JP3894607B2 - 半導体レーザおよびその製法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は幅の狭いストライプ電極が設けられる半導体レーザおよびその製法に関する。さらに詳しくは、幅の狭いストライプ電極との電気的接続を容易に行うことができる構造の半導体レーザおよびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体レーザでは、動作電流の低減と放射光の広がりを制御する目的で、ストライプ状に電流を狭窄する構造のものが広く用いられている。このストライプ状に電流を制限する構造の半導体レーザは、たとえば図7(a)に示されるSAM構造のような電流制限層を設けるか、もしくは図7(b)に示されるように、プロトンの打ち込みなどにより半導体積層部の両側で電流を制限し、上部電極38は幅広く設ける構造のものや、図8(a)〜(b)に示されるような半導体積層部をリッジ状にしてその表面に幅の狭いストライプ電極38を設けるか、もしくは半導体積層部の表面に直接幅の狭いストライプ電極38を設ける構造のものが知られている。
【0003】
SAM構造のものは、たとえば図7(a)に示されるように、GaAs基板31上にn形のAlGaAs系化合物半導体からなるn形クラッド層32、クラッド層よりバンドギャップエネルギーの小さい組成のAlGaAs系化合物半導体からなる活性層33、n形クラッド層と同じ組成のp形第1クラッド層34、n形のGaAsからなり、電流注入領域がストライプ状に除去されたn形の電流制限層35、p形第1クラッド層34と同じ材料からなるp形第2クラッド層36が順次積層され、p形のGaAsからなるキャップ層37を介して上部電極38が設けられ、基板31の裏面に下部電極39が設けられることにより形成されている。また、プロトン打込み型の構造は、図7(b)に示されるように、n形クラッド層32、活性層33、p形クラッド層34、およびp形のキャップ層38を図7(a)と同様の材料で積層した後に、電流注入領域以外のp形層37、34にプロトンなどを打ち込んでプロトン打込み領域40を絶縁性にするものである。
【0004】
これらのレーザチップは、熱膨張による歪を小さくするため、サブマウントにダイボンディングされて、サブマウントが組立に供せられる。前者の構造のものは、図7(c)に示されるように、サブマウント41上に低融点金属42により上部電極38側を下向き(フェースダウン)にしてダイボンディングをし、上下が反転した下部電極39側に金線43などをワイヤボンディングすることによりマウントされ、マウントを支障なく行える。しかし、エピタキシャル成長の途中に電流制限層35をストライプ状にエッチングしなければならないため、エピタキシャル成長工程を2回行わなければならないなど、プロセスが複雑になる。また、後者の構造のものは、サブマウントへのマウントは支障なく、エピタキシャル成長工程も1回で済むが、プロトンの打込みなど高価な装置を使用しなければならないという問題がある。
【0005】
一方、図8(a)に示されるようなリッジ構造のものは、GaAs基板31上に前述と同様の材料のAlGaAs系化合物半導体からなるn形クラッド層32、活性層33、p形クラッド層34、p形のキャップ層37が順次積層された後に、上部電極38をストライプ状に設け、積層された半導体層をストライプ状の上部電極38の下にメサ状に残存するようにp形クラッド層34までエッチングし、GaAs基板31の裏面に下部電極39を設けることにより形成される。また、ストライプ部をリッジ状にしない構造のものは、たとえば図8(b)に示されるように、図8(a)と同様の各半導体層が積層され、ストライプ電極38が形成されたままの状態のもので、ストライプ部がリッジ状にされていないものである。これらの構造のものは、エピタキシャル成長は1回で済み簡単なプロセスで製造されるが、ストライプ電極38の幅が大きくても数十μm以下、通常は数μm程度であるため、フェースダウンにすると不安定でダイボンディングをすることができず、図8(a)〜(b)に示されるように、下部電極39側をサブマウント41上に低融点金属42などによりボンディングし、上部のストライプ電極38に金線などのワイヤボンディングをすることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のストライプ電極が形成される半導体レーザは、半導体層の積層プロセスは簡単であるが、ストライプの幅が数μm程度から評価用に実験的に作る場合でも数十μm程度と非常に幅が狭い。