JP4081897B2 - 積層型半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents

積層型半導体レーザ装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下面にそれぞれ電極を備えストライプ状の発光領域を有する半導体レーザ素子を複数個積層してはんだにより接続してなる積層型半導体レーザ装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
ロボットの目やレーザレーダシステムなどにおいて用いられる測距用の大出力の半導体レーザ装置においては、複数個の半導体レーザ素子を積層して構成することにより、各半導体レーザ素子から得られるレーザ光を束ねて出力することで光量の増大を図るようにしている。
【0003】
この場合、複数個の半導体レーザ素子を積層する構成としては、例えば図10および図11に示すような構成のものがある。図11に示す積層型半導体レーザ装置では、図10に示す構成の2個の半導体レーザ素子1,2を積層した構成のものを示している。
【0004】
半導体レーザ素子1,2は、次のように構成される。ガリウム砒素などの化合物半導体からなる半導体基板3上に、有機金属気相エピタキシ法(MOCVD法)などの方法を用いて、例えば、クラッド層4,活性層5,クラッド層6を含んだ多数の半導体層が所定条件で積層形成されている。半導体層4〜6の両側部は、エッチングにより除去されメサ部7が形成されている。メサ部7の段差部分を覆うようにして全体に絶縁膜8が形成されており、その活性層5の上部に位置する部分は所定幅(例えば100μm以上)のストライプ状開口部8aが形成されている。ストライプ状開口部8aを覆うようにして全面に電極膜9が形成されている。半導体基板3の下面側は電極膜10が形成されると共に、はんだ層11が形成されている。
【0005】
この半導体レーザ素子1,2は、上下の面に形成された電極膜9,10間に順方向の電流が与えられると、活性層5を電流が流れるときに発光動作が行なわれ、絶縁膜8の開口部8aに対応した部分が発光領域12となる。ストライプ状の長さ方向に反射を繰り返して増幅された光がレーザ光として出力される。このとき得られる発光強度は1個の半導体レーザ素子1のみでは不十分であるので、以下に述べるようにして、複数個例えば2個を積層した構成とする。
【0006】
すなわち、図11に示すように、台座13上に、下側の半導体レーザ素子1を載置すると共に、その上部の電極膜9の上に上側の半導体レーザ素子2を積み重ねた状態で加熱、加圧処理を行ない、半導体レーザ素子2の下面側のはんだ層11のはんだを溶融して電気的に接続する。これにより、はんだ層11を形成しているはんだはメサ部7の段差部分や絶縁膜8の開口部8aによりできた凹部部分などを充填するようにして上下の半導体レーザ素子1,2を接続する。また、上側の半導体レーザ素子2にはボンディングワイヤ14をボンディングして図示しないケースに収容する。
【0007】
しかし、このような構成による積層型半導体レーザ装置では、電極膜9の凹状に形成されている部分つまり発光領域12に対応した部分11aに溶融したはんだが流れ込むため、電極膜9とはんだが反応して抵抗成分となることがある。これにより、上側の半導体レーザ素子2の下面側の電極膜10からはんだ層11aを介して下側の半導体レーザ素子1の発光領域12に流れる電流が抵抗成分の大きさに応じてばらつくようになり、電流経路が均一に分布しなくなる場合が生ずる。したがって、半導体レーザ素子1の発光領域12における発光状態にばらつきを生ずることになり、発光パターンが不安定になる不具合がある。
【0008】
本発明は、上記不具合を解決すべくなされたもので、その目的は、半導体レーザ素子をはんだ層を介して積層する構成とする場合でもその発光パターンを安定したものとすることができるようにした積層型半導体レーザ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、半導体レーザ素子を積層してはんだ層により接続する際に、発光領域に対応する部分にははんだ層を設けていないので、この部分に形成されている電極膜とはんだが反応することがなくなり、発光領域への電流が発光領域に対応する電極部を直接通らないようにすることができる。この結果、従来の不具合のように、発光領域に対応した電極部に流れる経路に抵抗成分が発生することに起因した発光領域に流れる電流のばらつきを抑制することができ、発光領域への安定した電流供給を行なえるようになり、発光動作もばらつきを抑制した安定した動作とすることができる。
【0010】
そして、はんだ層により接続された上下の前記半導体レーザ素子の発光領域に対応する電極部には、空間領域を設けることによりはんだ層を設けないように構成しているので、上述同様にして、発光領域への電流が発光領域に対応する電極部を直接通らないようにすることができ、発光領域への安定した電流供給を行なえるようになり、発光動作もばらつきを抑制した安定した動作とすることができる。
