JP2007144105A - 使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた横漏れ防止性能が得られ、また、着用時における股下部の吸収性本体の幅を狭めてフィット性の向上を図ることができる使い捨ておむつを提供すること。
【解決手段】吸収性本体5の両側に防漏カフ6が形成され、吸収性本体5は、その両側縁部5cよりもおむつ幅方向内側に、防漏カフ形成用シート60との固定部67を有し且つ該固定部67よりもおむつ幅方向外側に、側部立ち上げ用の弾性部材66が配されており、吸収体4は、低剛性吸収体41と高剛性吸収体42とを具備し、該吸収体のおむつ幅方向中央部に、高剛性吸収体41が配されて高剛性領域Mが形成され、該領域Mの両側に低剛性吸収体42が配された低剛性領域S,Sが形成され、おむつ着用時に低剛性領域S,Sが着用者の肌側に向けて起立する。
【選択図】図4

Description

本発明は、防漏性能に優れた使い捨ておむつに関する。
特開平11−104170号公報(特許文献1)には、三日月型の大きな防漏カフを取付けることで、体液漏れを防止する使い捨ておむつが記載されている。また、特開平3−123553号公報(特許文献2)には、中央部に平坦に位置する第1の吸収体の両側に起立する第2の吸収体を配置した使い捨ておむつが記載されている。
特開平11−104170号公報 特開平3−123553号公報
特許文献1記載のおむつは、防漏カフを高くすることで、股下部の着用者とおむつとの隙間をなくすことが、ある程度可能であるが、防漏カフが高いために、装着時に防漏カフが体へ押し当てられ潰されたり、倒れたりすることがある。それにより、着用者に、装着時の違和感を与えてしまう。また、防漏カフは幅方向に倒して固定するので、防漏カフの長手方向の両端部では液吸収ゾーンを防漏カフが覆うことになる。この防漏カフの高くすることで、親水幅を確保することが困難となる。結局、お腹漏れ、横漏れ防止性能を充分に向上させることが難しい。特に、吸収体幅を狭くするおむつ製品では、性能向上が困難となる。
特許文献2記載のおむつは、防漏カフとして、第2吸収体を配置することで、排泄物が漏れ防止手段を超えて、外部へ漏れ出すのを防止しようとするものである。これは第1の吸収体で吸収中に流れ出そうとする排泄物が、第2吸収体でせき止めようとするが、多量の尿が短時間にまとまって高速で排泄されたり、吸収されにくい水状便や軟便等が排泄された場合には、それらが、第2の吸収体を越えて漏れ出す恐れがある。即ち、第2吸収体を超えた排泄物は、サイドフラップに流出し、このサイドフラップ部に流出した排泄物は、そこに溜まっていられず、漏れに至ってしまう。
本発明の目的は、優れた横漏れ防止性能が得られ、また、着用時における股下部の吸収性本体の幅を狭めてフィット性の向上を図ることができる使い捨ておむつを提供することにある。
本発明は、表面シート及び吸収体を有する吸収性本体と、該吸収性本体の非肌当接面側に位置する外装体とを具備し、股下部並びにその前後に延在する腹側部及び背側部を有する使い捨ておむつであって、前記吸収性本体の両側それぞれに、前記股下部において起立する防漏カフが形成されており、前記股下部における前記吸収性本体は、該吸収性本体の両側縁部よりもおむつ幅方向内側に、防漏カフ形成用シートとの固定部を有し、且つ該固定部よりもおむつ幅方向外側に、該吸収性本体の側部立ち上げ用の弾性部材が伸張状態で配されており、前記吸収体は、おむつ幅方向の曲げ剛性が相対的に低い低剛性吸収体とおむつ幅方向の曲げ剛性が相対的に高い高剛性吸収体とを具備してなり、該吸収体のおむつ幅方向中央部に、前記高剛性吸収体が配されて高剛性領域が形成され、該吸収体における該高剛性領域の両側に、前記低剛性吸収体が配され低剛性領域が形成されており、おむつ着用時に、該低剛性領域が、着用者の肌側に向けて起立するようになされている使い捨ておむつを提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明の使い捨ておむつによれば、優れた横漏れ防止性能が得られ、また、着用時における股下部の吸収性本体の幅を狭めてフィット性の向上を図ることができる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の一実施形態としての使い捨ておむつ1は、図1に示すように、パンツ型のおむつである。おむつ1は、図2〜図4に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性又は撥水性の裏面シート3及び両シート2,3間に位置する液保持性の吸収体4を有する吸収性本体5と、該吸収性本体5の外側(非肌当接面側)に位置して該吸収性本体5を接合固定している外装体10とを具備する。おむつ1は、着用者の股間部に配される股下部Cと、その前後に延在する腹側部A及び背側部Bを有している。腹側部Aは着用時に着用者の腹側に配され、背側部Bは着用時に着用者の背側に配される。
外装体10は、図1に示すように、腹側部Aに位置する部分の両側縁部と背側部Bに位置する部分の両側縁部とが、ヒートシール、高周波シール、超音波シール等の公知の接合手段により互いに接合されて一対のサイドシール部が形成されている。また、その接合によって、おむつ1に、ウエスト開口部7及び一対のレッグ開口部8,8が形成されている。
腹側部A、背側部B及び股下部Cは、展開且つ伸張状態(図2に示す状態)におけるおむつを、その長手方向の全長を略3等分するように3領域に区分したときの各領域である。
図2に示すように、吸収性本体5は縦長矩形状をなし、その長手方向を、おむつ前後方向(図2の上下方向,以下、おむつ長手方向ともいう)に一致させ、腹側部Aから背側部Bに亘るように、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により外装体10の幅方向(おむつ長手方向に対して直交する方向、図2の左右方向、以下、おむつ幅方向ともいう。)中央部に接合されている。
外装体10は、図3に示すように、2枚のシート11,12と、これら2枚のシート間に固定された各部の弾性部材とからなる。おむつ1においては、図2に示すように、2枚のシート11,12間に、ウエスト開口部7の周縁部にウエストギャザーを形成するウエスト部弾性部材71,レッグ開口部8の周縁部にレッグギャザーを形成するレッグ部弾性部材81,及びウエスト開口部7の周縁端から下方に20mm離間した位置からレッグ開口部8の上端までの領域である胴回り部Dに左右に分割された状態の胴回りギャザーを形成する胴回り弾性部材91がそれぞれ伸張状態で固定されている。各弾性部材71、81、91はホットメルト型接着剤等の接合手段により接合されている。
外装体10を構成するシート11及びシート12は、何れも通気性の不織布から構成されている。シート11は、おむつ前後方向において、シート12の前後端縁から延出した延出部を有し、それらの延出部はそれぞれ、外装体10のシート12上に吸収性本体5が配置された後、該吸収性本体5の前後端を覆うように該吸収性本体5側に折り返されて接着されている。それにより、吸収性本体5は、外装体10に良く固定されている。
本実施形態のおむつ1における吸収体4は、図2〜図4に示すように、吸収体4の非肌当接面側に配された下部吸収体41と、吸収体4の肌当接面側に配された上部吸収体42とからなる。上部吸収体42は、下部吸収体41の肌当接面側に配されている。
下部吸収体41と上部吸収体42は、おむつ幅方向における曲げ剛性が異なっており、具体的には、下部吸収体41の方が上部吸収体42よりも曲げ剛性が小さくなっている。即ち、下部吸収体41が、曲げ剛性が相対的に低い低剛性吸収体であり、上部吸収体42が、曲げ剛性が相対的に高い高剛性吸収体である。吸収体の肌当接面側とは、吸収体の両面のうち、着用時に着用者の肌側に向けられる面側であり、吸収体の非肌当接面側とは、吸収体の両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面側である。
本実施形態における吸収体4は、腹側部A及び背側部Bにおいては、上部吸収体42の幅と下部吸収体の幅とがほぼ同じであるが、股下部Cにおいては、上部吸収体42の幅が、下部吸収体41の幅よりもかなり狭くなっている。
