JP3536754B2 - 耐震推進工法およびそれに使用する管継手 - Google Patents

耐震推進工法およびそれに使用する管継手

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JP3536754B2 JP35809199A JP35809199A JP3536754B2 JP 3536754 B2 JP3536754 B2 JP 3536754B2 JP 35809199 A JP35809199 A JP 35809199A JP 35809199 A JP35809199 A JP 35809199A JP 3536754 B2 JP3536754 B2 JP 3536754B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水道、ガス、下水道
などに用いる流体輸送用管路を非開削で布設するパイプ
インパイプ工法および地中を掘削しながら管を順次推進
させて布設する推進工法およびその耐震推進管継手に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ダクタイル鋳鉄管などの埋設管路
施工は、地面を開削して布設する開削工法が一般的であ
ったが、昨今では幹線道路に留まらず、一般道路におい
ても交通量が増加したため、開削工法のために交通を遮
断することは困難になってきている。そこで発進立坑と
到達立坑だけを開削し、鞘管としてヒューム管や鋼管な
どを推進した後に、ダクタイル鋳鉄管を挿入する工法
や、既設管を鞘管として、その中に口径の小さい新管を
挿入して管路更新するパイプインパイプ工法が慣用化す
るようになり、また、発進立坑から地中を掘削しながら
順次後続管を推進させて管路を布設する推進工法も広く
用いられている。
【0003】非開削の要求と並んで近年、とくに注目を
集める課題は管路における耐震性である。地震大国であ
る我が国の宿命として、すべての構造物に耐震性が求め
られることは言うまでもないが、とくに阪神淡路大震災
において、地中に埋設した水道用などの配管類が地震の
急激な震動、揺動の直撃を受けて管同士が離脱したり破
壊して管路としての機能を失い、罹災者の苦悩をさらに
深刻化した経験があり、管路の耐震性という課題が重要
な緊急事として強い社会的ニーズの一つに取り上げられ
る。そのため前記のパイプインパイプ工法などの非開削
型の管路布設方法に際しても、布設した管路自体の使用
中の耐震性が問われることは時代の趨勢であると認識さ
れる。
【0004】前記の二つのニーズを同時に満足するた
め、パイプインパイプ工法などに用いられてきた継手の
一つに、図8に示すようなパイプインパイプ工法用PII
形継手と呼ばれものがある。新管100の継手部は挿し
口101、受口102、ゴム輪103、ロックリング1
04、セットボルト105によって構成されており、図
9に示すように埋設された既設管203に、これよりも
径の小さい新管100を発進立坑201から油圧ジャッ
キ204により到達立坑202まで挿入する工法であ
る。該油圧ジャッキ204は後部に反力受け205が当
接され、前部には押角206を介して新管100を押圧
するようになっている。また、新管100の先頭には挿
入抵抗を小さくするための先導ソリ207が装着されて
いる。
【0005】また、推進工法に用いられてきた継手の一
つに、図10に示すような推進工法用US形継手と呼ば
れているものがある。ダクタイル鋳鉄管300の継手部
は、挿し口301、受口302、外装コンクリート30
3、ロックリング305、ゴム輪306、割輪307、
押輪308、継ぎ棒310、セットボルト311、蛇行
防止用ボルト312、フランジ313、挿し口突起31
5で構成されており、一般的な推進工法は図11に示す
ように、掘削しながら発進立坑201から元押しジャッ
キ204により推進工法用ダクタイル鋳鉄管300を圧
入し、到達立坑202まで非開削で管路を布設する工法
である。
【0006】図8、図9のパイプインパイプ工法におけ
る新管100の接合方法は、まずロックリング104お
よびゴム輪103を受口内面に装着し、油圧ジャッキ2
04を作動させて受口102に挿し口101を挿入し、
セットボルト105を締め付け、これによって先行の新
管の後部に次々と新管が接合されていき、この接合され
た新管100の上記ロックリング104の側面と挿し口
101に設けたロックリング溝106の側端面107の
