JP3887284B2 - 体液吸収性物品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体液を吸収処理する、使い捨ての紙おむつ、生理用ナプキンなどの体液吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の体液吸収性物品は、基本的に、身体の肌に面する側に設けられた液透過性の表面層、身体の肌から遠ざかる側に設けられた防漏層、および両者の間に設けられた体液吸収性部を有する。
【0003】
この場合における、体液吸収性部の構成は、種々のものが知られているが、吸収性素材として、高吸収性ポリマー、綿状パルプ(フラッフパルプ)、クレープ紙などの吸収紙を主としている。近年の高吸収性ポリマー技術の進展に伴い、より薄型化した体液吸収性部の形成が可能となり、したがって製品の吸収部分の身体へのフィット性が向上し、モレが少なくなってきている。
【0004】
この製品の吸収特性の改善は、需要者にとって、薄型でありながら、吸収容量が大きく、さらに長時間の着用にも耐えるさらに新たな製品開発の要求となってあらわれる。
【0005】
しかるに、この要求を満たすためには、例えば、尿の場合であっては多数回の排尿量のすべてを体液吸収性部が吸収しなければならない。しかし、排尿が繰り返えされるごとに体液吸収性部の吸収速度は遅くなり、特に体液吸収性部の長手方向端部まで体液が吸収されないことが多い。この原因としては、体液の縦方向(製品の長手方向)への拡散が十分でないこと、高吸収性ポリマーの膨潤による拡張濡れが阻害されるいわゆるゲルブロッキング現象が起こるためとされている。
【0006】
これらの現象を解決する手法として、特表2000−510031号公報、及び特表2000−510033号公報などの縦方向への濡れ拡がりを助ける技術、特表2000−510031号公報、特表2000−510033号公報などの高吸収性ポリマーのゲルブロッキングを防ぐ技術、高吸収性ポリマーの形状や組み込みの工夫、濡れによって膨潤する空間を確保する方法などが提案されている。
【0007】
しかしいずれの方法を用いても、十分な解決策となっていない。この原因を改めて検討すると、従来の体液吸収性物品の体液吸収性部は縦長とし製品の長手方向に沿って配置し、体液排出部位が体液吸収性部のほぼ中心に位置するように設計し、排出部位からの体液は長手方向端部まで濡れ拡がる(拡散する)であろうことを前提としていた。したがって、体液の長手方向拡散が十分でない限り、本質的に、体液吸収性部全体で体液を吸収することはできない。
【0008】
他方、かかる問題点に対して、本出願人は、体液吸収性部内での体液の拡散には限界があることを踏まえ、吸収材が体液との接触により収縮し移動することにより、排泄部位と対応する吸収材部分が更新されるように構成した体液吸収性物品およびその改良技術について種々の提案をしている。例えば、特願2001−26914号、特願2001−148131号、特願2001−331563号、特願2001−331564号、特願2001−312765号、特願2001−226507号、特願2001−241912号、特願2002−26440号がこれに該当する。かかる先行技術によれば、吸収材全体を有効的に利用し、全体としてみれば、吸収容量が大きく、さらに複数回の体液吸収が十分に可能であり、長時間の着用にも耐え得る体液吸収性物品となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記本出願人による先行技術においては、排泄部位に供給された体液が、吸収材の所望の範囲に拡散供給されないと、吸収材の収縮移動が不均一になるおそれがある。よって、体液の拡散を制御する技術を組み込むことが望まれた。
【0010】
そこで、本発明の主たる課題は、容易かつ安価な体液の拡散制御技術を提供し、もって吸収材が移動する体液吸収性物品において、より効率の良い吸収材の収縮移動及び利用を可能となし、排泄部位と対応する吸収材部分をより効果的に更新できるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
身体の肌に面する側に設けられた液透過性の表面層、身体の肌から遠ざかる側に設けられた防漏層、および両者の間に設けられた、少なくとも排泄部位を含む表面方向に沿う主吸収範囲と対応する体液吸収性部を有し、
前記体液吸収性部内に、体液の吸収保持機能および体液との接触による収縮機能を有する細長状の吸収材を有し、かつその長手方向一端部のみが物品に対して固定された固定部とされ、他端部は自由端部とされている、吸収性物品であって;
塗工可能であり且つ塗工部位に保持されて体液の通過を妨げる性質を有する塗工材料からなる体液拡散制御線を、前記表面層から防漏層の吸収材側面までの厚さ方向範囲内で、前記排泄部位から前記固定部側へ向う体液拡散促進方向に沿ってまたは前記排泄部位から前記自由端部側へ向う体液拡散防止方向と交差する方向に沿って設けてなることを特徴とする体液吸収性物品。
【0012】
(作用効果)
本発明は体液が、その通過を妨げるような部分に沿って拡散する現象を利用したものであり、このような部分を塗工可能であり且つ塗工部位に保持されて体液の通過を妨げる性質を有する塗工材料により線状に形成するものである。かかる体液拡散制御線は、所望の部位に塗工材料を塗工するだけで形成することができる。よって非常に容易かつ安価に適用することができる。
【0013】
そして本発明が対象とする、体液の吸収保持機能および体液との接触による収縮機能を有する吸収材を備えた物品は、その体液の拡散を適切にコントロールしないと、吸収材の不均一な収縮、不要な部分における吸収材の収縮、移動効率の低下、繰り返し吸収回数の低下等の問題が発生するおそれがある。しかるに、上記本発明の体液拡散制御線を採用することにより、容易かつ安価に体液の拡散をコントロールでき、もって吸収材の不均一な収縮等の上記諸問題を解決できるようになる。より詳細には、本発明の吸収材は、物品に対して固定した部位に向って収縮しながら移動する。よって、排泄部位から固定部位側の吸収材部分に体液を十分に供給することが、吸収材の効率の良い収縮移動および利用を図る上では重要となる。本発明では、かかる観点から、拡散制御線によって体液を排泄部位から吸収材固定部位側へ拡散させることとしている。この場合、当該固定部位側の吸収材 に体液を確実に供給でき、かかる特定部分の収縮により吸収材の移動が起こり、排泄部に新しい吸収材部分が供給されることによって、効率的な吸収材の利用が可能になる。
