JP3517381B2 - さや管内挿入工法用台車 - Google Patents

さや管内挿入工法用台車

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JP3517381B2 JP2000059553A JP2000059553A JP3517381B2 JP 3517381 B2 JP3517381 B2 JP 3517381B2 JP 2000059553 A JP2000059553 A JP 2000059553A JP 2000059553 A JP2000059553 A JP 2000059553A JP 3517381 B2 JP3517381 B2 JP 3517381B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L21/00Joints with sleeve or socket

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Joints With Sleeves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水道、ガス、下水
道等に用いる流体輸送用配管を非開削で地下に布設する
さや管推進工法において新管挿入装置として使用するに
適した台車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダクタイル鋳鉄管等の流体輸送用配管を
埋設する工法としては、地面を開削して布設する開削工
法が一般的であったが、近年は幹線道路だけではなく一
般道路においても交通量が増加しているので、開削工法
のために交通を遮断することは困難となっている。そこ
で、発進立坑と到達立坑だけを開削し、さや管としてヒ
ューム管や鋼管等を推進埋設した後に、ダクタイル鋳鉄
管を挿入するさや管推進工法や、既設管をさや管とし
て、その中に口径の小さい新管を挿入して管路を更新す
るパイプインパイプ工法等の推進工法が広く採用される
ようになった。
【0003】従来採用されてきたさや管方式推進工法に
おける管継手は、例えば図19に示すようなものであ
る。この継手100は、PII形継手と呼ばれるもので、
挿し口101、受口102、ロックリング103、セッ
トボルト104、ゴム輪105等で構成される。
【0004】また、図20は上記従来のパイプインパイ
プ工法の概要を表すもので、発進立坑Sと到達立坑Rと
の間に埋設されている既設管(さや管)P’内に、これ
よりも径の小さな新管(本管)Pを挿入する。発進立坑
には油圧ジャッキJが設置されており、該油圧ジャッキ
の後部は反力受けHに当接し、前部は押角Bを介して新
管Pを押圧するようになっている。新管Pは、その先端
部の挿し口101を先行の新管の後端部の受口102に
挿入することによって順次接合され、既設管内に押し込
まれて行く。なお、先頭の新管の先端部には先導ソリK
が取り付けられている。
【0005】上記新管P,…の接合は、次のようにして
行われる。まず、ロックリング103及びゴム輪105
を受口内面に装着する。然る後、油圧ジャッキJを作動
させて、受口102に挿し口101を挿入し、セットボ
ルトを締め付ける。これにより、後端部が発進坑に臨ん
でいる先行の新管の後部に後続の新管が接合される。後
続の新管が接合されたら、油圧ジャッキJで押圧して、
接合された一連の管列を到達坑に向かって進行させる。
油圧ジャッキの推進力は、上記ロックリング103と、
ロックリング溝107の端面107aとの当接によって
伝達される。なお、図では既設管内に新管を挿入するこ
とにより管路を更新しているが、まず地下にさや管を推
進し、さらにこのさや管内にパイプインパイプ工法にて
新管を挿入するさや管推進工法も同様に行われている。
【0006】上記パイプインパイプ工法に使用されるP
II形継手以外にも、管路新設のためにまずさや管を推進
し、さらにさや管内に管路の布設を行う工法において使
用される耐震性を考慮した継手として、図21(a)に
