JP2010258050A - 半導体レーザ素子の製造方法 - Google Patents

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Yasuyuki Bessho
靖之 別所
Hiroki Daiho
広樹 大保
Kunio Takeuchi
邦生 竹内
Seiichi Tokunaga
誠一 徳永
Masayuki Hata
雅幸 畑
Yasumitsu Kuno
康光 久納
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Abstract

【課題】各々の半導体レーザ素子を構成する共振器面が共振器方向にずれるのを抑制することが可能な半導体レーザ素子の製造方法を提供する。
【解決手段】この半導体レーザ素子100の製造方法は、複数のレーザ素子が形成されたバー状態の青紫色半導体レーザ素子10と、複数のレーザ素子が形成されたバー状態の2波長半導体レーザ素子70とが接合されたバー状態の半導体レーザ素子100を形成する工程と、このバー状態の半導体レーザ素子100を形成する工程の後に、バー状態の半導体レーザ素子100から短冊状の2波長半導体レーザ素子70のうちの除去領域5を除去する工程とを備える。
【選択図】図13

Description

本発明は、半導体レーザ素子の製造方法に関し、特に、第1半導体レーザ素子と第2半導体レーザ素子とを接合する工程を備えた半導体レーザ素子の製造方法に関する。
従来、青紫色半導体レーザ素子に、赤色半導体レーザ素子および赤外半導体レーザ素子を接合した集積型の半導体レーザ装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、GaN基板を用いて形成した青紫色半導体レーザ素子に、GaAs基板を用いて形成した赤色半導体レーザ素子および赤外半導体レーザ素子が接合された集積型の半導体レーザ装置が開示されている。この半導体レーザ装置の製造プロセスでは、青紫色半導体レーザ素子ウェハの表面上に、赤色・赤外半導体レーザ素子が形成されたウェハを接合した後、赤色・赤外半導体レーザ素子のウェハのうちの不要な部分を除去して個々の赤色および赤外半導体レーザ素子に分離している。そして、この状態でウェハをバー状(短冊状)に劈開して各々の半導体レーザ素子に共振器面を形成している。
特開2005−317919号公報
上記特許文献1に開示された集積型の半導体レーザ装置では、製造プロセスにおいて、ウェハ同志を接合する工程の後に、まず、赤色・赤外半導体レーザ素子のウェハの不要な部分を除去し、その後、ウェハをバー状(短冊状)に劈開して個々のバーに共振器面を形成している。ここで、ウェハをバー状に劈開して共振器面を形成する方法として、上下方向に貼り合わされたウェハの各々の両端部に、予め劈開位置に対応するように劈開導入用溝を形成した状態でウェハを劈開する方法が知られている。これにより、ウェハが劈開導入用溝を起点として劈開されるので、劈開後の分割面に所望の共振器面を形成することが可能とされている。しかしながら、上記特許文献1に開示された集積型の半導体レーザ装置では、赤色および赤外半導体レーザ素子が劈開前に個々に分離されているので、この状態で、個々に分離された赤色および赤外半導体レーザ素子の全てに劈開導入用溝を形成するのは困難な場合がある。すなわち、上述のようにウェハの両端部に劈開導入用溝を形成してウェハをバー状に劈開したとしても、個々に分離された赤色および赤外半導体レーザ素子の全てに劈開導入用溝が形成されていないため、赤色および赤外半導体レーザ素子の各々は互いに異なる劈開位置で劈開されてしまう可能性が高く、この結果、個々の素子に形成される共振器面は、互いに共振器方向にずれてしまうと考えられる。また、劈開後の青紫色半導体レーザ素子と個々に分離された赤色・赤外半導体レーザ素子とを比較しても、劈開導入用溝により所望の位置に形成された青紫色半導体レーザ素子の共振器面に対して、赤色・赤外半導体レーザ素子に形成されている共振器面が、共振器方向にずれてしまう場合があると考えられる。したがって、各々の半導体レーザ素子を構成する共振器面が互いに共振器方向にずれやすいという問題点がある。
なお、劈開後の多波長半導体レーザ素子において、光出射側の共振器面が互いに共振器方向にずれて形成された場合、共振器面間の段差形状に起因して、レーザ光の一部が他の半導体レーザ素子の劈開面によって遮られるために、ビーム形状が異常となる。また、このような多波長レーザ素子を光学系に組み込んだ場合、光路長にばらつきが発生するため、光ピックアップにおける不具合の原因となる可能性がある。したがって、多波長半導体レーザ素子の形成には、各半導体レーザ素子の共振器面が同一面上に形成されることが要求される。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、各々の半導体レーザ素子を構成する共振器面が共振器方向にずれるのを抑制することが可能な半導体レーザ素子の製造方法を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による半導体レーザ素子の製造方法は、複数の第1半導体レーザ素子が形成された第1短冊状基板と、複数の第2半導体レーザ素子が形成された第2短冊状基板とが接合された第3短冊状基板を形成する工程と、第3短冊状基板を形成する工程の後に、第3短冊状基板から第2短冊状基板の第2半導体レーザ素子間の部分を除去する工程とを備える。
