JP3895062B2 - 感熱発色ラベルシート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、運送業務における配送品に貼付される配送伝票や小売業務における商札などとして用いられるシール、ステッカー等に好適に利用できる感熱発色ラベルシートに関し、さらに詳しくは、剥離紙を控え票として有効に活用できる感熱発色ラベルシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、配送品貼付用の配送伝票やシール、ステッカー等の基本構成は、ラベル基材の裏面側に粘着剤層と剥離紙が設けられており、所望の情報がラベル基材の表面側に印字されて広範囲に利用される。しかしながら、剥離紙は比較的高価であって、これら配送伝票やシール、ステッカー等において、コストの大きな部分を占めると共に剥離後の廃棄処理にも資源の再利用性や処理費用等の問題があり、したがって、単に粘着剤層を保護する目的のためにだけ剥離紙を使用するのでは、無駄が大きくなってしまう。
【0003】
そこで近年では、剥離紙を控え票として活用する技術が想到され、剥離紙の剥離剤層側に発色剤マイクロカプセル層と顕色剤層とを設け、感圧複写機能を付与することにより、ラベル基材の表面側にインパクトプリンタで印字される情報と同じ情報を剥離紙にも感圧複写して、剥離紙を控え票として活用できるようにした。
【0004】
しかしながら、最近においては、コンパクトで印字騒音の少ないサーマルプリンタが高性能化と共に広く普及してきているが、サーマルプリンタの印字ヘッドの印字圧が弱いことから、ラベル基材の厚みの関係上、剥離紙への感圧複写が十分に行われず、また、感熱発色剤層を剥離紙の剥離剤層側に施し、剥離紙に感熱複写することも考えられるが、やはりラベル基材の厚みの関係上、熱伝導が低く感熱複写が十分に行われないのが現状である。
【0005】
また、ラベル基材上に情報を所定位置に印字する際の印字位置合わせにおいては、ラベルシート上に印刷したタイミングマークの透過光を検知する方法や、表出面の一方面に印刷したタイミングマークを反射光によって検知する方法を用いて設定していた。
【0006】
しかし、ラベルシート上に印刷したタイミングマークの透過光を検知する方法においては、ラベルシートの厚みによって影響されないことが必要であり、反射光によるタイミングマークを検知する方法では、タイミングマークと汚れ等とが混同することがないようにすることが必要とされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような実情に鑑みて本発明は、特にラベルシートを挟んで表裏から同時に印字可能なデュアルヘッドタイプのサーマルプリンタを用い、ラベル基材面と同様に剥離紙へも所望の情報を適正な所定位置に印字でき、剥離紙を控え票として有効に活用できる感熱発色ラベルシートの提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を考慮してなされたもので、表面側および裏面側に可変情報が印字可能な感熱発色ラベルシートであって、表面側には標題、配送会社名からなる一般情報があらかじめ印刷されており、且つ受付年月日、届け先情報、依頼主情報、配送品名情報からなる可変情報をサーマルプリンタにより印字するための感熱発色記録部が設けられ、裏面側には全面に粘着剤層が設けられたラベルと、前記粘着剤層と接する面には全面に剥離剤が設けられ、表出面側には一般情報が印刷され、且つ可変情報を印字するための感熱発色記録部が設けられた剥離紙とからなり、ミシン目を境に連続してなるものである。
【0009】
このような構成であれば、サーマルプリンタを用いて剥離紙の表出面側の感熱発色記録部にも直接印字できるため、ラベル基材の厚みを考慮する必要がなく、鮮明な発色が得られる。
【0010】
