JP4297714B2 - 体液吸収性物品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使い捨ての紙おむつ、生理用ナプキンなどの体液吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
体液吸収性物品は、基本的に、身体の肌に面する側に設けられた液透過性の表面層、身体の肌から遠ざかる側に設けられた防漏層、および両者の間に設けられた体液吸収性部を有する。
【0003】
この場合における、体液吸収性部の構成は、種々のものが知られているが、吸収性素材として、高吸収性ポリマー、綿状パルプ(フラッフパルプ)、クレープ紙などの吸収紙を主としている。近年の高吸収性ポリマー技術の進展に伴い、より薄型化した体液吸収性部の形成が可能となり、したがって製品の吸収部分の身体へのフィット性が向上し、モレが少なくなってきている。
【0004】
この製品の吸収特性の改善は、需要者にとって、薄型でありながら、吸収容量が大きく、さらに長時間の着用にも耐えるさらに新たな製品開発の要求となってあらわれる。
【0005】
しかるに、この要求を満たすためには、例えば、尿の場合であっては多数回の排尿量のすべてを体液吸収性部が吸収しなければならない。しかし、排尿が繰り返えされるごとに体液吸収性部の吸収速度は遅くなり、特に体液吸収性部の長手方向端部まで体液が吸収されないことが多い。この原因は、体液の縦方向(製品の長手方向)への拡散が十分でないため、および高吸収性ポリマーの膨潤による拡張濡れが阻害されるいわゆるゲルブロッキング現象が起こるためとされている。
【0006】
これらの現象を解決する手法として、特表2000−510031号公報、及び特表2000−510033号公報などの縦方向への濡れ拡がりを助ける技術、高吸収性ポリマーのゲルブロッキングを防ぐ技術、高吸収性ポリマーの形状や組み込みの工夫、濡れによって膨潤する空間を確保する方法などが提案されている。
【0007】
しかしいずれの方法を用いても、十分な解決策となっていない。この原因を改めて検討すると、従来の体液吸収性物品の体液吸収性部は縦長とし製品の長手方向に沿って配置し、体液排出部位が体液吸収性部のほぼ中心に位置するように設計し、排出部位からの体液は長手方向端部まで濡れ拡がる(拡散する)であろうことを前提としていた。したがって、体液の長手方向拡散が十分でない限り、本質的に、体液吸収性部全体で体液を吸収することはできない。
【0008】
他方、かかる問題点に対して、本発明者らは、体液吸収性部内での体液の拡散には限界があることを踏まえ、吸収材が体液との接触により収縮し移動することにより、体液受入部分と対応する吸収材部分が更新されるように構成した体液吸収性物品およびその改良技術について種々の提案をしている。具体的には、下記特許文献3、4の他、特願2001−148131号、特願2001−226507号、特願2001−241912号、特願2001−312765号、特願2001−331563号、特願2001−331564号、特願2002−26440号、特願2002−200894号、特願2002−200895号、特願2002−218594号、特願2002−218595号、特願2002−218596号、特願2002−226058号、特願2002−242489号において提案したものが、これに該当する。
【0009】
かかる先行技術によれば、吸収材全体を有効に利用し、全体としてみれば、吸収容量が大きく、さらに複数回の体液吸収が十分に可能であり、ひいては長時間の着用にも耐え得る体液吸収性物品を可能とする。
【0010】
【特許文献1】
特表2000−510031号公報
【特許文献2】
特表2000−510033号公報
【特許文献3】
特開2002−315777号公報
【特許文献4】
特開2002−224162号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、吸収材を効率良く移動させ、より広範な範囲を吸収に利用する点については改善の余地があった。
【0012】
そこで、本発明の主たる課題は、かかる点を改善し、吸収材を効率良く移動させ、より広範な範囲を吸収に利用しうる体液吸収性物品を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
体液吸収性部内に、体液の吸収保持機能および体液との接触による収縮機能を有する吸収材を有し、
前記吸収材は物品に対して固定された固定部と、物品に対して固定されていない自由部とを有し、
前記吸収材と体液との接触を遮る不透液範囲を有し、かつこの不透液範囲が体液の排泄がある度に前記吸収材の固定部側から自由部側へ向かって減少する吸収制御材を有する、
ことを特徴とする体液吸収性物品。
【0014】
(作用効果)
本発明の体液吸収性物品では、身体から排泄された体液が吸収材に吸収され、この際、吸収材の体液接触部分において収縮機能が発現する。その結果、吸収材は固定部側に移動する。すなわち、吸収材における先に体液と接触した部分が固定部側に移動し、これに代わって吸収材の新たな部位が位置するようになり、つまり吸収材が体液の排出がある度に位置変化し、更新される。
【0015】
ただしこの場合、例えば吸収材の自由部の中間にのみ体液が供給されると、当該供給位置と固定部との間の部分は体液と接触し難く、吸収に殆ど利用されず、また収縮も殆ど発生しないままとなってしまう。よって、固定部側から順に体液が供給される方が、吸収材の利用効率および移動効率が高くなる。
【0016】
このため、本発明では、前記吸収材と体液との接触を遮る不透液範囲を有し、かつこの不透液範囲が体液の排泄がある度に吸収材の固定部側から自由部側へ向かって減少する吸収制御材を設けている。この場合、吸収材へ向かう体液は、吸収制御材の不透液範囲により遮られ、その一部または実質的に全て(不透液範囲の連続性による)が吸収材に供給されずに周囲に拡散する。このうち、固定部側に拡散した体液は、当初から不透液範囲により遮られていない又は不透液範囲の減少により遮られなくなった吸収材の固定部側部分に供給される。その結果、体液は、吸収材における体液受入部分と対応する部位よりも固定部側部分に優先的に供給され、当該固定側部分により優先的に吸収され、かつ当該固定側部分が優先的に収縮する。
【0017】
一方、本発明では、不透液範囲は排泄がある度に固定部側から自由部側へ減少する。よって、次の排泄時においては、吸収材における先に体液を吸収していない又は吸収したものの吸収余力がある部分が不透液範囲により遮られなくなり、当該部分において体液吸収および収縮機能が発揮される。
【0018】
かくして、本発明では、吸収材は固定部側において優先的に体液吸収および収縮し、しかもこの優先的吸収部分が不透液範囲の減少により体液未吸収または吸収余力が残存する位置に切り替わるため、吸収材をより広範に利用でき、また移動効率も高くなる。よって、全体としてみれば、長時間の快適な装着が可能となる。
【0019】
<請求項2記載の発明>
身体の肌に面する側に設けられた液透過性の表面層、身体の肌から遠ざかる側に設けられた防漏層、および両者の間に設けられた体液吸収性部を有し、
前記不透液範囲は、少なくとも、排泄体液が最初に表面層を透過する範囲として定まる体液受入部分における前記吸収材と体液との接触を遮るものである、請求項1記載の体液吸収性物品。
【0020】
(作用効果)