この発明の一の局面による半導体レーザ素子の製造方法では、上記のように、複数の第1半導体レーザ素子が形成された第1短冊状基板と、複数の第2半導体レーザ素子が形成された第2短冊状基板とが接合された第3短冊状基板を形成する工程を備えている。すなわち、たとえば、第1半導体レーザ素子からなる素子基板の表面上に第2半導体レーザ素子からなる素子基板を接合したウェハ状態の素子基板を劈開して、複数の第1半導体レーザ素子が形成された第1短冊状基板と複数の第2半導体レーザ素子が形成された第2短冊状基板とが接合された第3短冊状基板を形成する場合、複数の第2半導体レーザ素子は連続的に形成されているので、第1半導体レーザ素子側を劈開する位置に対応する第2半導体レーザ素子側の端部にのみ第2半導体レーザ素子用の劈開導入用溝を形成すればよい。これにより、第1半導体レーザ素子からなる素子基板と第2半導体レーザ素子からなる素子基板とが共に所望の劈開位置で劈開されるので、第3短冊状基板は、第1半導体レーザ素子の共振器面に対して第2半導体レーザ素子の共振器面が同一面上に揃えられた状態で形成されるので、各々の半導体レーザ素子を構成する共振器面が、共振器方向にずれるのを抑制することができる。また、所定の方向に連続的に延びる第1短冊状基板と第2短冊状基板とを接合して第3短冊状基板を形成する場合、第1半導体レーザ素子からなる第1短冊状基板の表面上に、予めチップ化された複数の第2半導体レーザ素子を個々に接合する場合などとは異なり、所定の方向に延びる第1短冊状基板に対して、この方向に沿って第2短冊状基板を接合して第3短冊状基板を形成すればよい。この場合も、第3短冊状基板は、第1半導体レーザ素子の共振器面に対して第2半導体レーザ素子の共振器面が同一面上に揃うので、各々のレーザ素子を構成する共振器面が互いにずれるのを抑制することができる。
また、第3短冊状基板を形成する工程の後に、第3短冊状基板から第2短冊状基板の第2半導体レーザ素子間の部分を除去することによって、後の工程において第2短冊状基板の一部分が除去された第3短冊状基板をチップ化する際、第2半導体レーザ素子が存在しない第1短冊状基板のみの部分で素子分割を行うことができるので、多波長半導体レーザ素子チップを容易に得ることができる。
上記一の局面による半導体レーザ素子の製造方法において、好ましくは、第3短冊状基板を形成する工程は、第1半導体レーザ素子基板と第2半導体レーザ素子基板とを接合する工程と、接合された第1半導体レーザ素子基板および第2半導体レーザ素子基板を同時に分割することにより、第1短冊状基板と第2短冊状基板とが接合された第3短冊状基板を形成する工程とを含む。このように構成すれば、第1半導体レーザ素子基板と第2半導体レーザ素子基板とが接合されたウェハは、第1半導体レーザ素子基板と第2半導体レーザ素子基板とに形成された分割線に沿って分割されるので、第3短冊状基板に形成される分割面を直線状に揃えて形成することができる。これにより、チップ化の前工程において、各々の半導体レーザ素子を構成する共振器面が、共振器方向にずれるのを容易に抑制することができる。また、分割前の第2半導体レーザ素子基板は連続しているので、分割前に第2半導体レーザ素子基板の一部分(第2半導体レーザ素子間の部分)を除去する場合と異なり、分割溝を少なくとも1箇所だけ形成すればよい。これにより、分割溝の形成工程を簡略化することができる。
上記一の局面による半導体レーザ素子の製造方法において、好ましくは、第3短冊状基板を形成する工程は、接合された第1半導体レーザ素子基板および第2半導体レーザ素子基板を劈開することにより第3短冊状基板に劈開面を形成する工程を含み、第2短冊状基板の第2半導体レーザ素子間の部分を除去する工程に先立って、第3短冊状基板の劈開面に保護膜を形成する工程をさらに備える。このように構成すれば、第3短冊状基板となったウェハは、ウェハの厚みが略一様な状態で共振器面(劈開面)に保護膜(絶縁膜)が形成される。これにより、たとえば、保護膜を形成する前に第2短冊状基板の第2半導体レーザ素子間の部分を除去して第1半導体レーザ素子基板側の電極層などを露出させた後に保護膜を形成する場合と異なり、保護膜が、露出した電極層の表面上にまで回り込んで電極層を覆うことにより絶縁する不都合が生じないので、チップ化後に接合されるワイヤと電極層との電気的な接続(ワイヤボンディング)を確実に行うことができる。
上記一の局面による半導体レーザ素子の製造方法において、好ましくは、第2短冊状基板の第2半導体レーザ素子間の部分を除去する工程は、第3短冊状基板をチップ状に素子分割する際に、同時に、第2短冊状基板の第2半導体レーザ素子間の部分を除去する工程を含む。このように構成すれば、第3短冊状基板となったウェハのチップ化と同時に第2短冊状基板の第2半導体レーザ素子間の部分が除去されるので、ウェハのチップ化工程と第2短冊状基板の一部分を除去する工程とを別々に行う場合と比較して、製造プロセスを簡素化させることができる。
この場合、好ましくは、第2短冊状基板の第2半導体レーザ素子間の部分を除去する工程に先立って、第1短冊状基板に第1素子分割溝を形成する工程と、第1短冊状基板に接合される側とは反対側の第2短冊状基板の表面に、第2短冊状基板の第2半導体レーザ素子間の部分を除去するための第2素子分割溝を形成する工程とをさらに備える。このように構成すれば、ウェハを素子分割する際、第1素子分割溝の部分で第1短冊状基板が分割されるのに合わせて、第2素子分割溝が形成された位置で第2短冊状基板もチップに残される領域とチップから除去される領域とに分離させることができる。これにより、ウェハのチップ化と同時に、第2短冊状基板の一部分を容易に除去することができる。
上記第1素子分割溝および第2素子分割溝を形成する工程を備える構成において、好ましくは、第1短冊状基板と第2短冊状基板とを接合する工程に先立って、第1短冊状基板と接合される側の第2短冊状基板の表面に、第2素子分割溝に対向するように第3素子分割溝を形成する工程をさらに備える。このように構成すれば、第2短冊状基板は、第2素子分割溝のみならず第3素子分割溝によってウェハの一部が分割されやすくなるので、第2短冊状基板の一部分(第2半導体レーザ素子間の部分)をより容易に除去することができる。
上記一の局面による半導体レーザ素子の製造方法において、好ましくは、第2短冊状基板が接合される側の第1短冊状基板には電極層が形成されており、電極層は、第2短冊状基板の第2半導体レーザ素子間の部分を除去する工程によって露出するように形成されている。このように構成すれば、第2短冊状基板の部分的な除去により、容易に、第1半導体レーザ素子の表面に露出された電極層の部分にワイヤをボンディングすることができる。
