JP3894699B2 - 撮影画像の補正方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャッタ羽根の開閉動作にともなって発生する露光ムラを補正する撮影画像の補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
撮影レンズやシャッタ装置などの撮影機構を組み込んだユニット本体に未露光の写真フイルムを予め内蔵させたレンズ付きフイルムユニットが知られている。レンズ付きフイルムユニットは、手軽に写真撮影を楽しむことができるようにしたもので、購入したその場ですぐに写真撮影ができ、撮影後にもそのまま現像取扱い店に出せばよいという簡便性から、一般に広く利用されている。レンズ付きフイルムユニットは、小型で、また低価格で提供できることを利点としており、簡単な構成となっている。
【0003】
例えば、レンズ付きフイルムユニットのシャッタ装置は、その構成を簡単なものとするために、蹴飛ばし式のものが採用されている。このシャッタ装置は、回動自在に軸着されたシャッタ羽根をシャッタ開口の前面で往復回動させることによって、シャッタ開口の開閉を行うものである。図7に模式的に示すように、シャッタ羽根70は、蹴飛ばしレバーによって駆動されて、シャッタ開口71を閉じた閉じ位置から開き方向に回動を開始し、シャッタ開口71の開口面積を増大させながら二点鎖線で示す最大開き位置まで回動する。そして、最大開き位置に達した後に復帰バネ72の付勢によって、開き方向とは逆向きの閉じ方向に回動を開始し、シャッタ開口71の開口面積を減少させながら閉じ位置に戻る。
【0004】
レンズ付きフイルムユニットでは、通常、絞りの背面側にシャッタ羽根が配されており、絞り開口とシャッタ羽根との間は多少なりとも間隔があいている。このため、図7に符号73a〜73eで示すように、絞りから射出されて写真フイルムの露光画面の各位置に向かう光束は、シャッタ羽根70の回動する平面上での位置がそれぞれ互いにずれている。
【0005】
上記のようにシャッタ羽根70の回動する平面上での光束73a〜73eの位置が互いにずれているため、シャッタ羽根70が開き方向に回動する際には、例えば露光画面の右上に向かう光束73aが最初にシャッタ開口71への入射を開始し、露光画面の左下に向かう光束73dが最後にシャッタ開口71への入射を開始する。そして、シャッタ羽根70が閉じ方向に回動する際には、露光画面の左下に向かう光束73dが最初にシャッタ開口71への入射を阻止され、露光画面の右上に向かう光束73aのシャッタ開口71への入射の阻止が最後となる。結果として、露光画面の右上の露光時間が長く、左下の露光時間が短くなるようにして、露光画面の各位置で露光時間のバラツキが生じて露光ムラが発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、シャッタ装置の方式を変更することで上記のような露光ムラの発生を防止できるが、露光ムラの発生を防止できるようなシャッタ装置に採用することはレンズ付きフイルムユニットの大幅なコスト上昇と大型化を招いてしまい、現実的には非常に困難である。しかしながら、撮影時における露光ムラの発生を許容して、その後のプリント処理時等に画像を補正するようにすれば、レンズ付きフイルムユニットを小型に、また安価にしながら、露光ムラを抑えた良好な画質の画像を得ることが可能となる。もちろん、レンズ付きフイルムユニットに限らず、コンパクトカメラ等においても、画像を補正すれば、カメラ自体を簡単な構成で安価としながら、良好な画質の画像を得ることが可能になる。
【0007】
本発明は上記の事情を考慮してなされたものであり、画質を劣化させる要因のの1つであるシャッタ羽根の開閉動作に起因して発生する露光ムラを補正し、良好な画質の画像を得ることができる撮影画像の補正方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の撮影画像の補正方法では、シャッタ羽根の開閉により撮影レンズを通して写真フイルムに露光された撮影画像から画像データを読み取り、前記シャッタ羽根の種類に応じて決められた所定の補正パラメータに基づき、前記シャッタ羽根の開閉動作に伴って露光画面内の位置ごとに生じる露光ムラを補正する補正データを算出し、この補正データに基づいて前記画像データを補正するものである。
【0009】
請求項2記載の撮影画像の補正方法では、撮影画像を、シャッタ羽根が閉じ位置からシャッタ開口を全開させる最大開き位置との間で往復回動することによって露光されるものとしたものである。
【0010】
請求項3記載の撮影画像の補正方法では、撮影レンズの光軸が写真フイルムと交わる位置を原点とし、前記光軸に垂直なXY直交座標平面において、露光画面内の任意の位置の座標を(x,y)、補正パラメータをP,Q,S,M,K,Gとし、Pを前記XY直交座標平面にシャッタ羽根の回動中心を射影したときのX座標、Qを前記XY直交座標平面にシャッタ羽根の回動中心を射影したときのY座標、Sをシャッタ羽根がシャッタ開口を全開した後の任意の点から最大開き位置に達するまでの回動角度と回動角度を前記XY直交座標平面に射影したことによる補正を含む補正値、Mをシャッタ羽根の回動角度を露光時間に変換する補正係数、Kを対数をとる際の比例係数、Gを原点の値Eを「0」とする補正値としたとき、