また、感熱発色ラベルシートのミシン目上に、印字位置設定用の孔を穿設して透過光を検知する方法を採用したので、感熱発色ラベルシートの厚みに左右されず検知が可能となり、さらに表出面の一方面に印刷したタイミングマークの反射光を検知する方法の欠点となる感熱発色層の発色汚れを生じても、問題なく検知できるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態につき、好適な実施例を挙げ、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1から図5までは、第1の実施例を示すもので、図1は、配送伝票として構成した本発明の感熱発色ラベルシートの表面側斜視図、図2は、図1の裏面側斜視図、図3は、図1のX−X線断面図、図4は、印字後の感熱発色ラベルシートの表面側斜視図、図5は、印字後の感熱発色ラベルシートの裏面側斜視図である。図6から図10までは、第2の実施例を示すもので、図6は、本発明の他の実施例である感熱発色ラベルシートの表面側斜視図、図7は、図6の裏面側斜視図、図8は、図6のX−X線断面図、図9は、図6の印字後の感熱発色ラベルシートの表面側斜視図、図10は、図7の印字後の感熱発色ラベルシートの裏面側斜視図である。
【0012】
図1乃至図3に示すように、本実施例の感熱発色ラベルシート1は、「配送伝票」として構成され、「納品書」たるラベル2が「納品書控」たる剥離紙3の剥離剤層d上に一定間隔で粘着剤層cにより貼着されており、単位伝票毎に区画するミシン目6を介して複数の配送伝票が連接した状態を表している。そして、単位伝票毎に区画するミシン目6が設けられた感熱発色ラベルシート1には、そのミシン目6上に矩形の孔Hが設けられている。
【0013】
この孔Hは、感熱発色ラベルシート1を透過する透過光を検知してラベル2の位置決めをする際に、感熱発色ラベルシート1の厚みによる不透過の制約を取り除いて、正確に透過光を検知してラベル2の印字位置決めをするために設けたものである。
【0014】
「納品書」を構成するラベル2の表出面側には、感熱発色剤層aを有しており、標題、配送会社名、バーコード等の一般情報4が印刷され、受付年月日、届け先情報、依頼主情報、配送品名情報等の可変情報5を印字するための感熱発色記録部bが設けられている。
【0015】
一方、「納品書控」を構成する剥離紙3の表出面側にも、感熱発色剤層aを有しており、ラベル2の表出面側に印刷した「納品書」と同様の一般情報4に加えて受領印欄が印刷され、また同様の可変情報5を印字するための感熱発色記録部bが設けられている。
【0016】
次に、本実施例の感熱発色ラベルシート1の印字方法、並びに使用方法について説明する。印字装置は、表裏から同時に印字可能なデュアルヘッドタイプのサーマルプリンタ(図示せず)で、表出面側に感熱発色記録部bを有するラベル2と剥離紙3からなる感熱発色ラベルシート1を、単位伝票毎に区画するミシン目6上に設けられた矩形の孔Hから透過する透過光を検出して印字位置を設定させてセットする。
【0017】
孔Hは、単位伝票毎の所定の位置に設けられているため、感熱発色ラベルシート1上の感熱発色記録部bに印字する際、感熱発色ラベルシート1端からであっても、中程に位置する感熱発色記録部bからでも印字位置が変わること無くセットできるものである。
【0018】
次いで、図4、図5に示すように、上記サーマルプリンタにて、ラベル2と剥離紙3からなる感熱発色ラベルシート1の表出面側に設けた各感熱発色記録部bに受付年月日、届け先情報、依頼主情報、配送品名情報等の可変情報5を直接印字する。このため、感熱発色ラベルシート1の厚みが厚くても、感熱発色記録部bの発色は鮮明に行えるものである。
【0019】
本実施例の感熱発色ラベルシート1の使用方法は、配送依頼を受けた配送人は、所定事項を印字した「納品書」たるラベル2を剥離紙3から剥がして配送品に貼付し、配達時に「納品書控」たる剥離紙3の受領印欄に捺印を受け、持ち帰って事務処理用控え票として保管する。
【0020】
続いて、第1の実施例と同じ構成は同符号を用いて、図6乃至図10に基づき第2の実施例について説明する。
【0021】
図6乃至図8に示すように、感熱発色ラベルシート1は、「配送伝票」として構成され、「納品書」たる単票のラベル2が「納品書控」たる剥離紙3の剥離剤層d上に一定間隔で粘着剤層cにより貼着されており、単位伝票毎に区画するミシン目6を介して複数の配送伝票が連接した状態を表している。そして、単位伝票毎に区画するミシン目6が設けられた剥離紙3には、そのミシン目6上に矩形の孔Hが設けられている。
【0022】
この孔Hは、剥離紙3を透過する透過光を検知して単票のラベル2の位置決めをする際に、剥離紙3の厚みによる不透過の制約を取り除いて、正確に透過光を検知して単票のラベル2の印字位置決めをするために設けたものである。