この場合、一回目の排泄時において表面層を透過した体液は、確実に吸収制御材の不透液範囲により遮られ、その一部または実質的に全て(不透液範囲の連続性による)が吸収材に供給されずに周囲に拡散する。このうち、固定部側に拡散した体液は、当初から不透液範囲により遮られていない又は不透液範囲の減少により遮られなくなった吸収材の固定部側部分に供給される。その結果、体液は、吸収材における体液受入部分と対応する部位よりも固定部側部分に優先的に供給され、当該固定側部分により優先的に吸収され、かつ当該固定側部分が優先的に収縮する。
【0021】
一方、本発明では、不透液範囲は排泄がある度に固定部側から自由部側へ減少する。よって、次回以降の排泄時において体液受入部分が不透液範囲により遮られなくなり、当該部分において体液吸収および収縮機能が発揮されるようになる。
【0022】
<請求項3記載の発明>
前記吸収材は細長状をなし、且つその一端部が物品に対して固定されており、
前記吸収制御材は、周方向および長手方向に連続する不透液範囲を有する筒状材であり、且つその内空に前記吸収材が挿入されている、請求項1または2記載の体液吸収性物品。
【0023】
(作用効果)
このように、周方向および長手方向に連続する不透液範囲をする筒状吸収制御材の内空に吸収材を挿入することにより、確実に吸収材と体液との接触を遮ることができる。
【0024】
<請求項4記載の発明>
前記吸収制御材は、体液の排泄がある度に前記吸収材の固定部側の端部が溶解する不透液性水溶性材である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
【0025】
(作用効果)
かかる吸収制御材はその全体が不透液範囲を形成するものであり、体液受入部分における吸収材を覆うだけで、容易かつ安価に、不透液範囲が体液の排泄がある度に吸収材の固定部側から自由部側へ向かって減少する機能を発揮するため好ましい。
【0026】
<請求項5記載の発明>
前記吸収制御材は、吸収材側面が撥水処理されておらず且つその反対面が撥水処理されている水溶性フィルムである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
【0027】
(作用効果)
かかる水溶性フィルムは、撥水処理によりその全体が不透液範囲を形成するものであり、吸収材側と反対側の撥水処理面は体液と接触しても溶解しない。よって、体液は当該フィルムの撥水処理面に到達しても透過せずに拡散する。そして、体液がフィルムの周囲から吸収材側面に回りこみ、非処理面に接触するとフィルムは溶解する。したがって、不透液範囲をなすフィルム全体が、体液の排泄がある度に溶解して縮小するようになる。
【0028】
<請求項6記載の発明>
前記筒状の吸収制御材は、湿潤によりその面積が50%以上収縮する不透液性シートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
【0029】
(作用効果)
かかる不透液性シートはその全体が不透液範囲を形成するものであり、溶解しないものの、湿潤により収縮するものであり、体液の排泄がある度に不透液範囲が縮小する吸収制御材として好適に用いることができるものである。
【0030】
<請求項7記載の発明>
前記吸収制御材が、体液との接触により収縮する収縮性材を一体化した不透液性シートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
【0031】
(作用効果)
体液吸収性物品の分野で良く用いられるポリエチレンシートや撥水処理を施した不織布等のように、体液と接触しても収縮しないシートであっても、体液との接触により収縮する収縮性材を一体化することにより、体液の排泄がある度に不透液範囲が縮小する吸収制御材として好適に用いることができる。
【0032】
<請求項8記載の発明>
前記吸収制御材が、所定時間以上の体液接触により撥水性を失う撥水加工を施した体液透過性シートからなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
【0033】
(作用効果)
表面層に良く用いられる親水性不織布等のように体液透過性を有するシートであっても、経時的に撥水性を失う撥水加工を施すことにより、撥水性が失われた部位から体液透過性を有するようになり、シート自体の縮小を伴わないものの、不透液範囲が縮小することになる。よって、かかるシートも、体液の排泄がある度に不透液範囲が縮小する吸収制御材として好適に用いることができる。
【0034】
<請求項9記載の発明>
前記吸収制御材が、少なくとも前記吸収材の自由部における固定部側の端部と体液との接触を遮らないように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
【0035】
(作用効果)
吸収材の自由部における固定部側の端部への体液供給が、吸収制御材の不透液範囲により遮られていると、当該不透液範囲の減少を待って吸収材への体液供給がなされることになり、迅速・円滑な初期吸収および収縮移動が損なわれるおそれがある。よって、本請求項9記載のように構成されているのが好ましい。
【0036】
<請求項10記載の発明>
前記体液受入部分から前記吸収材の自由部における固定部側の端部まで延在する体液拡散層を有する、請求項1〜9記載の体液吸収性物品。
【0037】
(作用効果)
かかる体液拡散部材により、吸収材の自由部における固定部側の端部への体液供給が円滑且つ確実になされるようになるため好ましい。
【0038】
<請求項11記載の発明>
前記体液受入部分に、前記体液拡散層と接する体液貯留部を有する、請求項10記載の体液吸収性物品。
【0039】
(作用効果)
本発明の吸収材は、少なくとも体液受入部分においては、吸収制御材の不透液範囲により体液との接触が遮られる。よって、表面層を介して受け入れた体液を一時的に貯留しておかないと、これが表面層を介して身体の肌に面する側に逆戻りするおそれがある。よって、本発明では、体液受入部分に、体液拡散層と接する体液貯留部を有するのが望ましい。
【0040】
<請求項12記載の発明>
前記体液拡散層は、JIS P 8141に規定される「紙及び板紙のクレム法による吸水度試験方法」によるクレム吸水度が10分で100mm以上の繊維集合体シートからなるものである、請求項10または11記載の体液吸収性物品。
【0041】
(作用効果)
通常の場合、体液拡散層は、物品の傾斜曲面に沿って体液を素早く上昇させる拡散力を有するのが望ましく、特に本請求項12記載のレベルの拡散力を有するのが望ましい。
【0042】
<請求項13記載の発明>
前記体液吸収性部に所定の間隔をあけて壁部材が複数配置されており、これら壁部材間に前記吸収材及び吸収制御材が配置されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
【0043】
(作用効果)
このように壁部材間に吸収材及び吸収制御材が配置されていると、これら壁部材により身体の肌に面する側からの圧力が支えられ、それらの間に吸収材の収縮スペース及び体液の流通チャンネルが確保され、着用に際し、被着体により吸収材側に及ぼされる体圧が高くても、吸収材の収縮スペース及び体液の流通チャンネルが確実に確保され、吸収材の確実且つ効率良い収縮、ならびに体液の効率的な吸収が可能となる。
【0044】
特に本発明の場合、吸収制御材の不透液範囲の存在により、表面層を透過し体液吸収性部内に到達した体液は、直ぐには吸収材に吸収されないから、かかる体液流通チャンネルの確保は顕著な効果がある。
【0045】
また吸収制御材が収縮により不透液範囲が減少するものである場合には、その収縮のためのスペースも壁部材によって確保される。
【0046】