E=K・ log2( M・(tan -1(( P−x) /( Q−y))+S))+G
の式により求めた値Eに基づいて、各座標位置ごとの補正データを得るものである。
【0011】
請求項4記載の撮影画像の補正方法では、露光画面内の複数の座標位置に対して値Eの理論値をそれぞれ求め、これらの各理論値と対応する座標位置とを最小二乗法に適用して、前記各補正パラメータを決めるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図2にレンズ付きフイルムユニットの一例を示す。レンズ付きフイルムユニット2は、各種撮影機構が組み込まれたユニット本体3と、このユニット本体3を部分的に覆う外装紙4とからなり、ユニット本体3には未露光の写真フイルムが予め装填されている。
【0013】
ユニット本体3の前面には、撮影レンズ5,ファインダ6の対物側窓6a,ストロボ発光部7,ストロボユニットをオン,オフするためのストロボ操作部材8が設けられている。また、上面には、シャッタボタン9,残り撮影可能コマ数を表示するカウンタ窓10,ストロボ充電の完了を表示する表示用ライトガイド11が突出される開口12が設けられている。さらに、ユニット本体10の背面側には、1コマの撮影ごとに回転操作される巻上げノブ13が露呈されている。
【0014】
図3にユニット本体3の分解斜視図を示す。ユニット本体3は、本体基部15,前カバー16,後カバー17,ストロボユニット18,電池19等から構成され、このユニット本体3内にフイルムパトローネ20が製造時に装填される。フイルムパトローネ20は、135タイプのものであり、パトローネ21とネガタイプの写真フイルム22とからなる。
【0015】
本体基部15の前面中央部には、撮影レンズ5から写真フイルム22までの間の撮影光路を遮光する暗箱24が一体に形成されている。この暗箱24を挟む両側方には、パトローネ21が収納されるパトローネ室25と、パトローネ21から引き出されてロール状に巻かれた写真フイルム22が収納されるフイルム室26とが一体に設けられている。
【0016】
暗箱24の外側には、シャッタ羽根やこれを駆動するための機構等からなるシャッタ装置,フイルムカウント機構等を構成する各種部品や撮影レンズ5等が取り付けられる。暗箱24の背面には、写真フイルム22上で撮影コマのサイズ、すなわち露光画面22aを画定するアパーチャ(図示省略)が形成されている。露光画面22aは、約24×36mmとなっており、写真フイルム22の長手方向に長い長方形とされる。露光画面22aの中心は、撮影レンンズ5の撮影光軸5aと一致するように画定される。
【0017】
パトローネ室25の上部には、巻上げノブ13が回転自在に取り付けられている。この巻上げノブ13の回転操作で写真フイルム22の撮影済の部分がパトローネ21内に巻き上げられ、未露光の部分がアパーチャの背後にセットされる。
【0018】
前カバー16は、その前面にファインダ6の対物側窓6aの他、撮影レンズ5や、ストロボ発光部7,ストロボ操作部材8を露呈させる開口が形成されており、本体基部15の前面を覆う。
【0019】
後カバー17は、本体基部15の背面を覆うように取り付けられる。この後カバー17には、パトローネ室25とフイルム室26との底面を塞ぐ底蓋17a,17bが一体に形成されている。フイルムパトローネ20が装填された本体基部15に後カバー17を取り付けた後に、底蓋17a,17bが閉鎖されてパトローネ室25及びフイルム室26が光密に塞がれる。底蓋17aは、現像所で撮影済のフイルムパトローネ20を取り出す際に開放される。
【0020】
後カバー17には、本体基部15のアパーチャと対面する部分にフイルム支持面30が形成されている。このフイルム支持面30と本体基部15との隙間によって、パトローネ室25とフイルム室26とを連絡するフイルム給送路が形成される。
【0021】
フイルム支持面30は、物体側に向けて凹状となるように写真フイルム22の給送方向が湾曲され、アパーチャの上下に設けられたフイルムガイドレール(図示省略)は、フイルム支持面30側に凸状となるように写真フイルム22の給送方向に湾曲されている。
【0022】
図4に模式的に示すように、撮影レンズ5からの撮影光は、絞り開口31を介して暗箱24内に入射し、写真フイルム22の露光画面22a内に露光を与える。アパーチャーの背面側に位置決めされた露光画面22aのフイルム面は、前述のフイルム支持面30とガイドレールとによって、撮影レンズ側(物体側)に曲率中心を持つようにして、曲率半径Rで露光画面22aの長手方向を湾曲した形状で支持される。これにより、撮影レンズ5の像面湾曲に起因するピントのボケを改善する。
【0023】
ストロボユニット18は、各種電気部品が取り付けられたプリント基板32、放電管やリフレクタ,拡散板等からなるストロボ発光部7、充電スイッチ33,シンクロスイッチ34,ストロボ操作部材8が一体に形成されたスイッチ板35、このスイッチ板35をスライド自在に支持する受け板36等から構成され、電池19を電源としている。このストロボユニット18は、ストロボ操作部材8が上方にスライドされて充電スイッチ33がオンとなると充電を行い、シャッタ羽根の開閉に同期してシンクロスイッチ34がオンとなことでストロボ発光する。