【0023】
「納品書」を構成する単票のラベル2の表出面側には、感熱発色剤層aを有しており、標題、配送会社名、バーコード等の一般情報4が印刷され、受付年月日、届け先情報、依頼主情報、配送品名情報等の可変情報5を印字するための感熱発色記録部bが設けられている。
【0024】
一方、「納品書控」を構成する剥離紙3の表出面側にも、感熱発色剤層aを有しており、単票のラベル2の表出面側に印刷した「納品書」と同様の一般情報4に加えて受領印欄が印刷され、また同様の可変情報5を印字するための感熱発色記録部bが設けられている。
【0025】
次に、本実施例の感熱発色ラベルシート1の印字方法、並びに使用方法について説明する。印字装置は、表裏から同時に印字可能なデュアルヘッドタイプのサーマルプリンタ(図示せず)で、表出面側に感熱発色記録部bを有する単票のラベル2と剥離紙3からなる感熱発色ラベルシート1を、単位伝票毎に区画するミシン目6上に設けられた矩形の孔Hから透過する透過光を検出して印字位置を設定させてセットする。
【0026】
孔Hは、単位伝票毎の所定の位置に設けられているため、感熱発色ラベルシート1上の感熱発色記録部bに印字する際、感熱発色ラベルシート1端からであっても、中程に位置する感熱発色記録部bからでも印字位置が変わること無くセットできるものである。
【0027】
次いで、図9、図10に示すように、上記サーマルプリンタにて、単票のラベル2と剥離紙3からなる感熱発色ラベルシート1の表出面側に設けた各感熱発色記録部bに受付年月日、届け先情報、依頼主情報、配送品名情報等の可変情報5を直接印字する。このため、感熱発色ラベルシート1の厚みが厚くても、感熱発色記録部bの発色は鮮明に行えるものである。
【0028】
本実施例の感熱発色ラベルシート1の使用方法は、配送依頼を受けた配送人は、所定事項を印字した「納品書」たる単票のラベル2を剥離紙3から剥がして配送品に貼付し、配達時に「納品書控」たる剥離紙3の受領印欄に捺印を受け、持ち帰って事務処理用控え票として保管する。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の感熱発色ラベルシートによれば、表出面側に感熱発色剤層を設けたラベルと剥離紙から構成したので、感熱発色ラベルシートの厚みが厚くても感熱発色記録部に直接印字できるため発色は鮮明に行え、かつ剥離紙を控え票として活用できるという効果を奏する。また、感熱発色ラベルシートの単位伝票毎に区画するミシン目上に孔を設けたので、感熱発色記録部に印字する際の透過光検知による印字位置の設定が確実に行えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】配送伝票として構成した本発明の感熱発色ラベルシートの表面斜視図。
【図2】図1の感熱発色ラベルシートの裏面斜視図。
【図3】図1のX−X線断面図。
【図4】印字後の図1の感熱発色ラベルシートの表面斜視図。
【図5】印字後の図2の感熱発色ラベルシートの裏面斜視図。
【図6】配送伝票として構成した本発明の他の感熱発色ラベルシートの表面斜視図。
【図7】図6の感熱発色ラベルシートの裏面斜視図。
【図8】図6のX−X線断面図。
【図9】印字後の図6の感熱発色ラベルシートの表面斜視図。
【図10】印字後の図7の感熱発色ラベルシートの裏面斜視図。
【符号の説明】
1 感熱発色ラベルシート
2 ラベル
3 剥離紙
4 一般情報
5 可変情報
6 ミシン目
H 孔
a 感熱発色剤層
b 感熱発色記録部
c 粘着剤層
d 剥離剤層
Claims (1)
- 表面側および裏面側に可変情報が印字可能な感熱発色ラベルシートであって、
表面側には標題、配送会社名からなる一般情報があらかじめ印刷されており、且つ受付年月日、届け先情報、依頼主情報、配送品名情報からなる可変情報をサーマルプリンタにより印字するための感熱発色記録部が設けられ、裏面側には全面に粘着剤層が設けられたラベルと、
前記粘着剤層と接する面には全面に剥離剤が設けられ、表出面側には一般情報が印刷され、且つ可変情報を印字するための感熱発色記録部が設けられた剥離紙とからなり、
ミシン目を境に連続してなることを特徴とする感熱発色ラベルシート。
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