そのため、ストライプ幅の狭いものでは、ワイヤボンディングをすることができないか非常に難しくて、評価用に使用される程度で実用的になってはいない。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、半導体積層部上の幅の狭いストライプ電極との電気的接続を容易に行うことができる構造の半導体レーザを提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、幅の狭いストライプ電極との電気的接続を容易に行うことができる半導体レーザの製法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による半導体レーザは、基板と、該基板上に発光層を形成すべく半導体層が積層される半導体積層部と、該半導体積層部上に設けられる幅の狭いストライプ電極とを備えるレーザチップを有する半導体レーザであって、前記ストライプ電極が設けられる前記半導体積層部の表面側に該ストライプ電極より幅が広く、かつ、いずれの電極とも接続されないダイボンディング用メタルが設けられている。この構造にすることにより、ストライプの幅より広い幅のダイボンディング用メタル部により、安定してフェースダウンのダイボンディングをすることができる。
【0010】
前記ストライプ電極とダイボンディング用メタルは、たとえば積層された半導体層の表面に共に設けられることなどにより、基板の裏面からほぼ同じ高さになるように形成される。
【0011】
前記ダイボンディング用メタルが、前記レーザチップがサブマウントにダイボンディングされる際の前記ストライプ電極の位置決めを行う機能を有するように形成されていることにより、ストライプ電極の位置決めをしなくても正確にダイボンディングをすることができる。なお、電極の位置決めを行う機能を有するとは、たとえばレーザチップのダイボンディング用メタルの幅とサブマウント側のメタルパターンの幅を概略同じにしておくことで、このようにすることにより、低融点金属のリフローによる接着によりダイボンディング用メタル部が表面張力により正確に位置決めされてボンディングされ、その結果、ストライプ電極も位置決めされる。
【0012】
前記ダイボンディング用メタルが前記ストライプ電極の両側に設けられていることにより、一層フェースダウンのダイボンディングが安定すると共に、ストライプ電極の位置決めも正確になる。
【0014】
サブマウントの表面に前記レーザーチップのストライプ電極およびダイボンディング用メタルと対応し、かつ、前記ダイボンディング用メタルに対応する部分は前記ダイボンディング用メタルの幅と概略同じ幅で形成されるメタルパターンが設けられ、該サブマウントのメタルパターン上に前記レーザーチップのストライプ電極およびダイボンディング用メタルが低融点金属によりそれぞれ接着される構造とすることにより、幅の狭いストライプ電極を容易にサブマウントの電極端子に電気的に接続することができる。
【0015】
ここに概略同じ幅とは、ダイボンディング用メタルとサブマウントのメタルパターンとが表面張力などによりその中心が一致して吸引し得る幅を意味し、一方の幅が他方の幅より数μm程度大きく形成される場合や、一方のメタルが2以上に分割されていても、その部分的または全体の両端部間の幅がほぼ同じである場合も含む。
【0016】
ブマウントが半導体基板からなり、該サブマウントの表面に絶縁膜が形成され、該サブマウント上に前記レーザチップがフェースダウンでマウントされる場合に、該レーザチップのダイボンディング用メタルに対応する部分には前記ダイボンディング用メタルの幅と概略同じ幅で形成されるメタルパターンが設けられ、前記ストライプ電極に対応する部分は前記絶縁膜が除去され、露出する前記半導体基板上に直接前記ストライプ電極が接続されると共に、該半導体基板の裏面に接続用電極が設けられることにより、サブマウントのとサブマウントの表面に設けられるレーザチップの基板裏面に2つの電極が別々に設けられる。
