JP3368844B2 - 推進工法用の耐震管および推進工法 - Google Patents

推進工法用の耐震管および推進工法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非開削で新しい管路
を形成し、または老朽化した管路を新管に更新するため
の推進工法に使用する耐震管に係る。
【0002】
【従来の技術】水道、ガス、電気などを送る地中埋設管
は、従来まで地表から管路に沿って敷設用の長溝を掘削
する開削工法が主体であったが、昨今の慢性的な道路渋
滞などのため、この工法の適用が難しくなっており、と
くに大都市圏ではこの傾向が著しいので、非開削工法に
よる工事がますます増える状況にある。非開削工法の代
表的なものは推進工法であり、従来は労働災害防止の観
点から内径800mm以上と規定された鞘管の先頭に刃
口を取り付けて掘進しながら水平方向に圧入して仮管路
を形成し、さらにその仮管路内へ一回り小口径の本館を
引き込んで固定するパイプインパイプ方式が一般である
が、鞘管による仮管路形成とその中へ本管路を形成する
という煩瑣な二重工程を解消するために開発された専用
の推進工法用の管もある。管の材質としては高耐荷力方
式の対象として鋼管、鉄筋コンクリート管、ダクタイル
鋳鉄管、陶管、複合管(二重管)など種々提起されてい
る。
【0003】現在、水道管路の形成にはダクタイル鋳鉄
管が主体となっているが、ダクタイル鋳鉄管を使用した
パイプインパイプ工法用管としては、図4に示す推進工
法用管が使用され、図(A)はPI形継手、図(B)は
PII形として規定されている。図5はパイプインパイプ
工法の原理を示した縦断正面図であり、発進竪坑Hを掘
削してまず鞘管Tを地盤内へほぼ水平に推進して仮管路
を形成し、この鞘管内に新しい推進用管100をほぼ同
軸に押し込んでは接合を繰り返して新しい管路を形成
し、この図の例では鞘管Tと新管100との間に形成さ
れた断面環状の空間内へグラウトポンプPとミキサーM
を作動してセメントモルタルを注入充填して新管の位置
を固定する仕組を取っている。
【0004】推進力の伝達は図(A)のPI形では受口
101と挿し口102との間に介装した受口リング10
3を介して挿し口先端と受口最深部の段差面との間を通
じて行なわれ、図(B)のPII形では受口201にセッ
トボルト203によって装着されたロックリング204
と挿し口202に刻設したロックリング用溝205の端
面との間で行なわれる。このPII形は図のようにロック
リング用溝205の幅をロックリング204の幅よりも
長く設定しているので、推進工法時に後続管からの推力
を受けると、ロックリング204がロックリング用溝2
05の溝表面を摺動して端面に衝き当るまで押し込まれ
た後、ロックリング用溝端面を受圧面として先行管全体
を押し込む形となる。従って推進工事の終了した管路に
おいては、両者の幅の差だけ伸び側へ管軸方向変位を許
容する隙間が保たれ、その意味で管軸の伸び側に対する
耐震性を具えていると言える。
【0005】パイプインパイプ工法は老朽化した既設管
路を非開削で更新する場合にも適用される。このときは
既設管自体を鞘管としてその中へ新管を挿通するだけで
足りるから煩瑣な二重工程を回避でき、管路更新に対す
る新しい選択肢として脚光を浴びるようになっている
が、新管路を非開削で敷設する本来の施工にも依然とし
て多用され、その生産性の低さと工事期間の長さなどに
改善を求める声が高い。
【0006】この二重工程を避けるために鞘管を使用せ
ず直接地盤中へ水平に新管を押し込む専用の推進工法用
管も開発され実用化されている。図6の図(A):T形
継手、図(B):U形継手、図(C):UF形継手のよ
うに、ダクタイル鋳鉄管の全長に亘って受口外周の最大
外径と少なくとも同径となるように鉄筋入りの外装コン
クリート304,404,506を被覆して単純な円筒
体に成形したものである。施工に当っては発進竪坑内で
先頭に刃口を取り付け、後背から油圧ジャッキなどによ
る推進力を管の後端から直接加えて推進するように構成
したものである。この場合推進力の伝達はT形、U形継
手の場合は挿し口302、402の外周面上に固着した
フランジ303、403と、後続管の受口301、40
1の端面であり、図(C)のUF形継手の場合は受口5
01にセットボルト503によって内周面側へ突出固定
したロックリング504と挿し口502に刻設したロッ
クリング用溝505の端面との接触面を介した押圧作用