【0014】
<請求項2記載の発明>
身体の肌に面する側に設けられた液透過性の表面層、身体の肌から遠ざかる側に設けられた防漏層、および両者の間に設けられた、少なくとも排泄部位を含む表面方向に沿う主吸収範囲と対応する体液吸収性部を有し、
前記体液吸収性部内に、体液の吸収保持機能および体液との接触による収縮機能を有する細長状の吸収材を有し、かつその長手方向一端部のみが物品に対して固定された固定部とされ、他端部は自由端部とされている、吸収性物品であって;
前記表面層と吸収材との間に、表面層よりも液透過性の高い透過促進層および体液透過性および体液拡散性を有する拡散層を表面層側からこの順に設け、
塗工可能であり且つ塗工部位に保持されて体液の通過を妨げる性質を有する接着剤からなる体液拡散制御線を、前記透過促進層内から拡散層内にわたる厚さ方向範囲内で、前記排泄部位から前記固定部側へ向う体液拡散促進方向に沿ってまたは前記排泄部位から前記自由端部側へ向う体液拡散防止方向と交差する方向に沿って設けてなることを特徴とする体液吸収性物品。
【0015】
(作用効果)
このように、表面層と吸収材との間に、表面層よりも液透過性の高い透過促進層および体液透過性および体液拡散性を有する拡散層を表面層側からこの順に設ける構成を採用すると、表面層により肌触りおよび体液透過性を良好にし、さらにこれよりも高透過性の透過促進層で体液透過を促進して表面層における液残りを防ぎ、さらに拡散層内を通じて物品使用者の肌から離れた位置で体液を物品表面に沿う方向に拡散できるようになる。
【0016】
かかる構成を有する体液吸収性物品においては、本請求項2記載のように、透過促進層内から拡散層内にわたる厚さ方向範囲内の一部または全部に体液拡散制御線を設け、拡散方向を制御するのが好ましい。すなわち、本発明の体液拡散制御線は基本的に体液と接触する可能性がある部位(実際に接触するか否かは問題ではない)であれば何処に設けてもその効果が発揮されるものである。したがって例えば吸収材の表面や防漏層の吸収材側面に設けても体液の拡散制御作用は発揮される。しかし、表面層の表面は肌に触れるため好ましくない。さらに、吸収材から防漏層にかけての部分に制御線を設けても、吸収材による吸収が支配的になり、制御線による拡散効果が薄れるため好ましくない。そこで、本請求項2記載の発明では、拡散機能を発揮する拡散層からその一段階前の透過促進層にわたる範囲内に制御線を設ける構成としている。
【0017】
<請求項3記載の発明>
前記透過促進層は、表面親水化した合成繊維、または表面親水化した合成繊維およびセルロース系繊維の両繊維からなる、密度0.03〜0.08g/cm3、坪量20〜50g/m2の不織布シートであり、
前記拡散層は、表面親水化した合成繊維、または表面親水化した合成繊維およびセルロース系繊維の両繊維からなる、密度0.07〜0.3g/cm3、坪量30〜100g/m2、かつJIS P 8141に規定される生理食塩水による10分後のクレム吸水度が100mm以上の不織シートである、請求項2記載の体液吸収性物品。
【0018】
(作用効果)
本発明における透過促進層および拡散層は、例えばかかる一定のシートにより構成できる。なお、拡散層は透過促進層と異なり、不織布のみならず紙も用いることができるため、「不織布シート」ではなく「不織シート」としてある。また、請求項3記載の発明には、これらの層の2つまたは全てを一体に形成した複合シートにより構成する場合も含まれる。
【0019】
<請求項4記載の発明>
前記体液拡散制御線を、前記表面層から前記吸収材の表面層側面までの厚さ方向範囲内で、前記排泄部位に対して前記吸収材の自由端部側を取り囲み且つ前記吸収材の固定部側は取り囲まないように連続させて設けた、請求項1または2記載の体液吸収性物品。
【0020】
【0021】
【0022】
<請求項5記載の発明>
前記吸収材は細長状をなし、物品前後方向に沿って配置され且つ物品幅方向に三本以上並設されており、
前記吸収材は、排泄部位対応部分を有するものと、排泄部位対応部分を有しないものとがあり、
各前記吸収材は、長手方向一端部のみが物品に対して固定され、他端部は自由端部とされており、
前記体液拡散制御線が、透過促進層内から拡散層内にわたる厚さ方向範囲内で、排泄部位よりも吸収材の自由端部側の位置に物品前後方向と交差する方向に沿って設けられており、
排泄部位から吸収材の固定部側には物品前後方向と交差する体液拡散制御線が設けられていない、
請求項2または3記載の体液吸収性物品。
【0023】
(作用効果)
請求項5記載の発明は、物品長手方向に沿う細長状吸収材が物品幅方向に三本以上並設され、且つその長手方向一端部のみが物品に対して固定された形態を対象として、本発明を適用する場合の好ましい形態である。
【0024】
かかる形態では、吸収材の収縮移動は吸収材の長手方向一端部に向ってなされるにもかかわらず、排泄部位に近い位置ほど吸収材の長手方向に沿って拡散され易くなる。この場合、吸収材の長手方向拡散自体は問題ではないが、排泄部位に近い吸収材の収縮移動距離が、両端側にある吸収材よりも増加し、吸収材相互における移動量が不均一となるのは好ましくない。
【0025】
この点は、拡散層を設けることによって、排泄部位に供給された体液を拡散層内を通じて吸収材に吸収される一歩手前で拡散すれば解決できる。しかし単に拡散層を設けただけでは拡散方向を制御できない。
【0026】
しかるに、本請求項5記載の発明によれば、拡散層内またはその一歩手前の透過促進層内で制御線によって体液の拡散方向を制御する。このため、拡散層による拡散機能を発揮させながらも、その拡散方向を吸収材の並設方向に関係無く適切に制御することができる。
【0027】
また上記拡散機能によれば、排泄部位から固定部位側の吸収材部分に対する体液の拡散もなされるが、排泄部位から自由端部側の吸収材部分にも体液が拡散されてしまう。そして後者は体液拡散範囲が不必要に拡大し、吸収材の効率良い収縮移動および利用を図る上では好ましくない。
【0028】
そこで、本請求項5記載の発明では、制御線を、排泄部位よりも吸収材の自由端部側の位置には物品前後方向と交差する方向に沿って設けるとともに、排泄部位から吸収材の固定部側には物品前後方向と交差する体液拡散制御線を設けないようにしている。かかる構成を採用すると、排泄部位から吸収材の自由端部側への体液拡散は妨げられるとともに、その分だけ、排泄部位から吸収材の固定部側への体液拡散は促進されるようになる。その結果、収縮が望まれる吸収材固定部側に対しては体液供給が促進され、収縮が望ましくない吸収材自由端部側に対しては体液供給が妨げられ、もって吸収材の効率の良い収縮移動および利用が可能となる。