間で推進力が伝達される。図9では既設管に新管を挿入
して更新しているが、管路新設のためにまず鞘管を推進
し、さらに鞘管内にパイプインパイプ工法で新管を挿入
する推進工法も通常行われている。
【0007】図10、図11のような地中を掘削しなが
ら管300を順次推進させて布設する推進工法による接
合方法は、一方の管には受口302が形成され、他方の
管には受口内に挿入される挿し口301が形成されてい
る。図10に示すように推進工法に使用する管300の
外周には受口302の最大外径(受口フランジ)と等し
くなるように、外装コンクリート303が形成されてお
り、受口部の膨出による推進時の抵抗を低減させてい
る。管300の接合方法は、受口302の内面に設けた
ロックリング溝304にロックリング305を預け入
れ、受口302に挿し口301を挿入し、セットボルト
311を締め付け、管内面からゴム輪306を挿し口3
02に挿入し、割輪307および押輪308を取り付
け、継ぎ棒310を取り付けた後、押輪のボルト309
を締め付ける。最後に蛇行防止用ボルト312を締め付
け、これによって先行の新管の後部に次々と新管が接合
されていき、挿し口301の後方寄りに設けられたフラ
ンジ313と受口開口部の側端面314によって推進力
が伝達される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】推進工が終了した後、
パイプインパイプ工法用PII形継手の構成では、図8に
示すようにロックリング104の側面と挿し口101に
設けたロックリング溝106の側端面107が接触した
状態であり、推進工法用US形継手のような構成では、
図10に示すようにフランジ313と受口開口部の側端
面314が接触している状態、すなわち、何れも継手が
推進力を伝達するため押し込まれた状態となっているた
めに、挿し口が受口に入り込む方向には動かないので、
継手が両方向に伸縮する必要がある最高レベルの耐震管
継手としての性能を満たしていないという問題点があ
る。
【0009】推進工法に使用する管継手として、縮み
側、伸び側の両方に移動できるように一定の間隔を維持
する従来技術としては、図12(A)(B)(C)に示
すような特開平3−39594号がある。この発明の要
旨は推進管の挿し口401、受口402の間へ着脱自在
のスペーサ治具403を介装して推進力を伝え、所定の
位置に推進した後にこのスペーサ治具403を取り外し
て所定間隔を形成するものである。
【0010】しかしこの方式では発進坑内でスペーサ治
具を挿し口−受口間に取り付ける負担と大量のスペーサ
治具を要し、布設完了後、全管路に亘ってすべてのスペ
ーサ治具を取り外さなければならず、具体的には拡径面
圧ジャッキ404を収縮させて本体枠403を縮径した
後取り外すなど特殊な用具や煩わしい作業を必要とす
る。第一に、管径が少なくともφ800mm以上なけれ
ば管内へ作業員が潜入出来ないため、このことが実施上
の最大の制約となる。
【0011】その他、推進工法に使用する管継手のう
ち、縮み側、伸び側の両方に移動できるように一定の間
隔を維持する従来技術としては、特開平10−1482
90号もある。この発明の要旨は挿し口の先端面と受口
の奥端面の間にライナを介装して推進力を伝達し、推進
工終了後、該ライナを取り外して伸縮代を確保するもの
であるが、この方式も前例と同様に布設完了後、全管路
に亘ってすべてのライナを取り外さなければならないと
いう煩わしい作業を必要とする。また、小口径の管(φ
800mm以下)になると管内での作業が困難となり実
施上の最大の制約となる点も共通した問題である。
【0012】本発明は上記のような問題点を解決するた
めに、パイプインパイプ工法および地中を掘削しながら
順次推進させて布設する推進工法など、すべての非開削
式の管路布設工法に用いることができ、口径に関わらず
に耐震性の最大の要件である十分な伸縮量を確保した状
態で管路を構成することができる耐震管継手、およびそ
の推進工法の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐震推進工
法は非開削で管路を新設または更新するパイプインパイ
プ工法および地中を掘削しながら管を順次推進させて管
路を布設する推進工法を対象とし、継合する管10Aの
挿し口1に固着した押圧フランジ11と他方の管10B
の受口2の開口部の側端面21との間に推進力伝達用リ
ング3を介装すると共に、該リング3と挿し口1の外周