によって行なわれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】現在の地下埋設管路に
対する重要な課題の一つは、すでに述べたように非開削
で新しい管路を形成し、または老朽化した管路を更新す
ることである。他の重要課題として阪神淡路大震災の教
訓から突発的に過大な外力が直撃した場合でも、これに
耐え得る耐震性の強化である。前者は推進工法の開発、
普及によってほぼ対応できるが、背後からの推進力を管
自体を受圧媒体として前方へ伝えるという工法の本質
上、後者は前者と両立し難い課題に直面する。
【0008】図6に示したT形、U形、UF形継手はす
べて一体構造管路として総括されるが、急激な外力に遭
遇したとき、管同士の継手に伸縮機能が働いて外力を吸
収する構造ではないから、外力が素材の剛性を超えれば
直ちに破壊する危険性がある。一方、図4のパイプイン
パイプ工法についても、PI,PII形ともに伸び方向に対
しては管同士の相対的な距離を移動できるが、縮み方向
に対しては移動を許容する余裕は完全に消滅している。
PII形については前述のようにロックリング用溝の幅を
ロックリングよりも広く設定しているが、後方からの推
進力の伝達によってその胴隙間は管軸の伸び側にのみ偏
り、縮み側に対しては0とならざるを得ないのである。
【0009】耐震性に関しては、伸縮性の他に可撓性や
管同士の離脱防止機能も重要視される。可撓性から見れ
ば、図6のT形、U形は挿し口に溶接したフランジ30
3、403と後続管の受口とをボルトナットで螺合する
から全くの剛性体であり、その点UF,PI,PII各形が
優越する。しかしPI形は伸び側に歯止めが掛らないか
ら離脱防止の機能がなく、その点UF,PII形が優越す
る。
【0010】しかしながらUF,PI形、PII形には推
進工法用の管としては、必ずしも適性ではない要素が含
まれる。すなわちUF形、PII形の推進力伝達はロック
リング〜ロックリング用溝の側面間であり、PI形のそ
れは挿し口先端と受口段差面間であって、何れも狭小な
受圧面積に限られ、先行管全体へ推進力を伝達するには
極めて不利な強度的制約とならざるを得ない。これに対
応するためには推進力を低いレベルに抑えたり、管厚を
増強する他ない。
【0011】パイプインパイプ方式の場合は言うまでも
なく2工程の推進作業を重複するのであるから、工期が
長く工事費が嵩むという経済的な不利がある。またこの
工法においては、一旦、鞘管を連通して形成した仮管路
内へ推進管を挿通するのであるから、屈曲した管路にお
いては推進管を真っ直ぐ通して躱せるだけ一回り大きい
曲率の鞘管を介装しなければならない不利もある。二重
工程を回避したT形、U形などの推進工法用管では強大
な推進力に耐えられる強度を確保するために、外装コン
クリートに鉄筋を配筋して強化しなければならず、管自
体の生産性や加工費用に大きな負担を強いられる。
【0012】推進工法に関連する分野に検索を拡げてみ
てもこの命題に叶う従来技術は見出せない。たとえば特
開平5−321580号は推進用二重鋼管に係り、内管
とその外周を覆う中間材とその外周に摺動自在の外管よ
りなる二重鋼管であって、さらに発泡スチロール材など
からなるクッション材を外管内面に添着して摺動しやす
くしたことを要旨とする。しかし、この内管同士を溶接
して管路を形成するのであるから本質的に伸縮性とは無
縁である。関連する従来技術である特開平6−2724
79号、特開平6−257389号なども同様である。
老朽化したダクタイル鋳鉄管を新管と更新するために旧
管の受口部だけを破壊する推進工法用の先導管に係る特
開平5−33588号などもあるが、これも新管の耐震
性について関連する接点は全く認められない。
【0013】以上述べたように要素別に分析した結果、
耐震性(軸方向の伸縮性、可撓性、離脱防止性)と推進
工法の要件すべてを両立させた理想的な推進工法用の耐
震管や工法は未だ認められないことが明瞭となった。本
発明は該理想に叶った耐震管および工法の提供を目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る推進工法用
の耐震管は鉄筋コンクリート管よりなる外管1と、該外
管1の内周面に摺動自在に内嵌し管軸方向に空隙層21
を切り欠いた環状の充填層2によって外管1と同軸に位
置決めされるダクタイル鋳鉄管よりなる内管3によって
二重管を形成し、外管挿し口11の端面と内管受口31