さらに、壁部材は、それが透液性であるか不透液性であるかにかかわらず、横断方向への体液拡散を抑制することにより、壁部材に沿う方向への拡散を助長する。したがって、吸収材の固定部の位置に関係なく、当該固定部側への体液拡散の確実性及び効率が向上する。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながらさらに詳説する。
本発明は使い捨ての紙おむつ、生理用ナプキンなどの体液吸収性物品一般に適用されるが、おむつ使用時(装着時)に背側の左右両側部を腹側の左右両側部に持ち込み、これらをテープファスナー(粘着剤テープファスナー及び面ファスナーを含む)により接合するタイプのいわゆるテープ式紙おむつに対する適用例を説明すれば、パンツ型使い捨ておむつやパッド型使い捨て吸収性物品での実施の形態や、生理用ナプキンでの実施の形態も直ちに推測できると思われるので、後二者の例についてはその説明を省略する。
【0048】
図1〜図5は、本発明を適用した使い捨ておむつの例を示している。この使い捨ておむつは、身体の肌に面する側に設けられた液透過性の不織布シート、あるいは孔開きフィルムシートなどからなり、着用者の肌に直接触れる長方形の表面層2、身体の肌から遠ざかる側に設けられたポリエチレンプラスチックフィルムなどからなる長方形の不透液性バックシートなどからなる防漏層3、および両者の間に設けられた、排泄体液が最初に表面層を透過する範囲として定まる体液受入部分Zを含む体液吸収性部1を有する。
【0049】
さらに、防漏層3より裏面側たる製品の裏面側には、可撓性の外形シート4を有し、この外形シート4は1枚の不織布または複数枚の通気・撥水性の不織布を積層固定したものからなる。
【0050】
製品の両側部には、使用面側に突出する脚周り起立カフスC,Cがそれぞれ形成され、この起立カフスCは、実質的に幅方向に連続した起立シート8と、たとえば糸ゴムからなる一本のまたは複数本の伸縮部材9とにより構成されている。さらに詳細には、起立カフスCは、起立シート8を二重にして形成され、伸縮部材9を包んでホットメルト接着剤などにより固着した状態で形成されたものである。各起立カフスC,Cを形成する起立シート8は、透液性でなく不透液性もしくは疎水性であるのが望ましい。また、不織布などの透液性シートに対してシリコン処理などにより液体をはじく性質となるようにしてもよい。さらに、通気もしくは蒸気透過性を有しているのが望ましい。起立シート8の間に不透液性フィルムシートを挟み込み、さらに防漏性を高めることができる。
【0051】
二重の起立シート8の内面は、表面層2及び外形シート4にホットメルト接着剤などにより固着されている。その結果、二重の起立シート8のこの固着始端は、起立カフスCの起立端を形成している。この起立端より先端側は、製品本体に固定されていない自由部分である。
【0052】
二重の起立シート8の長手方向前後端部は、ホットメルト接着剤などにより、自由部分がその先端を物品の中央側に向かう状態で物品に、具体的には表面層2外面に固定されている。左右の起立カフスC,Cで囲まれる空間は、尿または軟便の閉じ込め空間を形成する。この空間内に排尿されると、その尿は透液性表面層2を通って体液吸収性部1内に吸収されるとともに、軟便の固形分については、起立カフスCがバリヤーとなり、その乗り越えが防止される。
【0053】
他方、前身頃及び後身頃の長手方向端部において、ウエスト部における外形シート4の不織布間に、ウエスト周りのフィット性を高めるために、ウエスト開口部の端縁に平行に間隔を置いて細い糸ゴムからなるウエスト伸縮部材10,10…を配置し、これらが伸縮するように伸長下にホットメルト接着剤などにより固定されている。ウエスト伸縮部材10,10…の間隔および本数は適宜定めることができるが、例えば間隔としては4〜8mm程度、本数としては3〜10本程度が好ましい。符号11は背側の左右両側部を腹側の左右両側部に持ち込み、接合するためのテープファスナーを示している。
【0054】
<本発明に関連する構成等>
本実施形態の紙おむつは、体液吸収性部1内に、体液の吸収保持機能および体液との接触による収縮機能を有する吸収材25(具体例については後述する)を有し、この吸収材25は物品に対して固定された固定部30と、物品に対して固定されていない自由部31とを有し、さらに、少なくとも体液受入部分Zにおける吸収材25と体液との接触を遮る不透液範囲を有し、かつこの不透液範囲が体液の排泄がある度に吸収材25の固定部30側から自由部31側へ向かって減少する吸収制御材40を有するものである。体液吸収性部1は、任意に設定できるものであるが、通常は、体液受入部分Zを含む範囲で、物品長手方向の50〜100%程度の長さを有し、物品股間幅の70%以上の幅を有する矩形範囲である。
【0055】
図2と図4との対比からも分かるように、本実施形態の吸収材25は、体液吸収性部1と略同じか若干短い程度の長さを有する細長状をなし、物品前後方向に沿って腹側から背側まで延在され且つ物品幅方向に三本並設されており、中央の吸収材25は体液受入部分Zと対応するように配置され、両側の吸収材25,25は体液受入部分Zと対応しない位置に配置されており、さらに、各吸収材25は、長手方向一端部30のみが物品に対して、ホットメルト接着剤等の接着剤やヒートシール等の接合手段等により固定され、他端部は自由端部とされている。図示形態では、背側に吸収材25を移動させるために固定部30も背側にのみ設けているが、腹側に吸収材25を移動させたい場合には、腹側にのみ設けることもできる。このように、固定部30は吸収材25の移動先となる任意の位置に設けることができるものである。
【0056】
(吸収制御材について)
一方、吸収制御材40は、その全体が不透液範囲とされた筒状材であり、体液受入部分Zを含む物品前後方向範囲において吸収材25をカバーするように、その内空に吸収材25が挿入されている。
【0057】
吸収性制御材40は、製造上のトラブルを避ける目的で、周囲の部材、例えば吸収材25や後述する拡散層50に対して仮接着するのが好ましく、この場合、体液を吸収して接着力が低下する水溶性(水分散型)ホットメルト接着剤を用いることができる。
【0058】
吸収制御材40の不透液範囲は体液受入部分Zと対応する部分を含む限り適宜定めることができるが、体液受入部分Zから吸収材25の固定部30まで、特に吸収材25の固定部30から自由部31側に若干離間した位置40Yまでの範囲とするのが望ましい。図示形態では、この条件を満たすように、全体が不透液性の吸収制御材40を、略肛門と対応する位置から股間を通り、吸収材固定部30から若干離間した位置Yまでの範囲に設けており、この物品前後方向範囲が不透液範囲とされている。体液遮断機能の十全を図る上では吸収材25の自由端25fまでを不透液範囲とするのが望ましい。しかし、後述する拡散層50や体液貯留部60を設ける場合には、体液受入部分Zから吸収材25の固定部30近傍までの部分において体液が遮断されれば十分である。
【0059】
吸収制御材40としては、体液の排泄がある度に端部が溶解する不透液性水溶性材、より具体的には吸収材側面が撥水処理されておらず且つその反対面がシリコン加工やフッ素加工により撥水処理されている水溶性フィルムを用いて形成できる。この場合、吸収制御材40全体が連続的な不透液範囲を形成する。水溶性フィルムとしては、30℃の生理食塩水に浸漬したときに30分以内で完全に溶解するものが好ましく、例えば日本合成化学工業社製の商品名ハイセロンを用いることができる。
【0060】
