JP3888994B2 - 複室容器 - Google Patents

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Description

本発明は、複室容器に関する。
従来、2種類以上の薬剤を配合する場合、薬剤的相互作用に起因する経時的変化によって薬剤が変質する危険性があるため、医療現場で各成分を投薬直前に混合して調製する方法が採用されていた。しかし、このような投薬直前の薬剤の混合は、微生物汚染や異物の混入、過誤の混合、迅速な投薬ができない等の欠点があった。このため、現在、圧力の付加によって剥離可能なシール等の仕切手段を容器本体に設け、この仕切手段で区画された複数の充填室に各未混合薬剤を個別に充填し、投与直前に前記仕切手段を解除して各薬剤を混合することが可能な複室型の容器が多数開発されている。
このような複室容器は、容器本体の内部を2等分するように仕切手段が短手方向に設けられているものが多く、通常、薬剤の混合作業を行うまで、前記仕切手段が設けられている容器本体の中央付近で折り畳んだ状態にされて保管されている。
前記複室容器を用いて薬剤の混合を行う場合、まず、折り畳んだ状態にされている容器本体を元の展開状態に戻して、次に、充填室を手等で押圧して仕切手段の解除が行われる。したがって、前記複室容器を用いた薬剤の混合工程においては、容器本体を展開状態に戻す作業と仕切手段を解除する作業という2つの作業をそれぞれ別個に行う必要があった(特許文献はなし)。
しかしながら、前記2つの作業は、薬剤の混合工程においては煩わしいものとなっているばかりでなく、口栓と一方の充填室とは連通しているので、容器本体の下端に設けられたフック穴にフックを通して複室容器を吊り下げたり、又は口栓を下向きにして傾斜面に複室容器を設置した状態で、排出口に固定されたゴム栓体に中空針を刺通すれば、口栓に連通する一方の充填室に充填された未混合薬剤のみが口栓の排出管を通って中空針に流入することになる。このため、2番目の作業である充填室の押圧を怠って、誤って未混合薬剤が患者に投与される危険性があり、このような医療事故を未然に防止して患者に対する安全性を確保することができないという問題点がある。
したがって、本発明は、かかる問題点を解消するため、複室容器を用いた薬剤の混合工程において、容器本体を展開状態に戻す作業を行えば、同時に仕切手段を解除することができ、また、仕切手段の解除前に充填室に充填された未混合薬剤が口栓を通って中空針に流入しない複室容器を提供し、これにより、薬剤の混合工程において簡便な作業を実現し、かつ、仕切手段の未解除が原因となって、未混合薬剤が患者に投与される危険性を回避することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、複数に区画された充填室を有する内部容器本体と、該内部容器本体が収納される外部容器本体とを備えた複室容器において、前記外部容器本体に折畳線を設け、該折畳線で前記外部容器本体を一方の壁部側に折り畳んだ状態に構成して、第1室と第2室とを形成するとともに、該第1室の他方の壁部の内表面の一部と該第2室の他方の壁部の内表面の一部を対向させ、前記内部容器本体の各充填室の一方の壁部に排出穴をそれぞれ設け、前記内部容器本体を前記外部容器本体内部の前記第1室に固定した状態で、前記第1室の他方の壁部の内表面の一部と対向した前記第2室の他方の壁部の一部の内表面と、前記排出穴周辺の壁部の外表面とをシールし、該シール部は、前記外部容器本体の折畳の展開と連動して剥離可能に構成されたものである。
前記手段によれば、外部容器本体の展開という1つの作業を行うだけで、充填室を閉塞するシール部を剥離させることができ、これにより、充填室に充填された各未混合薬剤の混合作業を簡便に行うことができる。また、使用者が外部容器本体を展開しない限り、シール部が剥離して外部容器本体の袋部内部と内部容器本体の充填室とが、排出穴を介して連通することはない。従って、外部容器本体の展開前に中空針を誤ってゴム栓体に刺通しても、未混合薬剤が口栓の排出路を通って中空針に流入することはない。
