JP3894742B2 - さや管推進工法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、水道、ガス、下水道等に用いる流体輸送用配管を非開削で布設するさや管推進工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダクタイル鋳鉄管等の流体輸送用配管を埋設する工法としては、地面を開削して布設する開削工法が一般的であったが、近来は幹線道路だけではなく一般道路においても交通量が増加しているので、開削工法のために交通を遮断することは困難となっている。そこで、発進立坑と到達立坑だけを開削し、さや管としてヒューム管や鋼管等を推進埋設した後にダクタイル鋳鉄管を挿入するさや管推進工法や、既設管をさや管として、その中に口径の小さい新管を挿入して管路を更新するパイプインパイプ工法等の推進工法が広く採用されるようになった。
【0003】
図12は従来のパイプインパイプ工法の概要を表すもので、この工法は、発進坑Sと到達坑Rとの間に埋設されている既設管(さや管)P’内にこれよりも径の小さな新管(本管)Pを挿入する工法である。発進坑には油圧ジャッキJが設置されており、該油圧ジャッキの後部は反力受けHに当接し、前部は押角Bを介して新管Pを押圧するようになっている。新管Pは、その先端部の挿し口101を先行の新管の後端部の受口102に挿入することによって順次接合され、既設管内に押し込まれて行く。なお、先頭の新管の先端部には挿入抵抗を小さくするための先導ソリKが取り付けられている。
【0004】
ところで近年、管路にも耐震性が要求され、その耐震性を有する管継手構造として、図11に示すようなNS形管継手が使用されるようになった。この耐震性管継手の構造は、挿し口1の先端に設けた挿し口突起3を、引張力が作用したときは受口2内面の所定長さ離れた位置に設けたロックリング5に係合させることにより抜け出しを防止するとともに、押し込み力が作用したときは受口2の奥端部2aに当接するまで移動させることによって、所定範囲の伸縮及び管の抜け出し防止を行うものである。
【0005】
上記NS形管継手を上述の推進工法に採用する場合、推進が終了した状態では、挿し口1の先端部が図の鎖線で示すように受口2の奥端面2aに当接した状態となっているため、地震が発生したときは、引き抜き方向には移動可能で、伸び余裕量があるが、押し込み方向には移動できない。したがって、最高の耐震性能を持つNS形管継手であっても、押し込み余裕量がないため、耐震管としての性能を十分に発揮できないという問題点がある。このため、上記所定範囲の伸縮(押し込み余裕量)を確保して新管Pを布設すること、つまり、いかにして挿し口突起3をロックリング5と受口奥端部との中間位置に位置させて推進するかが課題となっている。
【0006】
本願出願人は、上記課題を解決すべく、押し込み余裕量を確保した状態で推進を行うことのできる技術を開発し、すでに特許出願している(特開2000−17987号及び特願2000−59553号)。例えば上記特願2000−59553号に記載の技術は、挿し口外周部に受口端部と対向するフランジを固定して設け、該フランジと受口端部との間に、推進力伝達可能で、推進後は収縮する推進力伝達部材を介装して推進を行うもので、推進終了後に地震等による過大な押し込み力が作用したときは、推進力伝達部材が収縮して継手の収縮、すなわち受口内への挿し口の押し込みを許容するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記推進工法において、布設された本管とさや管との間の隙間にはエアモルタルやエアミルク等のグラウト材が充填される。これは、さや管内に空隙を放置した状態にしておくと、道路上や軌道上を重車両や電車等が通過した場合、空隙によって道路が陥没する可能性があるからである。
【0008】
一方、耐震性に優れた上記NS形継手の場合は、シール用のゴム輪4がスリップオン式に装着されているので、推進時に受口2と挿し口1との間に介装されたゴム輪が挿し口外周面によって挿入方向に引きづられる状態で推進され、推進終了後に、ゴムの反力によって挿し口が推進方向に対し後方へ若干戻ることによって、図13(a)に示すように、挿し口外周部に取り付けられた推進力伝達部材Mと受口2の端面との間に若干の隙間tが生じることがあった。また、推進距離が短い場合は、推進力伝達部材が受口端面に当接していなくても、ゴムの面圧だけで推進できる場合があり、この場合は推進力伝達部材と受口との間に隙間tがあっても推進が行われることになる。
