JP3887490B2 - 板材加工機の刃物位置決め装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄板材、例えばプリント配線される銅張り積層板を切断及び面取り加工する板材加工機の刃物位置決め装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術として実公平6−11700号公報に記載されたものがあった。即ち、一端部に互いに対向する一対の剪断ロールを、他端部に剪断ロールを互いに逆回転させるモーターを有する一対の回転装置を上下に配置し、上部の回転装置を上方にかつ軸方向に傾斜するレールに摺動可能に取付け、該上部の回転装置を下方に移動付勢する押圧具と、該回転装置を下方の所定位置に保持する接近ストッパーと上方の所定位置に保持する退避ストッパーとを設けるようにしたものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のものは、上部の回転装置を上下動させるためにレール及び押圧具を要するので構造が複雑になる。また、上部の回転装置を上方の所定位置に保持する退避ストッパーが手作業で操作されるようになっていたので、手数を要するとともに熟練を要する。さらに、一対の剪断ロールをそれぞれ別個のモーターで回転させるようにしてたので高価になる等の欠点があった。本発明は上記欠点を解消した新規な板材加工機の刃物位置決め装置を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の如く構成したものである。即ちフレームの前部側に板材を剪断する剪断装置を、後部側に前後方向に移動して前記剪断装置で剪断された板材の端面を面取りする面取り装置を設け、前記剪断装置は、左右方向に延びる上下一対の横回転軸を設け、各横回転軸の一端部に互いに対向する一対の剪断ロールを、他端部に互いに噛合する同期ギヤをそれぞれ設け、上部側の横回転軸を前記同期ギヤが接近する他端部を中心として上下揺動可能に設けてなり、下部側の横回転軸を支持する支持体に前記上部側の横回転軸の上方への揺動量を調節する調節具を設け、前記面取り装置は、前後方向に移動されるコラムに上下方向の軸心を中心として回転する円板状の面取りカッターを設けるとともに、該面取りカッターを前記板材の剪断端面に対応させ、前記コラムに該コラムの前進終期時に前記調節具に接触して該調節具を作動させる作動体を設ける構成にしたものである。
また、前記面取り装置は、前後方向に移動されるコラムに上下動可能の昇降体を設け、該昇降体に上下方向の軸心を中心として回転する縦回転軸を設け、該縦回転軸に外周部にV形の刃を有する面取りカッターを同軸に設けてなり、前記昇降体の上下動を許容・規制するロック装置を設け、前記フレームの後端部と前記昇降体とに、前記面取り装置の後進終期時に互いに摺接して前記昇降体を上下動させるカム機構を設ける構成にしたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図において、図1は本発明の実施例を示す概略した斜視図、図2は本発明による調節具部を示す要部拡大断面図、図3は面取り装置の板材挾持部を示す斜視図である。図1、図3において、1はフレームであり、このフレーム1の前端部に板材50を剪断する剪断装置10を設け、該フレーム1の後部側に面取り装置30を前後動可能に設ける。
【0006】
上記剪断装置10は以下のようになっている。即ち、上記フレーム1の正面側に支持台11を取付け、この支持台11の上部に箱形の下部支持体12を固定し、該下部支持体12の上部に同じく箱形の上部支持体13を取付ける。上記下部支持体12及び上部支持体13に横回転軸14,15をそれぞれ左右(正面・背面)方向に延長させて回転自在に取付け、各横回転軸14,15の正面側端部(左端部)に互いに対向する一対の剪断ロール(刃物)16,17を、また背面側端部(右端部)に互いに噛合する同期ギヤ18,19をそれぞれ設ける。
【0007】
上記各剪断ロール16,17は共に略等径にして軸方向(正面・背面方向)に所定量偏倚させて対向させる。また、上記同期ギヤ18,19は共に同歯数にして噛合させ、下部側の同期ギヤ19に剪断モーター20に取付けた駆動ギヤ21を噛合させ、この駆動ギヤ21を介して上記各剪断ロール16,17を矢印(ア、イ)方向に回転、即ち前部側から供給される板材50を食い込む方向に回転させる。
【0008】
上記上部支持体13は、剪断ロール16に接近する背面側端部にブラケット22を取付け、このブラケット22と下部支持体11とに支点ピン23を前後方向に挿通し、該支点ピン23を介して上部支持体13を下部支持体に対して上下方向に揺動可能に連結する。なお、上記上部支持体13の無負荷時における最下揺動位置は、下部支持体11に設けたストッパー(図示省略)により所定位置に設定される。また、上部支持体13の正面側の下面に係合片25を垂下固定(図3)し、この係合片25に下部支持体12に前後方向移動可能に設けた調節具26を係合させる。