また、吸収制御材40としては、図6に示すように、湿潤によりその面積が50%以上収縮する不透液性シートを用いて形成することもできる。この場合、吸収制御材40全体が連続的な不透液範囲をなし、これが溶解せずに収縮することにより減少する。湿潤によりその面積が50%以上収縮する不透液性シートとしては、変性ポリビニルアルコール系繊維や、セルロース系繊維をカルボキシメチル化した繊維(具体的には特公平6−102068号公報、特許第2656245号公報に開示されているもの)等を、不織布、紙、布の形態とすることにより製造できる。不透液性シートの収縮率は適宜設定できる。この場合、不透液性シート41の収縮先は吸収材25の固定部30とは反対側とし、当該反対側の端部を物品に対して、例えば防漏層3等の周辺の部材に固定する。
【0061】
これに対して、例えば図7に示すように、不透液性シート41に対して体液との接触により収縮する収縮性材42を一体化したものを用いて吸収制御材40を形成することもできる。この場合も、吸収制御材40全体が連続的な不透液範囲をなす。またこの場合、不透液性シート41の収縮先は吸収材25の固定部30とは反対側とし、当該反対側の端部を物品に対して、例えば防漏層3等の周辺の部材に固定する。図示例では収縮性材42の収縮方向が一方向に揃えられており、不透液性シート41の縮小方向も一方向となる。
【0062】
不透液性シート41としては、体液吸収性物品の分野で良く用いられるポリエチレンシートや撥水処理を施した不織布等のように、体液と接触しても収縮しないものを用いることができる。また、体液との接触により収縮する不透液性シートや、体液との接触により溶解する不透液性シートであっても、例えば不透液範囲の縮小を促進若しくは補助する場合等、必要に応じて収縮性材42を一体化することができる。
【0063】
収縮性材42としては、ポリビニルアルコール系長繊維を複数本引き揃えてなる収縮糸や、セルロース系短繊維を紡績し、これをカルボキシメチル化した後に強撚してなる収縮糸を好適に使用できる。具体的には、特公平6−102068号公報、特許第2656245号公報に開示されているものや、市販のものとしては、株式会社ニチビの商品名「ソルブロン」を用いることができ、太さは500〜1600dtexのものが好適である。収縮性材42としては、横断面円形や四角形の糸状もしくは紐状のものや、又はシート状、フィルム状若しくは網状のものなど、あらゆる形状のものを用いることができる。収縮性材42は、フィラメント状や紡績糸であることもできる。不透液性シート41の効率良い縮小を可能ならしめるためには、1本あたり10N以上の体液吸収時収縮力を有している収縮性材42を、等間隔で長手方向に沿って複数配列するのが好ましい。
【0064】
収縮性材42は、接着や溶着により不透液性シート41に対して一体化するほか、不透液性シート41に縫い付ける、または巻き付ける、絡める等により一体化することもできる。この場合、少なくとも収縮性材42の収縮方向両端部については、体液と接触しても又収縮張力が作用しても、不透液性シート41から解離しないように一体化する。特にホットメルト接着剤は、体液を吸収して接着強度が低下する水溶性(水分散型)のものがあるため、少なくとも収縮性材42の両端部については、体液を吸収しても十分な接合強度が保たれるものを用いる。収縮性材42は不透液性シート41の吸収材25側面および表面層2側面のいずれかに露出していれば良いが、吸収材25側面にのみ露出されるのが好ましい。かくして構成された吸収制御材40は、排泄体液が収縮性材42に接触すると、収縮性材42が収縮するのに伴って縮小される。
【0065】
さらに、吸収制御材40としては、図8に示すように所定時間以上の体液接触により撥水性を失う撥水加工43を施した体液透過性シート44を用いて形成することができる。撥水加工43はシート44の吸収材25側面、反対側面、両面もしくは全体に施すことができる。この場合、前述した例のように全体が不透液範囲とならず、撥水性を有する部分(使用前は撥水加工部分43)が不透液範囲となる。この場合、体液は撥水加工部分43の周囲に多く供給されるから、撥水性の喪失は撥水加工部分43の周縁部から中央に向かって進行することになる。
【0066】
もちろん、撥水加工の程度を加工位置によって変化させることもでき、例えば図9に示すように、物品前後方向中央から物品前後方向両端部に向かうにつれてより容易に撥水性が失われるように、撥水加工の種類や程度を符号43a〜43cで示すように変化させることもできる。
【0067】
所定時間以上の体液接触により撥水性を失う撥水加工としては、重金属石鹸、ワックス、シリコン等の撥水剤と乳化分散剤とを混合した溶液を親水性不織布等体液透過性シートに塗布することにより製造できる。この際、乳化分散剤量を調節することによりどの程度で撥水性が失われるかを調節できる。撥水性を喪失する時間は、体液の種類や物品の種類(幼児用若しくは大人用紙おむつ、テープ止着式紙おむつ、パンツ型紙おむつ、パッド利用紙おむつ、昼用または夜用紙おむつ、昼用、夜用若しくは多い日用の生理用ナプキン等)に応じて適宜定めることができるが、一般に10〜30分程度が好ましい。
【0068】
他方、前述の水溶性層を用いる場合においても、図10に示すように溶解性が共通する又は異なる複数の水溶性層45〜47を用い、部分的に多層構造とすることにより、溶解し易さ(溶解速度や溶解範囲)を位置によって変化させることができる。図示例では、三層構造の吸収制御材40が設けられ、表面層2側の上層45から、防漏層3側の下層47に向かうに連れて物品前後方向長さが短くなるように構成されている。この場合、初期段階では体液は上層45のみ溶解するから不透液範囲の縮小が比較的速やかにかつ広い範囲で進行するが、中期段階では上層45および中層46の両者が溶解して初めて不透液範囲が減少することになり、その速度および範囲が一段階低下し、後期段階では上中下の全ての層45〜47が溶解して初めて不透液範囲が減少することになり、その速度および範囲が更に一段階低下するようになる。
【0069】
また、本発明の不透液範囲は、一吸収材あたり一範囲としても良いが、必要に応じて複数箇所にそれぞれ設定することもできる。この場合、吸収制御材を複数箇所に設けるか、一つの吸収制御材あたり複数の不透液範囲を設けることができる。
【0070】
さらに、本発明の不透液範囲によって体液拡散性を制御する場合、不透液範囲を多数設け、その配置の疎密により位置毎に不透液性を異ならしめることができる。例えば、物品前後方向中央に近くなるほど不透液範囲間の間隔が小さくなり、体液が吸収材25に到達しにくくなる配列を採用できる。
【0071】
(体液拡散層について)
他方、本実施形態では、少なくとも体液受入部分Zから吸収材25の自由部31における固定部30側の端部まで延在する体液拡散層50が設けられている。拡散層50の物品前後方向の延在範囲は、吸収制御材40の不透液範囲と略同じであるが、吸収制御材40の不透液範囲の固定部30側に若干食み出すのが望ましい。体液拡散層50は、表面層2と防漏層3との間に設ける限り、例えば表面層2と吸収材25との間に設けても良いが、体液は重力により防漏層3側に移動する傾向があるため、吸収材25と防漏層3との間に設けるのが好ましい。また、図示形態のように複数の吸収材25を設けるときには、拡散層50は各吸収材25ごとにそれぞれ独立的に設けるのが好ましいが、全ての吸収材25に対して一体的に設けても良い。
【0072】
