進行方向(白抜矢印参照)の手前側端部において斜めに切り欠かれている。この切り欠きにより、第1規制部23の手前側端部においては、ウェブ部17からその端縁までの距離が手前側に向かうに従って短くなっている。よって、ガードレール12の継目では、手前側の第1規制部23の端縁が奥側の第1規制部23の端縁に対して外側に突出して配置されることとなる。
ここで、図3(b)に示すように車輪91が第1規制部23に当接しながら走行を続けると、第1規制部23が横力に基づいて内側に撓む可能性がある。予め手前側の端縁を奥側の端縁に対して突出させていることにより、このような撓みが生じても、車輪91が手前側のガードレール12から奥側のガードレール12へとスムーズに乗り移ることができる。よって、車輪91が、図5(b)に示す奥側のガードレール12のT字端面41に衝突し、ガードレール12に乗り上がるおそれをなくすことができ、脱線を防止した状態を継続させることができる。なお、同様の切り欠きを第2規制部24にも設けてもよく、第2規制部24のみに設けてもよい。これにより、逸走を防止した状態を同様にして継続させることができる。
以下、図6を参照して、かかる本発明の第2の実施形態に係る車輪ガード装置60について説明する。床板上に車輪ガード装置の支持部材を設けるに際し、上記実施形態では支持部材11の下面全体が床板9上に支持されるのに対し、本実施形態では支持部材61の下面が部分的に床板59上に支持される。なお、上記実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
図6(a)に示すように、床板59はまくらぎ51に形成された凹部内に設置され、その上面がまくらぎ51の上面と略同一面をなす。床板59の左右両端部には上側からボルト92が挿し込まれ、これにより床板59をまくらぎ51に締着することができる。まくらぎ51の上面は、凹部よりも内側において、内側に向かうにつれて下方に傾斜するテーパ面93をなしている。
上記実施形態と同様、床板59上には受けレール5、トングレール6、受け用ブレス13及びトング用ブレス14が設けられている。
車輪ガード装置60は、支持部材61、ガードレール62及び押え座金69を備えており、支持部材61は、固定部94の上側に可動部95を連結してなる。可動部95は前後方向に延びる揺動軸96を中心にして固定部94に対して揺動可能であり、固定部94の上側に設置された定常位置と、固定部94から内方且つ上方に退避した退避位置との間で変位する。車両の運行時など定常の状態では、可動部95は定常位置に位置する。また、作業時には、可動部95を退避位置に位置させることにより、トングレールとガードレールとの間隔を広げることができるため、伸縮継目54の保守点検や交換の作業を行いやすくなる。
この可動部95にガードレール62を支持するレール支持面が設けられている。上記実施形態と同様、ガードレール62はウェブ部67及びフランジ部68を有し、ウェブ部68が可動部95のレール支持壁66と押え座金59とによって挟持された状態でこれら可動部95及び押え座金69と共締めされる。
固定部94は床板59とまくらぎ51とに跨るようにして設置され、固定部94の下面の外側端部は床板9の上面で支持され、固定部94の下面の内側端部はまくらぎ51の上面で支持される。まくらぎ51の上面のうち固定部94が設置される部分は前述のとおりテーパ面93をなしているため、固定部94の下面の内側端部も、このテーパ面93と整合するように傾斜している。
固定部94の左右両端部に上側からボルトを挿し込むことにより、車輪ガード装置60はまくらぎ51側に締着される。そのうち左側となるボルトには、上記のとおり床板59をまくらぎ51に締着するためのボルト93が用いられる。つまり、固定部94の外側端部は、床板59の内側端部とまくらぎ51と共締めされる。これにより、伸縮継目54の区間に車輪ガード装置60を附設する場合に、これらをまくらぎ51に締着するための工数と部品点数とを削減することができる。右側となるボルト98は、床板54を介さずまくらぎ51内に挿し込まれることとなる。このため、まくらぎ51にはテーパ面93に開口する縦穴が形成され、この縦穴内にインサートアンカー97が埋め込まれている。インサートアンカー97は内面にネジが切られた軸方向に延びる雌ネジ孔を有し、まくらぎ51に埋め込まれた状態において雌ネジ孔がテーパ面93に開口する。ボルト98がこのインサートアンカー97の雌ネジ孔と螺合することにより、固定部がまくらぎに締着されることとなる。このように車輪ガード装置60がまくらぎ51側に締着して可動部95を定常位置に位置させた状態では、トング用ブレスがトングレールと固定部94及び可動部95との間に設けられると共に、固定部94及び可動部95とは離隔して配置される。よって、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