【0009】
上記のように、推進力伝達部材と受口との間に隙間tが存在する状態でグラウト材Gを充填すると、このグラウト材Gが上記隙間tを通って受口2内に侵入し、継手が収縮したときに当該侵入したグラウト材が図13(b)に示すように、シール用のゴム輪4の下側に噛み込まれて水密性を阻害するという問題点があった。そこで、本発明は、上記のような問題点を解決するために、耐震性の最大の要件である十分な伸縮量を確保した状態で管及び継手を挿入することができ、しかもグラウト材の侵入を防止することのできるさや管推進工法を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用した。すなわち、本発明にかかるさや管推進工法は、管の挿し口を先行する管の後端部に設けられた受口に挿入して継合わせつつさや管内に管路を新設する推進工法であって、前記管の挿し口外周部に受口端部との間に所定の間隔をおいて対向するフランジを固定して設け、該フランジと受口端部との間隔部に推進力伝達可能な推進力伝達部材を介装するとともに、該推進力伝達部材と受口端部との間に継手部内部への異物の侵入を防止する防護リングを設け、前記推進力伝達部材と防護リングとを介して推進力を先行する管に伝達しつつ軸線方向に推進するとともに、推進終了後は前記推進力伝達部材が収縮又は圧壊して挿し口と受口とを収縮可能な接続状態とすることを特徴としている。
【0011】
本発明にかかるさや管推進工法によれば、挿し口から受口へ推進力を伝達する推進力伝達部材を介して推進力を挿し口外周部から受口端面へ伝達するので、挿し口の先端部を受口の奥端部に当接させなくても推進が可能である。また、上記推進力伝達部材は、推進終了後に収縮又は圧壊可能であるから、地震等による過大な押し込み力が作用したときには継手が収縮又は圧壊してその外力を吸収することができる。しかも、推進力伝達部材と受口との間に、本管とさや管との間に充填されるグラウト材が受口内へ侵入することを防止する防護リングを介装して推進するので、グラウト材の侵入による水密性の低下を防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に表された本発明の実施の形態に基づいて、本発明をより具体的に説明する。
【0013】
図1は、本発明に使用される管継手の構造を表す一部断面図であって、この管継手は、水道の耐震継手として通常使用されているNS形継手であり、挿し口1と受口2からなる。挿し口1は、ダクタイル鋳鉄管の先端部外周面にリング状の挿し口突起3が一体に設けられている。
【0014】
受口2の内周面2aには、シール用のゴム輪4を納めるゴム輪溝4aとロックリング溝5aが設けられている。このロックリング溝5aには、一つ割りの環状体として形成されたロックリング5がロックリング芯出し用ゴム6を介して挿嵌されており、地震等による過大な引き抜き力が作用したときには、このロックリング5と前記挿し口突起3とが係合することによって挿し口1の逸脱が防止されるようになっている。
【0015】
挿し口1の後方寄りの外周面上にはフランジ25が固定されており、このフランジ25と受口2の後端面2bとの間に推進力伝達部材Mが介装されるとともに、該推進力伝達部材Mの推進方向前面すなわち受口2に対向する面と受口2の端面との間には防護リング70が介装されている。この防護リング70については後述する。
【0016】
以下にフランジの取り付け方法について説明する。図1に示すフランジ25は、全体を三つ以上のリングピース(円弧状部材)25a,…に分割してボルト・ナット26,…で互いに締結(挿し口外周面に固定)するようにしている。この場合、各リングピースを固定するボルトに、搬送ローラ(キャスタ)27を取り付けていて、推進力が小さくてすむようにしているとともに、仮にローリングを生じてもいずれかのローラで管を支持できるようになっている。このようにしておくと、ローリングによって推進力が過大になることを防止できるため、ローリングの懸念がある長距離推進には有効である。上記複数のリングピースを同じ形状・寸法としておけば、成形用の金型が少なくてすみ、部品管理も簡単であるので好ましい。