【0024】
図5に示すように、撮影レンズ5の背後には絞り31が組み込まれている。シャッタ羽根40は、絞り31とシャッタ開口41との間に配されており、シャッタ羽根40と絞り31との間には適当な間隔が設けられている。このシャッタ羽根40は、シャッタ開口41を閉じた閉じ位置と最大開き位置との間で回動自在となるようにして、軸42に取り付けられている。
【0025】
シャッタ羽根40は、通常は復帰バネ43の付勢力により閉じ位置とされ、シャッタ開口41を塞いでいる。そして、シャッタボタン9を押圧操作すると、蹴飛ばしレバー44でシャッタ羽根40の上端部40aが蹴飛ばされることにより、復帰バネ43の付勢に抗しながら図中矢線で示す開き方向に回動する。シャッタ羽根40は、シャッタ開口41を全開した位置からさらに開き方向へ回動した最大開き位置に達した後に、復帰バネ43の付勢によって開き方向とは逆向きの閉じ方向に回動を開始して閉じ位置に戻る。このようにシャッタ装置は蹴飛ばし式とされている。
【0026】
上記のようなシャッタ羽根40の1往復の開閉動作によりシャッタ開口26が開閉され、シャッタ開口41が開いている間に、撮影レンズ5からの撮影光が絞り31、シャッタ開口41を介して暗箱24内に入射し、写真フイルム22の露光画面22a内に露光を与える。
【0027】
レンズ付きフイルムユニットに装填される写真フイルム22には、そのレンズ付きフイルムユニットの種類に固有の機種コードが光学的にサイドプリントされている。本実施形態では、この従来より写真フイルム22にサイドプリントされている機種コードを利用して、周辺光量の低下、シャッタ羽根40の開閉動作に起因した露光ムラを補正する際に用いる補正パラメータを特定する。
【0028】
図1に本発明を実施したデジタルプリンタの構成を示す。このデジタルプリンタ50は、大別して補正装置としての機能を有する画像入力部51と、印画紙に画像をプリントする画像記録部52とからなる、画像入力部51は、コードリーダ53,写真フイルム22の各露光画面22aからカラー画像を読み取るスキャナ54,画像メモリ55,画像処理回路56、及びこれらを制御するコントローラ57等からなる。
【0029】
デジタルプリンタ50に現像済みの写真フイルム22がセットされると、この写真フイルム22が図示しない搬送機構によって搬送され、コードリーダ53を介してスキャナ54に送られる。コードリーダ53は、写真フイルム22を照明する光源と、写真フイルム22の搬送路を挟んで光源の反対側に配されたフォトセンサ等から構成されており、現像によって顕在化した機種コードを搬送中の写真フイルム22から光学的に読み取る。この機種コードの読み取りは、写真フイルム1本毎に行われ、読み取られた機種コードはコントローラ57を介して画像処理回路56に送られる。
【0030】
スキャナ54は、写真フイルム22を平面に支持するフイルムキャリア,ランプからの光を拡散してフイルムキャリアにセットされている露光画面22aを照明する照明装置、露光画面22a内のカラー画像を読み取るCCD、このCCDにカラー画像を結像させるレンズ等から構成されている。このスキャナ54は、写真フイルム22が1コマ分送られる毎に、CCDで露光画面22a内のカラー画像を赤色、青色、緑色で3色分解測光し、得られる光電信号をA/D変換器58に送る。
【0031】
A/D変換器58は、各色の光電信号をデジタル変換することにより、露光画面22aの各位置の濃度をそれに応じた3色の画像データに変換する。3色の画像データは、画像メモリ55に書き込まれる。
【0032】
画像処理回路56は、画像メモリ55に1画面分の画像データが書き込まれると、これを読み出して所定の画像処理を行う。機種コードが記録されている写真フイルム22に対しては、画像メモリ55から読み出した画像データに対して、シャッタ羽根の開閉動作に起因して発生する露光ムラと、周辺光量の低下とを補正するための補正処理を行って補正画像データを作成した後に、この補正画像データに対してプリント用の色補正やネガ・ポジ反転処理等の通常画像処理を行う。通常画像処理が施された補正画像データは、画像記録部52に送られる。
【0033】
なお、画像処理回路56は、補正処理を行うのに先立って、1本の写真フイルム22の各露光画面22aに対して共通に用いる、1画面分の補正量からなる補正テーブルをワークメモリ56aに作成する。このように、1本の写真フイルム22に対して共通な補正テーブルを用いることで処理時間を短縮している。
【0034】
画像処理回路56には、ワークメモリ56aとEEPROM56bとが接続されている。ワークメモリ56aは、画像処理回路46が画像処理を行う際に必要なデータを一時的に記憶する作業用として用いられる。
【0035】
