JP3728709B2 - シールドセグメント - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
シールド工法で施工して地中に構築するシールドトンネルの一次覆工用には、鉄筋にコンクリートを打設したコンクリートセグメントと、鋼板のみで作られた鋼製セグメント、および鋼殻内にコンクリートを注入して合成した合成セグメント等が用いられる。
本発明は上記した合成セグメント等のようなシールドセグメントに係り、さらに詳しくは継手用のボルトを用いることなくセグメント間を強固に連結することのできる無ボルト型のシールドセグメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の合成セグメントの構成が、図16に示されている。
図16において、110は合成セグメントである。111と112は外側と内側のスキンプレート、113は主桁ウエブ、114は副桁ウエブ、115はコンクリート、116は副桁用継手箱、117はボルト孔である。また、118は主桁用継手箱、119は桁ウエブ113,114に設けられたボルト孔、120はグラウト用孔、121は注入孔、122はパッキン用の溝である。
【0003】
上記の内外のスキンプレート111,112、上下の主桁ウエブ113、及び左右の副桁ウエブ114を溶接などで結合して、図示したような密閉した6面体の鋼殻110aが構成される。鋼殻110aの構成に際して、継手箱116,118、グラウト用孔120、注入孔121等も合わせて付設して、鋼殻110aの所定位置に装着する。また、主桁ウエブ113や副桁ウエブ114には、予めパッキン充填用の溝122を加工して置く。その後、鋼殻110a内に非収縮性の無筋コンクリート115を加圧充填して、図示のような合成セグメント110が完成する。
【0004】
完成した合成セグメント110は、シールド掘進機に付設する組立機械を利用してリング状に結合される。結合後、継手箱116,118のボルト孔117,119に挿通したボルトによって、前後左右の隣接した各セグメント110が円筒状に締結されてシールドトンネルが地中に構築される。この外、前述の従来の鋼製セグメントやコンクリートセグメントの場合も、図16に示された合成セグメントと同様にボルトによる締結構造が採用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のシールドセグメントは、次の(a),(b),(c) で挙げるような種々の問題点があった。
(a) 従来のシールドセグメントの組立は、上記合成セグメント110のようにボルト締結式であるため時間が掛かり極めて作業性が悪い。したがって、現状のままでは機械による自動組立化の実施が難しく、自動組立化に適用できるような簡単で容易に組立できるような構造のシールドセグメントの実現が望まれていた。特に、小口径で狭いシールドトンネル内のボルトの締付けが一層繁雑で難作業になり、この点からもボルトを使わないシールドセグメントの組立て作業の自動化の採用が強く要求されていた。
【0006】
(b) 図16に示した合成セグメント110の場合のように、主桁ウエブ113や副桁ウエブ114の結合面の相互的な対応位置には、パッキン充填用の溝122を工作機械で切削加工するので、それだけ加工費が嵩んで製作費全体がコスト高になり易い。
【0007】
(c) 主桁ウエブ113や副桁ウエブ114に設けられた継手部の強度が、次の▲1▼〜▲3▼で説明するように地下河川等の内圧が作用するシールドトンネルのような場合の設計条件によつては不十分になることがある。
▲1▼ 図16で説明した副桁用継手箱116と主桁用継手箱118のようにシールドセグメント用の継手には、リング間を結合するリング継手とピース間相互を結合するピース間継手がある。厚みのある鉄筋コンクリート115や鋼殻110aで構成された本体部分に比べて、ボルトを用いた副桁用と主桁用の継手箱116,118とからなる従来のシールドセグメントのリング間とピース間の継手では強度が著しく相違している。
【0008】
