JP2000211278A - 受像層付きカ―ド、その製造装置及びその製造方法 - Google Patents

受像層付きカ―ド、その製造装置及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000211278A
JP2000211278A JP1826999A JP1826999A JP2000211278A JP 2000211278 A JP2000211278 A JP 2000211278A JP 1826999 A JP1826999 A JP 1826999A JP 1826999 A JP1826999 A JP 1826999A JP 2000211278 A JP2000211278 A JP 2000211278A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
card
electronic component
receiving layer
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1826999A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayoshi Yamauchi
正好 山内
Takao Tsuda
隆夫 津田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP1826999A priority Critical patent/JP2000211278A/ja
Publication of JP2000211278A publication Critical patent/JP2000211278A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 顔画像を感熱転写するために予め形成された
受像層表面にシワや凹凸が発生することなく、しかも、
カード厚みが薄くかつ均等な厚みの顔画像入り非接触式
ICカードなどを提供できるようにする。 【解決手段】 裏面シート1と、この裏面シート1上に
設けられたカード用の電子部品4と、この電子部品4を
封入するための受像層付きの表面シート5とを備え、少
なくとも、裏面シート1と表面シート5と電子部品4と
を接着シート10A、10Bを介在して所定の加工温度
条件の下に貼り合わせた積層構造を有し、その貼合後の
電子部品4の上下層の接着シート 10A、10Bの厚
みがその電子部品4の厚みの30%以上に規定されたも
のである。この構造によって、電子部品4の表面と表面
シート5との間及び電子部品4の裏面と裏面シート1と
の間の接着層の厚みを均一にすることができ、しかも、
耐熱温度が高い受像層付きカードを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は顔写真の入った、
キャッシュカード、従業者証、社員証、会員証、学生
証、外国人登録証及び各種運転免許証などの非接触式の
顔画像入りICカードに適用して好適な受像層付きカー
ド、その製造装置及びその製造方法に関する。
【0002】詳しくは、第1のシート部材と、感熱転写
により画像が形成される受像層を有した第2のシート部
材とを接着部材を介在して貼り合わせるカード作成方式
において、その接着部材の厚みとカード用の電子部品の
厚みとの関係を規定することにより、その受像層にシワ
が発生することなく、しかも、カード厚みが薄くしかも
均等な厚みの顔画像入り非接触式ICカードなどを提供
できるようにしたものである。
【0003】
【従来の技術】近年、ICチップやアンテナ体を樹脂カ
ードに封入したICカードが提案されている。この種の
ICカードは非接触式であるため、情報入出力用の端子
が設けられていない。従って、情報は特定の変調電波に
してアンテナ体で受信し、ICチップで復調してメモリ
などに書き込んだり、そこから読み出すようにして使用
される。
【0004】この非接触式のICカードに関しては、例
えば、技術文献である特開平9−275184号公報に
「情報担体及びその製造方法」として開示されている。
この技術文献によれば、織物状の補強体(以下収納部材
ともいう)中にICチップやアンテナ体などの電子部品
を収納し、接着部材を介在して上下のカバーシートで貼
合することによりICカードを形成している。これによ
り、ICカード自体を薄く形成することができる。
【0005】ところで、この種のICカードでは第2の
シート部材に印刷部材が使用され、当該カードの利用分
野に関する、例えば「○○○従業者証」、「氏名」、
「発行日」・・・などの画像表示情報が印刷される場合
が多い。この印刷部材には当該カードの利用者の顔写真
を形成するための受像層が設けられる。顔写真などはサ
ーマルヘッドを用いた昇華感熱転写、溶融熱転写、ある
いは、インクジェット手段を使用して形成される。この
ICカードの第1のシート部材となる裏面シートにはペ
ンで書ける筆記層などが設けられる場合もある。
【0006】従って、キャッシュカード、従業者証、社
員証、会員証、学生証、外国人登録証及び各種運転免許
証などを大量生産する場合には、画像表示情報が印刷さ
れた第2のシート部材や、電子部品を収納した収納部
材、筆記層を有した第1のシート部材が長尺シート状に
して使用される場合が多い。もちろん、10枚、20枚
といったカードを大版のシートを用いて製造する場合も
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、キャッ
シュカード、従業者証、社員証、会員証、学生証、外国
人登録証及び各種運転免許証などの大量生産の要求に対
して、長尺シート状や大版のシート状の第1のシート部
材と収納部材と第2のシート部材とを二液混合タイプの
エポキシ樹脂などの接着部材により貼合する方法を採る
と、カード表面が凸凹状になるおそれがある。この凹凸
状によってカードの平坦性が悪くなり、均一な厚みのI
Cカードの製造の妨げとなる。
【0008】この平坦性の問題に対しては、貼り合わせ
加工前では固体状を有しているが、熱を加えることによ
り溶融する、貼合加工が可能であり、貼合後に接着剤が
硬化し耐熱温度が上がる反応型ホットメルト接着剤を用
いてカード加工することにより、表面に凹凸のないカー
ドを作成することができる。
【0009】その反面、表面用シートに予め顔画像を感
熱転写するための受像層が形成されている場合には、接
着剤の厚みに関して電子部品の厚みに対し何等の規定を
設けることなく接着剤を塗工すると、受像層表面にシワ
や凹凸が発生する。
【0010】一般に、反応型ホットメルト樹脂は、カー
ド端面から、及び上下シートを通して空気中の水分を吸
収して硬化するが、電子部品の厚みに対して何等の規定
を設けることなくホットメルト接着剤を厚く塗工する
と、カード端面とカード中央部とで接着剤を均一に硬化
させることができない。しかも、貼合後からホットメル
ト接着剤が完全硬化終了するまでの硬化時間が長くな
る。従って、カード内部への水分の伝達が不均一になっ
てカード厚が不均一になったり、受像層の凹凸状によっ
て転写画像が歪んでしまって、顔画像入り非接触式IC
カードなどの信頼性が低下するという問題がある。
【0011】そこで、この発明は上述した課題を解決し
たものであって、顔画像を感熱転写するために予め形成
された受像層表面にシワや凹凸が発生することなく、し
かも、カード厚みが薄くしかも均等な厚みの顔画像入り
非接触式ICカードなどを提供できるようにした受像層
付きカード、その製造装置及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明の受像層付きカードは、第1のシート部材
と、当該カード利用者の顔画像が熱転写される受像層を
有した第2のシート部材と、第1のシート部材とその第
2のシート部材との間に設けられた所定の厚みのカード
用の電子部品とを備え、少なくとも、第1のシート部材
と第2のシート部材と電子部品とを反応型ホットメルト
樹脂による接着部材を介在して貼り合わせた積層構造を
有し、貼付後の電子部品の上下層の接着部材の厚みがそ
の電子部品の厚みの30%以上に規定されたことを特徴
とするものである。
【0013】本発明の受像層付きカードによれば、カー
ド用の電子部品の厚みの30%以上の厚みに規定された
反応型ホットメルト樹脂による接着部材が、その電子部
品の上下層に残留するように、第1のシート部材と受像
層付き第2のシート部材と電子部品とが貼り合わされた
積層構造を成している。
【0014】例えば、電子部品の厚みをL1とし、貼合
後の反応型ホットメルト樹脂の上層の厚みをL2とし、
その反応型ホットメルト樹脂の下層の厚みをL3とした
ときに、0.3・L1≦L2及び0.3・L1≦L3を
満たす場合であって、その貼合後の電子部品の厚みL1
及びその電子部品の上層の反応型ホットメルト樹脂の厚
みL2と、その電子部品の下層の反応型ホットメルト樹
脂の厚みL3の総厚をL0としたときに、L0=L1+
L2+L3であって、L0≦600μmに規定される。
【0015】従って、貼合後の電子部品の上下層の反応
型ホットメルト樹脂と、電子部品を覆わない部分の反応
型ホットメルト樹脂とによる凹凸状を抑制できるので、
第2のシート部材の厚みをパラメータとしたときに、反
応型ホットメルト樹脂の厚みを電子部品の厚みの30%
未満に規定したカードに比べて、受像層表面にシワや凹
凸が発生することなく、しかも、カード厚みが薄くかつ
均等な厚みの受像層付きカードを提供することができ
る。
【0016】本発明の受像層付きカードの第1の製造装
置は、第1のシート部材を供給する第1の供給手段と、
その第1の供給手段による第1のシート部材上に薄シー
ト状の第1の接着部材を供給する第2の供給手段と、そ
の第2の供給手段による第1の接着部材上にカード用の
電子部品を供給する第3の供給手段と、その第3の供給
手段による電子部品上に薄シート状の第2の接着部材を
供給する第4の供給手段と、その第4の供給手段による
第2の接着部材上に受像層付きの第2のシート部材を供
給する第5の供給手段と、その第1の接着部材によって
その第1のシート部材と電子部品の一方の面とを貼合す
ると共に、その第2の接着部材によってその電子部品の
他方の面と第2のシート部材とを所定の加工温度条件の
下に貼合する貼合手段とを備え、貼合後の電子部品の上
下層の接着部材の厚みがその電子部品の厚みの30%以
上に規定されたことを特徴とするものである。
【0017】本発明の受像層付きカードの第1の製造装
置によれば、カード用の電子部品の厚みの30%以上の
厚みに規定された反応型ホットメルト樹脂による接着部
材が、その電子部品の上下層に残留するように、第1の
シート部材と受像層付き第2のシート部材と電子部品と
が貼合手段によって貼り合わされる。
【0018】例えば、電子部品の厚みをL1とし、貼合
後の反応型ホットメルト樹脂の第1の接着部材の厚みを
L2とし、その反応型ホットメルト樹脂の第2の接着部
材の厚みをL3としたときに、0.3・L1≦L2及び
0.3・L1≦L3であって、その貼合後の電子部品の
厚みL1及びその電子部品の上層の反応型ホットメルト
樹脂の厚みL2と、その電子部品の下層の反応型ホット
メルト樹脂の厚みL3の総厚をL0としたときに、L0
=L1+L2+L3であって、L0≦600μmに規定
される。
【0019】従って、貼合後の電子部品の上下層の反応
型ホットメルト樹脂と、電子部品を覆わない部分の反応
型ホットメルト樹脂とによる凹凸状を抑制できるので、
少なくとも、第2のシート部材の厚みをパラメータとし
たときに、反応型ホットメルト樹脂の厚みを電子部品の
厚みの30%未満に規定したカードに比べて、受像層表
面にシワや凹凸が発生することなく、しかも、カード厚
みが薄くかつ均等な厚みの受像層付きカードを提供する
ことができる。
【0020】本発明の受像層付きカードの第2の製造装
置は、接着剤付きの第1のシート部材を供給する第1の
供給手段と、その第1の供給手段による接着剤付きの第
1のシート部材の上に、カード用の電子部品を供給する
第2の供給手段と、その第2の供給手段による電子部品
上に受像層付きの接着剤付き第2のシート部材を供給す
る第3の供給手段と、その接着剤付きの第1のシート部
材と電子部品の一方の面とを貼合すると共に、その電子
部品の他方の面と受像層付きの接着剤付き第2のシート
部材とを所定の加工温度条件の下に貼合する貼合手段と
を備え、貼合後の電子部品の上下層の接着剤の厚みがそ
の電子部品の厚みの30%以上に規定されたことを特徴
とするものである。
【0021】本発明の受像層付きカードの第2の製造装
置によれば、カード用の電子部品の厚みの30%以上の
厚みに規定された反応型ホットメルト樹脂による接着部
材が、その電子部品の上下層に残留するように、接着剤
付きの第1のシート部材と受像層付きの接着剤付き第2
のシート部材と電子部品とが貼合手段によって貼り合わ
される。
【0022】例えば、電子部品の厚みをL1とし、貼合
後の反応型ホットメルト樹脂の上層の接着剤の厚みをL
2とし、その反応型ホットメルト樹脂の下層の接着剤の
厚みをL3としたときに、0.3・L1≦L2及び0.
3・L1≦L3であって、その貼合後の電子部品の厚み
L1及びその電子部品の上層の反応型ホットメルト樹脂
の厚みL2と、その電子部品の下層の反応型ホットメル
ト樹脂の厚みL3の総厚をL0としたときに、L0=L
1+L2+L3であって、L0≦600μmに規定され
る。
【0023】従って、貼合後の電子部品を覆う上層の反
応型ホットメルト樹脂と、電子部品を覆わない部分の反
応型ホットメルト樹脂とによる凹凸状を抑制できるの
で、少なくとも、受像付きの接着剤付き第2のシート部
材の厚みをパラメータとしたときに、反応型ホットメル
ト樹脂の厚みを電子部品の厚みの30%未満に規定した
カードに比べて、受像層表面にシワや凹凸が発生するこ
となく、しかも、カード厚みが薄くかつ均等な厚みの受
像層付きカードを提供することができる。
【0024】本発明の受像層付きカードの第3の製造装
置は、第1のシート部材を供給する第1の供給手段と、
その第1の供給手段による第1のシート部材上に薄シー
ト状の第1の接着部材を供給する第2の供給手段と、そ
の第2の供給手段による第1の接着部材上にカード用の
電子部品を収納した収納部材を供給する第3の供給手段
と、その第3の供給手段による収納部材上に薄シート状
の第2の接着部材を供給する第4の供給手段と、その第
4の供給手段による第2の接着部材上に受像層付きの第
2のシート部材を供給する第5の供給手段と、その第1
の接着部材によってその第1のシート部材と収納部材の
一方の面とを貼合すると共に、その第2の接着部材によ
ってその収納部材の他方の面と受像層付きの第2のシー
ト部材とを所定の加工温度条件の下に貼合する貼合手段
とを備え、貼合後の電子部品の上下層の接着部材の厚み
がその電子部品の厚みの30%以上に規定されたことを
特徴とするものである。
【0025】本発明の受像層付きカードの第3の製造装
置によれば、カード用の電子部品の厚みの30%以上の
厚みに規定された反応型ホットメルト樹脂による接着部
材が、その電子部品の上下層に残留するように、貼合手
段により、第1のシート部材と収納部材の一方の面とが
第1の接着部材によって貼合されると共に、収納部材の
他方の面と受像層付きの第2のシート部材とが第2の接
着部材によって貼り合わされる。
【0026】例えば、電子部品の厚みをL1とし、貼合
後の反応型ホットメルト樹脂の第1の接着部材の厚みを
L2とし、その反応型ホットメルト樹脂の第2の接着部
材の厚みをL3としたときに、0.3・L1≦L2及び
0.3・L1≦L3であって、その貼合後の電子部品の
厚みL1及びその電子部品の上層の反応型ホットメルト
樹脂の厚みL2と、その電子部品の下層の反応型ホット
メルト樹脂の厚みL3の総厚をL0としたときに、L0
=L1+L2+L3であって、L0≦600μmに規定
される。
【0027】従って、貼合後の電子部品を覆う上層の反
応型ホットメルト樹脂と、電子部品を覆わない部分の反
応型ホットメルト樹脂とによる凹凸状を抑制できるの
で、少なくとも、受像付きの接着剤付き第2のシート部
材の厚みをパラメータとしたときに、反応型ホットメル
ト樹脂の厚みを電子部品の厚みの30%未満に規定した
カードに比べて、受像層表面にシワや凹凸が発生するこ
となく、しかも、カード厚みが薄くかつ均等な厚みの受
像層付きカードを提供することができる。
【0028】本発明の受像層付きカードの製造方法は、
第1のシート部材を形成する工程と、当該カード利用者
の顔画像を熱転写するための受像層を第2のシート部材
に形成する工程と、第1のシート部材と、その受像層が
形成された第2のシート部材との間に所定の厚みのカー
ド用の電子部品を挟み込み、該第1のシート部材と第2
のシート部材とを反応型ホットメルト樹脂による接着部
材を介在して所定の加工温度条件の下に貼り合わせる工
程とを有し、その貼合後の電子部品の上下層の接着部材
の厚みがその電子部品の厚みの30%以上に規定された
ことを特徴とするものである。
【0029】本発明の受像層付きカードの製造方法によ
れば、第1のシート部材と受像付きの第2のシート部材
とカード用の電子部品とを反応型ホットメルト樹脂の接
着部材を介して貼り合わせる工程を有し、その貼合後の
反応型ホットメルト樹脂の厚みが電子部品の厚みの30
%以上に規定されている。
【0030】従って、貼合後の電子部品を覆う上層の反
応型ホットメルト樹脂と、電子部品を覆わない部分の反
応型ホットメルト樹脂による凹凸状を抑制できるので、
第2のシート部材の厚みをパラメータとしたときに、反
応型ホットメルト樹脂の厚みを電子部品の厚みの30%
未満に規定したカードに比べて、受像層表面にシワや凹
凸が発生することなく、しかも、カード厚みが薄くかつ
均等な厚みの受像層付きカードを提供することができ
る。
【0031】一般に、反応型ホットメルト樹脂は、カー
ド端面から、及び上下シートを通して空気中の水分を吸
収して硬化するが、反応型ホットメルト樹脂の厚みを電
子部品の厚みの30%以上に規定したことにより、カー
ド内部へ伝搬される水分を均等に伝搬させることができ
る。
【0032】従って、カードを均一に硬化させることが
できる。しかも、貼合後から反応性ホットメルト樹脂が