【0013】
さらに、はんだ層を介して接続する半導体レーザ素子の電極を、発光領域に対応する部分を除いた領域内に形成するようにしたので、はんだ層を設ける場合に加圧状態で加熱してはんだを溶かしたときに、電極同士が直接接触することを防止することができ、上述した構成により得られる効果を確実にすることができる。
【0014】
請求項の発明によれば、半導体レーザ素子のうちで少なくとも発光領域がはんだ層に対向しているものについては、発光領域の外側に位置する部分に溝部を形成し、はんだ層を形成するためのはんだが溝部よりも内側に流れないように構成しているので、製作時にはんだが発光領域側に流れるのを防止することができるようになり、発光領域に対応する部分の電極とはんだとの反応を確実に防止して安定した動作を行なわせることができるようになる。
【0015】
請求項の発明によれば、半導体レーザ素子の発光領域に対応する電極部には絶縁膜を形成しているので、はんだ層を形成する際にはんだが発光領域に対応する電極部に流れて電極と反応することを確実に防止することができ、これによって安定した動作を行なわせることができるようになる。
【0024】
請求項の発明によれば、半導体レーザ素子を積層して接続する前に、半導体レーザ素子のうちのはんだ層により接続する面に形成された電極のうちの発光領域に対応した部分に絶縁膜を形成するので、接続を行なうときに発光領域にはんだが流れるのを確実に防止することができるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を2個の半導体レーザ素子を積層して構成した場合の第1の実施形態について図1および図2を参照しながら説明する。図1は2個の半導体レーザ素子21,22を積層した構成の模式的断面を示しており、これら2個の半導体レーザ素子21,22は、基本的には同じ構成のものであり、図2には上部側に位置する半導体レーザ素子21を代表して示している。
【0026】
図2において、基板23は例えば100μm程度の厚さ寸法のn型のGaAs(ガリウム砒素)基板で、この上に、n−GaAs層24,n−AlGaAsクラッド層25,活性層26,p−AlGaAsクラッド層27,p−GaAs層28が順次積層形成されている。活性層26はAlGaAs/GaAsの多重量子井戸構造とされている。
【0027】
半導体層24〜28は素子の両側部がエッチング除去されており、中央部にストライプ状(図中紙面に垂直方向)のメサ部29が設けられている。メサ部29の縁部から基板の両端部にかけた表面部分にはSiO2などの絶縁層30が形成されており、その上部にはp型電極31が全面に形成されている。絶縁層30が形成されない部分に対応する活性層26の領域は発光領域26aとなる。
【0028】
基板23の裏面側には、上部側の半導体レーザ素子21では発光領域26aに対応する部分を除いた領域にn型電極32aが形成されている。下部側つまりマウントする方の半導体レーザ素子22では、全面に渡ってn型電極32bが形成されている。また、このn型電極32aおよび32bの表面には、それぞれ同じ領域にはんだ層33が所定膜厚(0.1〜5μmの範囲)で形成されている(はんだ層33は積層した状態では、後述するように、はんだ層33a,33bのような形状となる)。
【0029】
半導体レーザ素子21,22は、図示の発光領域26aが露出している端面と反対側の端面とが、共に劈開などにより鏡面となるように形成されている。これらの端面には、図示はしないが、レーザ光を出力させる側の端面には低反射膜が形成され、レーザ光を反射させる側の端面には高反射膜が形成されている。
【0030】
半導体レーザ素子21,22は、図1に示すように、積層した状態で台座34にダイボンディングされている。この状態で、上部側の半導体レーザ素子21の下面側に設けられたはんだ層33aは、下部側の半導体レーザ素子22のメサ部29との段差を充填するような形状であり、下部側の半導体レーザ素子22の下面側のはんだ層33bは、台座34との間が平坦であるからほぼそのままの形状となっている。
【0031】
上部側の半導体レーザ素子21のp型電極31には、メサ部29の上部で発光領域26aを避けた両側の位置のそれぞれに、Au(金)ワイヤ35がボンディングされており、図示しないケースの端子に電気的に接続されている。また、図示はしないが、積層された半導体レーザ素子21,22はケース内に封入されており、各素子から得られるレーザ光はケースに設けられた窓部を介して外部に出力されるようになっている。
【0032】
上記構成の積層型半導体レーザ装置によれば、半導体レーザ素子22の活性層26の発光領域26aに対応する部分のp型電極31aには、はんだ層33aが形成されていないので、これらが合金化することによる抵抗成分の発生がなくなり、その抵抗値のばらつきによって生ずる電流経路の変化が抑制されるようになる。これによって、半導体レーザ素子22の活性層26の発光領域26aには、Auワイヤ35から半導体レーザ素子21を通り、はんだ層33a,半導体レーザ素子22のp型電極31を介して電流が供給される経路が確立されるので、ばらつきを生ずることがなくなり、安定した発光動作を行なわせることができるようになる。
