JP3889272B2 - 被加工材の巻取り装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧延機等で加工された圧延材などの被加工材を巻き取る巻取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図19および図20は、従来の圧延材巻取り装置を示すものである。図19は従来の圧延材巻取り装置の全体構成を示す側面図、図20は従来の圧延材巻取り装置における電流指令値演算器の構成を示すブロック図である。
【0003】
図において、1は圧延材、2は圧延機、3は圧延材1を巻き取る圧延材巻取り装置ドラム、4は圧延材巻取り装置ドラム3を回転させる電動機、5は電動機4の駆動装置、6は駆動装置5の電流指令値を与える電流指令値演算器である。
【0004】
次に、動作について説明する。
予め、圧延パススケジュールと装置特性により決まる基本電流指令値に基づいて電動機駆動装置5は電動機4を駆動し、圧延材巻取り装置ドラム3を回転させている。
ただし、電動機駆動装置5は、ドラム3が圧延ライン速度を上回る速度で回転しないように、電動機4が速度上限以下で回転するよう制御している。
圧延機2によって圧延された圧延材1の先端1aがドラム3を1周すると、圧延材先端の上に更に圧延材が巻きつくことにより強い摩擦力が生じ、電流指令値演算器6の基本電流指令値に従って圧延材1はドラム3に巻き取られていく。
【0005】
従来の圧延材巻取り装置は以上のように構成されているので、圧延材1の先端1aの上に2周目の圧延材1の周回内面1bが巻きつく箇所で段差が生じ、形状,機械特性の特異点を生じ、更に3周目,4周目にも暫減しながらも同様の特異点を生じ、製品品質不良あるいは歩留まり面での問題点があった。
【0006】
刊行物による先行技術としては、特開昭57−22820号公報があるが、この先行技術においては、上記段差が形成された後での巻取り用ロールによる損傷を防止しようとするものであって、段差そのものの発生防止を実現できるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の圧延材巻取り装置は、圧延材先端の上に2周目の圧延材が巻きつく箇所で生ずる段差の発生を阻止しようとする点では、有効な対策が施されているとは言えなかった。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際の圧接力を抑制することにより、被加工材の先端部による影響を回避して被加工材を適切に巻取ることができる被加工材の巻取り装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した第1の発明に係る被加工材の巻取り装置では、長手方向に延在する被加工材を、その先端部を内側にして巻回状態で筒状巻取り部材の周面へ巻取る被加工材の巻取り装置において、前記被加工材の先端位置を検出する位置検出手段と、前記筒状巻取り部材の周面に設けられ前記筒状巻取り部材と相対的に移動できる可動式の凹みとを備え、前記位置検出手段による被加工材の先端位置の検出に応じ作動して、前記被加工材の先端部を筒状巻取り部材に設けた可動式の凹みに収容し、前記被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際の圧接力を抑制する制御手段を設けたものである。
【0010】
請求項2に記載した第2の発明に係る被加工材の巻取り装置では、長手方向に延在する圧延材からなる被加工材を、その先端部を内側にして巻回状態で筒状巻取り部材の周面へ巻取る被加工材の巻取り装置において、前記被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際に前記筒状巻取り部材の周面に印加される圧力を検出する圧力検出手段と、前記筒状巻取り部材の周面に設けられ前記筒状巻取り部材と相対的に移動できる可動式の凹みとを備え、前記圧力検出手段の圧力検出動作に応動し前記被加工材の先端部を筒状巻取り部材の周面に設けた可動式の凹みに収容して、前記被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際の圧接力を抑制する制御手段を設けたものである。
【0011】
請求項3に記載した第3の発明に係る被加工材の巻取り装置では、長手方向に延在する被加工材を、その先端部を内側にして巻回状態で筒状巻取り部材の周面へ巻取る被加工材の巻取り装置において、前記被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する状態を検出するための巻取り負荷トルク検出手段と、前記筒状巻取り部材の周面に設けられ前記筒状巻取り部材と相対的に移動できる可動式の凹みとを備え、前記巻取り負荷トルク検出手段の検出動作に応動して、前記被加工材の先端部を筒状巻取り部材に設けた可動式の凹みに収容し、前記被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際の圧接力を抑制する制御手段を設けたものである。
【0012】
請求項4に記載した第4の発明に係る被加工材の巻取り装置では、ピンチロールを介して導出される圧延材からなる被加工材を、その先端部を内側にして巻回状態で筒状巻取り部材の周面へ巻取る被加工材の巻取り装置において、前記被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する状態を検出するための前記ピンチロールの負荷トルク検出手段と、前記筒状巻取り部材の周面に設けられ前記筒状巻取り部材と相対的に移動できる可動式の凹みとを備え、前記負荷トルク検出手段の検出動作に応動して、前記被加工材の先端部を筒状巻取り部材に設けた可動式の凹みに収容し、前記被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際の圧接力を抑制する制御手段を設けたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明による実施の形態1を、図1ないし図3に基づいて説明する。図1は実施の形態1における圧延材巻取り装置の全体構成を示す側面図、図2は実施の形態1における圧延材巻取り速度指令値演算器の回路構成を示すブロック図、図3は実施の形態3における巻取り動作状態を示す線図である。
【0014】
図1および図2において、1は圧延材、2は圧延機、3は圧延材1を巻き取る圧延材巻取り装置ドラム、4は圧延材巻取り装置ドラム3を回転させる電動機、5は電動機4の駆動装置、7は圧延機2のロール回転に応じたパルス発信器、8は圧延材1が通過したことを検出する圧延材検出器、13は駆動装置5の速度指令値を与える圧延材巻取り速度指令演算器、14は圧延材巻取り装置ドラム3の回転角度検出器である。
圧延材巻取り装置ドラム3の周面には、圧延材1の先端部1aを収容するための凹み3aが設けられている。
【0015】
次に、動作について説明する。
予め、圧延パススケジュールと装置特性により決まる基本速度指令値に基づいて電動機駆動装置5は電動機4を駆動し、圧延材巻取り装置のドラム3を回転させている。
ただし、電動機駆動装置5は、ドラム3が圧延ライン速度を上回る速度で回転しないように、電動機4が速度上限以下で回転するよう制御されている。
【0016】
圧延材巻取り速度指令演算器13は、圧延材検出器8が圧延材1の先端1aを検出した後のパルス発信器7の発するパルスをパルス加算器13aによって加算して、圧延材検出器8から圧延材1の先端1aまでの距離を演算し、係数器13bにより圧延材検出器8から圧延材1の先端1aまでの距離につき圧延材巻取り装置ドラム3の1周分の距離が360(度)に相当する旨の換算を行って、圧延材1の先端1aの角度位置を検出する。
係数器13bからの出力信号としての回転角度信号Aが360(度)以上であれば、比較器13cによってこれを検出し、異常動作としてパルス加算器13aに対し強制0リセットを行う。
圧延材1の先端1aの角度位置を示す係数器13bからの出力信号としての回転角度信号Aは、加算器13dにおいて圧延材巻取り装置ドラム3の回転角度信号と比較される。
比較器13eによって圧延材巻取り装置ドラム3の回転角度が圧延材1の先端1aの角度位置に比べて所定角度以上遅れていると判別された場合には、スイッチ要素13fが導通し、加算器13gにより所定の制御量が加算される。
この加算された制御量は、PI制御器13hを介して加算器13iにより基本速度指令値に一定の指令値を上積みされたものが駆動装置5に対する速度指令値として導出される。
これにより圧延材巻取り装置ドラム3は回転角度位置を加速修正し、圧延材1の先端1aの角度位置と一致させて、圧延材1の先端1aを圧延材巻取り装置ドラム3の周面に設けられた凹み3aに確実に収容される。
これらの動作は、図7における動作状態を示す線図に示されている。
【0017】
このようにして圧延材1の先端1aを圧延材巻取り装置ドラム3の周面に設けられた凹み3aに確実に収容することにより、圧延材1の先端1aが圧延材巻取り装置ドラム3の周面を1周し、圧延材1の先端1aが圧延材1の周回内面1bと当接する際における、圧延材1の先端1aと圧延材巻取り装置ドラム3との位置関係は、図5に示す状態となり、圧延材1の先端1aと圧延材1の周回内面1bとの圧接力は確実に抑制され、圧延材1の先端1aの存在による圧延材1の巻回体における段差の形成は阻止される。