【0029】
<請求項6記載の発明>
前記体液拡散制御線が、透過促進層内から拡散層内にわたる厚さ方向範囲内で、排泄部位の両側に物品前後方向に沿ってそれぞれ設けられている、請求項2〜5のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
【0030】
(作用効果)
このように拡散制御線を排泄部位の両側に物品前後方向に沿ってそれぞれ設けると、体液はこの制御線を超えて拡散し難くなり、また制御線に沿って拡散しやすくなる。よって、いわゆる横漏れを防止する効果が奏せられる。
【0031】
<請求項7記載の発明>
物品長手方向に延在する壁状部材間に前記吸収材を有し、壁状部材よりも表面側に透過促進層および拡散層を有する、請求項項項2〜6のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
【0032】
(作用効果)
本発明においては、かかる壁状部材は、例えば体液の吸収材長手方向の拡散促進のために或いは吸収材の移動スペース確保のためには好ましいものであるが、体液の長手方向拡散を著しく助長するため、体液の均等拡散のためには好ましくない。しかし、このような場合に、透過促進層内から拡散層内にわたる厚さ方向範囲内の一部または全部に体液拡散制御線を設けると、壁状部材による影響なく、体液の拡散方向を制御できるようになるため好ましい。
【0033】
<請求項8記載の発明>
前記塗工材料としてホットメルト接着剤を用いた、請求項1〜7のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
【0034】
(作用効果)
体液吸収性物品の分野では、部材相互の接合のための接着剤としてホットメルト接着剤が非常に良く用いられているため、製造設備を作るにしても、接着剤を調達するにしても極めて容易かつ安価にできる利点がある。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながらさらに詳説する。
なお、本発明は使い捨ての紙おむつ、生理用ナプキンなどの体液吸収性物品一般に適用されるが、おむつ使用時(装着時)に背側の左右両側部を腹側の左右両側部に持ち込み、これらをテープファスナー(粘着剤テープファスナー及び面ファスナーを含む)により接合するタイプのいわゆるテープ式紙おむつに対する適用例を説明すれば、パンツ型使い捨ておむつやパッド型使い捨て吸収性物品での実施の形態や、生理用ナプキンでの実施の形態も直ちに推測できると思われるので、後二者の例については説明を省略する。
【0036】
図1〜図3は、本発明を適用した使い捨ておむつの例を示している。この使い捨ておむつは、身体の肌に面する側に設けられた液透過性の不織布シート、あるいは孔開きフィルムシートなどからなり、着用者の肌に直接触れる長方形の表面層2、身体の肌から遠ざかる側に設けられたポリエチレンプラスチックフィルムなどからなる長方形の不透液性バックシートなどからなる防漏層3、および両者の間に設けられた、少なくとも排泄部位Zを含む表面方向に沿う主吸収範囲と対応する体液吸収性部1を有する。
【0037】
さらに、防漏層3より裏面側たる製品の裏面側には、可撓性の外形シート4を有し、この外形シート4は1枚の不織布または複数枚の通気・撥水性の不織布を積層固定したものからなる。
【0038】
製品の両側部には、使用面側に突出する脚周り起立カフスC,Cがそれぞれ形成され、この起立カフスCは、実質的に幅方向に連続した起立シート8と、たとえば糸ゴムからなる一本のまたは複数本の伸縮部材9とにより構成されている。さらに詳細には、起立カフスCは、起立シート8を二重にして形成され、伸縮部材9を包んでホットメルト接着剤などにより固着した状態で形成されたものである。各起立カフスC,Cを形成する起立シート8は、透液性でなく不透液性もしくは疎水性であるのが望ましい。また、不織布などの透液性シートに対してシリコン処理などにより液体をはじく性質となるようにしてもよい。さらに、通気もしくは蒸気透過性を有しているのが望ましい。起立シート8の間に不透液性フィルムシートを挟み込み、さらに防漏性を高めることができる。
【0039】
二重の起立シート8の内面は、表面層2及び外形シート4にホットメルト接着剤などにより固着されている。その結果、二重の起立シート8のこの固着始端は、起立カフスCの起立端を形成している。この起立端より先端側は、製品本体に固定されていない自由部分である。
【0040】
二重の起立シート8の長手方向前後端部は、ホットメルト接着剤などにより、自由部分がその先端を物品の中央側に向かう状態で物品に、具体的には表面層2外面に固定されている。左右の起立カフスC,Cで囲まれる空間は、尿または軟便の閉じ込め空間を形成する。この空間内に排尿されると、その尿は透液性表面層2を通って体液吸収性部1内に吸収されるとともに、軟便の固形分については、起立カフスCがバリヤーとなり、その乗り越えが防止される。
【0041】
他方、前身頃及び後身頃の長手方向端部において、ウエスト部における外形シート4の不織布間に、ウエスト周りのフィット性を高めるために、ウエスト開口部の端縁に平行に間隔を置いて細い糸ゴムからなるウエスト伸縮部材10,10…を配置し、これらが伸縮するように伸長下にホットメルト接着剤などにより固定されている。ウエスト伸縮部材10,10…の間隔および本数は適宜定めることができるが、例えば間隔としては4〜8mm程度、本数としては3〜10本程度が好ましい。符号11は背側の左右両側部を腹側の左右両側部に持ち込み、接合するためのテープファスナーを示している。
【0042】
そして本発明が対象とする紙おむつは、排泄部位Zを含む体液吸収性部1内に、体液の吸収保持機能および体液との接触による収縮機能を有する細長状の吸収材25(具体例については後述する)を有し、この吸収材25の長手方向一端部のみが物品に対して固定された固定部30とされ、他端部は自由端部とされているものである。固定部は後述の図4に符号30で示されている。体液吸収性部1は、排泄部位Zを含む表面方向に沿う主吸収範囲であり、この限りにおいて任意に設定できるものであるが、通常は、物品長手方向の50〜100%程度の長さを有し、物品股間幅の70%以上の幅を有する矩形範囲である。
【0043】