体液拡散層50としては、JIS P 8141に規定される「紙及び板紙のクレム法による吸水度試験方法」によるクレム吸水度が10分で100mm以上、特に150mm以上の繊維集合体(吸収紙等)が好適に使用できる。より詳細には、表面親水化した合成繊維(レーヨン繊維等)からなるか、または表面親水化した合成繊維(レーヨン繊維等)およびセルロース系繊維(パルプ繊維等)の両繊維からなり、坪量が30〜100g/m2、特に30〜50g/m2であり、かつJIS P 8141に規定される生理食塩水による10分後のクレム吸水度が100mm以上、特に150mm以上である繊維集合体シートを用いることができる。特に、レーヨン繊維のウェブをウォータージェットにより絡合した繊維集合体や、レーヨン繊維のウェブにパルプ繊維を積層し、これらをウォータージェットにより絡合した繊維集合体が好適である。
【0073】
(体液貯留部について)
さらに、本実施形態では、体液受入部分Zを含む範囲に、体液拡散層50と接する体液貯留部60が設けられている。体液貯留部60は、表面層2を介して受け入れた体液を一時的に貯留し、表面層2を介して身体側に逆戻りするのを防止するものであるため、少なくとも体液受入部分Zに設ければ良いが、好適には体液受入部分Zと物品幅方向に対応する部分にも設けるのが好ましい。このため、図示形態では両脇の吸収材25,25配置部位についても体液貯留部60,60を設けている。また、貯留部60の物品前後方向の長さは、体液受入部分の前後にある程度の余裕をもたせる(例えば図示例では後側を股下部まで延在させている)のが好ましい。
【0074】
体液貯留部60は、体液の逆戻り防止機能の観点から、連続空隙を有する可撓性材料、例えば所謂セルローススポンジにより形成できる。
【0075】
これら拡散層50および体液貯留部60は、紙おむつのように体液拡散に際して体液を上昇させる場合や、拡散距離が長い場合には、殆どの場合で必須となるが、昼用生理用ナプキンのように体液上昇が殆どなく拡散距離が短い場合には省略することもできる。
【0076】
(吸収材の具体例)
他方、吸収材25としては、体液の吸収保持機能および体液との接触による収縮機能を有するものであれば特に限定されず、例えば従来の技術の項で述べた特許文献3,4記載のもの及び特願2001−148131号等の先願記載のものを用いることができる。
【0077】
一例を挙げると、図11〜図13に示すように、細長状袋体28と、その長手方向の略全体にわたり取り付けられた、体液との接触により収縮する細長状の収縮性材27と、袋体28内の長手方向の略全体にわたるように配置された、細長状体液吸収性部材26とを主要構成として備えるものであり、全体として細長状をなすものを用いることができる。
【0078】
特に図示形態では、体液拡散部材dsが体液吸収性部材26と接触するように設けられている。体液拡散部材dsは、体液吸収性部材26における体液の拡散を促し、ポリマー26Aによる局所的な吸収を防ぐものであり、体液受入部Zと対応する位置およびその近傍(特に物品前後方向の吸収材固定部30側の所定部位まで)、特に本実施形態のように体液吸収性部材26が細長状をなす場合にはその長手方向に沿って且つその略全長にわたるように設けるのが望ましい。
【0079】
またこの体液拡散部材dsは、例えば本実施形態の吸収材25のように袋体28内の防漏層3側面に収縮性材27を配置し、その表面層2側に体液吸収性部材26を配置する場合には、図示のように体液吸収性部材26と収縮性材27との間に設けるのが望ましい。この場合、収縮性材27に対する体液供給をも促進できる。ただし、体液拡散部材dsは、体液吸収性部材26と接触する位置に設ける限り、任意の位置に設けることができる。図15は体液吸収性部材26に対する体液拡散部材dsの各種配置例をまとめて示したものである。同図(a)および(b)からも判るように、体液拡散部材dsは体液吸収性部材26の防漏層3側にのみ配置する他、体液吸収性部材26の表面層2側にのみ配置することもできる。また、同図(c)及び(d)に示すように、一つの体液吸収性部材26に対して体液拡散部材dsを複数設けることもできる。この場合、図示のように体液拡散部材dsを体液吸収性部材26の表面層2側または防漏層3側にのみ複数設ける他、図示しないが表面層2側および防漏層3側の両方にそれぞれ設けることもできる。後者の場合、体液拡散部材ds,ds相互の間隔を空けるのが望ましい。さらに、図示のように体液吸収性部材26の幅方向両脇部に体液拡散部材dsをそれぞれ設け、それらの間に高吸収性ポリマー26Aの露出部や収縮性材27の接合面を確保することもできる。
【0080】
また、体液拡散部材dsは体液吸収性部材26と直接接触するのが好ましいことは当然であるが、図15(e)に示すように袋体28のような体液透過性の材料を介して間接的に接触させることもできる。図示例では体液拡散部材dsが袋体28の表面層2側の面に配置されているが、袋体28を介した体液吸収性部材26との間接接触が確保できる限り、袋体28外面における他の位置に配置することもできる。
【0081】
また、体液拡散部材dsに高吸収性ポリマー26Aを固定することもでき、この場合、体液拡散部材dsと体液吸収性部材26とを隣接させなくても良い。
【0082】
体液拡散部材dsの素材としては、それがない場合と比べてその体液拡散性によりスポット吸収が緩和されるものであれば特に限定されないが、例えば、表面親水化した合成繊維(レーヨン繊維等)からなるか、または表面親水化した合成繊維(レーヨン繊維等)およびセルロース系繊維(パルプ繊維等)の両繊維からなり、坪量が30〜100g/m2、特に30〜50g/m2であり、かつJIS P 8141に規定される生理食塩水による10分後のクレム吸水度が100mm以上、特に150mm以上であり、保水能が6.0g/g以上、特に7.0g/g以上である繊維集合体シートを用いることができる。特に、レーヨン繊維のウェブをウォータージェットにより絡合した繊維集合体や、レーヨン繊維のウェブにパルプ繊維を積層し、これらをウォータージェットにより絡合した繊維集合体が好適である。
【0083】
ここで「保水能」とは、下記(1)〜(6)の手順で測定するものである。
(1) 縦110mm×横100mmのサイズに切り取ったサンプルを用意する。
(2) サンプルの未保水重量(g)を測定する。
(3) サンプルを生理食塩水の入ったバットに1分間浸漬する。
(4) 次いでサンプルを生理食塩水中から取り出し、縦方向が鉛直方向に沿う姿勢で5分間吊るす。
(5) サンプルの保水後重量(g)を測定する。
(6) 保水後重量(g)と未保水重量(g)との差を未保水重量で除した値を保水能(g/g)とする。
【0084】
他方、本実施形態で用いる袋体28は、2枚のシートを重ね合わせ周縁部相互を接合することでも形成できるが、図示のように一枚の帯状シートstを幅方向に折り畳み、周縁部相互を重ね合わせて接合するほうが容易に製造できるため好ましい。この接合は、図13に×印で示してあり、体液との接触により解離しないように、ヒートシール、高周波シールまたは超音波シールにより接合される。
【0085】
袋体28の素材としては、適宜選択することができ、少なくとも一部が不織布、孔開きフィルム等の体液透過性のものが使用される。特に、熱可塑性合成繊維を含む坪量15〜20g/m2程度の液透過性親水性不織布(公知の、スパンボンド不織布、カードウエブを接着した不織布、メルトブローン不織布、それらの混成不織布等)や、合成パルプ(三井化学社製のSWPなど)を含む坪量15〜20g/m2程度のティッシュペーパーなどが好ましく使用できる。なお、袋体28は、収縮性材27と一体化され、収縮性材27の収縮時には収縮性材27との接合部位に10〜20N程度の力がかかるので、それに耐えることができる程度の湿潤強度を有するのが望ましい。
【0086】