の端面とが同一面にあるとともに、他端の外管受口12
の端面からさらに突出する内管挿し口32が先行する二
重管の内管受口31Aと接合し、かつ、推進工法による
管路形成後において内管挿し口先端の挿し口突起33と
先行する内管受口最深部の段差面34Aとの間に縮み許
容量を、また挿し口突起33と先行する内管受口突起3
5Aとの間に伸び許容量をそれぞれ維持して伸縮性、離
脱防止性、可撓性を具えた耐震構造としたことによって
前記の課題を解決した。
【0015】この基本構造に対してより具体的には、外
管受口12の端面から突出する内管挿し口32の全長L
が、推進工法による管路形成後において縮み許容量Yと
伸び許容量Xとが挿し口突起33を挟んでほぼ等しく配
分されるように挿し口突起33、受口突起35の位置と
寸法に基づいて設定したこと、さらに空隙層21の軸方
向の長さZが、少なくとも前記縮み許容量Yまたは伸び
許容量Xよりも大きく設定した形態が望ましい。
【0016】またダクタイル鋳鉄管を含む耐震管を使用
した非開削の推進工法としては、発進竪坑Hで鉄筋コン
クリート管からなる外管1Aと受口31A、挿し口32
Aを具えたダクタイル鋳鉄管よりなる内管3Aを充填層
2Aを介して同軸で複合した二重管の外管の端面を水平
に地盤内へ圧入し、続けて圧入する二重管の外管1の端
面とクッション材4を挟んで可撓性を以て接合したと
き、先行する内管受口31Aと後続する内管挿し口32
とは受口突起35A、挿し口突起33、段差面34Aに
よってそれぞれ距離を隔てて水封的に接合する位置関係
を形成し、該坑内において推進装置Jを作動して外管後
端面水平押圧力を付加して推進と接合とを交互に繰り返
し、外管1の移動とともに内管3も前記それぞれの位置
関係を維持したまま横方向に一体的に連行されて目的管
路の全長に及び、内管受口〜挿し口間に前記距離を隔て
た位置関係を維持した接合状態で推進工程を完結するこ
とによって前記の課題を解決した。
【0017】本発明の構成によって外管挿し口11の端
面と内管受口31の端面が同一線上に一致し、推進力は
外管の後端面から先行する外管の端面に向けてのみ作用
するから、外力の付加が内管に及ぶことなく、外管の移
動に随伴して一体的に連行されるだけである。したがっ
て発進坑内で設定された内管の受口〜挿し口継合の位置
関係はそのまま推進完了時まで維持され、管継手内に設
けた縮み許容量と伸び許容量が持ち越されるとともに、
離脱防止、可撓性も具えた耐震構造の管路を形成する。
【0018】
【発明の実施の形態】図1(A)は本発明に係る耐震管
の実施形態の縦断正面図であり、同図(B)は接合した
場合の相互の位置関係を示した縦断正面図である。図に
おいて外管1は鉄筋コンクリート管(ヒューム管)を代
表とする高耐荷力管であり、その形状、寸法は何れも規
格化された標準品をそのまま適用すればよいから、現在
一般に使用されている推進装置を変更なしに転用できる
という大きな利点がある。図2(A)は外管1の標準的
な形状であり、管の一端を長さL1に亘って縮径した外
管挿し口11を形成し、他端は長さL2に亘る外管受口
12を形成する。挿し口〜受口の接合は、図2(B)の
ように外管受口12の外周面に固着したカラー13の突
出部がシール材14を介して先行する外管1Aの外管挿
し口11Aと当接し、両管はそれぞれの端面間にクッシ
ョン材4を挟んで推進力を受けて圧接しているから、外
管同士の接合にも可撓性が具えられている。
【0019】図1のように内管3は外管1の先端面と同
一レベルに整合して内装し、両管の間に充填層2を挟ん
で管軸が一致するように位置決めされている。充填層と
しては発泡スチロールなどの発泡性合成樹脂類が好適で
あり、外管内部へ内管を同軸に挿通して竪型ピットなど
の中に立て、両管間の環状空間へ発泡材を注入させるな
ど工業的手段で量産し出荷を待機させる体制が好まし
い。充填層2には空隙層21を設けて外管に対して内管
が相対的に変位したとき、これを吸収するように図って
いる。そのため空隙層21の全長は少なくとも内管の継
手内に設けた縮み許容量(伸び許容量)よりも大きく設
定しておくことが望ましい態様である。
【0020】内管は図1の例ではNS形の規格品を適用
したが、スリップオンタイプの耐震構造であれば特に問
うところではない。図(A)において内管受口31の先
端側にはシール用ゴム輪36を嵌合し、受口突起35の
典型例としてはロックリングが最も好ましく、またこの
ロックリングを円周均等に配置するように芯出しゴム3