【0017】
図5は上記と異なる実施形態のフランジを表すもので、このフランジ10の背面部には、複数の補強リブ12,…が一体に形成され、これら補強リブが接着剤によって挿し口1の外周面に固着されている。フランジの固定法としては、推進力によってフランジがスリップしないような方法であればよく、例えば図示例の接着剤による接着の他に、金属バンド等による締め付け、分割構造のフランジをボルト等で互いに締め付け固定する方法等種々の方法を採用することができる。上記接着剤としては、推進力によってスリップしないように固着することができる強力な接着剤、例えばエポキシ系の樹脂、具体例を挙げれば、大日本インキ化学工業(株)社製の接着剤「ラッカマイドEA−2070」(商品名)等を使用することができる。
【0018】
図6は、上記接着剤による固定法と異なる固定法を表すもので、この形態では、挿し口1の外周面に溝16を形成し、この溝16に二つ以上(図では二つ)の円弧状のフランジ部材15a,…に分割したフランジ15を嵌め込んで固定している。円弧状のフランジ部材15aの両端部には張出片15bが突設されており、該張出片をボルト・ナット18で互いに締着することにより、環状のフランジ15を形成するとともに、挿し口に固定している。このボルト・ナットにはキャスター17を取り付けることが可能で、これにキャスターを取り付けておけば、当該キャスターがさや管内面上を転動するので、推進抵抗が小さくてすむ。
【0019】
さらに、図7は挿し口1の外周面にサドル形状のフランジ20をボルト・ナット21によって固定した例を表すもので、端部に張出片20b,20bと中央部にリブ20cが一体に形成された二つ割り(二つ以上の分割でもよい)のフランジ部材20a,20aを突き合わせて環状に固定している。この場合も、ボルト・ナット21にキャスター23を取り付けることにより、推進抵抗を小さくすることができる。
【0020】
フランジの固定法としては、推進力を伝達できるものであればよいので、上記の固定法のほか、種々の方法を採用することができ、さらに上述した方法に加えて、フランジを直接又は間接的に挿し口外周面に溶接することが可能である。また、例えば、図8は特殊押輪30を用いる例を示している。図示例の特殊押輪30は、金属製リング部材31と爪32と、断面楔状の中間ピース33と、ボルト34とで構成される。この特殊押輪30を挿し口1の外周部に嵌め込んでボルト34を締め付けることにより特殊押輪30が挿し口1に固定される。この特殊押輪30に挿し口を介して押し込み方向の力(矢印X)が作用すると、楔状の中間ピース33の働きにより爪32が楔効果によって挿し口外周面に押し付けられるので、挿し口と押輪が一層強力に固定される。したがって、この特殊押輪30をフランジとして推進力伝達部材Mを保持することができる。
【0021】
上述したように、挿し口1の後方寄り外周部に固定したフランジと受口2の後端面2aとの間に、推進力伝達部材Mと防護リング70とが介装される。この防護リング70は、図2に示すような厚さ数mm程度の薄い板状のリングで、外径は推進力伝達部材M及び受口後端部の外径とほぼ等しく、内径は挿し口1の外径以上である。挿し口1の先端にはリング状の挿し口突起3が設けられているので、この挿し口突起を乗り越えて挿し口に嵌合装着するためには、防護リング70の内径は挿し口突起3の外径以上とする必要がある。しかしながら、そのようにすると、挿し口の外周面と当該防護リングとの間に隙間ができ、この隙間からグラウトが侵入するおそれがあるので、装着時には挿し口外面と密着するようなものが好ましい。
【0022】
このような防護リングとしては、例えば図3(a)に示すように、弾性板(例えば金属板、ポリエチレン、ポリアセタール、ナイロン等の樹脂やゴム等)71で一つ割り構造のリング状に製作し、挿し口に装着するときは割れ目72を押し広げて挿し口突起3を乗り越えさせ、装着時には弾性により完全なリング状に復帰させて挿し口外周面に密着させる防護リング70’や、図3(b)に示すように、挿し口1の外径とほぼ等しい内径部分に複数のスリットs,…を入れて撓みやすくし、装着時にこの部分を弾性変形させて挿し口突起3を乗り越えさせる防護リング70”が考えられる。