これまで説明した本発明の実施形態は一例を示すものであり、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更が可能であり、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。
本発明に係る車輪ガード装置は、伸縮継目の設置箇所周辺に車輪ガード装置を附設するに際し、その構造を簡素化することができるという作用効果を奏し、伸縮継目の設置箇所の周辺に適用すると有益である。
1 まくらぎ
2 ロングレール
4,54 伸縮継目
5 受けレール
6 トングレール
9,59 床板
10,60 車輪ガード装置
11,61 支持部材
12,62 ガードレール
13,14 レールブレス
17,67 ウェブ部
18,68 フランジ部
31 係止片
33 楔片
90 車両
91 車輪
92 突出部

Claims (9)

  1. 幅方向に接する一対のトングレール及び受けレールが夫々床板を介してまくらぎに支持されてなる伸縮継目に附設される伸縮継目用車輪ガード装置であって、
    前記まくらぎ上に設けられ、前記一対のトングレール及び受けレールの内側に配置された一対の支持部材と、
    前記一対の支持部材に夫々支持され、前記一対のトングレール及び受けレールの内側を該レールに沿って延在する一対のガードレールと、を備え、
    前記支持部材が、前記トングレールに対して前記受けレールと反対側の前記床板上に設けられ、前記トングレール及び前記支持部材の間には前記トングレールを支持するレールブレスが設けられ、前記レールブレスが前記ガードレールと離隔して前記床板に支持されていることを特徴とする伸縮継目用車輪ガード装置。
  2. 前記レールブレスが前記受けレールを支持するブレスに対して幅方向に小さいことを特徴とする請求項1に記載の伸縮継目用車輪ガード装置。
  3. 前記床板の幅方向両辺縁部にはテーパ面が形成され、前記床板が前記テーパ面に当接する一対の楔片によって幅方向に挾持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の伸縮継目用車輪ガード装置。
  4. 前記床板の軌道延設方向端部には係止片が設けられ、前記係止片が前記まくらぎに係止されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の伸縮継目用車輪ガード装置。
  5. 前記一対のガードレールがそれぞれ、前記トングレール及び受けレールに近接する方向に張り出して車輪が前記トングレール及び受けレールから外れるのを規制するための第1規制部と、前記トングレール及び受けレールから遠ざかるようにして内側に向かって張り出して車両が軌道から逸脱するのを規制するための第2規制部とを有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の伸縮継目用車輪ガード装置。
  6. 前記ガードレールは、鉛直に延びる状態で前記支持部材に支持されるウェブ部と、前記ウェブ部の上端部に接続されて前記支持部材の上方を水平に延びるフランジ部とを有し、
    前記フランジ部のうち前記ウェブ部に対して前記トングレール及び受けレールに向かって延びる部位によって前記第1規制部が構成され、前記フランジ部のうち前記ウェブ部に対して前記第1規制部とは反対側に延びる部位によって前記第2規制部が構成されることを特徴とする請求項5に記載の伸縮継目用車輪ガード装置。
  7. 前記第1規制部の上面が前記トングレール及び受けレールの上面よりも高い位置にあることを特徴とする請求項5又は6に記載の伸縮継目用車輪ガード装置。
  8. 前記第1規制部及び前記第2規制部の少なくともいずれか一方は、その車両の進行方向手前側端部が切り欠かれていることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の伸縮継目用車輪ガード装置。
  9. 前記ガードレールが、前記支持部材と、当該支持部材とは反対側に配設された保持部材とによって挾持された状態で、前記支持部材及び前記保持部材と共締めされていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の伸縮継目用車輪ガード装置。
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