JP6457835B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、経血やおりものなどを吸収するための生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品、詳しくは体液の漏れを防止するため、所定の領域に接着剤を面状に塗布した接着剤層を設けた吸収性物品に関する。
従来より、パンティライナー、生理用ナプキン、失禁パッドなどの吸収性物品として、ポリエチレンシートまたはポリエチレンシートラミネート不織布などの不透液性裏面シートと、不織布または透液性プラスチックシートなどの透液性表面シートとの間に綿状パルプ等からなる吸収体を介在したものが知られている。
この種の吸収性物品にも幾多の改良が重ねられ、体液の漏れを防止する手段が種々講じられている。かかる体液漏れ防止手段としては、肌当接面側の両側部に長手方向に沿って肌側に突出する立体ギャザーを形成したもの(例えば下記特許文献1)、吸収体に透液性表面シートを被覆した状態で前記透液性表面シートの表面側からの圧搾によりエンボス溝を形成したもの(例えば下記特許文献2)などが知られている。
特開平11−19120号公報 特開2002−119540号公報
前記立体ギャザーを形成したものでは、立体ギャザーで堰き止められた体液が透液性表面シートを浸透して吸収体に吸収できるようになっているが、この堰き止められた体液が吸収体に吸収される過程で、透液性表面シートと吸収体との間に溜まり、これらの層間を拡散して外側に漏れ出るおそれがあった。
また、前記エンボス溝を形成したものでは、エンボス溝に透液性表面シートの表面を流れる体液が流れ込むことによって、体液を確実に吸収体に吸収するとともに、体液がエンボス溝より外側に流れるのを防止しているが、大量の体液が排出された場合、エンボス溝から溢れ出た体液がエンボス溝より外側に流れて漏れが発生する場合があった。
特に、吸収体より表面側に配置される透液性表面シートや透液性表面シートと吸収体との間に設けられる親水性のセカンドシートは、体液の吸収スピードが速いため、体液がこれらのシートを素早く通過するが、吸収体の吸収スピードが透液性表面シートやセカンドシートの吸収スピードより遅いため、吸収体の表面に達した体液が吸収体に吸収される前に吸収体とセカンドシートとの間や透液性表面シートとセカンドシートとの間に溜まりやすく、これらのシート間に溜まった体液が外側に拡散して漏れが発生することが問題とされていた。
そこで本発明の主たる課題は、吸収体に吸収される前の体液がシート間を拡散して外側に漏れるのを防止した吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在されるとともに、前記透液性表面シートと吸収体との間に中間シートが配設された吸収性物品において、
前記透液性表面シートと中間シートとの間の体液排出部位に対応する領域の幅方向両側部にそれぞれ、長手方向に沿って、接着剤を面状に塗布した第1接着剤層を形成するとともに、前記中間シートと吸収体との間の前記第1接着剤層より幅方向外側であって、前記第1接着剤層より長手方向に長い領域に、長手方向に沿って、接着剤を面状に塗布した第2接着剤層を形成してあることを特徴とする吸収性物品が提供される。
上記請求項1記載の発明では、透液性表面シートと中間シートとの間の体液排出部位に対応する領域の幅方向両側部にそれぞれ、長手方向に沿って第1接着剤層を形成してあるため、透液性表面シートと中間シートとの間を拡散する体液が前記第1接着剤層で堰き止められ、下層側(吸収体側)に浸透するようになる。
また、本吸収性物品では、中間シートと吸収体との間の所定領域に第2接着剤層を形成してあるため、中間シートと吸収体との間を拡散する体液も前記第2接着剤層で堰き止められ、下層側(吸収体側)に浸透するようになる。しかも、前記第2接着剤層は、透液性表面シートと中間シートとの間の前記第1接着剤層より幅方向外側であって、前記第1接着剤層より長手方向に長い領域に形成してあるため、前記第1接着剤層で堰き止められた体液が中間シートを浸透して中間シートと吸収体との間を拡散しても、前記第2接着剤層で確実に堰き止めることができるようにしている。
さらに、前記第1接着剤層及び第2接着剤層は、接着剤を面状に塗布することにより形成されている。すなわち、接着剤層の全面が接着剤の塗布部となり、塗布部と非塗布部とが混在するようには設けていない。このため、体液が非塗布部に浸入して接着剤層を越えて拡散するようなことがなくなり、接着剤層によって確実に体液を堰き止めることが可能となる。
このように、本吸収性物品では、前記第1接着剤層及び第2接着剤層の2段階に亘って、各シート間を幅方向外側に拡散する体液が堰き止められるので、吸収体に吸収される前の体液がシート間を拡散して吸収性物品の幅方向外側に漏れ出る横漏れが確実に防止できるようになる。