【0023】
一方、上記推進力伝達部材Mは、新管挿入時には先行する管に推進力を伝達する役割を果し、推進工終了後は継手の伸縮を可能とするものでなければならない。この推進力伝達部材Mとしては、以下に示すようなものが適用可能である。なお、以下の説明では、図7のフランジ20を例にとって説明するが、他のフランジでも同様である。
【0024】
図1以下の図に示す推進力伝達部材Mは、環状の一体物として形成されている。図9はさや管P’内の状況を示すもので、Gはグラウト材としてのエアモルタルである。この推進力伝達部材Mは、圧縮応力が1〜30kgf/cm2 (≒0.1〜3MPa)の樹脂発泡体で、発泡倍率を変えることにより弾性限界応力が変化するものである。これらの材質の例を示すと、ポリスチレン、ポリウレタン等が代表的である。当然ではあるが、目的とする推進力の伝達と収縮性とを備えた他の樹脂材またはダンボール等の硬質紙でも構わない。また、液体や気体を封入した樹脂容器等も有効な手段となり得る。形状としては、図示例の如く、適度の肉厚と幅を有するリング状とするのが実用的であるが、前述した推進力の伝達と収縮性を兼ね備えていれば、この形状にこだわる必要はなく、例えば互いに間隔をおいて挿し口外周面上に配置した複数のブロック状のものとすることも可能である。
【0025】
上記推進力伝達部材についてさらに詳細に説明すると、この推進力伝達部材は、施工中における推進力程度の圧縮力では、弾性変形するため、推進力は伝達するが、歪み量は残留しない。また、弾性限界応力以上の圧縮力が作用した場合は、塑性領域内においては歪み量が増大する。その後、一定以上の圧縮力が作用した場合には、所定の厚みを残した状態で歪みの進行は停止する。これらの弾性限界応力、塑性領域の範囲、歪みが進行した状態での最終的な厚みは、推進力伝達部材が発泡材である場合は、その発泡倍率によって調節可能である。発泡倍率の設定方法として、以下の条件が考えられる。
【0026】
作用する圧縮力が推進力程度では、弾性限界応力以内の応力値であるため、弾性限界応力σ1 が次の関係となるように発泡倍率を設定する(推進力を正常に伝達するためには、推進力伝達部材が塑性変形しないようにする)。
σ1 >(F/A)=σmax
ここに、F:推進力、 A:推進力伝達部の面積、 σmax :推進力伝達部材に発生する応力である。
【0027】
一方、地震等により継手部に大きな押し込み力が作用した場合は、推進力伝達部材は塑性領域にあるため、推進力伝達部材の歪み量は増大する。この地震発生時に生ずる押し込み力を、耐震継手の離脱阻止力である0.3d(tf)(d:呼び径)と同じとすると、図10(b)に示すように、地震等により押し込み力が作用した場合は、押し込み余裕量L+L1 の推進力伝達部材が圧縮されて長さL1 となる。この時、Lを管長の1%となるように設定すれば、押し込み余裕量を確保できたことになる。図10における(a)は大きな引き抜き力が作用した場合を、また(b)は大きな押し込み力が作用した場合をそれぞれ表している。なお、この推進力伝達部材を介装していることにより、カーブ推進時における応力集中が防げることは言うまでもない。
【0028】
図4は上記推進力伝達部材Mと防護リング70の装着方法を表すもので、まず、挿し口1の外周部にフランジ(この図示例ではフランジ25)を固定し、図4(a)に示すように、その前側に推進力伝達部材Mを預け入れる。次に、防護リング70を挿し口先端から嵌め込む。この場合、防護リング70の受口2側の面(H)には接着剤を塗布しておくのが好ましい。図4(b)に示すように、防護リング70を挿し口1に預け入れたら、図4(c)に示すように、受口2に挿し口1を挿入する。すると、防護リング70が推進力伝達部材Mと受口の後端面2bとの間で挟圧され、予め塗布しておいた接着剤により、受口2の後端面2bに接着固定される。また、予め、受口2の端面に接着固定する方法や、ねじ止めにより固定する方法も考えられる。この状態では、防護リング70が受口開口部と挿し口外周面との間の隙間を塞ぐので、仮りに推進力伝達部材と受口との間に隙間ができても、グラウト材の受口内への侵入は防止されるのである。