そのため、股下部Cにおける吸収体4のおむつ幅方向の中央部には、下部吸収体41と上部吸収体42とが積層された構造の高剛性領域Mが形成され、該吸収体4おける、該高剛性領域Mの左右両側それぞれには、高剛性領域Mからおむつ幅方向外方に延出した下部吸収体41からなる低剛性領域Sが形成されている。
高剛性領域Mの両側に存する低剛性領域Sは、高剛性領域Mを構成する2つの吸収体のうちの一方が延出して形成されているのみならず、その延出した一方の吸収体(下部吸収体)が、上述したように、剛性が低い低剛性吸収体であるため、低剛性領域Sと高剛性領域Mとの間に大きな剛性差が生じており、そのため、低剛性領域Sは、低剛性領域Sと高剛性領域Mの境界部において、弾性部材66の作用等によって、図4に示すように、おむつ着用時に、着用者の肌側に向けて容易に起立する。このように低剛性領域Sのみが起立し、高剛性領域Mは不動であるため、吸収体本体は排尿部を包み込むように舟形の立体形状を形成する。
低剛性領域Sを良好に起立させる観点、高剛性領域Mの作用により股間部における吸収体のよれを防止する観点及び低剛性領域Sと高剛性領域Mの幅を最適化し、吸収体本体に排尿部を包み込む理想的な立体形状を形成させる観点から、低剛性領域Sの幅W1(図2参照)は、吸収体4の全幅W(図2参照)の10〜40%であることが好ましく、20〜30%であることが好ましい。また、幼児用のおむつにおいて、低剛性領域Sの幅W1は、1〜6cm、特に2〜5cmが好ましく、高剛性領域Mの幅W2(図2参照)は、2〜12cm、特に4〜10cmが好ましい。成人用のおむつにおいては、低剛性領域Sの幅W1は、2〜10cm、特に4〜8cmが好ましく、高剛性領域Mの幅W2は、6〜22cm、特に10〜18cmが好ましい。
下部吸収体(低剛性吸収体)41は、おむつ幅方向の曲げ剛性値が、上部吸収体(高剛性吸収体)42よりも10〜50g、特に20〜40g小さいことが好ましい。また、下部吸収体(低剛性吸収体)41は、おむつ幅方向の曲げ剛性値が、50g以下、特に40g以下であることが好ましく、上部吸収体(高剛性吸収体)42は、おむつ幅方向の曲げ剛性値が30〜80g、特に40〜70gであることが好ましい。
下部吸収体(低剛性吸収体)41及び上部吸収体(高剛性吸収体)42のおむつ幅方向の曲げ剛性は、以下のようにして測定することができる。
<おむつ幅方向の曲げ剛性値の測定方法>
曲げ剛性値はハンドルオ・メーターにより測定することができる。ハンドルオ・メーターによる測定方法は日本工業規格「JIS L―1096(一般織物試験方法)」に準じる。幅30mmの溝を刻んだ支持台上に、おむつ長手方向に100mm、おむつ幅方向に100mmに切断した正方形状の吸収体を、おむつ長手方向に相当する方向が、溝が延びる方向と平行となるように配置する。吸収体の中央を厚み2mmのブレードで押し、吸収体が8mm押し込まれる時の抵抗値(g)をロードセルにて測定する。本発明で用いた装置は、大栄科学精器製作所製、風合い試験機(ハンドルオ・メーター法)HOM―2型である。3点の平均値を測定値とする。
尚、下部吸収体(低剛性吸収体)41は、おむつ長手方向の曲げ剛性値も、上部吸収体(高剛性吸収体)42よりも小さいことが好ましい。おむつ長手方向の曲げ剛性値は、100mm×100mmに切断した吸収体を、おむつ長手方向に相当する方向が溝が延びる方向と直交するように支持台上に配置する以外は、おむつ幅方向の曲げ剛性値の測定と同様にして測定する。
尚、本実施形態における吸収体4は、全体として、おむつ前後方向に縦長の矩形状の平面視形状を有している。また、吸収体4は、その全体が、ティッシュペーパーや透水性の不織布からなる透水性の被覆シート(図示略)で被覆された状態で、表面シート2と裏面シート3との間に固定されている。また、本実施形態における表面シート2は、吸収体4の両側縁部よりも延出する部分が、吸収体4の非肌当接面に巻き下げられており、吸収体の非肌当接面側において、裏面シート3に図示しない接着剤等により固定されている。尚、下部吸収体41及び上部吸収体42は、そのそれぞれが各々被覆シートで被覆されていても良い。下部吸収体41と上部吸収体42との間は、接着剤により部分的に接着されていても良いし、接着されていなくても良い。
吸収性本体5の長手方向の両側それぞれには、おむつ長手方向へ延びるように防漏カフ6が設けられている。
防漏カフ6は、図3及び図4に示すように、防漏カフ形成用シート60、及び該防漏カフ形成用シート60に伸張状態で固定された弾性部材61によって形成されている。
防漏カフ形成用シート60は、吸収性本体5の両側縁部5cを覆うように配されていることが好ましい。ここで、吸収性本体5の両側縁部を覆うようにとは、股下部に起立性を有する防漏カフを形成でき、該防漏カフの存在によって、吸収性本体の側縁部が装着者の肌に直接接触しにくくなっていることをいう。
より具体的には、防漏カフ形成用シート60は、展開且つ伸張状態(図2参照)のおむつ1における腹側部A及び背側部B(好ましくは更に股下部C)において、おむつの吸収性本体5の肌当接面側5aから非肌当接面側5bに亘るように配されていることが好ましい。また、防漏カフ形成用シート60は、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおいて、吸収性本体5の肌当接面側5aに固定されていることが好ましい。このような構成により、防漏カフが吸収性本体の両側部を包み込み易くなって防漏性が向上する。肌当接面側5aとは、吸収性本体5の両面のうち、着用時に着用者の肌側に向けられる面側であり、吸収性本体5の非肌当接面側5bとは、吸収性本体5の両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面側である。
防漏カフ6は、図4に示すように、少なくとも股下部Cにおいて起立可能である。防漏カフ6の自由端62近傍には、複数本の弾性部材61が自由端62に沿って固定されている。防漏カフ形成用シート60は、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおいて、2ヶ所の折り曲げ部64、65で折り曲げられて三つ折り状態で、吸収性本体5の肌当接面側の面上に公知の接合手段(ヒートシール、接着剤等)63により固定されている。
本実施形態においては、防漏カフ形成用シート60として、所定幅の帯状の撥水性シート一枚を、その長手方向に沿う折り曲げ線で二つ折りして、相対向する層間をホットメルト型接着剤又は部分的な熱又は超音波シール等で接合した2層構造のシートを用いている。弾性部材61は、この2層構造シートの層間に伸張状態で固定されている。
股下部Cにおける吸収性本体5は、図4に示すように、該吸収性本体5の両側縁部5cよりもおむつ幅方向に対して内側の部位に、防漏カフ6の固定端を形成する、防漏カフ形成用シート60との固定部67を有する。固定部67は、ヒートシール、高周波シール、超音波シール、ホットメルト型の接着剤等の公知の接合手段により、防漏カフ形成用シート60と巻き下げられた表面シート2の延出部とを接合して形成されている。
また、吸収性本体5における、固定部67よりもおむつ幅方向外側の部位に、該吸収性本体の側部立ち上げ用の弾性部材66が伸張状態で配されている。
弾性部材66は、吸収性本体5の両側縁部に、各側縁部に沿って且つ腹側部Aと背側部Bとの間に亘るように配されている。本実施形態における弾性部材66は、吸収性本体5の両側縁部に配されているが、固定部67よりも外側であれば、配設部位は特に制限されず、吸収体4とその肌当接面側に位置する表面シート2との間、吸収体4と裏面シート3との間、吸収体4の被覆シート(図示略)内部等に配することもできる。これらの2カ所以上に配することもできる。但し、吸収性本体5の両側縁部又はその近傍に配することが好ましい。
固定部67は、吸収性本体5の両側縁部5cから5〜50mm、特に10〜30mm程度、おむつ幅方向内側に入り込んだ部位に存在することが好ましい。
図4に示すように、股下部Cの幅方向において、防漏カフ6の固定端の位置P1は、前記高剛性領域Mの両側縁部の位置P2と略一致していることが好ましい。防漏カフ6の固定端は、防漏カフ6の自由端とは反対側に存する、吸収性本体5と防漏カフ形成シート60とが接合されている箇所である。位置P1とP2とが略一致していることによって、吸収性本体5の両側部の立ち上がり性が一層向上し、吸収体本体は排尿部を包み込む理想的な立体形状をより形成し易くなることから漏れ防止性能が一層向上する。