【0009】
上記係合片25は、図2に示すように、鋼製の板を上部支持体13の下面の幅方向中心部に垂下固定し、その下部に係合孔25aを明けてなる。また、上記調節具26は、同図に示すように、鋼材により円柱状に形成するとともに、その中間部に左部(前部)から右部(後部)に向かって複数段階、本例では3段階に小径にした調節部27を形成し、上部支持体13の初期時における最下揺動位置で上記調節部27を上記係合片25の係合孔25aに左右(前後)方向に移動可能に嵌合させるとともに、両端部26aを下部支持体12の両側壁に左右(前後方向)に摺動可能に嵌合させる。そして、上記調節部27を左右に移動させてその調節部27の各段部27a,〜27cを選択して上記係合孔25aに対面させることにより、上部支持体13の上方への揺動量を設定する。なお、上記調節部27は左部から右部に向かってテーパー状に小径にしてもよい。
【0010】
上記調節具26は、剪断装置10の加工初期時に、下部支持体12に取付けたエア駆動式のシリンダ28により、右方(後方)に押圧移動され、剪断装置10のスタート初期時に後述する面取り装置30に設けた作動体39によって左方(前方)に移動制御されて所定の段部27a(27b,27c)が上記係合孔25aに対面され、これにより剪断ロール16,17の最大間隙が板材50の厚さに対応するようになっている。
【0011】
上記面取り装置30は、以下のようになっている。即ち、フレーム1の上面に前後方向に延びるガイドレール2を設け、このガイドレール2に移動台31を摺動可能に取付け、この移動台31を移動モーター(サーボモーター)32によって正逆回転制御されるねじ軸32aに連結し、該ねじ軸32aを介して上記移動台31を前後方向に移動制御する。
【0012】
上記移動台31に箱状のコラム33を正面方向(左方)に突出させて支持し、該コラム33の左端部に昇降体(軸受)34を上下動可能に取付ける。また、上記コラム33内に上記昇降体34の上下動を許容・規制するロック装置35を設ける。このロック装置35は、コラム33側に設けた摩擦体(図示省略)をシリンダ35aによって上記昇降体34に圧接又は解除することにより、該昇降体34の上下動を許容・規制するようになっている。
【0013】
上記昇降体34に上下方向の軸心を中心として回転する縦回転軸36を設け、該縦回転軸36の上端部に、外周部にV形の刃を有する円板状の面取りカッター(刃物)37を同軸に取付ける。また、コラム33の下部にカッターモーター38を取付け、このカッターモーター38により上記縦回転軸36を介して面取りカッター37を一方向に回転させる。そして、上記コラム33の前面側に前述した作動体(ピン)39を前方に向けて突出固定し、その先端を前述した調節具26に対面させる。
【0014】
そして、剪断装置10の加工初期時に、移動モーター32によってコラム33を、面取り装置30が面取り加工する際の前後移動領域よりも前方に位置する剪断ロール調整位置まで前進させ、上記作動体39により調節具26を設定された位置まで前進移動させ、所定の段部27a(27b,27c)を上部支持体13側の係合孔25aに対面させて該上部支持体13の上方への揺動量を剪断する板材50の厚さに対応する如く設定する。なお、上記コラム33、従って作動体39の前進位置は、予め制御盤に剪断すべき板材50の厚さの種類を設定すると、この制御盤からの指令で移動モーター32の回転量が制御されて上記作動体39の前進位置が所定位置に設定されるようになっている。
【0015】
上記フレーム1の後端部と上記面取り装置30の昇降体34とに、面取り装置30の後進終期時に互いに摺接して上記昇降体34を上下動させるカム機構40(図1)を設ける。即ち、上記昇降体34の下端部に左右(正面・背面)方向に延びるガイド軸41を取付け、フレーム1の後端部に上記ガイド軸41に対面するカム板42を配置し、このカム板42をフレーム1の後端部に取付けた調節シリンダ43によって上下動調節する。上記カム板42は前後方向に延長させるとともに、その上面に前部側から後部側に向かって次第に高くなるカム面42aを形成する。
【0016】
そして、面取り装置30の加工初期時に、ロック装置35を解除作動させて昇降体34を所定位置まで自重降下させ、この状態で移動モーター32によってコラム33を、面取り加工する前後移動領域よりも後方に位置する面取りカッター調整位置まで後進させ、上記ガイド軸41をカム面42aに摺接させ、該ガイド軸41を介して上記昇降体34を所定の高さまで上昇させる。次いで、上記ロック装置35をロック作動させてコラムに固定する。これにより、面取りカッター37の高さが板材50の厚さに対応するようになっている。なお、上記コラム33、従ってガイド軸41の後進位置は、予め制御盤に剪断すべき板材50の厚さの種類を設定すると、この制御盤からの指令で移動モーター32の回転量が制御されて上記ガイド軸41の後進位置が所定位置に設定されるようになっている。