硬化するまでの硬化時間を従来方式に比べて短縮させる
ことができる。これにより、キャッシュカード、従業者
証、社員証、会員証、学生証、外国人登録証及び各種運
転免許証などのカード利用分野において、高信頼度の顔
画像入り電子カードなどの提供することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この
発明の実施形態としての受像層付きカード、その製造装
置及びその製造方法について説明をする。 (1)第1の実施形態 図1は、本発明の第1の実施形態としての受像層付きカ
ード100の構成例を示す断面図である。
【0034】本実施の形態では、第1のシート部材と、
感熱転写により画像が形成される受像層を有した第2の
シート部材とを接着部材を介在して貼り合わせるカード
作成方式において、その接着部材の厚みとカード用の電
子部品の厚みとの関係を規定することにより、その受像
層表面にシワや凹凸が発生することなく、しかも、カー
ド厚みが薄くかつ均等な厚みの顔画像入り非接触式IC
カードなどを提供できるようにしたものである。
【0035】図1に示す受像層付きカード100は例え
ば、縦の長さが6cm程度で、横の長さが9cm程度
で、厚みが0.4mm〜1.0mm程度を有し、接着部
材を除いて大きく分けると3層構造を有している。この
受像層付きカード100の最下層には第1のシート部材
としての厚さが100μm程度の裏面シート1が設けら
れる。裏面シート1は50μm〜300μm程度のシー
ト厚が好ましい。裏面シート1にはペンで書ける、図示
しない筆記層を更に有している。
【0036】この例で裏面シート1上にはカード用の電
子部品4が設けられる。電子部品4は当該受像層付きカ
ード100の利用者に関した情報を電気的に記録するI
Cチップ4A及びそのICチップ4Aに接続されたコイ
ル状のアンテナ体4Bである。ICチップ4Aはメモリ
のみや、そのメモリに加えてマイクロコンピュータなど
である。電子部品4にはコンデンサを含むこともある。
【0037】この受像層付きカード100は非接触式で
あるため、情報入出力用の端子が設けられていない。情
報は特定の変調電波にしてアンテナ体4Bで受信し、I
Cチップで復調してメモリなどに書き込んだり、そこか
ら読み出される。通常の非接触式のICカードで使用さ
れる方法で、その駆動電源は外部からの電磁気エネルギ
ーをアンテナ体4Bに取り込むことができる。例えば、
電磁誘導によって生じる起電力を整流することによりD
C電源を得る。もちろん、この他に外部からの高周波電
磁エネルギーによる電気をアンテナ体4B又はその他の
物体に取り込むことも考えられる。
【0038】この電子部品4上には受像層付きの第2の
シート部材としての厚さ100μm程度の表面シート5
が設けられ、その電子部品4が封入されている。この表
面シート5は顔画像を形成するための顔画像形成領域5
4Aを有している。この顔画像形成領域54Aについて
は受像層54で説明をする。この例では、少なくとも、
裏面シート1と表面シート5と電子部品4とを反応型ホ
ットメルト樹脂による接着部材(以下単に接着シートと
もいう)10A、10Bを介在して貼り合わせた積層構
造を有している。
【0039】ここで、各実施形態としての受像層付きカ
ードの電子部品4と反応型ホットメルト樹脂による接着
剤の厚み例について説明をする。図2はその電子部品4
と反応型ホットメルト樹脂による接着剤の厚み例を示す
断面図である。
【0040】この例では、図2に示す電子部品4の厚み
をL1とし、その電子部品4の上層の反応型ホットメル
ト樹脂(接着剤:この例では、接着シート10Bに相当
する)の貼合後の厚みをL2とし、その下層の反応型ホ
ットメルト樹脂(接着剤:接着シート10Aに相当す
る)の貼合後の厚みをL3としたときに、(1)式、す
なわち、 0.3・L1≦L2、及び、0.3・L1≦L3・・・・(1) であって、電子部品4の厚みL1、その電子部品4の上
層の反応型ホットメルト樹脂(接着剤)の厚みL2及び
その電子部品4の下層の反応型ホットメルト樹脂(接着
剤)の厚みL3の総厚をL0としたときに、(2)式、
すなわち、 L0=L1+L2+L3 L0≦600μm ・・・・・・(2) に規定される。なお、この例で、以後、表面シート5の
厚みはL4で示し、裏面シート1の厚みはL5で示すこ
とにする。
【0041】この表面シート5は例えば図3に示すフィ
ルム支持体51上にクッション層52、アンカー層5
3、受像層54及び上層55が積層されて成る。上述し
た接着シート10Bはフィルム支持体51側に貼付さ
れ、その貼合前の厚みはL2’であり、貼合後の厚みL
2よりも当然ながら厚い(L2<L2’)。貼合工程に
おいて、接着シート10Bが熱溶融して電子部品4のI
Cチップ4Aやアンテナ体4Bの周辺領域や隙間領域に
流れ込むためである。
【0042】上述の受像層54は顔画像形成領域54A
を形成する。この例では、受像層54が受熱して熱拡散
を起こす感熱温度をTa℃とし、反応型ホットメルト樹
脂の硬化反応終了後の軟化点をTb℃としたときに、少
なくとも、感熱温度Ta以下であって、[Tb−(35
±15)]℃の加熱温度により表面シート5と裏面シー
ト1とが貼り合わされる。
【0043】上述のフィルム支持体51は、ポリエステ
ル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ABS等の一般的
なプラスティックフィルムが用いられる。とりわけ、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)、あるいはポリプ
ロピレン(PP)などの樹脂で形成されることが好まし
い。特に2軸延伸された樹脂を使用すると、薄くて強度
に優れた表面シート5を形成できる。フィルム支持体5
1の膜厚は、例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂を用いた場合には、12μm以上(特に25μ
m)〜300μm以下(特に250μm)であることが
好ましい。
【0044】上述のクッション層52は顔画像等の印字
処理の際のサーマルヘッドの当接を良くする働きがあ
る。クッション層52としては引っ張り弾性率(AST
M D790)が20kgf/mm2 以上であることが
好ましく、また、200kgf/mm2 以下であること
が好ましい。クッション層52の厚さは、クッション効
果の観点から、2μm以上(特に5μm)であることが
好ましく、全体の厚さやカール抑制の観点から200μ
m以下(特に50μm)であることが好ましい。
【0045】従って、クッション層52を形成する部材
としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン
樹脂、ポリブタジエン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体樹
脂、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
樹脂、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロ
ック共重合体樹脂、スチレン−水素添加イソプレン−ス
チレンブロック共重合体樹脂であることが柔軟性を有す
るので好ましい。
【0046】この例で表面シート5は印刷部材から成
り、予め所定領域には画像表示情報が印刷される。画像
表示情報は当該受像層付きカード100が利用される分
野の例えば「○○○従業者証」、「氏名」、「発行日」
・・・などである。この印刷部材には、当該受像層付き
カード100の利用者の顔写真を形成するための受像層
54が設けられる。この例で、受像層54は昇華性染料
から成るインク部材である。顔写真などは、染料を含有
したインクシート側からサーマルヘッドによる熱が加え
られ、この熱によって染料が受像層54に昇華され、あ
るいは、転写されることにより形成される。
【0047】この受像層54の素材としては、ポリエス
テル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセタール
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、アク
リル樹脂のような高分子材料が使用され得る。そのため
高温で加工すると、高分子材料の構造が変化して受像層
がダメージを受ける。受像層54に隣接した層、例え
ば、フィルム支持体51又はクッション層52は受像層
54に形成される画像を引き立てるために、白色顔料を
混入(含有)した樹脂であることが好ましい。
【0048】本発明ではこれに限られない。白色度を増
すために、ボイドを設けた層であってもよい。このボイ
ドによってクッション性を出すことができる。この白色
顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウムや、炭酸カル
シウムなどが好ましい例として上げられるがこれに限ら
れない。
【0049】続いて、表面シート5の形成方法について
説明する。この例の表面シート5は、例えば、2軸延伸
ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた場合には、膜
厚100μm程度のプラスティックフィルムにエクスト
ルージョンラミネート手法などにより、ポリオレフィン
樹脂をラミネートし、膜厚20μm程度のクッション層
52を形成する。その後、クッション層52上に膜厚数
μm程度のアンカー層53を塗布により形成する。その
後、アンカー層53上に膜厚数μm程度の受像層54を
塗布により形成する。その後、受像層54上に膜厚数μ
m程度の上層55を塗布により形成する。これにより、
図3に示したような表面シート5が完成する。
【0050】図4はその裏面シート1の積層構造を示す
断面図である。図4に示す裏面シート1はフィルム支持
体11下に筆記層12を有している。この筆記層12
は、例えば、ポリエステルエマルジョンに炭酸カルシウ
ム及びシリカ微粒子を拡散して形成される。接着シート
10Aはフィルム支持体11上に貼付される。その貼合
前の厚みはL3’であり、貼合後の厚みL3よりも厚い
(L3<L3’)。貼合工程において、上述の接着シー
ト10Bと共に接着シート10Aが熱溶融して電子部品
4のICチップ4Aやアンテナ体4Bの周辺領域や隙間
領域に流れ込むためである。
【0051】この例で、上述した(1)及び(2)式は
貼合後の厚みであって、いわば完成目標厚である。従っ
て、貼合前の接着シート10A、10Bには、少なくと
も、電子部品4の厚みL1及び貼合後の電子部品4の上
下層の接着シート10A、10Bの厚みL2、L3の総
厚L0を満足する、(3)式、すなわち、 L0=L2’+L3’・・・・(3) となるような厚みL3’の接着シート10Aと、厚みL
2’の接着シート10Bとを準備する。そして、電子部
品4の上層に30%以上の接着シート10B及びその電
子部品4の下層に30%以上の接着シート10Aを残留
させるためには貼合工程において最適な加圧力で、表面
シート5、電子部品4及び裏面シート1とを貼合するよ
うにする。
【0052】例えば、第1の実施形態としての受像層付
きカード100では、厚みL3’=50μm〜300μ
m程度の接着シート10AによってICチップ4Aの裏
面と裏面シート1との間が貼合され、ICチップ4Aの
表面と表面シート5の間は、厚みL2’=50μm〜3
00μm程度の接着シート10Bによって貼合されてい
る。これらの接着シート10A、10Bには反応型ホッ
トメルト樹脂を予め薄シート状に形成したものが使用さ
れる。
【0053】続いて、接着シート10A、10Bなどに
用いる反応型ホットメルト樹脂について説明する。この
反応型ホットメルト樹脂は、当該樹脂を溶融させて接着
した後に、湿気を吸って当該樹脂が硬化するタイプであ
る。その特徴としては、通常のホットメルト樹脂と比較
して、反応型ホットメルト樹脂では、接着可能時間が長
く、かつ、接着後の軟化温度が高くなるために、耐久性
に富み、低温での塗布加工及び接着加工に適しているこ
とが挙げられる。すなわち、通常のホットメルト樹脂で
は塗布加工時の樹脂の温度(以下塗工温度という)が、
当該樹脂が軟化する温度(以下軟化温度という)と同じ
であるために、軟化温度が塗工温度以上にならないとい
う耐熱性に留まる。従って、高耐熱性が要求される場合
には、高い塗工温度が必要になる。
【0054】その点で、反応型ホットメルト樹脂は塗布
加工後に硬化するために、軟化温度は塗工温度よりも、
数十℃程度だけ高くなる。従って、受像層54の表面が
高温でダメージを受け易い素材である場合に、そのダメ
ージを少なくすることができる。反応型ホットメルト樹
脂の一例としては、分子端末にイソシアネート基を含有
したウレタンポリマーを主成分とするものであって、こ
のイソシアネート基が水分と反応して活性化し、さら
に、水分と反応したイソシアネート基がプレポリマーと
反応して架橋構造を形成するものがある。
【0055】この発明で使用できる反応型ホットメルト
樹脂としては、住友スリーエム社製のTE030及びT
E100や、日立化成ポリマー社製のハイボン482
0、カネボウエヌエスシー社製のボンドマスター170
シリーズ、Henkel社製のMacroplast
QR3460などが挙げられる。
【0056】この例で、薄シート状に形成した反応型ホ
ットメルト樹脂を反応型ホットメルトウェブともいう。
ここで、反応型ホットメルトウェブの形成方法について
説明する。例えば、Tダイなどにより所定の厚さに反応
型ホットメルト樹脂を離系性のシート上に溶融塗布す
る。その後、この離系性のシート上の反応型ホットメル
ト樹脂などを冷却する。そして、固化した後の反応型ホ
ットメルト樹脂などをロール状に巻き取る。
【0057】これにより、ロール状の反応型ホットメル
トウェブを形成することができる。この例では、反応型
ホットメルトを厚さ50μm乃至300μmのウェブ状
にして使用する。その反応型ホットメルトの反応前の軟
化点は50℃乃至130℃以下である。なお、ホットメ
ルトの軟化点は日本接着剤工業規格の「ホットメルト接
着剤試験方法」JAI−7に準拠する方法で測定したも
のである。
【0058】また、反応型ホットメルト樹脂の場合に
は、空気中の水分を吸って硬化が進むので、その貼合加
工を行う前に、硬化が進まないようにする。このため
に、短期間に(例えば、加工後24時間以内)に貼合加
工をしなければならない。このような時間的な制約を受
けないようにするためには、何らかの保管方法が必要と
なる。この例で反応型ホットメルトウェブの保管に関し
て、N2あるいはCO2を80%以上を含有する気体を封
入した密閉容器内に貯蔵する方法が採られる。この保管
方法により、加工後24時間以内の貼合加工などと言っ
た時間的な制約を受けないようにすることができる。
【0059】また、ロール状の接着シートを広げる際
に、電荷が剥離帯電して、この電荷がICチップに接触
した場合にチップ破壊をするおそれがある。これに対処
すべく、この例では、接着シートの表面に帯電防止コー
トを施したり、ICチップに接触する前に、除電処理な
どを施すことでチップ破壊を防止する。この際に、AC
放電や、除電ブラシ、アースされた布等を用いることで
除電処理を行なうことができる。
【0060】このように本実施の形態としての受像層付
きカード100によれば、電子部品4に対する上層の反
応型ホットメルト樹脂による接着シート10Bの厚みL
2及びその電子部品4に対する下層の反応型ホットメル
ト樹脂による接着シート10Aの厚みL3を(1)〜
(3)式により規定することで、電子部品4を上下層の
接着シート10A、10Bと、電子部品4を覆わない部
分の接着シート10A、10Bによる凹凸状を抑制する
ことができる。
【0061】例えば、厚みL1=200μmの電子部品
4が与えられると、その貼合後の厚みL1の30%とし
て、厚みL2=60μmの接着シート10Bが電子部品
4の上部に残留するように、厚さL2’=147μm
(貼合前)接着シート10Bと、その貼合後の厚みL1
の40%として、厚みL3=80μmの接着シート10
Aが電子部品4の下部に残留するように、厚さL3’=
193μm(貼合前)接着シート10Aとにより、裏面
シート1と受像層付き表面シート5と電子部品4とが貼
り合わされ、電子部品4の厚みL1及びその電子部品4
の上下層の接着シート10A、10Bの厚みL2、L3
の総厚L0=340(L0≦600)μmに規定された
積層構造を成している。
【0062】従って、表面シート5や裏面シート1の厚
みL4、L5をパラメータとしたときに、電子部品4を
上層の反応型ホットメルト樹脂による接着シート10B
の厚みL2及びその電子部品4を下層の反応型ホットメ
ルト樹脂による接着シート10Aの厚みL3を、その電
子部品4の厚みL1の30%未満に規定したカードに比
べて、受像層表面にシワや凹凸が発生することなく、し
かも、カード厚みが薄くかつ均等な厚みの受像層付きカ
ード100を提供することができる。これにより、キャ
ッシュカード、従業者証、社員証、会員証、学生証、外
国人登録証及び各種運転免許証などのカード利用分野に
おいて、顔画像入りICカードなどの信頼度を向上させ
ることができる。
【0063】続いて、本実施の形態としての受像層付き
カードの製造装置について説明をする。図5は第1の実
施形態としての受像層付きカード製造装置101の構成
例を示す斜視図である。
【0064】この発明の受像層付きカード製造装置10
1は、長尺シート状の裏面シート1と、長尺シート状の
表面シート5との間に電子部品4を封入した後に、その
カード集合体を裁断及び打ち抜きすることにより、受像
層付きカード100を製造するものである。
【0065】図5において、受像層付きカード製造装置
101には第1の供給手段として裏面シート供給部6が
設けられ、第1のシート部材としての長尺シート状(ウ
ェブ状)で厚みがL5の裏面シート1が送出軸6Aに巻
れている。ここで長尺シート状とは少なくとも受像層付
きカード1枚以上が打ち抜ける、例えば「○○○従業者
証」、「氏名」、「発行日」などの画像表示情報が連続
して形成されたものをいう。長尺シート状の形態として
は画像表示情報が幅方向にn列で長手方向にm個が並ん
だものを想定する。