請求項2に係る本発明として、前記透液性表面シートと中間シートとの間の前記吸収性物品の長手方向両端部にそれぞれ、幅方向に沿って、接着剤を面状に塗布した第3接着剤層を形成してある請求項1記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項2記載の発明では、透液性表面シートと中間シートとの間の吸収性物品の長手方向両端部にそれぞれ、幅方向に沿って、接着剤を面状に塗布した第3接着剤層を形成してあるため、体液が透液性表面シートと中間シートとの間を長手方向に拡散して前後端部から外側に漏れる前後漏れが防止できるようになる。
請求項3に係る本発明として、前記接着剤層はそれぞれ、接触式のスロット塗工により形成されている請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項3記載の発明では、前記第1接着剤層、第2接着剤層及び第3接着剤層をそれぞれ、接触式のスロット塗工により形成しているため、非接触式で塗工するものより接着剤層の周縁が明確となって、体液を堰き止める効果が向上する。
請求項4に係る本発明として、前記第2接着剤層は、吸収性物品の長手寸法に対し70%以上の長さで形成されている請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項4記載の発明では、第2接着剤層を吸収性物品の長手寸法に対して70%以上の長さで形成することによって、中間シートと吸収体との間を拡散する体液に十分対応することができ、より確実に横漏れが防止できるようになる。
請求項5に係る本発明として、前記透液性表面シートの面側に体液排出部位を囲むようにエンボス溝が形成され、
前記接着剤層はそれぞれ、前記エンボス溝より外側に形成されている請求項1〜4いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項5記載の発明では、エンボス溝より外側に流れた体液の拡散を防止するため、前記接着剤層をそれぞれエンボス溝より外側に形成している。
請求項6に係る本発明として、前記第1接着剤層の領域内にそれぞれ、前記透液性表面シートの表面側からの圧搾により、長手方向に沿って両側エンボスを形成してある請求項1〜5いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項6記載の発明では、前記第1接着剤層の領域内にそれぞれ、透液性表面シートの表面側からの圧搾により、長手方向に沿って、両側エンボスを形成することによって、前記第1接着剤層と両側エンボスとによる体液堰き止めの相乗効果が期待できるとともに、前記両側エンボスによって圧縮された部分の吸収体に含まれるポリマーが吸水した際の表面側への体液の逆戻りが防止できるようになる。
請求項7に係る本発明として、前記透液性表面シートの面側に体液排出部位を囲むようにエンボス溝が形成され、
前記透液性表面シートと中間シートとの間の前記エンボス溝より前側及び後側の両方又はいずれか一方に、前記エンボス溝に沿って、接着剤を面状に塗布した第4接着剤層を形成してある請求項1〜6いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項7記載の発明では、体液排出部位を囲むように形成した前記エンボス溝より前側及び後側の両方又はいずれか一方に、前記エンボス溝に沿って、接着剤を面状に塗布した第4接着剤層を形成することにより、前後方向に拡散した体液が前記第4接着剤層によって堰き止められ、前後端部からの漏れが確実に防止できるようにしている。
請求項8に係る本発明として、前記中間シートは、前記透液性表面シートと吸収体との間に配設された親水性のセカンドシート又は前記吸収体を囲繞する被包シートである請求項1〜7いずれかに記載の吸収性物品が提供される
以上詳説のとおり本発明によれば、吸収体に吸収される前の体液がシート間を拡散して外側に漏れるのが防止できるようになる。
本発明に係る生理用ナプキン1の一部破断展開図である。 図1のII−II線矢視図である。 図1のIII−III線矢視図である。 体液の流れを示す、生理用ナプキン1の要部拡大断面図である。 他の形態例に係る生理用ナプキン1の展開図である。 図5のVI−VI線矢視図である。 両側エンボス溝14部分の拡大断面図である。 他の形態例に係る生理用ナプキン1の展開図である。 他の形態例に係る生理用ナプキン1の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔生理用ナプキン1の基本構成〕