示すS形継手や図21(b)に示すSII形継手等があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記PII形継手の場合
は、パイプイン終了後は、ロックリング103の側面と
ロックリング溝107の端面107aとが接触した状
態、すなわち継手が押し込まれた状態となっているた
め、引き抜き代のみは確保されているが、挿し口101
が受口102に入り込む方向には移動できない。このた
め、継手が両方向に伸縮する必要のある耐震管継手とし
ての性能を半ばしか満たしていないという問題点があ
る。なお、地震等により継手に大きな引き抜き力が作用
した場合には、ロックリング103とロックリング溝1
07の反対側の端面が係合することにより、離脱阻止力
を発揮するが、S形継手に比べて離脱阻止力が小さく、
継手の耐震性が劣るため、さや管内推進工法において、
より優れた耐震性能を有するS形継手、SII形継手等を
用いることも多い。
【0008】しかしながら、上記S形継手、SII形継手
の場合においても、推進が終了した状態では挿し口の先
端部が図21(a)、図21(b)の鎖線で示すよう
に、受口の奥端面に当接した状態となっているため、地
震が発生した時は、引き抜き方向には移動可能であるが
押し込み方向には移動できない。したがって、最高の耐
震性能を持つS形継手、SII形継手であっても、押し込
み側への収縮量がないため、耐震管継手としての性能を
十分に発揮できないという問題点がある。
【0009】なお、S形継手と似た構造の管継手におい
て、挿し口と受口との間にライナーを装着して管を推進
し、推進終了後に上記ライナーを取り外すことにより、
押し込み方向への伸縮を可能とする方法が提案されてい
る(特開平10−148290号)。しかしながら、こ
の方法ではライナーの取外しのための作業と、特別の取
外し装置が必要であると言う問題点がある。
【0010】そこで、本発明は、上記のような問題点を
解決し、口径にかかわらず耐震性の最大の要件である十
分な伸縮量を確保した状態で管及び継手を挿入すること
ができるさや管内挿入工法用の装置を提供することを課
題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のような構成を採用した。すなわち、本
発明にかかるさや管内挿入工法用台車は、先行の管の受
口に後続の管の挿し口を挿入して前後の管を継ぎ合わ
せ、既存のさや管内に挿入するさや管内挿入工法で使用
される台車であって、後続の管の挿し口外周面に装着さ
れ互いにボルトで締め付けて結合される複数の円弧状部
材からなる環状体と、該環状体の下部に設けられた車輪
と、前記受口に対向するように管の外周に沿って環状体
に設けられたフランジと、該フランジと先行の管の受口
端部との間に介装される挿入力伝達部材とを具備するこ
とを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に表された本発明の実
施の形態に基づいて具体的に説明する。図1乃至図4は
本発明にかかるさや管内挿入工法用台車を取り付けた管
継手の第1の実施形態を表すもので、この管継手は、水
道の耐震継手として通常使用されているS形継手であ
り、基本的には図21に示した通り挿し口1と受口2か
らなる。挿し口1は、ダクタイル鋳鉄管の先端部外周面
に挿し口突起3が一体に設けられている。地震などによ
り大きな引き抜き力が管継手に作用した場合には、この
挿し口突起3とロックリング4とが係合することによ
り、受口2からの挿し口1の抜け出しを防止する。この
挿し口突起3は、挿し口1の外周部全体にリング状に設
けられている。
【0013】受口2は、ダクタイル鋳鉄管の後部を概略
漏斗状に拡径してなり、その開口部は奥すぼまりのテー
パ穴部2aとして形成されている。このテーパ穴部より
も奥側の内面部にロックリング溝12が全周にわたって
設けられ、これに一つ割りで拡がり勝手に作られたロッ
クリング4が嵌合している。受口2の後端面は軸方向と
直角な平面2bとして形成され、図21(a)に示され
ているように、この面にボルト螺着用のねじ穴13,…