【0033】
次に、上述した構成の積層型半導体レーザ装置の製造工程について簡単に説明する。n型のGaAsからなる基板23は、厚さ寸法は後工程での取り扱いに支障のない程度(例えば数百μm)のものを用いる。この基板23の上に、半導体層24〜28を、例えば有機金属気相エピタキシ(MOCVD;Metal Organic Chemical Vapor Deposition )成長法などを用いて積層形成する。
【0034】
続いて、積層した半導体層24〜28を中央部に所定幅寸法でストライプ状に残すように、フォトリソグラフィ技術を用いてエッチング処理を行ない、メサ部29を形成する。この上面にSiO2からなる絶縁層30をプラズマCVD法などの方法を使って全面に形成する。次に、フォトリソグラフィ技術によってメサ部29の中央部の絶縁膜30をエッチング処理で除去する。p型電極31は、例えばCr/Pt/Auの3層構造のもので、電子ビーム蒸着法を用いて所定膜厚となるように形成する。
【0035】
この後、チップ化工程での劈開作業を容易となるようにするために、基板23の厚さを100μm程度まで研磨することにより薄くする。この状態で、基板23の裏面側にn型電極32を全面に形成する。n型電極32は、例えばAu−Ge/Ni/Au構造またはAu−Sn/Au構造のもので、電子ビーム蒸着法やスパッタ法などにより所定膜厚となるように形成する。熱処理は、例えば360℃で2分程度行ない、オーミックコンタクトが得られるようにする。
【0036】
次に、基板23の裏面つまりn型電極32が形成された面に、Au−Snはんだを電子ビーム蒸着法,抵抗加熱蒸着法あるいはスパッタ法などを用いて所定膜厚だけ形成してはんだ層33とする。この場合、はんだ層33の材料としては、他にAu−Si,In,In−Pb,Pb−Sn,Au−Pb,Au−Geなど種々のものを用いることができる。
【0037】
はんだ層33の膜厚は、積層して接続する場合に十分な接合強度が確保できる程度で且つ素子を積層したときに溶けたはんだが流れて発光領域26aに対応する電極部に付着しない程度に設定する必要がある。このような事情を考慮して、この実施形態においては、0.1〜5μm程度の範囲に設定することにより、上記した条件を満たすようにしている。
【0038】
はんだ層33を形成した後、上部側に位置する半導体レーザ素子21については、裏面に全面に形成しているn型電極32およびはんだ層33のうち、発光領域26aに対応した領域については、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングを行ない、ドライエッチング処理を行なってストライプ状に除去する。なお、下部側つまり台座34にダイボンディングされる側の半導体レーザ素子22は裏面のn型電極32bおよびはんだ層33bはそのままの状態で用いる。
【0039】
この後、レーザ光の出力面や反射面を形成するために、一般的に行なわれるように半導体結晶の劈開面を利用すべく、図示のようにメサ部29を含んだ領域を短冊状に劈開する。このとき、劈開された面のうちの発光領域26aのストライプ方向の一方の端面が出力面となり、他方の端面が反射面となる。そして、この両劈開面のうちの出力面側には低反射率の反射膜を形成し、反射面側には高反射率の反射膜を形成する。この後、チップ化を行なう。
【0040】
このようにして各半導体レーザ素子21,22が形成されると、次に、これらを台座34に積層して端面を揃えた状態に配置し、上側に位置する半導体レーザ素子21がずれないようにして加圧した状態で加熱し、はんだ層33のはんだを溶かして接着することにより電気的にも接続する。このとき、半導体レーザ21と22との間は、下部側の半導体レーザ素子22のメサ部29の両肩部分から端部にかけてのp型電極31と半導体レーザ素子21の裏面のn型電極32aとがはんだ層33aを介して電気的に接続される状態となる。そして、半導体レーザ素子22の発光領域26aの上部に位置するp型電極31aの部分ははんだ層33aが付着しない空間領域として残された状態となる。
【0041】
続いて、上部側の半導体レーザ素子21のp型電極31に図示しない駆動回路側との電気的接続を行なうためのボンディングワイヤ35をボンディングする。ボンディングワイヤ35は、発光領域26aの部分を除いたメサ部29の両肩部分に対して行なう。このボンディング位置は、台座34との間に下部側の半導体レーザ素子22のメサ部29の両肩部分を介して直接ボンディング応力を受ける部分であるから、強度的にも安定した部分となり、且つ、発光領域26aを避けた位置でもあるから、発光領域26aの活性層26にダメージを与えることもなくなる。最後に、台座34を覆うように例えばレーザ出力が可能な窓部を有する缶タイプのケースをかぶせて封入して完成する。
【0042】