本発明に係る生理用ナプキン1は、図1〜図3に示されるように、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシートなどからなる不透液性裏面シート2と、経血やおりものなどを速やかに透過させる透液性表面シート3と、これら両シート2,3間に介在された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、前記透液性表面シート3と吸収体4との間に配置される親水性のセカンドシート6と、表面両側部にそれぞれ長手方向に沿って配設されたサイド不織布7,7とから構成されている。また、前記吸収体4の周囲において、そのナプキン長手方向の前後端縁部では、前記不透液性裏面シート2、透液性表面シート3及びセカンドシート6の外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、またその両側縁部では吸収体4の端縁よりも側方に延出している前記不透液性裏面シート2と前記サイド不織布7とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、外周に吸収体4の存在しない外周フラップ部が形成されている。また、前記透液性表面シート3の表面側(肌当接面側)からのエンボスにより、排血口部位Hを囲むように、エンボス溝10が形成されている。必要に応じて、前記吸収体4の形状保持および拡散性向上のために前記吸収体4を囲繞するクレープ紙や不織布等からなる被包シートを設けてもよい。
以下、さらに前記生理用ナプキン1の構造について詳述すると、
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シートなどの少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他にポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布や、さらには防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート(この場合には防水フィルムと不織布とで不透液性裏面シートを構成する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
次いで、前記透液性表面シート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、スパンボンド法はドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法及びエアスルー法は嵩高で圧縮復元性が高い点で優れている。
前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との間に介在される吸収体4は、たとえばパルプ中に高吸水性樹脂を混入したもの、或いはパルプ中に化学繊維を混入させるとともに、高吸水性樹脂を混入したものが使用される。前記吸収体4は、形状保持、および経血等を速やかに拡散させるとともに、一旦吸収した経血等の逆戻りを防止するために被包シートによって囲繞することができる。前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶融パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。また、前記吸収体4として、嵩を小さくできるエアレイド吸収体を用いてもよい。
また、前記吸収体4には合成繊維を混合しても良い。前記合成繊維は、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの共重合体などを使用することができるし、これら2種を混合したものであってもよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイドバイサイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。前記合成繊維は、体液に対する親和性を有するように、疎水性繊維の場合には親水化剤によって表面処理したものを用いるのが望ましい。
前記高吸水性樹脂としては、たとえばポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋したもの等が挙げられる。これらの内、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。前記吸水性能を有する高吸水性樹脂は製造プロセスにおいて、架橋密度および架橋密度勾配を調整することにより吸水力と吸水速度の調整が可能である。前記高吸水性樹脂の含有率は吸収体重量の10〜60%とするのが望ましい。高吸水性樹脂含有率が10%未満の場合には、十分な吸収能を与えることができず、60%を超える場合にはパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、シート強度が低下し破れや割れ等が発生し易くなる。
