JP2005332384A - Icカードの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 反応型ホットメルト接着剤層中のイソシアネート基の硬化反応が安定した、しかも、基板変形やシートはがれ等のない安定した物性のカードを形成できるようにする。
【解決手段】 一枚又は長尺のロール状のシート材から複数のICカードを作成するICカード製造方法において、反応型ホットメルト接着剤にICチップを封入し該ICチップをシート材で挟み込む工程と、この反応型ホットメルト接着剤中のイソシアネート基が、反応したイソシアネート基量の10%以下になった後にカード取り(カット)を行う工程とを有するものである。この構成によって、反応型ホットメルト接着剤層中のイソシアネート基の硬化反応が安定した、しかも、基板変形やシートはがれ等のない安定した物性のICカードを製造することができる。
【選択図】 図4

Description

この発明は、ICチップ及びアンテナ体を有するICモジュールを内蔵した、自動車免許証等の免許証類、身分証明書、パスポート、外国人登録証、図書館利用カード、キャッシュカード、クレジットカード、従業者証、社員証、会員証、医療カード及び学生証などのICカードの製造方法に関するものである。
従来から、身分証明書カードや、キャッシュカード、クレジットカードなどのIDカードには、磁気記録方式によりデータを記録する磁気カードが広く利用される場合が多い。磁気カードはデータの書き換えが比較的容易にできるため、データの改ざん防止が十分でないこと、媒体が磁気のため外的な影響を受けやすく、データの保護が十分でないこと、更には、記録できる容量が少ないなどの問題点がある。
そこで、近年、ICチップを内蔵したICカードが普及し始めている。ICカードは、表面に設けられた電気接点や、カード内部のループアンテナを介して外部の機器とデータの読み書きをするようになされる。ICカードは磁気カードに比べて記憶容量が大きく、セキュリティ性も大きく向上している。
特に、ICチップと外部との情報のやりとりをするためのアンテナ体をカード内部に内蔵し、カード外部に電気接点を一切持たない非接触式ICカードは、電気接点をカード表面に有した接触式ICカードに比べてセキュリティ性に優れることから、データの機密性と偽変造防止性を高く要求する用途に使用されつつある。
このようなICカードとして、例えば表面シート材と裏面シート材とが接着剤を介して貼り合わされ、その接着剤層中にICチップ及びアンテナ体を有するICモジュールを封入するものがある。この接着剤としては反応型ホットメルト樹脂が使用される。反応型ホットメルト接着剤は常温で固形を有している。この接着剤は加熱により溶融させてから接着加工され、その後、湿気を吸収して接着剤自身が硬化する性質を有している。その特徴として、通常のホットメルト接着剤と比較して接着可能時間が長く、かつ接着加工後に軟化温度が高くなるため耐久性に富み、低温での接着加工に適していることが挙げられる。
すなわち、通常のホットメルト接着剤では、接着加工温度がその接着剤の軟化温度と同じであるため耐熱性は接着加工温度以上にはならない。そのため高耐熱性を要求する場合には、高い接着加工温度が必要になる。例えば、100℃以上の温度で接着加工する場合に、カード基板がそりやすいとか、カード表面に感熱転写による画像形成のための受像層などの高温加工に弱い層が設けられている場合には、その受像層がダメージを受けるなどの問題点があった。
これに対して、反応型ホットメルト接着剤は接着加工後に硬化するため耐熱温度が接着加工温度より数十℃だけ高くなる。そのため、上記のような問題をクリアすることができる。反応型ホットメルト接着剤の一例としては、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンポリマーを主成分とし、このイソシアネート基が水分と反応して活性化し、さらにプレポリマーと反応して架橋構造を形成するものがある。
ところで、反応型ホットメルト接着剤は上下のシート材を貼り合わせた後に、空気中の水分を吸収して反応が進行し接着剤が硬化するものである。このため、硬化が不十分であるとユーザ(カード表面に印刷を施すカード発行者)の手にICカードが渡ったあとに、そのカードの耐久性が変化したり、ICチップへの応力変化やカード表面に凹凸が発生する場合がある。これにより、カード表面への画像形成に支障が発生する等、カード物性が不安定になるという問題点が生じる。