本発明の第1実施形態による製造方法を用いて形成した半導体レーザ素子の構造を示した斜視図である。 図1に示した半導体レーザ素子の1000−1000線に沿った断面図である。 図1に示した半導体レーザ素子の2000−2000線に沿った断面図である。 図1に示した半導体レーザ素子の3000−3000線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態による製造方法を用いて形成した半導体レーザ素子の構造を示した平面図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第2実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第2実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第2実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図5を参照して、第1実施形態による半導体レーザ素子100の構造について説明する。
本発明の第1実施形態による製造方法を用いて形成した半導体レーザ素子100は、図1および図2に示すように、約405nmの発振波長を有する青紫色半導体レーザ素子10の表面上に、約650nmの発振波長を有する赤色半導体レーザ素子30と、約780nmの発振波長を有する赤外半導体レーザ素子50とがモノリシックに形成された2波長半導体レーザ素子70が接合されている。なお、青紫色半導体レーザ素子10および2波長半導体レーザ素子70は、それぞれ、本発明の「第1半導体レーザ素子」および「第2半導体レーザ素子」の一例である。
また、図2に示すように、青紫色半導体レーザ素子10は、約100μmの厚みを有するn型GaN基板11の表面上に、n型AlGaNからなるn型クラッド層12と、多重量子井戸(MQW)構造を有する活性層13と、p型AlGaNからなるp型クラッド層14とが形成されている。また、図1および図2に示すように、p型クラッド層14は、Y方向の略中央部に形成されるとともにZ1方向に突出する凸部と、凸部の両側に広がる平坦部とを有している。このp型クラッド層14の凸部によって、活性層13の部分に光導波路を構成するためのリッジ15が形成されている。また、リッジ15は、X方向(図1参照)に延びるように形成されている。
ここで、第1実施形態では、図1および図3に示すように、青紫色半導体レーザ素子10には、素子のX方向の両端部におけるリッジ15の両側面(Y方向)に、一対の段差部10aが形成されている。この段差部10aは、後述する製造プロセスにおいて、ウェハ状態の半導体レーザ素子100をY方向に沿って分割(バー状劈開)する際の劈開導入用溝81が、分割後に青紫色半導体レーザ素子10に残された部分である。
また、図1および図2に示すように、p型クラッド層14におけるリッジ15の両側面および平坦部の上面上には、SiOからなる絶縁層16が形成されている。この絶縁層16は、段差部10aの部分にも積層されている。また、リッジ15の上面に接触するとともにリッジ15の周辺に位置する絶縁層16の上面を覆うように、p側電極17が形成されている。また、p側電極17は、青紫色半導体レーザ素子10の上面上の四方端部近傍を除く絶縁層16の上面を覆うように設けられている。また、p側電極17の上面と絶縁層16の四方端部の上面とを覆うように、SiOからなる絶縁層18が形成されている。また、絶縁層18は、段差部10aの底面および側面(絶縁層16が積層されている部分)上に形成されている。なお、p側電極17は、本発明の「電極層」の一例である。
また、図5に示すように、絶縁層18のX2側かつY1側の領域には、絶縁層18の一部が除去されることによって、下層のp側電極17の一部が露出する矩形状のワイヤボンド部17aが形成されている。
また、リッジ15を中心に絶縁層18のY1側の上面上には、青紫色半導体レーザ素子10のワイヤボンド部17aを避けながら平面的に見て略L字形状を有するパッド電極19aが形成されている。一方、絶縁層18のY2側の上面上には、短冊状のパッド電極19bが形成されている。
また、図1〜図3に示すように、n型GaN基板11の下面上の、段差部10b(図2参照)が形成された領域およびその近傍領域を除く領域上に、n側電極20が形成されている。また、青紫色半導体レーザ素子10の下面のY方向の両端部に形成された段差部10bは、後述する製造プロセスにおいて、バー状態の半導体レーザ素子100をX方向に沿って素子分割(チップ化)する際の素子分割溝91が、チップ化後の青紫色半導体レーザ素子10に残された部分である。なお、バー状態の半導体レーザ素子100は、本発明の「第3短冊状基板」の一例であり、素子分割溝91は、本発明の「第1素子分割溝」の一例である。
また、図2に示すように、2波長半導体レーザ素子70を構成する赤色半導体レーザ素子30は、約100μmの厚みを有するn型GaAs基板31の下面上に、n型AlGaInPからなるn型クラッド層32と、MQW構造を有する活性層33と、p型AlGaInPからなるp型クラッド層34とが形成されている。また、赤外半導体レーザ素子50は、n型GaAs基板31の下面上に、n型AlGaAsからなるn型クラッド層52と、MQW構造を有する活性層53と、p型AlGaAsからなるp型クラッド層54とが形成されている。また、図1、図2および図4に示すように、赤色半導体レーザ素子30と赤外半導体レーザ素子50とに挟まれた領域(Y方向の中央部)に、溝部71が形成されている。
また、p型クラッド層34および54は、それぞれ、Y方向の略中央部に形成されるとともにZ2方向に突出する凸部と、凸部の両側に形成されX方向に沿って延びる凹部34aおよび54aと、凹部34aおよび54aの両側に広がる平坦部34bおよび54bとを有している。このp型クラッド層34および54の凸部によって、活性層33および53の部分に光導波路を構成するためのリッジ35および55が形成されている。また、リッジ35および55は、図1および図5に示すように、共にX方向に延びるように形成されている。