が設けられている。このねじ穴13,…には、押輪8の
通孔に挿通したボルト9(a),…がそれぞれ螺着さ
れ、これにナット9(b)が螺着されている(以下、両
者を合わせてボルト・ナット9と呼ぶ)。
【0014】前記受口2の奥すぼまりの開口部内面と挿
し口1の外周部にはシール材であるゴム輪10が装着さ
れている。このゴム輪10は受口2の開口部内面に沿う
形状に形成されていて、その後部に割輪7があてがわ
れ、該割輪の後部に押輪8が配置されている。押輪8は
後述の通り特殊形状に形成されていて、前記の通りボル
ト9(a)が挿通され、その後ろにはナット9(b)が
螺着されているので、ボルトを締め付けると押輪8が前
向きに押され、割輪7を介してゴム輪10が受口2のテ
ーパ穴部2aと挿し口1の外周面との隙間に押し込まれ
る。なお、ゴム輪10の先端部にはバックアップリング
6が配置されている。
【0015】挿し口1の外周部には、挿入力を先行の管
に伝達する挿入力伝達装置を兼ねた台車20が取り付け
られている。この台車20は、複数(図示例では3個)
の円弧状部材22,…を互いにボルトで結合して構成し
た環状体21を基体とするもので、各円弧状部材22の
両端部には固定用の張出片22a,22aが突設されさ
れている。また、上記円弧状部材22の前部(受口に臨
む側)には円弧状のフランジ22bが一体に設けられて
いる。
【0016】上記複数の円弧状部材22,…は、挿し口
1の外周面を囲むように配置し、互いに隣接する円弧状
部材の端部に設けた張出片22a同士をボルト23とナ
ット23aで締め付けることにより環状に結合される。
このボルト・ナットによる締め付けにより、台車20が
挿し口1に固定されるが、この固定力は、地震等による
巨大な力が作用した時は挿し口1の外面に沿って軸方向
にスリップする程度の強さである。なお、上記円弧状部
材22は、ボルト23とナット23aを締め付けること
によって挿し口の外周に沿わせることができる程度の弾
性と適当な強度を有する材料、例えばSS材やFCD材
で製作することができる。
【0017】図示例の台車20の環状体21は、図1
(b)に示すように同形状の1対の円弧状部材22
(A,A)と、これらよりも小さい1個の円弧状部材2
2(B)とで構成される。小さい円弧状部材22(B)
は最も下側に配置されるもので、その突出片22aと隣
接する大きい円弧状部材22(A,A)の突出片との間
に車輪(キャスター)25が取り付けられている。この
車輪の材質としては、円弧状部材と同様に、SS材やF
CD材を用いることができる。車輪外面には樹脂ライニ
ングやゴムライニングを施しておいてもよい。この車輪
25は、それ自体に設けられた貫通孔25aと上記突出
片22aにボルト27を挿通してナット27aで締め付
けることにより環状体21に取り付けられる。この車輪
25はさや管の内面上を転動するもので、図示例の車輪
の他に、例えばボール状のものを用いることも可能であ
る。
【0018】また、円弧状部材の突出片22a,…の前
側下隅22cはソリ状に斜めに形成されている。このよ
うに、突出片22a,22aをソリとして機能するよう
に形成しておけば、さや管の底部から挿入管を持ち上げ
て推進することができるので、さや管の底部に石ころや
段差があっても、それを乗り越えるのが容易となる。な
お、上記車輪25のように、挿入管を持ち上げることの
できる部材を設けておけば、管支持用の別の支持部材が
不要となり、さや管の中央部に挿入管を支持するための
芯出しも容易となる。
【0019】台車20と先行の管の受口2との間には、
棒状の挿入力伝達部材として六角穴付きボルト30,…
が設けられている。この六角穴付きボルト30は、円弧
状部材22に設けたねじ穴22d,…に螺着されてい
て、その先端部は先行の管の受口2の後端面2bに当接
している。一方、受口2の後側には前述の通り、割輪7
を介してゴム輪10を押すボルト・ナット9が取り付け
られた押輪8が設けられているため、上記六角穴付きボ
ルト30が受口端部に当接するためには、当該押輪8を
避ける必要がある。このため、この第1の実施形態の押