また、硬化が不十分な段階でカード取り処理を行うと、カード端部がつぶれて、そのカードの平面性が損なわれたり、また、応力がICチップとアンテナ体との接続部に伝わり、電気的な破損の原因となる場合がある。因みに、ICカードが完全に硬化したか否かは、カード基板の厚さや材料によってカードの硬さも変化するので、カード内の接着剤の硬化度を曲げや圧力印加による変形量の測定だけでは困難であった。
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、反応型ホットメルト接着剤層中のイソシアネート基の硬化反応が安定した、しかも、基板変形やシートはがれ等のない安定した物性のカードを形成できるようにしたICカードの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し、かつ、目的を達成するために、本発明に係るICカードの製造方法は、一枚又は長尺のロール状のシート材から複数のICカードを作成するICカード製造方法において、反応型ホットメルト接着剤にICチップを封入し該ICチップをシート材で挟み込む工程と、この反応型ホットメルト接着剤中のイソシアネート基が、反応したイソシアネート基量の10%以下になった後にカード取り(カット)を行う工程とを有することを特徴とするものである。
本発明に係るICカードの製造方法によれば、カード製造時に反応型ホットメルト接着剤の硬化度を確認することができ、しかも、カード取り工程でカード断裁機による強い衝撃に対しても耐えられ、カード中央部の厚みに対してカード端部の厚みを90〜99.8%に維持することができる。
また、残存イソシアネート基が10%以下の未反応状態では、カード取り時のカッター刃にホットメルト接着剤が付着しにくく、しかも、カッターの煩雑な使用においてカード端面の精度及び裁断時のカードの直線性を維持することができる。
以上説明したように、本発明に係るICカードの製造方法によれば、反応型ホットメルト接着剤に封入したICチップをシート材で挟み込み、この反応型ホットメルト接着剤中のイソシアネート基が、反応したイソシアネート基量の10%以下になった後にカード取り(カット)を行うようになされる。
この構成によって、カード製造時に反応型ホットメルト接着剤の硬化度を確認することができ、しかも、カード取り工程でカード断裁機による強い衝撃に対して耐えられ、カード中央部の厚みに対してカード端部の厚みを90〜99.8%に維持することができる。
また、カード取り時のカッター刃にホットメルト接着剤が付着しにくく、しかも、カッターの煩雑な使用においてカード端面の精度及び裁断時のカードの直線性を維持することができる。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態としてのICカードの製造方法について説明をする。
(1)ICカード
図1は、本発明の実施形態としてのICカード100の構成例を示す断面図である。
図1に示すICカード100は、本発明の実施形態としてのICカードの製造方法によって形成されるものであり、第1のシート材1及び第2のシート材4と、これらのシート材1及びシート材4の間に介在された接着剤層2とICモジュール3から成る。ICモジュール3は接着剤層2内に封入されている。シート材1の表面には、画像や記載情報印刷用の受像層(図示なし)が設けられている場合もある。
図2に示すICモジュール3はコイルタイプであり、当該ICカード100の利用者に関した情報を電気的に記録するICチップ6及びそのICチップ6に接続されたコイル5から構成される。コイル5は銅線を何回か巻いたものである。図3に示すICモジュール3’はプリント基板タイプであり、アンテナパターン7が形成されたプリント基板8とICチップ6とが接合されている。ICチップ6はメモリのみや、そのメモリに加えてマイクロコンピュータなどである。ICモジュール3及び3’にはコンデンサを含むこともある。
このICカード100は非接触式であるため、情報入出力用の端子が設けられていない。情報は特定の変調電波にしてコイル5やアンテナパターン7で受信され、ICチップ6で復調してメモリなどに書き込んだり、そこから読み出される。通常の非接触式のICカードで使用される方法で、その駆動電源は外部からの電磁気エネルギーをアンテナパターン7等に取り込むことができる。例えば、電磁誘導によって生じる起電力を整流することによりDC電源を得る。もちろん、この他に外部からの高周波電磁エネルギーによる電気をアンテナパターン7又はその他の物体に取り込むことも考えられる。