このような本実施形態によれば、半導体レーザ素子22の発光領域26aに対応する部分のp型電極31aにはんだ層33aを形成しない構成としたので、従来のような合金化に伴う抵抗成分の発生を防止することができ、抵抗値のばらつきによって生ずる電流経路の変化を抑制して安定した電流経路で給電することができるようになり、安定した発光動作を行なわせることができるようになる。また、このような構成を特殊な工程を設けることなく簡単な工程で前述したようなはんだ層33を形成することができるようになる。
【0043】
(第2の実施形態)
図3および図4は、本発明の第2の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、上部側の半導体レーザ素子21の裏面のn型電極32を全面に設けたままの状態としたn型電極32cを設けた構成としたところである。この構成においては、はんだ層33aは前述同様にして形成したものをドライエッチング処理によりストライプ状の形状となるように除去して形成している。
【0044】
上記構成によれば、半導体レーザ素子21a,22を積層する前の段階においては、半導体レーザ素子21aのはんだ層33aをストライプ状に形成しているので、はんだを溶融して接着させるときに、はんだがp型電極31の発光領域に対応する領域31aの部分に流入して合金化するのを防止することができるようになり、前述同様の効果を得ることができる。
【0045】
また、上記構成においては、n型電極32cを除去しない構成としているので、供給した電流が裏面側つまりn型電極32c側において面内で均一に流れるようにすることができるので、半導体レーザ素子21aの発光領域26a内において、より均一な発光動作を行なわせることができるようになる。
【0046】
(第3の実施形態)
図5ないし図7は、本発明の第3の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、下部側に位置する半導体レーザ素子22に代えて半導体レーザ素子36を用いたところである。すなわち、この半導体レーザ素子36は、前述した半導体レーザ素子22がメサ部29を形成するものであったのに対して、図6に示すような断面がV字状をなる溝部37を発光領域26aの両側に設けた構成としている。この場合、溝部37は、前述したメサ部29に相当するものではない。
【0047】
さて、上述のように下部側の半導体レーザ素子36を構成しているので、図5に示すように、半導体レーザ素子21と共に積層形成した場合に、半導体レーザ素子21のn型電極32aに積層されているはんだ層33cは、対向している半導体レーザ素子36のp型電極31のうちの溝部37の外側で接触した状態で溶けて両者を接着するようになる。このとき、溶けたはんだが溝部37でせき止められるので、発光領域26aに対応する領域のp型電極31a側には流れ込むことがない。これによって、前述同様に、はんだとp型電極31aとの合金化がおこるのを防止でき、安定した発光動作を行なわせることができるようになる。
【0048】
なお、上述の構成においても、半導体レーザ素子21および36の接続を発光領域26aに影響のない部分で行なうことができるので、活性層26の発光領域26a部分にダメージを与えることがなく、これによっても、安定した発光動作を行なわせることができる。
【0049】
また、図7は、3個の半導体レーザ素子21,36a,36を積層形成した場合の構成を示すもので、この場合においても、中間に位置する半導体レーザ素子36aのn型電極32bを前述した半導体レーザ素子21と同様にストライプ状に形成したn型電極32aとして形成することにより同様の積層構造を採用することができる。
【0050】
(第4の実施形態)
図8および図9は、本発明の第4の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、下部側に位置する半導体レーザ素子22に代えて、半導体レーザ素子38を設ける構成としたところである。
【0051】
すなわち、図9に示すように、下部側に位置する半導体レーザ素子38は、発光領域26aに対応するp型電極31aの部分に絶縁膜としてのシリコン酸化膜(SiO2)39をプラズマCVD法などにより形成している。これによって、半導体レーザ素子38のp型電極31a部分の凹部がシリコン酸化膜39により充填された状態となり、p型電極31a部分は、電気的に絶縁された状態に形成される。
【0052】
この半導体レーザ素子38は、上面にはんだ層33が積層されてもp型電極31の発光領域26aに対応する部分31aではシリコン酸化膜39が設けられているのではんだと反応することがなくなり、合金化するのを防止することができる構成となっている。そこで、上部側に配置する半導体レーザ素子として、第1の実施形態において下部側に用いた半導体レーザ素子22をそのまま用いる構成とすることができる。
【0053】