7をロックリングの裏側に装着する。受口の最深部は段
差面34であり、後続管の突出した内管挿し口の先端と
距離Yを隔てて対向する。この距離Yが縮み許容量であ
り、発進竪坑内で一旦、図(B)のように接合してしま
えば、推進を完了した管路形成に至るまでこの距離が変
ることはない。
【0021】一方、クッション材4を含めた外管端面か
ら前方へ向けて距離Lだけ突出した内管挿し口の先端に
は挿し口突起33が突設されている。図(B)のように
この挿し口突起33の後端と先行管の受口突起(ロック
リング)35Aの前端間の距離Xが伸び許容量であり、
伸び側と縮み側とがほぼ等しく配分して接合するように
距離Lを挿し口突起、受口突起との寸法関係から設定す
ることが望ましい形態である。
【0022】伸び側縮み側の許容量X,Yについては、
管の有効長さに対する比率を以て表示する基準(案)が
立案され、(財)国土開発技術研究センターの地下埋設
管路耐震継手の中に、伸縮性能S−1類(最高レベル)
として伸び側縮み側ともに管長の1%以上と規格化され
ている。本発明はこの最高レベルまたはそれ以上の伸縮
性能を具え、かつ推進工法の対象となる管継手として他
に類例のない両立した要件を具えた点に特徴がある。推
進工法自体は図5の従来技術と同様に発進竪坑H、油圧
ジャッキなどの推進装置Jをそのまま転用されるが、鞘
管Tを省略することは言うまでもない。
【0023】図3は実施形態によって本発明の耐震性を
説明した縦断正面図であり、図(A)は外力が働いて地
盤変位が発生して管継手が伸びた状態、図(B)は逆に
縮んだ状態、図(C)は屈曲した状態をそれぞれ示す。
継手が伸びるときは図(A)のように外管1と1Aとの
密着が離れ、内管3と3Aも同じ移動を起こして相互の
位置関係を伸長して外力を吸収するが、内管挿し口突起
33と受口突起35Aとが係止すればストッパ作用を起
こしそれ以上の移動を阻止するので管同士の離脱を許さ
ない。管継手が縮むときは図(B)のように外管同士の
相互関係は変らないが、内管のみが単独に変位行動を起
こし、挿し口突起33の先端が先行管の受口段差面34
Aに衝き当るまで移動して外力を吸収する。また地震の
他、地盤の不同沈下などによっても管路に屈曲応力が負
荷することはあり得るが、図(C)のように外管、内管
ともに外力に順応して屈曲して吸収する作用を誘発す
る。この作用は、外管間のクッション材4、外管受口〜
挿し口間のシール用ゴム輪14、内管の受口〜挿し口間
のゴム輪36A、芯出しゴム37Aの弾性変形によって
働くものであり、本発明に係る管路の可撓性を支える要
因である。
【0024】
【発明の効果】本発明に係る推進工法用の耐震管は、従
来の推進工法では何れの形式に属していても不可能であ
った縮み側の管軸方向継手移動量を確保した点に大きな
特徴があり、文字通り管軸の両方向へ伸縮機能を具えて
可撓性、離脱防止機能の具有とともに理想的な耐震構造
を形成する。
【0025】また推進工程中、推進力が外管の外端面を
通じてのみ伝達され内管には直接推進力が及ばないか
ら、過大な外力によって狭小な受圧面が損傷を受ける虞
れがなく、内管の管厚をむしろ薄くすることも可能とな
る。一方外管については従来から実績の高いヒューム管
の標準品(KSWS規格など)をそのまま流用すれば既
存の推進装置をそのまま転用できるという利点も看過で
きない。
【0026】さらに本発明の二重管構造では、外管の挿
し口端面と内管の受口端面とが同一レベルに一致して後
続管と接合するから、カーブ推進が可能となり、従来の
鞘管のように湾曲部を直管が躱して通過できるように曲
率を大きく取る必要がなくなり、推進力を低く抑制でき
るメリットがある。
【0027】推進工事の生産性に着目すれば、パイプイ
ンパイプ方式(PI形、PII形)は一般に2工程を要し
てしていたから、1工程で完結する本発明が優越するこ
とは当然である。また外装コンクリート管(T形など)
の推進工法は1工程で済むが、ダクタイル鋳鉄管の外周
に推進力に耐え得るように鉄筋コンクリートで強化した
外装工事を必要とするから、管自体の成形加工に要する
コストと時間は決して無視できない負担となり、単に内
外管の間へ発泡材などを流し込むだけの本発明充填層の
方が有利であることは論を待たない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の単管(A)と接合状態
(B)をそれぞれ示す縦断正面図である。