また、シート材1及びシート材4には厚さ50〜200μmのプラスチックフイルムが使用される。例えば、プラスチックフイルムには、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどポリオレフィン、ポリカーボネートなどが使用される。この例で表面用のシート材は印刷部材から成り、予め所定領域には画像表示情報が印刷される。
画像表示情報は当該ICカード100が利用される分野の例えば「○○○従業者証」、「氏名」、「発行日」・・・などである。この印刷部材には、当該ICカード100の利用者の顔写真を形成するための受像層が設けられる。顔写真などは、染料を含有したインクシート側からサーマルヘッドによる熱が加えられ、この熱によって染料が受像層に昇華され、あるいは、転写されることにより形成される。受像層の素材としては、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂のような高分子材料が使用され得る。
この接着層2は反応型ホットメルト接着剤から成り、例えば住友スリーエム社製のTE030、TE100、日立化成ポリマー社製のハイボン4820、カネボウエヌエスシー社製のボンドマスター170シリーズ、Henkel社製のMacroplast QR 3460等が使用される。この反応型ホットメルト樹脂は(1)式に示すように分子端末にイソシアネート基(NCO)を有するウレタンポリマーを主成分としている。(1)式において、NHCOOはウレタン結合を示す。
Figure 2005332384
シート材1、ICモジュール3及びシート材4の貼合後の反応型ホットメルト樹脂は水分(H2O)を受けて(2)式に示すような鎖延長反応を起こす。
Figure 2005332384
この鎖延長応によって反応型ホットメルト樹脂のウレタン結合分子(NHCOO)は尿素結合分子(NHCONH)に変化する。この際の水分に関しては従来方式では空気中から自然に取り込むが、本方式によれば、熱貼合前に吸水状態にされた接着部材10に残留した水分によって鎖延長反応を促進させることができる。なお、鎖延長反応では二酸化炭素(CO2)が発生するが、このCO2は空気中へ発散される。
そして、(3)式に示すように反応型ホットメルト樹脂のウレタン結合分子とイソシアネート基は分岐・架橋反応を起こしてNCOO−CO−NH−のアロファネート結合分子に変化する。
Figure 2005332384
また、(4)式に示すように反応型ホットメルト樹脂の尿素結合分子とOCN基も分岐・架橋反応を起こしてNCONH−CO−NH−のビウレット結合分子に変化する。
Figure 2005332384
このイソシアネート基が接着部分にほとんど残留していない状態に至ったときに、シート材1、ICモジュール3及びシート材4が完全硬化に至ったものとなされる。この例でICカード100がほぼ完全に硬化した状態は、反応型ホットメルト接着剤層中の未反応イソシアネート基の量が、反応したイソシアネート基の量の5%以下であり、好ましくは、反応したイソシアネート基の量の2%以下であることが特徴とされる。この状態よって、イソシアネート基の硬化反応が安定し、ユーザの使用時に変形やシートのはがれなどがない、安定した物性のICカード100を製造することができる。
特に、イソシアネート基の量が2%以下であると、ほぼ完全にカードが硬化するので、カード表面にICチップの形に対応した凸状部やICチップ外に凹部が発生しなくなるので、深さ1〜5μm程度の凹凸部を有する印字でも、カード表面に支障無く記録(インクリボンを用いた接触記録法)することができ、後工程におけるICカード発行の際の画像形成性に優れた、生カード基板を製造できる。
(2)実施形態としてのICカード100の製造方法
図4はICカードの製造方法に係るカード製造装置200の構成例を示すブロック図である。本実施の形態では、反応型ホットメルト接着剤層中の未反応イソシアネート基の量を、反応したイソシアネート基の量の5%以下、好ましくは、2%以下にして、イソシアネート基の硬化反応が安定した、しかも、基板変形やシートはがれ等のない安定した物性のカードを形成できるようにした。この例では、長尺のロール状のシート材から複数のICカードを作成する場合を想定する。もちろん、上下一枚ずつに分かれた枚葉状のものを用いてもよい。