面12との間へ伸縮自在の蛇腹形よりなる防食カバー7
を嵌装し、該リング3により後続の管からの推進力を先
行する管へ伝達して管路を形成し、推進完了後、前記推
進力伝達用リング3が周辺の環境により加水分解および
生分解されて圧縮強度を失い、継手外周面に伸縮可能な
環状の分解層或いは分解消失し空間Rを形成すると共
に、挿し口1の外周面12を遮蔽しつつ前記伸縮に応動
する防食カバー7によって分解層または空間Rに侵入し
た土砂により生ずる腐食を防止することを構成上の特徴
とすることによって前記の課題を解決した。
【0014】また、該工法に使用する管継手としては、
挿し口1の外周面12に固着した押圧フランジ11と受
口2の開口部の側端面21との間に、推進工程時の推進
力に対抗する圧縮強度を具え、推進工終了後、周囲の土
壌中の水分や微生物と反応して分解し最終的には無害な
分解物となって崩壊或いは消失する材料で形成した推進
力伝達用リング3を介装すると共に、該リング3と挿し
口1の外周面12との間へ伸縮自在の蛇腹形よりなる防
食カバー7を嵌装したことを構成上の特徴とする。
【0015】具体的には管継手に装着する前記推進力伝
達用リング3が微生物系、化学合成系、天然物利用系の
生分解性プラスチックの何れかより選ばれた材料によっ
て形成されたことが望ましい実施形態であり、さらに具
体的にはポリ乳酸系の生分解性プラスチック材によって
形成されたことが最も望ましい実施形態である。
【0016】ここで使用する防食カバー7は蛇腹形の一
体物で伸縮自在の筒体で形成され、土壌と挿し口外周面
12との間へ嵌装して推進力伝達用リング3が生分解し
て形成された空間へ、周辺の土壌が入り込んで来た場合
でも挿し口外周面12と土壌との直接の接触を阻止し、
土壌の不均一、通気性、比抵抗、含水量、pH値、溶解
塩分およびその濃度、バクテリア活動など土壌腐食が誘
発されても挿し口外周面に格別の耐食性を付加して土壌
腐食から保護する作用が発揮される。この防食カバーは
管路に加わる外力によって引き抜かれる方向、及び押し
込まれる方向に継手の相対的な位置の伸縮運動が生じた
ときも、それに応動して伸縮し、挿し口外周面を確実に
遮蔽する役割を常に果たすことを要件とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1は本発明における耐震管継手の構
造を表す断面図であり、継手形式は水道の耐震継手とし
て通常使用されているNS形継手であって推進工法に適
用した例で、管10A、10Bの外周面上へ受口フラン
ジの最大直径と同径となるように外装コンクリート6を
付加した構成であり、挿し口1と受口2からなる。前記
挿し口1は、ダクタイル鋳鉄管10Aの先端部外周面に
挿し口突起13が一体的に設けられており、この挿し口
突起13は、挿し口1の外周面12の先端にリング状に
成形されている。挿し口1の後方寄りの外周面上に押圧
フランジ11が一体的に固着されている。
【0018】受口2の内周面には、シール用のゴム輪4
を収めるゴム輪溝41とロックリング溝51が設けられ
ている。前記溝51には一つ割りの環状体で成形された
ロックリング5がロックリング芯出し用ゴム52を介し
て挿嵌されており、このロックリング5と挿し口突起1
3が地震などによる大きな引き抜き力が作用した場合
に、掛かり合うことによって離脱を阻止する。
【0019】挿し口1に設けた押圧フランジ11と受口
開口部の側端面21に、先行の管へ推進力を伝達する推
進力伝達用リング3が介装されている。本発明の推進力
伝達用リングは推進工法によって地中に管路を布設した
後、周囲の環境によって経時的な変化を受けて推進当初
の圧縮強度を失うことを最大の特徴とする。このように
推進時の推進力を伝達するのに必要な圧縮強度と、埋設
後の速やかな分解崩壊という二要件を充足することが必
須であり、本発明の実施形態としては生分解性プラスチ
ック材を用いて成形する態様が最も望ましい。この生分
解性プラスチックは、土壌中や水中で加水分解や微生物
の生分解作用により徐々に分解・崩壊が進行し、最終的
に無害な分解物となることで近年注目を集めている材料
である。
【0020】現在、実用化が検討され、一部実用に供さ
れつつある生分解性プラスチックは、微生物系、化学合
成系、天然物利用系に大別される。これらの生分解性プ
ラスチックの種類を表1に示す。なおこの分類は生分解
性プラスチック協会編「生分解性プラスチックハンドブ
ック」((株)エヌ・ティー・エス社発行)による。
【0021】
