JP3890741B2 - 電子カードの製造装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はキャッシュカード、顔写真の入った従業者証、社員証、会員証、学生証、外国人登録証及び各種運転免許証などの非接触式のICカードに適用して好適な電子カードの製造装置及びその製造方法に関する。
【0002】
詳しくは、カード用の電子部品を長尺シート状の基板用の部材に複数配置すると共に、その電子部品上に枚葉シート状の表面用の部材を配し、その基板用の部材と、電子部品と、表面用の部材とを接着部材を介在させて貼合するようにして、その表面用の部材を節約できるようにしたものである。
【0003】
【従来の技術】
近年、ICチップやアンテナ体を樹脂カードに封入したICカードが提案されている。この種のICカードは非接触式であるため、情報入出力用の端子が設けられていない。従って、情報は特定の変調電波にしてアンテナ体で受信し、ICチップで復調してメモリなどに書き込んだり、そこから読み出すようにして使用される。
【0004】
この非接触式のICカードに関しては、例えば、技術文献である特開平9−275184号公報に「情報担体及びその製造方法」として開示されている。この技術文献によれば、織物状の補強体(以下収納部材ともいう)中にICチップやアンテナ体などの電子部品を収納し、接着部材を介在して上下のカバーシートで貼合することによりICカードを形成している。これにより、ICカード自体を薄く形成することができる。
【0005】
ところで、この種のICカードでは表面用の部材に印刷部材が使用され、当該カードの利用分野に関する、例えば「○○○従業者証」、「氏名」、「発行日」・・・などの画像表示情報が印刷される場合が多い。この印刷部材には当該カードの利用者の顔写真を形成するための受像層が設けられ、受像層には昇華染料や拡散染料などの素材が使用される。顔写真などはサーマルヘッドやインクジェット手段を使用して受像層に形成される。このICカードの基板用の部材となる裏面シートにはペンで書ける筆記層などが設けられる場合もある。
【0006】
従って、キャッシュカード、従業者証、社員証、会員証、学生証、外国人登録証及び各種運転免許証などを大量生産する場合には、画像表示情報が印刷された表面用の部材や、電子部品を収納した収納部材、筆記層を有した基板用の部材が長尺シート状にして使用される場合が多い。
【0007】
この長尺シート状にされた表面用の部材、収納部材及び基板用の部材は、接着部材を介在させた状態で真空熱プレス装置などによって加熱貼合される。加熱貼合後の長尺シート状のカード集合体は1単位のカード集合体に裁断される。その後、カード集合体が完全に硬化したときに、パンチング装置などによってそのカード集合体から1枚づつICカードが打ち抜かれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、キャッシュカード、従業者証、社員証、会員証、学生証、外国人登録証及び各種運転免許証などの大量生産の要求に対して、電子部品を収納した収納部材を長尺シート状(ウエッブ状)の表面用の部材と、長尺シート状の基板用の部材とにより貼合し、その後に裁断する方法を採ると、1枚の電子カードと他の電子カードとの間の表面用の部材が無駄になる場合が多くなる。これにより、非接触式のICカードのコストアップにつながるという問題がある。
【0009】
また、表面用の部材がウエッブ状である場合には、やはり長尺シート状の基板用の部材との張力調整が非常に困難となり、カード集合体を裁断装置に搬送し終わらない時期に搬送系がその搬送動作をキャンセルするというような制御ミスを起こす場合もある。
【0010】
因みに、長尺シート状の表面用の部材と長尺シート状の基板用の部材とは材質が同じ場合であっても、その厚さや表面加工、表面印刷の差、更には、それぞれの保存状態や、製造条件、製造後の経過時間、製造ロットの差によっても異なる。特に、これらの部材はロール状に巻いて取り扱われるので、外周部分に巻かれたものか、芯に近い部分に巻かれたものかによっても、伸縮程度などにも差が存在する。
【0011】
このため、両者の位置合わせが非常に難しいものであった。これらの搬送系の搬送速度が早くなると、例えば、駆動ローラなどのタイミング調整が困難になることから、上下部材のテンションを均一に維持することは難しく、表面用の部材の画像表示情報と、基板用の部材の筆記層とがずれてしまい、大量の欠陥カードを生産するおそれがある。
【0012】
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、基板用の部材上の電子部品を覆う表面用の部材を節約できるようにした電子カードの製造装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明に係る電子カードの製造装置は長尺シート状の基板用の部材を供給する第1の供給手段と、この第1の供給手段による基板用の部材上にカード用の電子部品を供給する第2の供給手段と、基板用の部材上の電子部品を覆うための枚葉シート状の表面用の部材を供給する第3の供給手段と、枚葉シート状の表面用の部材と、電子部品と基板用の部材とを接着部材を介在させて貼合する貼合手段と、前記貼合手段によって前記長尺シート状の基板用の部材上に貼合された表面用の部材を前記電子部品の複数を覆う大きさの枚葉シート状に切断する切断手段とを備えることを特徴とするものである。
【0014】
この発明の電子カードの製造装置によれば、長尺シート状の部材が第1の供給手段から供給されると、第2の供給手段からその基板用に部材上に電子部品が供給され、例えば、反応性ホットメルト樹脂などの接着部材で保持される。
【0015】
一方、第3の供給手段から枚葉シート状の表面用の部材が供給されると、この第3の供給手段による枚葉シート状の表面用の部材と第2の供給手段による電子部品と第1の供給手段による基板用の部材とが貼合手段によって接着部材を介在させて貼合される。切断手段は、貼合手段によって長尺シート状の基板用の部材上に貼合された表面用の部材を電子部品の複数を覆う大きさの枚葉シート状に切断するようになる。
【0016】
従って、一方の収納部材を覆う枚葉シート状の表面用の部材と他方の収納部材を覆う枚葉シート状の表面用の部材との間に隙間を開けて貼合することができるので、その部分の表面用の部材を省略できると共に、基板用の部材に対する表面用の基板の位置合わせも容易に行なうことができる。
【0017】
この発明の電子カードの第1の製造方法は、カード用の電子部品を長尺シート状の基板用の部材に複数配置する工程と、基板用の部材上に配された電子部品の複数を覆う大きさの枚葉シート状の表面用の部材を供給する工程と、枚葉シート状の表面用の部材と、電子部品と基板用の部材とを接着部材を介在させて貼合する工程を有することを特徴とするものである。
【0018】
この発明の電子カードの第1の製造方法によれば、長尺シート状の基板用の部材上に配置された電子部品の複数の上に枚葉シート状の表面用の部材を供給した後に、その表面用の部材と、電子部品と、基板用の部材とを接着部材を介在させて貼合するようにしたものである。
【0019】
この構成によって、一方の電子部品を覆う枚葉シート状の表面用の部材と他方の電子部品を覆う枚葉シート状の表面用の部材との間に隙間を形成することができるので、その表面用の部材を省略することができる。これにより、表面用の部材を長尺シート状にして電子部品上に貼合する場合に比べて表面用の部材を節約することができる。