▲2▼ 一般に、シールドセグメントの構造設計は、シールドトンネルの外側に鉛直土水圧Pvと水平土水圧Phが作用することを前提にして行われる。構築する地盤の土質条件によっては上記のPvとPhの差が大きくなり、極めて大きなモーメントがシールドセグメントに加わることになる。この場合に当然ピース間の継手部に大きなモーメントが作用するが、継手部のボルトの本数やボルト径等の選択的増強で対応できない場合もある。
【0009】
▲3▼ 地下河川用のシールドトンネルには、河川の流水によりシールドトンネルに内圧が加わる。内圧は上記の土水圧PvとPhの均等土水圧成分Pmを打消すように働くので、シールドトンネルに作用するモーメントが非常に大きくなる。この結果、内圧の作用するシールドトンネルの場合のリング間やピース間の継手部にも大きな引張力が働き、前記した従来のボルトを用いた継手では対応できないことになる。
【0010】
本発明は、このような従来装置の問題点を解消するためになされたもので、セグメントピースの桁ウエブを利用した雌雄接合形の接合機構により隣接したセグメント間の連結面を接合して高強度に連結すると共に、止水性が高くしかもボルトを用いることなくセグメント同士を簡単に結合できる無ボルト結合型のシールドセグメントを実現することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、セグメントピースの桁ウエブを多角形の枠状に成型したウエブ枠の少なくも外側をスキンプレートで覆って円筒多分割型の円弧状の鋼殻を構成し、鋼殻の厚さ方向のウエブをシールドトンネルのリング間とピース間の連結面にして連結するシールドセグメントにおいて、
ウエブ枠の円周方向の両側に沿って配置されて輪郭形状がほぼ同一の2個のフランジ枠を設け、両フランジ枠に対してウエブ枠を断層的にズラせて一体に結合して連結面に相補的な陥没部と隆起部とからなる接合機構を形成し、この接合機構を接合してリング間とピース間を連結するシールドセグメントを構成したものである。
【0012】
また、セグメントリング間に圧入型の継手機構を設けたシールドセグメントを構成したものである。
また、セグメントピース間に摺動型の継手機構を設けたシールドセグメントを構成したものである。
また、セグメントピースをほぼ長方形状に成型したシールドセグメントを構成したものである。
また、セグメントピースをほぼ亀甲状に成型したシールドセグメントを構成したものである。
さらに、セグメントリング内の隣接したセグメントピースのフランジ枠の間にシール溝を設けたシールドセグメントを構成したものである。
【0013】
本発明のシールドセグメントの各ピースの周辺部には、雄形の隆起部と雌形の陥没部からなる接合機構が構成されている。接合機構の隆起部と陥没部は、円弧面の内側と外側のフランジ枠に対して相対的にズラせて結合されたウエブ枠により形成されている。そして、各セグメントの周辺部に形成された接合機構の隆起部と陥没部は、セグメントがセグメントリングに組付けられたときに、相補的に接合されて接合機構が完結するようになっている。
【0014】
このような基本的な構造を備えた本発明のシールドセグメントは、シールドトンネルの一次覆工の組付け状態で前段リングの陥没部に各セグメントピースの径方向の隆起部が接合される。また、同一リング内の各セグメントピースの隆起部は、いずれもトンネルの軸方向の左右に隣接したセグメントピースの陥没部に接合してセグメントリングが形成される。この結果、全てのセグメントピースの全周辺部が接合機構によって緊密に重合されて、鉛直方向と水平方向土水圧は勿論のこと内圧にも対抗できる高剛性のシールドトンネル用のセグメントリングを実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態1のシールドセグメントの斜視図、図2は図1のX−X断面図、図3は図1のY−Y断面図、図4は本発明の実施形態1のセグメントをシールドトンネルから分離したときの斜視図、図5は本発明の実施形態1の鋼殻の分解斜視図である。
実施形態を説明する前に、先ず本発明のシールドセグメントの基本的な構造を長方形状のシールドセグメントを例示して説明する。
図6は本発明の基本的な構造を示す原理的説明図で、(a) は平面図、(b) は要部の断面図である。