前記外部容器本体は、前記折畳線で折り畳んで前記第1室の一方の壁部の外表面と対向する一方の壁部の外表面に、又はその反対側の内表面に、前記シール部の剥離を表す表示面を備えた表示シールが貼着され、該表示面を前記第1室に固定された前記内部容器本体の充填室に向けて折り畳まれていてもよい。
複数に区画された充填室を有する内部容器本体と、該内部容器本体が収納される外部容器本体とを備えた複室容器において、ベース部と、折曲により該ベース部と対向するように構成された先端部を備えた保形材を、前記外部容器本体の壁部の内表面に取り付け、該保形材に形成された折曲部に沿って前記外部容器本体を一方の壁部側に折り畳んだ状態に構成して、第1室と第2室とを形成し、前記内部容器本体の各充填室の一方の壁部にそれぞれ排出穴を設け、前記内部容器本体を前記外部容器本体内部の前記第1室に固定し、前記排出穴を前記保形材の先端部と前記第1室の他方の壁部の内表面との間にそれぞれ位置させた状態で、前記保形材の先端部と、前記排出穴周辺の壁部の外表面とをシールし、該シール部は、前記外部容器本体の折畳の展開と連動して剥離可能に構成されていてもよい。
前記外部容器本体は、前記保形材に形成された前記折曲部に沿って折り畳んで前記第1室の一方の壁部の外表面と対向する前記第2室の一方の壁部の外表面に若しくはその反対側の内表面に、又は前記第2室の一方の壁部の内表面と対向する前記保形材のベース部に、若しくは前記シール部が形成される前記保形材の先端部に、前記シール部の剥離を表す表示面を備えた表示シールが貼着され、該表示面を前記第1室に固定された前記内部容器本体の充填室に向けて折り畳まれていてもよい。
複数に区画された充填室を有する内部容器本体と、該内部容器本体が収納される外部容器本体とを備えた複室容器において、ベース部と、折曲により該ベース部と対向するように構成され、複数の爪部と凹部が形成された先端部を備えた保形材を、前記外部容器本体の壁部の内表面に取り付け、該保形材に形成された折曲部に沿って前記外部容器本体を一方の壁部側に折り畳んだ状態に構成して第1室と第2室とを形成し、前記内部容器本体の各充填室の一方の壁部にそれぞれ排出穴を設け、前記内部容器本体を前記外部容器本体内部の前記第1室に固定し、前記排出穴を前記保形材の先端部に形成された凹部と前記第1室の一方の壁部の内表面との間にそれぞれ位置させた状態で、前記第1室の他方の壁部の内表面と、前記排出穴周辺の壁部の外表面とをシールし、該シール部は、前記外部容器本体の折畳の展開と連動して剥離可能に構成されていてもよい。
前記外部容器本体は、前記保形材に形成された折曲部に沿って折り畳んで前記第1室の一方の壁部の外表面と対向する前記第2室の一方の壁部の外表面に若しくはその反対側の内表面に、又は前記第2室の一方の壁部の内表面と対向する前記保形材のベース部に、前記シール部の剥離を表す表示面を備えた表示シールが貼着され、該表示面を前記第1室に固定された前記内部容器本体の充填室に向けて折り畳まれていてもよい。
袋部上端から一定の間隔を空けて形成された空洞部と、該空洞部の下方で複数に区画された充填室を有する容器本体を備えた複室容器において、該容器本体の空洞部と充填室との間に折畳線を設け、該折畳線で前記容器本体を一方の壁部側に折り畳んだ状態に構成して、前記容器本体の各充填室の一方の壁部に第1排出穴と、これに対向する前記容器本体の空洞部の一方の壁部に第2排出穴をそれぞれ設け、前記第1排出穴周辺の壁部の外表面と前記第2排出穴周辺の壁部の外表面とを剥離不能に溶着し、前記第2排出穴周辺の壁部の内表面に、これと対向する前記容器本体の空洞部の他方の壁部の内表面をシールし、該シール部は、前記容器本体の折畳の展開と連動して剥離可能に構成され、前記容器本体の空洞部の他方の壁部を外側に折り返して対向した内表面を剥離不能に溶着した突出部を、前記容器本体に設けてもよい。