図8は半導体レーザ素子38および22を積層した構成を示している。上部側の半導体レーザ素子22のn型電極32bおよびはんだ層33dは、裏面全面に渡って形成されているが、積層される下部側の半導体レーザ素子38の上面が上述のように構成されているので、確実にp型電極31a部分と合金化するのを防止することができる。
【0054】
本発明は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形また拡張できる。
半導体レーザ素子は、活性層を下側にして積層する構成を採用することもできる。この場合においても、はんだ層を上述同様の考え方で発光領域26aに対応する部分のp型電極31aにはんだが流れ込まないように構成することで同様の作用効果を得ることができる。
【0055】
ボンディングワイヤは、2箇所に限らず、前述した条件を満たす範囲でさらに多くの本数を設ける構成とすることもできるし、必要に応じて発光領域26aに対応する部分のp型電極31aの面にボンディングすることもできる。また、ボンディングワイヤに限らず、リボン状の接続部材でボンディングすることもできる。
【0056】
積層する半導体レーザ素子の個数は、2個あるいは3個に限らず、4個以上のものを積層した構成とすることもできる。
【0057】
半導体レーザ素子は、GaAs系の基板を用いたものについて説明したが、他の化合物系の半導体レーザ素子を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す模式的断面図
【図2】積層する前の状態の模式的断面図
【図3】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図
【図4】図2相当図
【図5】本発明の第3の実施形態を示す図1相当図
【図6】図2相当図
【図7】3個積層した場合の図5相当図
【図8】本発明の第4の実施形態を示す図1相当図
【図9】図2相当図
【図10】従来例を示す図2相当図
【図11】図1相当図
【符号の説明】
21,21a,22,36,36a,38は半導体レーザ素子、23は基板、26は活性層、26aは発光領域、29はメサ部、31はp型電極、32a,32b,32cはn型電極、33,33a,33b,33c,33dははんだ層、34は台座、35はボンディングワイヤ、37は溝部、39はシリコン酸化膜(絶縁膜)である。

Claims (4)

  1. 上下面にそれぞれ電極を備えストライプ状の発光領域を有する半導体レーザ素子を複数個積層しそれぞれの間をはんだ層を介して接続した状態に構成されている積層型半導体レーザ装置において、
    前記はんだ層は、上下に位置する前記半導体レーザ素子の対向する電極面のうちの前記発光領域に対応する部分を除いた領域内に形成され
    前記はんだ層により接続される上下の前記半導体レーザ素子の前記発光領域に対応する部分には空間領域が形成され、
    前記はんだ層を介して接続する前記半導体レーザ素子の電極は、前記発光領域に対応する部分を除いた領域内に形成されていることを特徴とする積層型半導体レーザ装置。
  2. 上下面にそれぞれ電極を備えストライプ状の発光領域を有する半導体レーザ素子を複数個積層しそれぞれの間をはんだ層を介して接続した状態に構成されている積層型半導体レーザ装置において、
    前記はんだ層は、上下に位置する前記半導体レーザ素子の対向する電極面のうちの前記発光領域に対応する部分を除いた領域内に形成され、
    前記はんだ層により接続される上下の前記半導体レーザ素子の前記発光領域に対応する部分には空間領域が形成され、
    前記半導体レーザ素子のうちで少なくとも前記発光領域が前記はんだ層に対向しているものについては、前記発光領域の外側に位置する部分に溝部を形成し、前記はんだ層を形成するためのはんだが前記溝部よりも内側に流れないようにしたことを特徴とする積層型半導体レーザ装置。
  3. 上下面にそれぞれ電極を備えストライプ状の発光領域を有する半導体レーザ素子を複数個積層しそれぞれの間をはんだ層を介して接続した状態に構成されている積層型半導体レーザ装置において、
    少なくとも最上部以外の半導体レーザ素子の前記発光領域に対応する電極上部と上に積層される半導体レーザ素子との間に形成される空間に絶縁膜を形成していることを特徴とする積層型半導体レーザ装置。
  4. 請求項3に記載の積層型半導体レーザ装置を製造する方法において、
    前記はんだ層により接続する一方の半導体レーザ素子にストライプ状のはんだパターンを形成する工程と、
    前記半導体レーザ素子を積層した状態で加圧および加熱して前記はんだパターンを溶かして前記はんだ層を形成することにより接続する工程とを備え、
    前記半導体レーザ素子を積層して接続する工程に先だって、前記半導体レーザ素子のうちの前記はんだ層により接続する面に形成された電極のうちの前記発光領域に対応した部分に絶縁膜を形成する工程を設けたことを特徴とする積層型半導体レーザ装置の製造方法
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