EEPROM56bには、補正処理に用いる補正パラメータが機種コード毎に書き込まれている。また、EEPROM56bには、画像データと露光量の変換テーブルが機種コード毎に書き込まれている。変換テーブルは、画像データを露光時の露光量に、また露光量を画像データに変換ができるように写真フイルムの特性曲線に基づいて作成されている。画像処理回路56は、機種コードに基づいて撮影時に用いられたシャッタ羽根の種類に対応した補正パラメータと、写真フイルムの種類に対応した変換テーブルとを特定し、これらの特定された補正パラメータ、変換テーブルを用いて補正処理を行う。
【0036】
なお、上記のように補正処理に用いる補正パラメータ等をEEEPROMに記憶するようにすることで、レンズ付きフイルムユニットの新たな機種に対応した補正パラメータ等の追加を可能としている。
【0037】
画像記録部52は、画像メモリ61,赤色、青色、緑色の各レーザ光を出力するレーザユニット62,レーザユニット62の出力を制御するドライバ63,ポリゴンミラー64,Fθレンズ65、長尺のカラー印画紙66を搬送する搬送機構(図示せず)等から構成されている。
【0038】
画像入力部51からの補正画像データは、画像メモリ61に書き込まれる。画像メモリ61の補正画像データによってレーザユニット62の出力が制御され、高速回転するポリゴンミラー64にレーザ光が照射される。これにより、カラー印画紙66の幅方向(搬送方向と直交する方向)にレーザ光の走査が行われ、カラー印画紙66をその長手方向に搬送することで露光画面のカラー画像がカラー印画紙66に露光される。露光されたカラー印画紙66は、図示しない現像処理部で現像処理された後に1個の画像毎に切り分けられてプリント写真とされる。
【0039】
次に、補正処理について図6を参照して説明する。なお、図6では、写真フイルムのフイルム面を平面とした状態で、このフイルム面上の撮影光軸5aの位置(露光画面22aの中心)を原点Oとし、露光画面22aの長手方向をX軸、長手方向に直交する露光画面の幅方向をY軸としたXY直交座標平面を用いて露光画面22a内の位置を表している。また、図6では、シャッタ羽根40を上記のXY直交座標平面に射影したものを模式的に描いてあり、このシャッタ羽根40の回動中心の位置(以下、射影回動中心という)を座標(P,Q)として示してある。
【0040】
画像処理回路56は、機種コードから特定した補正パラメータ(A〜D,K,M,P,Q,S,G)を次の演算式▲1▼に適用し、この演算式▲1▼で露光画面中心(原点O)すなわち撮影レンズ5の撮影光軸5aの位置の露光量を基準露光量(±0EV)としたときの、露光画面22aの各位置についての補正量Eを求め、この補正量Eに基づいて画像データを補正する。各補正パラメータについては後述する。
【0041】
上記式中の値x,yは、図6に示されるXY直交座標平面で露光画面22a内の位置を表したときのX座標及びY座標である。すなわち、値xは、フイルム面上での湾曲させた方向(長手方向)の露光画面中心の位置からの距離、値yは、フイルム面上での湾曲させた方向と直交する方向の露光画面中心の位置からの距離である。
【0042】
露光画面22aの各位置に露光される光量は、均一な輝度の被写体を撮影した場合であっても、撮影光軸5a(原点O)の位置からの距離が大きくなるのにしたがって小さくなる。これは、フイルム上で撮影光軸5aの位置から離れた位置から絞り開口を望んだ場合に、絞り開口の形状が歪んでその面積が小さくなるためである。フイルム面を平面に支持した場合では、このような現象は周知のコサイン4乗則に基づいているため、このときの露光画面22a内の任意の位置(x,y)に対する周辺光量の低下量である補正量E1は,値が適当に選ばれた補正パラメータA,Bと、撮影光軸5aの位置からの距離rを用いて次の式▲2▼のように表すことができる。なお、撮影光軸5aの位置からの距離rは、上記のXY直交座標平面の値x,yを用いて「r=√(x2 +y2 )」で表される。
E1=A・r2 +B・r4 ・・・・▲2▼
【0043】
上記のレンズ付きフイルムユニット2のように、像面湾曲を補正するために、露光時にフイルム面を湾曲させて支持した場合には、周辺光量の低下を小さくするように光量を増加させる改善効果が現れるので、補正量E1を修正する必要が生じる。改善効果は、フイルム面を湾曲させた方向の位置で現れるから、上記のように露光画面22aの長手方向(X軸方向)に湾曲させて支持した場合には、露光画面22a内の任意の位置(x,y)に対する光量の増加分である修正量E2は、値が適当に選ばれた補正パラメータC,Dと、撮影光軸5aの位置からの湾曲させ方向への距離xとを用いて次の式▲3▼のように表すことができる。
E2=C・x2 +D・x4 ・・・・▲3▼
【0044】
一方、露光画面22a内の各位置に対する実際の露光時間(シャッタ速度)は、シャッタ羽根40の回動角度に応じたものとなる。したがって、例えば図6に示されるように、露光画面22a内の任意の位置(x,y)に対して、撮影光の入射を許容する回動位置から最大開き位置に達するまでのシャッタ羽根40の回動角度をθ1とすると、シャッタ羽根40が回動角度「2・θ1」だけ回動している間に露光が行われることになり、任意の位置(x,y)の露光時間は「θ1」に応じたものとなる。
【0045】