輪8は、図3に示すように、前記ボルト・ナット9,…
取付位置の間隔部に、外周側から湾曲形状の切り込み8
a,…が設けられており、この湾曲状切り込みを六角穴
付きボルト30が通るようになっている。湾曲状の切り
込み8aは六角穴付きボルト30の径よりも大きく形成
されている。このため、当該ボルトの径が変わっても対
応可能で、しかも押輪8の取付け精度や製造誤差に対す
る適応性が向上するとともに、現場での施工も容易なも
のとなっているが、強度低下を避けるため、肉厚を大き
くしたり、補強材を設けたりするのが好ましい。また、
図示例では六角穴付きボルト30と押輪8との干渉を避
けるため、湾曲状の切り込み8aを設けているが、図2
1(a)に示すような通常の押輪8に六角穴付きボルト
を挿通できる穴を成形したものとしても構わない。この
穴は、継手の屈曲性を阻害しない程度の大きさにしてお
く方が好ましい。
【0020】図示例では、管の下面側に取り付けられる
円弧状部材22(B)全体と両側の円弧状部材22
(A),22(A)の最も高い部分(図1においてFで
示す部分)には六角穴付きボルト30が取り付けられて
いない。これは、管布設後に経年変化による地盤沈下が
想定されるため、さや管と共に本管継手部の上下方向の
屈曲性を確保するためである。また、管上側が接合箇所
となっているため、不同沈下に耐えることも可能であ
る。なお、図示例では3個の円弧状部材22,…で環状
体21を形成しているが、円弧状部材の数はこれに限定
されないことは言うまでもない。この点は以下の実施形
態の場合も同様である。
【0021】この台車20を取り付けた管Pの挿入工事
に際しては、図21(a)に示すように、挿し口1の外
周部に押輪8、ゴム輪10、バックアップリング6、ロ
ックリング4の順に預け入れ、受口2に挿入する。この
ときの挿し口1の挿入深さは、図2に示すように、挿し
口1の先端1aと受口奥端面2dとの間に押し込み代L
1 が、また挿し口突起3とロックリング4との間に引き
抜き代L2 が残される深さとする。次に、押輪8とゴム
輪10の間に割輪7を装着し、ボルト9aに螺着したナ
ット9bを締め付ける。これにより、押輪8が受口2側
へ押され、割輪7を介してシール材であるゴム輪10に
押圧力が作用し、挿し口1と受口2との隙間に押し込ま
れる。
【0022】挿し口1を挿入し、ゴム輪10の装着を終
えたら、挿入力伝達装置である台車20を挿し口1に取
り付ける。この取付けは、複数(図示例では3個)の円
弧状部材22,…を挿し口外周部にあてがって全体とし
て環状とし、互いに隣接する突出片22a,…をボルト
・ナット9で締め付ける。このとき、下側の円弧状部材
の結合部には車輪25,25を取り付ける。上記ボルト
・ナットの締め付けにより、円弧状部材22,…が環状
体21を構成するとともに、挿し口1の外周面に所望の
強度で固定される。
【0023】一方、前記円弧状部材のねじ穴22dに
は、六角穴付きボルト30をそれぞれ螺着し、図2に示
すように、該ボルトの先端部を受口2の後端面2bに当
接させる。台車20の取付け法は上記の通りであり、こ
の場合の管の接合と継手伸縮量を確保する作業はすべて
管の外面側で行うことができるので、作業者が内部に入
れない口径800mm未満の中小口径の管にも適用可能
である。
【0024】上記の手順でS形継手による管Pの接合を
行ったら、ジャッキJを作動させて管Pをさや管P’内
に押し込む。この押し込みに際しては、挿し口1の後端
部に加えられた挿入力が台車20から六角穴付きボルト
30を介して先行の管の受口2の後端面2bに伝達さ
れ、さや管P’内への本管Pの挿入が行われる。したが
って、上記台車20を構成する環状体21の締め付け
は、管の挿入力が挿し口1から先行の管に伝達され、こ
の挿入力で台車20の環状体21がスリップしない程度
に強固に挿し口1に固定できる程度にする必要がある。
一方、地震による巨大な押し込み力が作用した時は、環
状体21が挿し口1に対しスリップしなければならない
ので、溶接等で固着するのは好ましくない。
【0025】上記挿入管(本管)Pの推進中は、台車2