位置P1とP2とが略一致しているという表現には、位置P1と位置P2とが完全に一致している場合の他、製造時の精度誤差も考慮し、両位置P1,P2間の距離L(図4参照)が10mm以内である場合も含まれる。上述した低剛性領域Sの幅W1、高剛性領域Mの幅W2、吸収体の幅W、固定部67の吸収性本体5の両側縁部5cからの距離、前記位置P1,P2間の距離等の好ましい数値範囲は、展開且つ伸長状態にした状態のおむつ幅方向中央線(おむつの長手方向全長を2等分し幅方向に延びる中央線)の位置(図2中のII−II線の位置)において測定するものとする。
本実施形態のおむつ1によれば、低剛性領域Sが容易に屈曲して起立することに加えて、弾性部材66及び吸収性本体5と防漏カフ形成シート60との固定部が特定の位置にあること等によって、吸収体4における起立した低剛性領域Sないし起立した吸収性本体の両側部間に、肌当接面側に向けて凹状のポケット構造が形成される。そのポケット構造は、排泄物の漏れだしが生じにくく、また、多量の尿が短時間にまとまって排泄されたり、吸収されにくい水状便や軟便等が排泄された場合等にも、その凹状のポケット構造から排泄物が漏れだし難い。また、凹状のポケットから漏れ出した場合であっても、吸収性本体5の側縁部を覆う防漏カフ6が存在するため、おむつからの漏れだしが阻止される。即ち、排泄物が、股下部において起立した吸収性本体の側縁部を超えてしまった場合でも、この防漏カフがその外側に位置して、それ以上の排泄物の漏れを防止することができるので漏れ性能に優れている。また、防漏カフ6によって、吸収性本体の側縁部が着用時に装着者の肌に直接接触しにくくなっているため、装着時の違和感を防止することもできる。
また、股下部Cは、装着者の動き等によって左右からの圧迫を特に受け易い部分であるため、当該部分において、装着者の動きによって左右から加わった圧迫力が、吸収体4の両側部が起立することにより緩和されるため、吸収体4のパッドスタビリティ(ヨレ防止効果など)も向上させることができる。更に、吸収体4の幅方向中央部に高剛性領域Mが存在することにより、吸収体4のパッドスタビリティ(ヨレ防止効果など)は更に向上する。
また、本実施形態のおむつ1によれば、横漏れ防止性能を飛躍的に向上させることができるため、防漏性能を向上させ、或いは低下を抑制しつつ、吸収性本体の幅や股下部の幅を狭くしてフィット性の向上を図ることができる。このような効果は、股下部Cにおける防漏カフ6が、着用者の肌に向かって大きく起立し、充分な高さを確保することができると共に、潰れても実質的な液吸収面を狭くしにくいことと相俟って一層確実に奏される。
股下部の幅を狭くした使い捨ておむつとしては、例えば、以下に示す条件を満たす使い捨ておむつを特に好ましい例として例示できる。吸収体4の幅;背側部B及び腹側部Aそれぞれにおける最大幅が60〜140mm、特に80〜120mm、股下部Cにおける最大幅が50〜140mm、特に70〜120mm。本実施形態のおむつ1における吸収性本体5は、その両側縁部それぞれから所定幅、おむつ幅方向内側に入り込んだ部位に外装体10との接合部9を有している。
本発明において用いる低剛性吸収体は、おむつ幅方向における液の拡散速度が、おむつ長手方向における液の拡散速度よりも速いことが、おむつ前端部にまで液が到達するまでに時間がかかり前漏れ防止性能が向上する点から好ましい。
特定方向の液の拡散速度を高めるには、方向性のある溝などをエンボス加工等により形成することもできるが、構成繊維の当該方向に配向しているものを用いることが好ましい。液の拡散速度がおむつ幅方向とおむつ長手方向の何れが高いかは、例えば、各方向に長い試験片を切り出し、それぞれのクレム吸水高さを測定して比較することにより判断できる。
また、吸収体の起立部分での液の拡散性を高め、股下部に液が滞留するのを防ぐためには、繊維の配向方向はおむつ長手方向に設定することが好ましい。この場合、前漏れ防止性能を維持、向上するために、少なくとも低剛性吸収体に用いる高吸収性ポリマーとして後述の特性を有する高吸収性ポリマーを用いること、あるいはまた、吸収性物品の長手方向前側半分の吸収容量あるいは高吸収性ポリマー量を増量あるいは偏在させることが好ましい。
低剛性吸収体及び高剛性吸収体としては、相互に曲げ剛性が異なる各種の吸収体を特に制限なく用いることができるが、それぞれ、繊維集合体又はこれに吸水性ポリマーを担持させたもの等を用いることができる。低剛性吸収体及び高剛性吸収体を構成する繊維としては、従来吸収体の構成材料として、公知のものを特に制限なく用いることができ、例えば、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、酢酸セルロース等の親水性繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル、ポリアミド等の縮合系繊維等を用いることできる。また、吸水性ポリマーとしては、各種公知のものを特に制限なく用いることができ、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、(でんぷん−アクリル酸)グラフト共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアスパラギン酸等が挙げられる。吸水性ポリマー及び繊維は、それぞれ一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。吸収体中の吸水性ポリマー及び繊維の合計含有量は70〜100%、特に80〜100%であることが好ましい。
低剛性吸収体としては、親水性を有する長繊維のウエブを含み、該長繊維は10〜90%の捲縮率を有し且つ該低剛性吸収体の平面方向に配向しているものを用いることが好ましい(以下、この吸収体を長繊維吸収体ともいう)。長繊維吸収体は、フラップパルプを主体とする吸収体に比して曲げ剛性値が低いため、おむつ1が脚周りに対して与える感触が軟らかくなり、装着感に優れた使い捨ておむつとなる。また、短繊維のウエブからなる吸収体は、その繊維の絡みが少なく近傍の繊維同士の間に働く交絡力が弱いため、圧縮力を受けると力のかかる方向に繊維が移動しやすく、圧縮力による負荷が除かれた後、吸収体の形状が復元しにくいが、長繊維吸収体は、近傍の繊維同士が絡み、繊維が移動しにくいため、圧縮力を受けても繊維は移動しにくく、圧縮力による負荷が除かれた後、吸収体の形状が復元しやすく、漏れ防止性能に優れる。特に、吸収体の形状保持性に優れ、起立状態を長時間保つとの観点から、吸収体本体両側縁部より起立する吸収体部に長繊維吸収体を用いることは有用である。
長繊維吸収体としては、高吸収性ポリマーを含まないものを用いることもできるが、長繊維のウエブ中に高吸収性ポリマーが埋没担持されている長繊維吸収体を用いることがより好ましい。高吸収性ポリマーが担持されているものを用いると、吸収容量が増加し漏れ防止性能が向上するので好ましい。
他方、高剛性吸収体としては、フラッフパルプの積繊物、フラッフパルプと高吸収性ポリマーの粒子との混合積繊物、フラッフパルプと熱融着性合成繊維を混合し熱処理により一体化した混合積繊物、フラッフパルプ、高吸収性ポリマーの粒子と熱融着性合成繊維を混合し熱処理により一体化した混合積繊物、エンボス処理を施したフラッフパルプの積繊物、エンボス処理を施したフラッフパルプと高吸収性ポリマーの粒子との混合積繊物、水散布処理を施したフラッフパルプと高吸収性ポリマーの粒子との混合積繊物等を用いることができる。このうち、フラッフパルプと高吸収性ポリマーの粒子との混合積繊物を用いることが、安価で且つ比較的簡易な設備で製造できる点、十分な吸収容量を有し漏れ防止性能に寄与する点から好ましい。高剛性吸収体中のフラップパルプの含有量は、例えば20〜80質量%とすることができる。
本実施形態のおむつ1の他の構成材料としては当該技術分野において通常用いられているものを特に制限なく用いることができる。例えば表面シート2としては、親水性且つ液透過性の不織布や、開孔フィルムを用いることができる。裏面シート3としては、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート材等を用いることができる。防漏カフ形成用のシート60としては、スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド等からなる多層構成の複合不織布、スパンボンド不織布、ヒートボンド不織布、エアスルー不織布等を用いることができ、柔軟性、耐水性などの点からスパンボンド、メルトブローンとからなる多層構造の不織布、坪量が12g/m2程度の不織布が好ましい。