本実施形態の吸収材25は、図4に示すように、体液吸収性部1と略同じか若干短い程度の長さを有する細長帯状をなすものであり、物品前後方向に沿って腹側から背側まで延在され且つ物品幅方向に三本並設されており、中央の吸収材25は排泄部位Zと対応する部分を有するように配置され、両側の吸収材25,25は排泄部位Zと対応する部分を有しない位置に配置されており、さらに、各吸収材25は、長手方向一端部30のみが物品に対して、ホットメルト接着剤等の接着剤やヒートシール等の接合手段等により固定され、他端部は自由端部とされている。図示形態では、背側に吸収材25を移動させるために固定部30も背側にのみ設けているが、腹側に吸収材25を移動させたい場合には、腹側にのみ設けることもできる。このように、本発明の固定部30は吸収材25の移動先となる任意の位置に設けることができるものである。
【0044】
収縮移動する吸収材25としては、例えば「体液との接触により収縮する所定長さの収縮性材と、この収縮性材に対して実質的に一体化されている体液吸収性材とからなるもの」と、「吸収材が単一の素材からなり、その素材が体液との接触により収縮する機能と体液を吸収保持する機能とを併せ持つもの」とがあり、さらに前者は、体液吸収性材が「高吸収性ポリマー及びこれを保持する担体からなるもの」と、「体液吸収性材が高吸収性を有する素材のみからなるもの」とに大別される。
【0045】
本実施形態の吸収材25は、これらの中の「体液との接触により収縮する所定長さの収縮性材と、この収縮性材に対して実質的に一体化されている体液吸収性材とからなり、且つ体液吸収性材が高吸収性ポリマー及びこれを保持する担体からなるもの」に該当するものである。
【0046】
吸収材25は、より詳細には図5〜図7に示すように、長手方向に多数の隔室r,r…を有する細長状の袋体26Bと、各隔室r内に封入された高吸収性ポリマー26Aとからなる体液吸収性材と、この体液吸収性材の袋体26B内にその長手方向に沿って配置固定された、体液との接触により収縮する収縮性材27とにより構成されており、全体として細長状をなすものである。
【0047】
特に図示のように、体液を吸収保持する保液シート26Lを袋体26B内にその長手方向に沿って配置固定し、この保液シート26Lと袋体26B内面との間に収縮性材27を挟んだ構成が望ましいが、この保液シート26Lは省略することもできる。この吸収材例25では、保液シート26Lは袋体26B内面全体にわたりホットメルト接着剤等(接着部分は*印で示してある)により貼り付けられているが、収縮性材27を挟み得る限り、袋体26B内面の一部に貼り付けるようにしても良い。
【0048】
この吸収材例25における袋体26Bは、一枚の帯状シートstを幅方向に折り畳み、周縁部相互を重ね合わせて接合することにより形成できる。この場合における接合は、図7に×印で示してあり、体液との接触により解離しないように、ヒートシール、高周波シールまたは超音波シールにより接合する方法を推奨する。
【0049】
また隔室r,r…相互を仕切る区画部分d,d…は、図7(b)に断面を示すように、袋体26Bの内面相互の幅方向にわたる接合により形成されており、この接合により収縮性材27が袋体26B内面間に挟まれ袋体26Bに対して固定されている。この区画部分dの接合部分は+印により示してある。
【0050】
この区画部分dの接合方法としては、体液との接触により解離する接合手法を採るのが好ましい。このために、体液との接触により接着力が弱まるような接着剤、例えばポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイドなどを主成分とする水分散型ホットメルト接着剤や、デンプン糊、カルボキシメチルセルロース等の水溶性接着剤を用いた接合形態を採ることができる。この場合、接着強度が体液接触時に対して体液非接触時が2倍以上となるように、接着剤の選択、接着面積・パターン(スパイラル状、直線状、曲線状等の各種線状のほか、面状、点状等)の選択等を行うのが望ましい。
【0051】
この場合、吸収材25の区画部分dが体液と接触すると、区画部分dの接合が解離するとともに、当該区画部分dの接合により固定されていた収縮性材27の固定も解かれる。よって、隔室r内の高吸収性ポリマー26Aは当初の隔室容積を超えて膨張でき、いわゆるゲルブロッキングが発生しにくくなり、また収縮性材27は固定が解かれた部分において袋体26Bによる拘束を受けずに自由に収縮できる。またこの際、収縮性材27の体液非接触部位は固定が解かれないので、収縮性材27の収縮に伴う吸収材25の収縮が確実になされる。
【0052】
ただし、かかる解離構成を採用する場合には、収縮性材27が袋体26Bから外れるおそれがあるので、収縮性材27と袋体26Bとを、少なくとも長手方向の収縮範囲の両端部(本実施形態の場合、吸収材25の固定部位30の排泄部位Z側における長手方向両端部である)において収縮性材27の収縮力よりも強い力をもって相互に固定するのが望ましい。このため本実施形態では、収縮性材27の両端部は袋体26Bの長手方向両端部26e,26eのシート間に挟まれ、これらシート相互を収縮性材27を含めて、ヒートシールや超音波シール等によって体液との接触により解離しないように接合している。かくして、収縮性材27の長手方向両端部は体液と接触しても固定が解かれなくなる。
【0053】
また、本発明の収縮性材27は、上記の区画部分d,d…による間欠的な固定だけでなく、必要に応じて他の部位または長手方向全体を袋体26B内面に対してホットメルト接着等により固定することもできる。この固定は、体液との接触により解離するほうが好ましいが、解離しないようにすることもできる。この固定部は図7中に#印で示してある。
【0054】
他方、袋体26Bの素材としては、適宜選択することができ、少なくとも一部が不織布、孔開きフィルム等の体液透過性のものが使用される。特に、熱可塑性合成繊維を含む坪量15〜20g/m2程度の液透過性親水性不織布(公知の、スパンボンド不織布、カードウエブを接着した不織布、メルトブローン不織布、それらの混成不織布等)や、合成パルプ(三井石油化学社製のSWPなど)を含む坪量15〜20g/m2程度のティッシュペーパーなどが好ましく使用できる。なお、袋体26Bは、収縮性材27と一体化され、収縮性材27の収縮時には収縮性材27との接合部位に10〜20N程度の力がかかるので、それに耐えることができる程度の湿潤強度を有するのが望ましい。
【0055】