【0020】
この発明の電子カードの第2の製造方法は、カード用の電子部品を所定形状の収納部材に収納する工程と、その収納部材に収納された電子部品を長尺シート状の基板用の部材に複数配置する工程と、基板用の部材上に配された収納部材の複数を覆う大きさの枚葉シート状の表面用の部材を供給する工程と、枚葉シート状の表面用の部材と、収納部材と、基板用の部材とを接着部材を介在させて貼合する工程を有することを特徴とするものである。
【0021】
この発明の電子カードの第2の製造方法によれば、電子部品を収納した例えば長尺シート状の収納部材を長尺シート状の基板用の部材に複数並べて配置した後に、枚葉シート状の表面用の部材を収納部材上に供給し、その表面用の部材と、収納部材と、基板用の部材とを接着部材を介在させて貼合するようにしたものである。
【0022】
この構成によって、一方の収納部材の複数を覆う枚葉シート状の表面用の部材と他方の収納部材を覆う枚葉シート状の表面用の部材との間に隙間を形成することができるので、その表面用の部材を省略することができる。これにより、表面用の部材を長尺シート状にして収納部材上に貼合する場合に比べて表面用の部材を節約することができる。
【0023】
また、本発明の電子カードの第1及び第2の製造方法に共通して、表面用の部材と基板用の部材との厚さや表面加工、表面印刷の差、更には、それぞれの保存状態や、製造条件、製造後の経過時間、製造ロットの差によって、表面用の部材の仕上がり状態が異なっていた場合でも、長尺シート状の基板用の部材に対して枚葉シート状の表面用の部材の位置合わせに自由度(余裕度)が生じ、位置合わせが非常に容易になる。従って、カード搬送系の搬送速度が早くなっても、基板用の部材と表面用の部材とのテンションを均一に維持することができる。従って、表面用の部材の画像表示情報と、基板用の部材の筆記層とを合わせることができ、生産歩留まりが格段に向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態としての電子カードの製造装置及びその製造方法について説明をする。
【0025】
図1は、本発明の実施形態としての電子カード製造装置100の構成例を示すブロック図である。図2はそのスリッタ25の構成例を示す斜視図である。本実施の形態では、電子部品を収納した収納部材を長尺シート状の基板用の部材に複数並べて配置固定すると共に、表面用の部材をその収納部材を覆う大きさに予め切断して枚葉シート状にしておき、その枚葉シート状の表面用の部材と、収納部材と、長尺シート状の基板用の部材とを接着部材を介在させて貼合するようにして、その表面用の部材を節約できるようにしたものである。
【0026】
この発明の電子カード製造装置100は、ロールシートと枚葉シートとを組み合わせた貼合方式により電子カード50を製造するものである。図1において、電子カード製造装置100には電子カード50を形成するために第1の供給手段として裏面シート供給部6が設けられ、長尺シート状(ウエッブ状)の基板用の部材として裏面シート1が送出軸6Aに巻れ、更に、例えば、長尺シート状の枠部材2を巻いた枠部材供給部7が設けられる。
【0027】
ここで長尺シート状とは少なくとも電子カード1枚以上が打ち抜ける、例えば「○○○従業者証」、「氏名」、「発行日」などの画像表示情報が連続して形成されたものをいう。長尺シート状の形態としては画像表示情報が幅方向にn列で長手方向にm個が並んだものを想定する。枚葉シート状とは、長尺シート状に比べて数段に短く、少なくとも、その画像表示情報を1つ含むものをいう。この例ではその画像表示情報が6乃至9個程度を含むものを想定している。もちろん、これに限らない。
【0028】
第2の供給手段としてはチップシート供給部8が設けられ、電子部品を収納した多孔質の収納部材としてのチップ収納シート3が送出軸8Aに巻かれている。第3の供給手段としては表面シート供給部9が設けられ、裏面シート1上のチップ収納シート3を覆うための表面用の部材としての表面シート5が送出軸9Aに巻かれている。表面シート5は駆動ローラ19Aによって搬送される。
【0029】
この表面シート5は、「○○○従業者証」、「氏名」、「発行日」などの画像表示情報が幅方向に3列に並べられ、その画像表示情報が搬送方向に連続して印刷される。表面シート供給部9の下流側には切断手段としてのスリッタ25が設けられ、駆動ローラ19Aによって搬送されてくる表面シート5がチップ収納シート3を覆う枚葉シート状の大きさに切断される。例えば、6(3列×2)枚で1シートの電子カード50を成すように表面シート5が切断される。以後、スリッタ25による切断後の表面シート5を枚葉シート状の表面シート5Aという。この切断手段にはスリッタ25の他にロータリカッタや押し切り型(垂直式)の裁断装置も使用することができる。
【0030】
このスリッタ25は例えば図2に示すL字形状の本体部81を有している。本体部81の幅は表面シート5の幅方向の長さよりもやや長めの幅を有している。
【0031】
この本体部81にはL字形溝部82が設けられ、刃83を有した可動部84が例えば左右に可動自在にスライドされる。このL字形溝部82に関しては本体部81の壁面が基準面を成し、この基準面に沿って可動部84を移動すると、搬送方向に対して直角方向に刃83を移動できるようになされている。この可動部84は開口部85を介してモータ86に係合されており、可動部84はモータ86によって駆動される。この本体部81にはシート進入規制部87が設けられ、刃83の移動軌跡に対して平行方向に表面シート5の端部が進入するように規制されている。
【0032】
スリッタ25の機能は、例えば、スリッタ制御信号S11がモータ86に入力されると、そのスリッタ制御信号S11に基づいてモータ86が回転し、この回転によって可動部84が幅方向に移動する。これにより、搬送方向に直交する方向に表面シート5を直線状に切断することができる。
【0033】
また、図1に戻って各々の供給部6〜9の下流側には従動ローラ19B〜19Dなどが設けられ、裏面シート1及び枠部材2などの搬送方向を変更できるようになされている。この例ではチップシート供給部8の下流側には接着剤供給装置14が設けられ、チップ収納シート3の表面に接着部材10Aとして熱硬化性のエポキシ樹脂が含浸される。枠部材供給部7の下流側には接着剤供給装置15が設けられ、そのシート状の枠部材2の表面に接着部材10Bとして熱硬化性の反応型ホットメルト樹脂が塗布される。いずれの樹脂も、エクストリュージョンと呼ばれるダイを用いて、ポンプによって加圧送出することにより、シート状の枠部材2やチップ収納シート3などに押し出して塗布される。
【0034】
この接着材供給装置14は枠部材用の接着材供給装置15を兼用してもよい。また、接着材供給装置15の近くにチップシート用の接着材供給装置14を設けてもよい。これは枠部材2の開口部にチップ収納シート3が入った状態で接着部材10A、10Bを塗布したほうが、これらの接着部材10A、10Bのタレによる心配がなくなるからである。
【0035】
これらの4つの裏面シート供給部6、枠部材供給部7、チップシート供給部8、表面シート供給部9の下流側にはガイド兼位置合わせ用の駆動ローラ16が設けられ、予め印刷された位置合わせマークp0に基づいて裏面シート1と、シート状の枠部材2と、チップ収納シート3と、枚葉シート状の表面シート5Aとが位置合わせされ、真空熱プレス装置17の方向に導かれる。
