JPH11328348A - 電子カード、その製造方法及び電子部品収納体の製造方法 - Google Patents

電子カード、その製造方法及び電子部品収納体の製造方法

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JPH11328348A
JPH11328348A JP10130791A JP13079198A JPH11328348A JP H11328348 A JPH11328348 A JP H11328348A JP 10130791 A JP10130791 A JP 10130791A JP 13079198 A JP13079198 A JP 13079198A JP H11328348 A JPH11328348 A JP H11328348A
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JP
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sheet
electronic component
card
electronic
chip
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JP10130791A
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Takao Tsuda
隆夫 津田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ICチップやアンテナ体である電子部品を封
入した収納部材の形成工程を簡略化できるようにすると
共に、その部品点数を低減できるようにする。 【解決手段】 裏面シート1と、この裏面シート1上の
外周領域に設けられた枠部材2と、電子部品4を収納し
て裏面シート1上の枠部材2の内側に設けられた多孔質
のチップ収納シート3と、裏面シート1上の全面に接着
部材10を介在してチップ収納シート3を封入し貼合さ
れた表面シート5とを備え、少なくとも、チップ収納シ
ート3は電子部品4を配置固定した面を谷側にして2つ
に折り畳まれた封入構造を有している。この構造によっ
て、接着性の良い多孔質のシート状のチップ収納シート
3を効率良く使用した非接触式のICカードのが提供で
きるし、そのコストダウンを図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はキャッシュカー
ド、顔写真の入った従業者証、社員証、会員証、学生
証、外国人登録証及び各種運転免許証などの非接触式の
ICカードに適用して好適な電子カード、その製造方法
及び電子部品収納体の製造方法に関する。
【0002】詳しくは、予め所定の大きさの電子部品を
シート状の多孔質の部材上に配置した後に、その電子部
品を配置した面を谷側にして2つに折り畳んだ上部及び
下部の多孔質の部材間を接合して、電子部品を封入した
収納部材の形成工程を簡略化できるようにすると共に、
シート状の多孔質の部材を効率良く使用してその部品点
数を低減化できるようにしたものである。
【0003】
【従来の技術】近年、ICチップやアンテナ体を樹脂カ
ードに封入したICカードが提案されている。この種の
ICカードは非接触式であるため、情報入出力用の端子
が設けられていない。従って、情報は特定の変調電波に
してアンテナ体で受信し、ICチップで復調してメモリ
などに書き込んだり、そこから読み出すようにして使用
される。
【0004】この非接触式のICカードに関しては、例
えば、技術文献である特開平9−275184号公報に
「情報担体及びその製造方法」として開示されている。
この技術文献によれば、織物状の補強部材の間にICチ
ップやアンテナ体などの電子部品を挟み込み、接着部材
を介在して上下のカバーシートで貼合することによりI
Cカードを形成している。これにより、ICカード自体
を薄く形成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来方式の
ICカードでは補強部材で電子部品を補強するときに、
お互いに分離されたシート状の第1及び第2の補強部材
を使用して、例えば、その第1の樹脂部材を基板用の部
材上に配置し、その後、その第1の樹脂部材上に電子部
品を配設した後に、電子部品上を覆うように第2の樹脂
部材を配置固定している。
【0006】従って、ICカードの薄型化及びICカー
ドの大量生産の要求に伴い、電子部品を補強する補強部
材の形成工程が複雑化したり、その部品点数が多くなっ
て、ICカードのコストアップにつながるという問題が
ある。
【0007】なお、従来方式の補強部材(以下収納部材
ともいう)では、基板用の部材上で2つの樹脂部材と個
々の電子部品とを受けながらリアルタイムに形成される
構造のために、電子部品を収納したシート状の収納部材
として単独で取り扱うことができない。
【0008】そこで、この発明は上述した課題を解決し
たものであって、ICチップやアンテナ体である電子部
品を封入した収納部材の形成工程を簡略化できるように
すると共に、その部品点数を低減できるようにした電子
カード、その製造方法及び電子部品収納体の製造方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明に係る電子カードは、基板用の部材と、こ
の基板用の部材上の外周領域に設けられた枠部材と、電
子部品を収納して基板用の部材上の枠部材の内側に設け
られた多孔質の収納部材と、基板用の部材上の全面に接
着剤を介在して収納部材を封入し貼合された表面用の部
材とを備え、少なくとも、収納部材は電子部品を配置固
定した面を谷側にして2つに折り畳まれた封入構造を有
していることを特徴とするものである。
【0010】この発明の電子カードによれば、例えば、
ICチップ及びコイル状のアンテナ体である電子部品を
固定した面を谷側にして2つに折り畳まれた封入構造を
有する収納部材が基板用の部材と表面用の部材間に設け
られる。ここで、基板用の部材には、基板上の表面処理
コーティングや、接着性向上のために薄シート状等の第
3のシートが介在することを妨げないものとする。
【0011】従って、接着性の良い多孔質の部材を効率
良く使用して形成されたキャッシュカード、顔写真の入
った従業者証、社員証、会員証、学生証、外国人登録証
及び各種運転免許証などの非接触式のICカードのコス
トダウンを図ることができる。
【0012】本発明の電子部品収納体の製造方法は、所
定の大きさの電子部品をシート状の多孔質の部材に配置
して固定する工程と、その電子部品を配置固定した面を
谷側にして前記多孔質の部材を2つに折り畳む工程と、
その電子部品を折り込んだ上部及び下部の多孔質の部材
間を接合することにより、その電子部品を封入したシー
ト状の収納部材を形成することを特徴とするものであ
る。
【0013】また、本発明の電子カードの製造方法は、
予め所定の大きさの電子部品をシート状の多孔質の部材
に配置して固定する工程と、電子部品を配置固定した面
を谷側にして多孔質の部材を2つに折り畳む工程と、電
子部品を折り込んだ上部及び下部の多孔質の部材間を接
合することにより、電子部品を封入した収納部材を形成
することを特徴とするものである。
【0014】この発明の電子部品収納体及び電子カード
の製造方法によれば、所定の大きさの電子部品をシート
状の多孔質の部材で、ICチップとコイル状のアンテナ
体とに展開して配置固定し、その後、その電子部品を固
定した面を谷側にしてその多孔質の部材を2つに折り畳
んだ上部及び下部の多孔質の部材間を接合している。
【0015】従って、上部及び下部の多孔質の部材の一
端が相互に共通となって、アンテナ体の内側にICチッ
プを自己整合的に封入されるので、ICチップやアンテ
ナ体を封入した収納部材の形成工程を簡略化することが
できる。これと共に、従来方式のように上部及び下部の
樹脂部材などを別々に準備する必要がないので、その部
品点数を少なくすることができる。また、シート状の多
孔質の部材を効率良く使用することができる。電子部品