【0017】
本発明の半導体レーザの製法は、(a)基板上に発光層を形成すべく半導体層を積層し、該積層された半導体積層部の表面にストライプ電極およびいずれの電極とも接続されない位置決め用のダイボンディング用メタルを形成することによりレーザチップを形成し、
(b)基板上に、前記レーザチップのストライプ電極およびダイボンディング用メタルに対応し、かつ、前記ダイボンディング用メタルに対応する部分は該ダイボンディング用メタルの幅と概略同じ幅を有するメタルパターンを設けることによりサブマウントを形成し、
(c)前記サブマウントのメタルパターンまたは前記レーザチップのストライプ電極およびダイボンディング用メタルの部分に低融点金属を付着して、前記レーザチップをそのダイボンディング用メタルが前記サブマウントのダイボンディング用メタルに対応するメタルパターンとほぼ重なるように載置し、
(d)前記低融点金属をリフローすることにより、自動的にストライプ電極と前記サブマウントのメタルパターンとを位置合せして接着する
ことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
つぎに、図面を参照しながら本発明の半導体レーザおよびその製法について説明をする。
【0020】
本発明の半導体レーザに用いるレーザチップ(以下、LDチップという)10は、図1にその一例が示されるように、基板1上に積層された半導体積層部6の表面に幅の狭いストライプ電極7が設けられると共に、ストライプ電極7と同じ側にストライプ電極7より幅が広いダイボンディング用メタル(以下、DB用メタルという)8が設けられている。図1に示される具体例では、ストライプ電極7の下側の半導体積層部がメサ状にエッチングされてストライプ部6aとされると共に、このストライプ部6aと表面側のp形層4、5が離間するように半導体積層部の一部6bが残存し、ストライプ部6aの上に形成されるストライプ電極7と同じ高さでストライプ電極7より幅広で、かつ、位置決め用のDB用メタル8が設けられている。
【0021】
そして、LDチップ10をマウントするサブマウント15は、図2にその一例が示されるように、その表面にLDチップ10のストライプ電極7およびDB用メタル8に対応するメタルパターン(以下、電極パターンという)16、17がそれぞれ設けられ、かつ、DB用メタル8に対応する電極パターン17はDB用メタル8と概略同じ幅になるように電極パターンが形成されている。このサブマウント15の電極パターン16、17上に、図3(b)に示されるように、低融点金属を蒸着などにより設けておき、またはLDチップ10の電極7およびDB用メタル8側に低融点金属を付着しておき、LDチップ10をその電極7、およびDB用メタル8の部分が対応する電極パターン16、17の部分と重なるように載置してリフローすることにより、DB用メタル8と、その対応するサブマウント15の電極パターン17とが表面張力により吸着して自動的に位置合せされて接着される。その際に、ストライプ電極も正確に位置合せされる。そして図3(a)に示されるようなサブマウント15にLDチップ10がマウントされた本発明の半導体レーザが得られる。
【0022】
LDチップ10は、たとえばn形のGaAsからなる基板1上にAlGaAs系(AlとGaとの混晶比率が種々変わり得ることを意味する、以下同じ)化合物半導体からなり、1μm程度のn形クラッド層2、クラッド層よりバンドギャップエネルギーが小さくなる組成のAlGaAs系化合物半導体からなり、0.1μm程度のノンドープの活性層3、n形クラッド層と同様のAlGaAs系化合物半導体からなり、1μm程度のp形クラッド層4、p形GaAsからなり、0.2μm程度のキャップ層5がMBE(分子線エピタキシャル)法、またはMOCVD(有機金属化学気相成長)法により順次積層されることにより、半導体積層部6が形成されている。そして、半導体積層部6の表面にTi/Auの積層構造からなるストライプ状のストライプ電極(p側電極)7が形成され、その両側の半導体積層部がエッチングされ、ストライプ電極7の下の半導体積層部がメサ状に残存してストライプ部6aが形成されると共に、そのストライプ部6aとエッチングにより離れて半導体積層部の一部6bが残存し、半導体積層部の一部6bの表面にストライプ電極7の幅より幅広であると共に、ストライプ電極7の位置決めを行うDB用メタル8が設けられている。このDB用メタル8はストライプ電極7と同様にTi/Auの積層構造により形成される。