また図示例の袋体28は、長手方向に多数の隔室r,r…を有するものとされている(もちろん、隔室r,r…を省略することもできる)。この隔室r,r…相互を仕切る区画部分d,d…は、例えば図13(b)に断面を示すように、袋体28の長手方向に間隔をあけて袋体28の内面相互の幅方向にわたる接合により形成できる。この区画部分dの接合部分は+印により示してある。この接合により体液吸収性部材26及び収縮性材27は袋体内面間に挟まれ袋体28に対して固定されている。
【0087】
この区画部分dの接合方法としては、体液との接触により解離する接合手法を採るのが好ましい。このために、体液との接触により接着力が弱まるような接着剤、例えばポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイドなどを主成分とする水分散型ホットメルト接着剤や、デンプン糊、カルボキシメチルセルロース等の水溶性接着剤用いた接合形態を採ることができる。この場合、接着強度が体液接触時に対して体液非接触時が2倍以上となるように、接着剤の選択、接着面積・パターン(スパイラル状、直線状、曲線状等の各種線状のほか、面状、点状等)の選択等を行うのが望ましい。
【0088】
この場合、吸収材25の区画部分dが体液と接触すると、区画部分dの接合が解離するとともに、当該区画部分dの接合により固定されていた収縮性材の固定も解かれる。よって、隔室r内の高吸収性ポリマー26Aは当初の隔室容積を超えて膨張でき、いわゆるゲルブロッキングが発生しにくくなり、また収縮性材27は固定が解かれた部分において袋体28による拘束を受けずに自由に収縮できる。またこの際、収縮性材27の体液非接触部位は固定が解かれないので、収縮性材27の収縮に伴う吸収材25の収縮が確実になされる。
【0089】
ただし、かかる解離構成を採用する場合には、収縮性材27と袋体28とを、少なくとも長手方向の収縮範囲の両端部(本実施形態の場合、吸収材25の固定部位30の体液受入部分Z側における長手方向両端部である)において収縮性材27の収縮力よりも強い力をもって相互に固定する。このため本実施形態では、収縮性材27の両端部は袋体28の長手方向両端部26e,26eのシート間に挟まれ、これらシート相互を収縮性材27を含めて、ヒートシールや超音波シール等によって体液との接触により解離しないように接合している。かくして、収縮性材27の長手方向両端部は体液と接触しても固定が解かれなくなる。
【0090】
また、収縮性材27は、上記の区画部分d,d…による間欠的な固定だけでなく、必要に応じて他の部位または長手方向全体を袋体28内面に対してホットメルト接着等により固定することもできる。この固定は、体液との接触により解離するほうが好ましいが、解離しないようにすることもできる。この固定部は図13中に#印で示してある。
【0091】
他方、体液吸収性部材26としては、繊維集合体シートからなるリボン状担体26Bに高吸収性ポリマー26Aを保持させてなるものが好適に使用でき、この場合、図14(a)に示すようにポリマー26Aを担体26B外面に保持させることもできるし、図14(b)に示すように嵩高な繊維集合体シートからなる担体26Bを用い、その内部の繊維間に保持させることもできる。後者の場合さらに担体26B外面にもポリマー26Aを保持させることもできる。また前者の場合においては、少なくとも表面層2側の外面にはポリマー26Aを配置するほうが好ましい。さらに、担体26Bの繊維外面が高吸収性ポリマー層でコートされたシート状吸収性部材を用いることもできる。かかるシート状吸収性部材は、モノマー液を繊維集合体シートに含浸させた後、紫外線照射等により繊維表面のモノマー液を重合させることにより製造できる。
【0092】
ポリマー26Aを担体26B外面に保持させる場合には、ホットメルト接着剤等を用いて接着するほか、ポリマー26Aに水分を与えることにより粘着力を付与し、粘着させることもできる。また、担体26B内の繊維間にポリマー26Aを保持させる場合には、接着や粘着を用いることもできるが、単に機械的に絡ませるだけでも良い。さらに場合によっては、これらの保持手段を採らずに単に付着させるだけでも良い。いずれにせよ、少なくとも吸収材製造完了までの間、好ましくは製品が使用されて体液が膨潤するまでの間、高吸収性ポリマー26Aが担体26Bに保持されているのが望ましい。
【0093】
担体26Bとしては、親水性・疎水性を問わず使用できるが、親水性のものが好ましく、特に密度0.05〜0.1g/cm3、坪量30〜100g/m2の、親水性繊維(表面親水化した合成繊維か、あるいは表面親水化した合成繊維とセルロース系繊維との両者を含むものが好ましい。)からなる不織布シートが好ましい。
【0094】
担体26B内にポリマー26Aを保持させる場合には、嵩高な繊維集合体、具体的には密度0.03〜0.08g/cm3、坪量20〜50g/m2の、親水性繊維からなる不織布シートが好適に使用できる。
【0095】
また、高吸収性ポリマー26Aとしては、この種の使い捨て吸収性物品において用いられる、自重のたとえば20倍以上の体液を吸収して保持するものを使用できる。この例として、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などを挙げることができる。
【0096】
高吸収性ポリマー26Aの吸収特性としては10秒間で10倍以上吸収し膨潤するものが望ましい。高吸収性ポリマー26Aの形状としては、現在一般的な粉粒体状のもののほか、これに替えて若しくはこれとともに繊維状のものも用いることができる。繊維状高吸収性ポリマーは紡糸等により糸状または紐状となして使用することもできる。
【0097】
高吸収性ポリマー26Aの担体26Bへの配設量は、当該吸収性物品の吸収量の設定により決定される。本実施形態では、吸収制御材40の効果により、体液受入部分におけるスポット吸収によるゲルブロッキングが発生し難いため、袋体28内部に高吸収性ポリマー26Aを多量に、具体的には担体26Bの単位面積(1m2)当たり300g以上保持させることができる。
【0098】
かくして形成された体液吸収性部材26は、図示のように袋体28内に非固定状態で配置したり、袋体28内面または収縮性材27に対して固定したりすることもできる。図示のように袋体28内に収縮性材27を配置する場合には、これに接触させて体液吸収性部材26を配置するのが好ましく、特に図示のように袋体28内の内面下部に収縮性材27を配置するとともに、その上に体液吸収性部材26を配置して、収縮性材27を袋体28内面と体液吸収性部材26との間に挟むようにするのが望ましい。
【0099】
また体液吸収性部材26は、図示のように吸収材25の長手方向に連続する形態のほか、長さの短いものを連ねてまたは断続的に配置する形態を採ることもできる。特に上記例のように袋体28が長手方向に複数の隔室r,r…を有する場合には、隔室に体液吸収性部材26をそれぞれ相互独立した状態で配置することもできる。さらに、体液吸収性部材26は、図示のように一つの袋体あたり一本設ける形態に限られず、複数本設けることもできる。
【0100】
他方、吸収材25の収縮力を発生させる収縮性材27としては、前述した吸収制御材40に用いるものと同様のものを用いることができ、吸収材25の効率良い移動を達成するためには、1本あたり10N以上の体液吸収時収縮力を有するものを吸収材25に対して各一本以上設けるのが好ましい。
【0101】