収納体を単独で取り扱うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この
発明の実施形態としての電子カード、その製造方法及び
電子部品収納体の製造方法について説明をする。
【0017】図1は、本発明の実施形態としての電子カ
ード100の構成例を示す断面図である。図2はそのチ
ップ収納シート3の構造例を示す斜視図である。本実施
の形態では予め所定の大きさの電子部品をシート状の多
孔質の部材上に配置した後に、その電子部品を配置した
面を谷側にして2つに折り畳んだ上部及び下部の多孔質
の部材間を接合して、その電子部品を封入した収納部材
の形成工程を簡略化できるようにすると共に、多孔質の
部材を効率良く使用してその部品点数を低減化できるよ
うにしたものである。
【0018】図1に示す電子カード100は縦の長さが
6cm程度で、横の長さが9cm程度で、厚みが0.5
〜1.0mm程度を有し、接着部材を除いて大きく分け
ると3層構造を有している。最近では700μm程度の
電子カードが要求されてきている。
【0019】この電子カード100の最下層には基板用
の部材として厚さが100μm程度の裏面シート1が設
けられる。裏面シート1にはペンで書ける図示しない筆
記層を有している。裏面シート1上の外周領域には枠部
材2が設けられ、外部からの水や薬品の浸入が阻止され
る。この枠部材2には電子部品の厚みにほぼ等しく、か
つ、耐水性及び耐薬品性の樹脂材料を使用する。
【0020】この枠部材2の内側には、多孔質の収納部
材としてチップ収納シート3が設けられ、予め電子部品
4が収納されると共に、その電子部品4が補強されてい
る。この例では、チップ収納シート3には、発泡性の樹
脂シート、可撓性の樹脂シート、多孔性の樹脂シート又
は不織布状の樹脂シートなどの多孔質の部材3Aが使用
される。
【0021】図2に示すチップ収納シート3は電子部品
4を中央部に配置固定し、その電子部品4を配置した面
を谷側にして2つに折り畳まれた封入構造を有してい
る。ICチップ4Aはアンテナ体4Bの内側に封入され
る。このチップ収納シート3に多孔質状の樹脂シートを
使用するのは、接着部材10の含浸性が良くなって部材
間の接着性が優位になるからである。この例では2つ折
りした谷側の辺に対向する辺の二ヶ所と、その両側の辺
との4箇所が接着部材10によって点合されている。
【0022】電子部品4は当該電子カード100の利用
者の情報を電気的に記憶するICチップ4A及びそのI
Cチップ4Aに接続されたコイル状のアンテナ体4Bで
ある。一般にICチップ4Aは200〜300μm程度
に薄く形成されている。アンテナ体4Bも同じ厚さであ
る。この例では、少なくとも、枠部材2には電子部品4
の厚みにほぼ等しいか又はそれよりも2倍程度と厚く、
かつ、耐水性及び耐薬品性の樹脂材料を使用する。IC
チップ4Aはメモリやマイクロコンピュータなどであ
る。コンデンサを含む場合もある。
【0023】この例ではチップ収納シート3の2つ折り
構造を採るために、ICチップ4Aとアンテナ体4Bと
はカードの長手方向で接続される。この電子カード10
0は非接触式であるため、情報入出力用の端子が設けら
れていない。そのために情報は特定の変調電波にしてア
ンテナ体4Bで受信し、ICチップで復調してメモリな
どに書き込んだり、そこから読み出される。通常の非接
触式のICカードで使用される方法で、その駆動電源は
外部からの電磁気エネルギーをアンテナ体4Bに取り込
むことができる。例えば、電磁誘導によって生じる起電
力を整流することによりDC電源を得る。もちろん、こ
の他に外部高周波電気エネルギーから電気をアンテナ又
はその他の物体に取り込むことも考えられる。この例で
は電子部品4が多孔質状の樹脂シートによって予め覆わ
れ、その電子部品4が補強かつ保護されている。
【0024】なお、図3は他のチップ収納シート3’の
構造例を示す斜視図である。この例では、ICチップ4
Aから延在した配線と、アンテナ体4Bから延在したコ
イル配線とが積層構造の接点を介在して接続されるもの
である。例えば、ICチップ4Aは配線4C、4Dを有
しており、この配線4C、4Dが第1の接点としての平
面状のパッド電極4E、4Fに接続される。一方、アン
テナ体4Bはコイル配線を有しており、このコイル配線
が第2の接点としてのパッド電極4G、4Hに接続され
る。これらのパッド電極4E、4F及びパッド電極4
G、4Hは、電子部品4を固定した面を谷側にしてシー
ト状の樹脂部材を2つに折り畳んだときに、パッド電極
4Eがパッド電極4Gに積層され、パッド電極4Fがパ
ッド電極4Hに積層されるようにしたものである。
【0025】もちろん、パッド電極4E、4Fとパッド
電極4G、4Hとはチップ収納シート3の形成工程時に
位置合わせされる。このような構造にすると、ICチッ
プ4Aとアンテナ体4Bとを別々に取り扱うことがで
き、樹脂部材を2つ折りしたときに自己整合的に両電極
を例えば加熱接合することができる。また、ICチップ
4Aに至る配線4C、4Dの材料と、アンテナ体4Bの
コイル材料とを異種のものを使用することができる。例
えば、配線4C、4DはICチップ4Aの引き出し電極
になじみ易いAu線を用い、コイル配線にはウレタン線
を使用することができる。
【0026】図1に戻って、枠部材2を含む裏面シート
1上の全面には、チップ収納シート3を封入する形で図
示しない接着部材を介在して表面用の部材としての厚さ
100μm程度の表面シート5が貼合される。表面シー
ト5は例えば図4に示すフィルム支持体51上にクッシ
ョン層52、アンカー層53、受像層54及び上層55
が積層されて成る。接着部材10はフィルム支持体51
側に塗布される。
【0027】フィルム支持体51には例えば、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、あるいはポリプロピレ
ン(PP)などの樹脂で成形されることが好ましい。特
に2軸延伸された樹脂を使用すると、薄くて強度に優れ
た表面シート5を形成できる。フィルム支持体51の膜
厚は、例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹
脂を用いた場合には、12μm以上(特に25μm)〜
300μm以下(特に250μm)であることが好まし
い。
【0028】クッション層52はフィルム支持体51が
気泡入りの構造であったり、柔軟な素材で形成されたと
きに、ICチップ4Aの凹凸の影響を緩和するために設
けられる。この他に、クッション層52は、画像表示処
理の際のサーマルヘッドの当接を良くする働きがある。
【0029】クッション層52としては引っ張り弾性率
(ASTM D790)が20kgf/mm2 以上であ
ることが好ましく、また、200kgf/mm2 以下で
あることが好ましい。クッション層52の厚さは、クッ
ション効果の観点から、2μm以上(特に5μm)であ
ることが好ましく、全体の厚さやカール抑制の観点から
200μm以下(特に50μm)であることが好まし
い。
【0030】クッション層52を形成する部材として
は、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、
ポリブタジエン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体樹脂、スチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体樹脂、ス
チレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体樹脂、スチレン−水素添加イソプレン−スチレンブ
ロック共重合体樹脂などのポリオレフィン樹脂であるこ
とが柔軟性を有するので好ましい。
【0031】この表面シート5は印刷部材であり、予め
表面の所定領域には画像表示情報が印刷される。画像表
示情報は当該電子カード100が利用される分野の例え
ば「○○○従業者証」、「氏名」、「発行日」・・・な