前記容器本体は、前記折畳線で折り畳んで前記充填室の一方の壁部の外表面と対向する前記空洞部の一方の壁部の外表面に又はその反対側の内表面に、前記シール部の剥離を表す表示面を備えた表示シールが貼着され、該表示面を前記充填室に向けて折り畳まれていてもよい。
本発明によれば、使用者が、外部容器本体の展開という簡易な1つの作業を行うだけで、薬剤の混合作業を円滑に行うことが可能となる。また、複室容器に形成された弱シール部を剥離しないまま、患者に未混合薬剤が誤って投与されるという医療事故を未然に回避することも可能となる。
以下、添付の図面に従って、本発明の実施形態を説明するが、説明及び図示されたものに本発明が限定されるものではない。
図1〜4は、本発明の第1実施形態に係る複室容器1を示す。この複室容器1は、図5,6に示したように、口栓20が開口部に取り付けられた外部容器本体2と、未混合薬剤が充填される充填室36,37を備えた内部容器本体30とで構成される。
外部容器本体2は、可撓性を有する透明なフィルムシートを筒状に成形し、開口している両端部を加熱溶着等によってシールすることで、袋部3と、上端強シール部6と、下端強シール部7とからなる矩形状の袋体に構成される。外部容器本体2は、袋部3のやや上方寄りに形成された折畳線10を備えている。折畳線10は、図5に示したように、第1山折り線11及び第2山折り線12と、第1谷折り線13と、第3山折り線14と、第2谷折り線15及び第3谷折り線16とで構成されている。第1山折り線11及び第2山折り線12は、外部容器本体2の袋部3の左右側端から上下斜め方向にそれぞれ延在して交差し、くの字形に形成されている。第1谷折り線13は、第1山折り線11及び第2山折り線12の交点から延在して、外部容器本体2の袋部3の左右側端と直交している。第3山折り線14は、第1山折り線11及び第2山折り線12との交点の間を結んでいる。第2谷折り線15及び第3谷折り線16は、第1山折り線11及び第2山折り線12のそれぞれの端部の間を結んでいる。外部容器本体2は、第3山折り線と第3谷折り線の間の一方の壁部の外表面に、後述の弱シール部39の剥離を表す「開封済み」と記載された表示面25とその反対側に接着面26を備える矩形状の表示シール24が貼着されている。
外部容器本体2は、折畳線10を構成する各折り線に沿って一方の壁部4側に折り畳んで、下端強シール部7側に第1室17と、上端強シール部6側に第2室18とが形成されるとともに、第1室17の他方の壁部5の内表面の一部と第2室18の他方の壁部5の内表面の一部が対向する。また、外部容器本体2は、表示シール24が貼着された第3山折り線14と第3谷折り線16との間の一方の壁部4の外表面と、第1室17の一方の壁部4の外表面とを対向させ、表示シール24の表示面25を内部容器本体30の充填室36,37に向けて折り畳まれている。なお、表示シール24は、外部容器本体2を折り畳んだ際に、表示面25が内部容器本体30の充填室36,37に向くような位置に貼着されていれば、前記のような位置に限定される必要はなく、第3山折り線14と第3谷折り線16の間の一方の壁部4の外表面とは反対側の内表面に、又は第2室18の一方の壁部4の外表面に若しくは内表面に、貼着されてもよい。表示シール24が一方の壁部4の内表面に貼着される場合は、表示面25と接着面26が同一面に形成される。
外部容器本体2の上端強シール部6及び下端強シール部7は、手等で外部容器本体2に圧力が加えられても剥離しない強度で構成されている。
口栓20は、筒状で、排出口21と、排出管22と、ゴム栓体23とで構成されている。口栓20は、外部容器本体2の上端強シール部6が形成されるフィルムシートの内表面の間に排出管22が挟持された状態で加熱溶着されて、外部容器本体2の上端中央に取り付けられている。口栓20は、ゴム栓体23が排出口21に固定され、薬剤の投与時に中空針が刺通されるまで外部容器本体2の内部を密封している。
一方、内部容器本体30は、可撓性を有する透明な2枚のフィルムシートを相互に対向させて、周縁部及び中心部を加熱溶着等によってシールすることで、袋部31と、周縁強シール部34と、仕切強シール部35とからなる矩形状の袋体に構成される。