【0066】裏面シート供給部6の上方には第2の供給
手段としての接着シート供給部14が設けられ、この裏
面シート供給部6による裏面シート1上に厚みL3’の
接着シート10Aが供給される。接着シート供給部14
は送出軸14Aを有し、その送出軸14Aには接着シー
ト10Aが巻かれ、その接着シート10Aが送出軸14
Aから繰り出すようになされる。接着シート10Aは両
面が接着面となるため、その接着面が剥離シート24A
により保護されている。この剥離シート24Aは貼合時
に接着シート10Aから剥がされてカス紙となる。
【0067】この接着シート供給部14の下流側には図
示しない除電ブラシが設けられ、ロール状の接着シート
を広げる際に剥離帯電した電荷が、ICチップに接触す
る前に、グランドに逃すようになされている。この除電
処理により、ICチップの静電破壊を防止できる。
【0068】この接着シート供給部14の上方には第3
の供給手段としての部品搬送ベルト22が設けられ、こ
の接着シート供給部14による接着シート10A上にカ
ード用の厚みL1の電子部品4が自動供給される。部品
搬送ベルト22は例えば部品搬送制御信号S4Bに基づ
いて駆動する。部品搬送ベルト22の上流側には部品カ
セット21が設けられ、例えば、3つのグループに分け
られた電子部品4を積み重ねるように収納される。部品
カセット21の底部には図示しない可動自在な蓋体が、
例えば、搬送方向に3つ並設され、投下許可信号S4A
に基づいてその3つの蓋体が一斉に開き、電子部品4が
部品搬送ベルト22上に同時に落ちるようになされてい
る。
【0069】この部品搬送ベルト22の上方には第4の
供給手段としての接着シート供給部15が設けられ、こ
の部品搬送ベルト22による電子部品4上に厚みL2’
の接着シート10Bが供給される。接着シート供給部1
5は送出軸15Aを有し、その送出軸15Aには接着シ
ート10Bが巻かれ、その接着シート10Bが送出軸1
5Aから繰り出すようになされる。接着シート10Bも
両面が接着面となるため、その接着面が剥離シート24
Bにより保護されている。この剥離シート24Bは貼合
時に接着シート10Bから剥がされてカス紙となる。
【0070】この接着シート供給部15の下流側には図
示しない除電ブラシが設けられ、剥離帯電した電荷がグ
ランドに逃すようになされている。この除電処理によっ
て上述と同様に、ICチップの静電破壊を防止できる。
【0071】上述の接着シート10A、10Bとしては
反応型ホットメルト樹脂を予め薄シート状にしたものが
使用される。この接着シート供給部15の上方には第5
の供給手段としての表面シート供給部9が設けられ、そ
の接着シート10B上に第2のシート部材として厚さL
4の受像層付きの表面シート5が供給される。表面シー
ト供給部9は送出軸9Aを有し、その送出軸9Aには表
面シート5が巻かれ、その表面シート5が送出軸9Aか
ら繰り出すようになされる。表面シート5は、受像層5
4と「○○○従業者証」、「氏名」、「発行日」などの
画像表示情報とが幅方向に3列に並べられ、その画像表
示情報が搬送方向に連続して印刷される。
【0072】この裏面シート供給部6の下流側には従動
ローラ19B、19Cが設けられ、表面シート供給部9
の下流側には従動ローラ19Aが設けられ、裏面シート
1及び表面シート5などの搬送方向を変更できるように
なされている。これらの5つの裏面シート供給部6、接
着シート供給部14、部品搬送ベルト22、接着シート
供給部15、表面シート供給部9の下流側にはガイド兼
位置合わせ用の駆動ローラ16が設けられる。
【0073】この例では従動ローラ19Bと駆動ローラ
16とを水平方向に結ぶ領域上には、位置合わせ具23
が設けられ、部品搬送ベルト22により搬送されてきた
電子部品4が接着シート10A上の所定位置に配設され
る。位置合わせ具23は搬送方向に平行した矩形状の3
つの開口部23Aを有し、部品搬送ベルト22により搬
送されてきた電子部品4が開口部23Aの中に投下され
ると、接着シート10A上にその電子部品4を3列に整
然と配設するようになされる。
【0074】この駆動ローラ16では、予め印刷された
位置合わせマークp0(図9や図12に示す)に基づい
て長尺シート状の裏面シート1と、電子部品4と、長尺
シート状の表面シート5とが位置合わせされ、真空熱プ
レス装置17の方向に導かれる。
【0075】この駆動ローラ16の下流側には貼合手段
としての真空熱プレス装置が設けられ、少なくとも、受
像層54の感熱温度Ta℃以下であって、反応型ホット
メルト樹脂の耐熱温度Tb℃に関し、[Tb−(35±
15)]℃の加熱温度により、接着シート10Aによっ
て裏面シート1と電子部品4の一方の面とを貼合すると
共に、接着シート10Bによって電子部品4の他方の面
と表面シート5とが貼合される。この真空熱プレス装置
17は搬送路の上下に対向して配置された平型の上部及
び下部プレス部17A、17Bを有しており、長尺シー
ト状の表面シート5の上方及び長尺シート状の裏面シー
ト1の下方から所定の圧力が加えられる。そのために、
上部及び下部プレス部17A、17Bが互いに離接する
方向に移動できるようになされている。この例では裏面
シート1と表面シート5との間に接着シート10A、1
0Bを介在して電子部品4を封入したものを、以後、カ
ード集合体20という。
【0076】この上部及び下部プレス部17A、17B
内には電気ヒータ(図示せず)18が設けられ、カード
集合体20を所定の温度に加熱するようになされている
(電気ヒータ18については図6参照)。この例では接
着シート10A、10Bの種類にもよるが加熱温度は4
0℃〜120℃程度であり、加熱時間は10秒〜120
秒程度である。圧力は5kg/cm2程度である。
【0077】この接着シート10A、10Bは熱を加え
ると溶融し、それが冷えると固化するものである。カー
ド集合体20を加熱貼合する装置は真空熱プレス装置1
7に限られることはなく、通常の熱プレスでも、ヒート
ローラ装置であってもよい。また、真空熱プレス装置1
7の下流側にはカードシート搬送ベルト30が設けら
れ、真空熱プレス装置17によって加熱貼合されたカー
ド集合体20を所定の搬送方向、この例では裁断装置4
0に搬送される。この際のカードシート搬送ベルト30
の移動距離は真空熱プレス装置17の搬送方向の長さL
1に等しい。このカードシート搬送ベルト30の下流側
には裁断装置40が設けられ、カード集合体20が1単
位毎(例えば3列×2)に裁断される。この裁断装置4
0には、垂直押し切り型のカッターや、ロータリーカッ
ターを使用する。
【0078】続いて、図6を参照しながら、受像層付き
カード製造装置101の制御方法について説明をする。
図6は受像層付きカード製造装置101の制御システム
例の概要を示すブロック図である。
【0079】この例では受像層付きカード製造装置10
1の全体を制御する制御装置70が設けられ、電子部品
4を所定のタイミングで接着シート10A上に投下する
ために、投下許可信号S4Aが部品カセット21に出力
され、部品搬送制御信号S4Bが部品搬送ベルト22に
出力される。また、制御装置70はカード集合体20に
予め形成された位置合わせマークp0(図9、図12な
どに示す)を検出し、その検出に基づいてカードシート
搬送ベルト30を制御する。この制御システムでは送出
検出用のセンサ71が真空熱プレス装置17側に設けら
れ、カード送出位置p1でカード集合体20の位置合わ
せマークp0が検出される。このセンサ71からはカー
ド送出位置検出信号S1が出力される。また、裁断装置
40側には到達検出用のセンサ72が設けられ、カード
到達位置p2でカード集合体20の位置合わせマークp
0が検出される。このセンサ72からはカード到達検出
信号S2が出力される。
【0080】これらのセンサ71、72の出力段には、
制御装置70が接続され、2つの検出信号S1、S2に
基づいてカードシート搬送ベルト30が制御される。例
えば、制御装置70はカード送出位置p1とカード到達
位置p2との間でカードシート搬送ベルト30を間欠動
作させるように制御する。表面シート5が長尺シート状
でかつ非伸縮性であれば、センサ71、72は片方のみ
でも可能である。
【0081】この例では、受像層付きカード100を形
成するために、一方で、裏面シート供給部6から従動ロ
ーラ19B、19Cを介在して駆動ローラ16に裏面シ
ート1を繰り出し、接着シート供給部14から従動ロー
ラ19Bを経由して駆動ローラ16に接着シート10A
を繰り出し、部品搬送ベルト22から接着シート10A
上へ電子部品4を供給し、接着シート供給部15から駆
動ローラ16へ接着シート10Bを繰り出し、表面シー
ト供給部9から従動ローラ19Aを介在して駆動ローラ
16へ表面シート5を繰り出す。
【0082】その後、制御装置70から駆動ローラ16
へ駆動制御信号S3が出力されると、駆動ローラ16が
回転する。そして、長尺シート状の裏面シート1と、長
尺シート状の表面シート5との間に接着シート10A、
10Bを介在して電子部品4を封入したカード集合体2
0は、駆動ローラ16によって真空熱プレス装置17に
導かれる。制御装置70から真空熱プレス装置17には
加熱貼合制御信号S5が出力される。真空熱プレス装置
17では上部プレス部17A、下部プレス部17Bの温
度及びプレス圧力が一定に制御される。最初のカード集
合体20の先端部は真空熱プレス装置17から頭を出す
ようにする。1回目の加熱貼合が終了すると、真空熱プ
レス装置17から制御装置70へ終了信号S6が出力さ
れる。この先端部はセンサ71によって検出される。こ
のセンサ71によるカード送出位置検出信号S1は位置
合わせマークp1を検出することで得られる。
【0083】このカード送出位置検出信号S1を入力し
た制御装置70からカードシート搬送ベルト30にはベ
ルト搬送制御信号S7が出力される。このベルト搬送制
御信号S7によってカードシート搬送ベルト30はカー
ド集合体20の載せて移動を開始し、1回目の加熱貼合
後のカード集合体20が真空熱プレス装置17から裁断
装置40へ搬送される。このとき、駆動ローラ16も協
働してカード集合体20を下流側に移動する。この段階
ではカード集合体20が裁断されていない。
【0084】1回目のカード集合体20が真空熱プレス
装置17から裁断装置40へ搬送されると、センサ72
によってカード集合体20が到達したことが検出され
る。このセンサ72から制御装置70にはカード送出到
達検出信号S2が出力される。カード送出到達検出信号
S2を入力した制御装置70はカードシート搬送ベルト
30にベルト搬送制御信号S7を出力するので、カード
シート搬送ベルト30が停止する。図示しないが真空熱
プレス装置17の下流側にはファンが設けられ、真空熱
プレス装置17から出されたカード集合体20が裁断さ
れるまでに、ファンによる風によって冷やされる。
【0085】一方で、部品カセット21では投下許可信
号S4Aに基づいて電子部品4が所定のタイミングで部
品搬送ベルト22に投下され、部品搬送制御信号S4B
に基づいて部品搬送ベルト22が駆動する。これによ
り、接着シート10A上に電子部品4がタイミング良く
供給される。真空熱プレス装置17では2回目の加熱貼
合が行われる。2回目の加熱貼合が終了すると、真空熱
プレス装置17から制御装置70へ終了信号S6が出力
される。その後、センサ71によるカード送出位置検出
信号S1を入力した制御装置70からカードシート搬送
ベルト30にはベルト搬送制御信号S7が出力される。
このベルト搬送制御信号S7によってカードシート搬送
ベルト30はカード集合体20の移動を開始し、2回目
の加熱貼合後のカード集合体20が真空熱プレス装置1
7から裁断装置40へ搬送される。
【0086】このとき、駆動ローラ16も協働してカー
ド集合体20を下流側に移動する。この段階ではカード
集合体20を裁断できる状態となる。従って、2回目の
カード集合体20が真空熱プレス装置17から裁断装置
40へ搬送されると、センサ72によってカード集合体
20が到達したことが検出される。このセンサ72から
制御装置70にカード到達検出信号S2が出力される。
カード到達検出信号S2を入力した制御装置70は、カ
ードシート搬送ベルト30にベルト搬送制御信号S7を
出力するので、そのカードシート搬送ベルト30は停止
する。
【0087】これと共に、裁断装置40へ裁断制御信号
S8が出力される。この裁断制御信号S8を入力した裁
断装置40では、カード集合体20が1単位の受像層付
きカードシートに裁断される。3回目以降も同様な動作
が繰り返される。これにより、長尺シート状のカード集
合体20から複数の受像層付きカードシートを得ること
ができる。この受像層付きカードシートは3日〜6日程
度自然乾燥され、接着シート10A、10Bが完全に硬
化した後に、1枚づつ受像層付きカード100が打ち抜
かれる。
【0088】このようにして第1の実施形態としての受
像層付きカード製造装置101によれば、電子部品4の
厚みL1の30%以上の厚みに規定された反応型ホット
メルト樹脂による接着シート10A、10Bが、その電
子部品4の上下層に残留するように、裏面シート1と受
像層付き表面シート5と電子部品4とが真空熱プレス装
置17によって貼り合わされる。
【0089】従って、真空熱プレス装置17による加圧
力及び接着シート10A、10Bの熱溶融による変形に
よって、電子部品4の一方の面と表面シート5との間及
び電子部品4の他方の面と裏面シート1との間の接着層
の厚みを均一にすることができる。つまり、貼合後の電
子部品4の上下層の反応型ホットメルト樹脂による接着
シート10A、10Bと、電子部品4を覆わない部分の
反応型ホットメルト樹脂による接着シート10A、10
Bとによる凹凸状を抑制できるので、少なくとも、表面
シート5の厚みL4をパラメータとしたときに、反応型
ホットメルト樹脂による接着シート10Aの厚みL3及
び反応型ホットメルト樹脂による接着シート10Bの厚
みL2を電子部品4の厚みの30%未満に規定したカー
ドに比べて、受像層54にシワが発生することなく、し
かも、耐熱温度が高く、カード厚みが薄くかつ均等な厚
みの非接触式の受受像層付きカード100を製造するこ
とができる。
【0090】続いて、図7〜図12を参照しながら、第
1の実施形態としての受像層付きカード100の製造方
法について説明する。図7A〜図7Cは第1の実施形態
としての受像層付きカード100の製造方法を示す形成
工程例(その1)の断面図であり、図8A、8Bはその
形成工程例(その2)の断面図である。図9〜図12は
それを補足する各シート状の部材を示す上面図である。
【0091】この例では、当該カード利用者の顔画像を
熱転写するための受像層54が表面シート5に形成され
ている場合であって、長尺シート状で厚さL5の裏面シ
ート1と長尺シート状で厚みL4の表面シート5との間
に厚みL1の電子部品4を厚みL3’の接着シート10
Aと、厚みL2’の接着シート10Bを介在して貼合し
たカード集合体20を形成する場合について説明する。
【0092】上述の厚さL5の裏面シート1は図5に示
した裏面シート供給部6の送出軸6Aに巻かれており、
厚さL3’の接着シート10Aは接着シート供給部14
の送出軸14Aに巻かれている。厚さL1の電子部品4
は予め部品カセット21に収納されている。更に、厚さ
L2’の接着シート10Bは接着シート供給部15の送
出軸15Aに巻かれており、厚さL4の受像層付きの表
面シート5は表面シート供給部9の送出軸9Aに巻かれ
ている。これらの部材が準備されていることを前提とす
る。
【0093】まず、図7Aにおいて、裏面シート供給部
6から繰り出した厚さL5の裏面シート1上に接着シー
ト供給部14から繰り出した厚さL3’の接着シート1
0Aを貼合する。この接着シート10Aとして反応型ホ
ットメルト樹脂が使用される。この例では反応型ホット
メルト樹脂の反応終了後の軟化点は95℃以上である。
【0094】この際の軟化点を95℃以上としたは、従
業者証、社員証、会員証、学生証、外国人登録証や、各
種運転免許証などが炎天下の駐車中の車内に置かれるこ
とを想定した場合に、車内温度が90℃に到達すること
が経験上見い出されるから、反応終了後の反応型ホット
メルト樹脂の軟化点は95℃以上であることが必要であ
る。
【0095】従って、真空熱プレス装置17における加
工温度は、受像層54の感熱温度Taを90℃としたと
きに、この感熱温度Ta以下であって、[Tb−(35
±15)]℃の関係式から、その上限の加熱温度は75
℃であり、その下限の加熱温度は45℃である。この例
では、上限の加熱温度75℃と下限の加熱温度の45℃
の中間値を採ってその貼合条件は加熱温度=60℃に設
定する。
【0096】また、裏面シート1はペンで書けるような
図9に示す筆記層12を有している。この裏面シート1
の端部にも予め位置合わせマークp0が印刷されてい
る。この位置合わせマークp0は1枚もしくは複数枚の
カード領域毎に形成されている。位置合わせマークp0
は光学センサで検出できる反射率の低い黒色の線やブロ
ックでもよいが、磁気マークやスリットや孔でもよい。
【0097】その後、図7Bに示す接着シート10A上
に厚さL1の電子部品4を配置する。この電子部品4は
図10に示すICチップ4A及びアンテナ体4Bを有し
ており、部品搬送ベルト22及び位置合わせ具23を介
して接着シート10A上に自動供給される。この電子部
品4に関しては図11に示す部品カセット21にストッ
クしておき、この電子部品4を部品搬送ベルト22及び
位置合わせ具23を介在して接着シート10A上に配置
する。なお、電子部品4を予め枚葉シート状のチップ収
納シート3に収納した状態で部品カセット21にストッ
クして置いてもよい。このチップ収納シート3に収納さ
れた状態の電子部品4を接着シート10A上に配置する
ことができる。このチップ収納シート3は織物状又は不
織布状の樹脂シートから成る。電子部品4はICチップ
4Aやアンテナ体4Bが収納され、チップコンデンサな
ども含まれる。
【0098】この接着シート10A上に電子部品4を形
成した後に、図7Cにおいて、電子部品4上に厚さL
2’の接着シート10Bを貼付する。この接着シート1
0Bとして反応型ホットメルト樹脂を予め薄シート状に
形成したものを使用する。