【表1】
【0022】このように生分解性プラスチックには様々
な種類が考えられるが、本発明の目的である推進時には
必要な推進力を伝達する強度を維持し、推進完了後に分
解・崩壊し最終的には無害な分解物となる環状の推進力
伝達用リングを成形可能であれば、どのような種類の生
分解性プラスチックであっても構わないし、とくに限定
する理由もない。しかし、本発明においてはこれらの生
分解性プラスチックの内、代表的な素材であり、最も推
進力伝達用リングとして適していると考えられるポリ乳
酸を適用してみたので、ポリ乳酸についてその合成過程
と分解過程について説明する。
【0023】ポリ乳酸は脂肪族ポリエステル類の一つと
して挙げられ、脂肪族エステル結合の環境下での易分解
性を利用したものである。合成過程としてデンプンのグ
ルコースを乳酸発酵させることにより得られる乳酸のオ
リゴマーを熱分解し、乳酸の2分子結合体であるラクチ
ドを得る。このラクチドをカチオン開環重合することに
よりポリ乳酸を得ることができる。このポリ乳酸はまず
加水分解によってエステル結合が切断され、分子量が減
少するのに伴い、ガラス転移点および結晶化点が降下
し、球晶を中心とした結晶化が土中で進行する。このこ
とで強度が低下し崩壊が始まる。これによってさらに表
面積が増大することに伴い加水分解が促進されると共に
親水性が増加し、酵素あるいは微生物による分解が誘引
される。そして最終的には土中微生物の代謝により炭酸
ガスと水に分解される。
【0024】一般にポリ乳酸における初期の加水分解で
は、とくにアルカリ雰囲気中にはその反応が促進される
ことが確認されており、加水分解速度はpHに大きく依
存するので、とくにパイプインパイプ工法が終了した
後、鞘管と新管との間隙内に注入されたグラウト材によ
ってアルカリ性の環境となってポリ乳酸の加水分解が促
進され、分解するまでの期間を著しく短縮する特有の二
次作用が有効に発揮される。
【0025】またポリ乳酸は熱可塑性であるため、一般
的に用いられているポリエチレンやポリスチレン等と同
様の成形方法を用いることで成形可能であり、例えば圧
縮成形、射出成形、押出成形、中空成形等、在来のプラ
スチック材の成形加工に比べても特に障害となる要素は
見当たらない。
【0026】地中を掘削しながら管を順次推進させて布
設する推進工法では、推進力伝達用リングは推進力を伝
達するために一定の圧縮強度を具えることが必須の要件
である。本発明の実施形態に採択したポリ乳酸製の推進
力伝達用リング3の圧縮強さ試験を実施したところ、圧
縮強さが900kgf/cm2以上と高く、推進伝達の
機能材として極めて好適であると認められる。
【0027】図1において推進力伝達用リング3の内周
面と挿し口1の外周面12との間へ防食カバー7を嵌装
する。防食カバー7は伸縮可能な蛇腹形で、敷設後、継
手内で挿し口1と受け口2の相対的な位置が変動したと
き、この伸縮に応動して円滑に伸縮する構造であること
を要件とする筒体で、両端を押圧フランジ11と受口2
の側端面21にそれぞれ接着剤やボルト止めによって固
定して挿し口外周面12を被覆する。材質は遮水性と土
壌腐食を主対象とする耐食性に重点をおき、熱可塑性樹
脂、たとえばポリエチレンやゴムなど多くの材質の中か
ら選択が可能である。継手部が引き抜かれる方向、及び
押し込まれる方向の何れでも外力が作用すれば、管体の
移動に対応して防食カバーが伸縮し、常に管体と土壌と
が直接接触しないように遮蔽する形状と強度を常に持続
できれば、とくに求められる他の要件はない。
【0028】図2は推進工法によって現地敷設が完了
し、経時的な変化に基づいて推進力伝達用リング3が土
中微生物代謝によって分解し、最終的に炭酸ガスと水に
変化して空間を形成した状態を示す。この空間の形成と
共に管上などの土壌の一部が入れ替わって紛れ込む場合
も当然予想されるが、図示は省略する。推進力伝達用リ
ングは消失した後も防食カバー7はそのまま残って挿し
口の外周面12を被覆し、腐食から管体を保護する。言
うまでもなく、挿し口外周面には十分な防食塗料が施さ
れているが、外装コンクリートを施してある他の管体部
と比べると防食面で弱点となる可能性があるため、とく
にこの部分の耐食性を強化して万全を期す構造とした点
に本発明の特徴がある。
【0029】図3(A)〜(C)は本発明を実施する時
の手順を示したそれぞれの断面図であり 図(A)において受口2の内周面22にゴム輪4、ロ
ックリング5、ロックリング心出し用ゴム52を装着す