また、図1および図2に示すように、リッジ35および55の下面上を除くp型クラッド層34および54の下面上と、赤色半導体レーザ素子30および赤外半導体レーザ素子50の側面と、n型GaAs基板31の溝部71の下面上とには、SiOからなる絶縁層36が形成されている。また、絶縁層36は、略一様な厚みを有するとともに、p型クラッド層34(54)における凹部34a(54a)の内側面(凹部の底面および側面)上にも形成されている。これにより、絶縁層36は、p型クラッド層34および54の凹凸形状に対応するように、リッジ35および55の両側に形成された凹部と、凹部の両側に広がる平坦部36aとを有している。
また、平坦部36aは、図2に示すように、絶縁層36が形成されていないリッジ35および55の下面(Z2側の表面)よりも下方に位置するように構成されている。これにより、青紫色半導体レーザ素子10に対して2波長半導体レーザ素子70を接合する際に、リッジ35および55に過度な圧力が加えられるのが抑制されるように構成されている。
また、リッジ35の下面に接触するとともにリッジ35の周辺に位置する絶縁層36の下面を覆うように、p側電極37が形成されている。また、リッジ55の下面に接触するとともにリッジ55の周辺に位置する絶縁層36の下面を覆うように、p側電極57が形成されている。このp側電極37および57は、それぞれ、略一様な厚みを有することによって、絶縁層36の凹凸形状に対応して表面が構成されている。
また、n型GaAs基板31の上面(Z1側の表面)上の、後述する段差部70aが形成された領域およびその近傍領域を除く領域上に、n側電極40が形成されている。このn側電極40は、赤色半導体レーザ素子30および赤外半導体レーザ素子50に共通に用いられる。また、2波長半導体レーザ素子70のY方向の両端部には、X方向に延びる段差部70aおよび70bがそれぞれ形成されている。この段差部70aおよび70bは、後述する製造プロセスにおいて、バー状態の半導体レーザ素子100をX方向に沿って素子分割(チップ化)する際の素子分割溝92および93が、分割後に2波長半導体レーザ素子70にそれぞれ残された部分である。なお、素子分割溝92および93は、それぞれ、本発明の「第2素子分割溝」および「第3素子分割溝」の一例である。
また、2波長半導体レーザ素子70のp側電極37および57は、それぞれ、Au−Sn半田からなる融着層1(図2参照)を介して、青紫色半導体レーザ素子10上のパッド電極19aおよび19bに接合されている。また、青紫色半導体レーザ素子10の段差部10aは、赤色半導体レーザ素子30または赤外半導体レーザ素子50が形成されている位置の下方(Z2方向)まで延びるように形成されている。
また、第1実施形態では、図5に示すように、青紫色半導体レーザ素子10、赤色半導体レーザ素子30および赤外半導体レーザ素子50のX側の両端部には、それぞれ、リッジ15、35および55と垂直な平面(図5におけるY−Z平面に相当する)である一対の共振器面10c、30cおよび50cが形成されている。なお、X1側の各々の共振器面、および、X2側の各々の共振器面は、それぞれの側において互いに同一平面上に揃えられて形成されている。また、共振器面10c、30cおよび50cには、それぞれ、製造プロセスにおける端面コート処理により、AlN膜やAl膜などからなる反射率制御の機能を兼ねる保護膜2aおよび2bが形成されている。なお、図5では、図面の都合上、2波長半導体レーザ素子70からn側電極40(図1参照)を取り除いた状態で半導体レーザ素子100の平面的に見た場合を示している。
ここで、光出射側の共振器面10c(30c、50c)に形成される保護膜2aは、共振器面10c(30c、50c)から外部に向かって約10nmの厚みを有するAlN膜と、約150nmの厚みを有するAl膜とにより形成される。また、光反射側の共振器面に形成される保護膜2bは、共振器面から外部に向かって、約10nmの厚みを有するAlN膜と、約30nmの厚みを有するAl膜と、約10nmの厚みを有するAlN膜と、約60nmの厚みを有するAl膜と、約140nmの厚みを有するSiO膜と、低屈折率膜として約68nmの厚みを有するSiO膜および高屈折率膜として約50nmを有するZrO膜が交互に6層ずつ積層された合計で約708nmの厚みを有する多層反射膜とによって構成される。
次に、図1、図2および図5〜図14を参照して、第1実施形態による半導体レーザ素子100の製造プロセスについて説明する。
まず、図6に示すように、減圧MOCVD法を用いて、ウェハ状態のn型GaN基板11の上面上に、n型クラッド層12と活性層13とp型クラッド層14とを順次積層する。
その後、フォトリソグラフィおよびエッチングを用いて、p型クラッド層14側からZ2方向に約5μmの深さを有するとともにY方向に沿って延びる劈開導入用溝81を形成する。この際、劈開導入用溝81は、青紫色半導体レーザ素子10のリッジ15が形成される領域(図7参照)およびその近傍領域を除いて破線状に形成される。また、劈開導入用溝81は、半導体層下部のn型GaN基板11まで達するように形成される。これにより、一般的に劈開が困難な窒化物系半導体であるn型GaN基板11および半導体層を、より確実に劈開することが可能である。
その後、図7に示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングを用いて、p型クラッド層14の所定の領域を除去することによって、X方向に沿って延びるリッジ15を形成する。この際、半導体層にはリッジ15の突出高さよりも劈開導入用溝81の深さ(約5μm)が大きく形成されるので、劈開導入用溝81は、リッジ15形成後も半導体層に残される。
その後、図8に示すように、プラズマCVDを用いて、p型クラッド層14のリッジ15の側面および平坦部の上面上を覆うように絶縁層16を形成する。この際、劈開導入用溝81の内側面にも絶縁層16が積層される。リッジ15の上面上の絶縁層16を除去した後、真空蒸着法を用いて、後述するチップ化後の青紫色半導体レーザ素子10の形状に対応するように、リッジ15の上面上と絶縁層16の上面上とを覆う金属層(図示せず)を積層する。そして、約400℃の熱処理によって金属層が合金化されることによりp側電極17を形成する。