高吸収性ポリマー26Aは、この種の使い捨て吸収性物品において用いられる、自重のたとえば20倍以上の体液を吸収して保持するものを使用できる。この例として、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などを挙げることができる。
【0056】
高吸収性ポリマー26Aの吸収特性としては10秒間で10倍以上吸収し膨潤するものが望ましい。高吸収性ポリマー26Aの形状としては、現在一般的な粉粒体状のもののほか、これに替えて若しくはこれとともに繊維状のものも用いることができる。繊維状高吸収性ポリマーは紡糸等により糸状または紐状となして使用することもできる。
【0057】
高吸収性ポリマー26Aの袋体26Bへの配設量は、当該吸収性物品の吸収量の設定により決定される。本実施形態の場合、袋体26B内部に高吸収性ポリマー26Aを多量に詰めることもできるが、体液吸収により膨潤したとき当該部位において高吸収性ポリマー26A相互が密着し、局所的なゲルブロッキングが発生するおそれがある。これが発生すると他の部位の高吸収性ポリマー26Aへの体液の濡れ広がりが阻害され、吸収速度が低下する。したがってこれを防止するために、袋体26Bを平坦に潰した状態の内空部分の面積5〜20cm2あたり高吸収性ポリマー26Aの量が0.1〜0.6gとなるようにして、袋体26B内に空隙を形成し、高吸収性ポリマー26Aの膨潤後の容積を袋体26B内に予め確保しておくのが好ましい。
【0058】
本発明の収縮性材27としては、ポリビニルアルコール系長繊維を複数本引き揃えてなる収縮糸や、セルロース系短繊維を紡績し、これをカルボキシメチル化した後に強撚してなる収縮糸を好適に使用できる。具体的には、特公平6−102068号公報、特許第2656245号公報に開示されているものや、市販のものとしては、株式会社ニチビの商品名「ソルブロン」を用いることができ、太さは500〜1600dtexのものが好適である。収縮性材27としては、横断面円形や四角形の糸状のものや、又はシート状、フィルム状若しくは網状のものなど、あらゆる形状のものを用いることができる。収縮性材27としては、フィラメント状や紡績糸であることもできる。吸収材25の効率良い移動を達成するためには、収縮性材27は1本あたり10N以上の体液吸収時収縮力を有しているのが好ましい。
【0059】
本発明の保液シート26Lとしては、水分を保持できる弱親水性シートであれば良く、薄葉紙や不織布が保液性及びコストの面から好適である。より具体的には、親水化された坪量10〜20g/m2程度の不織布(スパンボンド不織布、カードウエブを接着した不織布、メルトブローン不織布、これらの混成不織布等の公知の不織布)や、坪量10〜20g/m2程度の薄葉紙(ティッシュペーパー)を始めとする体液吸収性を有する紙を好適に用いることができる。これらを収縮性材27と接触するように配置することで前述のように収縮性材27の効率の良い収縮が可能となる。
【0060】
かくして構成された吸収材25では、高吸収性ポリマー26Aが袋体26B内に封入されているため、収縮時等においてポリマー26Aが担体から脱落することがなく、また一箇所により多くのポリマーを保持させることができるようになる。特に本実施形態のように、隔室r,r…に分けて高吸収性ポリマー26Aを封入すると、袋体26B内におけるポリマーの偏在を防止できる。
【0061】
そして、かくして構成された物品においては、図8に示すように、尿等の体液が排泄部位Zに排出され、その体液が領域Yまで拡散したとすると、その体液と接触した吸収材25,25…はそれぞれ収縮する。より詳細には図10に示すように、吸収材25に供給された体液は袋体26B内に透過し、内部の高吸収性ポリマー26Aに吸収され保持される一方で、一部が収縮性材27に接触することによって当該接触部分が収縮し、その結果、収縮性材27が一体化された吸収材25が収縮するのである。この際、収縮性材27が袋体26B内にあるので、収縮性材27に対しても体液が確実に供給されるようになる。また、保液シート26Lと袋体26B内面との間に収縮性材27が挟まれている形態では、保液シート26Lが体液を確保してこれを収縮性材27に供給するようになり、収縮性材27に対する体液供給をより確実に行うことができるようになる。
【0062】
そして、吸収材25の一端部30が固定されていると、図8に示すように固定部30に向けて吸収材25,25…が収縮する結果、体液排出部位Zに対して、吸収材25における先に体液を吸収した部位が逃げるようになり、これに代わって吸収材25の新たな部位が位置するようになる。つまり体液排出部位Zに対して、吸収材25の吸収部が体液の排出に伴なって更新され、位置変化する。したがって、吸収材25全体は有効的に利用され、全体としてみれば吸収容量が著しく向上されるがその割には薄型で済むことになる。よって、この収縮機能を有する吸収材を適用したおむつは、長時間の着用にも耐え得るものである。
【0063】
(本発明のポイント)
本実施形態では、上記構成を基本として、本発明の拡散制御線40を設けている。本発明の拡散制御線40は、塗工可能であり且つ塗工部位に保持されて体液の通過を妨げる性質を有する塗工材料により形成されるものである。かかる体液拡散制御線40は、例えば製造ラインにおいて所望の部位が露出している段階で塗工材料を連続的に塗工することによって形成することができるため、非常に容易かつ安価に形成できるものであり、またどのような位置にも設けることができるものである。かかる塗工材料としては、シリコン系撥水性組成物、フッ素系撥水性組成物、疎水性ホットメルト接着剤等を用いることができる。なかでも、ホットメルト接着剤は体液吸収性物品の分野では非常に良く用いられているため、製造設備を作るにしても、接着剤を調達するにしても極めて容易かつ安価にできるため好ましい。
【0064】
また、本発明の拡散制御線40は、体液がその通過を妨げるような部分に沿って拡散する現象を利用するものであるため、物品表面に沿う方向においては、排泄部位Zから固定部30側へ向う体液拡散促進方向に沿ってまたは排泄部位Zから自由端部側へ向う体液拡散防止方向と交差する方向に沿って設けることを基本とする。また体液の拡散促進もしくは防止を図るものであるため、表面方向では体液吸収性部1内に、また厚さ方向では表面層2から防漏層3の吸収材25側面までの範囲内に設けることを基本とする。
【0065】