【0099】その後、図8Aにおいて、接着シート10
B上の全面に、表面シート供給部9から繰り出した長尺
シート状で厚さL4の表面シート5を形成する。表面シ
ート5には図12に示す所定の印刷領域に予め当該受像
層付きカード100の利用者のための画像表示情報が印
刷されている。この例で図12に示す表面シート5は、
画像表示情報を搬送方向に連続して印刷した長尺シート
状を有している。この表面シート5の端部には予め位置
合わせマークp0が印刷されている。この例では、長尺
シート状の表面シート5には、「○○○従業者証」、
「氏名」、「発行日」などの画像表示情報が幅方向に3
列に並べられ、その画像表示情報が搬送方向に連続して
印刷される。
【0100】その後、カード集合体20を加熱すると共
に、図8Bに示す表面シート5側及び裏面シート1側か
ら加圧処理を行う。この例で貼合条件は加熱温度=60
℃に設定し、加熱時間を30秒程度とした。圧力は5k
g/cm2程度である。このとき、図5示した上部プレ
ス部17A、下部プレス部17Bの温度及びプレス圧力
が制御装置70によって一定に制御される。これによ
り、上述した(1)、(2)式を満足する長尺シート状
のカード集合体20が完成する。
【0101】この例では、カード集合体20を裁断して
1単位の受像層付きカードシートを形成する。例えば、
カード集合体20の画像表示領域外に形成された位置合
わせマークp0を基準にしてカード集合体20が2つ以
上に裁断される。その後、受像層付きカードシートが完
全に硬化してからパンチング装置などによって1枚づつ
受像層付きカード100が打ち抜かれる。
【0102】このように第1の実施形態としての受像層
付きカード100の製造方法によれば、裏面シート1と
受像付きの表面シート5と電子部品4とを反応型ホット
メルト樹脂による接着シート10A、10Bを介して貼
り合わせる工程を有し、その貼合後の電子部品4の上下
層の反応型ホットメルト樹脂による接着シート10A、
10Bの厚みL2、L3が電子部品4の厚みL1の30
%以上に規定されている。
【0103】従って、貼合後の電子部品4が無い部分は
熱溶融及び加圧による接着シート10A、10Bが渾然
一体化すると共に、電子部品4の表面と表面シート5と
の間及びその電子部品4の裏面と裏面シート1との間
は、その接着層の厚みを均一にすることができる。つま
り、貼合後の電子部品4を覆う上下層の反応型ホットメ
ルト樹脂による接着シート10A、10Bと、電子部品
4を覆わない部分の反応型ホットメルト樹脂による接着
シート10A、10Bの凹凸状を抑制できるので、少な
くとも、表面シート5の厚みL4をパラメータとしたと
きに、反応型ホットメルト樹脂による接着シート10
A、10Bの厚みL2、L3を電子部品4の厚みL1の
30%未満に規定したカードに比べて、受像層表面にシ
ワや凹凸が発生することなく、しかも、耐熱温度Tbが
高く、カード厚みが薄くかつ均等な厚みの非接触式の受
像層付きカード100を製造することができる。
【0104】また、反応型ホットメルト樹脂が硬化する
ときに、カード端面から空気中の水分を吸収して内部に
伝搬するが、反応型ホットメルト樹脂による接着シート
10A、10Bの厚みを電子部品4の厚みL1の30%
以上に規定したことにより、カード内部へ伝搬される水
分を均等に伝搬させることができる。
【0105】従って、受像層付きカード100を均一に
硬化させることができる。しかも、貼合後から反応性ホ
ットメルト樹脂が硬化するまでの硬化時間を従来方式に
比べて短縮させることができる。これにより、キャッシ
ュカード、従業者証、社員証、会員証、学生証、外国人
登録証及び各種運転免許証などのカード利用分野におい
て、高信頼度の顔画像入り電子カードなどの提供するこ
とができる。
【0106】(2)第2の実施形態 図13は、本発明の第2の実施形態としての受像層付き
カード200の構成例を示す断面図である。
【0107】本実施の形態では、予め接着剤付きの第1
のシート部材と、受像層付きの接着剤付き第2のシート
部材とを準備し、その接着剤の厚みとカード用の電子部
品4の厚みとの関係を規定することにより、その受像層
表面にシワや凹凸が発生することなく、しかも、カード
厚みが薄くかつ均等な厚みの顔画像入り非接触式ICカ
ードなどを提供できるようにしたものである。
【0108】図13に示す受像層付きカード200は例
えば、縦の長さが6cm程度で、横の長さが9cm程度
で、厚みが0.4mm〜1.0mm程度を有し、接着部
材を含んで3層構造を有している。この受像層付きカー
ド200の最下層には予め接着部材を付けた第1のシー
ト部材として接着剤(厚みL3)付き厚さL5の裏面シ
ート1aが設けられる。裏面シート1aの厚さL5は1
00μm程度で、50μm〜300μm程度のシート厚
が好ましい。裏面シート1aへの接着部材の形成は接着
剤として溶融させたTダイ方式などにより厚みL3’で
裏面シート1aに塗工することで行われる。接着剤付き
裏面シート1aにはペンで書ける、図示しない筆記層を
更に有している。
【0109】この例で接着剤付き裏面シート1a上には
厚さL1のカード用の電子部品4が設けられる。電子部
品4は当該受像層付きカード200の利用者に関した情
報を電気的に記録するICチップ4A及びそのICチッ
プ4Aに接続されたコイル状のアンテナ体4Bである。
ICチップ4Aはメモリのみや、そのメモリに加えてマ
イクロコンピュータなどである。電子部品4にはコンデ
ンサを含むこともある。
【0110】この受像層付きカード200は非接触式で
あるため、情報入出力用の端子が設けられていない。情
報は特定の変調電波にしてアンテナ体4Bで受信し、I
Cチップで復調してメモリなどに書き込んだり、そこか
ら読み出される。通常の非接触式のICカードで使用さ
れる方法で、その駆動電源は外部からの電磁気エネルギ
ーをアンテナ体4Bに取り込むことができる。例えば、
電磁誘導によって生じる起電力を整流することによりD
C電源を得る。もちろん、この他に外部からの高周波電
磁エネルギーによる電気をアンテナ体4B又はその他の
物体に取り込むことも考えられる。
【0111】この電子部品4上には受像層付きの第2の
シート部材として接着剤(厚みL2)付き表面シート5
aが設けられ、その電子部品4が封入されている。表面
シート5aの厚みL4は100μm程度で50〜300
μm程度のシート厚みが好ましい。表面シート5aへの
接着部材の形成は接着剤として溶融させたTダイ方式な
どにより厚みL2’で表面シート5aに塗工することで
行われる。これらの接着剤には反応型ホットメルト樹脂
が使用される。
【0112】この例では、反応型ホットメルトを厚さ5
0μm乃至300μmで塗工する。その反応型ホットメ
ルトの反応前の軟化点は50℃乃至130℃以下であ
る。なお、ホットメルトの軟化点は日本接着剤工業規格
の「ホットメルト接着剤試験方法」JAI−7に準拠す
る方法で測定したものである。
【0113】また、反応型ホットメルト樹脂の場合に
は、空気中の水分を吸って硬化が進むので、その貼合加
工を行う前に、硬化が進まないようにする。このため
に、短期間に(例えば、加工後24時間以内)に貼合加
工をしなければならない。このような時間的な制約を受
けないようにするためには、何らかの保管方法が必要と
なる。この例で反応型ホットメルト付きシートの保管に
関して、N2あるいはCO2を80%以上を含有する気体
を封入した密閉容器内に貯蔵する方法が採られる。この
保管方法により、加工後24時間以内の貼合加工などと
言った時間的な制約を受けないようにすることができ
る。
【0114】この表面シート5a及び裏面シート1aの
詳細については第1の実施形態と同様な構成を採る。ま
た、反応型ホットメルト樹脂についても、第1の実施形
態と同様であるためその説明を省略する。
【0115】このように本実施の形態としての受像層付
きカード200によれば、電子部品4に相対する表面シ
ート5aの反応型ホットメルト樹脂による接着剤の厚み
L2と、裏面シート1aの反応型ホットメルト樹脂によ
る接着剤の厚みL3とを(1)〜(3)式により規定す
ることで、電子部品4の上下層の接着剤と、電子部品4
を覆わない部分の接着剤による段差を抑制することがで
きる。
【0116】例えば、厚みL1=200μmの電子部品
4が与えられると、その貼合後の厚みL1の30%とし
て、厚みL2=60μmの接着剤が電子部品4の上部に
残留するように、厚さL2’=147μm(貼合前)程
度に塗布した接着剤付き表面シート1a、その貼合後の
厚みL1の40%として、厚みL3=80μmの接着剤
が電子部品4の下部に残留するように、厚さL3’=1
93μm(貼合前)程度に塗布した接着剤付き裏面シー
ト1aとにより、電子部品4が貼り合わされ、電子部品
4の厚みL1及びその電子部品4の上下層の接着剤の厚
みL2、L3の総厚L0=340(L0≦600)μm
に規定された積層構造を成している。
【0117】従って、表面シート5aの厚みL4及び裏
面シート1の厚みL5をパラメータとしたときに、電子
部品4を上下層の反応型ホットメルト樹脂による接着剤
の厚みL2、L3を電子部品4の厚みL1の30%未満
に規定したカードに比べて、受像層表面にシワや凹凸が
発生することなく、しかも、カード厚みが薄くかつ均等
な厚みの受像層付きカード200を提供することができ
る。これにより、キャッシュカード、従業者証、社員
証、会員証、学生証、外国人登録証及び各種運転免許証
などのカード利用分野において、顔画像入りICカード
などの信頼度を向上させることができる。
【0118】続いて、本実施の形態としての受像層付き
カードの製造装置について説明をする。図14は第2の
実施形態としての受像層付きカード製造装置201の構
成例を示す斜視図である。
【0119】この発明の受像層付きカード製造装置20
1は、厚さL3’+L5の長尺シート状の接着剤付き裏
面シート1aと、厚さL2’+L4の長尺シート状の接
着剤付き表面シート5aとの間に厚さL1の電子部品4
を封入した後に、そのカード集合体を裁断及び打ち抜き
することにより、受像層付きカード200を製造するも
のである。
【0120】図14において、受像層付きカード製造装
置201には第1の供給手段として接着剤付き裏面シー
ト供給部6Bが設けられ、第1のシート部材として厚さ
L3’+L5の長尺シート状(ウェブ状)の接着剤付き
裏面シート1aが送出軸6Aに巻れている。ここで長尺
シート状とは少なくとも受像層付きカード1枚以上が打
ち抜ける、例えば「○○○従業者証」、「氏名」、「発
行日」などの画像表示情報が連続して形成されたものを
いう。長尺シート状の形態としては画像表示情報が幅方
向にn列で長手方向にm個が並んだものを想定する。
【0121】この接着シート供給部6Bの上方には第2
の供給手段としての部品搬送ベルト22が設けられ、こ
の接着剤付き裏面シート供給部6Bによる厚さL2’+
L4の接着剤付き裏面シート1a上にカード用の電子部
品4が自動供給される。部品搬送ベルト22は例えば部
品搬送制御信号S4Bに基づいて駆動する。部品搬送ベ
ルト22の上流側には部品カセット21が設けられ、例
えば、3つのグループに分けられた厚さL1の電子部品
4を積み重ねるように収納される。部品カセット21の
底部には図示しない可動自在な蓋体が、例えば、搬送方
向に3つ並設され、投下許可信号S4Aに基づいてその
3つの蓋体が一斉に開き、電子部品4が部品搬送ベルト
22上に同時に落ちるようになされている。
【0122】この部品搬送ベルト22の上方には第3の
供給手段としての接着剤付き表面シート供給部9Bが設
けられ、この部品搬送ベルト22による電子部品4上に
第2のシート部材としての受像層付きの接着剤付き表面
シート5aが供給される。接着剤付き表面シート供給部
9Bは送出軸9Aを有し、その送出軸9Aには接着剤付
き表面シート5aが巻かれ、その接着剤付き表面シート
5aが送出軸9Aから繰り出すようになされる。接着剤
付き表面シート5aは、受像層54と「○○○従業者
証」、「氏名」、「発行日」などの画像表示情報とが幅
方向に3列に並べられ、その画像表示情報が搬送方向に
連続して印刷される。
【0123】この接着剤付き裏面シート供給部6Bの下
流側には従動ローラ19B、19Cが設けられ、接着剤
付き表面シート供給部9Bの下流側には従動ローラ19
Aが設けられ、接着剤付き裏面シート1a及び接着剤付
き表面シート5aなどの搬送方向を変更できるようにな
されている。これらの3つの接着剤付き裏面シート供給
部6B、部品搬送ベルト22及び接着剤付き表面シート
供給部9Bの下流側にはガイド兼位置合わせ用の駆動ロ
ーラ16が設けられる。
【0124】この例では従動ローラ19Bと駆動ローラ
16とを水平方向に結ぶ領域上には、位置合わせ具23
が設けられ、部品搬送ベルト22により搬送されてきた
電子部品4が接着剤付き裏面シート1a上の所定位置に
配設される。位置合わせ具23は搬送方向に平行した矩
形状の3つの開口部23Aを有し、部品搬送ベルト22
により搬送されてきた電子部品4が開口部23Aの中に
投下されると、接着剤付き裏面シート1a上にその電子
部品4を3列に整然と配設するようになされる。
【0125】上述の駆動ローラ16では、予め印刷され
た位置合わせマークp0(図9や図12に示す)に基づ
いて長尺シート状の接着剤付き裏面シート1aと、電子
部品4と、長尺シート状の接着剤付き表面シート5aと
が位置合わせされ、真空熱プレス装置17の方向に導か
れる。この駆動ローラ16の下流側には貼合手段として
の真空熱プレス装置が設けられ、少なくとも、受像層5
4の感熱温度Ta℃以下であって、反応型ホットメルト
樹脂の耐熱温度Tb℃に関し、[Tb−(35±1
5)]℃の加熱温度により、接着剤付き裏面シート1a
と電子部品4の一方の面とを貼合すると共に、その電子
部品4の他方の面と接着剤付き表面シート5aとが貼合
される。この真空熱プレス装置17は搬送路の上下に対
向して配置された平型の上部及び下部プレス部17A、
17Bを有しており、長尺シート状の接着剤付き表面シ
ート5aの上方及び長尺シート状の接着剤付き裏面シー
ト1aの下方から所定の圧力が加えられる。そのため
に、上部及び下部プレス部17A、17Bが互いに離接
する方向に移動できるようになされている。この例では
接着剤付き裏面シート1aと接着剤付き表面シート5a
との間に電子部品4を封入したものを、以後、カード集
合体20という。
【0126】この上部及び下部プレス部17A、17B
内には電気ヒータ(図示せず)18が設けられ、カード
集合体20を所定の温度に加熱するようになされている
(電気ヒータ18については図6参照)。この例では加
熱温度は40℃〜120℃程度であり、加熱時間は10
秒〜120秒程度である。圧力は5kg/cm程度で
ある。このカード集合体20を加熱貼合する装置は真空
熱プレス装置17に限られることはなく、通常の熱プレ
スでも、ヒートローラ装置であってもよい。
【0127】また、真空熱プレス装置17の下流側には
カードシート搬送ベルト30が設けられ、真空熱プレス
装置17によって加熱貼合されたカード集合体20を所
定の搬送方向、この例では裁断装置40に搬送される。
この際のカードシート搬送ベルト30の移動距離は真空
熱プレス装置17の搬送方向の長さL1に等しい。この
カードシート搬送ベルト30の下流側には裁断装置40
が設けられ、カード集合体20が1単位毎(例えば3列
×2)に裁断される。この裁断装置40には、垂直押し
切り型のカッターや、ロータリーカッターを使用する。
【0128】続いて、図15を参照しながら、第2の実
施形態としての受像層付きカード200の製造方法につ
いて、受像層付きカード製造装置201の制御方法を説
明する。図15は受像層付きカード製造装置201の制
御システム例の概要を示すブロック図である。第2の実
施形態としての形成工程図については第1の実施形態の
形成工程図を参照し、その説明を省略する。
【0129】この例では受像層付きカード製造装置20
1の全体を制御する制御装置70が設けられ、電子部品
4を所定のタイミングで接着剤付き裏面シート1a上に
投下するために、投下許可信号S4Aが部品カセット2
1に出力され、部品搬送制御信号S4Bが部品搬送ベル
ト22に出力される。また、制御装置70はカード集合
体20に予め形成された位置合わせマークp0(図9、
図12などに示す)を検出し、その検出に基づいてカー
ドシート搬送ベルト30を制御する。
【0130】この制御システムでは送出検出用のセンサ
71が真空熱プレス装置17側に設けられ、カード送出
位置p1でカード集合体20の位置合わせマークp0が
検出される。このセンサ71からはカード送出位置検出
信号S1が出力される。また、裁断装置40側には到達
検出用のセンサ72が設けられ、カード到達位置p2で
カード集合体20の位置合わせマークp0が検出され
る。このセンサ72からはカード到達検出信号S2が出
力される。
【0131】これらのセンサ71、72の出力段には、
制御装置70が接続され、2つの検出信号S1、S2に
基づいてカードシート搬送ベルト30が制御される。例
えば、制御装置70はカード送出位置p1とカード到達
位置p2との間でカードシート搬送ベルト30を間欠動
作させるように制御する。接着剤付き表面シート5aが
長尺シート状でかつ非伸縮性であれば、センサ71、7
2は片方のみでも可能である。
【0132】この例では、受像層付きカード200を形
成するために、一方で、接着剤付き裏面シート供給部6
Bから従動ローラ19B、19Cを介在して駆動ローラ
16に接着剤付き裏面シート1aを繰り出し、部品搬送
ベルト22から接着剤付き裏面シート1a上へ電子部品
4を供給し、接着剤付き表面シート供給部9Bから従動
ローラ19Aを介在して駆動ローラ16へ接着剤付き表
面シート5aを繰り出す。
【0133】その後、制御装置70から駆動ローラ16
へ駆動制御信号S3が出力されると、駆動ローラ16が
回転する。そして、長尺シート状の接着剤付き裏面シー
ト1aと、長尺シート状の接着剤付き表面シート5aと
の間に電子部品4を封入したカード集合体20は、駆動
ローラ16によって真空熱プレス装置17に導かれる。
制御装置70から真空熱プレス装置17には加熱貼合制
御信号S5が出力される。真空熱プレス装置17では上
部プレス部17A、下部プレス部17Bの温度及びプレ