【0018】
この実施の形態1では、図1ないし図3に示すように、圧延材巻取り装置のドラム3に予め圧延材厚みを考慮した固定式の凹み3aを1箇所設けておき、圧延材巻取り装置ドラム回転角度検出器14および圧延材巻取り速度指令演算器13によって、圧延材1の先端1aがドラム3に達した時に、ちょうどドラム3の凹み3aの位置に合うように圧延材巻取り装置ドラム3の回転角度を修正するように電動機駆動装置5の速度指令を与えるようにしたので、圧延材巻取り時に短時間といえども巻取りトルクを減ずる必要がないので、実施の形態1,実施の形態2と比べて高速で安定した巻取りができるという利点がある。
【0019】
この発明による実施の形態1によれば、長手方向に延在する被加工材1を、その先端部1aを内側にして巻回状態で圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面へ巻取る被加工材の巻取り装置において、前記被加工材1の先端部1aの位置を検出する圧延材巻取り速度指令演算器13からなる位置検出手段を備え、前記圧延材巻取り速度指令演算器13からなる位置検出手段による被加工材1の先端位置の検出に応じ前記圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の巻取り速度を制御して、前記被加工材1の先端部1aを前記ドラム3からなる筒状巻取り部材に設けた凹み3aに収容し、前記被加工材1の先端部1aが被加工材1の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制する制御手段を設けたので、前記被加工材1の先端部1aを前記筒状巻取り部材3の周面に設けられた凹み3aに収容することによって被加工材1の先端部1aが被加工材1の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制することにより、被加工材1の先端部1aによる影響を回避して被加工材1を高速、かつ安定した状態で適切に巻取ることができる被加工材の巻取り装置を得ることができる。
【0020】
また、この発明による実施の形態1によれば、長手方向に延在する被加工材1を、その先端部1aを内側にして圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面に巻取る被加工材の巻取り方法において、前記被加工材1の先端位置を検出するとともに、前記圧延材1からなる被加工材の先端位置の検出に応じ前記圧延材1からなる被加工材の先端位置と前記圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面位置との相対的位置を制御し、前記圧延材1からなる被加工材1の先端部1aを前記圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面に設けられた凹み3aに収容して、前記被加工材1の先端部1aが被加工材1の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制するようにしたので、前記被加工材1の先端部1aを前記筒状巻取り部材3の周面に設けられた凹み3aに収容することによって被加工材1の先端部1aが被加工材1の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制することにより、被加工材1の先端部1aによる影響を回避して被加工材1を高速かつ安定した状態で適切に巻取ることができる被加工材の巻取り方法を得ることができる。
【0021】
実施の形態2.
この発明による実施の形態2を、図4ないし図6に基づいて説明する。図4は実施の形態2における圧延材巻取り装置の全体構成を示す側面図、図5は実施の形態2における圧延機速度指令値演算器の回路構成を示すブロック図、図6は実施の形態2における巻取り動作状態を示す線図である。
【0022】
図4および図5において、1は圧延材、2は圧延機、3は圧延材1を巻き取る圧延材巻取り装置ドラム、4は圧延材巻取り装置ドラム3を回転させる電動機、5は電動機4の駆動装置、6は駆動装置5の電流指令値を与える電流指令値演算器、7は圧延機2のロール回転に応じたパルス発信器、8は圧延材1が通過したことを検出する圧延材検出器、10は圧延機2を回転させる電動機、11は電動機駆動装置、14は圧延材巻取り装置ドラム3の回転角度検出器、15は圧延機速度指令演算器である。
【0023】
次に、動作について説明する。
予め、圧延パススケジュールと装置特性により決まる基本速度指令値に基づいて電動機駆動装置5は電動機4を駆動し、圧延材巻取り装置のドラム3を回転させている。
ただし、電動機駆動装置5は、ドラム3が圧延ライン速度を上回る速度で回転しないように、電動機4が速度上限以下で回転するよう制御されている。
【0024】
圧延機速度指令演算器15は圧延材検出器8が圧延材1の先端1aを検出した後のパルス発信器7の発するパルスをパルス加算器15aによって加算して、圧延材検出器8から圧延材1の先端1aまでの距離を演算し、係数器15bにより圧延材検出器8から圧延材1の先端1aまでの距離につき圧延材巻取り装置ドラム3の1周分の距離が360(度)に相当する旨の換算を行って、圧延材1の先端1aの角度位置を検出する。
係数器15bからの出力信号としての回転角度信号Aが360(度)以上であれば、比較器15cによってこれを検出し、異常動作としてパルス加算器13aに対し強制0リセットを行う。
圧延材1の先端1aの角度位置を示す係数器15bからの出力信号としての回転角度信号Aは、加算器15dにおいて圧延材巻取り装置ドラム3の回転角度信号と比較される。
比較器15eによって圧延材巻取り装置ドラム3の回転角度が圧延材1の先端1aの角度位置に比べて所定角度以上遅れていると判別された場合には、スイッチ要素15fが導通し、加算器15gにより所定の制御量が加算される。
この加算された制御量は、PI制御器15hを介して加算器15iにより基本速度指令値に一定の指令値を減算するように作用し、電動機駆動装置11に対する減速された速度指令値として導出される。
これにより圧延機2の圧延速度を減速修正し、圧延材1の先端1aの角度位置を圧延材巻取り装置ドラム3の周面に設けられた凹み3aの位置と一致させて、圧延材1の先端1aを圧延材巻取り装置ドラム3の周面に設けられた凹み3aに確実に収容される。
これらの動作は、図6における動作状態を示す線図に示されている。
【0025】
このようにして圧延材1の先端1aを圧延材巻取り装置ドラム3の周面に設けられた凹み3aに確実に収容することにより、圧延材1の先端1aが圧延材巻取り装置ドラム3の周面を1周し、圧延材1の先端1aが圧延材1の周回内面1bと当接する際における、圧延材1の先端1aと圧延材巻取り装置ドラム3との位置関係は、図4に示す状態となり、圧延材1の先端1aと圧延材1の周回内面1bとの圧接力は確実に抑制され、圧延材1の先端1aの存在による圧延材1の巻回体における段差の形成は阻止される。
【0026】
実施の形態1では、圧延材巻取り装置ドラム角度を修正制御する場合について述べたが、図4ないし図6に示すように、圧延機2を回転させる電動機10を駆動する電動機駆動装置11に与える速度指令を演算する圧延機速度指令演算器15で圧延材1の先端がドラム3に達した時に、ちょうどドラム3の凹み3aの位置に合うように圧延材1の先端位置を修正制御することによっても同様の効果を得ることができる。
一般に圧延機制御系の速度応答は高いため、実施の形態2では、実施の形態1で要した速度応答性の高い圧延材巻取り装置を必要とせず、経済的に優れると言う利点がある。
【0027】
この発明による実施の形態2によれば、圧延機速度指令演算器15からなる速度制御手段を有する圧延機2の出側から導出される圧延材1からなる被加工材を、その先端部1aを内側にして巻回状態で圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面へ巻取る被加工材の巻取り装置において、前記圧延材1からなる被加工材1の先端位置を検出する圧延材検出器8からなる位置検出手段を備え、前記圧延機2の圧延機速度指令演算器15からなる速度制御手段によって、前記圧延材検出器8からなる位置検出手段による被加工材1の先端位置の検出に応じ前記圧延機の圧延速度を制御し、前記圧延材1からなる被加工材の先端部1aを圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面に設けた凹み3aに収容して、前記圧延材1からなる被加工材の先端部1aが圧延材1からなる被加工材の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制するようにしたので、前記圧延機2の圧延速度を制御して前記被加工材1の先端部1aを前記筒状巻取り部材3の周面に設けられた凹み3aに収容し被加工材1の先端部1aが被加工材1の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制することにより、被加工材1の先端部1aによる影響を回避して被加工材1を適切に巻取ることができる被加工材の巻取り装置を得ることができる。
【0028】
実施の形態3.