【0023】
このLDチップ10は、通常のLDチップと同様に製造され、ストライプ部6aの幅Wは、たとえば4μm程度に形成され、一辺の大きさAは、たとえば250μm程度の正方形で、厚さHがたとえば60μm程度に形成される。エッチングの幅Eは、たとえば10〜30μm程度で、DB用メタル8の幅Tは、たとえば50〜100μm程度に形成される。このDB用メタル8は、ストライプ電極7より広く形成される必要があり、少なくとも20μm程度、できれば50〜200μm程度は設けられることが後述するフェースダウンでダイボンディングをする場合に安定して位置決めされるため好ましい。このDB用メタル8は、後述するように、サブマウントにLDチップ10をマウントする場合に、ストライプ電極7とサブマウントの電極パターンとが位置合せされるような機能を有するように形成されることが好ましい。たとえば、サブマウントのDB用メタルと対応する電極パターンの幅と概略同じになるように形成しておく。そうすることにより、低融点金属をサブマウントかLDチップ側のいずれかに付着しておいて両者を重ねてからリフローすれば、低融点金属の溶融と共に表面張力の吸着により自動的に位置合せがされ、それに伴いストライプ電極7が位置合せされる。ここで概略同じ幅とは、低融点金属によりダイボンディングする際に、表面張力によりその中心部が一致するように移動して接着され得る幅で、実際には電極パターン17の幅が数μm程度広く形成されていても、中心部が一致して接着される。
【0024】
このLDチップ10がマウントされるサブマウント15の例が図2に示されている。このサブマウント15は、たとえば不純物がドープされたシリコンからなる半導体基板15aの表面にSiO2 などの絶縁膜15bが設けられ、その表面にLDチップ10のストライプ電極7と対応した形状の電極パターン16およびDB用メタル8に対応した電極パターン17が形成されると共に、電極パターン16と電気的に接続して接続用電極(ボンディングパッド)18が同時にパターン形成されている。図2に示される例では、DB用メタルに対応する電極パターン17が設けられる部分は、絶縁膜15bが除去されて直接露出した半導体基板15aの表面に設けられ、半導体基板15aの裏面側に他方の接続用電極19が設けられることによりDB用メタル8と共通化されたn側電極の外部リードと接続するための接続用電極19が形成されている。しかし、サブマウントの表面側の絶縁膜上に両方の接続用電極が設けられてもよく、また一方のストライプ電極に接続される接続用電極がサブマウントの表面に設けられ、他方の接続用電極はLDチップ10の裏面としてその裏面に直接ワイヤボンディングをする構成でもよい。さらに、一方の電極をサブマウントの裏面に設ける構造でも、ストライプ電極側を直接半導体基板に接続して接続用電極をサブマントの裏面側に設け、DB用メタル側の接続用電極を絶縁膜15b上またはLDチップ10の裏面に設けてもよい。
【0025】
つぎに、図2に示されるサブマウント15に図1に示されるLDチップ10をダイボンディングすることにより、半導体レーザを製造する方法について図3を参照しながら説明をする。図3(a)はLDチップ10がサブマウント15にダイボンディングされた状態の概略斜視図、図3(b)はその製造段階の一工程の概略斜視図である。まず、図3(b)に示されるように、サブマウント15の電極パターンのうち、ストライプ電極7に対応する電極パターン16の上、およびDB用メタル8に対応する電極パターン17の上に低融点金属層16a、17aを設けておく。低融点金属層16a、17aは、たとえばクリームハンダ、In、Au-Sn合金などの低温度で溶融するものが用いられ、電極パターン16、17の金属に引き続き蒸着などにより設けて同時にパターニングすることにより簡単に設けられる。また、付着する厚さは、あまり厚すぎても薄すぎても後述する表面張力による吸引力が弱くなり、正確な位置決めができなくなるため、0.2〜50μm程度、さらに好ましくは5〜10μm程度の厚さに設けられる。