ス圧力が一定に制御される。
【0134】最初のカード集合体20の先端部は真空熱
プレス装置17から頭を出すようにする。1回目の加熱
貼合が終了すると、真空熱プレス装置17から制御装置
70へ終了信号S6が出力される。この先端部はセンサ
71によって検出される。このセンサ71によるカード
送出位置検出信号S1は位置合わせマークp1を検出す
ることで得られる。
【0135】このカード送出位置検出信号S1を入力し
た制御装置70からカードシート搬送ベルト30にはベ
ルト搬送制御信号S7が出力される。このベルト搬送制
御信号S7によってカードシート搬送ベルト30はカー
ド集合体20の載せて移動を開始し、1回目の加熱貼合
後のカード集合体20が真空熱プレス装置17から裁断
装置40へ搬送される。このとき、駆動ローラ16も協
働してカード集合体20を下流側に移動する。この段階
ではカード集合体20が裁断されていない。
【0136】1回目のカード集合体20が真空熱プレス
装置17から裁断装置40へ搬送されると、センサ72
によってカード集合体20が到達したことが検出され
る。このセンサ72から制御装置70にはカード送出到
達検出信号S2が出力される。カード送出到達検出信号
S2を入力した制御装置70はカードシート搬送ベルト
30にベルト搬送制御信号S7を出力するので、カード
シート搬送ベルト30が停止する。図示しないが真空熱
プレス装置17の下流側にはファンが設けられ、真空熱
プレス装置17から出されたカード集合体20が裁断さ
れるまでに、ファンによる風によって冷やされる。
【0137】一方で、部品カセット21では投下許可信
号S4Aに基づいて電子部品4が所定のタイミングで部
品搬送ベルト22に投下され、部品搬送制御信号S4B
に基づいて部品搬送ベルト22が駆動する。これによ
り、接着シート10A上に電子部品4がタイミング良く
供給される。真空熱プレス装置17では2回目の加熱貼
合が行われる。2回目の加熱貼合が終了すると、真空熱
プレス装置17から制御装置70へ終了信号S6が出力
される。
【0138】その後、センサ71によるカード送出位置
検出信号S1を入力した制御装置70からカードシート
搬送ベルト30にはベルト搬送制御信号S7が出力され
る。このベルト搬送制御信号S7によってカードシート
搬送ベルト30はカード集合体20の移動を開始し、2
回目の加熱貼合後のカード集合体20が真空熱プレス装
置17から裁断装置40へ搬送される。
【0139】このとき、駆動ローラ16も協働してカー
ド集合体20を下流側に移動する。この段階ではカード
集合体20を裁断できる状態となる。従って、2回目の
カード集合体20が真空熱プレス装置17から裁断装置
40へ搬送されると、センサ72によってカード集合体
20が到達したことが検出される。このセンサ72から
制御装置70にカード到達検出信号S2が出力される。
カード到達検出信号S2を入力した制御装置70は、カ
ードシート搬送ベルト30にベルト搬送制御信号S7を
出力するので、そのカードシート搬送ベルト30は停止
する。
【0140】これと共に、裁断装置40へ裁断制御信号
S8が出力される。この裁断制御信号S8を入力した裁
断装置40では、カード集合体20が1単位の受像層付
きカードシートに裁断される。3回目以降も同様な動作
が繰り返される。これにより、長尺シート状のカード集
合体20から複数の受像層付きカードシートを得ること
ができる。この受像層付きカードシートは3日〜6日程
度自然乾燥され、接着剤が完全に硬化した後に、1枚づ
つ受像層付きカード200が打ち抜かれる。
【0141】このようにして第2の実施形態としての受
像層付きカード製造装置201及びその製造方法によれ
ば、真空熱プレス装置17によって、電子部品4の厚み
L1の30%以上の厚みに規定された反応型ホットメル
ト樹脂による接着剤が、その電子部品4の上下層に残留
するように、厚さL3’+L5の接着剤付きの裏面シー
ト1aと厚さL2’+L4の接着剤付きの受像層付き表
面シート5aと厚さL1の電子部品4とが真空熱プレス
装置17によって貼り合わされる。
【0142】従って、真空熱プレス装置17による加圧
力及び接着剤の熱溶融による変形によって、電子部品4
の一方の面と表面シート5aとの間及び電子部品4の他
方の面と裏面シート1aとの間の接着層の厚みを均一に
することができる。つまり、貼合後の電子部品4の上下
層の反応型ホットメルト樹脂による接着剤と、電子部品
4を覆わない部分の反応型ホットメルト樹脂による接着
剤とによる凹凸状を抑制できるので、少なくとも、表面
シート5aの厚みL4をパラメータとしたときに、反応
型ホットメルト樹脂による接着剤の厚みL2、L3を電
子部品4の厚みの30%未満に規定したカードに比べ
て、受像層表面にシワや凹凸が発生することなく、しか
も、耐熱温度が高く、カード厚みが薄くかつ均等な厚み
の非接触式の受受像層付きカード200を製造すること
ができる。従って、キャッシュカード、従業者証、社員
証、会員証、学生証、外国人登録証及び各種運転免許証
などのカード利用分野において、高信頼度の顔画像入り
電子カードなどの提供することができる。
【0143】(3)第3の実施形態 図16は第3の実施形態としての受像層付きカード20
0の積層構造例を示す斜視図である。図17はその枠部
材2とICチップ4Aの厚み及び各部材の厚み関係例を
示す断面図である。この実施形態では、予め多孔質の収
納部材に収納された厚さL1の電子部品4が、裏面シー
ト1上の外周領域に設けられた厚さL1’の枠部材によ
って取り囲むようになされると共に、その枠部材及び収
納部材が厚さL3’の接着シート10A及び厚さL2’
の接着シート10Bを介在して厚さL4の表面シート5
と厚さL5の裏面シート1との間に所定の加工温度条件
の下に貼合されたものである(図17参照)。
【0144】図16に示す受像層付きカード300は第
1の実施形態と同様な大きさで、しかも、接着部材を除
いて3層構造を有している。この受像層付きカード30
0の最下層には厚さL5の裏面シート1が設けられ、そ
の裏面シート1の外周領域には少なくとも厚さL1’程
度、又は、これよりも厚い枠部材2が設けられ、カード
端部からの水や薬品の浸入が阻止される。この枠部材2
の裏面は、裏面シート1上の全面に形成された厚さL
3’の接着シート10Aによって貼付されている。
【0145】この枠部材2の内側には、多孔質の収納部
材としてチップ収納シート3が設けられ、第1の実施形
態で説明したような厚さL1の電子部品4が収納され
る。この例では、少なくとも、枠部材2には電子部品4
の厚みL1にほぼ等しいか、それよりも厚く、かつ、耐
水性及び耐薬品性の高い樹脂材料を使用する。この例で
は電子部品4が多孔質状の樹脂シートによって予め覆わ
れ、その電子部品4が保護されている。
【0146】このチップ収納シート3には、織物状又は
不織布状の樹脂シートを使用する。例えば、枠部材2の
厚みL1’を600μmとして、厚みL1=300μm
程度の電子部品4の上下にクッション性のある多孔質体
や接着シート10A、10Bによって保護するようにす
れば、より耐久性が向上する。チップ収納シート3に多
孔質状の樹脂シートを使用するのは、加熱貼合時の接着
シート10A、10Bの含浸性が良くなって部材間の接
着性が優位になるからである。
【0147】この枠部材2を含む裏面シート1上の全面
には、チップ収納シート3を封入する形で、第1の実施
形態と同様にして厚さL4の表面シート5が貼合され
る。この枠部材2の表面は、表面シート5下の全面に形
成された厚さL2’の接着シート10Bによって貼付さ
れている。受像層付きの表面シート5及び裏面シート1
の積層構造は第1の実施形態と同様であり、接着シート
10A、10Bの部材については第1の実施形態と同様
であるため、その説明を省略する。なお、第1の実施形
態と同じ符号のものは同じ機能を有するので、その説明
を省略する。
【0148】この例では、枠部材2には、ICチップ4
Aの厚みにほぼ同じものが使用され、例えば、電子部品
4の外周領域とほぼ同じ大きさの開口部13を有した枠
部材2を裏面シート1に接着シート10Aを介在して形
成した後に、その枠部材2の内側にその電子部品4を収
納したチップ収納シート3を配置する。その後、チップ
収納シート3上の全面に受像層付きの表面シート5を接
着シート10Bを介在して第1の実施形態と同様な加工
温度条件の下に貼合すると、図16に示す3層構造の受
像層付きカード300が得られる。もちろん、枠部材2
には、耐水性及び耐薬品性の高い樹脂材料を使用する。
【0149】このように第3の実施形態としての受像層
付きカード300によれば、図17に示すICチップ4
Aやアンテナ体4Bなどの電子部品4が収納された多孔
質のチップ収納シート3の外周領域に、そのICチップ
4Aの厚みL1より若干厚く、かつ、耐水性及び耐薬品
性の高い樹脂材料から成る厚さL1’の枠部材2が設け
られる。従って、電子部品4を収納した図18に示すチ
ップ収納シート3の周縁部を枠部材2によって強化でき
るので、耐水性及び耐薬品性に優れ、はがれに強く、し
かも、カード厚みが極めて薄い受像層付きカード300
を提供することができる。
【0150】続いて、第3の実施形態としての受像層付
きカード製造装置301について説明をする。図19は
受像層付きカード製造装置301の構成例を示す斜視図
である。この発明の受像層付きカード製造装置301
は、長尺シート状で厚さL5の裏面シート1と、長尺シ
ート状で厚さL4の表面シート5との間に、厚さL1の
電子部品4を収納したチップ収納シート3を封入し、厚
さL3’の接着シート10Aと、厚さL2’の接着シー
ト10Bとにより貼合して、受像層付きカード300を
製造するものである。
【0151】図19において、受像層付きカード製造装
置301には第1の供給手段として裏面シート供給部6
が設けられ、長尺シート状(ウェブ状)で厚みL5の裏
面シート1が送出軸6Aに巻かれている。裏面シート供
給部6の上方には第2の供給手段としての接着シート供
給部14が設けられ、この裏面シート1上に厚みL3’
の接着シート10Aが供給される。接着シート供給部1
4は送出軸14Aを有し、その送出軸14Aには厚みL
3’の接着シート10Aが巻かれ、その接着シート10
Aが送出軸14Aから繰り出すようになされる。接着シ
ート10Aは第1の実施形態と同様に剥離シート24A
により保護されている。接着シート供給部14の下流側
にも図示しない除電ブラシが設けられ、剥離帯電した電
荷がグランドに逃すようになされており、ICチップの
静電破壊を防止できるようになされている。
【0152】この接着シート供給部14の上方には第3
の供給手段としてチップシート供給部8が設けられ、厚
みL1の電子部品4を収納したチップ収納シート3が送
出軸8Aに巻かれている。チップシート供給部8の上方
には第6の供給手段としての枠部材供給部7が設けら
れ、例えば、長尺シート状で厚みL1’の枠部材2が巻
かれている。
【0153】この枠部材供給部7の上方には第4の供給
手段としての接着シート供給部15が設けられ、この枠
部材供給部7によるチップ収納シート3上に厚みL2’
の接着シート10Bが供給される。接着シート供給部1
5は送出軸15Aを有し、その送出軸15Aには接着シ
ート10Bが巻かれ、その接着シート10Bが送出軸1
5Aから繰り出すようになされる。接着シート10Bも
第1の実施形態と同様に剥離シート24Bにより保護さ
れている。接着シート供給部15の下流側にも図示しな
い除電ブラシが設けられ、剥離帯電した電荷がグランド
に逃すようになされており、ICチップの静電破壊を防
止できるようになされている。接着シート10A、10
Bとしては第1の実施形態と同様に反応型ホットメルト
樹脂を予め薄シート状に形成されたものが使用される。
【0154】この接着シート供給部15の上方には第5
の供給手段としての表面シート供給部9が設けられ、接
着シート供給部15による接着シート10B上に受像層
付きの表面シート5が供給される。表面シート供給部9
は送出軸9Aを有し、その送出軸9Aには表面シート5
が巻かれ、その表面シート5が送出軸9Aから繰り出す
ようになされる。表面シート5は第1の実施形態と同様
に、受像層54と、「○○○従業者証」、「氏名」、
「発行日」などの画像表示情報とが幅方向に3列に並べ
られ、その画像表示情報が搬送方向に連続して印刷され
る。
【0155】また、表面シート供給部9の下流側には従
動ローラ19Aが、裏面シート供給部6の下流側には従
動ローラ19Cが、チップシート供給部8の下流側には
従動ローラ19Dが、枠部材供給部7の下流側には従動
ローラ19Eがそれぞれ設けられ、表面シート5、裏面
シート1、チップ収納シート3及び枠部材2などの搬送
方向を変更できるようになされている。
【0156】これらの6つの裏面シート供給部6、接着
シート供給部14、チップシート供給部8、枠部材供給
部7、接着シート供給部15及び表面シート供給部9の
下流側にはガイド兼位置合わせ用の駆動ローラ16が設
けられ、予め印刷された位置合わせマークp0に基づい
て裏面シート1と枠部材2及びチップ収納シート3の一
方の面とが接着シート10Aを介在した状態で、枠部材
2及びチップ収納シート3の他方の面と表面シート5と
が接着シート10Bを介在した状態で位置合わせされ、
真空熱プレス装置17の方向に導かれる。
【0157】この駆動ローラ16の下流側には貼合手段
としての真空熱プレス装置17が設けられ、第1の実施
形態と同様にして、受像層54の感熱温度Ta℃以下で
あって、反応型ホットメルト樹脂の反応終了後の軟化点
Tb℃に関し、[Tb−(35±15)]℃の加工温度
により、熱が加えられた状態で、接着シート10Aによ
って裏面シート1と枠部材2及びチップ収納シート3の
一方の面とを貼合すると共に、接着シート10Bによっ
てそのチップ収納シート3及び枠部材2の他方の面と表
面シート5とが貼合される。
【0158】この真空熱プレス装置17は第1の実施形
態と同じ機能を有するため、その説明を省略する。この
例では裏面シート1と表面シート5との間に接着シート
10A、10Bを介在して枠部材2及びチップ収納シー
ト3を封入したものを、以後、カード集合体20’とい
う。
【0159】また、真空熱プレス装置17の下流側には
カードシート搬送ベルト30が設けられ、真空熱プレス
装置17によって加熱貼合されたカード集合体20’が
裁断装置40に搬送される。その際の移動距離も長さL
1に等しい。このカードシート搬送ベルト30の下流側
には裁断装置40が設けられ、カード集合体20’が枚
葉シート状に裁断される。この裁断装置40には、第1
の実施形態と同様にして垂直押し切り型のカッターや、
ローターリカッターを使用する。
【0160】続いて、図20を参照しながら、受像層付
きカード製造装置301の制御方法について説明をす
る。図20は受像層付きカード製造装置301の制御シ
ステム例の概要を示すブロック図である。
【0161】この例では受像層付きカード製造装置30
1の全体を制御する制御装置70’が設けられ、カード
集合体20’に予め形成された位置合わせマークp0
(図12に示す)を検出し、その検出に基づいてカード
シート搬送ベルト30を制御する。この制御システムで
は第1の実施形態と同様にして、送出検出用のセンサ7
1及び到達検出用のセンサ72が設けられる。これらの
センサ71、72の出力段には、制御装置70’が接続
され、カード送出位置検出信号S1及びカード到達検出
信号S2に基づいて第1の実施形態と同様にカードシー
ト搬送ベルト30が制御される。
【0162】この例では、受像層付きカード300を形
成するために、裏面シート供給部6から従動ローラ19
Cを介在して駆動ローラ16へ裏面シート1を繰り出
し、接着シート供給部14から駆動ローラ16へ接着シ
ート10Aを繰り出し、チップシート供給部8から従動
ローラ19Dを介在してチップ収納シート3を繰り出
し、枠部材供給部7から従動ローラ19Eを介在して駆
動ローラ16に枠部材2を繰り出し、接着シート供給部
15から駆動ローラ16へ接着シート10Bを繰り出
し、表面シート供給部9から従動ローラ19Aを介在し
て駆動ローラ16へ表面シート5を繰り出す。
【0163】その後、制御装置70から駆動ローラ16
へ駆動制御信号S3が出力されると、駆動ローラ16が
回転する。そして、長尺シート状の裏面シート1と、長
尺シート状の表面シート5との間に接着シート10A、
10Bを介在して枠部材2及びチップ収納シート3を封
入したカード集合体20’は、駆動ローラ16によって
真空熱プレス装置17に導かれる。制御装置70’から
真空熱プレス装置17には加熱貼合制御信号S5が出力
される。この加熱貼合制御信号S5に基づいて上部プレ
ス部17A、下部プレス部17Bの温度及びプレス圧力
が、第1の実施形態と同様にして加工温度=60℃、圧
力5kg/cm2に制御される。
【0164】最初のカード集合体20’の先端部は第1
の実施形態と同様にして真空熱プレス装置17から頭を
出すようにする。1回目の加熱貼合が終了すると、真空
熱プレス装置17から制御装置70’へ終了信号S6が
出力される。この先端部はセンサ71によって検出され
る。このセンサ71によるカード送出位置検出信号S1
は位置合わせマークp1を検出することで得られる。
【0165】このカード送出位置検出信号S1を入力し
た制御装置70’からカードシート搬送ベルト30には
ベルト搬送制御信号S7が出力される。このベルト搬送
制御信号S7によってカードシート搬送ベルト30はカ
ード集合体20’の載せて移動を開始し、1回目の加熱
貼合後のカード集合体20’が真空熱プレス装置17か
ら裁断装置40へ搬送される。このとき、駆動ローラ1
6も協働してカード集合体20’を下流側に移動する。
この段階ではカード集合体20’が裁断されていない。
【0166】1回目のカード集合体20’が真空熱プレ
ス装置17から裁断装置40へ搬送されると、センサ7
2によってカード集合体20’が到達したことが検出さ
れる。このセンサ72から制御装置70’にカード送出
到達検出信号S2が出力される。カード送出到達検出信
号S2を入力した制御装置70’はカードシート搬送ベ
ルト30にベルト搬送制御信号S7を出力するので、カ
ードシート搬送ベルト30が停止する。図示はしないが