続いて、プラズマCVDを用いて、p側電極17の上面上と絶縁層16の上面上とを覆う絶縁層18を形成する。この際、劈開導入用溝81の内部の絶縁層16の上面上にも絶縁層18が積層される。その後、フォトリソグラフィおよびエッチングを用いて、絶縁層18の所定の領域を除去することにより、p側電極17の一部の領域をZ1方向に露出させてワイヤボンド部17aを形成する。
その後、真空蒸着法およびリフトオフ法を用いて、チップ化後の青紫色半導体レーザ素子10の形状に対応するように、絶縁層18の所定の領域の上面上にパッド電極19aおよび19bを形成する。また、パッド電極19aおよび19bの上面上に、それぞれ、融着層1を形成する。このようにして、n側電極20(図1参照)を除くウェハ状態の青紫色半導体レーザ素子10が作製される。なお、ウェハ状態の青紫色半導体レーザ素子10は、本発明の「第1半導体レーザ素子基板」の一例である。
また、図9に示すように、減圧MOCVD法を用いて、ウェハ状態のn型GaAs基板31の上面上の所定の領域に、赤外半導体レーザ素子50となるn型クラッド層52、活性層53およびp型クラッド層54を順次形成する。その後、n型クラッド層52、活性層53およびp型クラッド層54の一部をエッチングしてn型GaAs基板31の一部を露出させるとともに、その露出した部分の一部に、溝部71となる領域を残して、赤色半導体レーザ素子30となるn型クラッド層32、活性層33およびp型クラッド層34を順次形成する。この際、後述するチップ化の際に除去される除去領域5も同時に形成される。なお、図9では、便宜的に、上記工程にて形成された半導体層を一つの層(ハッチング領域)で示している。なお、除去領域5は、本発明の「第2短冊状基板の第2半導体レーザ素子間の部分」の一例である。
その後、フォトリソグラフィおよびエッチングを用いて、半導体層の表面からZ1方向に約5μmの深さを有するとともにX方向に延びる素子分割溝93を形成する。この際、素子分割溝93は、半導体層下部のn型GaAs基板31まで達するように形成される。また、素子分割溝93は、溝部71と略同じ深さになるように形成される。
その後、図10に示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングを用いて、p型クラッド層34および54の所定の領域を除去することによって、X方向に沿って延びるリッジ35および55を形成する。また、リッジの形成と同時に、p型クラッド層34および54の所定の領域を除去することによって、リッジ35および55の両側に凹部34aおよび54a(図2参照)と、凹部34aおよび54aの両側に広がる平坦部34bおよび54b(図2参照)とを形成する。
その後、プラズマCVDを用いて、p型クラッド層34および54の上面上に絶縁層36を形成する。この際、n型GaAs基板31が露出する溝部71および素子分割溝93の内部にも絶縁層36が積層されるとともに、平坦部36a(図10参照)も形成される。その後、フォトリソグラフィおよびエッチングを用いて、リッジ35および55の上面上に形成された絶縁層36を除去する。これにより、平坦部36aは、リッジ35および55の上面よりも上方(Z2側)に位置して形成される。
その後、真空蒸着法およびリフトオフ法を用いて、チップ化後の2波長半導体レーザ素子70の形状に対応するように、リッジ35および55の上面上と絶縁層36の所定の領域の上面上とに金属層37および57を積層する。
その後、n型GaAs基板31が約100μmの厚みを有するようにn型GaAs基板31の下面をエッチングした後、真空蒸着法およびフォトリソグラフィを用いて、n型GaAs基板31の下面上の所定の領域に金属層40をパターニングする。この状態で、ウェハに対して約400℃の熱処理を行う。これにより、図10に示すように、リッジ35および55と、金属層37および57とがそれぞれ合金化されるとともに、n型GaAs基板31の下面と金属層40とが合金化されてn側電極40が形成される。これにより、半導体層とp側電極37(57)、および、n型GaAs基板31とn側電極40とがそれぞれオーミック接触した状態となる。このようにして、ウェハ状態の2波長半導体レーザ素子70が作製される。なお、ウェハ状態の2波長半導体レーザ素子70は、本発明の「第2半導体レーザ素子基板」の一例である。
その後、図11に示すように、ウェハ状態の青紫色半導体レーザ素子10と、ウェハ状態の2波長半導体レーザ素子70との間で、パッド電極19aとp側電極37とを対向させるとともに、パッド電極19bとp側電極57と対向させながら、約200℃以上約350℃以下の熱を加えることにより、融着層1を用いて接合する。なお、青紫色半導体レーザ素子10の表面に露出するワイヤボンド部17a(図8参照)には融着層1が形成されていないので、ワイヤボンド部17aの表面は、所定の間隙を隔てて2波長半導体レーザ素子70のウェハが対向して覆われた状態となる。
また、図11に示すように、n型GaN基板11が約100μmの厚みを有するようにn型GaN基板11の下面を研磨した後、真空蒸着法およびフォトリソグラフィを用いて、n型GaN基板11の下面上の所定の領域にn側電極20をパターニングする。なお、n側電極20を形成する際は、熱処理は行われない。
その後、第1実施形態による製造プロセスでは、ダイヤモンドポイントを用いて、n側電極40のY方向の両端部に劈開導入用溝82を形成する。この際、劈開導入用溝82は、青紫色半導体レーザ素子10に形成された劈開導入用溝81に対応するように、Z方向に見て重なるように形成される。なお、劈開導入用溝82は、ウェハ状態のn型GaAs基板31のY方向の端部以外の領域には形成されない。
この状態で、青紫色半導体レーザ素子10の下面側から劈開導入用溝81の延びるY方向に沿って刃状治具75を押し当ててウェハを劈開する。これにより、図12に示すように、バー状態となった半導体レーザ素子100が形成される。この際、バー状態の青紫色半導体レーザ素子10には、一対の共振器面10c(図5参照)が形成される。同様に、バー状態の2波長半導体レーザ素子70には、一対の共振器面30cおよび50c(図5参照)がそれぞれ形成される。また、劈開導入用溝81の一部が残されて段差部10aが形成される。なお、バー状態の青紫色半導体レーザ素子10およびバー状態の2波長半導体レーザ素子70は、それぞれ、本発明の「第1短冊状基板」および「第2短冊状基板」の一例である。