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、挿し口外周部に受口端部と対向するフランジを固定して設け、該フランジと受口端部との間に推進力伝達可能な推進力伝達部材を介装し、地震発生時にはこれを収縮又は圧壊させるもので、耐震性を有する管継手を備えた管路を比較的簡単な構造と工法で実現することが可能となった。また、受口端面と推進力伝達部材との間に防護リングを介装するので、受口と推進力伝達部材との間に隙間が生じることがあっても、本管とさや管との間にグラウト材を充填したとき、前記防護リングにより該グラウト材が受口内に侵入することが効果的に防止され、継手の水密性を阻害することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いられる管継手の一部断面図(a)及びX−X矢視図(b)である。
【図2】防護リングの断面図(a)及び正面図(b)である。
【図3】上記と異なる防護リング(a)及びさらに異なる防護リング(b)を表す正面図である。
【図4】管の接合方法の説明図である。
【図5】フランジの固定法を表す断面図(a)及びA矢視図(b)である。
【図6】上記と異なるフランジの固定方法を表す断面図(a)及びA矢視図(b)である。
【図7】さらに異なるフランジの実施形態を表す正面図(a)及びA矢視図(b)である。
【図8】さらに異なるフランジの実施形態を表す正面図(a)及びA−A断面図(b)である。
【図9】伸縮可能な推進力伝達部材を設けた継手の断面図(a)及びB矢視図(b)である。
【図10】伸縮可能な推進力伝達部材を設けた継手の伸縮量を表す断面図である。
【図11】従来の耐震継手を例示する断面図である。
【図12】従来のパイプインパイプ工法を表す説明図である。
【図13】グラウト材充填時の問題点を表す断面図である。
【符号の説明】
1 挿し口
2 受口
3 挿し口突起
5 ロックリング
10,15,20,25,30 フランジ
12 補強リブ
70,70’,70” 防護リング
M 推進力伝達部材
Claims (5)
- 管の挿し口1を先行する管の後端部に設けられた受口2に挿入した際、その挿し口1が受口2に対して収縮側と伸長側の両方に移動できる耐震管継手となるように、前記挿し口1を受口2に挿入して継合わせつつさや管内に管路を新設する推進工法であって、
前記管の挿し口1外周部に受口2端部との間に所定の間隔をおいて対向するフランジを固定して設け、該フランジと受口2端部との間隔部に、弾性限界応力以内で推進力伝達可能な強度を有する推進力伝達部材Mを介装するとともに、該推進力伝達部材Mと受口2端部との間に、前記挿し口1の外周に嵌められて前記受口2の開口部と挿し口1外周面との隙間を塞ぐことにより継手部内部への異物の侵入を防止する防護リング70を設け、前記推進力伝達部材Mと防護リング70とを介して推進力を先行する管に伝達しつつ軸線方向に推進するとともに、推進終了後の地震時に、前記挿し口1と受口2とからなる継手部に押し込み力が作用して、前記推進力伝達部材Mに前記弾性限界応力以上の圧縮力が作用した場合には前記推進力伝達部材Mが収縮又は圧壊し、推進終了後は、前記挿し口1が受口2に対して収縮側と伸長側の両方に移動できる接続状態とすることを特徴とするさや管推進工法。 - 上記防護リング70を上記受口2端面に接着剤、ねじ止め等の固着手段で固定する請求項1に記載のさや管推進工法。
- 上記フランジとして、上記受口2端部に対向する端面を有する環状体と、該環状体の背面部に一体に設けられた補強リブとを有するサドル状に形成されているものを使用する請求項1又は2に記載のさや管推進工法。
- 上記フランジとして、複数に分割された円弧状部材の端部同士をボルトで互いに締め付けることにより環状体として上記挿し口1に固定されるものを使用する請求項1乃至3のいずれかに記載のさや管推進工法。
- 上記フランジを構成する円弧状部材の接合部にさや管内を転動するキャスターを設けておく請求項4に記載のさや管推進工法。
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