第1の実施形態と同様にして、真空熱プレス装置17か
ら出されたカード集合体20’がファンによって冷やさ
れる。
【0167】一方で、真空熱プレス装置17では2回目
の加熱貼合が行われる。2回目の加熱貼合が終了する
と、真空熱プレス装置17から制御装置70’へ終了信
号S6が出力される。その後、センサ71によるカード
送出位置検出信号S1を入力した制御装置70’からカ
ードシート搬送ベルト30にはベルト搬送制御信号S7
が出力される。このベルト搬送制御信号S7によってカ
ードシート搬送ベルト30はカード集合体20’の移動
を開始し、2回目の加熱貼合後のカード集合体20’が
真空熱プレス装置17から裁断装置40へ搬送される。
【0168】このとき、駆動ローラ16も協働してカー
ド集合体20’を下流側に移動する。この段階ではカー
ド集合体20’を裁断できる状態となる。従って、2回
目のカード集合体20’が真空熱プレス装置17から裁
断装置40へ搬送されると、センサ72によってカード
集合体20’が到達したことが検出される。このセンサ
72から制御装置70’にカード到達検出信号S2が出
力される。カード到達検出信号S2を入力した制御装置
70’は、カードシート搬送ベルト30にベルト搬送制
御信号S7を出力するので、そのカードシート搬送ベル
ト30は停止する。
【0169】これと共に、裁断装置40へ裁断制御信号
S8が出力される。この裁断制御信号S8を入力した裁
断装置40では、カード集合体20’が1単位の受像層
付きカードシートに裁断される。3回目以降も同様な動
作が繰り返される。これにより、カード集合体20’か
ら複数の受像層付きカードシートを得ることができる。
【0170】このようにして第3の実施形態としての受
像層付きカード製造装置301によれば、真空熱プレス
装置17によって、裏面シート1と、チップ収納シート
3及び電子部品4を取り囲んだ枠部材2の一方の面と
が、反応型ホットメルト樹脂を薄シート状にした接着シ
ート10Aを介在して加工温度=60℃の下に貼合され
ると共に、その枠部材2及びチップ収納シート3の他方
の面と表面シート5とが接着シート10Bを介在して加
工温度=60℃の下に貼合される。
【0171】従って、電子部品4をチップ収納シート3
によって保護できると共に、接着部材の塗布量などのフ
ィードバック制御を行なうことなく、そのチップ収納シ
ート3の一方の面と表面シート5との間及びそのチップ
収納シート3の他方の面と裏面シート1との間の接着層
の厚みを均一にすることができる。これにより、表面シ
ート5及び裏面シート1によってチップ収納シート3を
均一な厚みの接着シート10A、10Bで挟むことがで
きるので、カード表面に凹凸状がほとんどなく平坦で、
カード厚みが薄く、しかも、耐熱温度Tbが高い非接触
式の受像層付きICカードを製造することができる。
【0172】これと共に、電子部品4を収納したチップ
収納シート3の周縁部を枠部材2によって強化できるの
で、耐水性及び耐薬品性に優れ、はがれに強く、しか
も、カード厚みが極めて薄い受像層付きカード300を
製造することができる。
【0173】この例の受像層付きカード製造装置301
では電子部品4の供給に関してはチップ収納シート3を
送出軸8Aから繰り出すだけなので、第1の実施形態に
比べて部品カセットや部品搬送ベルトなどの搬送機構の
制御を行わなくても済む。これにより、制御装置70’
の制御負担をより一層軽減することができる。
【0174】続いて、図21〜図25を参照しながら、
第3の実施形態としての受像層付きカード300の製造
方法について説明する。図21A〜図21Cは第3の実
施形態としての受像層付きカード300の製造方法を示
す形成工程例(その1)の断面図であり、図22A〜1
9Cはその形成工程例(その2)の断面図である。図2
3〜図25はそれを補足する各シート状の部材を示す上
面図である。
【0175】この例では、当該カード利用者の顔画像を
熱転写するための受像層54が表面シート5に形成され
ている場合であって、いずれもの部材も長尺シート状
で、枠部材2の内側に配置したチップ収納シート3を裏
面シート1と表面シート5との間に接着シート10A、
10Bを介在して貼合したカード集合体20’を形成す
る場合について説明する。
【0176】上述の厚さL5の裏面シート1は図19に
示した裏面シート供給部6の送出軸6Aに巻かれてお
り、厚みL3’の接着シート10Aは接着シート供給部
14の送出軸14Aに巻かれている。厚さL1の電子部
品4は多孔質の収納部材から成るチップ収納シート3に
収納され、このチップ収納シート3がチップシート供給
部8の送出軸8Aに巻かれている。更に、その電子部品
4の外周領域とほぼ同じ大きさの開口部13を形成した
長尺シート状で厚さL1’の枠部材2が枠部材供給部7
の送出軸7Aに巻かれている。厚さL2’の接着シート
10Bは接着シート供給部15の送出軸15Aに巻か
れ、受像層付きの厚さL4の表面シート5は表面シート
供給部9の送出軸9Aに巻かれている。これらの部材が
準備されていることを前提とする。
【0177】まず、図21Aにおいて、裏面シート供給
部6から繰り出した厚みL5の裏面シート1上に、接着
シート供給部14から繰り出した厚みL3’の接着シー
ト10Aを貼付する。裏面シート1には第1の実施形態
と同様にペンで書けるような筆記層12を有している。
【0178】その後、図21Bにおいて、接着シート1
0A上にチップシート供給部8から繰り出したほぼ厚み
L1のチップ収納シート3を貼合する。このチップ収納
シート3は織物状又は不織布状の樹脂シートから成り、
図23に示すチップ収納シート3の中には、第1の実施
形態で説明したICチップ4A及びアンテナ体4Bなど
の電子部品4が予め収納されている。
【0179】この接着シート10A上にチップ収納シー
ト3を形成した後に、図21Cにおいて、そのチップ収
納シート3上から厚みL1’の枠部材2を貼合する。こ
の枠部材2と裏面シート1とは熱溶融時にチップ収納シ
ートを含浸する接着シート10Aによって貼合される。
枠部材2には電子部品4を1つづ収納できる大きさの図
24に示す開口部13が例えば搬送方向に連続して開口
されている。この開口部13の大きさは、電気部品4の
外周領域の大きさに等しく、その厚みはその電子部品4
の厚みにほぼ等しいか、それよりも厚い。しかも、枠部
材2は耐水性及び耐薬品性の樹脂材料を使用して形成さ
れたものである。この枠部材3には例えば反応型ホット
メルト系やアクリル系又はエポキシ系のホットメルト樹
脂を予めシート状にし、この樹脂シートに開口部13を
打ち抜いたものを使用する。
【0180】その後、図22Aにおいて、枠部材2及び
チップ収納シート3上の全面に、接着シート供給部15
から繰り出した厚みL2’の接着シート10Bを貼合す
る。接着シート10A、10Bには反応型ホットメルト
樹脂を予め薄シート状に形成したものを使用する。この
例ではチップ収納シート3に比べて軟化点の低い接着シ
ート10A、10Bを使用する。好ましくは、接着シー
ト10A、10Bには、チップ収納シート3に比べて軟
化点が20℃以上低い薄シート状の反応型ホットメルト
樹脂を使用する。
【0181】この際の接着シート10A、10Bに関し
て、チップ収納シート3の軟化点に比べて20℃以上低
くしたのは、チップ収納シート3の収容体としての型く
ずれを無くすこと、及び、ICチップ4を熱破壊から保
護するためである。これは接着シート10A、10Bの
軟化点とチップ収納シート3の軟化点とが余り接近して
いると、カード貼合処理や、前述したような当該受像層
付きカードの使用状況において、チップ収納シート3が
変形してしまい、当該受像層付きカードの凹凸状の発生
原因となるからである。
【0182】すなわち、接着シート10A、10Bに関
して、チップ収納シート3の軟化点に比べて20℃以
上、好ましくは、接着シート10A、10Bの軟化点が
95℃以上で、チップ収納シート3の軟化点がICチッ
プの破壊温度(例えば、はんだの溶融温度)以下に抑え
られる程度に、その接着シート10A、10Bの軟化点
とチップ収納シート3の軟化点との間に温度差を持たせ
ればよいという考えに基づくものである。
【0183】この例で、先に裏面シート1上にチップ収
納シート3を形成したのは、長尺シート状の表面シート
5を可能な限り平坦化するためである。すなわち、枠部
材2を先に裏面シート1上に形成した場合には、チップ
収納シート3を長尺シート状としたために、この枠部材
2上にチップ収納シート3の余剰部分が覆うことにな
る。従って、わずかであるがプレス後の枠部材2にチッ
プ収納シート3が接着シート10Bと共に厚みとなって
残留する。この不均一な厚みが表面シート5の平坦化の
妨げとなる。これを枠部材2の裏面側にもってくること
で、表面シート5の平坦化が図れる。
【0184】その後、図22Bにおいて、接着シート1
0B上に受像層付きの厚さL4の表面シート5を形成す
る。表面シート5には第1の実施形態と同様にして予め
当該受像層付きカード300の利用者のための画像表示
情報が印刷されている。この例では表面シート5は長尺
シート状を有している。この表面シート5の端部には予
め位置合わせマークp0が印刷されている。なお、枠部
材2及びチップ収納シート3上に表面シート5を形成す
る際に、図示しない発泡性のウレタンシートを枠部材2
の内側領域、すなわち、電子部品4の収納領域と表面シ
ート5との間に形成してもよい。このウレタンシートに
よって電子部品4による表面シート5などをより一層保
護できる。
【0185】その後、図22Cにおいて、第1の実施形
態と同様にして加熱加圧処理を行うと、図25に示す長
尺シート状のカード集合体20’が完成する。その際の
貼合条件は第1の実施形態とほぼ同様にして、加熱温度
=60℃に設定し、加熱時間を30秒程度とした。圧力
は5kg/cm2程度である。これにより、上述した
(1)、(2)式を満足する長尺シート状のカード集合
体20’が完成する。この例では、枠部材2上からカー
ド集合体20’を裁断して1単位の受像層付きカードシ
ートを形成する。
【0186】図25に示す斜線部分は電子部品4を保護
するために形成された枠部材2である。この枠部材2
は、カード集合体20’を1枚の受像層付きカード30
0に打ち抜いたときに、その受像層付きカード300の
中央部分に比べて固い部分となるところである。上述の
枠部材2を目標にして裁断すると、カード集合体20’
を変形することなく裁断できる。たとえ、接着シート1
0A、10Bが完全に硬化していなくても、枠部材2の
ところをカットすれば、カードに歪みを与えることが極
めて少ない。その後、受像層付きカードシートが完全に
硬化してからパンチング装置などによって1枚づつ受像
層付きカード300が打ち抜かれる。
【0187】このように第3の実施形態としての受像層
付きカード300の製造方法によれば、裏面シート1と
受像付きの表面シート5と電子部品4とを反応型ホット
メルト樹脂による接着シート10A、10Bを介して貼
り合わせる工程を有し、その貼合後の電子部品4の上下
層の反応型ホットメルト樹脂による接着シート10A、
10Bの厚みL2、L3がその電子部品4の厚みL1の
30%以上に規定されている。
【0188】従って、貼合後の電子部品4が無い部分は
熱溶融及び加圧による接着シート10A、10Bが渾然
一体化すると共に、電子部品4の表面と表面シート5と
の間及びその電子部品4の裏面と裏面シート1との間
は、その接着層の厚みを均一にすることができる。つま
り、貼合後の電子部品4を覆う上下層の反応型ホットメ
ルト樹脂による接着シート10A、10Bと、電子部品
4を覆わない部分の反応型ホットメルト樹脂による接着
シート10A、10Bの凹凸状を抑制できるので、少な
くとも、表面シート5の厚みL4をパラメータとしたと
きに、反応型ホットメルト樹脂による接着シート10
A、10Bの厚みL2、L3を電子部品4の厚みL1の
30%未満に規定したカードに比べて、受像層表面にシ
ワや凹凸が発生することなく、しかも、耐熱温度Tbが
高く、カード厚みが薄くかつ均等な厚みの非接触式の受
像層付きカード100を製造することができる。
【0189】また、反応型ホットメルト樹脂が硬化する
ときに、カード端面から空気中の水分を吸収して内部に
伝搬するが、反応型ホットメルト樹脂による接着シート
10A、10Bの厚みを電子部品4の厚みL1の30%
以上に規定したことにより、カード内部へ伝搬される水
分を均等に伝搬させることができる。従って、受像層付
きカード100を均一に硬化させることができる。しか
も、貼合後から反応性ホットメルト樹脂が硬化するまで
の硬化時間を従来方式に比べて短縮させることができ
る。
【0190】更に、表面シート5及び裏面シート1によ
ってチップ収納シート3を均一な厚みの接着シート10
A、10Bで挟むことができる。従って、第1及び第2
の実施形態と同様にして、カード表面に凹凸状がほとん
どなく平坦で、カード厚みが薄く、しかも、耐熱温度T
bが高い非接触式の受像層付きICカードを再現性よく
形成することができるので、キャッシュカード、従業者
証、社員証、会員証、学生証、外国人登録証及び各種運
転免許証などのカード利用分野において、高信頼度の顔
画像入り電子カードなどの提供することができる。
【0191】(4)第4の実施形態 図26A〜図26Cは第4の実施形態としての受像層付
きカード400の製造方法を示す形成工程例の断面図で
ある。この例では、紫外線によって硬化する薄シート状
の接着部材を使用してリアルタイムに裏面シート1上に
枠体を形成すると共に、裏面シート1と表面シート5と
の間に電子部品4を所定の加工温度条件の下に貼合する
ものである。
【0192】例えば、図26Aにおいて、厚みL5の裏
面シート1上に薄シート状の接着部材として厚みL3’
の接着シート10Cを貼付する。この接着シート10C
は紫外線によって硬化する樹脂を予め薄シート状に形成
したものである。この接着部材には紫外線によって硬化
する樹脂を含浸した薄シート状の部材を使用してもよ
い。
【0193】その後、図24Bにおいて、接着シート1
0C上に厚みL1の電子部品4を形成する。この際に電
子部品4を予め収納したチップ収納シート3を接着シー
ト10C上に形成してもよい。その後、電子部品4上に
厚みL2’の接着シート10Dを形成した後に、紫外線
を照射する。この紫外線は電子部品4を取り囲むように
照射する。照射した部分が硬化して枠体として機能する
からである。
【0194】その後、図26Cにおいて、接着シート1
0D上に受像層付きの厚みL4の表面シート5を形成し
た後に、真空熱プレス装置17によって、上述した裏面
シート1、電子部品4及び表面シート5を加熱貼合処理
する。この貼合条件は第1〜第3の実施形態とほぼ同様
にして、加熱温度=60℃に設定し、加熱時間を30秒
程度とした。圧力は5kg/cm2程度である。この貼
合処理によってカード中央部に比べてカード周辺部が枠
体のように硬くなる。
【0195】このように第4の実施形態によれば、裏面
シート1と受像付きの表面シート5と電子部品4とを反
応型ホットメルト樹脂による接着シート10C、10D
を介して貼り合わせる工程を有し、その貼合後の電子部
品4の上下層の反応型ホットメルト樹脂による接着シー
ト10C、10Dの厚みL2、L3がその電子部品4の
厚みL1の30%以上に規定されている。
【0196】従って、貼合後の電子部品4が無い部分は
熱溶融及び加圧による接着シート10C、10Dが渾然
一体化すると共に、電子部品4の表面と表面シート5と
の間及びその電子部品4の裏面と裏面シート1との間
は、その接着層の厚みを均一にすることができる。つま
り、貼合後の電子部品4を覆う上下層の反応型ホットメ
ルト樹脂による接着シート10C、10Dと、電子部品
4を覆わない部分の反応型ホットメルト樹脂による接着
シート10C、10Dの凹凸状を抑制できるので、表面
シート5の厚みL4及び裏面シートL1の厚みL5をパ
ラメータとしたときに、反応型ホットメルト樹脂による
接着シート10C、10Dの厚みL2、L3を電子部品
4の厚みL1の30%未満に規定したカードに比べて、
受像層54にシワが発生することなく、しかも、耐熱温
度Tbが高く、カード厚みが薄くかつ均等な厚みの非接
触式の受像層付きカード400を製造することができ
る。
【0197】また、第3の実施形態のように枠部材2を
使用しなくても、電子部品4の周縁部を熱硬化後の接着
シート10C、10Dによって時間経過と共に強化でき
るので、耐水性及び耐薬品性に優れ、はがれに強く、し
かも、第1の実施形態に比べてカード厚みが極めて薄い
受像層付きカード400を製造することができる。
【0198】上述の実施形態では、電子部品4を長尺シ
ート状のチップ収納シート3に収納する場合について説
明したが、これに限られることはなく、電子部品4を枚
葉シート状のチップ収納シート3に収納して、裏面シー
ト1と表面シート5との間に挟んだ受像層付きカード4
00を形成してもよい。
【0199】各実施形態では、一方の面に剥離シート2
4Aや24Bを有した長尺シート状の接着シート10
A、10Bを使用する場合について説明したが、これに
限られることはなく、剥離シートを有した枚葉シート状
の接着シート10A、10Bを使用してもよい。例え
ば、裏面シートを長尺シート状で供給し、表面シート5
を枚葉シート状で供給する場合などにおいて、枚葉シー
ト状の接着シート10A、10Bを使用して電子部品4
やチップ収納シート3を封入する場合などに最適であ
る。表面シート5や接着シート10A、10Bなどが節
約できる。
【0200】この接着シート10A、10Bとして反応
型ホットメルト樹脂を用いれば、比較的低温でカード貼
合処理などができて作成し易く、しかも、カード作成時
にはその接着シート10A、10Bが高温となっても、
従来方式のように接着部材がダレたりせず、非常に耐久
性の高い従業者証、社員証、会員証、学生証、外国人登
録証や、各種運転免許証などの非接触式のICカードを
得ることができる。
【0201】(5)比較例 図27は電子部品4の厚みとその上下層の接着シートの
厚みとの関係例を示す図表である。この図表は、貼合後
の接着シートの厚みを電子部品4の厚みの30%以上に
規定した場合と、貼合後の接着シートの厚みを電子部品
4の厚みの30%未満に規定した場合に関して、表面シ