る。一方挿し口1の外周面12には防食カバー7を押圧
フランジ11に固着し、その外周面上に生分解性プラス
チックで形成された推進力伝達用リング3を取り付け
る。 図(B)において挿し口1を受口2に挿入し受口の開
口部の側端面21を推進力伝達用リング3に接近させ
る。挿し口外周面12に嵌装した防食カバー7を受口側
へ引き出してその端部を受口の側端面21に接着剤やボ
ルト止めによって固定する。 図(C)において挿入された挿し口1をさらに受口2
内へ深く挿し込み、一旦、引き出した防食カバーを縮め
ながら受口側端面21が推進力伝達用リング3に接する
まで挿し口を挿し進めて継合部を形成する。その後、油
圧ジャッキによりパイプインパイプ工法および鞘管方式
推進工法であれば既設管若しくは鞘管に順次接合と挿入
を繰り返すことにより推進され、直押し推進工法であれ
ば順次接合と掘削を繰り返すことにより推進される。
【0030】図4および図5は本実施例における確保さ
れた継手伸縮量について示す。推進力伝達用リング3が
加水分解や微生物の代謝により生分解された後、無定形
の分解層に変質或いは分解消失することにより、継手が
押し込まれる側には押し込み余裕量が、引き抜かれる側
には引き抜き余裕量が確保された状態となる。図4は管
路に引き抜かれる方向に外力が働いた後の状態を示し、
挿し口先端近くの挿し口突起13が受口内周面のロック
リング5と突き当って係止し、管と管の離脱を防止した
状態である。挿し口の外周面はこの作動に伴って新たに
露呈範囲が拡張するが、防食カバー7が伸張して露呈面
を完全に外部から遮蔽するから土壌との接触が阻止され
る。
【0031】図5は管路に押し込まれる方向に外力が働
いた後の状態を示し、挿し口先端は受口最深部の段差面
に接近し、防食カバー7は最短に押し縮められて挿し口
の押圧フランジ11と受口側端面21との間に挾み込ま
れた状態となるが、挿し口外周面と土壌との接触を阻止
する機能は依然変わらず維持される。
【0032】(財)国土開発技術センター「地下埋設管
路耐震継手の技術基準」(案)に規定されているよう
に、管長の1%以上の押し込み代および引き抜き代を確
保することも容易である。引き抜き力が作用した場合に
は、最終的には挿し口突起13とロックリング5が掛か
り合うことにより、引き抜き力に耐える構造となってい
る。また、管の継合および継手伸縮量を確保する手段
は、すべて管外面側から行うため、作業員が管内に潜入
出来ない口径φ800mm未満の中小口径においても適
用可能であり、従来技術のように管径による実施の可否
という制約が完全に消滅した。
【0033】固着方法として溶接以外に、接着剤によっ
て全周が好ましいが部分的に固着する方法や、図6
(A)(B)に示すようなサドル形状のような半円形の
部材8を互いに対向させてボルト9とナット9aで締結
固定した概略環状体としたもの、図7(A)(B)に示
すような挿し口1に凹周溝1aを切り、該溝に2つ以上
に分割した押圧フランジ11aを嵌め込んで装着し、該
フランジの端部9bをボルト9とナット9aで締結固定
するものなどが考えられる。また、パイプインパイプ工
法および鞘管方式推進工法であれば前記したフランジや
サドルにそりや図示するようなキャスター91を設けて
推進抵抗を大幅に減少させることができる。
【0034】
【発明の効果】推進工終了後、推進力伝達用リングが加
水分解や微生物の代謝により一定期間後に生分解される
ことで、挿し口と受口の間に無定形の分解層或いは空間
が形成されるから、管が引き抜かれる方向および押し込
まれる方向共に継手伸縮量が確保できるため、地震など
により地盤が大きく変動した場合でも継手部は地盤変動
に追従でき、管路の耐震性を最高レベルにすることが可
能である。
【0035】さらに形成された分解層あるいは空間に周
辺の土壌が紛れ込み特殊な土壌腐食雰囲気に曝露された
ときにも、防食カバーが挿し口外周面を遮蔽して腐食作
用から保護する。また地盤変動などで継手が抜け出し、
新たに露呈する挿し口外周面が現れたときも、この変動
に応じて伸縮する防食カバーの遮蔽機能は変わらず維持
されるという優れた効果が発揮される。
【0036】また、継手伸縮量を確保する手段は、管外
面側から行うために、人員による管内作業が出来ない口
径φ800mm未満の管であっても、推進工法用耐震管
継手として使用でき、管内面の接水部に機能を付加しな
いために、現行の管継手の機能を損なうことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管継手の断面図である。