【図2】実施形態のうち外管の一部断面正面図(A)と
接合時の部分拡大断面図(B)である。
【図3】地盤変位が発生したときなどの継手の伸びた状
態(A)、縮んだ状態(B)、屈曲した状態(C)をそ
れぞれ示す縦断正面図である。
【図4】パイプインパイプ工法に使用するPI形
(A)、PII形(B)継手の一部縦断正面図である。
【図5】パイプインパイプ工法の原理を説明する一部断
面正面図である。
【図6】推進工法に使用するT形(A)、U形(B)、
UF形(C)の継手の一部縦断正面図である。
【符号の説明】
1 外管 2 充填層 3 内管 4 クッション材 11 外管挿し口 12 外管受口 13 カラー 21 空隙層 31 内管受口 32 内管挿し口 33 挿し口突起 34 段差面 35 受口突起(ロックリング) H 発進竪坑 J 推進装置(油圧ジャッキ)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−135843(JP,A) 特開 平2−197697(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06 311 F16L 1/024 F16L 9/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄筋コンクリート管よりなる外管1と、
    該外管1の内周面に充填層2を介して摺動自在に内嵌
    れるとともに外管1と同軸に位置決めされるダクタイル
    鋳鉄管よりなる内管3とによって二重管を形成し、外管
    挿し口11の端面と内管受口31の端面とが同一面にあ
    るとともに、他端の外管受口12の端面からさらに突出
    する内管挿し口32が先行する二重管の内管受口31A
    と接合し、かつ、推進工法による管路形成後において内
    管挿し口先端の挿し口突起33と先行する内管受口最深
    部の段差面34Aとの間に縮み許容量を、また挿し口突
    起33と先行する内管受口突起35Aとの間に伸び許容
    量をそれぞれ維持して伸縮性、離脱防止性、可撓性を具
    えた耐震構造としたことを特徴とする推進工法用の耐震
    管。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記充填層2の管軸方
    向に空隙層21を切り欠いて形成したことを特徴とする
    推進工法用の耐震管。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、外管受口12
    の端面から突出する内管挿し口32の全長Lは、推進工
    法による管路形成後において縮み許容量Yと伸び許容量
    Xとが挿し口突起33を挟んでほぼ等しく配分されるよ
    うに挿し口突起33、受口突起35の位置と寸法に基づ
    いて設定したことを特徴とする推進工法用の耐震管。
  4. 【請求項4】 請求項において、上記充填層2の管軸
    方向に空隙層21を切り欠いて形成したものとし、その
    空隙層21の軸方向の長さZは少なくとも前記縮み許容
    量Yまたは伸び許容量Xよりも大きく設定したことを特
    徴とする推進工法用の耐震管。
  5. 【請求項5】 ダクタイル鋳鉄管を使用して非開削で
    管路を形成する推進工法において、発進竪坑Hで、鉄筋
    コンクリート管からなる外管1内に、受口、挿し口を具
    えたダクタイル鋳鉄管よりなる内管3を充填層2を介し
    て同軸で内装した二重管の前記外管を水平に地盤内へ圧
    入し、続けて圧入する後行きの二重管の外管1の端面と
    先行きの二重管の外管1の端面とを当接するとともに、
    後行きの内管の挿し口を先行きの内管の受口に挿入して
    受口突起35A、挿口突起33、受口段差面34A間に
    それぞれ距離を隔てた位置を以て前後の二重管を接合
    し、前記発進竪坑内において、推進装置Jを作動して前
    記外管の後端面へ水平押圧力を付加して推進し、前記接
    合と推進を交互に繰り返し、外管1の移動とともに内管
    3も前記それぞれの隔てた距離を維持したまま横方向に
    一体的に連行されて目的管路の全長に及んで耐震性を具
    えた管路を形成することを特徴とする耐震管の推進工
    法。
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