吸収材25の製造に際しては、担体26Bに高吸水性ポリマー26Aを保持させた体液吸収性部材26を得た後、袋体形成シート上に収縮性材27と体液吸収性部材26とを配置し、当該シートを折り返して周縁部を接合する、或いは別途のシートを重ねて周縁部を接合する形態を採ることもできるし、担体26Bに高吸水性ポリマー26Aを保持させた体液吸収性部材26を得て、これを袋体形成シート上に配置し、当該シートを折り返して周縁部を接合する、或いは別途のシートを重ねて周縁部を接合した後、袋体外面に収縮性材27を固定する形態等を採ることもできる。
【0102】
さらに図16にも示すように、本実施形態では、主に吸収材25の移動スペース(吸収制御部材40が収縮により不透液範囲が縮小するものである場合には当該吸収制御部材40の移動スペースともなる)を確保するために、体液吸収性部1内、具体的には表面層2と防漏層3との間に、物品長手方向に沿って吸収材25と同程度延在する壁部材29を、吸収材25幅よりも広い間隔をおいて吸収材25の数よりも一本多く設け、これらの壁部材29,29間に吸収材25をそれぞれ配置している。しかし、本発明ではかかる壁部材29,29…を省略することももちろん可能である。
【0103】
吸収材25の移動スペース確保の場合には、壁部材29を体液吸収性部1内にホットメルト接着やヒートシール接着等を用いて固定するほうが望ましいが、そうでない場合には、固定せず単に載せ置くようにしたりすることもできる。
【0104】
壁部材29は、単なる繊維集合体やスポンジ体等であっても良いが、前述の吸収材25から収縮性材27を省略した形態、すなわち体液透過性シートからなる密閉袋体内に、体液吸収性部材26及びこれと接触する体液拡散部材dsを封入して形成したものを好適に使用することができる。壁部材29の形状は適宜定めることができるが、それらの間に吸収材25を配置することを考慮すると、図示のように細長で厚さの薄い形状が好ましい。この場合、壁部材29は倒れた状態で設けることができる。また、壁部材29における体液拡散部材dsの配設位置(図示形態では長手方向位置)と、吸収材25におけるそれとは対応させるのが望ましい。さらに壁部材29においては、体液吸収性部材26に対する体液拡散部材dsの配置は任意であるが、体液吸収性部材26の物品幅方向中央側にの配置する他、体液吸収性部材26の物品幅方向外側にのみ配置したり、両方に配置したり、さらに一つの体液吸収性部材26に対して体液拡散部材dsを複数設けたりすることもできる(図示せず)。他の構成は、変形例も含めて前述の吸収材25と同様であり、図中には同じ符号を付したので、敢えて説明は省略する。
【0105】
(機能について)
かくして構成された紙おむつにおいては、前述の図4及び図5に示す未吸収状態において一回目の排泄があると、表面層2を通過した体液は、吸収制御材40の不透液範囲によって遮られ、体液受入部分Zにおいては吸収材25に供給されずに周囲に拡散される。本実施形態では体液貯留部60及び体液拡散層50が設けられており、表面層2を透過した体液は、貯留部60により一時的に吸収保持され、そこから体液拡散層50を介して吸収材25の固定部30側へ拡散する。この体液は、体液拡散層50を通じて上昇し、吸収材25の自由部31における不透液範囲により遮られていない部位X1に優先的に供給される。
【0106】
その結果、図17及び図19に示すように、吸収材25は体液を吸収して収縮し、矢印で示すように、吸収材25の非収縮部分が固定部30側へ移動する。前述の図11等に示した吸収材25を例にとると、吸収材25に供給された体液は、高吸収性ポリマー26Aに吸収保持される一方で、一部が収縮性材27に接触することによって当該接触部分が収縮し、その結果、収縮性材27が一体化された吸収材25が収縮する。そして、本実施形態では吸収材25の一端部30が固定されているため、固定部30に設けて吸収材25,25…が収縮し、体液供給部位X1に対して、吸収材25における先に体液を吸収した部位が固定部30側へ逃げるようになり、これに代わって吸収材25の新たな部位が位置するようになる。つまり体液供給部X1に対して、吸収材25の吸収部が体液の排出に伴って更新される。
【0107】
また、筒状吸収制御材40は体液と接触してある程度すると、不透液範囲が吸収材25の固定部30側からその反対側へ減少する。より詳細には、吸収制御材40が吸収材25側と反対側の面のみ撥水処理された水溶性フィルムからなる場合、吸収材25への体液供給時に、吸収制御材40の撥水処理されていない吸収材側面も体液と接触し、これにより吸収制御材40における吸収材固定部30側の端部が溶解する結果、不透液範囲が吸収材固定部30側からその反対側へ減少する。また、吸収制御材40が収縮するタイプのものである場合には、吸収制御材40が吸収材固定部30側と反対側に収縮移動する結果、不透液範囲が固定部30側からその反対側へ減少する。さらに、吸収制御材40が所定時間以上の体液接触により撥水性を失う撥水加工を施した体液透過性シートである場合、吸収材25への体液供給位置X1側、すなわち吸収材固定部30側がより体液との接触量が多くなるため、吸収材固定部側30の端部が撥水性を失い透過部分が増加することにより、不透液範囲が吸収材固定部30側からその反対側へ減少する。
【0108】
かくして、吸収材25の収縮移動および吸収制御材40による不透液範囲の減少により、吸収材25の新たな部分X2が不透液範囲により遮られなくなる。この吸収材25の新たな部分X2は、当初吸収制御材40の不透液範囲により遮られていた部分であり、未吸収かまたは吸収余力が十分に残されている部分である。
【0109】
以降の排泄においても同様に吸収材25の移動および吸収制御材40による不透液範囲の減少が段階的に進行し、最終的には体液受入部分Zにおける吸収材25も不透液範囲により遮られなくなる。本実施形態では、少なくとも一回目の排泄では、体液受入部分Zでは吸収材25に対する体液供給がなされず、二回目以降の排泄において、体液受入部分Zにおいて吸収材25に対する体液供給がなされるのが好ましい。例えば以降の排泄においては、次のような態様を採ることができる。
【0110】
すなわち、二回目の排泄では、表面層2を通過した体液は、吸収制御材40の不透液範囲によって遮られ、体液受入部分Zにおいては吸収材25に供給されずに、貯留部60により一時的に吸収保持され、そこから体液拡散層50を通じて上昇し、一回目の排泄により不透液範囲により遮られなくなった吸収材25の自由部X2に供給される。したがって、吸収材25における主な体液吸収位置が排泄の度に自由端25f側へ切り替わるため、一回目の体液吸収の影響を受けずに、二回目の体液吸収がなされる。そしてこの二回目の排泄においても、吸収材25は体液を吸収して収縮し、吸収材25の非収縮部分が固定部30側へ移動する一方、筒状吸収制御材40による不透液範囲は吸収材固定部30側からその反対側へ減少する。その結果、図18に示すように、体液受入部分Zを含む吸収材25の新たな部分X3が不透液範囲により遮られなくなり、次の三回目の排泄で、体液受入部分Zにおける体液吸収がなされる。
【0111】
かくして、吸収材25は、吸収制御材40の不透液範囲の存在によって任意部分において優先的に体液を吸収し且つ収縮し、しかもこの優先的吸収部分が不透液範囲の減少によって符号X1〜X3で示すように、端部の固定部30側から体液未吸収または吸収余力が残存する位置に順に切り替わるため、吸収材25の全体を有効利用でき、また移動効率も高くなる。そしてその結果、長時間の快適な装着が可能となる。
【0112】