なお、実際にシャッタ羽根40が回動する平面上では、撮影光に広がりがあるため、撮影光の入射を許容するシャッタ羽根40の回動位置を厳密に定義することは難しいが、例えば、露光画面22a内の任意の位置に対して撮影光の一部が入射を開始したシャッタ羽根の回動位置と、この露光画面22a内の任意の位置に撮影光の全部が入射を開始した回動位置とを平均したものを撮影光の入射を許容する回動位置とするように定義すればよい。
【0046】
回動角度θ1は、射影回動中心の座標(P,Q)、露光画面22aの任意の位置の座標(x,y)等を用いて幾何学的に計算で求めることができ、この回動角度θ1を露光時間に変換することが可能である。そして、露光画面22a内の任意の位置(x,y)に対する露光時間をEV値に変換したものと、露光画面22aの中心に対する露光時間をEV値に変換したものと差は、補正量E3(EV値)として次式▲4▼により座標(P,Q),座標(x,y)を用いて表すことができる。
E3=K・ log2( M・(tan -1(( P−x) /( Q−y))+S))+G・・・▲4▼
【0047】
上記式中の各補正パラメータは、次の通りである。
P:XY直交座標平面にシャッタ羽根の回動中心を射影したときのX座標
Q:XY直交座標平面にシャッタ羽根の回動中心を射影したときのY座標
S:シャッタ羽根がシャッタ開口を全開した後の任意の点から最大開き位置に達するまでの回動角度(図6にθ2で示されるように、射影回動中心からX軸に垂直に下ろした線分と、シャッタ羽根の最大開き位置に対応する線分との角度)と回動角度を前記XY直交座標平面に射影したことによる補正を含む補正値
M:シャッタ羽根の回動角度を露光時間に変換する補正係数
K:対数をとる際の比例係数
G:原点の値E3を「0」とするための補正値
【0048】
上記の式▲4▼では、「tan -1((P−x) /( Q−y))」に補正値Sを加算することによって、前述の回転角度「θ1」を算出し、これに補正係数Mを乗算するとことで回転角度θ1をこれに応じた露光時間に変換している。そして、得られる露光時間の対数(底は「2」)をとることによって、露光時間をEV値に変換している。適当に選んだ比例係数Kを乗算することでEV値を適切な値となるように補正した後、この補正されたEV値に補正値Gを加算することによって露光画面22aの中心を基準とする補正量E3を求めている。なお、「tan -1((P−x) /( Q−y))」で得られる値の単位は「rad」である。
【0049】
上記の式▲2▼〜式▲4▼で表される値E1〜E3を加算することによって演算式▲1▼が得られ、フイルム面を湾曲させることに基づいて修正した周辺光量の低下、及びシャッタ羽根の開閉動作に起因したの露光ムラを同時に補正するための補正量Eを求めることができる。
【0050】
そして、補正画像データを作成する際には、変換テーブルを用いて画像データを露光量に変換し、この変換された露光量に対して補正量Eによる補正を加え、これにより得られる補正された露光量を変換デーブルで画像データに変換して、この画像データを補正画像データとする。
【0051】
なお、この例では基準露光量に対して光量が低下している場合が負、増加している場合が正となるようにして、補正量Eの正負の符号を決め、画像データから得られる露光量を補正量Eで補正している。
【0052】
また、この例では変換テーブルを用いて画像データを露光量に変換し、この露光量を補正量Eで補正したものを画像データに変換して補正画像データを作成することにより、周辺光量の補正量E1,修正量E2,補正量E3に対応した各補正データをそれぞれ算出する処理と、この算出された各補正データを用いて画像データを増減する処理とを同時に行っている。
【0053】
演算式▲1▼中の補正パラメータ(A〜D,P,Q,S,M,K,G)は、撮影レンズの焦点距離、絞り開口31とシャッタ羽根40との間隔、シャッタ羽根40の形状等、撮影に用いる撮影レンズ,シャッタ装置,フイルム面の曲率半径R等の設計データに基づいて、露光画面22a内の複数の座標位置についての補正量Eの理論値を計算して求め、これらの各理論値と対応する座標位置とを最小二乗法に適用することで各補正パラメータを決めている。
【0054】
次に上記構成の作用について説明する。フイルムパトローネ20の写真フイルム22には、装填されるレンズ付きフイルムユニット2に対応する機種コードがサイドプリントされる。この写真フイルム22は、パトローネ21とともにユニット本体3に装填される。そして、完成したユニット本体3にラベル4が貼付されてレンズ付きフイルムユニット2が完成し、これが出荷されてユーザのもとで撮影に供される。
【0055】
撮影を行う際には、まず巻き上げノブ13を回転操作する。これにより、写真フイルム22が1コマ分巻き上げられるとともに、シャッタチャージが行われる。この後、撮影者は、ファインダ6でフレーミングを行ってからシャッタボタン9を押圧する。また、ストロボ撮影を行う場合には、スロトボ操作部材8を上方にスライド移動し、充電完了後にシャッタボタン9を押圧する。シャッタボタン9を押圧すると、シャッタ羽根40が閉じ位置から最大開き位置に向けて回動を開始し、最大開き位置に達すると復帰バネ43の付勢力で閉じ位置に戻り、この間にシャッタ開口41が開閉される。
【0056】