【0036】
この駆動ローラ16の下流側には貼合手段としての真空熱プレス装置17が設けられ、スリッタ25によって切断された枚葉シート状の表面シート5Aと、チップシート供給部8によるチップ収納シート3と、裏面シート供給部6による裏面シート1とが接着部材を介在させて貼合される。
【0037】
この真空熱プレス装置17は搬送路の上下に対向して配置された平型の上部及び下部プレス部17A、17Bを有しており、枚葉シート状の表面シート5Aの上方及び長尺シート状の裏面シート5の下方から所定の圧力が加えられる。そのために、上部及び下部プレス部17A、17Bが互いに離接する方向に移動できるようになされている。この例では裏面シート1と枚葉シート状の表面シート5Aとの間に接着部材10A、10Bを介在して枠部材2の内側にチップ収納シート3を封入したものを、以後、カード集合体20という。
【0038】
この上部及び下部プレス部17A、17B内には電気ヒータ(図示せず)18が設けられ、カード集合体20を所定の温度に加熱するようになされている(電気ヒータ18については図3参照)。この例では接着部材10の種類にもよるが加熱温度は60℃〜120℃程度であり、加熱時間は10秒〜60秒程度である。
【0039】
このカード集合体20を加熱貼合する装置は真空熱プレス装置17に限られることはなく、ヒートローラ装置であってもよい。真空熱プレス装置17から排出されるカード集合体20は完全に硬化していない、いわゆる半乾きの状態である。
【0040】
この例の真空熱プレス装置17には例えば、エンドレスの剥離シート28が設けられる。この剥離シート28は加熱貼合時に、真空熱プレス装置17の上部プレス部17Aとカード集合体20との間に介在するように設備されている。この剥離シート28の機能は、枚葉シート状の表面シート5Aと隣接する他の枚葉シート状の表面シート5Aとの間に接着部材が露出したときに、その接着部材をふき取る(吸着)ものである。この剥離シート28による接着部材の吸着によってカードシート搬送ベルト30を汚すことが防げる。この際の剥離シート28には多孔質状のものでもよく、空気流通の極めて少ない樹脂シートでもよい。具体的にはセロハン紙やサランラップなどのような部材が適している。
【0041】
また、真空熱プレス装置17の下流側にはカードシート搬送ベルト30が設けられ、真空熱プレス装置17によって加熱貼合されたカード集合体20を所定の搬送方向、この例では裁断装置40に搬送される。この際のカードシート搬送ベルト30の移動距離は真空熱プレス装置17の搬送方向の長さL1に等しい。このカードシート搬送ベルト30の下流側には裁断装置40が設けられ、カード集合体20が1単位毎(例えば3列×2)に裁断される。この裁断装置40には、垂直押し切り型のカッタや、ロータリカッタを使用する。
【0042】
続いて、図3を参照しながら、電子カード製造装置100の制御方法について説明をする。図3は電子カード製造装置100の制御システム例の概要を示すブロック図である。
【0043】
この例では電子カード製造装置100の全体を制御する制御装置70が設けられ、表面シート5を所定のタイミングで切断するためのスリッタ制御信号S11がスリッタ25に出力される。また、制御装置70はカード集合体20に予め形成された位置合わせマークp0(図14に示す)を検出し、その検出に基づいてカードシート搬送ベルト30を制御する。この制御システムでは送出検出用のセンサ71が真空熱プレス装置17側に設けられ、カード送出位置p1でカード集合体20の位置合わせマークp0が検出される。このセンサ71からはカード送出位置検出信号S1が出力される。また、裁断装置40側には到達検出用のセンサ72が設けられ、カード到達位置p2でカード集合体20の位置合わせマークp0が検出される。このセンサ72からはカード到達検出信号S2が出力される。
【0044】
これらのセンサ71、72の出力段には、制御装置70が接続され、2つの検出信号S1、S2に基づいてカードシート搬送ベルト30が制御される。例えば、制御装置70はカード送出位置p1とカード到達位置p2との間でカードシート搬送ベルト30を間欠動作させるように制御する。表面シート5が長尺でかつ非伸縮性であれば、センサ71、72は片方のみでも可能である。
【0045】
この例では、電子カード50を形成するために、一方で、裏面シート供給部6から従動ローラ19Dを介在して駆動ローラ16へ裏面シート1を繰り出し、チップシート供給部8から19B、19Cを介在して駆動ローラ16へチップ収納シート3を繰り出し、枠部材供給部7から駆動ローラ16へシート状の枠部材2を繰り出す。その後、制御装置70から駆動ローラ16へ駆動制御信号S3が出力されると、駆動ローラ16が回転する。これに前後して、制御装置70から接着剤供給装置14へ接着剤制御信号S4Aが出力され、チップ収納シート3の表面に接着部材10Aとして熱硬化性のエポキシ樹脂が含浸される。同様に、制御装置70から接着剤供給装置15へ接着剤制御信号S4Bが出力され、シート状の枠部材2の表面に接着部材10Bとして熱硬化性の反応型ホットメルト樹脂が塗布される。
【0046】
他方で、接着部材10A、10Bが含浸された後に、制御装置70から駆動ローラ19Aに駆動制御信号S10が出力され、この信号S10に基づいて駆動ローラ19Aが回転するので、表面シート供給部9からスリッタ25へ表面シート5が繰り出される。その直後にスリッタ制御信号S11が制御装置70からスリッタ25へ出力されるので、表面シート5が枚葉シート状に切断される。切断後の枚葉シート状の表面シート5Aがチップ収納シート3上に舞い降りる間に図示しないガイド部材などによって位置合わせされ、チップ収納シート3上に配置される。
【0047】
これらの樹脂が含浸され、枚葉シート状の表面シート5Aを有したカード集合体20は駆動ローラ16によって真空熱プレス装置17に導かれ、制御装置70から真空熱プレス装置17へ加熱貼合制御信号S5が出力される。真空熱プレス装置17では上部プレス部17A、下部プレス部17Bの温度及びプレス圧力が一定に制御される。最初のカード集合体20の先端部は真空熱プレス装置17から頭を出すようにする。1回目の加熱貼合が終了すると、真空熱プレス装置17から制御装置70へ終了信号S6が出力される。この先端部はセンサ71によって検出される。このセンサ71によるカード送出位置検出信号S1は位置合わせマークp1を検出することで得られる。
【0048】
このカード送出位置検出信号S1を入力した制御装置70からカードシート搬送ベルト30へベルト搬送制御信号S7が出力される。このベルト搬送制御信号S7によってカードシート搬送ベルト30はカード集合体20の載せて移動を開始し、1回目の加熱貼合後のカード集合体20が真空熱プレス装置17から裁断装置40へ搬送される。このとき、駆動ローラ16も協働してカード集合体20を下流側に移動する。この段階ではカード集合体20が裁断されていない。
【0049】