どである。この印刷部材には、当該カード100の利用
者の顔写真を形成するための受像層54が設けられる。
受像層54は昇華染料や拡散染料などの素材からなる。
顔写真などはサーマルヘッドにより熱を加えてこれらの
染料をトラップすることにより受像層54に定着して形
成する。
【0032】受像層54の素材としては、ポリエステル
樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、アクリ
ル樹脂のような高分子材料が使用され得る。中でも、ポ
リエステル系樹脂が環境上からも、その使用が好まし
い。受像層54はこれらの樹脂を粉末にしてイソシアネ
ート等の溶剤に溶かし、グラビアコータ等で塗布した後
に乾燥させ、その溶剤を揮発させることにより形成す
る。
【0033】受像層54に隣接した層、例えば、フィル
ム支持体51又はクッション層52は受像層54に形成
される画像を引き立てるために、白色顔料を混入(含
有)した樹脂であることが好ましい。本発明ではこれに
限られない。白色度を増すために、ボイドを設けた層で
あってもよい。このボイドによってクッション性を出す
ことができる。この白色顔料としては、酸化チタン、硫
酸バリウムや、炭酸カルシウムなどが好ましい例として
上げられるがこれに限られない。
【0034】図5は裏面シート1の積層構造を示す断面
図である。この例の裏面シート1はフィルム支持体11
下に筆記層12を有している。筆記層12はポリエステ
ルエマルジョンに炭酸カルシウム及びシリカ微粒子を拡
散したものである。筆記層12は表面シート5の受像層
54と同様に、上述の素材を溶剤で溶かしてグラビアコ
ータ等で塗布してから乾燥させて溶剤を気化することに
より形成する。接着部材10は支持体上に塗布される。
【0035】この例で接着部材10には、熱硬化性樹脂
又は反応型ホットメルト樹脂を用いる。熱硬化性樹脂と
しては一般にBステージエポキシと呼ばれるゲル状のエ
ポキシ樹脂を用いる。
【0036】反応型ホットメルト樹脂としては、Hen
kel社製のマクロメルトシリーズなどのポリアミド系
の反応型ホットメルト樹脂や、シェル化学社製のカルフ
レックスTR及びクイントンシリーズ、旭化成社製のタ
フプレン、Firestone Synthetic
Rubber and Latex社製のタフデン、P
hillips Petroleum社製のソルプレン
400シリーズなどの熱可逆性エラストマー系の反応型
ホットメルト樹脂が好ましく、また、住友化学社製のス
ミチックや、チッソ石油化学社製のビスタック、三菱油
化製のユカタック、Henkel社製のマクロメルトシ
リーズ、三井石油化学社製のタフマー、宇部レキセン社
製のAPAO、イーストマンケミカル社製のイーストマ
ンボンド、ハーキュレス社製のA−FAXなどのポリオ
レフィン系の反応型ホットメルト樹脂が好ましく、更
に、住友スリーエム社製のTE030及びTE100
や、日立化成ポリマー社製のハイボン4820、鐘紡エ
ヌエスシー社製のボンドマスター170シリーズ、He
nkel社製のMacroplast QR3460な
どの反応型ホットメルト樹脂が好ましく、エチレン・酢
酸ビニル共重合体系の反応型ホットメルト樹脂や、ポリ
エステル系の反応型ホットメルト樹脂などが好ましい。
反応型ホットメルト樹脂は接着後に湿気を吸って硬化す
る性質を有している。通常のホットメルト樹脂に比較し
て、反応型ホットメルト樹脂は硬化後の90℃、100
℃と言った高温下においても劣化が少なく、それを最適
に利用できる。
【0037】この例では図6に示す電子部品4が収納さ
れた多孔質のチップ収納シート3の外周領域に、そのI
Cチップ4Aの厚みtにほぼ等しいか、それよりも厚
く、かつ、耐水性及び耐薬品性の樹脂材料から成る枠部
材2が設けられる。従って、電子部品4を収納した図7
に示すチップ収納シート3の周縁部を枠部材2によって
強化できるので、耐吸水性及び耐腐食性に優れ、はがれ
に強く、しかも、カード厚みが極めて薄い電子カード1
00を提供することができる。
【0038】また、本実施の形態としての電子カード1
00によれば、ICチップ4A及びコイル状のアンテナ
体4Bなどの電子部品4を固定した面を谷側にして2つ
に折り畳まれた封入構造を有するチップ収納シート(以
下電子部品収納体ともいう)3が裏面シート12と表面
シート5との間に設けられる。従って、接着性の良いシ
ート状の多孔質の部材3Aを効率良く使用することがで
き、キャッシュカード、顔写真の入った従業者証、社員
証、会員証、学生証、外国人登録証及び各種運転免許証
などの非接触式のICカードのコストダウンを図ること
ができる。
【0039】続いて、図8及び図9を参照しながら、電
子カード100を製造する電子カード製造装置200の
構成例について説明をする。
【0040】図8において、この発明に係る電子カード
製造装置200には長尺シート状の裏面シート1を巻い
た裏面シート供給部6と、長尺シート状の枠部材2を巻
いた枠部材供給部7と、多孔質のチップ収納シート3を
同様に巻いたチップシート供給部8と、長尺シート状の
表面シート5を巻いた表面シート供給部9とが設けられ
る。裏面シート供給部6には送出軸6Aが設けられ、チ
ップシート供給部8には送出軸8Aが設けられ、表面シ
ート供給部9には送出軸9Aが設けられる。裏面シート
供給部6、チップシート供給部8、表面シート供給部9
の下流側には従動ローラ19A〜19Dなどが設けら
れ、裏面シート1、枠部材2及び表面シート5などの搬
送方向を変えるようになされている。
【0041】この例ではチップシート供給部8の下流側
には接着剤供給装置14が設けられ、チップ収納シート
3の表面に接着部材10Aとして熱硬化性のエポキシ樹
脂が含浸される。枠部材供給部7の下流側には接着剤供
給装置15が設けられ、そのシート状の枠部材2の表面
に接着部材10Bとして熱硬化性の反応型ホットメルト
樹脂が塗布される。いずれの樹脂も、エクストリュージ
ョンと呼ばれるダイを用いて、ポンプによって加圧送出
することにより、シート状の枠部材2やチップ収納シー
ト3などに押し出して塗布される。接着材供給装置14
は枠部材用の接着材供給装置15を兼用してもよい。ま
た、接着材供給装置15の近くにチップシート用の接着
材供給装置14を設けてもよい。これは枠部材2の開口
部にチップ収納シート3が入った状態で接着部材10
A、10Bを塗布したほうが、これらの接着部材10
A、10Bのタレによる心配がなくなるからである。
【0042】これらの4つの裏面シート供給部6、枠部
材供給部7、チップシート供給部8、表面シート供給部
9の下流側にはガイド兼位置合わせ用の駆動ローラ16
が設けられ、予め印刷された位置合わせマークp0に基
づいて裏面シート1と、シート状の枠部材2と、チップ
収納シート3と、表面シート5とが位置合わせされ、所
定の方向に導かれる。この裏面シート1と表面シート5
との間に接着部材10A、10Bを介在して枠部材2の
内側にチップ収納シート3を封入したものを、以後、カ
ード集合体20という。
【0043】この駆動ローラ16の下流側には真空熱プ
レス装置17が設けられ、駆動ローラ16によってガイ
ドされてくるカード集合体20に熱及び圧力が加えられ
る。真空熱プレス装置17は搬送路の上下に対向して配
置された平型の上部及び下部プレス部17A、17Bを
有しており、カード集合体20の上下から所定の圧力が
加えられる。そのために、上部及び下部プレス部17
A、17Bが互いに離接する方向に移動できるようにな
されている。この上部及び下部プレス部17A、17B
内には電気ヒータ18が設けられ(下部プレス部17A
中の電気ヒータ18は図示せず)、カード集合体20を
所定の温度に加熱するようになされている(電気ヒータ
18については図9参照)。
【0044】この例では接着部材にもよるが、加熱温度
は60℃〜120℃程度であり、加熱時間は10秒〜6
0秒間程度である。例えば、加熱温度60℃で加熱時間
60秒、加熱温度60℃で加熱時間30秒、加熱温度1
20℃で加熱時間10秒である。このカード集合体20
を加熱貼合する装置は真空熱プレス装置17に限られる