図6の(a) ,(b) において、Sはシールドセグメント(以下、単にセグメント)、Mは隣接したセグメントSの各ピースSp の相互間の連結面を接合する接合機構である。セグメントSは図16で説明した合成セグメント110やコンクリートセグメント等からなる。
なお、コンクリートセグメントの場合、接合機構Mをコンクリートで形成するか、又は陥没部Mf 、隆起部Mn をコンクリート以外の材料(合成樹脂、樹脂モルタル等)で形成し、コンクリート部と一体化させても良い。
【0016】
接合機構Mは(a) ,(b) 両図に示されたように、セグメントピースSp のフランジ枠にズレδで断層的に結合されたウエブ枠による雄形の隆起部Mm と雌形の陥没部Mf で構成されている。隆起部Mm と陥没部Mf は隣接したセグメントピースSp のリング間及びピース間に形成されて、相補的に接合されて重合が完結するようになっている。Ii は接合機構Mを形成させるための内側のフランジ枠、Io は外側のフランジ枠、Im はウエブ枠で、例えば鋼材により溶接で結合される。Po とPi は外側と内側のスキンプレート、Cは充填されたされたコンクリートである。なお、前述のごとく内側スキンプレートは、設計条件によっては無くても良い。
【0017】
このような基本的な構造を備えたセグメントピースSp は、シールドトンネルの一次覆工の組付け状態でズレδによる前段リングの陥没部Mf に各セグメントピースSp の径方向の隆起部Mm が接合される。また、同一リング内の各セグメントピースSp の軸方向の隆起部Mm は、いずれも右側に隣接したセグメントピースSp の陥没部Mf に接合してセグメントリングが形成される。この結果、全てのセグメントピースSp の全周辺部が接合機構Mによって緊密に重合して、前記土水圧Pv,Phは勿論のこと内圧による剪断力にも対抗できるシールドトンネル用の高剛性のセグメントリングを実現することができる。
【0018】
再び、図1乃至図5に戻り、上述したような基本的な構成を備えた本発明の具体的な実施形態1を、接合機構M以外の構成部品に新たに数字符号を付した図面にしたがって説明する。
実施形態1.
本発明の実施形態1では、円筒状のセグメントリングを6分割した6ピース型のセグメントが例示されている。
図4において、1はシールドトンネル、2はトンネル軸である。3はシールドトンネル1を構成するセグメントリング、4はセグメント、41〜46はセグメントリング3内に組込まれた各セグメント4からなるセグメントピース、10は鋼殻である。
【0019】
セグメント4の構造が図1〜3の各図にやや拡大して示され、鋼殻10が図5の分解図に示されている。図3と図4において、5と6はセグメント4の外周面(図の下側)と内周面(図の上側)に固着される上,下のスキンプレート、7と8はフランジ枠、9はウエブ枠である。フランジ枠7と8およびウエブ枠9には、いずれも長短各2枚で一対の板状の鋼材が用いられている。71,72と81,82は互いに対向するフランジ枠7と8のフランジ、91,92はウエブ枠9を構成する一対の主桁ウエブと副桁ウエブである。
【0020】
フランジ枠7と8は板面をセグメント4の円弧面に平行方向に連結して共に薄い角枠を形成し、ウエブ枠9は板面を円弧面に直角方向に連結して外郭形状が同一でやや深い角枠形に成型されている。11は図の前方と手前の主桁ウエブ91に設けられ雌継手12と雄継手13からなる圧入型の継手機構、14は左右の副桁ウエブ92に設けられ雌継手15と雄継手16からなるた摺動型の継手機構である。
【0021】
圧入型の継手機構11と摺動型の継手機構14の拡大断面図が、図7,8と図9,10に示されている。主桁ウエブ91と副桁ウエブ92には従来のようなボルト孔がなく、圧入型の継手機構11と摺動型の継手機構14により合成セグメント4がピース間とリング間に結合されるようになっている。そして、ウエブ枠9を間に挟んで外側と内側に、フランジ枠7と8およびスキンプレート5と6が溶接により順次重ね合わせて結合されて6面が鋼板で囲まれた方舟状の鋼殻10が構成される。
【0022】