このシャッタ開口41の開閉の間に、撮影レンズ5を透過した撮影光は、暗箱24内に入射し、アパーチャ内に露呈されている写真フイルム22、すなわち露光画面22aのフイルム面に露光を与える。このときに、フイルム面はその長手方向が湾曲されて支持されている。
【0057】
また、絞り31とシャッタ羽根40との間に間隔があいているため、絞り31から射出されて露光画面22aの各位置に向かう光束は、それぞれシャッタ羽根40が回動する面上での位置がずれている。したがって、露光画面22aの各位置に露光時間に差が生じ、露光ムラが発生する。
【0058】
上記同様にして順次に撮影を行い、全コマの撮影終了後、ユーザは巻上げノブ13を連続的に回転操作して、全ての写真フイルム22をパトローネ21に収納する。そして、このレンズ付きフイルムユニット2を現像所やDPE店に提出する。
【0059】
現像所等では、ユニット本体3から撮影済のフイルムパトローネ20を取り出す。取り出されたフイルムパトローネ20は、そのパトローネ21から写真フイルム22が引き出されて分離される。そして、この写真フイルム22は、所定の現像装置にかけられて現像処理された後、デジタルプリンタ50にセットされる。
【0060】
デジタルプリンタ50は、写真フイルム22がセットされると、これの先端をスキャナ54に向けて搬送する。この搬送中に、コントローラ57は写真フイルム22に記録されている機種コードをコードリーダ53を用いて読み取り、読み取った機種コードを画像処理回路56に送る。
【0061】
画像処理回路56は、機種コードを受け取ると、これに対応した変換テーブルをEEPROM56b内で特定するとともに、各補正パラメータをEEPROM56bから読み出す。そして、各補正パラメータを演算式▲1▼に用い、演算式▲1▼中の値x及び値yをそれぞれ所定のステップずつ変化させて演算を行うことにより、露光画面22aの各位置に対応する補正量Eをそれぞれ求める。上記の演算で得られる各補正量Eは、ワークメモリ56aに書き込まれ、これにより補正テーブルが作成される。
【0062】
次に、搬送によって写真フイルム22の最初の露光画面22aがスキャナ54のフィルムキャリアに達すると、搬送が停止される。そして、この停止中に露光画面22a内のカラー画像がスキャナ54で読み取られ、A/D変換器58によって3色の画像データに変換され、画像メモリ55に書き込まれる。1画面分の画像データが画像メモリ55に書き込まれると、画像処理回路56は、アドレスを指定して画像メモリ55から画像データを順次に読み出す。
【0063】
画像処理回路56は、1個の画像データを読み出すと、この画像データを先に特定した変換テーブルを用いて露光量に変換する。また、画像処理回路56は、例えばこの画像データのアドレスに基づいて、この画像データを得た露光画面22aの位置に対応した補正量Eを補正テーブルから取り出す。そして、変換テーブルから得た露光量を、補正テーブルから取り出した補正量Eで補正して、補正した露光量を求める。
【0064】
このようにして、露光量を補正した後に、画像処理回路56は、補正された露光量を変換テーブルに適用することで、補正された露光量に対応する補正画像データを求める。結果的に、画像データを補正量E1,修正量E2,補正量E3に対応した各補正データで増減した補正画像データが作成される。得られる補正画像データは、ワークメモリ56aに書き込まれる。
【0065】
上記のようにして1個の画像データに対して補正処理が完了すると、新たな画像データが画像メモリ55から読み出されて、上記と同じ手順で補正処理が行われ、対応する補正画像データがワークメモリ56aに書き込まれる。以降同様にして、順次に画像データを読み出しながら補正処理を行い、得られる補正画像データをワークメモリ56aに書き込む。
【0066】
1画面分の3色の全ての画像データに対して補正処理が完了すると、画像処理回路56は、ワークメモリ56aの各補正画像データに対して、プリント用の色補正、ネガポジ反転処理等の通常画像処理を行い、通常画像処理を施した各補正画像データを画像記録部52の画像メモリ61に書き込む。なお、この通常画像処理に際して色収差や歪曲収差等の補正を行ってもよい。
【0067】
画像記録部52は、1画面分の補正画像データが画像メモリ61に書き込まれると、これらの3色の補正画像データに基づいてレーザユニット62を駆動して、カラー印画紙66にカラー画像を潜像として記録する。
【0068】
1画面分のカラー画像の記録が開始されると、次の露光画面22aがスキャナ54にセットされ、上記と同じ手順によって補正処理が行われる。なお、このときにも最初に作成された補正テーブルが用いられる。1画面分の画像データに対して補正処理の完了後、通常画像処理を行ってから各補正画像データが画像記録部52の画像メモリ61に書き込まれる。そして、先に記録を開始したカラー画像の記録の完了後に、この補正画像データに基づいてカラー印画紙66にカラー画像が記録される。
【0069】
以降、同様にして1本の写真フイルム22の各露光画面22aから読み取ったカラー画像に対して補正処理、通常画像処理を行い、カラー印画紙66にカラー画像を記録する。
【0070】