ことはなく、ヒートローラ装置であってもよい。真空熱
プレス装置17から排出されるカード集合体20は完全
に硬化していない、いわゆる半乾きの状態である。
【0045】また、真空熱プレス装置17の下流側には
カードシート搬送ベルト30が設けられ、真空熱プレス
装置17によって加熱貼合されたカード集合体20を所
定の搬送方向、この例では裁断装置40に搬送される。
この際のカードシート搬送ベルト30の移動距離は真空
熱プレス装置17の搬送方向の長さL1に等しい。この
カードシート搬送ベルト30の下流側には裁断装置40
が設けられ、カード集合体20が1単位毎に裁断され
る。この裁断装置40には、垂直押し切り型のカッタ
や、ロータリカッタを使用する。
【0046】続いて、図9を参照しながら、電子カード
製造装置200の制御方法について説明をする。図9は
電子カード製造装置200の制御システム例の概要を示
すブロック図である。
【0047】この例では、カード集合体20に予め形成
された位置合わせマークp0を検出し、その検出に基づ
いてカードシート搬送ベルト30を制御する。この制御
システムでは送出検出用のセンサ71が真空熱プレス装
置17側に設けられ、カード送出位置p1でカード集合
体20の位置合わせマークp0が検出される。このセン
サ71からはカード送出位置検出信号S1が出力され
る。また、裁断装置40側には到達検出用のセンサ72
が設けられ、カード到達位置p2でカード集合体20の
位置合わせマークp0が検出される。このセンサ72か
らはカード到達検出信号S2が出力される。
【0048】これらのセンサ71、72の出力段には、
制御装置70が接続され、2つの検出信号S1、S2に
基づいてカードシート搬送ベルト30が制御される。例
えば、制御装置70はカード送出位置p1とカード到達
位置p2との間でカードシート搬送ベルト30を間欠動
作させるように制御する。
【0049】この例では、電子カード100を形成する
ために、裏面シート供給部6から駆動ローラ16へ裏面
シート1を繰り出し、チップシート供給部8から駆動ロ
ーラ16へチップ収納シート3を繰り出し、枠部材供給
部7から駆動ローラ16へシート状の枠部材2を繰り出
し、表面シート供給部9から駆動ローラ16へ表面シー
ト5を繰り出す。その後、制御装置70から駆動ローラ
16へ駆動制御信号S3が出力されると、駆動ローラ1
6が回転する。これに前後して、制御装置70から接着
剤供給装置14へ接着剤制御信号S4Aが出力され、チ
ップ収納シート3の表面に接着部材10Aとして熱硬化
性のエポキシ樹脂が含浸される。
【0050】同様に、制御装置70から接着剤供給装置
15へ接着剤制御信号S4Bが出力され、シート状の枠
部材2の表面に接着部材10Bとして熱硬化性の反応型
ホットメルト樹脂が塗布(コーティング)される。これ
らの樹脂が含浸及び塗布されたカード集合体20は駆動
ローラ16によって真空熱プレス装置17に導かれ、制
御装置70から真空熱プレス装置17へ加熱貼合制御信
号S5が出力される。
【0051】この真空熱プレス装置17では上部プレス
部17A、下部プレス部17Bの温度及びプレス圧力が
一定に制御される。最初のカード集合体20の先端部は
真空熱プレス装置17から頭を出すようにする。1回目
の加熱貼合が終了すると、真空熱プレス装置17から制
御装置70へ終了信号S6が出力される。この先端部は
センサ71によって検出される。このセンサ71による
カード送出位置検出信号S1は位置合わせマークp1を
検出することで得られる。
【0052】このカード送出位置検出信号S1を入力し
た制御装置70はカードシート搬送ベルト30にベルト
搬送制御信号S7を出力するので、このベルト搬送制御
信号S7によってカードシート搬送ベルト30はカード
集合体20の載せて移動を開始し、1回目の加熱貼合後
のカード集合体20が真空熱プレス装置17から裁断装
置40へ搬送される。このとき、駆動ローラ16も協働
してカード集合体20を下流側に移動する。この段階で
はカード集合体20が裁断されていない。
【0053】1回目のカード集合体20が真空熱プレス
装置17から裁断装置40へ搬送されると、センサ72
によってカード集合体20が到達したことが検出され
る。このセンサ72から制御装置70にカード送出到達
検出信号S2が出力される。カード送出到達検出信号S
2を入力した制御装置70からカードシート搬送ベルト
30へベルト搬送制御信号S7が出力され、カードシー
ト搬送ベルト30が停止する。図示しないが真空熱プレ
ス装置17の下流側にはファンが設けられ、真空熱プレ
ス装置17から出されたカード集合体20が裁断される
までに、ファンによる風によって、例えば、50℃程度
に冷やされる。
【0054】一方で、真空熱プレス装置17では2回目
の加熱貼合が行われる。2回目の加熱貼合が終了する
と、真空熱プレス装置17から制御装置70へ終了信号
S6が出力される。その後、センサ71によるカード送
出位置検出信号S1を入力した制御装置70からカード
シート搬送ベルト30へベルト搬送制御信号S7が出力
される。このベルト搬送制御信号S7によってカードシ
ート搬送ベルト30はカード集合体20の移動を開始
し、2回目の加熱貼合後のカード集合体20が真空熱プ
レス装置17から裁断装置40へ搬送される。
【0055】このとき、駆動ローラ16も協働してカー
ド集合体20を下流側に移動する。この段階ではカード
集合体20を裁断できる状態となる。従って、2回目の
カード集合体20が真空熱プレス装置17から裁断装置
40へ搬送されると、センサ72によってカード集合体
20が到達したことが検出される。このセンサ72から
制御装置70にカード到達検出信号S2が出力される。
カード到達検出信号S2を入力した制御装置70は、カ
ードシート搬送ベルト30にベルト搬送制御信号S7が
出力されるので、そのカードシート搬送ベルト30は停
止する。
【0056】これと共に、裁断装置40へ裁断制御信号
S8が出力される。この裁断制御信号S8を入力した裁
断装置40では、長尺シート状のカード集合体20が1
単位の電子カードシートに裁断される。3回目以降も同
様な動作が繰り返される。これにより、長尺シート状の
カード集合体20から複数の電子カードシートを得るこ
とができる。
【0057】続いて、図10〜図24を参照しながら、
本実施の形態としての電子カード100の製造方法につ
いて説明する。
【0058】(1)第1の実施形態 図10〜図14は各実施形態としての電子カード100
の製造方法に関してチップ収納シート(電子部品収納
体)3の形成工程例を示す図である。図10はその形成
工程例(その1)を示す展開図、図11はA1−A2の
矢視断面図、図12はその折り畳み時の形成工程例(そ
の2)を示す正面図、図13はその折り畳み後の形成工
程例(その3)を示す正面図、図14は完成後の形成工
程例(その4)上面図である。
【0059】この例では、電子部品4を封入したチップ
収納シート3を形成し、それを図8に示すチップシート
供給部8の送出軸8Aに巻いて置くようにする。
【0060】そのためには、まず、図10において、予
め所定の大きさの電子部品4をシート状の多孔質の部材
(以下多孔質部材という)3Aに配置して固定する。こ
の例では、シート状の多孔質部材3Aには、発泡性の樹
脂シート、可撓性の樹脂シート、多孔性の樹脂シート又
は不織布シートを使用する。 多孔質の部材3Aの大き
さは完成後の電子カード100の短辺の長さの約2倍の
幅を有したものを使用する。
【0061】図10に示す破線は折り込み予定する境界
線L0である。この例ではアンテナ体4Bを左側に配置
し、その右側にICチップ4Aを配置する。アンテナ体
4Bからのコイル配線4X、4Yは内側から引き出すこ
とが好ましい。これは多孔質部材3Aを2つに折り込ん
だときに、コイル配線4X、4Yが外周部のコイル配線
を跨がなくなり、そのコイル配線4X、4Yの断線を防
げるからである。
【0062】図11に示す接着部材10はアンテナ体4
Bと左側の多孔質部材3Aとの間及び右側の多孔質部材
とICチップ4Aとの間に塗布することが好ましい。こ