この場合、前述の図6で説明したようにウエブ枠9がフランジ枠7,8から平行移動して断層的に結合され、トンネル軸方向(X方向)とトンネル径方向(Y方向)に前記のズレδが形成されている。ほぼ同一幅のズレδにより手前側の主桁ウエブ91が前記図6の陥没部Mf を形成し、向う側の主桁ウエブ91が隆起部Mm をなしている。同様に、左側の副桁ウエブ92が陥没部Mf をなし、右側の副桁ウエブ92が隆起部Mm を形成して全周に相補的な接合機構Mが構成されるようになっている。
【0023】
17は鋼殻10内に充填されたコンクリート、18は隣接したフランジ枠8の隙間によりセグメントリング3の間に形成されたシール溝である。図9と図10の19は補強用のスチフナ(stiffener )で、角隅部に一定間隔毎に固着される。また、図10の2点鎖線は、T字状の雄継手16の頭部を覆うような形状の雌継手15の変形例を示したものである。
【0024】
このような構成の実施形態1のシールドトンネル1の組立て動作の一例を、図11を併用して次に説明する。ここでは、前記の圧入型の継手機構11をウエブ枠の隆起部Mm 側に設けて、この隆起部Mm を手前側にして組み立てた場合を挙げて説明する。
図11は本発明実施形態1の動作を説明するための展開図である。
図11において、31,32はシールドトンネル1に組付けられた既設のセグメントリング、33は組立中のセグメントリング、41〜46は前記のセグメント4を用いた各セグメントピースである。
【0025】
図示のように、実施形態1では6個のセグメントピース41〜46のうち、セグメントピース41,42,46は長方形で、セグメントピース43,45は単一の傾斜辺を持つ変形台形、セグメントピース44は台形に成型されている。中抜き矢印Aはシールド掘進機の掘進方向、矢印aは組付けられるセグメント4の加圧方向である。鎖線は前記ズレδにより断層的に平行移動してズレたウエブ枠9のセグメント4の本体に対する相対的な位置を示す。
【0026】
シールド掘進機により、敷設地盤に図4で示したシールドトンネル1よりやや大きい円筒形のトンネルが穿設される。穿設されたトンネルにはシールド掘進機の矢印A方向の掘進の進行に連れて、後方に予め内壁面に沿ってセグメント4の複数個のセグメントピース41〜46が順次リング状に結合される。そして、同図に示されたような複数のセグメントリング31,32…よりなるシールドトンネル1が、トンネル内に施工される。
【0027】
既設のシールドトンネル1の施工端には、セグメントリング31,32を構成する6個のセグメント4の連結に伴ってセグメントリング32の手前側の主桁ウエブ91が連続してリング状の隆起部Mm が形成されている。セグメントリング33の6個のセグメント4で構成されるシールドトンネル1の組立には、掘進機の背後に設置された自動組立装置により、坑内搬送台車で搬入された各ピース41〜46を順次受取って次のような動作で自動組立が行われる。
【0028】
先ず、図11の展開図に示すように、セグメント4のピース41を前段のセグメントリング32に継手機構11の継手を円周方向に1個分ズラせて対応させる。雌継手12を設けた主桁ウエブ91を手前側にして、前方(矢印a方向)の雄継手13を前段のセグメントリング32上の雌継手12に合わせて押し付ける。押付けた雄継手13が前段の雌継手12内に割込んで固く嵌め合されて、セグメントピース41が最初に前段のセグメントリング32に組み付けられる。雄継手13と雌継手12の相互的な嵌合には、前記自動組立装置のシールドジャッキにより矢印a方向の押圧力が加えられる。このとき、セグメントピース41の前方の主桁ウエブ91よりなる陥没部Mf が、前段のセグメントリング32の主桁ウエブ91の隆起部Mm に重合される。
【0029】
次に、このセグメントピース41の右側にセグメントピース42が運ばれ、位置合わせしてセグメントピース41の右側の雌継手12に雄継手13を嵌め合わせる。継手機構14を嵌めたままセグメントピース42を前方に摺動して、前段のセグメントリング32の雌継手12に前方の雄継手13を嵌める。継手12と13を嵌合させると同時に、セグメントピース42の前方と左側の2辺部が接合機構Mの陥没部Mf と隆起部Mm の接合で重合される。図11の実線部分はこのときの組付け状態を示している。