ートの厚み及び裏面シートの厚みをパラメータとして、
受像層表面のシワや凹凸の発生有無を比較したものであ
る。
【0202】 比較条件:第1の実施形態による製造
方法を採用し、接着シートには反応型ホットメルト樹脂
を使用した。上述の電子部品4の厚みL1に関しては、
比較例1が75μm、比較例2が80μm、実施例1が
50μm、実施例2が100μm、実施例3が200μ
mであり、表面シートの厚みL4に関しては、比較例
1、実施例1〜実施例3が170μm、比較例2が15
0μmである。また、裏面シートの厚みL5に関して
は、比較例1が50μm、比較例2が150μm、実施
例1〜実施例3が100μmである。更に、電子部品4
上に設ける貼合前の接着シートの厚みL2’に関して
は、比較例1が57.5μm、比較例2が40μm、実
施例1が55μm、実施例2が170μm、実施例3が
200μmであり、電子部品4下に設ける貼合前の接着
シートの厚みL3’に関しては、比較例1が57.5μ
m、比較例2が120μm、実施例1が60μm、実施
例2が170μm、実施例3が300μmである。 加工条件:加熱温度は60℃、加熱時間は30秒、
圧力は5kg/cm2である。 硬化条件:温度23℃、湿度80%RHの雰囲気中
で放置時間は1週間である。 硬化後の状態 電子部品4上に残留した貼合後の接着シートの厚みL2
に関しては、比較例1が20μm(26%)、比較例2
が20μm(25%)、実施例1が30μm(60
%)、実施例2が120μm(120%)、実施例3が
120μm(60%)であり、電子部品4下に残留した
貼合後の接着シートの厚みL3に関しては比較例1が2
0μm(26%)、比較例2が60μm(75%)、実
施例1が35μm(70%)、実施例2が120μm
(120%)、実施例3が180μm(60%)であ
る。総厚L0に関しては、比較例1及び実施例1が11
5μm、比較例2が160μm、実施例2が340μ
m、実施例3が600μmである。 比較結果:比較例1では受像層表面に10±3μm
の凹凸が発生した。これは貼合後の接着シートの厚みが
電子部品4の厚みの26%(30%未満)に規定されて
いるので、(2)式のL0≦600μmを満たしていて
も、(1)式の0.3・L1≦L2及び0.3・L1≦
L3を満たしていないことから、受像層表面に10±3
μmの凹凸が発生したものと考えられる。
【0203】比較例2でも、受像層表面に10±3μm
の凹凸が発生した。これは電子部品4下に残留した貼合
後の接着シートの厚みL3に関しては、(2)式及び
(1)式の0.3・L1≦L3を満しているが、電子部
品4上に残留した貼合後の接着シートの厚みL2に関し
ては、(1)式の0.3・L1≦L2を満たしていない
ことから、受像層表面に10±3μmの凹凸が発生した
ものと考えられる。
【0204】これに対して、実施例1では貼合後の接着
シートの厚みが電子部品4の厚みの60%(30%以
上)に規定され、総厚L0も600μm以下なので、受
像層表面に5μm以上の凹凸が発生しなかった。また、
実施例2も貼合後の接着シートの厚みが電子部品4の厚
みの120%(30%以上)に規定され、総厚L0も6
00μm以下なので、受像層表面に5μmの凹凸が発生
しなかった。
【0205】更に、実施例3も貼合後の接着シートの厚
みが電子部品4の厚みの60%(30%以上)に規定さ
れ、総厚L0も600μmなので、受像層表面に5μm
の凹凸が発生しなかった。なお、総厚L0が600μm
を越えるほど、カード端末への水分の伝達が不均一にな
って、完全硬化するまでの時間が長くなったり、カード
厚が不均等になる。
【0206】このように、貼合後の反応型ホットメルト
樹脂による接着シートの厚みL2、L3が実施例1〜実
施例3のように電子部品4の厚みL1の30%以上に規
定されるので、比較例1及び比較例3に比べて、受像層
表面にシワや凹凸が発生することなく、しかも、耐熱温
度が高く、カード厚みが薄くかつ均等な厚みの非接触式
の受像層付きカードを製造することができた。
【0207】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の受像層付
きカードによれば、第1のシート部材と受像付きの第2
のシート部材とカード用の電子部品とを貼り合わせた後
の電子部品の上下層の反応型ホットメルト樹脂の厚みが
その電子部品の厚みの30%以上に規定されている。
【0208】この構成によって、電子部品を覆う上層の
反応型ホットメルト樹脂と、電子部品を覆わない部分の
反応型ホットメルト樹脂による凹凸状を抑制できるの
で、反応型ホットメルト樹脂の厚みを電子部品の厚みの
30%未満に規定したカードに比べて、受像層表面にシ
ワや凹凸が発生することなく、しかも、カード厚みが薄
くかつ均等な厚みの受像層付きカードを提供することが
できる。従って、キャッシュカード、従業者証、社員
証、会員証、学生証、外国人登録証及び各種運転免許証
などのカード利用分野において、顔画像入り電子カード
などの信頼性を向上させることができる。
【0209】本発明の受像層付きカードの第1の製造装
置によれば、第1のシート部材と受像付きの第2のシー
ト部材とカード用の電子部品とを反応型ホットメルト樹
脂の接着部材を介在して貼り合わせる貼合手段が設けら
れ、その貼付後の電子部品の上下層の反応型ホットメル
ト樹脂の厚みがその電子部品の厚みの30%以上に規定
されている。
【0210】この構成によって、貼合後の電子部品の上
下層の反応型ホットメルト樹脂と、電子部品を覆わない
部分の反応型ホットメルト樹脂による凹凸状を抑制でき
るので、反応型ホットメルト樹脂の厚みを電子部品の厚
みの30%未満に規定したカードに比べて、受像層表面
にシワや凹凸が発生することなく、しかも、カード厚み
が薄くかつ均等な厚みの受像層付きカードを提供するこ
とができる。
【0211】本発明の受像層付きカードの第2の製造装
置によれば、接着剤付きの第1のシート部材と受像付き
の接着剤付き第2のシート部材とカード用の電子部品と
を貼り合わせる貼合手段が設けられ、その貼合後の電子
部品の上下層の反応型ホットメルト樹脂の厚みがその電
子部品の厚みの30%以上に規定されている。
【0212】この構成によって、第1の製造装置と同様
にして、反応型ホットメルト樹脂による凹凸状を抑制で
きるので、受像層表面にシワや凹凸が発生することな
く、しかも、カード厚みが薄くかつ均等な厚みの受像層
付きカードを提供することができる。
【0213】本発明の受像層付きカードの第3の製造装
置によれば、第1の接着部材によって第1のシート部材
と収納部材の一方の面とを貼合すると共に、第2の接着
部材によって収納部材の他方の面と受像層付きの第2の
シート部材とを所定の加工温度条件の下に貼合する貼合
手段が設けられ、その貼合後の電子部品の上下層の反応
型ホットメルト樹脂による接着部材の厚みがその電子部
品の厚みの30%以上に規定されている。
【0214】この構成によって、第1及び第2の製造装
置と同様にして、反応型ホットメルト樹脂による凹凸状
を抑制できるので、受像層表面にシワや凹凸が発生する
ことなく、しかも、カード厚みが薄くかつ均等な厚みの
受像層付きカードを提供することができる。
【0215】本発明の受像層付きカードの製造方法によ
れば、第1のシート部材と受像付きの第2のシート部材
とカード用の電子部品とを反応型ホットメルト樹脂の接
着部材を介して貼り合わせる工程を有し、その貼合後の
電子部品の上下層の反応型ホットメルト樹脂の厚みがそ
の電子部品の厚みの30%以上に規定されている。
【0216】この構成によって、電子部品を覆う上層の
反応型ホットメルト樹脂と、電子部品を覆わない部分の
反応型ホットメルト樹脂による凹凸状を抑制できるの
で、反応型ホットメルト樹脂の厚みを電子部品の厚みの
30%未満に規定したカードに比べて、受像層表面にシ
ワや凹凸が発生することなく、しかも、カード厚みが薄
くかつ均等な厚みの受像層付きカードを提供することが
できる。
【0217】この発明は顔画像が形成されるキャッシュ
カード、従業者証、社員証、会員証、学生証、外国人登
録証及び各種運転免許証などの非接触式のICカードに
適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態としての受像層付きカード10
0の積層構造例を示す斜視図である。
【図2】各実施形態としての受像層付きカードの各部材
の厚み例を示す断面図である。
【図3】その表面シート5の積層構造例を示す断面図で
ある。
【図4】その裏面シート1の積層構造例を示す断面図で
ある。
【図5】第1の実施形態としての受像層付きカード製造
装置101の構成例を示す斜視図である。
【図6】その受像層付きカード製造装置101の制御シ
ステム例を示すブロック図である。
【図7】A〜Cは、第1の実施形態としての受像層付き
カード100の形成工程例(その1)を示す断面図であ
る。
【図8】A、Bは、第1の実施形態としての受像層付き
カード200の形成工程例(その2)を示す断面図であ
る。
【図9】その裏面シート1の印刷例を示す上面図であ
る。
【図10】その電子部品4の供給例を示す上面図(その
1)である。
【図11】その電子部品4の供給例を示す上面図(その
2)である。
【図12】その表面シート5の印刷例を示す上面図であ
る。
【図13】第2の実施形態としての受像層付きカード2
00の積層構造例を示す斜視図である。
【図14】第2の実施形態としての受像層付きカード製
造装置201の構成例を示す斜視図である。
【図15】その受像層付きカード製造装置201の制御
システム例を示すブロック図である。
【図16】第3の実施形態としての受像層付きカード3
00の積層構造例を示す斜視図である。
【図17】その受像層付きカード300の枠部材2とI
Cチップ4Aの厚みとの関係例を示す断面図である。
【図18】その電子部品4を取り囲んだ枠部材2の構成
例を示す上面図である。
【図19】第3の実施形態としての受像層付きカード製
造装置301の構成例を示す斜視図である。
【図20】その受像層付きカード製造装置301の制御
システム例を示すブロック図である。
【図21】A〜Cは、第3の実施形態としての受像層付
きカード300の形成工程例(その1)を示す断面図で
ある。
【図22】A、Bは、第3の実施形態としての受像層付
きカード300の形成工程例(その2)を示す断面図で
ある。
【図23】その長尺シート状のチップ収納シート3の構
成例を示す上面図である。
【図24】その長尺シート状の枠部材2の構成例を示す
上面図である。
【図25】その長尺シート状のカード集合体20’の裁
断例を示す上面図である。
【図26】A〜Cは、第4の実施形態としての受像層付
きカード400の形成工程例を示す断面図である。
【図27】電子部品の厚みとその上下層の接着シートの
厚みとの関係の比較例を示す表図である。
【符号の説明】
1 裏面シート(第1のシート部材) 1a 接着剤付き裏面シート(第1のシート部材) 2 枠部材 3 チップ収納シート(収納部材) 4 電子部品 4A ICチップ 4B アンテナ体 5 表面シート(第2のシート部材) 5a 接着剤付き裏面シート(第1のシート部材) 6 裏面シート供給部(第1の供給手段) 6B 接着剤付き裏面シート供給部(第1の供給手段) 7 枠部材供給部(第6の供給手段) 8 チップシート供給部(第3の供給手段) 9 表面シート供給部(第5の供給手段) 9B 接着剤付き表面シート供給部(第3の供給手段) 10,10A,10B 接着シート(薄シート状の接着
部材) 13 開口部 14 接着シート供給部(第2の供給手段) 15 接着シート供給部(第4の供給手段) 16 駆動ローラ 17 真空熱プレス装置(貼合手段) 20,20’ カード集合体 21 部品カセット 22 部品搬送ベルト(第3の供給手段) 23 位置合わせ具 30 カードシート搬送ベルト 40 裁断装置 70,70’ 制御装置 100,200,300,400 受像層付きカード 101,201,301 受像層付きカード製造装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA09 HA10 HB01 HB03 HB09 KA06 KA37 KA45 LA03 LA11 LA20 MA06 MA10 MA11 MA14 MB01 MB08 NA09 NA39 PA18 RA04 RA11 TA22

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のシート部材と、 当該カード利用者の顔画像が熱転写される受像層を有し
    た第2のシート部材と、 前記第1のシート部材と前記第2のシート部材との間に
    設けられた所定の厚みのカード用の電子部品とを備え、 少なくとも、前記第1のシート部材と第2のシート部材
    と電子部品とを反応型ホットメルト樹脂による接着部材
    を介在して貼り合わせた積層構造を有し、 前記電子部品の上下層の接着部材の厚みが該電子部品の
    厚みの30%以上に規定されたことを特徴とする受像層
    付きカード。
  2. 【請求項2】 前記電子部品の上下層に反応型ホットメ
    ルト樹脂が形成される場合であって、 前記電子部品の厚みをL1μmとし、 貼合後の前記反応型ホットメルト樹脂の上層の厚みをL
    2μmとし、該反応型ホットメルト樹脂の下層の厚みを
    L3μmとしたときに、次式、すなわち、 0.3・L1≦L2及び0.3・L1≦L3 を満たす場合であって、 貼合後の前記電子部品の厚みL1及び該電子部品の上層
    の反応型ホットメルト樹脂の厚みL2と、前記電子部品
    の下層の反応型ホットメルト樹脂の厚みL3の総厚をL
    0μmとしたときに、次式、すなわち、 L0=L1+L2+L3、及び、 L0≦600μmに規定されることを特徴とする請求項
    1に記載の受像層付きカード。
  3. 【請求項3】 前記受像層及び反応型ホットメルト樹脂
    が使用される場合であって、 前記受像層が受熱して熱拡散を起こす感熱温度をTa℃
    とし、 前記反応型ホットメルト樹脂の硬化反応終了後の軟化点
    をTb℃としたときに、 少なくとも、前記感熱温度Ta以下であって、[Tb−
    (35±15)]℃の加熱温度により前記第2のシート
    部材と第1のシート部材とが貼り合わされて成ることを
    特徴とする請求項1に記載の受像層付きカード。
  4. 【請求項4】 前記電子部品は多孔質の収納部材に収納
    されていることを特徴とする請求項1記載の受像層付き
    カード。
  5. 【請求項5】 前記第1のシート部材上の外周領域に設
    けられた枠部材と、 前記枠部材の内側領域に設けられた電子部品とを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の受像層付きカード。
  6. 【請求項6】 前記接着部材には反応型ホットメルト樹
    脂を予め薄シート状に形成したものが使用されることを
    特徴とする請求項1記載の受像層付きカード。
  7. 【請求項7】 前記接着部材を予め前記第2のシート部
    材及び前記第1のシート部材に塗布して形成したことを
    特徴とする請求項1記載の受像層付きカード。
  8. 【請求項8】 前記第2のシート部材上の表面に更に保
    護シートを設けて作成されたことを特徴とする請求項1
    に記載の受像層付きカード。
  9. 【請求項9】 第1のシート部材を供給する第1の供給
    手段と、 前記第1の供給手段による第1のシート部材上に薄シー
    ト状の第1の接着部材を供給する第2の供給手段と、 前記第2の供給手段による第1の接着部材上にカード用
    の電子部品を供給する第3の供給手段と、 前記第3の供給手段による電子部品上に薄シート状の第
    2の接着部材を供給する第4の供給手段と、 前記第4の供給手段による第2の接着部材上に受像層付
    きの第2のシート部材を供給する第5の供給手段と、 前記第1の接着部材によって前記第1のシート部材と電
    子部品の一方の面とを貼合すると共に、前記第2の接着
    部材によって前記電子部品の他方の面と第2のシート部
    材とを所定の加工温度条件の下に貼合する貼合手段とを
    備え、 貼合後の前記電子部品の上下層の接着部材の厚みが該電
    子部品の厚みの30%以上に規定されたことを特徴とす
    る受像層付きカードの製造装置。
  10. 【請求項10】 接着剤付きの第1のシート部材を供給
    する第1の供給手段と、 前記第1の供給手段による接着剤付きの第1のシート部
    材の上に、カード用の電子部品を供給する第2の供給手
    段と、 前記第2の供給手段による電子部品上に受像層付きの接
    着剤付き第2のシート部材を供給する第3の供給手段
    と、 前記接着剤付きの第1のシート部材と電子部品の一方の
    面とを貼合すると共に、前記電子部品の他方の面と受像
    層付きの接着剤付き第2のシート部材とを所定の加工温
    度条件の下に貼合する貼合手段とを備え、 貼合後の前記電子部品の上下層の接着剤の厚みが該電子
    部品の厚みの30%以上に規定されたことを特徴とする
    受像層付きカードの製造装置。
  11. 【請求項11】 第1のシート部材を供給する第1の供
    給手段と、 前記第1の供給手段による第1のシート部材上に薄シー
    ト状の第1の接着部材を供給する第2の供給手段と、 前記第2の供給手段による第1の接着部材上にカード用
    の電子部品を収納した収納部材を供給する第3の供給手
    段と、 前記第3の供給手段による収納部材上に薄シート状の第
    2の接着部材を供給する第4の供給手段と、 前記第4の供給手段による第2の接着部材上に受像層付
    きの第2のシート部材を供給する第5の供給手段と、 前記第1の接着部材によって前記第1のシート部材と収
    納部材の一方の面とを貼合すると共に、前記第2の接着
    部材によって前記収納部材の他方の面と受像層付きの第
    2のシート部材とを所定の加工温度条件の下に貼合する
    貼合手段とを備え、 貼合後の前記電子部品の上下層の接着部材の厚みが該電
    子部品の厚みの30%以上に規定されたことを特徴とす