の際の接着部材10には例えばエポキシ樹脂や反応型ホ
ットメルト樹脂などを使用する。
【0063】その後、図12において、例えば電子部品
4を配置固定した面を谷側にしてシート状の多孔質部材
3Aを2つに折り畳む。例えば、ICチップ4Aを接合
した右側の多孔質部材3Aを上部に起こして行き、境界
線L0を基準にしてそこから左側の多孔質部材3Aに重
なるように折り畳む。これにより、アンテナ体4Bの内
側の中央部にICチップ4Aが封入された状態となる。
このとき、コイル配線4X、4Yはアンテナ体4Bの内
側に余裕を持って配置され、そのコイル配線4X、4Y
の断線を防止できる。
【0064】その後、図13に示す電子部品4を折り込
んだ上部及び下部の多孔質部材3A間を接合する。この
際の接合には接着部材10を使用したり、熱融着法によ
り行なう。この熱融着法は多孔質部材3Aの上下から加
熱手段を局所(スポット)的に当てて加熱接合するもの
である。この例でスポット位置は2つ折りした谷側辺に
対向する辺に二ヶ所とその両側の辺の4箇所である。p
3は被区分マークであり、貼合処理のときに使用する。
これにより、図14に示す電子部品4を収納したシート
状のチップ収納シート3が完成する。完成後のチップ収
納シート3は図8に示すチップシート供給部8の送出軸
8Aにロール状に巻いて置く。
【0065】続いて、このチップ収納シート3を応用し
た4つの電子カード100の製造方法について説明をす
る。
【0066】第1の実施形態ではシート状の枠部材2の
内側に配置したチップ収納シート3を裏面シート1と表
面シート5との間に選択的に接着部材10A、10Bを
介在して貼合したシート状のカード集合体20を形成す
る場合について説明する。
【0067】この例では、裏面シート1は図8に示した
裏面シート供給部6の送出軸6Aに巻かれている。上述
したチップ収納シート3が同様にチップシート供給部8
の送出軸8Aに巻れており、更に、予め電子部品4の外
周領域とほぼ同じ大きさの開口部13を形成したシート
状の枠部材2が枠部材供給部7の送出軸7Aに巻かれて
いる。表面シート5は表面シート供給部9の送出軸9A
に巻かれている。これらの部材が準備されていることを
前提とする。
【0068】まず、図15Aにおいて、裏面シート供給
部6から繰り出した裏面シート1上にチップシート供給
部8から繰り出したチップ収納シート3を貼合する。こ
のチップ収納シート3は織物状又は不織布状の樹脂シー
トから成り、図14に示したチップ収納シート3の中に
は予めICチップ4A及びアンテナ体4Bなどの電子部
品4が収納されている。電子部品4にはチップコンデン
サなども含まれる。電子部品の厚みは450μm程度で
ある。ICチップ4Aの厚みは300μm程度であり、
アンテナ体4Bの厚みは300μm程である。アンテナ
体4Bは、例えば、直径0.1mm程度のウレタン線を
約50回程巻装したものである。このチップ収納シート
3の表面には接着部材10Aとして熱硬化性のエポキシ
樹脂が含浸される。
【0069】また、裏面シート1にはペンで書けるよう
な図16に示す筆記層12を有している。この裏面シー
ト1の端部にも予め位置合わせマークp0が印刷されて
いる。この位置合わせマークp0は1枚のカード領域毎
に形成されている。位置合わせマークp0は光学センサ
で検出できる反射率の低い黒色の線やブロックでもよい
が、磁気マークやスリットや孔でもよい。この位置合わ
せマークp0とチップ収納シート3の図示しない被区分
マークp3とを合わせるように貼合するとよい。
【0070】この例で、先に裏面シート1上にチップ収
納シート3を形成したのは、表面シート5を可能な限り
平坦化するためである。すなわち、枠部材2を先に裏面
シート1上に形成した場合には、チップ収納シート3を
長尺シート状としたために、この枠部材2上にチップ収
納シート3の余剰部分が覆うことになる。従って、わず
かであるがプレス後の枠部材2にチップ収納シート3が
接着部材10Aと共に厚みとなって残留する。この不均
一な厚みが表面シート5の平坦化の妨げとなる。これを
枠部材2の裏面側にもってくることで、表面シート5の
平坦化が図れる。
【0071】この裏面シート1上にチップ収納シート3
を形成した後に、図15Bにおいて、そのチップ収納シ
ート3上から枠部材2を貼合する。この例では、真空熱
プレス装置17が大版態様のものであれば、例えば搬送
方向に開口部13を3列に並べた枠部材2を使用する。
【0072】このシート状の枠部材2とチップ収納シー
ト3とは接着部材10Bとして熱硬化性の反応型ホット
メルト樹脂が含浸される。また、枠部材2には電子部品
4を1つづ収納できる大きさの図17に示す開口部13
が例えば搬送方向に連続して1つづつ開口されている。
この開口部13の大きさは、電気部品4の外周領域の大
きさに等しく、その厚みはその電子部品4の厚みにほぼ
等しい。しかも、シート状の枠部材2は耐水性及び耐薬
品性の樹脂材料を使用して形成されたものである。この
枠部材3には例えば反応型ホットメルト系やアクリル系
の熱硬化性の樹脂を予めシート状にし、この樹脂シート
に開口部3を打ち抜いたものを使用する。
【0073】その後、図15Cにおいて、シート状の枠
部材2及びその枠部材2の内側に配置したチップ収納シ
ート3上の全面に表面シート5を形成する。この表面シ
ート5には図18に示す所定の印刷領域に予め当該電子
カード100の利用者のための画像表示情報が印刷され
ている。この印刷領域を以後、画像表示領域Aという。
【0074】この例では表面シート5は、図18に示す
画像表示情報を搬送方向に連続して印刷した長尺のシー
ト状を有している。この表面シート5の端部には予め位
置合わせマークp0が印刷されている。表面シート5は
長尺シート状に限られくことはなく、予め所定の大きさ
に分割した表面シート5を使用してもよい。
【0075】なお、枠部材2及びチップ収納シート3上
に表面シート5を形成する際に、発泡性のウレタンシー
トを枠部材2の内側領域、すなわち、電子部品4の収納
領域と表面シート5との間に形成してもよい。このウレ
タンシートによって電子部品4による表面シート1など
をより一層保護できる。
【0076】その後は、従来方式と同様に加熱加圧処理
を行うと、図19に示すシート状のカード集合体20が
完成する。真空熱プレス装置17から排出されるカード
集合体20は完全に硬化していない、いわゆる半乾きの
状態である。この例では、枠部材2上からカード集合体
20を裁断して1単位の電子カードシートを形成する。
例えば、カード集合体20の画像表示領域A外に形成さ
れた位置合わせマークp0を基準にして長尺シート状の
カード集合体20が2つ以上に裁断される。
【0077】その後、電子カードシートが完全に硬化し
てからパンチング装置などによって打ち抜くことによ
り、1枚づつの電子カード100が得られる。図19に
示す斜線部分は電子部品4を保護するために形成された
枠部材2である。この枠部材2は、カード集合体20を
1枚の電子カード100に打ち抜いたときに、その電子
カード100の中央部分に比べて固い部分となるところ
である。上述の枠部材2を目標にして裁断すると、カー
ド集合体20を変形することなく裁断できる。たとえ、
接着部材10が完全に硬化していなくても、枠部材2の
ところをカットすれば、カードに歪みを与えることが極
めて少ない。
【0078】このように本実施の形態としての電子カー
ド100の製造方法によれば、予め所定の大きさの電子
部品4を多孔質のシート状の多孔質部材3AにICチッ
プ4Aとアンテナ体4Bとに展開して配置固定し、その
後、その電子部品4を固定した面を谷側にしてその多孔
質部材3Aを2つに折り畳んだ上部及び下部の多孔質部
材3A間を接着部材10などによって接合している。
【0079】従って、上部及び下部の多孔質部材3Aの
一端が相互に共通となって、アンテナ体4Bの内側に、
ICチップ4Aを自己整合的に封入できるので、ICチ
ップ4Aやアンテナ体4Bを封入したチップ収納シート
3の形成工程を簡略化することができる。これと共に、
従来方式のように上部及び下部の多孔質部材を別々に準