周縁強シール部34及び仕切強シール部35は、手等で内部容器本体30に圧力が加えられても剥離しない強度で構成されている。内部容器本体30は、図2〜4に示したように、周縁強シール部34の下端の一方の壁部32の外表面が外部容器本体2の第1室17の一方の壁部4の内表面と加熱溶着等されることによって、外部容器本体2の第1室17に固定されている。仕切強シール部35は、内部容器本体30の袋部31内部を2等分に区画して、充填室36,37を形成している。2つの充填室36,37は、それぞれ別種類の未混合薬剤が充填される。なお、充填室36,37に充填されるものは、薬剤に限定される必要はなく、例えば、接着剤等のような薬剤以外のものが充填室36,37に充填されてもよい。また、図示した内部容器本体30には充填室36,37が2つ形成されているが、仕切強シール部35を複数設けて、充填室を3つ以上形成してもよい。
内部容器本体30は、充填室36,37の一方の壁部32の上部中央にそれぞれ、充填された未混合薬剤を排出するための排出穴38が設けられている。排出穴38は、弱シール部39で閉塞されている。
弱シール部39は、外部容器本体2の第1室17の他方の壁部5の内表面の一部と対向する前記第2室18の他方の壁部5の内表面と、排出穴38周辺の一方の壁部32の外表面とが、例えば、混合樹脂片で接合されたり、又は混合樹脂片を挟持した状態で加熱溶着されることによってシールして形成されている。弱シール部39は、外部容器本体2の折畳の展開と連動して剥離可能に構成されている。
次に、前記構成からなる複室容器1を使用する場合の作用について説明する。
外部容器本体2が、折畳線10で折り畳んだ状態に構成されているときは、内部容器本体30の排出穴38を閉塞している弱シール部39と内部容器本体30の仕切強シール部35とによって、未混合薬剤が、充填室36,37内に完全に密封される。
使用者が、口栓20や外部容器本体2の上方強シール部6周辺を把持して外部容器本体2の折畳を展開すると、内部容器本体30は、外部容器本体2の第1室17に固定されているため、外部容器本体2の展開と連動して移動することはなく、図4に示したように、排出穴38を閉塞している弱シール部39が剥離し、外部容器本体2の袋部3内部と内部容器本体30の充填室36,37が、排出穴38を介して連通する。その後、点滴架台のフックを外部容器本体2に設けたフック穴8に通して複室容器1を点滴架台に吊り下げ、口栓20に固定されたゴム栓体23に中空針を刺通して、患者に混合薬剤を投与することができる。
また、弱シール部39の剥離前と剥離後では、図1〜4に示したように、複室容器1の形態が異なるので、外部容器本体2が折畳線10で折り畳んだ状態に構成されている場合には、使用者は、弱シール部39が剥離していないことを外観上の形態で認識することが可能となる。さらに、表示シール24は、外部容器本体2の折畳を展開することによって、はじめて表示面25が約180度回転して袋部3の外側に向くので、表示シール24の表示面25を確認することで、弱シール部39が剥離したことを認識することができる。
図7〜10は、本発明の第2実施形態に係る複室容器1を示す。
第2実施形態に係る複室容器1は、第1実施形態に係る複室容器1と同様に、口栓20が開口部に取り付けられた外部容器本体2と、仕切強シール部35で袋部31内部を2等分に区画して形成された充填室36,37を備えた内部容器本体30とで構成される。外部容器本体2は、図8,9に示したように、他方の壁部5の内表面に、保形材40が取り付けられている。この保形材40は、外面が他方の壁部5の内表面に接着シール等で貼着されたベース部41と、折曲によりベース部41と対向するように構成された先端部43を備える。この先端部43の外面には、図11に示したように、後述の弱シール部39の剥離を表す「開封済み」と記載された表示面25とその反対側に接着面26を備える矩形状の表示シール24が貼着されている。