この発明による実施の形態3を、図7ないし図9に基づいて説明する。図7は実施の形態3における圧延材巻取り装置の全体構成を示す側面図、図8は実施の形態3における圧延材巻取り速度指令値演算器の回路構成を示すブロック図、図9は実施の形態3における巻取り動作状態を示す線図である。
【0029】
図7および図8において、1は圧延材、2は圧延機、3は圧延材1を巻き取る圧延材巻取り装置ドラム、4は圧延材巻取り装置ドラム3を回転させる電動機、5は電動機4の駆動装置、6は駆動装置5の電流指令値を与える電流指令値演算器、7は圧延機2のロール回転に応じたパルス発信器、8は圧延材1が通過したことを検出する圧延材検出器、13は圧延材巻取り速度指令演算器、14は圧延材巻取り装置ドラム3の回転角度検出器である。
圧延材巻取り装置ドラム3の周面には、圧延材1の先端部1aを収容するための複数の凹み3aが設けられている。
【0030】
次に、動作について説明する。
予め、圧延パススケジュールと装置特性により決まる基本速度指令値に基づいて電動機駆動装置5は電動機4を駆動し、圧延材巻取り装置のドラム3を回転させている。
ただし、電動機駆動装置5は、ドラム3が圧延ライン速度を上回る速度で回転しないように、電動機4が速度上限以下で回転するよう制御されている。
【0031】
圧延材巻取り速度指令演算器13は圧延材検出器8が圧延材1の先端1aを検出した後のパルス発信器7の発するパルスをパルス加算器13aによって加算して、圧延材検出器8から圧延材1の先端1aまでの距離を演算し、係数器13bにより圧延材検出器8から圧延材1の先端1aまでの距離につき圧延材巻取り装置ドラム3の1周分の距離が360(度)に相当する換算を行って、圧延材1の先端1aの角度位置を検出する。
係数器13bからの出力信号としての回転角度信号Aが360(度)以上であれば、比較器13cによってこれを検出し、異常動作としてパルス加算器13aに対し強制0リセットを行う。
圧延材1の先端1aの角度位置を示す係数器13bからの出力信号としての回転角度信号Aは、加算器13dにおいて圧延材巻取り装置ドラム3の回転角度信号と比較される。
比較器13eによって圧延材巻取り装置ドラム3の回転角度が圧延材1の先端1aの角度位置に比べて所定の固定角度1以上遅れていると判別された場合には、スイッチ要素13fが導通し、加算器13gにより所定の制御量として固定角度2が加算される。
この加算された制御量は、PI制御器13hを介して加算器13iにより基本速度指令値に一定の指令値を上積みされたものが駆動装置5に対する速度指令値として導出される。
これにより圧延材巻取り装置ドラム3は回転角度位置を加速修正し、圧延材1の先端1aの角度位置と一致させて、圧延材1の先端1aを圧延材巻取り装置ドラム3の周面に設けられた複数の凹み3aのいずれかに確実に収容される。
これらの動作は、図9における動作状態を示す線図に示されている。
【0032】
このようにして圧延材1の先端1aを圧延材巻取り装置ドラム3の周面に設けられた複数の凹み3aのいずれかにに確実に収容することにより、圧延材1の先端1aが圧延材巻取り装置ドラム3の周面を1周し、圧延材1の先端1aが圧延材1の周回内面1bと当接する際における、圧延材1の先端1aと圧延材巻取り装置ドラム3との位置関係は、図7に示す状態となり、圧延材1の先端1aと圧延材1の周回内面1bとの圧接力は確実に抑制され、圧延材1の先端1aの存在による圧延材1の巻回体における段差の形成は阻止される。
【0033】
上記実施の形態1では、圧延材巻取り装置のドラム3に固定式の凹み3aを1箇所設けておき、圧延材1の先端がドラム3に達した時に、ちょうどドラム3の凹み3aの位置に合うように圧延材巻取り装置ドラム3の回転角度を修正制御する場合について述べたが、この実施の形態3では、図7ないし図9に示すように、ドラム3に固定式の凹み3aを複数箇所設けるようにしたので、圧延材巻取り装置ドラム3の回転角度の修正制御量が少なくて済み、圧延の高速化への対応力が増すと同時に、応答性の低いドラム駆動系で済むことから経済的に優れる。
なお、圧延材巻取り時には、圧延材に強い張力が働くため、ドラム3に複数箇所の凹みがあっても安定した巻取りができる。
【0034】
この発明による実施の形態3によれば、長手方向に延在する被加工材1を、その先端部1aを内側にして巻回状態でドラム3からなる筒状巻取り部材の周面へ巻取る被加工材の巻取り装置において、前記被加工材1の先端部1aの位置を検出する圧延材巻取り速度指令演算器13からなる位置検出手段を備え、前記圧延材巻取り速度指令演算器13からなる位置検出手段による被加工材1の先端位置の検出に応じ作動して、前記被加工材1の先端部1aを前記ドラム3からなる筒状巻取り部材に設けた複数の凹み3aのいずれかに収容し、前記被加工材1の先端部1aが被加工材1の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制する制御手段を設けたので、前記被加工材1の先端部1aを前記筒状巻取り部材3の周面に設けられた複数の凹み3aのいずれかに収容することによって被加工材1の先端部1aが被加工材1の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制することにより、圧延の高速化へ対応できるとともに、応答性の低い制御で、被加工材1の先端部1aによる影響を回避して被加工材1を適切に巻取ることができる被加工材の巻取り装置を得ることができる。
【0035】
また、この発明による実施の形態3によれば、長手方向に延在する被加工材1を、その先端部1aを内側にしてドラム3からなる筒状巻取り部材の周面に巻取る被加工材の巻取り方法において、前記被加工材1の先端位置を検出するとともに、前記被加工材1の先端位置の検出に応じ前記圧延材1からなる被加工材の先端位置と前記圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面位置との相対的位置を制御し、前記被加工材1の先端部1aを前記ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面に設けられた複数の凹み3aのいずれかに収容して、前記被加工材1の先端部1aが被加工材1の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制するようにしたので、前記被加工材1の先端部1aを前記筒状巻取り部材3の周面に設けられた複数の凹み3aのいずれかに収容することによって被加工材1の先端部1aが被加工材1の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制することにより、圧延の高速化へ対応できるとともに、応答性の低い制御で、被加工材1の先端部1aによる影響を回避して被加工材1を適切に巻取ることができる被加工材の巻取り方法を得ることができる。
【0036】
実施の形態4.