1回目のカード集合体20が真空熱プレス装置17から裁断装置40へ搬送されると、センサ72によってカード集合体20が到達したことが検出される。このセンサ72から制御装置70にカード送出到達検出信号S2が出力される。カード送出到達検出信号S2を入力した制御装置70はカードシート搬送ベルト30へベルト搬送制御信号S7を出力するので、カードシート搬送ベルト30が停止する。図示しないが真空熱プレス装置17の下流側にはファンが設けられ、真空熱プレス装置17から出されたカード集合体20が裁断されるまでに、ファンによる風によって、例えば、50℃程度に冷やされる。
【0050】
一方で、真空熱プレス装置17では2回目の加熱貼合が行われる。2回目の加熱貼合が終了すると、真空熱プレス装置17から制御装置70へ終了信号S6が出力される。その後、センサ71によるカード送出位置検出信号S1を入力した制御装置70からカードシート搬送ベルト30へベルト搬送制御信号S7が出力される。このベルト搬送制御信号S7によってカードシート搬送ベルト30はカード集合体20の移動を開始し、2回目の加熱貼合後のカード集合体20が真空熱プレス装置17から裁断装置40へ搬送される。
【0051】
このとき、駆動ローラ16も協働してカード集合体20を下流側に移動する。この段階ではカード集合体20を裁断できる状態となる。従って、2回目のカード集合体20が真空熱プレス装置17から裁断装置40へ搬送されると、センサ72によってカード集合体20が到達したことが検出される。このセンサ72から制御装置70にカード到達検出信号S2が出力される。カード到達検出信号S2を入力した制御装置70は、カードシート搬送ベルト30へベルト搬送制御信号S7を出力するので、そのカードシート搬送ベルト30は停止する。
【0052】
これと共に、裁断装置40へ裁断制御信号S8が出力される。この裁断制御信号S8を入力した裁断装置40では、カード集合体20が1単位の電子カードシートに裁断される。3回目以降も同様な動作が繰り返される。これにより、カード集合体20から複数の枚葉シート状の電子カードシートを得ることができる。
【0053】
このようにして本実施の形態としての電子カード製造装置100によれば、一方のチップ収納シート3を覆う枚葉シート状の表面シート5Aと他方のチップ収納シート3を覆う枚葉シート状の表面シート5Aとの間に隙間を形成することができるので、その部分の表面シート5Aを省略することができる。
【0054】
従って、表面シート5に隙間を開けることなく、「○○○従業者証」、「氏名」、「発行日」などの画像表示情報を搬送方向に連続して印刷することができる。これにより、従来方式に比べて単位長さ当たりの表面シート5からより多くの電子カードを製造することができる。
【0055】
この電子カード製造装置100に関してスリッタ25を設ける場合について説明したが、これに限られることはなく、例えば、初めから枚葉シート状に裁断された表面シート5を入手し、これを1枚ずつ長尺シート状の電子部品4又はこれを収納したチップ収納シート3上に供給してもよい。
【0056】
続いて、図4〜図8を参照しながら、電子カード製造装置100で製造する電子カード50について説明する。図4に示す電子カード50は縦の長さが6cm程度で、横の長さが9cm程度で、厚みが0.5〜1.0mm程度を有し、接着部材を除いて大きく分けると3層構造を有している。
【0057】
この電子カード50の最下層には基板としての厚さが100μm程度の裏面シート1が設けられる。裏面シート1にはペンで書ける図示しない筆記層を更に有している。裏面シート1上の外周領域には枠部材2が設けられ、外部からの水や薬品の浸入が阻止される。
【0058】
この枠部材2の内側には、多孔質の収納部材としてチップ収納シート3が設けられ、予め電子部品4が収納される。一般にICチップ4Aは200〜300μm程度に薄く形成されている。アンテナ体4Bも同じ厚さである。この例では、少なくとも、枠部材2には電子部品4の厚みにほぼ等しく、かつ、耐水性及び耐薬品性の樹脂材料を使用する。
【0059】
更に、多孔質のチップ収納シート3には、織物状又は不織布状の樹脂シートを使用する。この多孔質の収納部材には、織物状又は不織布状の樹脂シートを使用する。例えば、枠部材2の厚みを500μmとして、厚み300μm程度の電子部品4の上下にクッション性のある多孔質体や接着部材によって保護するようにすれば、より耐久性が向上する。
【0060】
このチップ収納シート3に多孔質状の樹脂シートを使用するのは、接着部材の含浸性が良くなって部材間の接着性が優位になるからである。電子部品4は当該電子カード50の利用者に関した情報を電気的に記録するICチップ4A及びそのICチップ4Aに接続されたコイル状のアンテナ体4Bである。ICチップ4Aはメモリのみや、そのメモリに加えてマイクロコンピュータなどである。コンデンサを含むこともある。
【0061】
この電子カード50は非接触式であるため、情報入出力用の端子が設けられていない。情報は特定の変調電波にしてアンテナ体4Bで受信し、ICチップで復調してメモリなどに書き込んだり、そこから読み出される。通常の非接触式のICカードで使用される方法で、その駆動電源は外部からの電磁気エネルギーをアンテナ体4Bに取り込むことができる。例えば、電磁誘導によって生じる起電力を整流することによりDC電源を得る。もちろん、この他に外部からの高周波電磁エネルギーによる電気をアンテナ又はその他の物体に取り込むことも考えられる。
【0062】
この例では電子部品4が多孔質状の樹脂シートによって予め覆われ、その電子部品4が保護されている。その電子部品4を囲む枠部材2を含む裏面シート1上の全面には、チップ収納シート3を封入する形で接着部材を介在して表面シート5Aとしての厚さ100μm程度の表面シート5が貼合される。表面シート5は例えば図5に示すフィルム支持体51上にクッション層52、アンカー層53、受像層54及び上層55が積層されて成る。接着部材10はフィルム支持体51側に塗布される。
【0063】
フィルム支持体51には例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、あるいはポリプロピレン(PP)などの樹脂で成形されることが好ましい。特に2軸延伸された樹脂を使用すると、薄くて強度に優れた表面シート5を形成できる。フィルム支持体51の膜厚は、例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた場合には、12μm以上(特に25μm)〜300μm以下(特に250μm)であることが好ましい。
【0064】
クッション層52はフィルム支持体51が気泡入りの構造であったり、柔軟な素材で形成されたときに、ICチップ4Aの凹凸の影響を緩和するために設けられる。この他に、クッション層52は、画像表示処理の際のサーマルヘッドの当接を良くする働きがある。
【0065】
クッション層52としては引っ張り弾性率(ASTM D790)が20kgf/mm2以上であることが好ましく、また、200kgf/mm2以下であることが好ましい。クッション層52の厚さは、クッション効果の観点から、2μm以上(特に5μm)であることが好ましく、全体の厚さやカール抑制の観点から200μm以下(特に50μm)であることが好ましい。
【0066】
クッション層52を形成する部材としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体樹脂、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体樹脂、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体樹脂、スチレン−水素添加イソプレン−スチレンブロック共重合体樹脂などのポリオレフィン樹脂であることが柔軟性を有するので好ましい。