具体的に本実施形態のように、体液との接触により収縮する細長状吸収材25が物品の前後方向一端部30に固定されている場合には、吸収材25は体液と接触し収縮すると固定部30に向って収縮するため、体液の拡散を排泄部位Zから吸収材25の固定部30側に促進させる。このため、図示形態では、排泄部位Zに対して吸収材25の自由端部側を取り囲み且つ吸収材25の固定部30側は取り囲まないように連続する拡散制御線40を、体液吸収性部1内に設けている。この場合、排泄部位Zから吸収材25の自由端部側への体液拡散は、物品前後方向と交差する方向に沿って連続する制御線40によって妨げられるとともに、その分だけ、排泄部位Zから吸収材25の固定部30側への体液拡散は促進されるようになる。その結果、収縮が望まれる吸収材25の固定部30側に対しては体液供給が促進され、収縮が望ましくない吸収材25の自由端部側に対しては体液供給が妨げられ、もって吸収材25の効率の良い収縮移動および利用が可能となる。このように、本発明においては物品の特徴に応じて体液拡散促進方向および体液拡散防止方向を適切に設定し、体液の拡散を適切にコントロールするのが望ましい。
【0066】
本発明においては、拡散制御線40を排泄部位Zの両側に物品前後方向に沿ってそれぞれ設けるのも好ましい。この前後方向に沿う制御線40と、前後方向と交差する方向に沿う制御線40とは組み合わせることができる。図9に、各種の拡散制御線の形態を示す。すなわち、同図(a)に示す形態は、排泄部位Zに対して吸収材25の自由端部側をV字状に形成された拡散制御線40により取り囲む(前述の図1等に示すものと同様)とともに、その両端から吸収材25の固定部30側の途中まで物品前後方向に沿って制御線40を延在させており、吸収材25の固定部30側には物品前後方向と交差する方向の制御線を設けていないものである。また、同図(b)に示す形態では、排泄部位Zに対して吸収材25の自由端部側をU字状に形成された拡散制御線40により取り囲むとともに、その両端から吸収材25の固定部30まで物品前後方向に沿って制御線40を延在させており、吸収材25の固定部30側には物品前後方向と交差する方向の制御線は設けていないものである。
【0067】
さらに、本発明の拡散制御線40は複数配置することができ、例えば同図(c)(d)に示すように二重あるいはそれ以上の多重線状に形成できる。さらにこれらの配置形態は、部分的にまたはその全部を組み合わせることができる。
【0068】
他方、本発明の拡散制御線40は、物品の厚さ方向における形成位置も前述の範囲内であれば基本的に任意である。したがって、例えば表面層2の表面(肌接触面)もしくは裏面、吸収材25の外面(表面層2側面および防漏層3側面含む)もしくは内面、防漏層3の吸収材25側面、後述の壁状部材29外面、またはこれらの複数箇所に拡散制御線40を設けることもできる。ただし、表面層2の表面は肌に触れるため、また表面層2の裏面は表面層2の肌触りが変化するため好ましくない。さらに、吸収材25から防漏層3の吸収材25側面にかけての部分に制御線40を設けても、吸収材25による吸収が支配的になり、拡散効果が薄れるため好ましくない。よって拡散制御線40は、表面層2と吸収材25との間にこれらとは分離した形で形成するのが好ましい。
【0069】
特に本実施形態のように、物品長手方向に沿う細長状吸収材25が複数列設けられた形態では、その配列に起因して、表面層2を通過した体液は吸収材25,25間において物品幅方向に沿う拡散が抑制され、長手方向に沿う拡散が助長される傾向がある。したがって、かかる場合に、物品長手方向に沿う拡散制御線40を吸収材25の内面もしくは外面、または防漏層3の吸収材25側面に設けたとしても、その拡散制御効果はあるものの、より強力な拡散抑制効果が吸収材25,25の配列によって発揮されるため、拡散制御線40を設ける意義が薄れてしまう。
【0070】
そこで、本実施形態では図10に示すように、表面層2と吸収材25との間に、表面層2よりも液透過性の高い透過促進層20aおよび体液拡散性を有する拡散層20bを表面層2側からこの順に設け、表面層2により肌触りおよび体液透過性を良好に確保し、さらにこれよりも高透過性の透過促進層20aで体液透過を促進して表面層2における液残りを防ぎ、さらに拡散層20b内を通じて物品使用者の肌から離れた位置で体液を物品表面に沿う方向に拡散し、吸収材25の全てに対し可能な限り均等に体液を供給できるようにするとともに、体液拡散制御線40を、透過促進層20a内から拡散層20b内にわたる厚さ方向範囲内に設けている。そして、このような層構成とすることによって、表面層2の肌触りがさほど変化せず、また吸収材25に到達する前に体液を拡散させるため、吸収材25を並設したことによる上記問題も解決できるようになる。
【0071】
図示例では厚さ方向の全ての範囲にわたるように制御線40部分を形成しているが、いずれか一方の層のみ、いずれか一方の層の一部のみ、または両層にわたるが各層の一部のみ等、適宜定めることができる。また、制御線40が各層の表面上に存在する場合も、本発明にいう「透過促進層内から拡散層内にわたる厚さ方向範囲内」に存在する形態に含まれる。この場合の制御線40は、透過促進層20aおよび拡散層20b単体に対して、または両者が重ね合わせられた状態でホットメルト接着剤等を塗布することにより形成できる。特にホットメルト接着剤を用いる場合には、制御線40により透過促進層20aおよび拡散層20b相互を張り合わせるようにしても良い。なお、このように、本発明でホットメルト接着剤により制御線40を形成する場合には制御機能のみならず、接着機能をも利用することができる。
【0072】
この形態について更に詳細に説明する。表面層2は、この種の体液吸収性物品の分野で使用されるものを用いることができ、例えば前述の開口フィルム、不織繊維集合体等を用いることができる。透過促進層20aは、表面親水化した合成繊維、または表面親水化した合成繊維およびセルロース系繊維の両繊維からなる(すなわち、セルロース系繊維のみからなるものを含まない。他の記載に同じ。)不織布シートであって、密度0.03〜0.08g/cm3、坪量20〜50g/m2のものにより構成できる。また、拡散層20bは、表面親水化した合成繊維、または表面親水化した合成繊維およびセルロース系繊維の両繊維からなる不織シートであって、密度0.07〜0.3g/cm3、坪量30〜100g/m2、かつJIS P 8141に規定される生理食塩水による10分後のクレム吸水度が100mm以上、より好ましくは150mm以上のものにより構成できる。また、これらの層のうちのいずれか2つ(特に透過促進層20aおよび拡散層20b)または全てを一体の複合シートとして形成することもできる。