この発明による実施の形態4を、図10ないし図12に基づいて説明する。図10は実施の形態4における圧延材巻取り装置の全体構成を示す側面図、図11は実施の形態4における圧延機速度指令値演算器の回路構成を示すブロック図、図12は実施の形態4における巻取り動作状態を示す線図である。
【0037】
図10および図11において、1は圧延材、2は圧延機、3は圧延材1を巻き取る圧延材巻取り装置ドラム、4は圧延材巻取り装置ドラム3を回転させる電動機、5は電動機4の駆動装置、6は駆動装置5の電流指令値を与える電流指令値演算器、7は圧延機2のロール回転に応じたパルス発信器、8は圧延材1が通過したことを検出する圧延材検出器、10は圧延機2を回転させる電動機、11は電動機駆動装置、14は圧延材巻取り装置ドラム3の回転角度検出器、15は圧延機速度指令演算器である。
圧延材巻取り装置ドラム3の周面には、圧延材1の先端部1aを収容するための複数の凹み3aが設けられている。
【0038】
次に、動作について説明する。
予め、圧延パススケジュールと装置特性により決まる基本速度指令値に基づいて電動機駆動装置5は電動機4を駆動し、圧延材巻取り装置のドラム3を回転させている。
ただし、電動機駆動装置5は、ドラム3が圧延ライン速度を上回る速度で回転しないように、電動機4が速度上限以下で回転するよう制御されている。
【0039】
圧延機速度指令演算器15は圧延材検出器8が圧延材1の先端1aを検出した後のパルス発信器7の発するパルスをパルス加算器15aによって加算して、圧延材検出器8から圧延材1の先端1aまでの距離を演算し、係数器15bにより圧延材検出器8から圧延材1の先端1aまでの距離につき圧延材巻取り装置ドラム3の1周分の距離が360(度)に相当する旨の換算を行って、圧延材1の先端1aの角度位置を検出する。
係数器15bからの出力信号としての回転角度信号Aが360(度)以上であれば、比較器15cによってこれを検出し、異常動作としてパルス加算器13aに対し強制0リセットを行う。
圧延材1の先端1aの角度位置を示す係数器15bからの出力信号としての回転角度信号Aは、加算器15dにおいて圧延材巻取り装置ドラム3の回転角度信号と比較される。
比較器15eによって圧延材巻取り装置ドラム3の回転角度が圧延材1の先端1aの角度位置に比べて所定の固定角度1以上遅れていると判別された場合には、スイッチ要素15fが導通し、加算器15gにより所定の制御量として固定角度2が加算される。
この加算された制御量は、PI制御器15hを介して加算器15iにより基本速度指令値に一定の指令値を減算するように作用し、電動機駆動装置11に対する減速された速度指令値として導出される。
これにより圧延機2の圧延速度を減速修正し、圧延材1の先端1aの角度位置を圧延材巻取り装置ドラム3の周面に設けられた複数の凹み3aのいずれか位置と一致させて、圧延材1の先端1aを圧延材巻取り装置ドラム3の周面に設けられた複数の凹み3aのいずれかに確実に収容される。
これらの動作は、図12における動作状態を示す線図に示されている。
【0040】
このようにして圧延材1の先端1aを圧延材巻取り装置ドラム3の周面に設けられた複数の凹み3aのいずれかに確実に収容することにより、圧延材1の先端1aが圧延材巻取り装置ドラム3の周面を1周し、圧延材1の先端1aが圧延材1の周回内面1bと当接する際における、圧延材1の先端1aと圧延材巻取り装置ドラム3との位置関係は、図10に示す状態となり、圧延材1の先端1aと圧延材1の周回内面1bとの圧接力は確実に抑制され、圧延材1の先端1aの存在による圧延材1の巻回体における段差の形成は阻止される。
【0041】
上記実施の形態2では、圧延材巻取り装置のドラム3に固定式の凹みを1箇所設けておき、圧延材1の先端がドラム3に達した時に、ちょうどドラム3の凹み3aの位置に合うように圧延材巻取り装置ドラムの回転角度を修正制御する場合について述べたが、この実施の形態4では、図10ないし図12に示すように、ドラム3に固定式の凹み3aを複数箇所設けるようにしたので、圧延材巻取り装置ドラムの回転角度の修正制御量が少なくて済み、圧延の安定性が増すと同時に、応答性の低いドラム駆動系で済むことから経済的に優れる。
なお、圧延材巻取り時には、圧延材に強い張力が働くため、ドラム3に複数箇所の凹みがあっても安定した巻取りができる。
【0042】
この発明による実施の形態4によれば、圧延機速度指令演算器15からなる速度制御手段を有する圧延機2の出側から導出される圧延材1からなる被加工材を、その先端部1aを内側にして巻回状態で圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面へ巻取る被加工材の巻取り装置において、前記圧延材1からなる被加工材1の先端位置を検出する圧延材検出器8からなる位置検出手段を備え、前記圧延機2の圧延機速度指令演算器15からなる速度制御手段によって、前記圧延材検出器8からなる位置検出手段による被加工材1の先端位置の検出に応じ前記圧延機の圧延速度を制御し、前記圧延材1からなる被加工材の先端部1aを圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面に設けた複数の凹み3aのいずれかに収容して、前記圧延材1からなる被加工材の先端部1aが圧延材1からなる被加工材の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制するようにしたたので、前記圧延機2の圧延速度を制御して前記被加工材1の先端部1aを前記筒状巻取り部材3の周面に設けられた複数の凹み3aのいずれかに収容し被加工材1の先端部1aが被加工材1の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制することにより、圧延の安定性を増すとともに、応答性の低い制御で、被加工材1の先端部1aによる影響を回避して被加工材1を適切に巻取ることができる被加工材の巻取り装置を得ることができる。
【0043】
実施の形態5.