【0026】
つぎに、図3(b)に示されるように、LDチップ10を電極が設けられる側が下向き(フェースダウン)になるように、かつ、LDチップ10のDB用メタル8と電極パターン17上の低融点金属層17aとがおおよそ一致するように重ね合わせ、ヒータブロック上で250〜300℃程度で、2〜10秒程度加熱することにより低融点金属層17a、16aが溶融し、LDチップ10のストライプ電極7およびDB用メタル8と、サブマウント15の電極パターン16、17とがそれぞれ接着される。この際、DB用メタル8の幅と、電極パターン17の幅とが概略同じになるように相互に形成されているため、サブマウント15とLDチップ10との重ね合せが正確に一致していなくても、低融点金属層16a、17aが溶融して接着する際に、小さいLDチップ10が表面張力により引っ張られてDB用メタル8と電極パターン17とが丁度一致するように移動して接着される。その結果、電極パターン16、17の間隔もLDチップ10のDB用メタル8とストライプ電極7の間隔と一致するように形成されているため、幅が狭くて位置決めが困難なストライプ電極7も同時に電極パターン16に正確に位置決めされて接着される。そして、図3(a)に示されるようなサブマウント15にダイボンディングされ、両接続用電極18、19がサブマウントの両面にそれぞれ設けられる半導体レーザが得られる。
【0027】
図1に示される例では、前述のストライプ部6aを形成するエッチングが、n形クラッド層2が露出するまで行われ、DB用メタル8がそのn形クラッド層2に電気的に接続されるように設けられている。その結果、DB用メタル8がn側電極となっている。しかし、エッチングがp形クラッド層4迄で、DB用メタル8は電極として作用せず、後述する位置決め用としてのみ用い、n側電極は従来と同様に、基板1の裏面に設けられてもよい。この観点からいえば、ストライプ電極7の下部の半導体積層部がメサ状にエッチングされてストライプ部6aが形成されないで、図4(a)に示されるように、連続した状態の半導体積層部6上にDB用メタル8が設けられ、図4(b)に示されるようにサブマウント15にダイボンディングされてもよい。なお、図4において、9はn側電極、11はワイヤボンディング用のワイヤで、図1〜3と同じ部分には同じ符号を付してある。さらに、エッチングされる場合でも、そのエッチングされた部分に電気的絶縁物が埋め込まれていてもよい。
【0028】
また、図1に示される例では、DB用メタル8がストライプ部6aの両側に設けられているが、いずれか片側だけでもよく、また、図4(a)に示されるように、片側でさらに縦方向または横方向に2以上に分離されているなど、位置決めをできるパターンであれば、どんなパターンでもよい。なお、レーザチップのDB用メタルまたはサブマウントの電極パターンが分割されている場合、図5に示されるように、分割された電極パターン17b、17cの全体の端部A側での表面張力が位置合せの作用をし、内部Bの部分は位置合せ作用をしないため、その両端部の間隔が相手方のDB用メタル8の間隔と概略同じになっておればよい。もちろん、分割されたパターンの全部が対応するパターンの全部の幅と同じになっていなくても、その一部同士または一部と全部が概略同じ幅に形成されておれば、その部分で位置決めがなされる。
【0029】
本発明の半導体レーザによれば、幅の狭いストライプ電極と同じ高さで離間してストライプ電極より幅が広いDB用メタルが設けられることによりLDチップが形成されているため、LDチップをフェースダウンでサブマウントにダイボンディングすることができる。しかも、DB用メタルが位置決め機能を有するように形成されることにより、組立て時に正確な位置決めをしなくても、ダイボンディングの接着剤である低融点金属の溶融状態での表面張力による吸引力により、自動的に位置決めがなされてダイボンディングされ、細いストライプ部も同時に正確に位置決めがなされてボンディングされる。また、DB用メタルがストライプ電極の両側に設けられることにより、フェースダウンによるダイボンディングがさらに安定して信頼性が向上する。さらに、DB用メタルが、ストライプ電極が接続される半導体層の導電形と異なる導電形の半導体層に電気的に接続されることにより、レーザチップにワイヤボンディングをすることなくサブマウントに組み立てることができる。