図4に示すICカードの製造装置9には、例えば、表面用のシート材1を送り出す送出軸10が設けられ、この送出軸10から送り出されるシート材1がガイドローラ11、駆動ローラ12に掛け渡されて供給される。シート材1には予め受像層を形成されたものを使用してもよい。この送出軸10と駆動ローラ11との間には接着剤アプリケーターコータ13が設けられ、反応型ホットメルト接着剤2aがシート材1の被塗布面に所定の厚さで塗工される。
上述の送出軸10に対向する側には、裏面用のシート材4を送り出す送出軸14が設けられ、この送出軸14から送り出されたシート材4がガイドローラ15、駆動ローラ16に掛け渡されて供給される。この送出軸14と駆動ローラ15との間には接着剤アプリケーターコータ17が設けられ、反応型ホットメルト接着剤2bがシート材4の被塗装面に所定の厚さで塗工される。
図4に示す接着剤2aが塗工されたシート材1と、接着剤2bが塗工されたシート材4とは離間して対向する状態から接触して搬送路18に沿って搬送される。その際に、反応型ホットメルト接着剤2a,2bにICモジュール3を封入するために、シート材1とシート材4とが離間して対向する位置で、ICモジュール3が挿入される。このICモジュール3は単体、あるいは、シート状やロール状により複数で供給される。
このカード製造装置9の搬送路18の途中には、シート材1、4の搬送方向に沿って、加熱ラミネート部19、切断部20が配置される。加熱ラミネート部19は真空加熱ラミネートであることが好ましい。又は、加熱ラミネート部19の前には図示しない保護フィルム供給部を設けてもよい。保護フィルム供給部は搬送路18の上下に対向して配置されるのが好ましい。加熱ラミネート部19は、搬送路18の上下に対向して配置される平型の加熱ラミネート上型21と加熱ラミネート下型22からなる。
この加熱ラミネート上型21と下型22は互いに接離する方向に移動可能に設けられている。この例では反応型ホットメルト接着剤2a、2bの塗布厚みにもよるが加熱温度は40℃〜120℃程度であり、加熱時間は10秒〜120秒程度である。この接着剤2は熱を加えると溶融し、それが冷えると固化するものである。このシート材1、4を加熱貼合する手段は加熱ラミネート部19とに限らず、真空熱プレス装置でも、ヒートローラー装置であってもよい。これにより、ICモジュール3をシート材1及びシート材4で挟み込んだ長尺シート状のカード集合体を形成することができる。
この加熱ラミネート部19を経た後は駆動ローラ24によって切断部20に導かれ、この切断部20において、長尺シート状のカード集合体から所定の大きさの枚葉シート状のカード集合体25にカットされる。切断部20は上下駆動部23によって上下動される。その後、図5Aに示すイソシアネート基の硬化反応を起こさせるために、図5Aに示す枚葉シート状のカード集合体を保存(湿度55%RHで5日〜10日程度)し、一定の期間を経た後に、この反応型ホットメルト接着剤2中のイソシアネート基が、反応したイソシアネート基量の10%以下になったところを見はからって、図5Bに示すカード取り(カット)を行い、所定の大きさのICカード100に打抜く。
この接着剤2中のイソシアネート基の量は、上下シート1、4をカッターのようなもので、はがしてICカード100から接着剤2を抜き取り、それをKBr法(臭化カリウム錠剤法)でFT−IR(フーリエ変換赤外分光)測定することにより評価する。FT−IR測定では分子の振動状態についての情報を得る方法であり、これをポリマー材料などの化合物の特定の構造に起因するピークが観察される。反応型ホットメルト樹脂が硬化反応することにより消失するイソシアネート基は、2270〜2250cm-1に吸収ピークが観察される。
また、熱貼合後の空気中の水分を吸収し、分岐・架橋反応して変化したイソシアネート基は1530cm-1に吸収ピークが観察される。したがって、接着剤2によりシート1及び4を貼り合わせた直後は、硬化反応が進行していないため、1530cm-1のピーク強度は大きく、一方2270〜2250cm-1には吸収ピークは観察されない。しかしながら、反応が進行するとイソシアネート基の量が減るため、1530cm-1のピーク強度は小さくなる。またそれに伴い分岐・架橋反応により変化したイソシアネート基の量が増加するため、2270〜2250cm-1に吸収ピークが出現し、反応進行とともにピーク強度が大きくなる。