この発明による実施の形態5を、図13および図14に基づいて説明する。図13は実施の形態5における圧延材巻取り装置の全体構成を示す側面図、図14は実施の形態5における圧延材先端位置検出装置の回路構成を示すブロック図である。
【0044】
図13および図14において、1は圧延材、2は圧延機、3は圧延材1を巻き取る圧延材巻取り装置ドラム、4は圧延材巻取り装置ドラム3を回転させる電動機、5は電動機4の駆動装置、7は圧延機2のロール回転に応じたパルス発信器、8は圧延材1が通過したことを検出する圧延材検出器、9は圧延材先端位置検出装置、16は圧延材巻取りドラム凹み装置である。
圧延材巻取り装置ドラム3の周面には、複数の凹み3bをその全周にわたり連続的に設けた筒状の凹み形成部材が設けられている。
この凹み形成部材(図13の圧延材巻取り装置ドラム3における点線図示部分)は、圧延材巻取り装置ドラム本体(図13の圧延材巻取り装置ドラム3における点線図示部分)と、圧延材1の巻取り方向において一定範囲(図13の図示状態では45°)を限り相対的に回動できるように構成されている。
圧延材巻取り装置ドラム3を構成する筒状の凹み形成部材に設けられた複数の凹み3bは、図13に点線で示すように、それぞれ圧延材巻取り装置ドラム3の径方向に沿う垂直面と、圧延材巻取り装置ドラム3の径方向に対し比較的緩い傾斜を持つ斜面とにより形成されている。
凹み3bを設けた筒状の凹み形成部材は、圧延材1の先端部1aの幅と少なくとも同一の幅(図13の図示奥行方向の寸法)を有し、図13に示すように、圧延材1を巻回し、その先端部1aを複数の凹み3bのいずれかに収容する。
【0045】
次に、動作について説明する。
予め、圧延パススケジュールと装置特性により決まる基本速度指令値に基づいて電動機駆動装置5は電動機4を駆動し、圧延材巻取り装置のドラム3を回転させている。
ただし、電動機駆動装置5は、ドラム3が圧延ライン速度を上回る速度で回転しないように、電動機4が速度上限以下で回転するよう制御されている。
【0046】
圧延材先端位置検出装置9は圧延材検出器8が圧延材1の先端1aを検出した後のパルス発信器7の発するパルスをパルス加算器9aによって加算し、係数を乗じて単位換算することにより圧延材検出器8から圧延材1の先端1aまでの距離を演算する。
そして、圧延材検出器8から巻取り装置3までの経路長およびドラム3のドラム円周から求めた固定距離と比較器9bにより比較することによって圧延材1の先端1aが巻取り装置のドラム3を1周したことを検出し、この検出信号を圧延材巻取りドラム凹み装置16に送る。
圧延材巻取りドラム凹み装置16は、検出信号に応じて、圧延材1の先端部1aを介して圧延材1の先端部1aが対向している凹み3bを加圧する。このとき、圧延材1の先端部1aが対向する凹み3bの最深部に合致していない場合には、凹み3bの斜面に加えられる圧延材1の先端部1aを介して印加される前記加圧力の分力により、凹み3bを設けた筒状の凹み形成部材は圧延材巻取り装置ドラム本体と相対的に反時計式に回動し、圧延材1の先端部1aが凹み3bの最深部に合致することになる。この状態が図13に示されている。
その後は、凹み3bを設けた筒状の凹み形成部材と圧延材巻取り装置ドラム本体とは一体となって、圧延材1を巻回する。
【0047】
上記の実施の形態1,実施の形態2,実施の形態3,実施の形態4では、圧延材巻取り装置のドラム3に固定式の凹みを設けておき、圧延材1の先端がドラム3に達した時に、ちょうどドラムの凹みの位置に合うようにドラム3の角度あるいは圧延材1の先端位置を修正制御する場合について述べたが、図13および図14に示すように、ドラム3に可動式のドラム凹み装置を連続的に設け、圧延材1の先端のある場所でドラム凹み装置16がドラム3を凹ますようにしたので、圧延材巻取り装置または圧延機の修正制御が不要となり、圧延および巻取りの安定性が増すと同時に、応答性の低い巻取り装置または圧延機駆動系にも適用できるという利点を有する。
【0048】
この発明による実施の形態5によれば、長手方向に延在する圧延材1からなる被加工材を、その先端部1aを内側にして巻回状態で圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面へ巻取る被加工材の巻取り装置において、前記圧延材1からなる被加工材の先端位置を検出する圧延材検出器8からなる位置検出手段と、前記圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面に設けられ前記圧延材巻取り装置ドラム本体からなる筒状巻取り部材本体と相対的に移動できる複数の可動式凹み3bとを備え、前記圧延材検出器8からなる位置検出手段による被加工材の先端位置の検出に応じ作動して、前記圧延材1からなる被加工材の先端部1aを圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材に設けた複数の可動式凹み3bのいずれかに収容し、前記被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際の圧接力を抑制する圧延材巻取りドラム凹み装置16からなる制御手段を設けたので、前記圧延材検出器8からなる位置検出手段による被加工材の先端位置の検出に応じて前記被加工材1の先端部1aを前記筒状巻取り部材3の周面に設けられた前記複数の可動式凹み3bのいずれかに収容し被加工材1の先端部1aが被加工材1の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制することにより、比較的容易な制御で被加工材1の先端部1aによる影響を回避して被加工材1を適切に巻取ることができる被加工材の巻取り装置を得ることができる。
【0049】
実施の形態6.
この発明による実施の形態6を、図15に基づいて説明する。図15は実施の形態6における圧延材巻取り装置の全体構成を示す側面図である。
【0050】
図15において、1は圧延材、2は圧延機、3は圧延材1を巻き取る圧延材巻取り装置ドラム、4は圧延材巻取り装置ドラム3を回転させる電動機、5は電動機4の駆動装置、16は圧延材巻取りドラム凹み装置、17は圧延材巻取りドラム面圧力検出器である。
圧延材巻取り装置ドラム3の周面には、複数の凹み3bをその全周にわたり連続的に設けた筒状の凹み形成部材が設けられている。
この凹み形成部材(図15の圧延材巻取り装置ドラム3における点線図示部分)は、圧延材巻取り装置ドラム本体(図15の圧延材巻取り装置ドラム3における点線図示部分)と、圧延材1の巻取り方向において一定範囲(図15の図示状態では45°)を限り相対的に回動できるように構成されている。
圧延材巻取り装置ドラム3を構成する筒状の凹み形成部材に設けられた複数の凹み3bは、図15に点線で示すように、それぞれ圧延材巻取り装置ドラム3の径方向に沿う垂直面と、圧延材巻取り装置ドラム3の径方向に対し比較的緩い傾斜を持つ斜面とにより形成されている。
凹み3bを設けた筒状の凹み形成部材は、圧延材1の先端部1aの幅と少なくとも同一の幅(図15の図示奥行方向の寸法)を有し、図15に示すように、圧延材1を巻回し、その先端部1aを複数の凹み3bのいずれかに収容する。
【0051】
次に、動作について説明する。
予め、圧延パススケジュールと装置特性により決まる基本速度指令値に基づいて電動機駆動装置5は電動機4を駆動し、圧延材巻取り装置のドラム3を回転させている。
ただし、電動機駆動装置5は、ドラム3が圧延ライン速度を上回る速度で回転しないように、電動機4が速度上限以下で回転するよう制御されている。
【0052】
圧延材1は、その先端部1aから圧延材巻取り装置ドラム3の周面に設けられた凹み3b上に巻取られる。
圧延材1の先端部1aが圧延材巻取り装置ドラム3を1周し、圧延材1の先端部1aと圧延材1の周回内面1bとが当接し、図15に示す状態になると、圧延材巻取りドラム面圧力検出器17は、圧延材1の先端部1aと圧延材1の周回内面1bとの当接により、その反作用で凹み3bを介して圧延材巻取り装置ドラム3に加えられる圧力を検出し、圧延材巻取りドラム凹み装置16に検出信号を印加する。
圧延材巻取りドラム凹み装置16は、検出信号に応じて、圧延材1の先端部1aを介して圧延材1の先端部1aが対向している凹み3bを加圧する。このとき、圧延材1の先端部1aが対向する凹み3bの最深部に合致していない場合には、凹み3bの斜面に加えられる圧延材1の先端部1aを介して印加される前記加圧力の分力により、凹み3bを設けた筒状の凹み形成部材は圧延材巻取り装置ドラム本体と相対的に反時計式に回動し、圧延材1の先端部1aが凹み3bの最深部に合致することになる。この状態が図15に示されている。
その後は、凹み3bを設けた筒状の凹み形成部材と圧延材巻取り装置ドラム本体とは一体となって、圧延材1を巻回する。
【0053】
上記の実施の形態5では、圧延材先端位置検出装置9で材先端位置をトラッキングして圧延材1の先端のある場所でドラム凹み装置16がドラム3を凹ます場合について述べたが、この実施の形態6では、図15に示すように、圧延材巻取りドラム面圧力検出器17によって直接圧延材1の先端の上に正に圧延材1が巻き付く時にドラムを凹ますようにしたので、圧延材先端トラッキングと比べて精度が高く、また荷重の程度に応じて凹み量を制御できるように構成すると必要以上のドラム凹みを防止できるため、巻取り安定性と段差,形状,機械的特異点防止効果を一層高い精度で実現できるという利点を有する。
【0054】
この発明による実施の形態6によれば、長手方向に延在する圧延材1からなる被加工材を、その先端部1aを内側にして巻回状態で圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面へ巻取る被加工材の巻取り装置において、前記圧延材1からなる被加工材の先端部1aが被加工材の周回内面1bに当接する際に前記圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面に印加される圧力を検出する圧延材巻取りドラム面圧力検出器17からなる圧力検出手段と、前記圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面に設けられ前記圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材と相対的に移動できる可動式の凹み3bとを備え、前記圧延材巻取りドラム面圧力検出器17からなる圧力検出手段の圧力検出動作に応動し前記圧延材1からなる被加工材の先端部1aを圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面に設けた複数の可動式凹み3bのいずれかに収容して、前記被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際の圧接力を抑制する圧延材巻取りドラム凹み装置16からなる制御手段を設けたので、被加工材1の先端部1aが被加工材1の周回内面1bに当接する際の圧力によって前記被加工材1の先端部1aを前記圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面に設けられた前記複数の可動式凹み3bのいずれかに収容し被加工材1の先端部1aが被加工材1の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制することにより、巻取り安定性を確保しつつ比較的高い精度で被加工材1の先端部1aによる影響を回避して被加工材1を適切に巻取ることができる被加工材の巻取り装置を得ることができる。
【0055】
実施の形態7.