【0073】
通常の場合、図4に示すように、透過促進層20aおよび透過拡散層20bの幅W1は、体液吸収性部1の幅W2に対して、30〜100%以下、特に70〜100%以下であるのが好ましく、また長さL1は体液吸収性部の長さL2に対して50〜100%以下、特に50〜70%であるのが好ましい。
【0074】
他方、本実施形態のように吸収材25を複数設ける場合、透過促進層20aおよび透過拡散層20bは、吸収材25毎に個別に設けることもでき、この場合、各吸収材25毎に体液の拡散を調整できるメリットがもたらされる。透過促進層20aおよび透過拡散層20bを吸収材25毎に設ける場合において、あるいはその他の場合に必要に応じて、透過促進層20aおよび透過拡散層20bを吸収材25に、接着剤等により貼り付けることができる(図示略)。この場合において、透過促進層20aおよび透過拡散層20bの幅を吸収材25の幅と同じにして、吸収材25の表面(表面層2側の面)に貼り付けたり、透過促進層20aおよび透過拡散層20bの幅を吸収材25の幅よりも広幅にし、吸収材25の外周方向に巻き付けて貼り付けたりすることができる。
【0075】
さらに本実施形態では、細長帯状の吸収材25が、物品前後方向に沿って腹側から背側まで延在され且つ物品幅方向に三本並設され、これらにより体液吸収性部1の略全体が覆われており、中央の吸収材25は排泄部位Zと対応する部分を有するように配置され、両側の吸収材25,25は排泄部位Zと対応する部分を有しない位置に配置されている。かかる場合には、透過促進層20aおよび拡散層20bは、吸収材25,25,25の幅方向略全体を覆うように設け、長手方向においては吸収材25の固定部30から少なくとも排泄部位Zを超える程度までを覆うように設けるのが望ましい。これにより、図8に示すように、排泄部位Zに局所的に体液が供給されても、拡散層20b内を通じて物品幅方向および長手方向への体液の拡散が図られるようになる。
【0076】
しかも、本実施形態では、拡散層20b内またはその一歩手前の透過促進層20a内で制御線40によって体液の拡散方向が制御され、具体的に図示例の場合には吸収材25の自由端部側への体液拡散が妨げられる結果、吸収材25の固定端部30側への体液拡散が促進されるようになる。よって、拡散層20bによる拡散機能を効果的に発揮させながらも、その拡散方向を吸収材25の並設方向に関係無く適切に制御することができ、物品幅方向に並設された吸収材25,25,25の全てがより均等に且つ効率良く収縮移動されるとともに、吸収材25の利用効率も向上される。
【0077】
他方、本実施形態では、主に吸収材25の移動スペース確保のために、体液吸収性部1内、具体的には表面層2と防漏層3との間に、物品長手方向に沿って吸収材25と同程度延在する壁状部材29を、吸収材25幅よりも広い間隔をおいて吸収材25の数よりも一本多く設け、これらの壁状部材29,29間に吸収材25をそれぞれ配置している。
【0078】
吸収材25の移動スペース確保の場合には、壁状部材29を体液吸収性部1内にホットメルト接着やヒートシール接着等を用いて固定するほうが望ましいが、そうでない場合には、固定せず単に載せ置くようにしたりすることもできる。
【0079】
壁状部材29は、単なる繊維集合体やスポンジ体であっても良いが、吸収材25から収縮性材27を省略した形態、すなわち体液透過性シートからなる密閉袋体内に体液吸収性材料を封入して形成したものを好適に使用することができる。体液吸収性材料としては、吸収性物品においても公知のもの、例えば高吸収性ポリマー、セルローススポンジ、海綿又はこれらの混合物などを用いることができる。壁状部材29の形状は適宜定めることができるが、それらの間に吸収材25を配置することを考慮すると、図示のように細長で厚さの薄い形状が好ましい。壁状部材29は図10に示すように倒れた状態で設けることができる。
【0080】
他の構成は、変形例も含めて前述の吸収材25と同様であるため、敢えて説明を省略する。
【0081】
かくして壁状部材29,29間に吸収材25が配置されていると、これら壁状部材29,29により身体の肌に面する側からの圧力が支えられ、それらの間に吸収材25の収縮スペース及び体液の流通チャンネルが確保され、着用に際し、被着体により吸収材25側に及ぼされる体圧が高くても、吸収材25の収縮スペースが確実に確保され、吸収材25の確実且つ効率良い更新、ならびに体液の効率的な吸収が可能となる。
【0082】
さらに、壁状部材29が、体液吸収性材料を袋体内に封入した形態を有していると、体液吸収性材料によって付随的な体液吸収がなされ、製品幅方向への濡れ拡がりが抑えられ、製品長手方向への濡れ拡がりが助長される。よって、使い捨ておむつや生理用ナプキンにおいて従来から問題視されてきた所謂横漏れも効果的に防止される。
【0083】
さらに壁状部材29の袋体に、体液との接触により解除される区画を設けた場合、壁状部材29内の体液吸収性材料が体液を吸収して膨張したとき、同時に体液との接触により区画が解除され、隔室の形状が自然に安定な形状に変化できるため、壁状部材29が横倒しになったり局所的に膨出したりして吸収材25の収縮スペースが無くなるといったことが発生しにくく、壁状部材29本来の機能が体液吸収によって阻害されることなく、常に確実に発揮されるようになる。
【0084】
このように、壁状部材29を設ける利点は多々あるが、前述した吸収材25の配列による拡散抑制に起因する問題と同様の問題もある。しかし、かかる壁状部材29を設ける場合においても、透過促進層20aおよび拡散層20bを設けるとともに、それらの範囲内に拡散制御線40を設けることによって、制御線40による拡散方向制御作用が効果的に発揮される。
【0085】
このため、透過促進層20aおよび拡散層20bは、表面層2と壁状部材29との間に設けるのが好ましい。透過促進層20aおよび拡散層20bは、図2や図10に示すように、壁状部材29を越えて拡散対象の吸収材25(図示例では両側の吸収材25,25)上まで延在させるのが好ましい。ただし、透過促進層20aおよび拡散層20bは、両端の壁状部材29を超えて延在するのは好ましくなく、両端の壁状部材29間に収まる幅とするのが好ましい。
【0086】
(その他)
以上、各種の形態について述べたが、本発明の範囲内において、従来の技術の項で述べた、特願2001−26914号、特願2001−148131号、特願2001−331563号、特願2001−331564号、特願2001−312765号、特願2001−226507号、特願2001−241912号、特願2002−26440号に開示された構成を適宜選択して採用できる。