以上のことから、接着剤2のFT−IR測定により得られる1530cm-1のピーク強度と2270〜2250cm-1のピーク強度の比、つまり、
(2250cm-1の吸収強度)/(1530cm-1の吸収強度)
をとることで、接着剤2の硬化反応の進行具合を評価することができる。
この例では、反応型ホットメルト接着剤2中の残存イソシアネート基が「0」であることを最良とした場合に、2270〜2250cm-1の吸収を0%として、この接着剤層中の未反応イソシアネート基の量が、反応したイソシアネート基の量の5%以下であり、好ましくは、反応したイソシアネート基の量の2%以下としたものである。
このように、本発明に係るICカードの製造方法によれば、カード製造時に反応型ホットメルト接着剤2の硬化度を確認することができ、カード取り工程でカード断裁機(切断部20)による強い衝撃に対しても耐えられる。カード集合体25の中央部の厚みに対してカード端部の厚みを90〜99.8%に維持することができる。しかも、残存イソシアネート基が10%以下の未反応状態においては、カード取り時のカッター刃にホットメルト樹脂が付着しにくく、カッターの煩雑な使用においても、カード端面の精度及び裁断時のカードの直線性を維持することができる。
(3)実施例
本発明に係るICカードの製造方法について以下に実施例を挙げて説明をする。本発明に係る実施例はこれらに限定されることはない。
この実施例では、上下のそれぞれのシート材1、4に反応型ホットメルト接着剤2をTダイを使用して厚みが280μm程度となるように塗工し、該接着剤付き上下シート材1、4の間にICモジュール3を封入して、60℃で1分間真空ラミネートしてICカード100を作製した。仕上がったカードの厚みは760μmである。
[実施例1]
シート材1およびシート材4として厚さ100μm程度の白色ポリエステルシートを使用した。接着剤はHenkel社製のMacroplast QR 3460を使用した。シート材1、ICモジュール3及びシート材4を真空ラミネート処理した後に、カード集合体25を温度23℃、湿度55%RHの雰囲気下で10日間保存した。その後、上部のシート材1をカッターで削り、カード内部の接着剤2をKBr法でFT−IR測定した。その結果(2250cm-1の吸収強度)/(1530cm-1の吸収強度)は5%であった。
[実施例2]
シート材1としては厚さ120μm程度の白色ポリエステルシートを使用し、シート材4としては繊維質を含む厚さ90μm程度の白色ポリエステルシートを使用した。接着剤2には予めシート状にしたHenkel社製のMacroplast QR 3460をシート材1上に載せ、その後、ICチップ6とアンテナパターン7を含むICモジュール3を厚さ350μm程度の多孔質シート材の中に入れたICモジュール収納体を各1枚ずつ載せ、その上にシート材4(前記シート材1、ICモジュール3側に対向する面に予め、接着材2として膜厚60μm程度のHenkel社製のMacroplast QR 3460を設けたもの)を載せて、加熱温度約80℃以下で加圧し、シート状のカード集合体25を形成した。
なお、シート材2側に設けた反応型ホットメルト接着剤2の粘度(ゴム硬度)はシート材1側のものより高く、ICモジュール3がシート材1側の反応型ホットメルト接着剤2に挿入し易いようになっている。
その後、真空ラミネート処理の後に、温度30℃及び湿度70%RHの環境下で20日間保存した。そして、シート用の反応型ホットメルト接着剤2中の未反応イソシアネート基の量(既反応量に対して)を判定した。実施例1と同様にして、上部のシート材1をカッターで削り、カード内部の接着剤2をKBr法でFT−IR測定した。その結果(2250cm-1の吸収強度)/(1530cm-1の吸収強度)は10%であった。この残存イソシアネート基が10%以下になってからカード取り処理を行って、画像転写記録用のカートリッジへ詰めた。
[比較例]
シート材1およびシート材4として厚さ100μmの白色ポリエステルシートを使用した。接着剤はHenkel社製のMacroplast QR 3460を使用した。真空ラミネート処理した後にシートを温度23℃、湿度55%RHの雰囲気下で3日間保存した。その後、上シート材1をカッターで削り、カード内部の接着剤2をKBr法でFT−IR測定した。その結果(2250cm-1の吸収強度)/(1530cm-1の吸収強度)は58%であった。