この発明による実施の形態7を、図16に基づいて説明する。図16は実施の形態7における圧延材巻取り装置の全体構成を示す側面図である。
【0056】
図16において、1は圧延材、2は圧延機、3は圧延材1を巻き取る圧延材巻取り装置ドラム、4は圧延材巻取り装置ドラム3を回転させる電動機、5は電動機4の駆動装置、16は圧延材巻取りドラム凹み装置、18は圧延材巻取り装置負荷トルク検出装置である。
圧延材巻取り装置ドラム3の周面には、複数の凹み3bをその全周にわたり連続的に設けた筒状の凹み形成部材が設けられている。
この凹み形成部材(図16の圧延材巻取り装置ドラム3における点線図示部分)は、圧延材巻取り装置ドラム本体(図16の圧延材巻取り装置ドラム3における点線図示部分)と、圧延材1の巻取り方向において一定範囲(図16の図示状態では45°)を限り相対的に回動できるように構成されている。
圧延材巻取り装置ドラム3を構成する筒状の凹み形成部材に設けられた複数の凹み3bは、図16に点線で示すように、それぞれ圧延材巻取り装置ドラム3の径方向に沿う垂直面と、圧延材巻取り装置ドラム3の径方向に対し比較的緩い傾斜を持つ斜面とにより形成されている。
凹み3bを設けた筒状の凹み形成部材は、圧延材1の先端部1aの幅と少なくとも同一の幅(図16の図示奥行方向の寸法)を有し、図16に示すように、圧延材1を巻回し、その先端部1aを複数の凹み3bのいずれかに収容する。
【0057】
次に、動作について説明する。
予め、圧延パススケジュールと装置特性により決まる基本速度指令値に基づいて電動機駆動装置5は電動機4を駆動し、圧延材巻取り装置のドラム3を回転させている。
ただし、電動機駆動装置5は、ドラム3が圧延ライン速度を上回る速度で回転しないように、電動機4が速度上限以下で回転するよう制御されている。
【0058】
圧延材1は、その先端部1aから圧延材巻取り装置ドラム3の周面に設けられた凹み3b上に巻取られる。
圧延材1の先端部1aが圧延材巻取り装置ドラム3を1周し、圧延材1の先端部1aと圧延材1の周回内面1bとが当接し、図16に示す状態になると、圧延材巻取り装置ドラム3の巻取り負荷トルクが増加する。
圧延材巻取り装置負荷トルク検出装置18は、巻取り負荷トルクの増加を電動機4の出力変化により検出し、圧延材巻取りドラム凹み装置16に検出信号を印加する。
圧延材巻取りドラム凹み装置16は、検出信号に応じて、圧延材1の先端部1aを介して圧延材1の先端部1aが対向している凹み3bを加圧する。このとき、圧延材1の先端部1aが対向する凹み3bの最深部に合致していない場合には、凹み3bの斜面に加えられる圧延材1の先端部1aを介して印加される前記加圧力の分力により、凹み3bを設けた筒状の凹み形成部材は圧延材巻取り装置ドラム本体と相対的に反時計式に回動し、圧延材1の先端部1aが凹み3bの最深部に合致することになる。この状態が図16に示されている。
その後は、凹み3bを設けた筒状の凹み形成部材と圧延材巻取り装置ドラム本体とは一体となって、圧延材1を巻回する。
【0059】
上記の実施の形態6では、圧延材巻取りドラム面圧力検出器17によって直接圧延材1の先端の上に正に圧延材1が巻き付く時にドラムを凹ます場合について述べたが、この実施の形態7では、図16に示すように圧延材巻取り装置負荷トルク検出装置18によって圧延材1の先端1aの上に正に圧延材1が巻き付くタイミングを検出してドラム3を凹ますようにしたので、回転するドラム3の中に圧力検出機構を設ける必要がなく、信頼性,安定性と経済性を両立できるという利点を有する。
【0060】
この発明による実施の形態7によれば、長手方向に延在する圧延材1からなる被加工材を、その先端部1aを内側にして巻回状態で圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面へ巻取る被加工材の巻取り装置において、前記圧延材1からなる被加工材の先端部1aが圧延材1からなる被加工材の周回内面1bに当接する状態を検出するための圧延材巻取り装置負荷トルク検出装置18からなる巻取り負荷トルク検出手段と、前記圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面に設けられ前記圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材と相対的に移動できる複数の可動式凹み3bとを備え、前記圧延材巻取り装置負荷トルク検出装置18からなる巻取り負荷トルク検出手段の検出動作に応動して前記圧延材1からなる被加工材の先端部1aを筒状巻取り部材に設けた可動式の凹みに収容し、前記圧延材1からなる被加工材の先端部1aが被加工材の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制する圧延材巻取りドラム凹み装置16からなる制御手段を設けたので、巻取り負荷トルクによる被加工材の先端部と周回内面との当接状態の検出によって、前記被加工材1の先端部1aを前記圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面に設けられた前記複数の可動式凹み3bのいずれかに収容し被加工材1の先端部1aが被加工材1の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制することにより、比較的緩やかな仕様条件の装置構成による比較的容易な検出動作で被加工材1の先端部1aによる影響を回避して被加工材1を適切に巻取ることができる被加工材の巻取り装置を得ることができる。
【0061】
実施の形態8.