外部容器本体2は、保形材40に形成された折曲部42に沿って一方の壁部4側に折り畳んで、下端強シール部7側に第1室17と、上端強シール部6側に第2室18とが形成され、第1室17の一方の壁部4の外表面と第2室18の一方の壁部4の外表面とが対向する。また、外部容器本体2は、保形材40の先端部43の外面の向きを約180度回転させ、表示シール24の表示面25を内部容器本体30の充填室36,37に向けて折り畳まれている。なお、表示シール24は、外部容器本体2を折り畳んで、表示面25が内部容器本体30の充填室36,37に向くような位置に貼着されていれば、前記のような位置に限定される必要はなく、第2室18の一方の壁部4の外表面に若しくは内表面に、又は第2室18の一方の壁部4の内表面と対向する保形材40のベース部41に、貼着されてもよい。表示シール24が一方の壁部4の内表面に貼着される場合は、表示面25と接着面26が同一面に形成される。
内部容器本体30は、図8〜10に示したように、周縁強シール部34の下端の一方の壁部32の外表面が外部容器本体2の第1室17の一方の壁部4の内表面と加熱溶着等されることによって、外部容器本体2の第1室17に固定されている。内部容器本体30は、充填室36,37の一方の壁部32の上部中央にそれぞれ、充填された未混合薬剤を排出するための排出穴38が設けられている。排出穴38は、保形材40の先端部43と第1室の他方の壁部5の内表面との間にそれぞれ位置し、弱シール部39で閉塞されている。
弱シール部39は、保形材40の先端部43と、排出穴38周辺の一方の壁部32の外表面とが、上述したような方法によって弱シールされて形成されている。
第2実施形態に係る複室容器1では、外部容器本体2の折畳を展開すると、内部容器本体30が外部容器本体2の第1室17に固定されているため、外部容器本体2の展開と連動して移動することはなく、図10に示したように、保形材40の先端部43が約180度回転することによって弱シール部39が剥離し、外部容器本体2の袋部3内部と内部容器本体30の充填室36,37とが、排出穴38を介して連通する。
図12〜16は、本発明の第3実施形態に係る複室容器1を示す。
第3実施形態に係る複室容器1は、第1実施形態に係る複室容器1と同様に、口栓20が開口部に取り付けられた外部容器本体2と、仕切強シール部35で袋部31内部を2等分に区画して形成された充填室36,37を備えた内部容器本体30とで構成される。外部容器本体2は、図13,14に示したように、他方の壁部5の内表面に、保形材40が取り付けられ、この保形材40は、外面が他方の壁部5の内表面に接着シール等で貼着されたベース部41と、折曲によりベース部41と対向するように構成され、3つの爪部44と、2つの凹部45が形成された先端部43を備える。このベース部41の内面には、図17に示したように、後述の弱シール部39の剥離を表す「開封済み」と記載された表示面25とその反対側に接着面26を備える矩形状の表示シール24が貼着されている。外部容器本体2は、保形材40に形成された折曲部42に沿って一方の壁部4側に折り畳んで、下端強シール部7側に第1室17と、上端強シール部6側に第2室18とが形成される。また、外部容器本体2は、保形材40の先端部43の内面に対向する第2室の一方の壁部4の外表面と、第1室の一方の壁部4の外表面とを対向させ、表示シール24の表示面25を内部容器本体30の充填室36,37に向けて折り畳まれている。なお、表示シール24は、外部容器本体2を折り畳んで、表示面25が内部容器本体30の充填室36,37に向くような位置に貼着されていれば、前記のような位置に限定される必要はなく、第2室18の一方の壁部4の外表面に若しくは内表面に、貼着されてもよい。表示シール24が一方の壁部4の内表面に貼着される場合は、表示面と接着面が同一面に形成される。
内部容器本体30は、図13〜15に示したように、周縁強シール部34の下端の他方の壁部33の外表面が外部容器本体2の第1室17の一方の壁部4の内表面と加熱溶着等されることによって、外部容器本体2の第1室17に固定されている。内部容器本体30は、充填室36,37の他方の壁部33の上部中央にそれぞれ、充填された未混合薬剤を排出するための排出穴38が設けられている。排出穴38は、保形材40の先端部43に形成された凹部45と第1室の一方の壁部4の内表面との間に位置し、弱シール部39で閉塞されている。