【0067】
この表面シート5は印刷部材であり、予め表面の所定領域には画像表示情報が印刷される。画像表示情報は当該電子カード50が利用される分野の例えば「○○○従業者証」、「氏名」、「発行日」・・・などである。この印刷部材には、当該カード50の利用者の顔写真を形成するための受像層54が設けられる。受像層54は昇華染料や拡散染料などの素材からなる。顔写真などはサーマルヘッドにより熱を加えてこれらの染料をトラップすることにより受像層54に定着して形成する。
【0068】
受像層54の素材としては、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂のような高分子材料が使用され得る。中でも、ポリエステル系樹脂が環境上からも、その使用が好ましい。受像層54はこれらの樹脂を粉末にしてイソシアネート等の溶剤に溶かし、グラビアコータ等で塗布した後に乾燥させ、その溶剤を揮発させることにより形成する。
【0069】
受像層54に隣接した層、例えば、フィルム支持体51又はクッション層52は受像層54に形成される画像を引き立てるために、白色顔料を混入(含有)した樹脂であることが好ましい。本発明ではこれに限られない。白色度を増すために、ボイドを設けた層であってもよい。このボイドによってクッション性を出すことができる。この白色顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウムや、炭酸カルシウムなどが好ましい例として上げられるがこれに限られない。
【0070】
図6は裏面シート1の積層構造を示す断面図である。この例の裏面シート1はフィルム支持体11下に筆記層12を有している。筆記層12はポリエステルエマルジョンに炭酸カルシウム及びシリカ微粒子を拡散したものである。筆記層12は表面シート5の受像層54と同様に、上述の素材を溶剤で溶かしてグラビアコータ等で塗布してから乾燥させて溶剤を気化することにより形成する。接着部材10は支持体上に塗布される。
【0071】
この例で接着部材10には、熱硬化性樹脂又は反応型ホットメルト樹脂を用いる。熱硬化性樹脂としては一般にBステージエポキシと呼ばれるゲル状のエポキシ樹脂を用いる。
【0072】
反応型ホットメルト樹脂としては、Henkel社製のマクロメルトシリーズなどのポリアミド系反応型ホットメルト樹脂や、シェル化学社製のカルフレックスTR及びクイントンシリーズ、旭化成社製のタフプレン、FirestoneSynthetic Rubber and Latex社製のタフデン、Phillips Petroleum社製のソルプレン400シリーズなどの熱可逆性エラストマー系の反応型ホットメルト樹脂が好ましく、また、住友化学社製のスミチックや、チッソ石油化学社製のビスタック、三菱油化製のユカタック、Henkel社製のマクロメルトシリーズ、三井石油化学社製のタフマー、宇部レキセン社製のAPAO、イーストマンケミカル社製のイーストマンボンド、ハーキュレス社製のA−FAXなどのポリオレフィン系の反応型ホットメルト樹脂が好ましく、更に、住友スリーエム社製のTE030及びTE100や、日立化成ポリマー社製のハイボン4820、鐘紡エヌエスシー社製のボンドマスター170シリーズ、Henkel社製のMacroplast QR3460などの反応型ホットメルト樹脂が好ましく、エチレン・酢酸ビニル共重合体系の反応型ホットメルト樹脂や、ポリエステル系の反応型ホットメルト樹脂などが好ましい。反応型ホットメルト樹脂は接着後に湿気を吸って硬化する性質を有している。通常のホットメルト樹脂に比較して反応型ホットメルト樹脂は80℃、90℃の高温度使用下で安定性が高い利点を有している。
【0073】
この例では、枠部材2には、ICチップ4Aの厚みにほぼ同じものが使用され、例えば、電子部品4の外周領域とほぼ同じ大きさの開口部を有した枠部材2を裏面シート1に形成した後に、その裏面シート1上に形成された枠部材2の内側にその電子部品4を収納した枚葉シート状のチップ収納シート3を配置する。その後、チップ収納シート3を配置した裏面シート1上の全面に表面シート5を形成すると図7に示す電子カード100が得られる。もちろん、枠部材2には、耐水性及び耐薬品性の樹脂材料を使用する。
【0074】
このように本実施の形態としての電子カード50によれば、図7に示すICチップ4Aやアンテナ体4Bなどの電子部品4が収納された多孔質のチップ収納シート3の外周領域に、そのICチップ4Aの厚みtより若干厚く、かつ、耐水性及び耐薬品性の樹脂材料から成る枠部材2が設けられる。
【0075】
従って、電子部品4を収納した図8に示すチップ収納シート3の周縁部を枠部材2によって強化できるので、耐吸水性及び耐腐食性に優れ、はがれに強く、しかも、カード厚みが極めて薄い電子カード50を提供することができる。
【0076】
続いて、図9〜図19を参照しながら、本実施の形態としての電子カード50の3つの製造方法について説明する。
【0077】
(1)第1の実施形態
図9A〜図9Cは第1の実施形態としての電子カード50の製造方法を示す形成工程例の断面図である。図10〜図14はそれを補足する各シート状の部材を示す上面図である。この例では、シート状の枠部材2の内側に配置したチップ収納シート3を裏面シート1と枚葉シート状の表面シート5Aとの間に選択的に接着部材10A、10Bを介在して貼合したカード集合体20を形成する場合について説明する。
【0078】
この例では、裏面シート1は図1に示した裏面シート供給部6の送出軸6Aに巻かれている。予め所定の大きさの電子部品4が、多孔質の収納部材から成る長尺シート状のチップ収納シート3に収納され、このチップ収納シート3が図1に示すチップシート供給部8の送出軸8Aに巻かれている。更に、予め電子部品4の外周領域とほぼ同じ大きさの開口部13を形成したシート状の枠部材2が枠部材供給部7の送出軸7Aに巻かれている。表面シート5は図1に示した表面シート供給部9の送出軸9Aに巻かれている。これらの部材が準備されていることを前提とする。
【0079】
まず、図9Aにおいて、裏面シート供給部6から繰り出した裏面シート1上にチップシート供給部8から繰り出したチップ収納シート3を貼合する。このチップ収納シート3の表面には接着部材10Aとして熱硬化性のエポキシ樹脂が含浸される。また、裏面シート1はペンで書けるような図10に示す筆記層12を有している。この裏面シート1の端部にも予め位置合わせマークp0が印刷されている。この位置合わせマークp0は1枚のカード領域毎に形成されている。位置合わせマークp0は光学センサで検出できる反射率の低い黒色の線やブロックでもよいが、磁気マークやスリットや孔でもよい。
【0080】
このチップ収納シート3は織物状又は不織布状の樹脂シートから成り、図11に示すチップ収納シート3の中には予めICチップ4A及びアンテナ体4Bなどの電子部品4が収納されている。電子部品4にはチップコンデンサなども含まれる。枠部材2の厚みは450μm程度である。ICチップ4Aの厚みは300μm程度であり、アンテナ体4Bの厚みは300μm程であり、例えば、直径0.1mm程度のウレタン線を約50回程度巻装したものである。
【0081】