0の車輪25が挿入管を支持した状態でさや管P’の内
面上を転動するので、推進抵抗が少なくてすむ。また、
挿入管が持ち上げられて、さや管の中心付近に保持され
る。一方、大きな段差や屈曲などがある場合も、ソリと
して機能する突出片22がさや管内面に接触するため、
推進工になんら障害を及ぼさない。また、上記車輪25
の進行軌道上に石ころや段差等の障害物があった場合で
も、ソリ部22cによって容易に乗り越えることが可能
であり、この種の障害物による推進力の増加や推進不能
事態が生じる恐れは少ない。
【0026】管の推進が終了した状態では、図4(a)
に示すように上記挿入力伝達部材である六角穴付きボル
ト30が受口端面に当接し、挿し口1と受口2との間に
押し込み代L1 と引き抜き代L2 が残されている。一
方、地震が発生して強力な押し込み力が作用した場合
は、同図(b)に示すように、前記環状体21と挿し口
1との間にスリップが生じ、挿し口1が受口2内に押し
込まれる。この時の押し込み代は、挿し口1の先端部が
受口2の奥端面2dに当接するまでの距離L1 であるか
ら、通常の地震に十分対応できる。
【0027】さらに、地震等によって管継手に大きな引
き抜き力が作用した場合は、同図(c)に示すように、
挿し口1の突起3がロックリング4に当接するまで(L
2 )引き抜き方向に移動することができるので、この方
向の外力にも十分に適応することができる。以上によ
り、(財)国土開発センター「地下埋設管路耐震継手の
技術基準」(案)に規定されるように、管長の1%以上
の伸縮量を確保することが可能となる。なお、上記第1
の実施形態は、台車20から受口端面に挿入力を伝達す
るため、押輪8等に影響を及ぼすことがなく、水密性を
損なうおそれがない。したがって、例えば100m程度
の通常の推進に使用するのに最も有効な手段となり得
る。
【0028】次に、図5乃至図8は上記と異なる第2の
実施形態を例示するもので、この実施形態では、挿入力
伝達部材として上記のような長尺の六角穴付きボルト3
0ではなく、ゴム輪10押し込み用のボルト9aの端部
に係合する六角穴付き止めねじ40が使用される。ま
た、押輪としては切り込み8a,…の設けられていない
通常の押輪8(便宜上、記号は8のままとする)が使用
される。他の部分は上記実施形態と同じであり、同じ部
分には同じ符号を付している。この実施形態では、環状
体21を構成する上記円弧状部材22に前記ゴム輪押し
込み用のボルト9aと同心のねじ穴22e,…が設けら
れ、このねじ穴に上記六角穴付きボルト30よりも短い
六角穴付き止めねじ40が螺着されている。この六角穴
付き止めねじ40の端部には前記ボルト9aの端部が係
合する係合部(凹部)41が設けられている。ゴム輪押
し込み用のボルト9aは、締め付け力によって押輪から
突出している長さがボルトごとに相違していることが多
いが、この第2の実施形態のような六角穴付き止めねじ
40を使用することにより、上記ボルト9aの突出長さ
のバラツキに関係なく挿入力を受口2の後端面2bにう
まく伝達することができるようになる。
【0029】図8はこの六角穴付き止めねじ40におけ
る係合部の互いに異なる実施形態を表すもので、図8
(a)では係合部41が断面逆台形の凹部となっている
が、同図(b)ではこの凹部の底部に樹脂等で作られた
クッション材42が設けられている。ボルトは金属製で
あるからバリ等の存在によって、その後端面と凹部とが
当接する際に点接触となり、挿入力が点荷重となってゴ
ム輪10に不均一な力が作用し、水密性を損なうおそれ
がある。この点、上記のように、凹部41の底部にクッ
ション材42を設けておけば、メタルタッチのものより
も均等に挿入力を伝達することが可能となる。なお、挿
入力伝達用六角穴付き止めねじ40の締め付けトルクを
管理することで、受口に螺着されているボルト9aに均
等に当接しているかどうかの確認が可能となる。
【0030】さらに、図8(c)に示す六角穴付き止め
ねじ40’は、通常の穴付きねじ45に特殊ナット46
を溶接等によって固着したものである。この特殊ナット
46は、通常使用されているナットの上面にボルト9a