【0030】
引続いて、セグメントピース41の左側の雌継手12に雄継手13を嵌合させて、セグメントピース46がセグメントピース41の左側に結合される。同様の動作で、セグメントピース45と43がそれぞれセグメントピース46と42に結合され、最後に台形のセグメントピース44がセグメントピース45と43の間に嵌合される。そして、新しく円筒状に完結されたセグメントリング33が形成されて、圧入型の継手機構11の継手を1個ずつズラせて前段のセグメントリング32に連結して増設される。
【0031】
上述のようにして連結されたセグメントピース41〜46のリング間とピース間の相互の結合状態が図7と図9に示され、図8と図10に嵌合前の状態を示されている。この場合、セグメントピース43,45,46の副桁ウエブ92には、例えば図12と図13に示すような係止式の摺動型の継手機構14が準備される。雌継手と雄継手には、前記と同一の数字符号15と16が付されている。図13の(a) と(b) に示す副桁ウエブ92の面を向い合わせて接触して摺動すれば、図12のように雄継手15と雌継手16が嵌合して定位置で係止される。1点鎖線の方向に嵌め合う雄継手15と雌継手16によれば、軸方向の結合強度を高くすることができる。
【0032】
その後、シールド掘進機による掘削が再開して、セグメントリング3の幅と同距離のトンネルの掘進が行われる。そして、上記と同様の動作で、次段のセグメントリングが既設のシールドリング33に同軸的に結合される。このようにして、シールド掘進機の掘進ストロークに対応してセグメントリング31,32…が順次連続的に連結されて、シールドトンネル1が矢印Aの掘進方向に向かって延長されることになる。
【0033】
因みに、本発明の構造を採用して内圧を受ける地下河川用のセグメントの試作例の諸元を、次に示す。
Figure 0003728709
【0034】
また、フランジ枠7とウエブ枠9に用いた鋼板の寸法を表示したリング間付近の断面図を、図14に示した。表示寸法から明らかのように、フランジ71,72と桁ウエブ91,92には、それぞれ36×200(125…ピース間)mmと22×328mmの鋼板が使われている。また、シール溝18の溝幅は3mmに設定され、このシール溝18にはセグメントリング31,32…の組込み時にウレタン樹脂やクロロプレンゴム等の水膨脹性のシール材が介装される。水膨脹性のシール材が介装されるシール溝18が、セグメント4の外周面に設けられている。このため、地山側の地層からの流水の浸透がシールドトンネル1の表層部で阻止されるので、トンネル内部の漏水を効果的に防止することができる。なお、黒塗りの部分は溶接箇所である。
【0035】
また、ピース間継手に図9,10に示したT字状の摺動型の継手機構14を構成したときの継手強度を、従来のボルトを用いた継手箱の継手強度とを算出して比較する。
(1) M42(公称径42mmで破断強度が1cm2 当り約10tf)のボルトを6本使用した従来継手箱形式の継手の場合の継手部引張強度
10×6×π/4(4.2)2 =349.1(tf) …(a)
【0036】
(2) ウエブ厚twが22mmで長さ125mmのSM490の鋼材(破断強度が1cm2 当り約5.0tf)を使用した摺動型の継手機構の継手の場合の引張強度
5.0×2.2×125=1375(tf) …(b)
上記の(a) ,(b) 2式の比較から明らかのように、実施形態1の摺動型の継手機構では、従来のボルトを用いた継手箱の4倍弱の強度が算出され、充分大きな引張り耐力が得られることが確かめられた。
【0037】
実施形態2
図15は本発明の実施形態2を適用したシールドトンネルの展開図で、亀甲形(六角形)のセグメント4が示されている。
図11のときと同様に鎖線は、断層的に平行移動したウエブ枠9のセグメントの本体に対する相対的な位置を示す。亀甲形の各セグメント4のY方向を二分するY1 −Y1 線,Y2 −Y2 線,Y3 −Y3 線で示されたように、台形の2個のセグメントに相当する。
【0038】