弱シール部39は、排出穴38を保形材40の先端部43に形成された凹部45にそれぞれ位置させた状態で、外部容器本体2の第1室17の他方の壁部5の内表面と、排出穴38周辺の一方の壁部32の外表面とが、上述したような方法によって弱シールされて形成されている。
第3実施形態に係る複室容器1では、外部容器本体2を展開すると、図16に示したように、保形材40の先端部43に形成された爪部45が内部容器本体30を引き上げ、弱シール部39が外部容器本体2の他方の壁部5の内表面から剥離し、外部容器本体2の袋部3内部と内部容器本体30の充填室36,37とが、排出穴38を介して連通する。
図18〜23は、本発明の第4実施形態に係る複室容器1を示す。
複室容器1は、第1〜第3実施形態に係る外部容器本体2と同様に、容器本体2’と、該容器本体2’の開口部に取り付けられた薬剤排出用の口栓20’とで構成されたものである。容器本体2’は、袋部3’上端から一定の間隔を空けた一方の壁部4’の内表面と、これに対向する他方の壁部5’の内表面とが、加熱溶着等によってT字状に強シールされて、仕切強シール部50が形成されている。仕切強シール部50は、空洞部51を袋部3’上端から一定の間隔を空けて形成し、下端側に2つの充填室36’,37’を区画している。容器本体2’は、空洞部51と充填室36’,37’との間に第1折畳線52が設けられ、また、空洞部51に第2折畳線53が設けられている。容器本体2’は、図22に示したように、第1折畳線52と第2折畳線53との間の空洞部51の一方の壁部4’の外表面に、後述の弱シール部39’の剥離を表す「開封済み」と記載された表示面25とその反対側に接着面26を備える矩形状の表示シール24が貼着されている。容器本体2’は、第1折畳線52で一方の壁部4’側に折り畳むとともに、第2折畳線53で他方の壁部5’側に折り畳んで、表示シール24が貼着された空洞部51の一方の壁部4’の外表面の一部と、充填室36’,37’の一方の壁部4’の外表面の一部とを対向させ、表示シール24の表示面25を充填室36’,37’に向けて折り畳まれている。なお、表示シール24は、容器本体2’を折り畳んで、表示面が袋部3’の内側に向くような位置に貼着されていれば、前記のような位置に限定される必要はなく、空洞部51の一方の壁部4’の外表面とは反対側の内表面に貼着されてもよい。表示シール24が空洞部51の一方の壁部4’の内表面に貼着される場合は、表示面25と接着面26が同一面に形成される。
容器本体2’は、各充填室36’,37’の一方の壁部4’の上部中央に第1排出穴38aがそれぞれ設けられ、これに対向する空洞部51の一方の壁部4’に第2排出穴38bがそれぞれ設けられている。容器本体2’は、第1排出穴38a周辺の一方の壁部4’の外表面と第2排出穴38b周辺の一方の壁部4’の外表面とが、短手方向に強シールされて、連結強シール部54が形成されている。連結強シール部54は、第1排出穴38aと第2排出穴38bを連結している。
容器本体2’は、連結強シール部54で連結された第1排出穴38aと第2排出穴38bが、弱シール部39’で閉塞されている。弱シール部39’は、第2排出穴38b周辺の一方の壁部4’の内表面と、これに対向する空洞部51の他方の壁部5’の内表面とが、上述したような方法によって弱シールされて形成されている。
容器本体2’は、空洞部51の他方の壁部5’を外側に折り返して対向させた内表面が、加熱溶着等によって強シールされて、突出部55が形成されている。
仕切強シール部50と、突出部55と、連結強シール部54は、容器本体2’を押圧又は引張等しても剥離しない強度で構成されている。