防漏カフ形成用シートは、JIS L1092(1998年度)繊維製品の防水性試験方法における、耐水度試験(低水圧法)に準じて測定した耐水圧が3cm以上であることが好ましく、より好ましくは5cm以上である。耐水圧の測定の際には、水を入れた水準装置を10±0.5cm/minの速度で上昇させ、試験片の裏側に3カ所から水がでたことを目視にて観察し、その時点の水位を測定する。尚、試験片の取り付けが完了したら遅滞なく測定する。防漏カフ形成用の弾性部材61の形態としては、糸状のもの(糸ゴム等)、所定幅の帯状のもの(平ゴム等)等が好ましく、特に糸状のものが好ましい。弾性部材61の素材としては、天然ゴム、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ウレタン等を挙げることができる。弾性部材66,71,81,91の形態としては、糸状のもの及び所定幅の帯状のもの、更には薄膜状のもの等を用いることもできる。それらの素材としては、弾性部材61の素材として記載のものを用いることができる。
図5は、本発明の他の実施形態の使い捨ておむつにおける吸収体を示す図であり、図5中、吸収体の部分Aは、使い捨ておむつの腹側部Aに配される部分、部分Bは背側部Bに配される部分、部分Cは股下部Cに配される部分である。
図5(a)に示す吸収体4は、下部吸収体41が背側部Bにおいても高剛性領域Mから延出して低剛性領域Sを形成している。図5(b)に示す吸収体4においては、下部吸収体41と上部吸収体42との間に中間吸収体43が配されおり、最も剛性の高い上部吸収体42と最も剛性の低い下部吸収体41とがそれぞれ高剛性吸収体と低剛性吸収体に該当する。図5(c)に示す吸収体4においては、下部吸収体41が腹側部Aから背側部Bに亘る吸収体の長手方向の全域において高剛性領域Mから延出して低剛性領域Sを形成している。図5(d)及び図5(e)に示す吸収体4においては、下部吸収体41が主として腹側部A及び背側部Bにおいて高剛性領域Mから延出して低剛性領域Sを形成している。
このような吸収体4を具備する使い捨ておむつにおいても、低剛性領域Sが起立し易く、漏れ防止性能が向上する。
図6は、本発明の更に他の実施形態の使い捨ておむつにおける吸収体のみを示す図である。図6に示す吸収体4Aにおいては、高剛性領域M及び低剛性領域Sが、腹側部Aから背側部Bに亘る吸収体4Aの長手方向の全域に亘って形成されている。
吸収体4Aにおいては、高剛性吸収体42Aと該高剛性吸収体42Aよりもおむつ幅方向の剛性の小さい低剛性吸収体41Aとが、吸収体4Aの平面方向に並べて配置されている。そして、これらが被覆シートに包まれている。
図5及び図6に示す各吸収体は、図1〜図4に示した使い捨ておむつ1の吸収体に代えて用いることができる。図5及び図6に示す各吸収体における下部吸収体41及び低剛性吸収体41Aの構成材料としては、上述した使い捨ておむつ1における下部吸収体と同様のものを用いることができ、図5及び図6に示す各吸収体における上部吸収体42及び高剛性吸収体42Aの構成材料としては、上述した使い捨ておむつ1における上部吸収体と同様のものを用いることができる。
以下、低剛性吸収体として特に好ましい長繊維吸収体について説明する。
図7は、長繊維吸収体の一例を示す模式断面図である。図7に示す長繊維吸収体101は、主として長繊維のウエブ(以下、ウエブという)102及び高吸収性ポリマーの散布層(以下、ポリマー層という)103を備えている。長繊維吸収体101はウエブ102を複数備えており、ウエブ102,102間にポリマー層103が位置している。ウエブの層数は3層以上とすることもできる。
親水性を有する長繊維には、本来的に親水性を有する長繊維、及び本来的には親水性を有さないが、親水化処理が施されることによって親水性が付与された長繊維の双方が包含される。好ましい長繊維は本来的に親水性を有する長繊維であり、特にナイロンやアクリル、アセテートやレーヨンの長繊維が好ましい。とりわけ水分率が10%未満の繊維であるアセテートは湿潤しても嵩高性が保持されるので特に好ましい。アセテートとしては、セルローストリアセテート及び/又はセルロースジアセテートを用いることが好ましい。ここで、水分率は25℃、相対湿度65%の環境下で測定した値である。
長繊維としては捲縮しているものを用いる。長繊維はその捲縮率(JIS L0208)が10〜90%であり、好ましくは10〜60%であり、より好ましくは10〜50%である。捲縮した長繊維からウエブを形成することで、該ウエブ中に高吸収性ポリマーを安定的に且つ多量に埋没担持することが容易となる。捲縮を有さないか、又は捲縮の程度が小さい長繊維のみからウエブを構成し、これを吸収体として用いると、高吸収性ポリマーを多量に用いた場合にその極端な移動や脱落が起こりやすい。逆に捲縮率が高すぎる長繊維を用いると、長繊維間に高吸収性ポリマーを入り込ませるのが容易でなく、やはり高吸収性ポリマーを多量に用いた場合にその極端な移動や脱落が起こりやすい。長繊維を捲縮させる手段に特に制限はない。また、捲縮は二次元的でもよく或いは三次元的でもよい。捲縮率は、長繊維を引き伸ばしたときの長さAと、元の長繊維の長さBとの差の、伸ばしたときの長さAに対する百分率で定義され、以下の式から算出される。
捲縮率=((A−B)/A)×100 (%)
元の長繊維の長さとは、長繊維が自然状態において、長繊維の両端部を直線で結んだ長さをいう。自然状態とは、長繊維の一方の端部を水平な板に固定し、繊維の自重で下方に垂らした状態をいう。長繊維を引き伸ばした時の長さとは、長繊維の捲縮がなくなるまで伸ばした時の最小荷重時の長さをいう。長繊維の捲縮率は前述の通りであり、捲縮数は1cm当たり2〜25個、特に4〜20個、とりわけ10〜20個であることが好ましい。
埋没担持とは、高吸収性ポリマーが、捲縮した長繊維によって形成される空間内に入り込んで、着用者の激しい動作によっても該ポリマーの極端な移動や脱落が起こりにくくなっている状態を言う。このとき、長繊維は高吸収性ポリマーに絡みつき、あるいは引っ掛かりを生じ、あるいはまた、高吸収ポリマーは自身の粘着性により長繊維に付着している。長繊維が形成する空間は、外部から応力を受けても変形しやすく、また、長繊維全体で応力を吸収することができるので、空間が破壊されるのを防いでいる。高吸収性ポリマーは、その一部がウエブ102中に埋没担持されている。長繊維吸収体101の製造条件によっては高吸収性ポリマーのほぼ全部がウエブ102中に均一に埋没担持される場合もある。
高吸収性ポリマーの厚み方向の分布は変更可能であり、本発明は高吸収性ポリマーがウエブ2の厚さ方向に関して偏倚して埋没担持されているものを含む。特に、肌当接面側に低剛性吸収体として長繊維のウエブ中に高吸収性ポリマーが埋没担持されている吸収体を用いた場合、高吸収性ポリマーはウエブ中において、ウエブの肌非対向面側に偏倚して埋没担持されている。それにより、おむつトップシートの感触を損なわず、また、液の拡散性が高く吸収体全体での液の吸収性が高いことから、使い捨ておむつの吸収体として好適である。高吸収性ポリマーの存在量は、ウエブの厚み方向に関して連続的に変化していてもよく、或いは段階的に変化していてもよい。このように高吸収性ポリマーをウエブの肌非対向面側に偏倚させる場合は、ウエブ中の高吸収性ポリマーの充填密度が上昇するため、後述する通液性の高い高吸収性ポリマーを用いることが好ましい。
長繊維の繊維径に特に制限はない。一般に1〜10dtex、特に1.7〜7.8dtexの長繊維を用いることが好ましい。また、吸収体に耐よれ性やクッション性を付与したい場合は、特に2.1〜7.2dtexの繊維を用いることが好ましい。長繊維
吸収体における長繊維とは、繊維長をJIS L1015の平均繊維長測定方法(C法)で測定した場合、好ましくは70mm以上、更に好ましくは80mm以上、一層好ましくは100mm以上である繊維のことをいう。ただし、測定対象とするウエブの全長が100mm未満である場合には、当該ウエブ中の繊維の好ましくは50%以上、更に好ましくは70%以上、一層好ましくは80%以上がウエブ全長にわたって延びている場合に、当該ウエブの繊維は長繊維であるとする。長繊維吸収体における長繊維は一般に連続フィラメントと呼ばれるものである。また、連続フィラメントの束が一方向に配向したものは一般にトウと呼ばれている。従って、長繊維吸収体における長繊維とは、連続フィラメントを含む概念のものである。また長繊維が配向したウエブとは、連続フィラメントのトウ層を含む概念のものである。