また、図示形態のように表面層2と吸収材25との間に拡散層50及び貯留部60が設けられていると、体液の拡散移動が迅速になされ、体液が表面層2を瞬時に透過するとともに、通過した体液の大部分が貯留部60に一時的に貯留され、しかる後に拡散層50を通じて拡散するため、不透液範囲の存在によって吸収材25の吸収までにある程度の時間を要するにも関わらず、表面層2の身体側への逆戻りが殆ど発生しなくなる。
【0113】
また、本実施形態のように、壁部材29,29間に吸収材25及び吸収制御材40が配置されていると、これら壁部材29,29により身体の肌に面する側からの圧力が支えられ、吸収材25の収縮スペース及び体液の流通チャンネルが確保されるため、吸収材25の確実且つ効率良い更新、ならびに体液の効率的な吸収が可能となる。
【0114】
特に本実施形態の場合、吸収制御材40による不透液範囲の存在により、表面層2を透過し体液吸収性部1内に到達した体液は、直ぐには吸収材25に吸収されないから、かかる体液流通チャンネルの確保は顕著な効果がある。
【0115】
またこの場合、吸収制御材40が収縮により不透液範囲が減少するものである場合には、その収縮のためのスペースも壁部材29によって確保される。
【0116】
さらにこの場合、壁部材29は、それが透液性であるか不透液性であるかにかかわらず、横断方向への体液拡散を抑制することにより、壁部材29に沿う方向への拡散を助長する。したがって、吸収材25の固定部30の位置に関係なく、当該固定部30側への体液拡散の確実性及び効率が向上する利点もある。
【0117】
(その他)
以上、各種の形態について述べたが、本発明の範囲内において、従来の技術の項で述べた、本出願人による先願に開示された構成を適宜選択して採用できる。
【0118】
さらに、現在市販の紙おむつでは、綿状パルプ(フラッフパルプ)を主体とし、ある程度の剛性を有する(半剛性の)長方形の吸収コアをクレープ紙で包むなどして形成した非収縮吸収材が、体液吸収性部内に備え付けられている。前述の収縮移動吸収材25は、この非収縮吸収材とともに設けることができ、この場合収縮移動する吸収材25は、非収縮吸収材の内外の適宜の位置、具体的には、表面層とクレープ紙との間、クレープ紙と吸収コアとの間、吸収コアの内部、クレープ紙と防漏層との間など、適宜の位置に配置することができる(図示せず)。
【0119】
【発明の効果】
以上のとおり本発明によれば、吸収材を効率良く移動させ、より広範な範囲を吸収に利用しうる体液吸収性物品となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る使い捨て紙おむつ例の展開状態における表面層側平面図である。
【図2】 図1のII−II断面概略図である。
【図3】 図1のIII−III断面概略図である。
【図4】 紙おむつの縦断面概略図である。
【図5】 吸収材及び吸収制御材の配置を示す平面概略図である。
【図6】 他の吸収制御材の例を示す平面図である。
【図7】 別の吸収制御材の例を示す要部斜視図である。
【図8】 他の吸収制御材の例を示す平面図である。
【図9】 別の吸収制御材の例を示す平面図である。
【図10】 他の吸収制御材の例を示す平面図である。
【図11】 吸収材の平面図である。
【図12】 吸収材の要部斜視図である。
【図13】 吸収材の(a)隔室部分の断面概略図、ならびに(b)区画部分の断面概略図である。
【図14】 体液吸収性部材の概略を示す拡大断面図である。
【図15】 吸収材の各種形態を示す断面概要図である。
【図16】 要部拡大縦断面図である。
【図17】 1回目の排泄後、2回目の排泄前の状態を示す縦断面概略図である。
【図18】 2回目の排泄後、3回目の排泄前の状態を示す縦断面概略図である。
【図19】 1回目の排泄後、2回目の排泄前の状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1…体液吸収性部、2…表面層、3…防漏層、20…透過拡散層、21…透過抑制層、25…吸収材、26…体液吸収性部材、26A…高吸収性ポリマー、26B…担体、27…収縮性材、28…袋体、29…壁部材、30…固定部、40…吸収制御材、50…体液拡散層、60…体液貯留部、r…隔室、d…区画、ds…体液拡散部材。

Claims (13)

  1. 体液吸収性部内に、体液の吸収保持機能および体液との接触による収縮機能を有する吸収材を有し、
    前記吸収材は物品に対して固定された固定部と、物品に対して固定されていない自由部とを有し、
    前記吸収材と体液との接触を遮る不透液範囲を有し、かつこの不透液範囲が体液の排泄がある度に前記吸収材の固定部側から自由部側へ向かって減少する吸収制御材を有する、
    ことを特徴とする体液吸収性物品。
  2. 身体の肌に面する側に設けられた液透過性の表面層、身体の肌から遠ざかる側に設けられた防漏層、および両者の間に設けられた体液吸収性部を有し、
    前記不透液範囲は、少なくとも、排泄体液が最初に表面層を透過する範囲として定まる体液受入部分における前記吸収材と体液との接触を遮るものである、請求項1記載の体液吸収性物品。
  3. 前記吸収材は細長状をなし、且つその一端部が物品に対して固定されており、
    前記吸収制御材は、周方向および長手方向に連続する不透液範囲を有する筒状材であり、且つその内空に前記吸収材が挿入されている、請求項1または2記載の体液吸収性物品。
  4. 前記吸収制御材は、体液の排泄がある度に前記吸収材の固定部側の端部が溶解する不透液性水溶性材である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
  5. 前記吸収制御材は、吸収材側面が撥水処理されておらず且つその反対面が撥水処理されている水溶性フィルムである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
  6. 前記筒状の吸収制御材は、湿潤によりその面積が50%以上収縮する不透液性シートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
  7. 前記吸収制御材が、体液との接触により収縮する収縮性材を一体化した不透液性シートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
  8. 前記吸収制御材が、所定時間以上の体液接触により撥水性を失う撥水加工を施した体液透過性シートからなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
  9. 前記吸収制御材が、少なくとも前記吸収材の自由部における固定部側の端部と体液との接触を遮らないように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
  10. 前記体液受入部分から前記吸収材の自由部における固定部側の端部まで延在する体液拡散層を有する、請求項1〜9記載の体液吸収性物品。
  11. 前記体液受入部分に、前記体液拡散層と接する体液貯留部を有する、請求項10記載の体液吸収性物品。
  12. 前記体液拡散層は、JIS P 8141に規定される「紙及び板紙のクレム法による吸水度試験方法」によるクレム吸水度が10分で100mm以上の繊維集合体シートからなるものである、請求項10または11記載の体液吸収性物品。
  13. 前記体液吸収性部内に所定の間隔をあけて壁部材が複数配置されており、これら壁部材間に前記吸収材及び吸収制御材が配置されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
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