が嵌り込める凹部46aを設けたもので、当該凹部の大
きさを変えるだけで嵌合時の遊びを持たせることがで
き、しかもボルト9aの径が大きくなった場合に、環状
体21自体の寸法を変えることなく、それに対応できる
という利点がある。また、凹部46aの大きさに余裕を
持たせておくことにより、ボルト9aの取り付け位置や
寸法等の製造誤差を吸収できるのみならず、現場での施
工が容易になるという利点もある。なお、図8(b)に
示すようなクッション材を凹部46aに設けておけば、
より一層均等に挿入力を伝達することが可能となる。
【0031】なお、これらの図示例では、台車の環状体
21を構成する円弧状部材22の数が3個であるが、こ
れに限定されないことは第1の実施形態の場合と同様で
ある。また、管の下部に位置する円弧状部材22(B)
にねじ穴を設けず、管の上側部を円弧状部材の接合部と
することにより不同沈下に耐えることができるようにし
ている点も前述の通りである。この実施形態のものは、
第1の実施形態のものよりも短い推進に適している。
【0032】図9乃至11に示す第3の実施形態では、
挿入力伝達部材としてボルト9aに螺着した長ナット6
0が設けられている。この長ナット60の先端部は台車
のフランジ22bに当接しており、挿し口1の挿入力が
台車20を介して長ナット60に伝達され、該長ナット
60からボルト9aを介して受口2に伝達される。ゴム
輪押し込み用のボルト9aは、締め付け力によって押輪
から突出している長さがボルトごとに相違していること
が多いが、この第3の実施形態のような長ナット60を
使用することにより、上記ボルト9aの突出長さのバラ
ツキに関係なく挿入力を受口2の後端面2bにうまく伝
達することができるようになる。この実施形態では、ボ
ルト9aに長ナット60を螺着するだけでよいので、挿
入力伝達部材の構成が簡単であるが、ローリングが発生
する可能性があるため、特に推進させる距離が短い場合
に有効である。この実施形態でも、円弧状部材22の取
付け精度、製造誤差等への対応が可能であり、現場での
施工も簡単である。また、押輪8も通常のものを使用す
ることができる。なお、経年変化による不同沈下を想定
して、管の下部に取り付けられる円弧状部材には長ナッ
ト60を当接させないようにしている。
【0033】次に、図12乃至14に示す第4の実施形
態における挿入力伝達部材は、溝形鋼70で製作されて
いて、この溝形鋼からなる挿入力伝達部材を台車20と
受口2の端面との間に取り付け、該溝形鋼を介して挿入
力を伝達するようになっている。この第4の実施形態で
は、図14に示すように、溝形鋼70からなる挿入力伝
達部材の一方の側面70aに円弧状部材22に取り付け
るためのねじ穴(ボルト穴)71,71を設け、他方の
側面70bに湾曲状の切り込み72が設けられている。
この切り込み72は、ゴム輪を押圧するためのボルト9
aを逃がすためのものである。
【0034】この挿入力伝達部材70は、一方の側面7
0aがボルトで台車のフランジに固定され、他方の側面
70bが受口端面に当接して挿入力を台車から受口に伝
達する。この実施形態でも、経年変化による地盤の不同
沈下を想定して、環状体21の下側には溝形鋼からなる
挿入力伝達部材70が設けられていない。また、上側の
溝形鋼の寸法も小さいので、不同沈下に対する適応性が
向上している。なお、この実施形態では、溝形鋼による
挿入力の伝達面積が大きいので、大きな挿入力を要する
場合に効果的であり、さらに溝形鋼の肉厚を変更した
り、補強部材を付加したりすることにより、より大きな
挿入力に対応できる。
【0035】さらに、図15乃至17に示す第5の実施
形態は、さや管内挿入工法用台車と受口端面との間に挿
入力伝達部材として発泡ポリスチレン等のクッション材
80を嵌挿し、該クッション材を介して挿入力を伝達す
るものである。このクッション材80は、新管挿入時の
挿入力程度では殆ど圧縮されないが、さや管又は既設管
にカーブ推進や経年変化による曲線部がある場合、これ
に追従して収縮することで伸縮代を確保した状態での新
管の挿入が可能となる。この実施形態では、図17に示