この比較例によるカード集合体25を切断すると、カッターに接着剤2が付着してしまい、カード端面が汚くなる。しかも、熱が発生してカッター動力に余分な負荷を与えてしまった。残存イソシアネート基が20%となったときに、カード集合体25の中央部の厚みに対するカード端部の厚み評価を行ったところ、カード端部中央の厚みに対してカード端部の厚みは85%程度に落ち込み、しかも、元の厚みに戻り難かった。
これに対して、実施例1、2によれば、裁断性も良く、残存イソシアネート基が10%のとき、カード集合体25の中央部の厚みに対するカード端部の厚みが90%であり、元の厚みの94%まで復帰することが分かった。また、残存イソシアネート基が5%以下のときは、カード集合体25の中央部の厚みに対するカード端部の厚みが95%であり、元の厚みの97%まで復帰することが分かった。
特に、カード製造後は、カード表面への印画、印字が施されるまでの間に、複数枚をまとめて梱包し輸送保存される。従って、外部の圧力による凹凸はカード表面に発生しない。表面印字の段階でカートリッジ状のケースとしてプリンタにセットされ、カード間に隙間が発生し始める状態において、最もシワの発生に留意すべきで、好ましくは残存イソシアネート基の量を2%、多くとも5%以下にしておく必要がある。
もちろん、ICカード100の使用状態時にも2%以下、5%以下に残存イソシアネート基を保つことによって、使用中のカードの変形、とりわけ印字後の保護シールとカード印字面に接着剤の硬化の進行によるシワ発生を抑えることができると共に、このシワ発生による隙間の発生を抑えることができる。従って、保護シールの耐久性が維持され、トラブルの原因を排除できる。
また、実施例1、2によれば、カード集合体25をカード取り処理してカートリッジ等に詰め込み、使用者(ICカード上に印刷等を施して発行する者)へ発送されるので、最終的にユーザに届くまでICカード100の硬化度の変化が極めて少ない。従って、カードの剛性、カード表面の凹凸の変化も少なくなり、ユーザが顔印刷等鮮鋭画像を記録する工程で、カード間のバラツキが少なく画像品質を維持できる。
このように、実施例1、2によれば、残存イソシアネート基の量が既反応イソシアネート基の0〜2%や0〜5%に低下した状態は、単位時間当たりの硬化のスピードはかなり低下する。従って、シート材1やシート材4との界面の応力変化が非常に減るので、シート材にシワを発生させる(又はカード表面に凹部、凸部を形成)可能性が極めて低いことになり、本発明の目的が達成される。
この発明は、ICチップ及びアンテナ体を有するICモジュールを内蔵した、自動車免許証等の免許証類、身分証明書、パスポート、外国人登録証、図書館利用カード、キャッシュカード、クレジットカード、従業者証、社員証、会員証、医療カード及び学生証などのIDカードの製造に適用して極めて好適である。
本発明の実施形態としてのICカード100の構成例を示す断面図である。 ICカード100に内蔵されるICモジュール3の構成例を示す模式図である。 ICカード100に内蔵される他のICモジュール3’の構成例を示す模式図である。 ICカードの製造方法に係るカード製造装置200の構成例を示すブロック図である。 カード取りの一例を示す工程図である。
符号の説明
1 第1のシート材
2 反応型ホットメルト接着剤
3 ICモジュール
4 第2のシート材
5 コイル
6 ICチップ
7 アンテナパターン
8 プリント基板
9 カード製造装置
19 加熱ラミネート部
20 切断部
25 カード集合体

Claims (2)

  1. 一枚又は長尺のロール状のシート材から複数のICカードを作成するICカード製造方法において、
    反応型ホットメルト接着剤にICチップを封入し該ICチップをシート材で挟み込む工程と、
    前記反応型ホットメルト接着剤中のイソシアネート基が、反応したイソシアネート基量の10%以下になった後にカード取りを行う工程とを有することを特徴とするICカードの製造方法。
  2. 前記シート材にはプラスティックフィルムを使用することを特徴する請求項1に記載のICカードの製造方法。
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