この発明による実施の形態8を、図17に基づいて説明する。図17は実施の形態8における圧延材巻取り装置の全体構成を示す側面図である。
【0062】
図17において、1は圧延材、2は圧延機、3は圧延材1を巻き取る圧延材巻取り装置ドラム、4は圧延材巻取り装置ドラム3を回転させる電動機、5は電動機4の駆動装置、16は圧延材巻取りドラム凹み装置、19は圧延機負荷トルク検出装置である。
圧延材巻取り装置ドラム3の周面には、複数の凹み3bをその全周にわたり連続的に設けた筒状の凹み形成部材が設けられている。
この凹み形成部材(図17の圧延材巻取り装置ドラム3における点線図示部分)は、圧延材巻取り装置ドラム本体(図17の圧延材巻取り装置ドラム3における点線図示部分)と、圧延材1の巻取り方向において一定範囲(図17の図示状態では45°)を限り相対的に回動できるように構成されている。
圧延材巻取り装置ドラム3を構成する筒状の凹み形成部材に設けられた複数の凹み3bは、図17に点線で示すように、それぞれ圧延材巻取り装置ドラム3の径方向に沿う垂直面と、圧延材巻取り装置ドラム3の径方向に対し比較的緩い傾斜を持つ斜面とにより形成されている。
凹み3bを設けた筒状の凹み形成部材は、圧延材1の先端部1aの幅と少なくとも同一の幅(図17の図示奥行方向の寸法)を有し、図17に示すように、圧延材1を巻回し、その先端部1aを複数の凹み3bのいずれかに収容する。
【0063】
次に、動作について説明する。
予め、圧延パススケジュールと装置特性により決まる基本速度指令値に基づいて電動機駆動装置5は電動機4を駆動し、圧延材巻取り装置のドラム3を回転させている。
ただし、電動機駆動装置5は、ドラム3が圧延ライン速度を上回る速度で回転しないように、電動機4が速度上限以下で回転するよう制御されている。
【0064】
圧延材1は、その先端部1aから圧延材巻取り装置ドラム3の周面に設けられた凹み3b上に巻取られる。
圧延材1の先端部1aが圧延材巻取り装置ドラム3を1周し、圧延材1の先端部1aと圧延材1の周回内面1bとが当接し、図17に示す状態になると、圧延材巻取り装置ドラム3の巻取り負荷トルクが増加する。
圧延機負荷トルク検出装置19は、圧延機負荷トルクの変化を圧延機2の内部におけるピンチロールまたは圧延機2の出側におけるピンチロールのトルク変化により検出し、圧延材巻取りドラム凹み装置16に検出信号を印加する。
圧延材巻取りドラム凹み装置16は、検出信号に応じて、圧延材1の先端部1aを介して圧延材1の先端部1aが対向している凹み3bを加圧する。このとき、圧延材1の先端部1aが対向する凹み3bの最深部に合致していない場合には、凹み3bの斜面に加えられる圧延材1の先端部1aを介して印加される前記加圧力の分力により、凹み3bを設けた筒状の凹み形成部材は圧延材巻取り装置ドラム本体と相対的に反時計式に回動し、圧延材1の先端部1aが凹み3bの最深部に合致することになる。この状態が図17に示されている。
その後は、凹み3bを設けた筒状の凹み形成部材と圧延材巻取り装置ドラム本体とは一体となって、圧延材1を巻回する。
【0065】
上記の実施の形態7では、圧延材巻取り装置負荷トルク検出装置18によって圧延材1の先端の上に正に圧延材1が巻き付くタイミングを検出してドラムを凹ます場合について述べたが、図17に示すように圧延機負荷トルク検出装置19によって圧延材1の先端の上に正に圧延材1が巻き付くタイミングを検出するようにしたので、一般に検出精度の高い圧延機側の情報で制御できるため、経済性に優れるという利点を有する。
【0066】
この発明による実施の形態8によれば、ピンチロールを介して導出される圧延材1からなる被加工材を、その先端部1aを内側にして巻回状態で圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面へ巻取る被加工材の巻取り装置において、前記圧延材1からなる被加工材の先端部1aが圧延材1からなる被加工材の周回内面1bに当接する状態を検出するための前記ピンチロールの圧延機負荷トルク検出装置19からなる負荷トルク検出手段と、前記圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面に設けられ前記圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材と相対的に移動できる複数の可動式凹み3bとを備え、前記圧延機負荷トルク検出装置19からなる負荷トルク検出手段の検出動作に応動して、前記圧延材1からなる被加工材の先端部1aを圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材に設けた複数の可動式凹み3bのいずれかに収容し、前記圧延材1からなる被加工材の先端部1aが被加工材の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制する圧延材巻取りドラム凹み装置16制御手段を設けたので、ピンチロールの負荷トルクによる圧延材1からなる被加工材の先端部1aと周回内面1bとの当接状態の検出によって、前記被加工材1の先端部1aを前記圧延材巻取り装置ドラム3からなる筒状巻取り部材の周面に設けられた前記複数の可動式凹み3bのいずれかに収容し被加工材1の先端部1aが被加工材1の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制することにより、比較的優れた経済性で被加工材1の先端部1aによる影響を回避して被加工材1を適切に巻取ることができる被加工材の巻取り装置を得ることができる。
【0067】
実施の形態9.
この発明による実施の形態9を図18について説明する。図18は実施の形態9における圧延材巻取り装置の全体構成を示す側面図である。
【0068】
図18において、1は圧延材、2は圧延機、3は圧延材1を巻き取る圧延材巻取り装置ドラム、4は圧延材巻取り装置ドラム3を回転させる電動機、5は電動機4の駆動装置、20は圧延荷重検出装置、21はメタルイン検出装置、22はロール間隙可変装置である。
【0069】
次に、動作について説明する。
予め、圧延パススケジュールと装置特性により決まる基本速度指令値に基づいて電動機駆動装置5は電動機4を駆動し、圧延材巻取り装置のドラム3を回転させている。
ただし、電動機駆動装置5は、ドラム3が圧延ライン速度を上回る速度で回転しないように、電動機4が速度上限以下で回転するよう制御されている。
【0070】
圧延荷重検出装置20は圧延機2のピンチロールへの圧延材1の嵌入による圧延荷重の変化を検出し、メタルイン検出装置21は圧延荷重検出装置20による圧延荷重の変化検出に応じてピンチロールへの圧延材1の嵌入を検出する。
メタルイン検出装置21の検出信号は、ロール間可変装置22に送られ、所定時間だけロール間可変装置22によるロール間隙を減少することによって、圧延材1の先端部1aの所定寸法だけを他の部分に比べて薄く圧延するようにされる。
【0071】
上記の実施の形態1から実施の形態8では、圧延材1の先端形状を変えることなく新たな制御装置や機械装置の付加によって圧延材1の先端1aの上に2周目の圧延材が巻き付く箇所での段差を無くし、形状,機械特性の特異点を生じさせない場合について述べたが、従来から用いられている圧延荷重検出装置20,メタルイン検出装置21,ロール間隙可変装置22によって、圧延材1の先端部1aのみを通常より薄く圧延することにより、新たな装置の付加なく同様の効果を得られるため、経済性に優れるという利点がある。
従って、圧延材1の先端部のみを通常より薄くしても圧延安定性に問題ない鋼種,形状,サイズの圧延においては、上記実施の形態と比べて設備としての経済性に優れている。
なお、ここでは圧延ロール間隙を制御することにより圧延材先端部を薄くする場合について述べたが、圧延速度を制御することにより前面あるいは後面張力を変化させて圧延材先端部を薄くする場合にも同様の効果がある。
また、ここでは圧延荷重検出装置20によって圧延材1の先端1aが圧延機2を通過したことを知る場合について述べたが、光学式圧延材検出器や、実施の形態1で述べたパルス発信機を組合せた方法、また圧延材検出器とロール回転速度指令値を組合せた方法など他の手段によって圧延材先端位置を知る場合についても同様の効果を得ることができる。
【0072】
この発明による実施の形態9によれば、圧延機2から導出される圧延材1からなる被加工材を、その先端部を内側にして巻回状態で巻取る被加工材の巻取り装置において、前記被加工材1の先端部1aのみを他の部分よりも薄く圧延するように前記圧延機2を制御し、前記被加工材1の先端部1aが被加工材1の周回内面に当接する際の圧接力を抑制するようにしたので、被加工材1の先端部1aのみを他の部分よりも薄く圧延機2で圧延して被加工材1の先端部1aが被加工材1の周回内面1bに当接する際の圧接力を抑制することにより、比較的優れた経済性を持つ構成で被加工材1の先端部1aによる影響を回避して被加工材1を適切に巻取ることができる被加工材の巻取り装置を得ることができる。