実施形態2の亀甲形のセグメント4によれば形状が1種類に集約され、多量生産的なセグメントが実現する。また、セグメントの組立をシールドトンネルの屈進との同時作業が可能で、作業能率の大幅な向上が期待できる等の長所がある。この種の形状のセグメント4はゴシックで示す斜線を突合わせた連結部が、従来から強度的な弱点と見做されていた。しかしながら、本発明の接合機構Mを採用することにより、上記の構造的な弱点が補償されて充分な強度を有するセグメントリングを構成することができる。
【0039】
実験的な実施例では、リングの直径5.3φ、主,副桁ウエブ91,92の厚さが20cm、セグメント幅は1.2mに構成した。リング間には実施形態1の図7,8と同一なラッパ状の圧入型の継手機構11を設け、ピース間には接合機構Mのみを採用して継手機構を省略した。自動組立による組立・屈進の同時施行が可能で施行後の水漏れもなく止水性もほぼ完璧であった。
【0040】
なお、上述の本発明の実施形態1では形状が3種類で6分割型のシールドリングの場合を例示して説明したが、全部を台形にしてもよく、8ピースや10ピース等のようにセグメントの分割ピース数を適宜増減することができる。更に、六角形、台形以外の多角形状(例えば凸等)の形状も可能である。また、実施形態1ではラッパ状の圧入型の継手機構と主にT字状の摺動型の継手機構を図示して説明したが、個数の増減は勿論のこと実施形態以外の異なる構造の継手機構を利用してもよい。また、コンクリート型の構造ではスキンプレートの内面にスタッドやアンカー筋等を設けてもよく、場合によっては内側のスキンプレートを省略することもできる。さらに、セグメントの組付け方向や組立て順序等も必ずしも実施形態に限定するものではない。また、コンクリートを充填しない綱殻のみのセグメントでも良い。
【0041】
【発明の効果】
この発明は、セグメントピースの桁ウエブを多角形の枠状に成型したウエブ枠の少なくも外側をスキンプレートで覆って円筒多分割型の円弧状の鋼殻を構成し、鋼殻の厚さ方向のウエブをシールドトンネルのリング間とピース間の連結面にして連結するシールドセグメントにおいて、
ウエブ枠の円周方向の両側に沿って配置されて輪郭形状がほぼ同一の2個のフランジ枠を設け、両フランジ枠に対してウエブ枠を断層的にズラせて一体に結合して連結面に相補的な陥没部と隆起部とからなる接合機構を形成し、この接合機構を接合してリング間とピース間を連結するシールドセグメントを構成した。
【0042】
また、セグメントリング間に圧入型の継手機構を設けたシールドセグメントを構成した。
また、セグメントピース間に摺動型の継手機構を設けたシールドセグメントを構成した。
また、セグメントピースをほぼ長方形状に成型したシールドセグメントを構成した。
また、セグメントピースをほぼ亀甲状に成型したシールドセグメントを構成した。
さらに、セグメントリング内の隣接したセグメントピースのフランジ枠の間に軸方向のシール溝を設けたシールドセグメントを構成した。
【0043】
上述のように本発明は内,外のフランジ枠に挟まれて相対的にズラされて固定されたウエブ枠を利用して、シールドセグメントの周辺部に相補的に接合される陥没部と隆起部からなり接合機構を設けたシールドセグメントを構成した。したがって、シールドトンネル内に組み込まれた全てのシールドセグメントの連結面が、接合機構によりピース間とリング間で接合される。この結果、陥没部と隆起部とからなる接合機構により、セグメントリング間の剪断力を十分に伝えることができるので、シールドセグメントの連結面の結合が著しく強化され、シールドトンネルの鉛直方向と水平方向に加わる土水圧Pv ,Ph に対抗するシールドセグメント構造にすることができる。
【0044】
また、上記の構造により、内圧対応型のシールドセグメント構造にすることもできる。必要があれば、圧入型や係止式を含む摺動型の継手機構を併設して、剪断力に耐える高強度なシールドセグメントを製作できる。また、圧入型の継手機構等の組み合わせにより組立時セグメントリング間の剪断ずれが拘束されるため、従来のボルト締結式継手の合成セグメントと比較して組立てのための連結部材が少なくて済む。さらに、組立て時間と組立て工程が短縮され、シールド施工速度が大幅に向上すると共に、機械による自動組立化が容易な構造で組立て作業の省力化が可能となる。
【0045】