その後、第1実施形態による製造プロセスでは、バー状態の半導体レーザ素子100に対して端面コート処理を行う。これにより、図12に示すように、X1側の共振器面10c、30cおよび50c(光出射側)に保護膜2aが形成されるとともに、X2側の共振器面10c、30cおよび50c(光反射側)に保護膜2bが形成される。
その後、図13に示すように、ダイヤモンドポイントを用いて、n側電極20の表面(下面)にX方向に沿って延びる素子分割溝91(破線で示す)を形成するとともに、n側電極40の表面にX方向に沿って延びる素子分割溝92を形成する。この際、1つの素子分割溝91に対して、2波長半導体レーザ素子70には2つの素子分割溝92が形成される。また、この2つの素子分割溝92に挟まれた領域が、後述する素子分割(チップ化)の際に2波長半導体レーザ素子70のウェハから除去される除去領域5となる。
この状態で、青紫色半導体レーザ素子10の下面側から素子分割溝91の延びるX方向に沿って刃状治具75を押し当ててウェハの素子分割を行う。この際、図14に示すように、2波長半導体レーザ素子70側の融着層1によって接合されていない部分として図示されている除去領域5が、素子分割と同時に除去される。これにより、青紫色半導体レーザ素子10のワイヤボンド部17a(図8参照)が外部に露出する。また、青紫色半導体レーザ素子10のY方向の両端部に、素子分割溝91の一部が残ることによって、段差部10bが形成されるとともに、2波長半導体レーザ素子70のY方向の両端部に、素子分割溝92および93の一部が残ることによって、段差部70aおよび70bがそれぞれ形成される。このようにして、第1実施形態による半導体レーザ素子100(図1参照)のチップが形成される。
第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスでは、上記のように、バー状態の半導体レーザ素子100を形成する工程の後に、バー状態の半導体レーザ素子100から2波長半導体レーザ素子70の除去領域5を除去することによって、後の工程で除去領域5が除去されたバーをチップ化する際、青紫色半導体レーザ素子10のみを分割することによりチップ化することができるので、半導体レーザ素子100のチップを容易に得ることができる。
また、第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスでは、接合されたウェハ状態の青紫色半導体レーザ素子10および2波長半導体レーザ素子70を同時に分割することにより、バー状態の半導体レーザ素子100を形成することによって、青紫色半導体レーザ素子10と2波長半導体レーザ素子70とが接合されたウェハが、双方のウェハに形成された分割線(劈開導入用溝81および82)に沿って分割されるので、バー状態における分割面(共振器面)を直線状に揃えて形成することができる。これにより、チップ化の前工程において、各々の半導体レーザ素子を構成する共振器面10c、30cおよび50cが、共振器方向(図3のX方向)にずれるのを容易に抑制することができる。また、分割前のウェハ状態の2波長半導体レーザ素子70は、個々のレーザ素子がY方向に沿って連続的に形成されているので、分割前に除去領域5を除去する場合と異なり、分割溝を少なくとも1箇所(劈開導入用溝81および82の少なくとも一方)だけ形成すればよい。これにより、劈開導入用溝81および82の形成工程を簡略化することができる。
また、第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスでは、チップ化により2波長半導体レーザ素子70の除去領域5を除去する前に、バー状態のウェハの劈開面(共振器面10c、30cおよび50c)に保護膜2aおよび2bをそれぞれ形成することによって、青紫色半導体レーザ素子10と2波長半導体レーザ素子70とが接合されたウェハは、ウェハの厚みが略一様な状態で共振器面10c、30cおよび50cに保護膜2a(2b)が形成される。これにより、たとえば、保護膜2a(2b)を形成する前に2波長半導体レーザ素子70の除去領域5を除去して青紫色半導体レーザ素子10のp側電極17(ワイヤボンド部17a)などを外部に露出させた後に保護膜2a(2b)を形成する場合と異なり、保護膜2a(2b)が、露出したp側電極17の表面上にまで回り込んでワイヤボンド部17aを覆うことにより絶縁する不都合が生じないので、チップ化後に接合されるワイヤとワイヤボンド部17aとの電気的な接続(ワイヤボンディング)を確実に行うことができる。
また、第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスでは、バー状態の半導体レーザ素子100をチップ化する際に、除去領域5を同時に除去することによって、ウェハのチップ化工程と除去領域5を除去する工程とを別々に行う場合と比較して、製造プロセスを簡素化させることができる。
また、第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスでは、除去領域5を除去する前に、バー状態の青紫色半導体レーザ素子10に素子分割溝91(図13参照)を形成するとともに、青紫色半導体レーザ素子10に接合される側とは反対側(Z1側)の2波長半導体レーザ素子70の表面に、除去領域5を除去するための2つの素子分割溝92(図13参照)を形成する。これにより、バー状態の半導体レーザ素子100を素子分割する際、素子分割溝91の部分で青紫色半導体レーザ素子10が分割されるのに合わせて、素子分割溝92が形成された位置で2波長半導体レーザ素子70も、チップに残される領域と除去領域5とに分離させることができるので、バー状態の半導体レーザ素子100をチップ化するのと同時に、2波長半導体レーザ素子70の一部(除去領域5)を容易に除去することができる。