【0087】
また、本発明における排泄部位Zは、排泄器官の位置に応じて定まるものである。排泄部位Zは、物品の長手方向中央かつ幅方向中央の直径1〜5cm程度の円形範囲または物品前後方向を長軸とする楕円形範囲とすることができる。また、排泄部位Zは、男性用、女性用、幼児用、成人用等の種別に応じて適宜定めることができる。
【0088】
さらに、現在市販の紙おむつでは、綿状パルプ(フラッフパルプ)を主体とし、ある程度の剛性を有する(半剛性の)長方形の吸収コアをクレープ紙で包むなどして形成した非収縮吸収材が、体液吸収性部内に備え付けられている。本発明では、この非収縮吸収材とともに前述の収縮移動吸収材25を設けることができ、この場合収縮移動する吸収材25は、非収縮吸収材の内外の適宜の位置、具体的には、表面層とクレープ紙との間、クレープ紙と吸収コアとの間、吸収コアの内部、クレープ紙と防漏層との間など、適宜の位置に配置することができる(図示せず)。
【0089】
【発明の効果】
以上のとおり本発明によれば、より容易かつ安価に、体液の拡散制御を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る使い捨て紙おむつ例の展開状態における表面層側平面図である。
【図2】 図1のII−II断面図である。
【図3】 図1のIII−III断面図である。
【図4】 透過拡散層および透過促進層の平面配置を示す説明図である。
【図5】 吸収材例の平面図である。
【図6】 吸収材例の要部斜視図である。
【図7】 吸収材例の要部拡大縦断面図である。
【図8】 体液の拡散形態および吸収材の収縮状態を示す説明図である。
【図9】 各種の拡散制御線の形態を示す説明図である。
【図10】 要部縦断面図である。
【符号の説明】
1…体液吸収性部、2…表面層、3…防漏層、20a…透過促進層、20b…透過拡散層、25…吸収材、40…拡散制御線。

Claims (8)

  1. 身体の肌に面する側に設けられた液透過性の表面層、身体の肌から遠ざかる側に設けられた防漏層、および両者の間に設けられた、少なくとも排泄部位を含む表面方向に沿う主吸収範囲と対応する体液吸収性部を有し、
    前記体液吸収性部内に、体液の吸収保持機能および体液との接触による収縮機能を有する細長状の吸収材を有し、かつその長手方向一端部のみが物品に対して固定された固定部とされ、他端部は自由端部とされている、吸収性物品であって;
    塗工可能であり且つ塗工部位に保持されて体液の通過を妨げる性質を有する塗工材料からなる体液拡散制御線を、前記表面層から防漏層の吸収材側面までの厚さ方向範囲内で、前記排泄部位から前記固定部側へ向う体液拡散促進方向に沿ってまたは前記排泄部位から前記自由端部側へ向う体液拡散防止方向と交差する方向に沿って設けてなることを特徴とする体液吸収性物品。
  2. 身体の肌に面する側に設けられた液透過性の表面層、身体の肌から遠ざかる側に設けられた防漏層、および両者の間に設けられた、少なくとも排泄部位を含む表面方向に沿う主吸収範囲と対応する体液吸収性部を有し、
    前記体液吸収性部内に、体液の吸収保持機能および体液との接触による収縮機能を有する細長状の吸収材を有し、かつその長手方向一端部のみが物品に対して固定された固定部とされ、他端部は自由端部とされている、吸収性物品であって;
    前記表面層と吸収材との間に、表面層よりも液透過性の高い透過促進層および体液透過性および体液拡散性を有する拡散層を表面層側からこの順に設け、
    塗工可能であり且つ塗工部位に保持されて体液の通過を妨げる性質を有する接着剤からなる体液拡散制御線を、前記透過促進層内から拡散層内にわたる厚さ方向範囲内で、前記排泄部位から前記固定部側へ向う体液拡散促進方向に沿ってまたは前記排泄部位から前記自由端部側へ向う体液拡散防止方向と交差する方向に沿って設けてなることを特徴とする体液吸収性物品。
  3. 前記透過促進層は、表面親水化した合成繊維、または表面親水化した合成繊維およびセルロース系繊維の両繊維からなる、密度0.03〜0.08g/cm3、坪量20〜50g/m2の不織布シートであり、
    前記拡散層は、表面親水化した合成繊維、または表面親水化した合成繊維およびセルロース系繊維の両繊維からなる、密度0.07〜0.3g/cm3、坪量30〜100g/m2、かつJIS P 8141に規定される生理食塩水による10分後のクレム吸水度が100mm以上の不織シートである、請求項2記載の体液吸収性物品。
  4. 前記体液拡散制御線を、前記表面層から前記吸収材の表面層側面までの厚さ方向範囲内で、前記排泄部位に対して前記吸収材の自由端部側を取り囲み且つ前記吸収材の固定部側は取り囲まないように連続させて設けた、請求項1または2記載の体液吸収性物品。
  5. 前記吸収材は細長状をなし、物品前後方向に沿って配置され且つ物品幅方向に三本以上並設されており、
    前記吸収材は、排泄部位対応部分を有するものと、排泄部位対応部分を有しないものとがあり、
    各前記吸収材は、長手方向一端部のみが物品に対して固定され、他端部は自由端部とされており、
    前記体液拡散制御線が、透過促進層内から拡散層内にわたる厚さ方向範囲内で、排泄部位よりも吸収材の自由端部側の位置に物品前後方向と交差する方向に沿って設けられており、
    排泄部位から吸収材の固定部側には物品前後方向と交差する体液拡散制御線が設けられていない、
    請求項2または3記載の体液吸収性物品。
  6. 前記体液拡散制御線が、透過促進層内から拡散層内にわたる厚さ方向範囲内で、排泄部位の両側に物品前後方向に沿ってそれぞれ設けられている、請求項2〜5のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
  7. 物品長手方向に延在する壁状部材間に前記吸収材を有し、壁状部材よりも表面側に透過促進層および拡散層を有する、請求項2〜6のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
  8. 前記塗工材料としてホットメルト接着剤を用いた、請求項1〜7のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
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