【0030】
また、本発明の製法によれば、LDチップのDB用メタルとサブマウントの電極パターンの幅を概略同じにして低融点金属による表面張力を利用しているため、組立て時に正確な位置合せをしなくても自動的に正確な位置合せをすることができ、細いストライプ電極への電気的接続を容易に行うことができる。
【0031】
前述の例では、LDチップがGaAs基板上にAlGaAs系化合物半導体層を積層した赤色系の半導体レーザチップであったが、他の半導体材料を用いたものや、他の色のLDチップでも同様である。図6にチッ化ガリウム系化合物半導体を用いた青色系の半導体レーザのLDチップの構造例を示す。
【0032】
ここにチッ化ガリウム系化合物半導体とは、III 族元素のGaとV族元素のNとの化合物またはIII 族元素のGaの一部がAl、Inなどの他のIII 族元素と置換したものおよび/またはV族元素のNの一部がP、Asなどの他のV族元素と置換した化合物からなる半導体をいう。
【0033】
図6において、厚さが100〜300μm程度のサファイア(Al2 3 単結晶)などからなる基板21の表面に発光層を形成する半導体積層部26が形成されて、その表面側のp形キャップ層25に、ストライプ状のストライプ電極(p側電極)27が、たとえばNi-Au合金により設けられている。また、ストライプ電極27の両側の半導体積層部がn形クラッド層22が露出するようにエッチングされてストライプ電極27の下部に半導体積層部のストライプ部26aおよびストライプ部26aとp形層24、25が離間して残存する半導体積層部の一部26bが形成されている。そして、残存する半導体積層部の一部26b上にn形クラッド層22と電気的に接続されるように、ストライプ電極27より幅が広いDB用メタル28が、たとえばAl-Ti合金とAuの積層構造により形成されている。これらの電極の間隔や幅などは、前述の図1に示される例と同様に形成されるが、チッ化ガリウム系化合物半導体の場合は、発光波長が短いため、ストライプ部の幅がさらに狭く2μm程度と細く形成される。
【0034】
半導体積層部26は、たとえばGaNからなる低温バッファ層、クラッド層となるn形のGaNおよび/またはAlGaN系(AlとGaの比率が種々変わり得ることを意味する、以下同じ)化合物半導体の積層構造からなるn形クラッド層22を1〜5μm程度、バンドギャップエネルギーがクラッド層のそれよりも小さくなる材料、たとえばInGaN系化合物半導体からなる活性層4が0.05〜0.3μm程度、およびp形のAlGaN系化合物半導体層および/またはGaN層からなるp形クラッド層24が0.2〜1μm程度、さらにGaNからなるキャップ層25が0.1μm程度それぞれ順次積層されることにより構成されている。
【0035】
この青色系のLDチップでは、前述のように、ストライプ部の幅がさらに狭くなるため、とくにストライプ電極との電気的接続が困難であるが、本発明によれば、図1に示される例と同様にDB用メタルによりLDチップの位置合せができるため、細いストライプ電極と容易に電気的接続をすることができる。さらに、この種のLDチップは基板がサファイア基板で電気的絶縁性材料が使用されるため、ストライプが形成される側に両電極が設けられるが、DB用メタルを一方の電極と共用することにより、一層効率的に製造される。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、ストライプ部をメサ形状にすることにより、半導体積層部のエピタキシャル成長の工程が1回でできると共に、細いストライプ電極への電気的接続も容易に行うことができ、細いストライプ電極のストライプ型半導体レーザが安価に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザの一実施形態のLDチップの断面説明図である。