備する必要がないので、その部品点数を少なくすること
ができる。また、シート状の多孔質の多孔質部材を効率
良く使用することができる。
【0080】更に、この例では電子部品4が収納された
多孔質のチップ収納シート3の外周領域に、その電子部
品4の厚みにほぼ等しく、かつ、耐水性及び耐薬品性の
樹脂材料から成る枠部材2が形成され、その後、枠部材
2、チップ収納シート3を含むその裏面シート1上の全
面に例えば、接着部材10Bとして熱硬化性の樹脂を表
面シート5を貼合している。
【0081】従って、電子部品4を収納したチップ収納
シート3の周縁部を枠部材2によって強化できるので、
耐吸水性及び耐腐食性に優れ、はがれに強く、しかも、
カード厚みが極めて薄い電子カード100を製造するこ
とができる。
【0082】なお、この例では、裏面シート1上にチッ
プ収納シート3を先に形成する場合について説明した
が、これに限られることはなく、図20Aに示す裏面シ
ート1上に先に枠部材2を形成し、その後、図20Bに
示す枠部材2上にチップ収納シート3を形成し、その図
20Cに示す枠部材2及びチップ収納シート3上に表面
シート5を形成してもよい。この形成方法によっても、
チップ収納シート3の周縁部を枠部材2によって強化で
きるので、耐吸水性及び耐腐食性に優れ、はがれに強
く、しかも、カード厚みが極めて薄い電子カード100
を製造することができる。
【0083】この実施形態では枠部材2に反応型ホット
メルト樹脂を使用する場合について説明したが、これに
限られることはなく、枠部材2もカードの中央部(チッ
プ収納シート3)も全てこの反応型ホットメルト樹脂を
使用して貼合してもよい。この接着部材10としての反
応型ホットメルト樹脂は本発明者らが実験して得られた
データによれば、平坦性の維持も含めて、薄カード化に
好適である。
【0084】また、本実施の形態のように、電子部品4
を囲んだ枠部材2を裏面シート1及び表面シート5とに
より反応型ホットメルト樹脂を用いて貼合したサンドイ
ッチ構造の電子カード100によれば、カード端面から
の水分の浸透による影響も極めて少なくなる利点もあ
る。
【0085】(2)第2の実施形態 図21A〜図21Cは第2の実施形態としての電子カー
ド100の製造方法を示す形成工程例の断面図である。
図22はその形成工程例を補足するチップ収納シート3
の接着部材の塗布例を示す上面図である。この例では、
接着部材の化学的及び物理的な特性の違いを利用して枠
部材2をチップ収納シート3の封入工程でリアルタイム
に同時に形成するものである。
【0086】例えば、図21Aにおいて、裏面シート1
上にチップ収納シート3を形成する。その後、図21B
で化学的及び物理的な特性の異なった2種類の接着部材
をチップ収納シート3の領域上で選択的に含浸させる。
この例では、図22に示す波線の内側の電気部品4の収
納領域の接着部材10Aに対して化学的及び物理的な特
性の異なった熱硬化性の接着部材10Bをそのチップ収
納シート3の外周部に含浸する。このチップ収納シート
3の外周部は、枠体として機能させようとする領域であ
り、この領域には、耐水性及び耐薬品性の樹脂材料を形
成する。この樹脂材料にはホットメルト系などの熱硬化
性の樹脂を使用する。
【0087】その後、図21Cに示す表面シート5をチ
ップ収納シート3上に貼合した後にその樹脂材料を熱処
理して硬化する。この熱処理は真空熱プレス装置17に
よってプレス処理と同時に行なう。この加熱貼合処理に
よってカード中央部に比べてカード周辺部の接着部材が
枠体10Cのように硬くなる。
【0088】このように本実施の形態によれば、第1の
実施形態と同様に2つ折りしたチップ収納シート3が使
用され、枠部材2を使用しなくても、電子部品4を収納
したチップ収納シート3の周縁部を熱硬化後の接着部材
による枠体10Cによって強化できるので、耐吸水性及
び耐腐食性に優れ、はがれに強く、しかも、第1の実施
形態に比べてカード厚みが極めて薄い電子カード100
を製造することができる。
【0089】(3)第3の実施形態 図23A〜図23Cは第3の実施形態としての電子カー
ド100の製造方法を示す形成工程例の断面図である。
この例では、紫外線によって硬化する樹脂を使用してリ
アルタイムに裏面シート1上に枠部材2を形成するもの
である。
【0090】例えば、図23Aにおいて、裏面シート1
上にチップ収納シート3を形成する。その後、図23B
で紫外線によって硬化する樹脂10Dをチップ収納シー
ト3に含浸させる。この樹脂10Dには、耐水性及び耐
薬品性の樹脂材料を使用するとよい。樹脂材料には、エ
ポキシ系又はアクリル系の樹脂が好ましい。
【0091】その後、図23Cにおいて、その樹脂10
Dに紫外線を照射して枠部材2を形成する。その後、樹
脂10Dを熱処理して硬化する。この熱処理は真空熱プ
レス装置17によって、上述した裏面シート1、チップ
収納シート3及び表面シート5を加熱貼合処理する。こ
の加熱貼合処理によってカード中央部に比べてカード周
辺部が枠体のように硬くなる。
【0092】このように本実施の形態によれば、第2の
実施形態と同様に、2つ折りしたチップ収納シート3が
使用され、枠部材2を使用しなくても、電子部品4を収
納したチップ収納シート3の周縁部を熱硬化後の接着部
材によって時間経過と共に強化できるので、耐吸水性及
び耐腐食性に優れ、はがれに強く、しかも、第1の実施
形態に比べてカード厚みが極めて薄い電子カード100
を製造することができる。
【0093】(4)第4の実施形態 図24は第4の実施形態に係る電子カード100’の製
造方法を示す組み立て図である。この実施の形態では裏
面シート1’と表面シート5’とを1枚の部材に印刷
し、これを2つ折りしてチップ収納シート3を挟み込む
ようにしたものである。
【0094】まず、第1の実施形態で説明した多孔質部
材3Aを2つ折りして電子部品4を挟んだチップ収納シ
ート3を準備し、そのチップ収納シート3を外装用の部
材としての印刷部材60上に配置して固定する。この印
刷部材60は裏面シート1’と表面シート5’とが展開
された状態で、1枚にまとめた大きさのシート状を成
し、例えばその左側に筆記層12が施され、その右側に
は画像表示情報が印刷されている。このような印刷部材
60を予め準備し、この印刷部材60を2つ折りにして
使用する。
【0095】例えば、チップ収納シート3の開口部側の
辺が印刷部材60の谷側に向くようにして、その印刷部
材60を2つに折り畳み、そのチップ収納シート3を挟
み込む。その後、チップ収納シート3が挟み込まれた印
刷部材60間を接合する。これにより、電子部品4を封
入した電子カード100’を形成することができる。こ
の実施形態では、裏面シート1及び表面シート5となる
印刷部材60の一端が相互に共通となって、チップ収納
シート3の開口部側の辺を覆うことができる。従って、
2つ折りした谷側の辺に対向する辺の端部と、その両側
の辺の端部の3箇所のみに耐吸水及び耐薬品処理を施せ
ば済む。
【0096】これにより、第1〜第3の実施形態のよう
に裏面シート1及び表面シート5を別々に準備する必要
がないので、その部品点数を少なくすることができる。
また、シート状の印刷部材60を効率良く使用すること
ができる。第1〜第3の実施形態に比べてより一層、電
子カード100’の形成工程を簡略化することができ
る。
【0097】(5)第5の実施形態 図25〜図28は第5の実施形態としてのチップ収納シ
ート(電子部品収納体)3’の製造方法に関する形成工
程例を示す図である。図25はその形成工程例(その
1)を示す展開図、図26はB1−B2の矢視断面図、
図27はその折り畳み時の形成工程例(その2)を示す
正面図、図28はその折り畳み後の形成工程例(その
3)を示す正面図である。
【0098】この例では、上述した電子カード100や
100’を製造するときに、ICチップ4Aから延在し
た配線と、アンテナ体4Bから延在したコイル配線とを
積層構造の接点を介在して接続したチップ収納シート
3’を使用するものである。
【0099】そのためにチップ収納シート3’を形成す