また、該長繊維の一部が切断され繊維長が上記値を下回る繊維(切断された繊維)が、吸収体中に混合されても良い。
ウエブ中に埋没担持される高吸収性ポリマーとしては、一般に粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでも良い。粒子状の高吸収性ポリマーを用いる場合、その形状が不定形タイプ、塊状タイプ又は俵状タイプである場合には、ウエブに対して同量以上、10倍以下の坪量で埋没担持させることができる。また、球粒凝集タイプや球状タイプの場合には、ウエブに対して同量以上、5倍以下の坪量で埋没担持させることができる。これらの粒子形状は、特に高吸収量と薄型化を両立させたい場合は前者を、風合い(高吸収性ポリマーのしゃり感の低減)を重視する場合は後者を選択することが望ましい。高吸収性ポリマーは、ウエブ102,2間に層状に散布されている。高吸収性ポリマーは、その一部がウエブ102中に埋没担持されている。長繊維吸収体101の製造条件によっては高吸収性ポリマーのほぼ全部がウエブ102中に均一に埋没担持される場合もある。「均一」とは、長繊維吸収体1の厚み方向あるいは幅方向において、高吸収性ポリマーが完全に一様に配されている場合、及び長繊維吸収体101の一部を取り出した時に、高吸収性ポリマーの存在量のばらつきが、坪量で2倍以内の分布を持つ場合をいう。このようなばらつきは、使い捨ておむつを製造する上で、まれに高吸収性ポリマーが過剰に供給され、部分的に散布量が極端に高い部分が生じることに起因して生ずるものである。つまり前記の「均一」は、不可避的にばらつきが生ずる場合を包含するものであり、意図的にばらつきが生じるように高吸収性ポリマーを分布させた場合は含まれない。
先に述べた通り、長繊維は捲縮を有するものであるから、粒子を保持し得る多数の空間を有している。その空間内に高吸収性ポリマーが保持される。その結果、多量の高吸収性ポリマーを散布してもその極端な移動や脱落が起こりにくくなる。また着用者が激しい動作を行っても長繊維吸収体101の構造が破壊されにくくなる。使用する高吸収性ポリマーによって、捲縮率や使用する長繊維の量を適宜調節する。以上の構造を有する長繊維吸収体101は、薄型で低坪量のものとなる。
高吸収性ポリマーは、捲縮した長繊維によって形成される空間内に安定的に保持されるので、長繊維吸収体101は高吸収性ポリマーを多量に保持することができる。具体的には、長繊維吸収体101全体で見たとき、好ましくは高吸収性ポリマーの坪量が長繊維の坪量以上、更に好ましくは2倍以上、更に好ましくは3倍以上である。ウエブへの高吸収性ポリマーの埋没担持性が十分でない時は、ホットメルト粘着剤、各種バインダー(例えばアクリル系エマルジョン粘着剤など)、カルボキシメチルセルロースやエチルセルロースなどの糖誘導体、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂等をウエブに適宜添加できる。さらに、凹凸加工や植毛を施したシートなどを併用しても良い。
図7に示す長繊維吸収体101においては、ウエブ102を構成する長繊維が、長繊維吸収体101の平面方向に一方向に配向している。長繊維が一方向に配向していることに起因して、長繊維吸収体101に液が吸収されると、該液は長繊維の配向方向へ優先的に拡散する。逆に、長繊維の配向方向と直交する方向への拡散は抑制される。長繊維が使い捨ておむつの幅方向に配向している場合には、おむつの前部からの液漏れ(前漏れ)が効果的に防止される。幅方向には防漏カフ6又はレッグ部弾性部材81により液漏れ防止性を向上させている。
長繊維の配向は、長繊維の始点と終点を結んだベクトルが平面方向に向いていればよく、始点と終点の間がねじれやからみあいなど、長繊維の一部が垂直方向(吸収体の厚み方向)に向いてしまうものを含む。より具体的には、長繊維の配向の程度は、配向度で表して1.2以上、特に1.4以上であることが好ましい。本実施形態において配向度はKANZAKI社のMicrowave molecular orientation analyzer MOA-2001Aを用いて測定する。サンプルサイズは長手方向100mm、幅50mmとし、3点の平均値を配向度とする。サンプルサイズがこの大きさに満たない場合は、複数のサンプルを互いに重ならないように配して測定する。
前漏れを一層防止する手段の一つとして、直線的な長繊維のウエブを用いることが挙げられる。かかる長繊維は、捲縮を有する長繊維のウエブに比較して、長繊維の配向方向への液の拡散性に優れているからである。この観点から、複数のウエブ102のうちの少なくとも一層における一部分の捲縮した長繊維を引き伸ばして直線的な状態にしておくことが好ましい。例えば長繊維吸収体101が2層のウエブ102を有する場合、表面シート側のウエブ102の一部分、例えば長手方向中央部に位置する捲縮長繊維を引き伸ばして直線的な状態にすることで、排泄された液を吸収体の横方向へ優先的に導くことができる。或いは、捲縮した長繊維からなるウエブ102に加えて、捲縮を有さない親水性長繊維のウエブを更に用いても同様の効果を得ることができる。例えば、捲縮した長繊維からなるウエブ102を2層用い、上側の層の上に、ポリマー層を介して捲縮を有さない長繊維からなるウエブを配することができる。
長繊維がおむつの長手方向(おむつ前後方向)に配向している場合には、おむつの側部からの液漏れ(横漏れ)が効果的に防止される。この場合においても、吸収性本体5の前後端を撥水性を有するシート11が覆うように接着されているので、より液漏れが防止されている。また、防漏カフを吸収性本体5の前後端に配することで液漏れを防止することもできる。
長繊維吸収体101においては、高吸収性ポリマーが捲縮した長繊維によって形成される空間内に保持されているので、該ポリマーの極端な移動や脱落が起こりにくく、また着用者の激しい動作によっても長繊維吸収体101の破壊が起こりにくくなっている。これらの効果を一層顕著なものとするために、及び高吸収性ポリマーどうしが擦れ合うときに生じる「シャリ感」を低減させるために、長繊維吸収体101においては重なり合うウエブ102,102どうしが接着されている。この場合、先に述べた長繊維の配向方向への液の優先的な拡散が阻害されないようにするために、重なり合うウエブ102,102どうしは散点状に接着されている。散点状に接着されているとは、接着点の形状が大きな異方性を有しておらず、且つそのような接着点がウエブ102の平面方向全域に亘って均一に分散していることをいう。典型的な接着態様としては、重なり合うウエブ102,102どうしがドット状の多数の小さな接着点によって接着されている態様が挙げられる。散点状の接着には例えばホットメルト粘着剤をスプレー方式で塗工する方法が挙げられる。スプレー方式としては、スロットスプレー法、カーテンスプレー法、メルトブローン法、スパイラルスプレー法等が挙げられる。なお、このような塗工方法を用いると、ウエブ102どうしが接着することはもちろんのこと、ウエブ102と高吸収性ポリマーの一部も接着する場合がある。
長繊維吸収体101は、ウエブ102及びポリマー層103の積層体のみから構成されていてもよく、或いは該積層体が、例えばティッシュペーパーなどの紙や不織布によって包まれていてもよい。また、ウエブ102及びポリマー層103の積層体(長繊維吸収体)の上面及び下面にそれぞれに乾式パルプシートや、フラッフパルプの積繊層が配されていてもよく、更にそれら全体がティッシュペーパーなどの紙や不織布によって包まれていてもよい。長繊維吸収体101は、該長繊維吸収体101がどのような形態である場合でもその厚みが好ましくは10mm以下、更に好ましくは5mm以下である。
次に、上述した長繊維吸収体101の好ましい製造方法について説明する。先ず、先に述べた捲縮率を有する長繊維のウエブを用意する。このウエブを所定手段によって開繊する。開繊には例えば圧縮空気を利用した空気開繊装置を用いることができる。次に、開繊された長繊維からなるウエブ102を所定の長さに引き伸ばす。この場合、長繊維を完全に引き伸ばすことを要せず、高吸収性ポリマーがウエブ102内に安定的に埋没保持される程度に引き伸ばせば足りる。