露光されたカラー印画紙66は、現像処理工程に送られ、現像、定着、乾燥等が行われてから、各画像毎に切り分けられてデジタルプリンタ50からプリント写真として排紙される。こうして得られるプリント写真には、シャッタ羽根40の開閉動作にともなう露光ムラと、露光時にフイルム面を湾曲させて支持していることを考慮した周辺光量の低下とが補正されているから、良好な画質となっている。
【0071】
【実施例】
次に実施例について説明する。なお、実施例では、上記説明と共通な符号を付して説明する。
【0072】
曲率半径Rが100mmでフイルム面を露光画面22aの長手方向に湾曲させるようにしたレンズ付きフイルムユニット2を作成し、その撮影レンズ5,曲率半径R,シャッタ羽根40の形状等の設計データに基づいて露光画面22a上の撮影光軸5aの位置を含む13個のサンプル位置についての補正量Eの理論値を計算した。
【0073】
補正量Eの理論値の計算は、次のようにして行った。
▲1▼ シャッタ羽根40の回動する平面において、サンプル位置に向かう光束の一部がシャッタ開口41に入射を開始した時点でのシャッタ羽根40の回動角度を開き始め角度(a)とし、この光束が完全にシャッタ開口41から入射する状態になった時点でのシャッタ羽根40の回動角度を全開角度(b)として、これらを13箇所のサンプル位置のぞれそれについて求める。なお、シャッタ羽根40の回動角度は、閉じ位置を「0°」とする。
▲2▼ 開き始め角度(a)と全開角度(b)とから、撮影光の入射を許容するシャッタ羽根40の回動位置に相当する平均角度(c=(a+b)/2)を求める。
▲3▼ 平均角度(c)と、シャッタ羽根40の閉じ位置から最大開き位置までの回動角度θ0を用いて、露光角(d=(θ0−c)・2)を求める。なお、この例ではθ0は45°である。
▲4▼ 露光画面22a上の撮影光軸5aの位置に対する露光角を基準とする他のサンプル位置の露光角の比率を計算し、これを露光時間比(e=d/d(中心))とする。
▲5▼ コサイン4乗則及び、フイルム面の曲率Rに基づいて、各サンプル位置に対する撮影レンズ5からの光量を求め、露光画面22a上の撮影光軸5aの位置に対する光量を基準とする他のサンプル位置の光量の比率をレンズ光量(f)として求める。
▲6▼ 露光時間比(e)とレンズ光量(f)とを乗算し、サンプル位置に与えられる光量の比率を像面光量比(g=e・f)とする。
▲7▼ 像面光量比(g)の対数(底は2)を求めることにより、補正量E(EV値)の理論値を求める。
【0074】
上記のようにして求めた各値a〜gと補正量Eの理論値を表1 に示す。また、各サンプル位置の座標を表2で示す。なお、表2の座標の単位は「mm」である。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
上記の表1から得られる補正量Eの理論値に基づき、最小二乗法で演算式▲1▼の各補正パラメータを求めた。補正パラメータは次のような値となった。
A=−2.357×10-3
B=−1.692×10-7
C=+4.270×10-3
D=−1.343×10-5
P=−20.58
Q=+15.01
M=+1.5870
K=−10.4634
S=+35.3847
G=+60.3988
【0078】
上記のようにして得た各補正パラメータと、露光画面22aの各座標を用いて、演算式▲1▼で得られる補正量Eを算出したところ、表3に示す結果が得られた。また、補正量Eの理論値に対する演算式▲1▼で得られる補正量Eの誤差を表4に示す。なお、表3,表4の補正量EはEV値で表している。また、表3では13個の位置について示したが、実際の補正処理に際しては、露光画面22aの全域について補正量Eの計算を行って補正テーブルが作成されるのはいうまでもない。
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
表4に示される結果から分かるように、演算式▲1▼によって得られる補正量Eの誤差は極めて小さい。したがって、演算式▲1▼によって得られる補正量Eを用いて補正を行えば、良好に補正を行うことができるのが分かる。なお、露光画面22aのいずれかの位置に対して著しく大きな誤差が生じる場合や、特別な意図を持って補正量をバランスさせる場合には、補正パラメータを決める際の最小二乗法の計算時に、露光画面の全体に対する各位置の重みを適当にそれぞれ変化させて補正パラメータの各値を変えることで実現できる。
【0082】
上記実施形態では、フイルム面を湾曲させたことを考慮した周辺光量の低下と、シャッタ羽根の開閉動作にともなう露光ムラの補正とを同時に行う場合について説明したが、シャッタ羽根の開閉動作にともなう露光ムラだけを補正する場合には、前述の式▲4▼及びこれで得られる補正量E3だけを用いて補正すればよい。
【0083】
上記実施形態では、写真フイルムにサイドプリントされている機種コードを利用して補正パラメータを特定しているが、パトローネの外側に記された機種コードを手動で、あるいは機械読み取りで入力するようにしてもよい。また、補正パラメータを特定できるものであれば、機種コード以外のものを利用してもよく、補正パラメータを特定するための補正コードを写真フイルムにサイドプリントしたり、パトローネの外側等に記してもよい
【0084】