る。まず、図25において、所定の大きさのシート状の
多孔質部材3A’に電子部品4を配置して固定する。こ
の例でも、多孔質部材3A’には、発泡性の樹脂シー
ト、可撓性の樹脂シート、多孔性の樹脂シート又は不織
布シートを使用する。 多孔質の部材3A’の大きさは
完成後の電子カード100の短辺の長さの約2倍の幅を
有したものを使用する。図25に示す破線は折り込みを
予定する境界線L0である。
【0100】この電子部品4としてのICチップ4Aは
配線4C、4Dを有しており、この配線4C、4Dが第
1の接点としての平面状のパッド電極4E、4Fに接続
される。一方、アンテナ体4Bはコイル配線4X、4Y
を有しており、このコイル配線4X、4Yが第2の接点
としてのパッド電極4G、4Hに接続される。この例で
は、配線4C、4DにはICチップ4Aの引き出し電極
になじみ易いAu線を用い、コイル配線4X、4Yには
ウレタン線を使用する。この例ではアンテナ体4Bを左
側に配置し、その右側にICチップ4Aを配置する。も
ちろん、パッド電極4E、4Fとパッド電極4G、4H
とが多孔質部材3A’を2つに折り畳んだときに重なる
位置に、ICチップ4Aとアンテナ体4Bとを配置す
る。各々のパッド電極4E〜4Hの接点面には予めはん
だメッキを施して置く。
【0101】図26に示す接着部材10はアンテナ体4
B及びパッド電極4Hなどと左側の多孔質部材3A’と
の間及び右側の多孔質部材3A’とICチップ4A及び
パッド電極4Fなどとの間に塗布することが好ましい。
この際の接着部材10には例えばエポキシ樹脂や反応型
ホットメルト樹脂などを使用する。
【0102】その後、図27において、パッド電極4
E、4Fとパッド電極4G、4Hとを位置合わせしなが
ら、電子部品4を配置固定した面を谷側にしてシート状
の多孔質部材3A’を2つに折り畳む。例えば、ICチ
ップ4Aを接合した右側の多孔質部材3A’を上部に起
こして行き、境界線L0を基準にしてそこから左側の多
孔質部材3A’に重なるように折り畳む。これにより、
パッド電極4Eがパッド電極4Gに積層され、パッド電
極4Fがパッド電極4Hに積層された状態で、アンテナ
体4Bの内側の中央部にICチップ4Aが封入された状
態となる。各電極4E〜4Hはスポット溶接などを用い
てはんだ付けする。
【0103】その後、図28に示す電子部品4を折り込
んだ上部及び下部の多孔質部材3A’間を接合する。こ
の際の接合には接着部材10を使用したり、熱融着法に
より行なう。この熱融着法は多孔質部材3A’の上下か
ら加熱手段を局所(スポット)的に当てて加熱接合する
ものである。この例でスポット位置は2つ折りした谷側
辺に対向する辺に二ヶ所とその両側の辺の4箇所であ
る。これにより、電子部品4を収納したチップ収納シー
ト3’が完成する。完成後のチップ収納シート3’は図
8に示したチップシート供給部8の送出軸8Aなどにロ
ール状に巻いて置く。
【0104】このように第5の実施形態としての電子部
品収納体の製造方法によれば、ICチップ4Aとアンテ
ナ体4Bとを別々に取り扱うことができ、多孔質部材3
A’を2つ折りしたときに自己整合的に、パッド電極4
Eとパッド電極4Gとを、また、パッド電極4Fとパッ
ド電極4Hとを接合することができる。また、ICチッ
プ4Aに至る配線4C、4Dの材料と、アンテナ体4B
のコイル材料とを異種のものを使用することができる。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電子カー
ドによれば電子部品を配置固定した面を谷側にして2つ
に折り畳まれた封入構造を有する収納部材が基板用の部
材と表面用の部材間に設けられる。
【0106】この構成によって、接着性の良い多孔質部
材を効率良く使用した非接触式のICカードを提供でき
ると共に、そのコストダウンを図ることができる。
【0107】また、本発明の電子カード及び電子部品収
納体の製造方法によれば、予め所定の大きさの電子部品
をシート状の多孔質部材上に配置した後に、その電子部
品を配置した面を谷側にして2つに折り畳んだ上部及び
下部の多孔質部材間を接合している。
【0108】この構成によって、上部及び下部の多孔質
部材の一端が相互に共通となるので、電子部品を封入し
た収納部材を形成する工程を簡略化することができる。
これと共に、従来方式のように上部及び下部の多孔質部
材を別々に準備する必要がないので、その部品点数を少
なくすることができる。また、シート状の多孔質の収納
部材を効率良く使用することができ、電子部品収納体を
単独で取り扱うことができる。
【0109】この発明はキャッシュカード、顔写真の入
った従業者証、社員証、会員証、学生証、外国人登録証
及び各種運転免許証などの非接触式のICカード及びそ
の製造方法に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実施の形態としての電子カード100の積層
構造例を示す斜視図である。
【図2】そのチップ収納シート3の構造例を示す一部断
面を含む斜視図である。
【図3】その他のチップ収納シート3’の構造例を示す
一部断面を含む斜視図である。
【図4】電子カード100の表面シート5の積層構造例
を示す断面図である。
【図5】その裏面シート1の積層構造例を示す断面図で
ある。
【図6】電子カード100の枠部材2とICチップ4A
との厚みの関係例を示す断面図である。
【図7】電子カード100の電子部品4を囲んだ枠部材
2の状態例を示す一部断面の上面図である。
【図8】電子カード製造装置200の構成例を示す斜視
図である。
【図9】電子カード製造装置の200の制御システム例
を示すブロック図である。
【図10】各実施形態で使用するチップ収納シート3の
形成工程例(その1)を示す上面図である。
【図11】図10に示すチップ収納シート3のA1−A
2の矢視断面図である。
【図12】チップ収納シート3の形成工程例(その2)
を示す正面図である。
【図13】チップ収納シート3の形成工程例(その3)
を示す正面図である。
【図14】チップ収納シート3の形成工程例(その4)
を示す上面図である。
【図15】A〜Cは、第1の実施形態としての電子カー
ド100の製造方法の形成工程例を示す断面図である。
【図16】その裏面シート1の印刷例を示す上面図であ
る。
【図17】シート状の枠部材2の構成例を示す上面図で
ある。
【図18】その表面シート5の印刷例を示す上面図であ
る。
【図19】加熱貼合後のカード集合体20の裁断例を示
す上面図である。
【図20】A〜Cは、電子カード100の他の形成工程
例を示す断面図である。
【図21】A〜Cは、第2の実施形態としての電子カー
ド100の製造方法の形成工程例を示す断面図である。
【図22】そのチップ収納シート3の熱硬化性の樹脂の
塗布例を示す上面図である。
【図23】A〜Cは、第3の実施形態としての電子カー
ド100の製造方法の形成工程例を示す断面図である。
【図24】第4の実施形態としての電子カード100の
製造方法を示す組み立て図である。
【図25】第5の実施形態としてのチップ収納シート
3’の形成工程例(その1)を示す上面図である。
【図26】図10に示すチップ収納シート3’のB1−
B2の矢視断面図である。
【図27】チップ収納シート3’の形成工程例(その
2)を示す正面図である。
【図28】チップ収納シート3’の形成工程例(その
3)を示す正面図である。
【符号の説明】
1 裏面シート(基板用の部材) 2 枠部材 3,3’ チップ収納シート(収納部材) 3A,3A’ 多孔質部材(多孔質の部材) 4 電子部品 4A ICチップ 4B アンテナ体 5 表面シート(表面用の部材) 10,10A,10B 接着部材 13 開口部 17 真空熱プレス装置 20 カード集合体 60 印刷部材 70 制御装置 100、100’ 電子カード 200 電子カード製造装置

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板用の部材と、 前記基板用の部材上の外周領域に設けられた枠部材と、 電子部品を収納して前記基板用の部材上の枠部材の内側