【0017】
上記面取り装置30が板材50を面取り加工する前後方向の移動領域の正面側に板材50のクランプ装置45を装備する。このクランプ装置45は、図3に示すように、前後方向に延びるクランプ板46,46を上下に対向配置し、これらを上下に配置したクランプシリンダー47,47により上下接離方向に移動させ、剪断装置10で剪断された板材50の切断端縁部を、面取りカッター37の加工移動位置で挾持固定する。
【0018】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな如く、本発明は、フレームの前後部に、板材を剪断する剪断装置、及び剪断された板材の端面を前後方向に移動して面取りする面取り装置を設け、剪断装置は、その各剪断ロールを同期ギヤで連結し、上部側の同期ギヤが支持される支持体を上下方向に揺動させるとともに、この支持体の上方への揺動量を調節する調節具を設け、この調節具を上記面取り装置の移動によって作動させるようにしたので、構造が簡素になるとともに、上記各剪断ロールの間隙を自動的に設定することが可能となる。
また、前記面取り装置は、その面取りカッターが支持される昇降体を上下動可能にするとともに、これの上下動を許容・規制するロック装置を設け、上記面取り装置の後進終期時に上記昇降体を上下動させるカム機構を設けるようにしたので、上記面取りカッターの高さを自動的に設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す概略した斜視図である。
【図2】本発明による調節具部を示す要部拡大断面図である。
【図3】本発明による面取り装置の板材挾持部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 フレーム
2 ガイドレール
10 剪断装置
11 支持台
12 下部支持体
13 上部支持体
14,15 横回転軸
16,17 剪断ロール(刃物)
18,19 同期ギヤ
20 剪断モーター
21 駆動ギヤ
22 ブラケット
23 支点ピン
25 係合片
25a 係合孔
26 調節具
27 調節部
27a〜27c 段部
28 シリンダ
30 面取り装置
31 移動台
32 移動モーター
32a ねじ軸
33 コラム
34 昇降体
35 ロック装置
35a シリンダー
36 縦回転軸
37 面取りカッター(刃物)
38 カッターモーター
39 作動体
40 カム機構
41 ガイド軸
42 カム板
42a カム面
43 昇降シリンダー
45 クランプ装置
46 クランプ板
47 クランプシリンダー
50 板材

Claims (2)

  1. フレーム(1)の前部側に板材(50)を剪断する剪断装置(10)を、後部側に前後方向に移動して前記剪断装置(10)で剪断された板材(50)の端面を面取りする面取り装置(30)を設け、前記剪断装置(10)は、左右方向に延びる上下一対の横回転軸(14,15)を設け、各横回転軸(14,15)の一端部に互いに対向する一対の剪断ロール(16,17)を、他端部に互いに噛合する同期ギヤ(18,19)をそれぞれ設け、上部側の横回転軸(15)を前記同期ギヤ(18,19)が接近する他端部を中心として上下揺動可能に設けてなり、下部側の横回転軸(14)を支持する支持体(12)に前記上部側の横回転軸(15)の上方への揺動量を調節する調節具(26)を設け、前記面取り装置(30)は、前後方向に移動されるコラム(33)に上下方向の軸心を中心として回転する円板状の面取りカッター(37)を設けるとともに、該面取りカッター(37)を前記板材(50)の剪断端面に対応させ、前記コラム(33)に該コラム(33)の前進終期時に前記調節具(26)に接触して該調節具(26)を作動させる作動体(39)を設けたことを特徴とする板材加工機の刃物位置決め装置。
  2. 面取り装置(30)は、前後方向に移動されるコラム(33)に上下動可能の昇降体(34)を設け、該昇降体(34)に上下方向の軸心を中心として回転する縦回転軸(36)を設け、該縦回転軸(36)に外周部にV形の刃を有する面取りカッター(37)を同軸に設けてなり、前記昇降体(34)の上下動を許容・規制するロック装置(35)を設け、前記フレーム(1)の後端部と前記昇降体(34)とに、前記面取り装置(30)の後進終期時に互いに摺接して前記昇降体(34)を上下動させるカム機構(40)を設けたことを特徴とする請求項1記載の板材加工機の刃物位置決め装置。
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