JP5840276B1 - 鉄道車両逸脱防止装置 - Google Patents
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Abstract
Description
線路中心線を挟むようにして平行に配される左右の本線レール上を走行する鉄道車両が脱線した後にそれら本線レールの外側に大きく逸脱するのを防止する鉄道車両逸脱防止装置であって、
脱線した鉄道車両における前記左右の本線レールの間に入り込んだ車輪の内側面に当接可能な当接部を鉄道車両進行方向に沿って形成してなる複数のガード部材を備え、
各ガード部材における当接部の一端側を鉄道車両進行方向側に、他端側をその進行方向の反対側に向けた状態で前記複数のガード部材を前記左右の本線レールの間で鉄道車両進行方向に沿って直線状に連続するように並べるとともに、各ガード部材における当接部の他端部に対し一端部が線路中心線から離れる方向に向かって外側に位置するように各ガード部材を設置し、かつ各ガード部材における当接部の一端部を、鉄道車両進行方向側に隣接する次のガード部材における当接部の他端部よりも線路中心線から離れる方向に向かって外側に位置するように前記複数のガード部材を設置したことを特徴とするものである(第1発明)。
また、ガード部材の一端部が車輪との衝突で曲がることを見越した上で、予め、ガード部材の一端部が、隣のガード部材の他端部よりも線路中心線から離れる方向に向かって外側に位置されるので、ガード部材の強度を必要以上に高める必要がなくなり、強度アップに伴うガード部材の重量増を回避してガード部材の軽量化を図ることができ、また、隣り合うガード部材同士を押え部材等によって固定する必要もなくなる。したがって、ガード部材の設置時のハンドリングが良くなるとともに、作業工数の増加を回避することができて、施工効率の向上を図ることができる。
図1(a)および(b)に示されるように、本実施形態の鉄道車両逸脱防止装置1は、線路中心線Sを挟むようにして平行に配される左右の本線レール3上を走行する図示されない鉄道車両が脱線した後に本線レール3の外側に大きく逸脱するのを防止するためのものであって、例えば高架区間等に設置されて好適なものである。
左右の本線レール3は、鉄道車両進行方向FWに沿って道床に所定間隔を有して設置される多数(図1(a)においては説明の都合上一部(合計8本)のみ表す。)の枕木5上に敷設されている。
ここで、枕木5としては、木製のものは勿論、それ以外のコンクリート製のものや、樹脂製のものが挙げられる。
左右の本線レール3の間には、例えば高架区間の長さに応じて所要本数(図1(a)においては説明の都合上一部(合計8本)のみ表す。)のガード部材7が、鉄道車両進行方向FWに沿って、線路中心線Sの左右両側に一列ずつ合計2列で配置されている。
各ガード部材7は、脱線によって左右の本線レール3の間に入り込んだ鉄道車両の車輪WH(図3(c)参照)が線路中心線Sに向かって移動する移動距離を所定の許容値の範囲(図3(c)中記号Mで示される範囲)内で規制するために、左右の本線レール3に対して所定の間隔を有して設置されている。
また、各ガード部材7は、上下方向に板面を向けて当接部7aの下端縁から線路中心線Sに向かって内向きに帯板状に延びるように一体成形されてその当接部7aを起立状態に支持するベース部7bを有している。
本実施形態では、各ガード部材7の構成材として、入手が容易で汎用性のある形鋼、例えば不等辺山形鋼を採用し、不等辺山形鋼の短辺部分を当接部7aとして、不等辺山形鋼の長辺部分をベース部7bとして用いるようにしている。
また、複数のガード部材7は、各ガード部材7における当接部7aの一端(前端)側を鉄道車両進行方向FW側に、他端(後端)側をその進行方向FWの反対側に向けた状態で鉄道車両進行方向FWに沿って直線状に遊間T(図2(a)参照)を介して連続するように並べられている。
ここで、各ガード部材7は、当接部7aの後端部に対し前端部が線路中心線Sから離れる方向に向かって外側に位置するように設置されている。また、複数のガード部材7は、各ガード部材7における当接部7aの前端部を、鉄道車両進行方向FW側に隣接する次のガード部材7における当接部7aの後端部よりも線路中心線Sから離れる方向に向かって外側に位置するように設置されている。
また、例えば、鉄道車両進行方向FWに沿って一列に並ぶ4つのガード部材7A,7B,7C,7Dにおける前から2番目のガード部材7Bと3番目のガード部材7Cとを代表例として説明すると、図2(a)に示されるように、2番目のガード部材7Bにおける当接部7aの後端部と線路中心線Sとの距離がWR´であるのに対し、3番目のガード部材7Cにおける当接部7aの前端部と線路中心線Sとの距離がそのWR´よりも大きいWF´となるように(WF´>WR´)、3番目のガード部材7Cが鉄道車両進行方向FWに向かって右側に傾けられた状態で設置されている。
図2(b)に示されるように、枕木5には、左右の本線レール3が敷設される部位から線路中心線Sに向かう方向(図2(b)中記号D矢印方向)に向かって下向きに傾斜角θの傾斜が付された傾斜面5aが形成されている。
ガード部材7は、ベース部7bと枕木5の傾斜面5aとの間に振動や騒音の低減効果のある軌道パッド13を介在させた状態で枕木5上に載置されている。
そして、図1(a)に示されるように、ベース部7bが、一組の枕木5における先頭の枕木5および最後尾の枕木5のそれぞれにボルト15によって締結されることによって、枕木5に固定されている。
こうして、図2(b)に示されるように、枕木5の傾斜面5a上にガード部材7を載置・固定することにより、ベース部7bが線路中心線Sに向かって下向きに傾くようにガード部材7を傾斜配置して、排水勾配を付すようにしている。