    に設けられた多孔質の収納部材と、 前記基板用の部材上の全面に接着部材を介在して前記収
    納部材を封入し貼合された表面用の部材とを備え、 少なくとも、前記収納部材は電子部品を配置固定した面
    を谷側にして2つに折り畳まれた封入構造を有している
    ことを特徴とする電子カード。
  2. 【請求項2】 前記表面用の部材は、当該カードの利用
    者の顔写真を形成するための受像層を有していることを
    特徴とする請求項1記載の電子カード。
  3. 【請求項3】 前記電子部品は、当該電子カードの利用
    者の情報を電気的に記憶するICチップ及び該ICチッ
    プに接続されたコイル状のアンテナ体であることを特徴
    とする請求項1記載の電子カード。
  4. 【請求項4】 前記電子部品は、ICチップから延在し
    た配線と、アンテナ体から延在した配線とが積層構造の
    接点を介在して接続されていることを特徴とする請求項
    1記載の電子カード。
  5. 【請求項5】 所定の大きさの電子部品をシート状の多
    孔質の部材に配置して固定する工程と、 前記電子部品を配置固定した面を谷側にして前記多孔質
    の部材を2つに折り畳む工程と、 前記電子部品を折り込んだ上部及び下部の多孔質の部材
    間を接合することにより、前記電子部品を封入したシー
    ト状の収納部材を形成する工程とを有することを特徴と
    する電子部品収納体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記電子部品は、当該カードの利用者の
    固体情報を電気的に処理するICチップ及び該ICチッ
    プに接続されたコイル状のアンテナ体であることを特徴
    とする請求項5記載の電子部品収納体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記多孔質の部材上で前記電子部品をI
    Cチップとアンテナ体とに展開して固定し、その後、前
    記電子部品を固定した面を谷側にして前記多孔質の部材
    を2つに折り畳んだときに、 前記アンテナ体の内側に前記ICチップが封入されるよ
    うにしたことを特徴とする請求項5記載の電子部品収納
    体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記電子部品に第1の接点を有したIC
    チップと、第2の接点を有したアンテナ体とが設けら
    れ、 前記多孔質のシート状の部材で前記電子部品をICチッ
    プとアンテナ体とに展開して配置固定し、その後、前記
    電子部品を固定した面を谷側にして前記シート状の部材
    を2つに折り畳んだときに、 前記アンテナ体の内側に前記ICチップが封入されると
    共に、前記第1及び第2の接点とを積層するようにした
    ことを特徴とする請求項5記載の電子部品収納体の製造
    方法。
  9. 【請求項9】前記多孔質のシート状の部材には、発泡性
    の樹脂シート、可撓性の樹脂シート、多孔性の樹脂シー
    ト又は不織布シートを使用することを特徴とする請求項
    5記載の電子部品収納体の製造方法。
  10. 【請求項10】 所定の大きさの電子部品をシート状の
    多孔質の部材に配置して固定する工程と、 前記電子部品を配置固定した面を谷側にして前記多孔質
    の部材を2つに折り畳む工程と、 前記電子部品を折り込んだ上部及び下部の多孔質の部材
    間を接合することにより、前記電子部品を封入したシー
    ト状の電子部品収納体を形成する工程とを有することを
    特徴とする電子カードの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記収納部材の外周領域とほぼ同じ大
    きさの開口部を有した枠部材を基板用の部材上に形成す
    る工程と、 前記基板用の部材上に形成された枠部材の開口部の内側
    に前記収納部材を配置する工程と、 前記収納部材を配置した基板用の部材上の全面に表面用
    の部材を形成する工程とを有することを特徴とする請求
    項10記載の電子カードの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記枠部材には前記電子部品の厚みに
    ほぼ等しいか、もしくは該電子部品よりも厚く、かつ、
    耐水性及び耐薬品性の樹脂材料を使用することを特徴と
    する請求項10記載の電子カードの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記枠部材には反応型ホットメルト樹
    脂又はエポキシ樹脂を使用することを特徴とする請求項
    10記載の電子カードの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記枠部材は、 前記収納部材の外周領域に耐水性及び耐薬品性の樹脂材
    料を形成した後に、前記樹脂材料を熱処理して硬化させ
    ることを特徴とする請求項10記載の電子カードの製造
    方法。
  15. 【請求項15】 前記表面用の部材と前記基板用の部材
    と前記収納部材とを熱硬化性の接着部材で接合すること
    を特徴とする請求項10記載の電子カードの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記収納部材の接着部材に対して化学
    的及び物理的な特性の異なった熱硬化性の接着部材を使
    用して前記枠部材を形成することを特徴とする請求項1
    0記載の電子カードの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記収納部材にはエポキシ樹脂を含浸
    させ、前記収納部材の枠部材には反応型ホットメルト樹
    脂を塗布することを特徴とする請求項10記載の電子カ
    ードの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記枠部材には、紫外線によって硬化
    する樹脂を塗布し、その後、前記樹脂に紫外線を照射す
    ることを特徴とする請求項10記載の電子カードの製造
    方法。
  19. 【請求項19】 前記基板用の部材と前記表面用の部材
    との間に前記収納部材を接着部材を介在して貼合した長
    尺シート状のカード集合体を形成することを特徴とする
    請求項10記載の電子カードの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記長尺シート状のカード集合体を形
    成するときに、 前記収納部材を配置するために複数の開口部を有したシ
    ート状の枠部材を使用することを特徴とする請求項10
    記載の電子カードの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記カード集合体を枠部材上から打ち
    抜いて1枚ずつ電子カードを形成することを特徴とする
    請求項19記載の電子カードの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記電子部品収納体を使用して電子カ
    ードを製造する場合であって、 前記電子部品収納体が挟み込める大きさで、しかも、予
    め裏面用と表面用とを展開した外装用の部材を形成する
    工程と、 前記外装用の部材上に、前記電子部品収納体を配置して
    固定する工程と、 前記電子部品収納体を固定した面を谷側にして前記外装
    用の部材を2つに折り畳む工程と、 前記外装用の部材間を接合する工程とを有することを特
    徴とする請求項10記載の電子カードの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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