この例で、先に裏面シート1上にチップ収納シート3を形成したのは、枚葉シート状の表面シート5Aを可能な限り平坦化するためである。すなわち、枠部材2を先に裏面シート1上に形成した場合には、チップ収納シート3を長尺シート状としたために、この枠部材2上にチップ収納シート3の余剰部分が覆うことになる。従って、わずかであるがプレス後の枠部材2にチップ収納シート3が接着部材10Aと共に厚みとなって残留する。この不均一な厚みが表面シート5Aの平坦化の妨げとなる。これを枠部材2の裏面側にもってくることで、表面シート5Aの平坦化が図れる。
【0082】
この裏面シート1上にチップ収納シート3を形成した後に、図9Bにおいて、そのチップ収納シート3上から枠部材2を貼合する。このシート状の枠部材2とチップ収納シート3とは接着部材10Bとして熱硬化性の反応型ホットメルト樹脂が塗布される。また、枠部材2には電子部品4を1つづ収納できる大きさの図12に示す開口部13が例えば搬送方向に連続して開口されている。この開口部13の大きさは、電気部品4の外周領域の大きさに等しく、その厚みはその電子部品4の厚みにほぼ等しい。しかも、シート状の枠部材2は耐水性及び耐薬品性の樹脂材料を使用して形成されたものである。この枠部材3には例えば反応型ホットメルト系やアクリル系の熱硬化性の樹脂を予めシート状にし、この樹脂シートに開口部3を打ち抜いたものを使用する。
【0083】
その後、図9Cにおいて、シート状の枠部材2及びその枠部材2の内側に配置したチップ収納シート3上の全面に枚葉シート状の表面シート5Aを形成する。枚葉シート状の表面シート5Aは、図1で説明したように切断制御信号S11に基づいてスリッタ25でリアルタイムに切断したものを使用しても良く、また、予め長尺シート状の表面シート5を枚葉シート状に切断しておいたものを特定の収納ケースなどの納めておき、その収納ケースから順次その枚葉シート状の表面シート5Aを引き出して使用してもよい。
【0084】
この表面シート5には図13に示す所定の印刷領域に予め当該電子カード50の利用者のための画像表示情報が印刷されている。この印刷領域を以後、画像表示領域Aという。この例では表面シート5は、図13に示す画像表示情報を搬送方向に連続して印刷した長尺のシート状を有している。この表面シート5の端部には予め位置合わせマークp0が印刷されている。この例では、長尺シート状の表面シート5には、「○○○従業者証」、「氏名」、「発行日」などの画像表示情報が幅方向に3列に並べられ、その画像表示情報が搬送方向に連続して印刷される。画像表示領域Aの両側にはいわゆる「耳」と呼ばれるダミー領域が設けられ、被切断マークp3などが印刷されている。この被切断マークp3例えば画像表示領域Aの境目に印刷するようになされる。この例では6つの画像表示領域Aを含むように、カード集合体20の被切断マークp3の切断位置で切断するとよい。1単位の電子カードシートから6つの電子カードを取ることができる。
【0085】
なお、枠部材2及びチップ収納シート3上に枚葉シート状の表面シート5を形成する際に、図示しない発泡性のウレタンシートを枠部材2の内側領域、すなわち、電子部品4の収納領域と表面シート5との間に形成してもよい。このウレタンシートによって電子部品4による表面シート1などをより一層保護できる。
【0086】
その後は、従来方式と同様に加熱加圧処理を行うと、図14に示すシート状のカード集合体20が完成する。真空熱プレス装置17から排出されるカード集合体20は完全に硬化していない、いわゆる半乾きの状態である。この例では、枠部材2上からカード集合体20を裁断して1単位の電子カードシートを形成する。例えば、カード集合体20の画像表示領域A外に形成された位置合わせマークp0を基準にしてカード集合体20が2つ以上に裁断される。
【0087】
その後、電子カードシートが完全に硬化してからパンチング装置などによって打ち抜かれ、1枚の電子カード50が得られる。図14に示す斜線部分は電子部品4を保護するために形成された枠部材2である。この枠部材2は、カード集合体20を1枚の電子カード50に打ち抜いたときに、その電子カード50の中央部分に比べて固い部分となるところである。上述の枠部材2を目標にして裁断すると、カード集合体20を変形することなく裁断できる。たとえ、接着部材10が完全に硬化していなくても、枠部材2のところをカットすれば、カードに歪みを与えることが極めて少ない。
【0088】
このように本実施の形態としての電子カード50の製造方法によれば、電子部品4を収納したチップ収納シート3を長尺シート状の裏面シート1に複数並べて配置固定すると共に、表面シート5をそのチップ収納シート3を覆う大きさに予め切断して枚葉シート状にしておき、その枚葉シート状の表面シート5Aと、チップ収納シート3と、裏面シート1とを接着部材を介在させて貼合するようにしたものである。
【0089】
この構成によって、一方のチップ収納シート3を覆う枚葉シート状の表面シート5Aと他方チップ収納シート3を覆う枚葉シート状の表面シート5Aとの間に隙間を形成することができるので、その間の表面シート5Aを省略することができる。これにより、表面シート5を長尺シート状のまま使用してチップ収納シート3上に貼合する場合に比べて表面シート5を大幅に節約することができる。この例では、表面シート5の使用量をこれまでの10%〜18%だけダウンさせるとができた。
【0090】
また、従来方式では位置合わせが難しいが、本実施の形態では裏面シート1が長尺シート又は大版シートで表面シート5がカットシートとしているので、表面シート5と裏面シート1の厚さや表面加工、表面印刷の差、更には、それぞれの保存状態や、製造条件、製造後の経過時間、製造ロットの差によって異なった場合でも、長尺シート状の裏面シート1に対して枚葉シート状の表面シート5Aの位置合わせに自由度(余裕度)が生じ、非常に位置合わせが容易になるばかりか、その位置ずれに非常に強い。特に、表面シート5Aに画像表示情報などのフォーマット印刷等が既に施されている場合に、チップ収納シート3との位置決めがし易い。
【0091】
従って、カードシート搬送ベルト30の搬送速度が早くなっても、裏面シート1と表面シート5Aとのテンションを均一に維持することができる。これにより、表面シート5Aの画像表示情報と、裏面シート1の筆記層12とを精度良く合わせることができ、生産歩留まりが格段に向上する。
【0092】
なお、裏面シート1に、余剰な接着部材は長尺シート状の裏面シート1上にはみ出る。従って、そのはみ出した接着部材は剥離シート28で拭き取とり、又は、枚葉シート間の枠部材2上に封じ込められるので、カードシート搬送ベルト30を汚すことがない。
【0093】
この例では電気部品4のチップ収納シート3を予めシート状にしたチップ収納シート3を使用する場合について説明したが、これに限られることはない。例えば、図15Aに示す裏面シート1の枠部材2上に多孔質の第1の樹脂シート21を形成し、その後、図15Bに示す第1の樹脂シート21上に電気部品4を配置する。その際の電気部品4の配置にはパレット状の把持具などを使用して第1の樹脂シート21上にその電子部品4を投下する方法を採るとよい。この時点で各々の部材を裏面シート1に接着部材10Aなどで固定する。その後、図15Cにおいて、電気部品4上に多孔質の第2の樹脂シート22を形成する。この形成方法によれば、裏面シート1上でリアルタイムにチップ収納シート3’を形成することができる。