また、第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスでは、バー状態の青紫色半導体レーザ素子10と2波長半導体レーザ素子70とを接合する前に、青紫色半導体レーザ素子10と接合される側の2波長半導体レーザ素子70の表面に、素子分割溝92の形成位置に対応するように素子分割溝93を形成する。これにより、バー状態の2波長半導体レーザ素子70は、素子分割溝92のみならず素子分割溝93によってバーの一部が分割されやすくなるので、除去領域5をより容易に除去することができる。
また、第1実施形態による半導体レーザ素子の製造プロセスでは、除去領域5を除去することによって、除去領域5に対向する領域の一部においてp側電極17が外部に露出するように構成されている。これにより、除去領域5の部分的な除去により、容易に、青紫色半導体レーザ素子10の表面に露出されたp側電極17のワイヤボンド部17aにワイヤをボンディングすることができる。
(第2実施形態)
図1および図15〜図17を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態による半導体レーザ素子200の製造プロセスでは、上記第1実施形態と異なり、ウェハ状態の2波長半導体レーザ素子170を一時的な支持基板151に接合した状態で青紫色半導体レーザ素子10に接合する場合について説明する。なお、2波長半導体レーザ素子170は、本発明の「第2半導体レーザ素子」の一例である。
この第2実施形態における半導体レーザ素子200は、2波長半導体レーザ素子170のn型GaAs基板131が約50μmの厚みを有する点を除いて、図1に示した上記第1実施形態の半導体レーザ素子100と同様の素子構造を有している。すなわち、n型GaAs基板131の厚みは、上記第1実施形態における2波長半導体レーザ素子70(図1参照)のn型GaAs基板31の厚み(約100μm)よりも薄く形成されている。
また、第2実施形態における半導体レーザ素子200の製造プロセスでは、まず、上記第1実施形態と同様の製造プロセスにより、図15に示した2波長半導体レーザ素子170のウェハを形成する。この際、n側電極40をn型GaAs基板131の下面上に形成する前に、ウェハの半導体層が形成された側をワックス層3を介して一時的な支持基板151の表面上に接合する。
この状態で、n型GaAs基板131の表面からエッチングを行うことにより、約50μmの厚みを有するn型GaAs基板131を形成する。その後、真空蒸着法を用いて、n型GaAs基板131の上面上に金属層を積層する。
その後、図16に示すように、一時的な支持基板151を2波長半導体レーザ素子170のウェハから剥離するとともに、剥離後のウェハに対して約400℃の熱処理を行う。これにより、n型GaAs基板131とオーミック接触するn側電極40が形成される。
その後、図17に示すように、ウェハのn側電極40が形成された側を下にして耐熱性樹脂4を介してSi基板152の表面上に接着する。そして、この状態で、青紫色半導体レーザ素子10が形成されたウェハと、2波長半導体レーザ素子170が形成されたウェハとの間で、パッド電極19aとp側電極37とを対向させるとともに、パッド電極19bとp側電極57と対向させながら融着層1を用いて接合する。
そして、n型GaN基板11の表面(上面)を研磨した後、n型GaN基板11の上面上にn側電極20を形成する。その後、Si基板152を耐熱性樹脂4と共に半導体レーザ素子200のウェハから剥離することにより、ウェハ同志のみが接合された状態が形成される。なお、これ以降の製造プロセス(ウェハのバー状劈開およびチップ化)は、上記第1実施形態と同様である。このようにして、第2実施形態による半導体レーザ素子200(図1参照)のチップが形成される。
第2実施形態の製造プロセスでは、上記のように、ウェハ状態の2波長半導体レーザ素子170を一時的なSi基板152に接合した状態で青紫色半導体レーザ素子10に接合することにより、n型GaAs基板131を約50μmの厚みまで薄膜化した状態でもウェハのバー状劈開を行うことができるので、ウェハの厚みが小さい分、劈開を容易に行うことができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、ウェハ状態の青紫色半導体レーザ素子10と2波長半導体レーザ素子70とを接合した後に、劈開によりバー状態の半導体レーザ素子100を形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、予めバー状態に形成した青紫色半導体レーザ素子基板および2波長半導体レーザ素子基板を互いに接合してバー状態の半導体レーザ素子100を形成してもよい。このように構成しても、バー状態の青紫色半導体レーザ素子基板の表面上に、予めチップ化された複数の2波長半導体レーザ素子を個々に接合する場合などとは異なり、所定の方向に延びるバー状態の青紫色半導体レーザ素子基板に対して、この方向に沿ってバー状態の2波長半導体レーザ素子基板を接合してバー状態の半導体レーザ素子100を形成すればよい。これにより、バー状態の半導体レーザ素子100は、青紫色半導体レーザ素子10の共振器面に対して2波長半導体レーザ素子70の共振器面が同一面上に揃うので、各々のレーザ素子を構成する共振器面が互いにずれるのを抑制することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、2波長半導体レーザ素子のn型GaAs基板31(131)に金属層を形成した後に合金化工程を行った例について示したが、本発明はこれに限らず、n側電極として、合金化工程を行わなくてもオーミック接触が得られる金属を用いてもよい。