長繊維を引き伸ばした状態下に、ホットメルト粘着剤などの各種接着剤をウエブ102にロールコーター方式やスクリーン印刷方式等の接触方式やスプレー方式等の非接触方式により塗工する。塗工には、非接触で各パターンの切り替えが容易で接着剤の量を調整可能なスプレー方式の塗工が好ましく、散点状の接着を首尾良く行い得るスプレー塗工を用いることが好ましい。スプレー方式としては、スロットスプレー法、カーテンスプレー法、メルトブローン法、スパイラルスプレー法等が挙げられる。接着剤の塗工は、ウエブ間での液の透過が妨げられない程度の低量であることが好ましい。この観点から、接着剤の塗工量は、3〜30g/m2、特に5〜15g/m2であることが好ましい。
接着剤の塗工完了後に、ウエブ102上に高吸収性ポリマーを層状に散布する。散布完了後に別途用意しておいたウエブ102を重ね合わせる。次いで長繊維の引き伸ばし状態を解除する。これによって引き伸ばされていた長繊維が収縮する。その結果、高吸収性ポリマーは長繊維の収縮によって形成された空間内に保持される。このようにして、ウエブ102中に高吸収性ポリマーが埋没担持される。これによって2つのウエブ102どうしが散点状に接着される。
別法として、ウエブ102上に高吸収性ポリマーが散布された後、該ウエブ102の引き伸ばし状態を解除し収縮させて得られた中間体を複数用意しておき、最後に該中間体を重ね合わせることで長繊維吸収体101を得ることもできる。なおこの場合には、長繊維吸収体101の最上層にポリマー層103が位置することになるので、高吸収性ポリマーの極端な移動や脱落が懸念されるが、ティッシュペーパーや不織布等を用いて長繊維吸収体101の全体を包むことでそのような不都合を回避することができる。
長繊維吸収体の他の例を、図8〜図10を参照しながら説明する。図8〜図10に示す長繊維吸収体について特に説明しない点については、図7に示した長繊維吸収体に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図8〜図10において、図7と同じ部材に同じ符号を付してある。図8〜図10においては、各図の上側が肌当接面側、下側が非肌当接面側である。
図8(a)に示す長繊維吸収体101は、単層のウエブ102から構成されている。そしてウエブ102中に高吸収性ポリマーが均一に埋没担持されている。図8(b)及び(c)に示す長繊維吸収体101も図8(a)に示す長繊維吸収体101と同様に単層のウエブ102から構成されているが、高吸収性ポリマーがウエブ102の厚さ方向に関して肌当接面側又は非肌当接面側に偏倚して埋没担持されている。
図7や図8に示した長繊維吸収体101は、例えば、図9に示すような態様で、フラッフパルプの積繊層等と積層して吸収体として用いることができる。
図9(a)に示す長繊維吸収体101は、フラッフパルプの積繊層104上に積層されている。ウエブ102中には高吸収性ポリマーが埋没担持されている。図9(b)に示す長繊維吸収体101は、図9(a)に示す吸収体において、フラッフパルプの積繊層4中に高吸収性ポリマーを混合させたものである。図9(c)に示す吸収体は、図9(b)に示す吸収体においてフラッフパルプの積繊層104と長繊維吸収体101との積層関係を上下逆転させたものである。
図10に示す長繊維吸収体101は、高吸収性ポリマーが埋没担持されているウエブ102の下側に、高吸収性ポリマーを含まない親水性を有する長繊維のウエブ106が配置された構造を有している。
ウエブ内には高吸収性ポリマーのほかに、他の粒子、例えば、活性炭やシリカ、アルミナ、酸化チタン、各種粘土鉱物(ゼオライト、セピオライト、ベントナイト、カンクリナイト等)等の有機、無機粒子(消臭剤や抗菌剤)を共存させることができる。また、ウエブの形態保持性を向上させて、ウエブの圧縮回復性を高め、またウエブのよれを起こりにくくし、更にウエブの搬送性を良好にすることを目的として、ウエブを構成する長繊維どうしを接合することが好ましい。また、ウエブの形態保持性を向上させるための別法として、ウエブの上下に紙や不織布などのシート材料を重ね合わせ、ウエブとシート材料とを接着剤によって接合するか、又は熱融着する方法が挙げられる。
以下、本発明の更に他の実施形態の使い捨ておむつについて説明する。これらの使い捨ておむつは、吸収体として、図11〜図14に示す吸収体を用いた以外は、上述したおむつ1と同様の構成を有する。従って、以下においては、これらの実施形態に用いた吸収体について主に説明し、その他の点については説明を省略する。特に説明しない点については、おむつ(特におむつ1)の構成に関する上述した説明が適宜適用される。図11〜14中、吸収体の部分Aは、使い捨ておむつの腹側部Aに配される部分、部分Bは背側部Bに配される部分、部分Cは股下部Cに配される部分である。
図11〜図14に示す吸収体4B〜4Dは、何れも、吸収体4の非肌当接面側に配された下部吸収体41’と、吸収体4の肌当接面側に配された上部吸収体42’とからなり、上部吸収体42’は、下部吸収体41’の肌当接面側に配されている。これらの吸収体4B〜4Dにおいては、上部吸収体42’の方が、下部吸収体41’よりも曲げ剛性が小さくなっている。即ち、下部吸収体41’が、曲げ剛性が相対的に高い高剛性吸収体であり、上部吸収体42’が、曲げ剛性が相対的に低い低剛性吸収体である。
また、下部吸収体41’を構成する高剛性吸収体として、フラップパルプを主体とする吸収体(例えば、フラッフパルプの積繊物、あるいはフラッフパルプと高吸収性ポリマーの粒子との混合積繊物)が用いられ、上部吸収体42’を構成する低剛性吸収体として、長繊維としてアセテートを用いた長繊維吸収体が用いられている。そして、それぞれ、フラップパルプを主体とする吸収体と長繊維吸収体の全体が、ティッシュペーパーや透水性の不織布からなる透水性の被覆シート(図示略)で被覆されている。長繊維は、吸収体4B〜4Dのそれぞれにおいて長手方向に配向している。
図11に示す吸収体4Bにおいては、股下部に配される部分C及び背側部に配される部分Bに、高剛性領域M及びその両側に位置する低剛性領域Sが形成されている。図12に示す吸収体4C及び図13に示す吸収体4Dにおいては、それぞれ、股下部に配される部分Cに、高剛性領域M及びその両側に位置する低剛性領域Sが形成されている。図14に示す吸収体4Eにおいては、股下部に配される部分Cにおける、前記部分A寄りの位置と前記部分B寄りの位置とに、高剛性領域M及びその両側に位置する低剛性領域Sが形成されており、吸収体の長手方向における、股下部に配される部分Cの一部に、図14(d)に示すように、高剛性領域Mが存在しない部分を有している。股下部に高剛性領域及び低剛性領域が形成されているという場合、吸収体4Eのように、股下部の一部のみに、高剛性領域M及びその両側に位置する低剛性領域Sが形成されていても良い。
高剛性領域Mが存在しない部分は、股下の最も狭い位置に合わせて、身体の真下から前側にやや偏よって存在することが好ましい。股下部でレッグギャザーが交差する形態のパンツ型おむつにおいては、股下部でのギャザーと位置と高剛性領域Mが存在しない部分が略一致することが好ましい。
吸収体4B〜4Dのいずれにおいても、高剛性領域Mは、高剛性吸収体からなる下部吸収体41’の肌当接面側に、低剛性吸収体からなる上部吸収体42’が積層された構造を有しており、該低剛性領域Sは、該高剛性領域Mからおむつ幅方向外方に延出した該低剛性吸収体から形成されている。
吸収体4B〜4Eを具備する使い捨ておむつにおいても、吸収体4B〜4Eが、高剛性領域Mとその両側に位置する低剛性領域Sとの境界部付近で屈曲して、低剛性領域Sが容易に起立することや、弾性部材66の存在及び吸収性本体5と防漏カフ形成シート60との固定部67が吸収性本体5の両側縁部5cよりもおむつ幅方向内側にあること等によって、上述したおむつ1と同様に、吸収体4における起立した低剛性領域Sないし起立した吸収性本体の両側部間に、肌当接面側に向けて凹状のポケット構造が形成される。そのため、上述したおむつ1と同様の効果が奏される。
更に、吸収体4B〜4Eにおいては、各吸収体の肌当接面側に、長繊維としてアセテートを用いた長繊維吸収体、非肌当接面側にフラップパルプを主体とする吸収体が配されており、積層された両吸収体は、液透過性については、長繊維吸収体の方が高く、親水性(表面の濡れ性及び毛管力による親水性)については、フラップパルプを主体とする吸収体の方が高い。そのため、長繊維吸収体とフラップパルプを主体とする吸収体との上下の位置関係が逆の場合に比べて、液の吸収速度が速く、液戻り防止性も向上する。