すように、ボルト・ナット9の取付け部8a,…だけが
径方向に張出した特殊な押輪8’を使用し、上記取付け
部8a,8aの間隔部に当該クッション材80が取り付
けられる。このクッション材80は、台車20と受口2
の端面との間に嵌挿され、当該クッション材80の外周
面を薄板鋼板81で覆って、挿入中における台車20と
受口端面の間からの離脱を防止する。
【0036】以上の説明では、S形継手を例にとって説
明したが、実施形態によっては他の継手に適用すること
が可能である。例えば、図1乃至4に示す第1の実施形
態、図12乃至14に示す第4の実施形態、及び図15
乃至17に示す第5の実施形態のものは、いずれも図2
1(b)に示すSII形継手に対しても適用可能である。
図18(a)は上記第1の実施形態を、同図(b)は上
記第4の実施形態を、また同図(c)は上記第5の実施
形態をそれぞれSII形継手に適用した例を表すもので、
第1の実施形態と第5の実施形態では、押輪を上記の通
り特殊形状の押輪とする必要がある。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、挿入力を管の受口に伝達するので、さや管内
に挿入される挿入管に所望の伸縮代を確保した状態で推
進することが可能である。しかも推進終了後に地震等に
よる大きな押し込み力が作用した時は、台車の環状体と
挿し口との間にスリップが生じて挿し口が受口内に押し
込まれるので、埋設後にも十分な伸縮量が確保されるこ
とになり、すぐれた耐震性が得られるようになった。さ
らに、従来の継手を使用できるので、施工が簡単であ
り、特殊な機械装置を必要としないので、作業に習熟し
ている者でなくても施工ができるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を表す管接合部の側面
図(a)及びA−A矢視図(b)である。
【図2】管継手の側面断面図である。
【図3】押輪の断面図(a)及び正面図(b)である。
【図4】管継手の側面断面図であり、(a)は挿入時の
状態、(b)は地震による圧縮状態、(c)は地震によ
る伸長状態をそれぞれ表す。
【図5】第2の実施形態における管接合部の側面図
(a)及びA−A矢視図(b)である。
【図6】第2の実施形態における管継手の側面断面図で
ある。
【図7】図6の要部の拡大断面図である。
【図8】六角穴付き止めねじの互いに異なる実施形態を
表す断面図(a)(b)(c)である。
【図9】第3の実施形態における管接合部の側面図
(a)及びA−A矢視図(b)である。
【図10】第3の実施形態における管継手の側面断面図
である。
【図11】図10における要部の拡大断面図である。
【図12】第4の実施形態における管接合部の側面図
(a)及びA−A矢視図(b)である。
【図13】第4の実施形態における管継手の側面断面図
である。
【図14】溝形鋼の正面図(a)及び側面図(b)であ
る。
【図15】第5の実施形態における管接合部の側面図
(a)及びA−A矢視図(b)である。
【図16】第5の実施形態における管継手の側面断面図
である。
【図17】第5の実施形態における押輪の断面図(a)
及び正面図(b)である。
【図18】SII形継手に本発明を適用した例を表す側面
断面図であり、(a)は第1の実施形態を、(b)は第
5の実施形態を、(c)は第4の実施形態をそれぞれ適
用した例を表す。
【図19】従来のPII形継手側面断面図である。
【図20】挿入工法の説明図である。
【図21】(a)はS形継手の側面断面図、(b)はS
II形継手の側面断面図である。
【符号の説明】