【図2】本発明の半導体レーザに用いるサブマウントの一例を示す斜視図である。
【図3】サブマウントにLDチップをマウントする状態の説明図である。
【図4】本発明の半導体レーザのLDチップの他の例を示す図である。
【図5】LDチップのDB用メタルとサブマウントの電極パターンの関係の他の例を示す図である。
【図6】本発明の半導体レーザのLDチップの他の構成例を示す図である。
【図7】従来のLDチップの構造例およびサブマウントへのボンディングの例を示す図である。
【図8】従来のLDチップの構造例およびサブマウントへのボンディングの例を示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2 n形クラッド層
3 活性層
4 p形クラッド層
6 半導体積層部
7 ストライプ電極
8 DB用メタル
10 LDチップ
15 サブマウント
16 電極パターン
17 電極パターン

Claims (7)

  1. 基板と、該基板上に発光層を形成すべく半導体層が積層される半導体積層部と、該半導体積層部上に設けられる幅の狭いストライプ電極とを備えるレーザチップを有する半導体レーザであって、前記ストライプ電極が設けられる前記半導体積層部の表面側に該ストライプ電極より幅が広く、かつ、いずれの電極とも接続されないダイボンディング用メタルが設けられてなる半導体レーザ。
  2. 前記ストライプ電極と前記ダイボンディング用メタルが、前記基板の裏面からほぼ同じ高さになるように形成されてなる請求項1記載の半導体レーザ。
  3. 前記ダイボンディング用メタルが、前記レーザチップがサブマウントにダイボンディングされる際の前記ストライプ電極の位置決めを行う機能を有するように形成されてなる請求項1または2記載の半導体レーザ。
  4. 前記ダイボンディング用メタルが前記ストライプ電極の両側に設けられてなる請求項1、2または3記載の半導体レーザ。
  5. サブマウントの表面に前記レーザチップのストライプ電極およびダイボンディング用メタルと対応し、かつ、前記ダイボンディング用メタルに対応する部分は前記ダイボンディング用メタルの幅と概略同じ幅で形成されるメタルパターンが設けられ、該サブマウントのメタルパターン上に前記レーザチップのストライプ電極およびダイボンディング用メタルが低融点金属によりそれぞれ接着されてなる請求項1、2、3または4記載の半導体レーザ。
  6. ブマウントが半導体基板からなり、該サブマウントの表面に絶縁膜が形成され、該サブマウント上に前記レーザチップがフェースダウンでマウントされる場合に、該レーザチップのダイボンディング用メタルに対応する部分には前記ダイボンディング用メタルの幅と概略同じ幅で形成されるメタルパターンが設けられ、前記ストライプ電極に対応する部分は前記絶縁膜が除去され、露出する前記半導体基板上に直接前記ストライプ電極が接続されると共に、該半導体基板の裏面に接続用電極が設けられてなる請求項1、2、3または4記載の半導体レーザ。
  7. (a)基板上に発光層を形成すべく半導体層を積層し、該積層された半導体積層部の表面にストライプ電極およびいずれの電極とも接続されない位置決め用のダイボンディング用メタルを形成することによりレーザチップを形成し、
    (b)基板上に、前記レーザチップのストライプ電極およびダイボンディング用メタルに対応し、かつ、前記ダイボンディング用メタルに対応する部分は該ダイボンディング用メタルの幅と概略同じ幅を有するメタルパターンを設けることによりサブマウントを形成し、
    (c)前記サブマウントのメタルパターンまたは前記レーザチップのストライプ電極およびダイボンディング用メタルの部分に低融点金属を付着して、前記レーザチップをそのダイボンディング用メタルが前記サブマウントのダイボンディング用メタルに対応するメタルパターンとほぼ重なるように載置し、
    (d)前記低融点金属をリフローすることにより、自動的にストライプ電極と前記サブマウントのメタルパターンとを位置合せして接着する
    ことを特徴とする半導体レーザの製法。
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