【図2】敷設後の作用によって変化した状態の断面図で
ある。
【図3】(A)〜(C)によって本発明の管継手の接合
手順を示すそれぞれの断面図である。。
【図4】本実施例において管路に引き抜かれる方向に力
が働いた状態を示す断面図である。
【図5】本実施例において管路に押し込まれる方向に力
が働いた状態を示す断面図である。
【図6】他の実施例を示す正面図(A)とA−A断面の
矢視図(B)である。
【図7】さらに他の実施例を示す一部断面正面図(A)
とA−A断面の矢視図(B)である。
【図8】従来技術の一部正面断面図である。
【図9】パイプインパイプ工法を示す正面断面図であ
る。
【図10】別の従来技術の一部正面断面図である。
【図11】推進工法を示す正面断面図(A)と推進工法
完了後を示す正面断面図(B)である。
【図12】別の従来技術を示す一部正面断面図(A)と
要部の側面図(B)および正面図(C)である。
【符号の説明】
1 挿し口 2 受口 3 推進力伝達用リング 4 ゴム輪 5 ロックリング 6 外装コンクリート 7 防食カバー 10 ダクタイル鋳鉄管 11 押圧フランジ 12 外周面 21 側端面 22 内周面 R 空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 直岐 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会社栗本鐵工所内 (72)発明者 藤田 弘司 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会社栗本鐵工所内 (56)参考文献 特開2000−337084(JP,A) 特開 平10−148290(JP,A) 特開 平8−291891(JP,A) 実開 平7−20393(JP,U) 特公 昭61−8320(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非開削で管路を新設または更新するパイ
    プインパイプ工法および地中を掘削しながら管を順次推
    進させて管路を布設する推進工法において、継合する管
    10Aの挿し口1に固着した押圧フランジ11と他方の
    管10Bの受口2の開口部の側端面21との間に推進力
    伝達用リング3を介装すると共に、該リング3と挿し口
    1の外周面12との間へ伸縮自在の蛇腹形よりなる防食
    カバー7を嵌装し、該リング3により後続の管からの推
    進力を先行する管へ伝達して管路を形成し、推進完了
    後、前記推進力伝達用リング3が周辺の環境により加水
    分解および生分解されて圧縮強度を失い、継手外周面に
    伸縮可能な環状の分解層或いは分解消失した空間Rを形
    成すると共に、挿し口1の外周面12を遮蔽しつつ前記
    伸縮に対して応動する防食カバー7によって分解層また
    は空間Rに侵入した土砂により生ずる腐食を防止するこ
    とを特徴とする耐震推進工法。
  2. 【請求項2】 パイプインパイプ工法および地中を掘削
    しながら管を順次推進させて布設する推進工法用の管継
    手において、挿し口1の外周面12に固着した押圧フラ
    ンジ11と受口2の開口部の側端面21との間に、推進
    工程時の推進力に対抗する圧縮強度を具え、推進工終了
    後、周囲の土壌中の水分や微生物と反応して分解し最終
    的には無害な分解物となって崩壊或いは消失する材料で
    形成した推進力伝達用リング3を介装すると共に、該リ
    ング3と挿し口1の外周面12との間へ伸縮自在の蛇腹
    形よりなる防食カバー7を嵌装したことを特徴とする耐
    震推進工法用の管継手。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記推進力伝達用リ
    ング3が微生物系、化学合成系、天然物利用系の生分解
    性プラスチックの何れかより選ばれた材料によって形成
    されたことを特徴とする耐震推進工法用の管継手。
  4. 【請求項4】 請求項3において、推進力伝達用リング
    3がポリ乳酸系の生分解性プラスチック材によって形成
    されたことを特徴とする耐震推進工法用の管継手。
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