補正コードを付与する場合には、同じ補正パラメータを用いて補正を行うのであれば、レンズ付きフイルムユニットの機種が異なる場合であっても同じものを付与してもよい。また、補正パラメータ自体を補正コードとして採用してもよい。さらに、単に補正処理をプリント時に実行させるための指示を補正コードとして付与し、この補正コードを読み取ったときには予め決められた補正パラメータを用いて補正処理を実行するようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、レンズ付きフイルムユニットによって撮影された写真フィルムに対して補正を行う例について説明したが、コンパクトカメラ等のカメラで撮影された写真フイルムに対しても同様な処理を行うことができる。カメラで用いられる135タイプの写真フイルムからでは、撮影に使用されたカメラの種類(機種)に応じた補正パラメータを特定することはできないが、例えば作業者にカメラの機種名を伝え、この機種名、あるいはこれに応じた補正コードをデジタルプリンタに手動で入力するようにすれば、撮影に用いたカメラの機種に応じた補正が可能となる。
【0086】
さらに、上記実施形態では、135タイプの写真フイルムに対して補正を行う例を示したが、Advanced Photo SystemのIX240型式等の各種タイプの写真フイルムを用いることができる。IX240型式の写真フイルムでは、写真フイルムに透明な磁気記録層が設けられているから、これに補正コード等を記録してもよく、またこれに対応したカメラでは磁気記録層にデータを記録できるので、カメラ側で補正コード等を記録して、補正処理の際に利用するようにしてもよい。
【0087】
上記では、プリント写真を作成するデジタルプリンタに本発明を利用した例について説明したが、これ以外の機器にも利用でき、また周辺光量の低下を補正する独立した補正装置にも利用できる。
【0088】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、シャッタ羽根の種類に応じて決められた所定の補正パラメータに基づいて、シャッタ羽根の開閉動作に伴って露光画面内の位置ごとに生じる露光ムラを補正する補正データを算出し、この補正データに基づいて前記画像データを補正するから、良好な補正を行うことができ、シャッタ羽根の開閉動作に起因して露光ムラが発生するシャッタ装置を用いて撮影を行っても良好な画質の画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したデジタルプリンタの構成を示すブロック図である。
【図2】蹴飛ばし式のシャッタ装置を用いたレンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視図である。
【図3】レンズ付きフイルムユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図4】撮影レンズとフイルム面の湾曲とを模式的に示す説明図である。
【図5】シャッタ装置の構成を示す斜視図である。
【図6】補正の際に用いる露光画面の座標を示す説明図である。
【図7】シャッタ羽根の開閉動作に伴う露光ムラの発生を説明した説明図である。
【符号の説明】
22 写真フイルム
22a 露光画面
40 シャッタ羽根
53 コードリーダ
54 スキャナ
56 画像処理回路
56b EEPROM
Claims (3)
- 1枚のシャッタ羽根が閉じ位置とシャッタ開口を全開させる最大開き位置との間で往復回動して露光が行われる蹴飛ばし式シャッタ装置によって撮影された画像の補正方法において、
シャッタ羽根の開閉により撮影レンズを通して写真フイルムに露光された撮影画像から画像データを読み取り、前記シャッタ羽根の種類に応じて決められた所定の補正パラメータに基づき、前記シャッタ羽根の開閉動作に伴って露光画面内の位置ごとに生じる露光ムラを補正する補正データを算出し、この補正データに基づいて前記画像データを補正することを特徴とする撮影画像の補正方法。 - 撮影レンズの光軸が写真フイルムと交わる位置を原点とし、前記光軸に垂直なXY直交座標平面において、露光画面内の任意の位置の座標を(x,y)、前記補正パラメータをP,Q,S,M,K,Gとし、Pを前記XY直交座標平面にシャッタ羽根の回動中心を射影したときのX座標、Qを前記XY直交座標平面にシャッタ羽根の回動中心を射影したときのY座標、Sをシャッタ羽根がシャッタ開口を全開した後の任意の点から最大開き位置に達するまでの回動角度と回動角度を前記XY直交座標平面に射影したことによる補正を含む補正値、Mをシャッタ羽根の回動角度を露光時間に変換する補正係数、Kを対数をとる際の比例係数、Gを原点の値Eを「0」とする補正値としたとき、E=K・ log2( M・(tan -1((P−x) /( Q−y))+S))+Gの式により求めた値Eに基づいて、各座標位置ごとの補正データを得ることを特徴とする請求項1記載の撮影画像の補正方法。
- 露光画面内の複数の座標位置に対する値Eの理論値をそれぞれ求め、これらの各理論値と対応する座標位置とを最小二乗法に適用して、前記各補正パラメータを決めることを特徴とする請求項2記載の撮影画像の補正方法。
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