1 挿し口 2 受口 3 突起 4 ロックリング 5 ゴム輪 6 バックアップリング 7 割輪 8 押輪 9 ボルト・ナット 10 ゴム輪(シール材) 20 台車 21 環状体 22 円弧状部材 30 六角穴付きボルト(挿入力伝達部材) 40 六角穴付き止めねじ(挿入力伝達部材) 60 長ナット(挿入力伝達部材) 70 溝形鋼(挿入力伝達部材) 80 クッション材(挿入力伝達部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花野 一仁 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会社栗本鐵工所内 (72)発明者 吉田 義徳 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会社栗本鐵工所内 (72)発明者 冨田 直岐 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会社栗本鐵工所内 (56)参考文献 特開 平11−218276(JP,A) 特開 平10−122456(JP,A) 特開 平10−252944(JP,A) 特開 平10−148290(JP,A) 実開 平7−20393(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16L 1/00 E21D 9/06 F16L 21/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先行の管の受口2に後続の管の挿し口1
    その挿し口1が前記受口2に対し管軸方向の伸縮代
    (L 1 +L 2 )を確保されるように挿入して前後の管を
    耐震管継手でもって継ぎ合わせるとともに、前記受口2
    と挿し口1の間に挿入力伝達部材を介在して、その挿入
    力伝達部材により、前記挿し口の前記伸縮代を確保した
    状態で前記継ぎ合わせた管を推進させて既存のさや管
    P’内に挿入するさや管内挿入工法で使用される台車で
    あって、 互いにボルト23で締め付けて結合される複数の円弧状
    部材22からなる環状体21と、該環状体21に設けら
    れた車輪25と、上記挿入力伝達部材とを具備し、前記
    環状体21は、その環状体21と先行の管の受口2端部
    との間に前記挿入力伝達部材を介装して、後続の管の挿
    し口1外周面に前記ボルト23の締付けにより縮径して
    装着されることを特徴とするさや管挿入工法用台車。
  2. 【請求項2】 上記車輪25は、上記ボルト23が挿通
    してそのボルト23を回転軸として上記環状体21に設
    けられていることを特徴とする請求項1に記載のさや管
    挿入工法用台車。
  3. 【請求項3】 上記環状体21に前記受口2に対向する
    ように管の外周に沿ってフランジ22bを設け、このフ
    ランジ22bと先行の管の受口2端部との間に上記挿入
    力伝達部材が介装されていることを特徴とする請求項1
    又は2に記載のさや管挿入工法用台車。
  4. 【請求項4】 上記挿入力伝達部材として、フランジ2
    2bに螺着した六角穴付きボルト30が設けられている
    ことを特徴とする請求項に記載のさや管挿入工法用台
    車。
  5. 【請求項5】 上記挿入力伝達部材として、フランジ2
    2bに螺着した凹部付きの止めネジ40と、受口2端部
    に固着され端部が前記止めネジ40の凹部41に嵌合す
    るボルト9aとが設けられていることを特徴とする請求
    に記載のさや管挿入工法用台車。
  6. 【請求項6】 上記挿入力伝達部材として、受口2端部
    に固着したボルト9aに取り付けられた長ナット60が
    設けられていることを特徴とする請求項に記載のさや
    管挿入工法用台車。
  7. 【請求項7】 上記挿入力伝達部材として、フランジ2
    2bと受口2端部との間に溝形鋼70が、その一方の側
    面をフランジ22bに、他方の側面を受口2端面にそれ
    ぞれ当接するように設けられていることを特徴とする請
    求項に記載のさや管挿入工法用台車。
  8. 【請求項8】 上記挿入力伝達部材として、フランジ2
    2bと受口2端部との間にクッション材80が設けられ
    ていることを特徴とする請求項に記載のさや管挿入工
    法用台車。
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