以上に述べたように構成される鉄道車両逸脱防止装置1においては、図3(a)に示されるように、鉄道車両が平時走行中に、例えば、地震の横揺れにより、図3(b)に示されるように、左側の車輪WH(L)が浮上し、その後、左右の本線レール3から脱線し、図3(c)に示されるように、右側の車輪WH(R)が左右の本線レール3の間に脱落して鉄道車両が左右の本線レール3から大きく逸脱しようとしたときに、左右の本線レール3の間に入り込んだ右側の車輪WH(R)の内側面がガード部材7の当接部7aに当たるようにされている。こうして、鉄道車両が本線レール3の外側に大きく逸脱するのを防止し、被害を最小限に抑えることができる。
なお、上記の例とは逆に、右側の車輪WH(R)が浮上し、その後、左右の本線レール3から脱線し、左側の車輪WH(L)が左右の本線レール3の間に脱落して鉄道車両が左右の本線レール3から大きく逸脱しようとしたときにも、同様にして大きく逸脱するのを防止することができるのは言うまでもない。
また、図2(a)に示されるように、ガード部材7における当接部7aの前端部と線路中心線Sとの距離WF´が、鉄道車両進行方向FW側に隣接するガード部材7における当接部7aの後端部と線路中心線Sとの距離WR´よりも大きくされ(WF´>WR´)、ガード部材7における当接部7aの前端部が、鉄道車両進行方向FW側に隣接する次のガード部材7における当接部7aの後端部よりも線路中心線Sから離れる方向に向かって外側に位置されている。
また、仮に、例えば、図3(c)に示されるように、脱線した鉄道車両の右側の車輪WH(R)が、前から3番目のガード部材7Cの当接部7aの前端部に衝突して、図4に示されるように、線路中心線Sに向かって多少曲がったとしても、鉄道車両進行方向FW側に隣接する前から2番目のガード部材7Bの後端部よりも線路中心線Sに向かって内側に位置するようなことがなく、脱線した鉄道車両の右側の車輪WH(R)を前から3番目のガード部材7Cから2番目のガード部材7Bへとスムーズに移らせることができる。
したがって、鉄道車両が大きく逸脱するのを確実に防ぐことができる。
また、ガード部材7は、その両端部のみが枕木5にボルト15によって締結され、すなわち、一組の枕木5における先頭の枕木5および最後尾の枕木5のそれぞれに前端部および後端部がボルト15によって締結されるので、線路の曲線部にガード部材7を設置する場合でも、曲線部の曲率に対応させて一方のボルト15を支点にガード部材7の位置決めを容易に行うことができ、曲線部でもガード部材7を容易に設置することができる。
なお、ガード部材7を、2本の枕木5に架け渡すことができない長さ寸法に設定した場合、設置時のハンドリングは更に良くなるが、枕木への固定強度の確保が難しくなり、好ましくない。また、ガード部材7を、4本以上の枕木5に架け渡すことが可能な長さ寸法に設定した場合、作業者が持つことのできる重量を超えてしまって設置作業が困難なものとなる場合がある。したがって、ガード部材7を、2または3本の枕木に架け渡すことが可能な長さ寸法に設定するのが好ましいと言える。
3 本線レール
5 枕木
7 ガード部材
7a 当接部
7b ベース部
15 ボルト
S 線路中心線
WH 車輪
Claims (3)
- 線路中心線を挟むようにして平行に配される左右の本線レール上を走行する鉄道車両が脱線した後にそれら本線レールの外側に大きく逸脱するのを防止する鉄道車両逸脱防止装置であって、
脱線した鉄道車両における前記左右の本線レールの間に入り込んだ車輪の内側面に当接可能な当接部を鉄道車両進行方向に沿って形成してなる複数のガード部材を備え、
各ガード部材における当接部の一端側を鉄道車両進行方向側に、他端側をその進行方向の反対側に向けた状態で前記複数のガード部材を前記左右の本線レールの間で鉄道車両進行方向に沿って直線状に連続するように並べるとともに、各ガード部材における当接部の他端部に対し一端部が線路中心線から離れる方向に向かって外側に位置するように各ガード部材を設置し、かつ各ガード部材における当接部の一端部を、鉄道車両進行方向側に隣接する次のガード部材における当接部の他端部よりも線路中心線から離れる方向に向かって外側に位置するように前記複数のガード部材を設置したことを特徴とする鉄道車両逸脱防止装置。 - 前記左右の本線レールは、鉄道車両進行方向に沿って道床に所定間隔を有して設置される多数の枕木上に敷設され、各ガード部材が所定本数の枕木に架け渡された状態で各ガード部材の両端部を枕木にボルトによって締結するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両逸脱防止装置。
- 各ガード部材は、前記当接部から線路中心線に向かって内向きに延びるように一体成形されてその当接部を起立状態に支持するベース部を有し、該ベース部が線路中心線に向かって下向きに傾くように各ガード部材を傾斜配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の鉄道車両逸脱防止装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110158366A (zh) * | 2019-05-07 | 2019-08-23 | 中国神华能源股份有限公司神朔铁路分公司 | 有砟轨道及防脱轨桥枕 |
CN110965400A (zh) * | 2019-12-20 | 2020-04-07 | 重庆艾博瑞威轨道交通设备有限公司 | 600mm护轨轨道专用轨枕 |
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JP2010163755A (ja) * | 2009-01-13 | 2010-07-29 | West Japan Railway Co | 車輪逸走防止装置 |
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