第4実施形態に係る複室容器1では、容器本体2’の折畳を展開すると、図20に示したように、突出部55によって空洞部51の他方の壁部5’が撓むことがないため、第1排出穴38aと第2排出穴38bを閉塞する弱シール部39’が確実に剥離して、空洞部51と充填室36’,37’とが、連結強シール部54で連結された第1排出穴38aと第2排出穴38bを介して連通する。
本発明の第1実施形態による複室容器の正面図である。 図1の複室容器のII−II線断面図である。 図1の複室容器のIII−III線断面図である。 本発明の第1実施形態による複室容器が展開した状態を示す図2の部分拡大図である。 図1の複室容器の外部容器本体の正面図である。 図1の複室容器の内部容器本体の正面図である。 本発明の第2実施形態による複室容器の正面図である。 図7の複室容器のVIII−VIII線断面図である。 図7の複室容器のIX−IX線断面図である。 図8の複室容器が展開した状態を示す断面図である。 図7の複室容器の外部容器本体の正面図である。 本発明の第3実施形態による複室容器の正面図である。 図12の複室容器の背面図である。 図12の複室容器のXIV−XIV線断面図である。 図12の複室容器のXV−XV線断面図である。 図14の複室容器が展開した状態を示す断面図である。 図12の複室容器の外部容器本体の正面図である。 本発明の第4実施形態による複室容器の正面図である。 本発明の第4実施形態による複室容器の背面図である。 図18の複室容器のXX−XX線断面図である。 図18の複室容器のXXI−XXI線断面図である。 図18の複室容器が展開した状態を示す正面図である。 図22のXXIII-XXIII線断面図である。
符号の説明
1 複室容器
2 外部容器本体
2’ 容器本体
3,3’ 袋部
4,4’ 一方の壁部
5,5’ 他方の壁部
6,6’ 上端強シール部
7,7’ 下端強シール部
8,8’ フック穴
10 折畳線
11 第1山折り線
12 第2山折り線
13 第1谷折り線
14 第3山折り線
15 第2谷折り線
16 第3谷折り線
17 第1室
18 第2室
20,20’ 口栓
21,21’ 排出口
22,22’ 排出管
23 ゴム栓
24 表示シール
25 表示面
26 接着面
30 内部容器本体
31 袋部
32 一方の壁部
33 他方の壁部
34 周縁強シール部
35 仕切強シール部
36,36’,37,37’ 充填室
38,38a,38b 排出穴
39,39’ 弱シール部
40 保形材
41 ベース部
42 折曲部
43 先端部
44 爪部
45 凹部
50 仕切強シール部
51 空洞部
52 第1折畳線
53 第2折畳線
54 連結強シール部
55 突出部

Claims (8)

  1. 複数に区画された充填室を有する内部容器本体と、該内部容器本体が収納される外部容器本体とを備えた複室容器において、
    前記外部容器本体に折畳線を設け、該折畳線で前記外部容器本体を一方の壁部側に折り畳んだ状態に構成して、第1室と第2室とを形成するとともに、該第1室の他方の壁部の内表面の一部と該第2室の他方の壁部の内表面の一部を対向させ、
    前記内部容器本体の各充填室の一方の壁部に排出穴をそれぞれ設け、前記内部容器本体を前記外部容器本体内部の前記第1室に固定した状態で、前記第1室の他方の壁部の内表面の一部と対向した前記第2室の他方の壁部の一部の内表面と、前記排出穴周辺の壁部の外表面とをシールし、
    該シール部は、前記外部容器本体の折畳の展開と連動して剥離可能に構成されていることを特徴とする、複室容器。
  2. 前記外部容器本体は、前記折畳線で折り畳んで前記第1室の一方の壁部の外表面と対向する一方の壁部の外表面に、又はその反対側の内表面に、前記シール部の剥離を表す表示面を備えた表示シールが貼着され、該表示面を前記第1室に固定された前記内部容器本体の充填室に向けて折り畳まれていることを特徴とする、請求項1記載の複室容器。
  3. 複数に区画された充填室を有する内部容器本体と、該内部容器本体が収納される外部容器本体とを備えた複室容器において、