【0094】
また、裏面シート1上にチップ収納シート3を先に形成する場合について説明したが、これに限られることはなく、図16Aに示す裏面シート1上に先に枠部材2を形成し、その後、図16Bに示す枠部材2上にチップ収納シート3を形成し、その図16Cに示す枠部材2及びチップ収納シート3上に枚葉シート状の表面シート5Aを形成してもよい。この形成方法でも、チップ収納シート3の周縁部を枠部材2によって強化できるので、耐吸水性及び耐腐食性に優れ、はがれに強く、しかも、カード厚みが極めて薄い電子カード50を製造することができる。
【0095】
この実施形態では枠部材2に反応型ホットメルト樹脂を使用する場合について説明したが、これに限られることはなく、枠部材2もカードの中央部(チップ収納シート3)も全てこの反応型ホットメルト樹脂を使用して貼合してもよい。この接着部材10としての反応型ホットメルト樹脂は本発明者らが実験して得られたデータによれば、平坦性の維持も含めて、薄カード化に好適である。
【0096】
また、本実施の形態のように、電子部品4を囲んだ枠部材2を裏面シート1及び表面シート5とにより反応型ホットメルト樹脂を用いて貼合したサンドイッチ構造の電子カード50によれば、カード端面からの水分の浸透による影響も極めて少なくなる利点もある。
【0097】
(2)第2の実施形態
図17A〜図17Cは第2の実施形態としての電子カード50の製造方法を示す形成工程例の断面図である。図18はその形成工程例を補足するチップ収納シート3の接着部材の塗布例を示す上面図である。この例では、接着部材の化学的及び物理的な特性の違いを利用して枠部材2をチップ収納シート3の封入工程でリアルタイムに同時に形成するものである。
【0098】
例えば、図17Aにおいて、裏面シート1上にチップ収納シート3を形成する。その後、図17Bで化学的及び物理的な特性の異なった2種類の接着部材をチップ収納シート3の領域上で選択的に含浸させる。この例では、図18に示す波線の内側の電気部品4の収納領域の接着部材10Aに対して化学的及び物理的な特性の異なった熱硬化性の接着部材10Bをそのチップ収納シート3の外周部に含浸する。このチップ収納シート3の外周部は、枠体として機能させようとする領域であり、この領域には、耐水性及び耐薬品性の樹脂材料を形成する。この樹脂材料にはホットメルト系などの熱硬化性の樹脂を使用する。
【0099】
その後、図17Cに示す枚葉シート状の表面シート5をチップ収納シート3上に貼合した後にその樹脂材料を熱処理して硬化する。この熱処理は真空熱プレス装置17によってプレス処理と同時に行なう。この加熱貼合処理によってカード中央部に比べてカード周辺部の接着部材が枠体10Cのように硬くなる。
【0100】
このように本実施の形態によれば、第1の実施形態と異なり、枠部材2を使用しなくても、電子部品4を収納したチップ収納シート3の周縁部を熱硬化後の接着部材による枠体10Cによって強化できるので、耐吸水性及び耐腐食性に優れ、はがれに強く、しかも、第1の実施形態に比べてカード厚みが極めて薄い電子カード50を製造することができる。
【0101】
(3)第3の実施形態
図19A〜図19Cは第3の実施形態としての電子カード50の製造方法を示す形成工程例の断面図である。この例では、紫外線によって硬化する樹脂を使用してリアルタイムに裏面シート1上に枠部材2を形成するものである。
【0102】
例えば、図19Aにおいて、裏面シート1上にチップ収納シート3を形成する。その後、図19Bで紫外線によって硬化する樹脂10Dをチップ収納シート3に含浸させる。この樹脂10Dには、耐水性及び耐薬品性の樹脂材料を使用する。樹脂材料には、エポキシ系又はアクリル系の樹脂を使用する。
【0103】
その後、図19Cにおいて、その樹脂10Dに紫外線を照射して枠部材2を形成する。その後、樹脂10Dを熱処理して硬化する。この熱処理は真空熱プレス装置17によって、上述した裏面シート1、チップ収納シート3及び枚葉シート状の表面シート5を加熱貼合処理する。この加熱貼合処理によってカード中央部に比べてカード周辺部が枠体のように硬くなる。
【0104】
このように本実施の形態によれば、第2の実施形態と同様に、枠部材2を使用しなくても、電子部品4を収納したチップ収納シート3の周縁部を熱硬化後の接着部材によって時間経過と共に強化できるので、耐吸水性及び耐腐食性に優れ、はがれに強く、しかも、第1の実施形態に比べてカード厚みが極めて薄い電子カード50を製造することができる。
【0105】
各実施形態では、枚葉シート状の1枚の表面シート5Aから6枚の電子カード50をパンチアウトする場合について説明したが、これに限られることはなく、表面シート5を電子カード50の1枚分の大きさに表面シート5を枚葉シート状に切断したものを使用する場合であってもよい。
【0106】
各実施形態では、電子部品4を長尺シート状又は枚葉シート状のチップ収納シート3に収納する場合について説明したが、これに限られることはなく、電子部品4を直接、長尺シート状の裏面シート1と枚葉シート状の表面シート5Aとの間に挟んだ電子カード50を形成してもよい。
【0107】
更に、各実施形態では、電子部品4又はその電子部品4を収納したチップ収納シート3の外周部を枠部材2で取り囲む場合について説明したが、これに限られることはなく、電子部品4又はそのチップ収納シート3を直接、長尺シート状の裏面シート1と枚葉シート状の表面シート5Aとの間に挟んだ電子カード50を形成してもよい。いずれの場合にも、枚葉シート状の表面シート5Aを節約することができる。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子カードの製造装置によれば、枚葉シート状の表面用の部材と、電子部品と長尺シート状の基板用の部材とを接着部材を介在させて貼合する貼合手段を備え、貼合後の基板用の部材を電子部品の複数を覆う大きさの枚葉シート状に切断するようになされる。
【0109】
この構成によって、一方の電子部品を覆う枚葉シート状の表面用の部材と他方の電子部品を覆う枚葉シート状の表面用の部材との間に隙間を形成することができるので、その部分の表面用の部材を省略することができる。
【0110】
この発明の電子カードの第1の製造方法によれば、電子部品を長尺シート状の基板用の部材に複数並べて配置した後に、枚葉シート状の表面用の部材を電子部品上に供給し、その表面用の部材と、電子部品と、基板用の部材とを接着部材を介在させて貼合するようにしたものである。
【0111】
この構成によって、一方の電子部品を覆う枚葉シート状の表面用の部材と他方の電子部品を覆う枚葉シート状の表面用の部材との間に隙間を形成することができるので、その表面用の部材を省略することができる。これにより、表面用の部材を長尺シート状にして電子部品上に貼合する場合に比べて表面用の部材を節約することができる。
【0112】
この発明の電子カードの第2の製造方法によれば、電子部品を収納した長尺シート状の収納部材を長尺シート状の基板用の部材に複数並べて配置した後に、枚葉シート状の表面用の部材を収納部材上に供給し、その表面用の部材と、収納部材と、基板用の部材とを接着部材を介在させて貼合するようにしたものである。
【0113】