よって、本発明によれば、シールドセグメント同士を一定方向に押圧して簡単に結合することができ、ボルトを用いない無ボルト結合型で高剛性のシールドセグメントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のセグメントの斜視図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】図1のY−Y断面図である。
【図4】本発明の実施形態1のセグメントをシールドトンネルから分離したときの斜視図である。
【図5】本発明の実施形態1の鋼殻の分解斜視図である。
【図6】本発明の基本的な構造を示す原理的説明図である。
【図7】本発明の実施形態1のリング間の連結状態を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態1のリング間の分離状態を示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態1のピース間の連結状態を示す断面図である。
【図10】本発明の実施形態1のピース間の分離状態を示す断面図である。
【図11】本発明の実施形態1を適用したシールドトンネルの展開図である。
【図12】本発明の実施形態1に適用する継手機構を示す斜視図である。
【図13】図12の継手機構の分解斜視図である。
【図14】本発明の実施形態1の諸元を示すリング間の断面図である。
【図15】本発明の実施形態2を適用したシールドトンネルの展開図である。
【図16】従来の合成セグメントの構成説明図である。
【符号の説明】
1 シールドトンネル、
2 トンネル軸、
3 セグメントリング、
4 セグメント、
5 スキンプレート、
6 スキンプレート、
7 フランジ枠、
8 フランジ枠、
9 ウエブ枠、
10 鋼殻、
11 圧入型の継手機構、
12 雌継手、
13 雄継手、
14 摺動型の継手機構、
15 雌継手、
16 雄継手、
17 コンクリート、
41〜46 セグメントピース、
71 フランジ、
72 フランジ、
81 フランジ、
82 フランジ、
91 ウエブ、
92 ウエブ、
M 接合機構、
Mm 隆起部、
MF 陥没部、
δ ズレ。

Claims (7)

  1. セグメントピースの桁ウエブを多角形の枠状に成型したウエブ枠の少なくも外側をスキンプレートで覆って円筒多分割型の円弧状の鋼殻を構成し、該鋼殻の厚さ方向のウエブをシールドトンネルのリング間とピース間の連結面にして連結するシールドセグメントにおいて、
    前記ウエブ枠の円周方向の両側に沿って配置されて輪郭形状がほぼ同一の2個のフランジ枠を設け、該両フランジ枠に対して前記ウエブ枠を断層的にズラせて一体に結合して前記連結面に相補的な陥没部と隆起部とからなる接合機構を形成し、該接合機構を接合して前記リング間とピース間を連結することを特徴とするシールドセグメント。
  2. 前記セグメントのリング間に圧入型の継手機構を設けたことを特徴とする請求項1記載のシールドセグメント。
  3. 前記セグメントのピース間に摺動型の継手機構を設けたことを特徴とする請求項1または2記載のシールドセグメント。
  4. 前記セグメントピースをほぼ長方形状に成型したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシールドセグメント。
  5. 前記セグメントピースをほぼ亀甲状に成型したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシールドセグメント。
  6. 前記セグメントのリング内の隣接したセグメントピースのフランジ枠の間にシール溝を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシールドセグメント。
  7. 前記セグメントピースを任意の形状の多角形に成型したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のシールドセグメント。
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