更に、長繊維吸収体の方が、一般に構成繊維の表面積が小さく、フラップパルプを主体とする吸収体よりも繊維間に残る間隙水や表面の水が少なく、水分の蒸散量も小さい。そのため、おむつ内の湿度をより効果的に低減することができる。このような効果は、長繊維として、アセテートやレーヨン、テンセル、アクリルの他、界面活性剤で親水化処理したポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの合成繊維の単独および複合繊維等を単独で又はこれらの二以上を組み合わせて用いた場合にも同様に奏される。
上部吸収体42’を構成する低剛性吸収体として長繊維吸収体を用いる場合、該長繊維吸収体は、高吸収性ポリマーが埋没担持されているものであっても、高吸収性ポリマーが埋没担持されていないものであっても良い。高吸収性ポリマーが埋没担持されているものを用いる場合、高吸収性ポリマーを吸収体の幅方向に均一に分布させることもできるが、吸収体の幅方向の中央部付近に偏在させることが、吸収体の両側部を柔軟にして、該吸収体ないし吸収性本体の両側部の起立性を向上させる点から好ましい。
前述の各実施形態で用いられる高吸収性ポリマーは、その遠心脱水法による生理食塩水の吸水量が30g/g以上、特に30〜50g/gであることが、ポリマーの使用量の点や、液吸収後のゲル感が低下することを防止する点から好ましい。高吸収性ポリマーの遠心脱水法による吸収量の測定は以下のようにして行う。すなわち、高吸収性ポリマー1gを生理食塩水150mlで30分間膨潤させた後、250メッシュのナイロンメッシュ袋に入れ、遠心分離機にて143G(800rpm)で10分間脱水し、脱水後の全体重量を測定する。ついで、以下の式に従って遠心脱水法による吸水量(g/g)を算出する。遠心脱水法による吸水量=(脱水後の全体重量−ナイロンメッシュ袋重量−乾燥時高吸収性ポリマー重量−ナイロンメッシュ袋液残り重量)/乾燥時高吸収性ポリマー重量
さらに、上部吸収体42’を構成する低剛性吸収体として高吸収性ポリマーが埋没担持されている長繊維吸収体を用いる場合、該高吸収性ポリマーは、通液性の高い高吸収性ポリマーを用いることが好ましい。
すなわち、以下の方法で測定される液通過時間が20秒以下、特に2〜15秒、とりわけ4〜10秒であることがゲルブロッキングの発生及びそれに起因する吸収性能の低下を防止し、また、吸収が間に合わないことに起因する液の素抜けによるもれの防止の点から好ましい。液通過時間の測定は以下の通りである。即ち、断面積4.91cm2(内径2
5mmφ)で底部に開閉自在のコック(内径4mmφ)が設けられた円筒管内に、該コックを閉鎖した状態で、該高吸収性ポリマー0.5gを0.9%生理食塩水とともに充填し、該生理食塩水により該高吸収性ポリマーを飽和状態に達するまで膨潤させる。膨潤した該高吸収性ポリマーが、沈降した後、該コックを開き、生理食塩水50mlを通過させる。該生理食塩水50mlが通過するのに要した時間を測定し、この時間を液通過時間とする。液通過時間は、高吸収性ポリマーのゲル強度を反映する指標のひとつである。液通過時間が短いものほどゲル強度は強くなる。
通液性の高い高吸収性ポリマーを用いることで、上部吸収体の厚み方向および平面方向での、特に繰り返し吸収時の液の取り込み速度を高め、下部吸収体を効率的に利用することができる。あるいはまた、吸収体の起立部分での液の拡散性を高め、股下部に液が滞留するのを防ぐために好ましい。
上記高吸収性ポリマーとしては、加重下での通液性の高い高吸収性ポリマーを用いることが好ましい。高吸収性ポリマーのゲルブロッキングを効果的に防止する観点から、高吸収性ポリマーは、その通液速度の値が好ましくは30〜300ml/min、より好ましくは32〜200ml/min、更に好ましくは35〜100ml/minである。通液速度の値が30ml/min未満である場合、吸液によって飽和膨潤した高吸収性ポリマーどうしが荷重下に付着し合って、液の通過を妨げてしまいゲルブロッキング発生が起こりやすくなる。通液速度の値は大きければ大きいほどゲルブロッキングの発生を防止する観点から好ましい。尤も、通液速度の値が40ml/min程度に高ければ、ゲルブロッキングの発生はほぼ確実に防止される。通液速度が300ml/minを超える場合は、吸収体中の液の流れ性が高すぎて、特に一度にたくさんの排泄物が排泄されたときや、月齢の高い乳幼児、あるいは大人の例に見られるように排泄速度が速い場合、さらに吸収体の薄型化を図った場合に液の固定が十分でなく、もれを生じる可能性がある。また、一般に、通液速度を高めることは高吸収性ポリマーの架橋度を高くすることになり、高吸収性ポリマーの単位重量あたりの吸収容量が低くなり、多量の高吸収性ポリマーを使用しなければならない。これらの観点から通液速度の上限値は決定される。
前記の範囲の通液速度を有する高吸収性ポリマー21を得るためには、例えば高吸収性ポリマーの粒子内部及び表面の架橋密度を調整したり、架橋密度に勾配を設けたり、高吸収性ポリマーの粒子形状を調整したりすればよい。
高吸収性ポリマー21の通液速度の測定は、2.0kPa荷重下で行われる。この荷重は、吸収性物品を着用している間に吸収体に加わる体圧にほぼ相当する。通液速度の具体的な測定方法は、例えば特開2003−235889号公報の段落0005に記載されている。本発明においては、この公報に記載されている測定方法で用いられる試料の重量である0.200gを0.32gに変更して測定を行う。具体的には以下の手順で通液速度を測定する。
〔通液速度の測定方法〕
垂直に立てた円筒(内径25.4mm)の開口部の下端に、金網(目開き150μm)と、コック(内径2mm)付き細管(内径4mm、長さ8cm)とが備えられた濾過円筒管を用意する。コックを閉鎖した状態で、該円筒管内に、850〜150μmの粒度に調整した測定試料0.32gを投入する。次に該円筒管内に0.9重量%の生理食塩水50mlを注ぐ。生理食塩水を注ぎ始めてから30分間静置した後、目開きが150μmで、直径が25mmである金網を先端に備えた円柱棒(21.2g)を、濾過円筒管内に挿入し、該金網と測定試料が接するようにする。1分経過後に、77.0gのおもりを円柱棒に取り付けて測定試料に荷重を加える。更に1分間静置した後にコックを開く。生理食塩水の液面が40mlの目盛り線から20mlの目盛り線に達するまでの時間(T1)(秒)を計測する。計測された時間T1(秒)を用い、次式から通液時間を算出する。なお式中、T0は濾過円筒管内に測定試料を入れないで計測された時間である。
通液速度(ml/min)=20×60/(T1−T0)
通液速度の更に詳細な測定方法は特開2003−235889号公報の段落0008及び0009に記載されている。測定装置は同公報の図1及び図2に記載されている。
前述の各実施形態で用い得る高吸収性ポリマーとしては、前記の各特性を満足するものが好ましく、具体的には例えば、ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セシウム等が挙げられる。尚、前記の各特性を満たすようにするためには、例えば、高吸収性ポリマーの粒子表面に架橋密度勾配を設ければよい。或いは高吸収性ポリマーの粒子を非球形状の不定形粒子とすればよい。具体的には特開平7−184956号公報の第7欄28行〜第9欄第6行に記載の方法を用いることができる。
低剛性吸収体として好ましく用い得る長繊維吸収体は、該低剛性吸収体中の繊維材料の使用割合を比較的少なくしても、吸収体の構造が安定しており、また、薄く、低坪量で且つ柔軟であるにもかかわらず、高い吸収容量を有する等の利点を有している。
以下に示す表1は、長繊維吸収体における、長繊維のウエブの捲縮率と高吸収性ポリマーの担持率との関係を調べた結果を示すグラフである。測定方法は以下の通りである。アセテート長繊維(単繊維の繊維径は2.1dtex)からなるトウを、伸長下に搬送し空気開繊装置を用いて開繊し開繊ウエブを得た。次いで、多数の円盤が軸周りに所定間隔おきに組み込まれたロールと、平滑な受けロールとの間に開繊ウエブを通して、該ウエブを梳いた。その後、ウエブを幅100mmに調節し、その搬送速度を減速した状態でバキュームコンベア上に転写し、当該バキュームコンベア上でのウエブの張力を緩めて捲縮を発現させた。ウエブの張力を制御し、種々の捲縮率を有するアセテート長繊維のウエブを調製した。これによって長繊維間の空間を広げ、高吸収性ポリマーを入り込ませ易くし、またウエブを厚くして高吸収性ポリマーの埋没担持性を向上させた。ウエブ上に高吸収性ポリマーを散布し、該高吸収性ポリマーを開繊ウエブ中に埋没担持させた。ウエブの坪量は26g/m2であった。ポリマーの散布坪量は260g/m2であった。ポリマーとしては平均粒径330μmの塊状タイプのものを用いた。