この構成によって、一方の収納部材を覆う枚葉シート状の表面用の部材と他方の収納部材を覆う枚葉シート状の表面用の部材との間に隙間を形成することができるので、その表面用の部材を省略することができる。これにより、表面用の部材を長尺シート状にして収納部材上に貼合する場合に比べて表面用の部材を節約できると共に、非接触式のICカードなどのコストダウンを図ることができる。
【0114】
この発明はキャッシュカード、顔写真の入った従業者証、社員証、会員証、学生証、外国人登録証及び各種運転免許証などの非接触式のICカード及びその製造方法に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子カード製造装置100の構成例を示す斜視図である。
【図2】そのスリッタ25の構成例を示す斜視図である。
【図3】電子カード製造装置100の制御システム例を示すブロック図である。
【図4】各実施の形態としての電子カード50の積層構造例を示す斜視図である。
【図5】電子カード50の表面シート5の積層構造例を示す断面図である。
【図6】その裏面シート1の積層構造例を示す断面図である。
【図7】電子カード50の枠部材2とICチップ4Aとの厚みの関係例を示す断面図である。
【図8】電子カード50の電子部品4を囲んだ枠部材2の状態例を示す一部断面の上面図である。
【図9】A〜Cは、第1の実施形態としての電子カード50の製造方法の形成工程例を示す断面図である。
【図10】その裏面シート1の印刷例を示す上面図である。
【図11】そのチップ収納シート3の構成例を示す上面図である。
【図12】シート状の枠部材2の構成例を示す上面図である。
【図13】表面シート5を枚葉シート状にするための切断例を示す上面図である。
【図14】加熱貼合後のカード集合体20の裁断例を示す上面図である。
【図15】A〜Cは、電子カード50の他のチップ収納シート3の形成工程例を示す断面図である。
【図16】A〜Cは、第1の実施形態としての電子カード50の他の形成工程例を示す断面図である。
【図17】A〜Cは、第2の実施形態としての電子カード50の製造方法の形成工程例を示す断面図である。
【図18】そのチップ収納シート3の熱硬化性の樹脂の塗布例を示す上面図である。
【図19】A〜Cは、第3の実施形態としての電子カード50の製造方法の形成工程例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 裏面シート(基板用の部材)
2 枠部材
3 チップ収納シート(収納部材)
4 電子部品
4A ICチップ
4B アンテナ体
5 表面シート(表面用の部材)
5A 枚葉シート状の表面シート
6 裏面シート供給部(第1の供給手段)
7 枠部材供給部
8 チップシート供給部(第2の供給手段)
9 表面シート供給部(第3の供給手段)
10,10A,10B 接着部材
13 開口部
16,19A 駆動ローラ
17 真空熱プレス装置(貼合手段)
20 カード集合体
25 スリット
30 カードシート搬送ベルト
40 裁断装置
70 制御装置
50 電子カード
100 電子カード製造装置

Claims (19)

  1. 長尺シート状の基板用の部材を供給する第1の供給手段と、
    前記第1の供給手段による基板用の部材上にカード用の電子部品を供給する第2の供給手段と、
    前記基板用の部材上の電子部品を覆うための枚葉シート状の表面用の部材を供給する第3の供給手段と、
    前記枚葉シート状の表面用の部材と、前記電子部品と前記基板用の部材とを接着部材を介在させて貼合する貼合手段と、
    前記貼合手段によって前記長尺シート状の基板用の部材上に貼合された表面用の部材を前記電子部品の複数を覆う大きさの枚葉シート状に切断する切断手段とを備えることを特徴とする電子カードの製造装置。
  2. 前記接着部材には反応型ホットメルト樹脂を使用することを特徴とする請求項1記載の電子カードの製造装置。
  3. カード用の電子部品を長尺シート状の基板用の部材に複数配置する工程と、
    前記基板用の部材上に配された前記電子部品の複数を覆う大きさの枚葉シート状の表面用の部材を供給する工程と、
    前記枚葉シート状の表面用の部材と、前記電子部品と、前記基板用の部材とを接着部材を介在させて貼合する工程とを有することを特徴とする電子カードの製造方法。
  4. 前記表面用の部材と前記基板用の部材と前記電子部品とは熱硬化性の接着部材で接合することを特徴とする請求項3記載の電子カードの製造方法。
  5. 前記表面用の部材と前記基板用の部材と前記電子部品とは反応型ホットメルト樹脂で接合することを特徴とする請求項3記載の電子カードの製造方法。
  6. カード用の電子部品を所定形状の収納部材に収納する工程と、
    前記収納部材に収納された電子部品を長尺シート状の基板用の部材に複数配置する工程と、
    前記基板用の部材上に配された前記収納部材の複数を覆う大きさの枚葉シート状の表面用の部材を供給する工程と、
    前記枚葉シート状の表面用の部材と、前記収納部材と、前記基板用の部材とを接着部材を介在させて貼合する工程を有することを特徴とする電子カードの製造方法。
  7. 前記収納部材には、織物状、不織布状又は多孔質状の樹脂シートを使用することを特徴とする請求項6記載の電子カードの製造方法。
  8. 前記電子部品を枚葉シート状の収納部材に収納することを特徴とする請求項6記載の電子カードの製造方法。
  9. 前記電子部品を長尺シート状の収納部材に収納することを特徴とする請求項6記載の電子カードの製造方法。
  10. 前記表面用の部材と前記基板用の部材と前記収納部材とは熱硬化性の接着部材で接合することを特徴とする請求項6記載の電子カードの製造方法。
  11. 前記表面用の部材と前記基板用の部材と前記収納部材とを反応型ホットメルト樹脂で接合することを特徴とする請求項6記載の電子カードの製造方法。
  12. 長尺シート状の表面用の部材を前記電子部品の1つ又は複数を覆う大きさの枚葉シート状に切断することを特徴とする請求項3又は6記載の電子カードの製造方法。
  13. 前記電子部品は、当該カード利用者の情報を電気的に記憶するICチップ及び該ICチップに接続されたコイル状のアンテナ体であることを特徴とする請求項3又は6記載の電子カードの製造方法。
  14. 前記表面用の部材は、予め所定領域に画像表示情報が印刷された印刷部材であることを特徴とする請求項3又は6記載の電子カードの製造方法。
  15. 前記印刷部材は、当該カード利用者の顔写真を形成するための受像層を有していることを特徴とする請求項14記載の電子カードの製造方法。
  16. 前記基板用の部材上に、前記電子部品の外周領域とほぼ同じか又は該電子部品の外周領域よりもやや大きな開口部を有した長尺シート状の枠部材を形成することを特徴とする請求項3又は6に記載の電子カードの製造方法。
  17. 前記枠部材には前記電子部品の厚みにほぼ等しいか、該電子部品よりも厚く、かつ、耐水性及び耐薬品性の樹脂材料を使用することを特徴とする請求項16に記載の電子カードの製造方法。
  18. 前記枠部材には反応型ホットメルト樹脂又はエポキシ樹脂を使用することを特徴とする請求項16に記載の電子カードの製造方法。
  19. 前記枠部材は、紫外線によって硬化する樹脂で、又は該樹脂を塗布した部材によって形成し、その後、前記樹脂に紫外線を照射することを特徴とする請求項16に記載の電子カードの製造方法。
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