この場合、n側電極の形成前に、n型GaAs基板をエッチングによって薄膜化(たとえば厚みを約50μmにする)した状態でn側電極を形成することができるので、上記第2実施形態で用いた一時的な支持基板などを使用せずに2波長半導体レーザ素子のウェハを形成することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、青紫色半導体レーザ素子10の発光点と、2波長半導体レーザ素子70(170)の発光点とが素子の厚み方向(図1のZ方向)にずれた状態で接合される例について示したが、本発明はこれに限らず、青紫色半導体レーザ素子側の接合面の形状と2波長半導体レーザ素子側の接合面の形状とを工夫することによって、青紫色半導体レーザ素子の発光点と2波長半導体レーザ素子の発光点とが横方向(Y方向)に略直線状に揃うように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、バー状劈開時の劈開導入用溝81(82)やチップ化の際の素子分割溝91(92)を、エッチング加工やダイヤモンドポイントを用いて形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、上記の溝をレーザ光照射などによって形成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、青紫色半導体レーザ素子10の半導体層を形成した後に劈開導入用溝81を形成し、その後、絶縁膜やp側電極を形成してウェハ状態の青紫色半導体レーザ素子10を形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、青紫色半導体レーザ素子10のウェハを形成した後に、劈開導入用溝81を形成してもよい。すなわち、劈開導入用溝81は、ウェハ同志を接合する工程の前までに形成されていればよい。
また、上記第1および第2実施形態では、青紫色半導体レーザ素子と赤色・赤外半導体レーザ素子とによって3波長半導体レーザ素子を構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、赤色半導体レーザ素子に、青色半導体レーザ素子と緑色半導体レーザ素子とを接合してRGB3波長半導体レーザ素子を構成してもよい。
また、上記第1〜第2実施形態では、融着層がAu−Sn半田からなる例について示したが、本発明はこれに限らず、融着層は、Au、Sn、In、Pb、Ge、Ag、CuまたはSiなどの半田材料またはその合金材料からなるように構成してもよい。また、半田を用いない他の接合方法を用いてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、基板としてn型GaN基板およびn型GaAs基板を用いた例について示したが、本発明はこれに限らず、GaP基板およびSi基板などの他の基板を用いてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、n型GaAs基板の素子分割溝と溝部とを略同じ深さを有するように形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、素子分割溝と溝部との深さは異なっていてもよい。
2a、2b 保護膜
10 青紫色半導体レーザ素子(第1半導体レーザ素子)
17 p側電極(電極層)
70、170 2波長半導体レーザ素子(第2半導体レーザ素子)
91 素子分割溝(第1素子分割溝)
92 素子分割溝(第2素子分割溝)
93 素子分割溝(第3素子分割溝)

Claims (6)

  1. 複数の第1半導体レーザ素子が形成された第1短冊状基板と、複数の第2半導体レーザ素子が形成された第2短冊状基板とが接合された第3短冊状基板を形成する工程と、
    前記第3短冊状基板を形成する工程の後に、前記第3短冊状基板から前記第2短冊状基板の前記第2半導体レーザ素子間の部分を除去する工程とを備える、半導体レーザ素子の製造方法。
  2. 前記第3短冊状基板を形成する工程は、第1半導体レーザ素子基板と第2半導体レーザ素子基板とを接合する工程と、接合された前記第1半導体レーザ素子基板および前記第2半導体レーザ素子基板を同時に分割することにより、前記第1短冊状基板と前記第2短冊状基板とが接合された前記第3短冊状基板を形成する工程とを含む、請求項1に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  3. 前記第3短冊状基板を形成する工程は、接合された前記第1半導体レーザ素子基板および前記第2半導体レーザ素子基板を劈開することにより前記第3短冊状基板に劈開面を形成する工程を含み、
    前記第2短冊状基板の前記第2半導体レーザ素子間の部分を除去する工程に先立って、前記第3短冊状基板の前記劈開面に保護膜を形成する工程をさらに備える、請求項1または2に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  4. 前記第2短冊状基板の前記第2半導体レーザ素子間の部分を除去する工程は、前記第3短冊状基板をチップ状に素子分割する際に、同時に、前記第2短冊状基板の前記第2半導体レーザ素子間の部分を除去する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  5. 前記第2短冊状基板の前記第2半導体レーザ素子間の部分を除去する工程に先立って、
    前記第1短冊状基板に第1素子分割溝を形成する工程と、
    前記第1短冊状基板に接合される側とは反対側の前記第2短冊状基板の表面に、前記第2短冊状基板の前記第2半導体レーザ素子間の部分を除去するための第2素子分割溝を形成する工程とをさらに備える、請求項4に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  6. 前記第2短冊状基板が接合される側の前記第1短冊状基板には電極層が形成されており、
    前記電極層は、前記第2短冊状基板の前記第2半導体レーザ素子間の部分を除去する工程によって露出するように形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012084321A1 (de) * 2010-12-23 2012-06-28 Osram Opto Semiconductors Gmbh Verfahren zum herstellen einer mehrzahl von laserbarren, laserbarren und laserdiode
CN107104039A (zh) * 2016-02-23 2017-08-29 松下知识产权经营株式会社 Ramo4基板及其制造方法
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