高吸収性ポリマーの埋没担持させたウエブを坪量16g/m2のティッシュペーパーで包み(ウエブの上下面とティッシュペーパー間はホットメルト5g/m2で接着)、吸収体を得た。
このようにして得られた吸収体について、後述の構造安定性(ドライ時)試験を行った。試験後にウエブ中に担持されていた高吸収性ポリマーの重量を、初めに仕込んだ高吸収性ポリマーの重量で除して100を乗じ、得られた値を高吸収性ポリマーの担持率(%)とした。結果を表1に示す。表1に示す結果から明らかなように、長繊維のウエブの捲縮率が10〜90%、特に10〜60%の範囲の場合、担持率が高くなることが判った。
〔構造安定性(ドライ時)〕
100×200mmに作製した吸収体の中央部を切断し、100×100mmの吸収体を得た。切断面を真下にして、振幅5cmで1回/1秒の速度で20回振動を与え、切断面からの落下したポリマーの量を測定した。そして、試験後にウエブ中に担持されていた高吸収性ポリマーの重量を算出した。
Figure 2007144105
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
例えば、上述した使い捨ておむつ1においては、吸収性本体5の立ち上がった側部における、吸収体4の非肌当接面側には裏面シート3が配されているが、裏面シート3の幅を狭くしたり、裏面シートを吸収性本体5にではなく、外装体10を構成する2枚のシート11,12間に配すること等により、吸収性本体5の立ち上がった側部の裏面側からも排泄物を吸収可能とすることもできる。
また、図6に示す吸収体4のように、高剛性吸収体と低剛性吸収体とを並べて配置した吸収体においても、吸収体4の長手方向の全域に代えて、おむつの股下部Cのみに低剛性領域Sを形成したり、背側部Bから股下部Cに亘る低剛性領域Sを形成したりすることもできる。
また、防漏カフ形成用シート60を、吸収性本体5の肌当接面側の面上に、三つ折り状態に折り畳んで固定するのに代えて、図15に示すように、折り畳まない状態で固定することもできるし、二つ折り状態に折り畳んで固定することもできる。図15に示す生理用ナプキンにおいては、外装体10上に固定された裏面シート3上に、防漏カフ形成用シート60が接着固定されている。防漏カフ形成用シート60及び外装体10は、それぞれ単層のシートからなるものであっても良い。
本発明の使い捨ておむつは、幼児又は成人用のパンツ型おむつに限られず、幼児又は成人用のいわゆる展開型の使い捨ておむつであっても良い。但し、パンツ型のおむつに特に適している。
図1は、本発明の使い捨ておむつの一実施形態としてのパンツ型おむつを示す斜視図である。 図2は、図1に示すおむつをサイドシール部で切り離して展開し、各部の弾性部材を伸張させて平面状に拡げた状態(展開且つ伸張状態)を一部破断して示す平面図である。 図3は、図2のI−I線断面を模式的に示す断面図である。 図4は、おむつ使用状態における図2のII−II線断面を模式的に示す断面図である。 図5(a)〜(d)は、本発明の他の実施形態における吸収体を示す平面図である。 図6は、本発明の更に他の実施形態における吸収体を示す図であり、(a)は平面図、(b)は、(a)のIII−III線断面を模式的に示す断面図である。 図7は、本発明の使い捨ておむつの吸収体の全体又は一部として採用し得る長繊維吸収体の一例を示す模式断面図である。 図8(a)〜(c)は、本発明の使い捨ておむつの吸収体の一部として採用し得る長繊維吸収体の他の例を示す模式断面図である。 図9(a)〜(c)は、本発明の使い捨ておむつの吸収体として採用し得る長繊維吸収体の更に他の例を示す模式断面図である。 図10は、本発明の使い捨ておむつの吸収体の一部として採用し得る長繊維吸収体の更に他の例を示す模式断面図である。 図11は、本発明の更に他の実施形態における吸収体を示す図であり、(a)は平面図、(b)は、(a)のIV−IV線模式断面図、(c)は、(a)のV−V線模式断面図である。 図12は、本発明の更に他の実施形態における吸収体を示す図であり、(a)は平面図、(b)は、(a)のIV−IV線模式断面図、(c)は、(a)のV−V線模式断面図である。 図13は、本発明の更に他の実施形態における吸収体を示す図であり、(a)は平面図、(b)は、(a)のIV−IV線模式断面図、(c)は、(a)のV−V線模式断面図である。 図14は、本発明の更に他の実施形態における吸収体を示す図であり、(a)は平面図、(b)は、(a)のIV−IV線模式断面図、(c)は、(a)のV−V線模式断面図、(d)は、(a)VI−VIの線模式断面図である。 図15は、本発明の使い捨ておむつの更に他の実施形態を示す図(図3相当図)である。
符号の説明
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4、4A〜4E 吸収体
41 下部吸収体(低剛性吸収体)
42 上部吸収体(高剛性吸収体)
41’ 下部吸収体(高剛性吸収体)
42’ 上部吸収体(低剛性吸収体)
5 吸収性本体
6 防漏カフ
60 防漏カフ形成用シート
10 外装体
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
M 高剛性領域
S 低剛性領域

Claims (7)

  1. 表面シート及び吸収体を有する吸収性本体と、該吸収性本体の非肌当接面側に位置する外装体とを具備し、股下部並びにその前後に延在する腹側部及び背側部を有する使い捨ておむつであって、
    前記吸収性本体の両側それぞれに、前記股下部において起立する防漏カフが形成されており、
    前記股下部における前記吸収性本体は、該吸収性本体の両側縁部よりもおむつ幅方向内側に、防漏カフ形成用シートとの固定部を有し、且つ該固定部よりもおむつ幅方向外側に、該吸収性本体の側部立ち上げ用の弾性部材が伸張状態で配されており、
    前記吸収体は、おむつ幅方向の曲げ剛性が相対的に低い低剛性吸収体とおむつ幅方向の曲げ剛性が相対的に高い高剛性吸収体とを具備してなり、該吸収体のおむつ幅方向中央部に、前記高剛性吸収体が配されて高剛性領域が形成され、該吸収体における該高剛性領域の両側に、前記低剛性吸収体が配され低剛性領域が形成されており、おむつ着用時に、該低剛性領域が、着用者の肌側に向けて起立するようになされている使い捨ておむつ。
  2. 前記高剛性領域及び前記低剛性領域が、前記股下部に形成されており、該高剛性領域は、前記高剛性吸収体と前記低剛性吸収体とが積層された構造を有しており、該低剛性領域は、該高剛性領域からおむつ幅方向外方に延出した該低剛性吸収体から形成されている請求項1記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記高剛性領域及び前記低剛性領域が、前記股下部に形成されており、該股下部においては、前記高剛性吸収体と前記低剛性吸収体とが前記吸収体の平面方向に並べて配置されている請求項1記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記股下部の幅方向において、前記防漏カフの固定端の位置と、前記高剛性領域の両側縁部の位置とが略一致している請求項1〜3の何れかに記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記低剛性吸収体は、親水性を有する長繊維のウエブを含み、該長繊維は10〜90%の捲縮率を有し且つ該低剛性吸収体の平面方向に配向している請求項1〜4の何れか記載の使い捨ておむつ。
  6. 前記高剛性領域は、前記高剛性吸収体の肌当接面側に前記低剛性吸収体を積層した構造を有しており、
    前記低剛性吸収体は、親水性を有する長繊維のウエブを含み、該長繊維は10〜90%の捲縮率を有し且つ該第2吸収体の平面方向に配向している請求項2記載の使い捨ておむつ。
  7. 前記低剛性吸収体は、前記長繊維のウエブ中に高吸収性ポリマーが埋没担持されている請求項5又は6記載の使い捨ておむつ。

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