    ベース部と、折曲により該ベース部と対向するように構成された先端部を備えた保形材を、前記外部容器本体の壁部の内表面に取り付け、該保形材に形成された折曲部に沿って前記外部容器本体を一方の壁部側に折り畳んだ状態に構成して、第1室と第2室とを形成し、
    前記内部容器本体の各充填室の一方の壁部にそれぞれ排出穴を設け、前記内部容器本体を前記外部容器本体内部の前記第1室に固定し、前記排出穴を前記保形材の先端部と前記第1室の他方の壁部の内表面との間にそれぞれ位置させた状態で、前記保形材の先端部と、前記排出穴周辺の壁部の外表面とをシールし、
    該シール部は、前記外部容器本体の折畳の展開と連動して剥離可能に構成されていることを特徴とする、複室容器。
  4. 前記外部容器本体は、前記保形材に形成された前記折曲部に沿って折り畳んで前記第1室の一方の壁部の外表面と対向する前記第2室の一方の壁部の外表面に若しくはその反対側の内表面に、又は前記第2室の一方の壁部の内表面と対向する前記保形材のベース部に、若しくは前記シール部が形成される前記保形材の先端部に、前記シール部の剥離を表す表示面を備えた表示シールが貼着され、該表示面を前記第1室に固定された前記内部容器本体の充填室に向けて折り畳まれていることを特徴とする、請求項3記載の複室容器。
  5. 複数に区画された充填室を有する内部容器本体と、該内部容器本体が収納される外部容器本体とを備えた複室容器において、
    ベース部と、折曲により該ベース部と対向するように構成され、複数の爪部と凹部が形成された先端部を備えた保形材を、前記外部容器本体の壁部の内表面に取り付け、該保形材に形成された折曲部に沿って前記外部容器本体を一方の壁部側に折り畳んだ状態に構成して第1室と第2室とを形成し、
    前記内部容器本体の各充填室の一方の壁部にそれぞれ排出穴を設け、前記内部容器本体を前記外部容器本体内部の前記第1室に固定し、前記排出穴を前記保形材の先端部に形成された凹部と前記第1室の一方の壁部の内表面との間にそれぞれ位置させた状態で、前記第1室の他方の壁部の内表面と、前記排出穴周辺の壁部の外表面とをシールし、
    該シール部は、前記外部容器本体の折畳の展開と連動して剥離可能に構成されていることを特徴とする、複室容器。
  6. 前記外部容器本体は、前記保形材に形成された折曲部に沿って折り畳んで前記第1室の一方の壁部の外表面と対向する前記第2室の一方の壁部の外表面に若しくはその反対側の内表面に、又は前記第2室の一方の壁部の内表面と対向する前記保形材のベース部に、前記シール部の剥離を表す表示面を備えた表示シールが貼着され、該表示面を前記第1室に固定された前記内部容器本体の充填室に向けて折り畳まれていることを特徴とする、請求項5記載の複室容器。
  7. 袋部上端から一定の間隔を空けて形成された空洞部と、該空洞部の下方で複数に区画された充填室を有する容器本体とを備えた複室容器において、
    該容器本体の空洞部と充填室との間に折畳線を設け、該折畳線で前記容器本体を一方の壁部側に折り畳んだ状態に構成して、
    前記容器本体の各充填室の一方の壁部に第1排出穴と、これに対向する前記容器本体の空洞部の一方の壁部に第2排出穴をそれぞれ設け、前記第1排出穴周辺の壁部の外表面と前記第2排出穴周辺の壁部の外表面とを剥離不能に溶着し、
    前記第2排出穴周辺の壁部の内表面に、これと対向する前記容器本体の空洞部の他方の壁部の内表面をシールし、
    該シール部は、前記容器本体の折畳の展開と連動して剥離可能に構成され、
    前記容器本体の空洞部の他方の壁部を外側に折り返して対向した内表面を剥離不能に溶着した突出部を、前記容器本体に設けたことを特徴とする、複室容器。
  8. 前記容器本体は、前記折畳線で折り畳んで前記充填室の一方の壁部の外表面と対向する前記空洞部の一方の壁部の外表面に又はその反対側の内表面に、前記シール部の剥離を表す表示面を備えた表示シールが貼着され、該表示面を前記充填室に向けて折り畳まれていることを特徴とする、請求項7記載の複室容器。
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