    る受像層付きカードの製造装置。
  12. 【請求項12】 前記電子部品の上下層に反応型ホット
    メルト樹脂が形成される場合であって、 前記電子部品の厚みをL1μmとし、 貼合後の前記反応型ホットメルト樹脂の上層の厚みをL
    2μmとし、該反応型ホットメルト樹脂の下層の厚みを
    L3μmとしたときに、次式、すなわち、 0.3・L1≦L2及び0.3・L1≦L3 を満たす場合であって、 貼合後の前記電子部品の厚みL1及び該電子部品の上層
    の反応型ホットメルト樹脂の厚みL2と、前記電子部品
    の下層の反応型ホットメルト樹脂の厚みL3の総厚をL
    0μmとしたときに、次式、すなわち、 L0=L1+L2+L3、及び、 L0≦600μmに規定されることを特徴とする請求項
    9乃至11に記載の受像層付きカードの製造装置。
  13. 【請求項13】 前記受像層、反応型ホットメルト樹脂
    及び前記貼合手段が使用される場合であって、 前記受像層が受熱して熱拡散を起こす感熱温度をTa℃
    とし、 前記反応型ホットメルト樹脂の硬化反応終了後の軟化点
    をTb℃としたときに、 前記貼合手段によって、少なくとも、前記感熱温度Ta
    以下であって、[Tb−(35±15)]℃の加熱温度
    により前記第2のシート部材と第1のシート部材とを貼
    り合わされることを特徴とする請求項9乃至12に記載
    のいずれかの受像層付きカードの製造装置。
  14. 【請求項14】 前記収納部材には、織物状、不織布状
    又は多孔質状の樹脂シートが使用されることを特徴とす
    る請求項11記載の受像層付きカードの製造装置。
  15. 【請求項15】 前記接着部材は、少なくとも一方の面
    に剥離シートを有して長尺シート状で取り扱われること
    を特徴とする請求項9又は11記載のいずれかの受像層
    付きカードの製造装置。
  16. 【請求項16】 前記接着部材は、少なくとも一方の面
    に剥離シートを有して枚葉シート状で取り扱われること
    を特徴とする請求項9又は11記載のいずれかの受像層
    付きカードの製造装置。
  17. 【請求項17】 前記電子部品の外周領域を取り囲むた
    めの枠部材を供給する第6の供給手段が設けられること
    を特徴とする請求項9又は11記載のいずれかの受像層
    付きカードの製造装置。
  18. 【請求項18】 前記接着部材には反応型ホットメルト
    樹脂を予め薄シート状に形成したものが使用されること
    を特徴とする請求項9又は11記載のいずれかの受像層
    付きカードの製造装置。
  19. 【請求項19】 前記接着部材を予め前記第1のシート
    部材及び前記第2のシート部材に塗布して形成し、該接
    着部材が塗布された接着剤付きの第2のシート部材及び
    第1のシート部材を使用することを特徴とする請求項1
    0記載の受像層付きカードの製造装置。
  20. 【請求項20】 第1のシート部材を形成する工程と、
    当該カード利用者の顔画像を熱転写するための受像層を
    第2のシート部材に形成する工程と、 前記第1のシート部材と前記受像層が形成された第2の
    シート部材との間に所定の厚みのカード用の電子部品を
    挟み込み、該第2のシート部材と第1のシート部材とを
    反応型ホットメルト樹脂による接着部材を介在して所定
    の加工温度条件の下に貼り合わせる工程とを有し、 貼合後の前記電子部品の上下層の接着部材の厚みが該電
    子部品の厚みの30%以上に規定されたことを特徴とす
    る受像層付きカードの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記電子部品の上下層に反応型ホット
    メルト樹脂が形成される場合であって、 前記電子部品の厚みをL1μmとし、 貼合後の前記反応型ホットメルト樹脂の上層の厚みをL
    2μmとし、該反応型ホットメルト樹脂の下層の厚みを
    L3μmとしたときに、次式、すなわち、 0.3・L1≦L2及び0.3・L1≦L3 を満たす場合であって、 貼合後の前記電子部品の厚みL1及び該電子部品の上層
    の反応型ホットメルト樹脂の厚みL2と、前記電子部品
    の下層の反応型ホットメルト樹脂の厚みL3の総厚をL
    0μmとしたときに、次式、すなわち、 L0=L1+L2+L3、及び、 L0≦600μmに規定されることを特徴とする請求項
    20に記載の受像層付きカードの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記受像層及び反応型ホットメルト樹
    脂が使用される場合であって、 前記受像層が受熱して熱拡散を起こす感熱温度をTa℃
    とし、 前記反応型ホットメルト樹脂の硬化反応終了後の軟化点
    をTb℃としたときに、 少なくとも、前記感熱温度Ta以下であって、[Tb−
    (35±15)]℃の加熱温度により前記第2のシート
    部材と第1のシート部材とを貼り合わせることを特徴と
    する請求項20に記載の受像層付きカードの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記受像層は、昇華性染料を受容する
    層であることを特徴とする請求項20に記載の受像層付
    きカードの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記第1のシート部材上に薄シート状
    の第1の接着部材を供給する工程と、 前記第1の接着部材上にカード用の電子部品を配置する
    工程と、 前記電子部品上に薄シート状の第2の接着部材を供給す
    る工程と、 前記第2の接着部材上に受像層付きの第2のシート部材
    を供給して、前記第1のシート部材、電子部品、第2の
    シート部材とを貼合する工程を有することを特徴とする
    請求項20に記載の受像層付きカードの製造方法。
  25. 【請求項25】 接着剤付きの第1のシート部材を形成
    する工程と、 前記接着剤付きの第1のシート部材の上に、カード用の
    電子部品を配置する工程と、 前記電子部品上に受像層
    付きの接着剤付き第2のシート部材を供給する工程と、 前記接着剤付きの第1のシート部材と電子部品の一方の
    面とを貼合すると共に、前記電子部品の他方の面と受像
    層付きの接着剤付き第2のシート部材とを所定の加工温
    度条件の下に貼合する工程とを有することを特徴とする
    請求項20に記載の受像層付きカードの製造方法。
  26. 【請求項26】 前記第1のシート部材上に薄シート状
    の第1の接着部材を供給する工程と、 予めカード用の電子部品が収納された収納部材を前記第
    1の接着部材上に配置する工程と、 前記収納部材上に薄シート状の第2の接着部材を供給す
    る工程と、 前記第2の接着部材上に受像層付きの第2のシート部材
    を供給して、前記第1のシート部材、収納部材、第2の
    シート部材とを貼合する工程を有することを特徴とする
    請求項20に記載の受像層付きカードの製造方法。
  27. 【請求項27】 前記収納部材には、織物状、不織布状
    又は多孔質状の樹脂シートを使用することを特徴とする
    請求項26記載の受像層付きカードの製造方法。
  28. 【請求項28】 前記電子部品を長尺シート状の収納部
    材に収納することを特徴とする請求項26に載の受像層
    付きカードの製造方法。
  29. 【請求項29】 前記電子部品を枚葉シート状の収納部
    材に収納することを特徴とする請求項26に記載の受像
    層付きカードの製造方法。
  30. 【請求項30】 前記収納部材に比べて軟化点の低い接
    着部材を使用することを特徴とする請求項20に記載の
    受像層付きカードの製造方法。
  31. 【請求項31】 前記接着部材として前記収納部材に比
    べて軟化点が20℃以上低い薄シート状の反応型ホット
    メルト樹脂を使用することを特徴とする請求項26に記
    載の受像層付きカードの製造方法。
  32. 【請求項32】 前記接着部材は、少なくとも一方の面
    に剥離シートを有した長尺シート状のものを使用するこ
    とを特徴とする請求項20に記載の受像層付きカードの
    製造方法。
  33. 【請求項33】 前記接着部材は、少なくとも一方の面
    に剥離シートを有した枚葉シート状のものを使用するこ
    とを特徴とする請求項20に記載の受像層付きカードの
    製造方法。
  34. 【請求項34】 前記接着部材には反応型ホットメルト
    樹脂を予め薄シート状に形成したものが使用されること
    を特徴とする請求項20に記載の受像層付きカードの製
    造方法。
  35. 【請求項35】 前記電子部品は、当該カード利用者の
    情報を電気的に記憶するICチップ及び該ICチップに
    接続されたコイル状のアンテナ体であることを特徴とす
    る請求項20に記載の受像層付きカードの製造方法。
  36. 【請求項36】 前記第2のシート部材は、予め所定領
    域に画像表示情報が印刷された印刷部材であることを特
    徴とする請求項20記載の受像層付きカードの製造方
    法。
  37. 【請求項37】 前記電子部品の外周領域を取り囲むた
    めの枠部材を形成することを特徴とする請求項20に記
    載の受像層付きカードの製造方法。
  38. 【請求項38】 前記枠部材が熱硬化性の樹脂フィルム
    であることを特徴とする請求項37に記載の受像層付き
    カードの製造方法。
  39. 【請求項39】 前記枠部材は反応型ホットメルト樹脂
    をシート状に形成したものであることを特徴とする請求
    項37に記載の受像層付きカードの製造方法。
  40. 【請求項40】 前記枠部材には前記電子部品の厚みに
    ほぼ等しいか、該電子部品よりも厚く、かつ、耐水性及
    び耐薬品性の樹脂材料を使用することを特徴とする請求
    項37に記載の受像層付きカードの製造方法。
  41. 【請求項41】 前記枠部材は、前記電子部品又は収納
    部材の外周領域に耐水性及び耐薬品性の薄シート状の接
    着部材を形成した後に、前記接着部材を熱処理して硬化
    させることを特徴とする請求項37に記載の受像層付き
    カードの製造方法。
  42. 【請求項42】 前記枠部材は、紫外線によって硬化す
    る薄シート状の接着部材で、又は該接着部材を含浸した
    薄シート状の部材によって形成し、その後、前記接着部
    材に紫外線を照射することを特徴とする請求項37に記
    載の受像層付きカードの製造方法。
  43. 【請求項43】 前記電子部品を挟み込むための前記第
    1及び第2のシート部材には長尺シート状のものを使用
    することを特徴とする請求項20に記載の受像層付きカ
    ードの製造方法。
  44. 【請求項44】 前記電子部品の外周領域とほぼ同じか
    又は該電子部品の外周領域よりもやや大きな開口部を有
    した長尺シート状の枠部材を前記第1のシート部材上に
    形成することを特徴とする請求項43に記載の受像層付
    きカードの製造方法。
JP1826999A 1999-01-27 1999-01-27 受像層付きカ―ド、その製造装置及びその製造方法 Pending JP2000211278A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1826999A JP2000211278A (ja) 1999-01-27 1999-01-27 受像層付きカ―ド、その製造装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1826999A JP2000211278A (ja) 1999-01-27 1999-01-27 受像層付きカ―ド、その製造装置及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000211278A true JP2000211278A (ja) 2000-08-02

Family

ID=11966948

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1826999A Pending JP2000211278A (ja) 1999-01-27 1999-01-27 受像層付きカ―ド、その製造装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000211278A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6638635B2 (en) 2001-01-25 2003-10-28 Konica Corporation IC-mounted card substrate and IC-mounted personal-data certification card
JP2003335083A (ja) * 2002-05-23 2003-11-25 Dainippon Printing Co Ltd 印字記録媒体、定期券、及びその製造方法
US7021550B2 (en) 2002-06-19 2006-04-04 Konica Corporation Preparing method of IC card and IC card
JP2009286941A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Henkel Japan Ltd 湿気硬化型ホットメルト接着剤

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6638635B2 (en) 2001-01-25 2003-10-28 Konica Corporation IC-mounted card substrate and IC-mounted personal-data certification card
JP2003335083A (ja) * 2002-05-23 2003-11-25 Dainippon Printing Co Ltd 印字記録媒体、定期券、及びその製造方法
US7021550B2 (en) 2002-06-19 2006-04-04 Konica Corporation Preparing method of IC card and IC card
JP2009286941A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Henkel Japan Ltd 湿気硬化型ホットメルト接着剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000251049A (ja) カード及びその製造方法
JP5130887B2 (ja) 非接触icインレット、カバー付き非接触icインレット、非接触icインレット付き冊子、及びこれらの製造方法
JPH10236041A (ja) Icカード用電子部品供給装置、ウェブ状部品供給媒体、ウェブ状部品供給媒体収容カートリッジ、icカード製造システム、第2icカード用シート、第2icカード用シート収容カートリッジ、icカード製造方法
JP2004094492A (ja) Icカード
JP2000211278A (ja) 受像層付きカ―ド、その製造装置及びその製造方法
JPH11345298A (ja) 非接触型icカード及びその製造方法
JP2000137786A (ja) 受像層付きカード、その製造装置及びその製造方法
JPH11345299A (ja) 非接触型icカード及びその製造方法
JP3890741B2 (ja) 電子カードの製造装置及びその製造方法
JP2005332384A (ja) Icカードの製造方法
JP2000006560A (ja) 電子カード用材料、電子カード、その製造装置、その製造方法及び反応性ホットメルトウェブ
US7758081B2 (en) Composite document for bearing secure information, apparatus and methods for producing such document
JPH11309969A (ja) 電子カード及びその製造方法
JPH11328348A (ja) 電子カード、その製造方法及び電子部品収納体の製造方法
JP2003205557A (ja) 積層体、積層体の製造方法及び積層体の製造装置
JP2000227955A (ja) 接着方法、カード製造方法及びカード製造装置
JP2000172817A (ja) 電子部品保持体、その製造装置、その製造方法、電子カード、その製造方法及びその製造装置
JP2000219855A (ja) 接着シート、その製造装置、その製造方法、その保存方法及びその保存具
JP2001022912A (ja) Icカード及びその製造方法
JP2006209278A (ja) Icカード製造方法及びicカード
JP2007156589A (ja) 電子情報記録カードの製造方法及び電子情報記録カードの製造装置
JP2000036026A (ja) Icカードおよびicカードの製造方法
JP2000085278A (ja) セキュリティカード、その製造方法及びその製造装置
JP2006051717A (ja) 積層体製造方法、電子情報記録カードの製造方法及び積層体製造装置
JPH11139052A (ja) 画像記録済icカードの生産方法及び画像記録済icカードの生産システム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051221

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060905

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070130