【0073】
この発明による実施の形態9によれば、圧延機から導出される圧延材からなる被加工材を、その先端部を内側にして巻回状態で巻取る被加工材の巻取り方法において、前記被加工材の先端部のみを他の部分よりも薄く圧延するように前記圧延機を制御し、前記被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際の圧接力を抑制するようにしたので、比較的優れた経済性を持つ手法で被加工材1の先端部1aによる影響を回避して被加工材1を適切に巻取ることができる被加工材の巻取り方法を得ることができる。
【0074】
【発明の効果】
第1の発明によれば、位置検出手段による被加工材の先端位置の検出に応じて被加工材の先端部を筒状巻取り部材の周面に設けられた可動式の凹みに収容し被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際の圧接力を抑制することにより、比較的容易な制御で被加工材の先端部による影響を回避して被加工材1を適切に巻取ることができる被加工材の巻取り装置を得ることができる。
【0075】
第2の発明によれば、被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際の圧力によって前記被加工材の先端部を筒状巻取り部材の周面に設けられた可動式凹みに収容し被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際の圧接力を抑制することにより、比較的高い精度で被加工材の先端部による影響を回避して、被加工材を適切に巻取ることができる被加工材の巻取り装置を得ることができる。
【0076】
第3の発明によれば、巻取り負荷トルクによる被加工材の先端部と周回内面との当接状態の検出によって、前記被加工材の先端部を筒状巻取り部材の周面に設けられた可動式の凹みに収容し被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際の圧接力を抑制することにより、比較的容易な検出動作で被加工材の先端部による影響を回避して被加工材を適切に巻取ることができる被加工材の巻取り装置を得ることができる。
【0077】
第4の発明によれば、ピンチロールの負荷トルクによる被加工材の先端部と周回内面との当接状態の検出によって、前記被加工材の先端部を前記筒状巻取り部材の周面に設けられた可動式の凹みに収容し被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際の圧接力を抑制することにより、比較的優れた経済性を持つ構成で被加工材の先端部による影響を回避して被加工材を適切に巻取ることができる被加工材の巻取り装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による実施の形態1における全体構成を示す側面図である。
【図2】 この発明による実施の形態1における圧延材巻取り速度指令値演算器の回路構成を示すブロック図である。
【図3】 この発明による実施の形態1における巻取り動作状態を示す線図である。
【図4】 この発明による実施の形態1における全体構成を示す側面図である。
【図5】 この発明による実施の形態2における圧延材巻取り速度指令値演算器の回路構成を示すブロック図である。
【図6】 この発明による実施の形態2における巻取り動作状態を示す線図である。
【図7】 この発明による実施の形態3における全体構成を示す側面図である。
【図8】 この発明による実施の形態3における圧延材巻取り速度指令値演算器の回路構成を示すブロック図である。
【図9】 この発明による実施の形態3における巻取り動作状態を示す線図である。
【図10】 この発明による実施の形態4における全体構成を示す側面図である。
【図11】 この発明による実施の形態4における圧延機速度指令値演算器の回路構成を示すブロック図である。
【図12】 この発明による実施の形態4における巻取り動作状態を示す線図である。
【図13】 この発明による実施の形態5における全体構成を示す側面図である。
【図14】 この発明による実施の形態5における圧延材先端位置検出装置の回路構成を示すブロック図である。
【図15】 この発明による実施の形態6における全体構成を示す側面図である。
【図16】 この発明による実施の形態7における全体構成を示す側面図である。
【図17】 この発明による実施の形態8における全体構成を示す側面図である。
【図18】 この発明による実施の形態9における全体構成を示す側面図である。
【図19】 従来技術による圧延材巻取り装置における全体構成を示す側面図である。
【図20】 従来技術による圧延材巻取り装置における電流指令値演算器の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 圧延材、2 圧延機、3 圧延材巻取り装置、4 圧延材巻取り電動機、5 電動機駆動装置、6 電流指令値演算器、7 パルス発信機、8 圧延材検出器、9 圧延材先端位置検出装置、10 圧延機駆動電動機、11 電動機駆動装置、12 圧延機速度指令演算器、13 圧延材巻取り速度指令演算器、14 圧延材巻取り回転角度検出器、15 圧延機速度指令演算器、16 圧延材巻取りドラム凹み装置、17 圧延材巻取りドラム面圧力検出器、18 圧延材巻取り負荷トルク検出装置、19 圧延機負荷トルク検出装置、20 圧延荷重検出器、21 メタルイン検出装置、22 ロール間隙可変装置。
Claims (4)
- 長手方向に延在する被加工材を、その先端部を内側にして巻回状態で筒状巻取り部材の周面へ巻取る被加工材の巻取り装置において、前記被加工材の先端位置を検出する位置検出手段と、前記筒状巻取り部材の周面に設けられ前記筒状巻取り部材と相対的に移動できる可動式の凹みとを備え、前記位置検出手段による被加工材の先端位置の検出に応じ作動して、前記被加工材の先端部を筒状巻取り部材に設けた可動式の凹みに収容し、前記被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際の圧接力を抑制する制御手段を設けたことを特徴とする被加工材の巻取り装置。
- 長手方向に延在する圧延材からなる被加工材を、その先端部を内側にして巻回状態で筒状巻取り部材の周面へ巻取る被加工材の巻取り装置において、前記被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際に前記筒状巻取り部材の周面に印加される圧力を検出する圧力検出手段と、前記筒状巻取り部材の周面に設けられ前記筒状巻取り部材と相対的に移動できる可動式の凹みとを備え、前記圧力検出手段の圧力検出動作に応動し前記被加工材の先端部を筒状巻取り部材の周面に設けた可動式の凹みに収容して、前記被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際の圧接力を抑制する制御手段を設けたことを特徴とする被加工材の巻取り装置。
- 長手方向に延在する被加工材を、その先端部を内側にして巻回状態で筒状巻取り部材の周面へ巻取る被加工材の巻取り装置において、前記被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する状態を検出するための巻取り負荷トルク検出手段と、前記筒状巻取り部材の周面に設けられ前記筒状巻取り部材と相対的に移動できる可動式の凹みとを備え、前記巻取り負荷トルク検出手段の検出動作に応動して前記被加工材の先端部を筒状巻取り部材に設けた可動式の凹みに収容し、前記被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際の圧接力を抑制する制御手段を設けたことを特徴とする被加工材の巻取り装置。
- ピンチロールを介して導出される圧延材からなる被加工材を、その先端部を内側にして巻回状態で筒状巻取り部材の周面へ巻取る被加工材の巻取り装置において、前記被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する状態を検出するための前記ピンチロールの負荷トルク検出手段と、前記筒状巻取り部材の周面に設けられ前記筒状巻取り部材と相対的に移動できる可動式の凹みとを備え、前記負荷トルク検出手段の検出動作に応動して、前記被加工材の先端部を筒状巻取り部材に設けた可動式の凹みに収容し、前記被加工材の先端部が被加工材の周回内面に当接する際の圧接力を抑制する制御手段を設けたことを特徴とする被加工材の巻取り装置。
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