吸収体4を囲繞する被包シートを設ける場合には、結果的に透液性表面シート3と吸収体4との間に被包シートが介在することになり、吸収性に優れる前記被包シートによって体液を速やかに拡散させるとともに、これら経血等の逆戻りを防止するようになる。
一方、本生理用ナプキン1の表面側の両側部にはそれぞれ、長手方向に沿ってかつナプキン1のほぼ全長に亘ってサイド不織布7,7が設けられ、このサイド不織布7,7の一部が側方に延在されるとともに、同じく側方に延在された不透液性裏面シート2の一部とによってウイング状フラップW、Wが形成されている。
前記サイド不織布7としては、重要視する機能の点から撥水処理不織布または親水処理不織布を使用することができる。たとえば、経血やおりもの等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの機能を重視するならば、シリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いることが望ましい。また、前記ウイング状フラップW、Wにおける経血等の吸収性を重視するならば、合成繊維の製造過程で親水基を持つ化合物、例えばポリエチレングリコールの酸化生成物などを共存させて重合させる方法や、塩化第2スズのような金属塩で処理し、表面を部分溶解し多孔性とし金属の水酸化物を沈着させる方法等により合成繊維を膨潤または多孔性とし、毛細管現象を応用して親水性を与えた親水処理不織布を用いるようにすることが望ましい。
前記サイド不織布7の内方側は、図2に示されるように、前記サイド不織布7をほぼ二重に折り返すとともに、この二重シート内部に、その高さ方向中間部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された1または複数の、図示例では2本の糸状弾性伸縮部材8,8が配設され、その収縮力によって前記二重シート部分を肌側に起立させた立体ギャザーBS、BSが形成されている。
〔エンボス溝10〕
図1に示されるように、前記透液性表面シート3の面側には、排血口部Hを囲むように、エンボス溝10が形成されている。
前記エンボス溝10は、種々の平面パターンで設けることが可能である。本例では、図1に示されるように、排血口部Hを囲むように、ナプキン長手方向に長い全体として略小判形の閉合形状とされた中央エンボス11と、前記中央エンボス11の前側に離間して配置され、排血口部H側が幅方向に離間する略逆U字状をなす前側エンボス12と、前記中央エンボス11の後側に離間して配置され、排血口部H側が幅方向に離間する略U字状をなす後側エンボス13とから構成されている。
図示例のエンボス溝10についてさらに詳しく説明すると、前記中央エンボス11は、該中央エンボス11で囲まれた領域を装着者の排血口部に密着させやすくするとともに、体液の横方向及び前後方向への拡散を抑制して横漏れ及び前後漏れを防止するためのものである。前記前側エンボス12及び後側エンボス13はそれぞれ、中央エンボス11を越えて前側又は後側に拡散した体液を受け止めて、前側又は後側への体液の漏れを防止するためのものである。
前記中央エンボス11は、少なくとも排血口部Hを含む領域、好ましくは図1に示されるようにウイング状フラップWの基端長さとほぼ同じかこれより長い長手領域において、ナプキン長手方向に長い縦長の略小判形、楕円形又は長円形に形成されている。エンボス溝の溝幅は、全体に亘って同幅としてもよいが、図示例のように、両側の略長手方向に延びる部分の溝幅を、前後の円弧状部分の溝幅より狭くしてもよい。
前記前側エンボス12は、ナプキン前側に膨出する円弧状に形成されるとともに、後側の両端部が幅方向に離間し、その両端部から連続して幅方向外側に向けて延在する略逆U字状(略Ω状)パターンで形成されている。前記円弧状部分のナプキン幅方向の離間幅は、中央エンボス11のナプキン幅方向の離間幅とほぼ同等に形成され、中央エンボス11より前側に拡散した体液が前側エンボス12の内側に浸入しやすくなっている。前側エンボス12の溝幅は、全体に亘ってほぼ等幅に形成されている。
前記後側エンボス13は、ナプキン後側に膨出する円弧状に形成されるとともに、前側の両端部が幅方向に離間し、その両端部から連続して幅方向外側に向けて延在する略U字状(略逆Ω状)パターンで形成されている。前記後側エンボス13は、臀部溝の伝い漏れなどを防止するため、前記前側エンボス12と比較してナプキン長手方向に長く形成され、ナプキン長手方向のより広い範囲で体液を受け止めることができるようになっている。後側エンボス13の溝幅も全体に亘ってほぼ同等に形成されている。
前記エンボス溝10は、吸収体4を50%〜90%程度まで圧縮する深さで形成するのが好ましい。また、溝幅(エンボス溝10底面の幅)は、1mm〜5mm程度とするのがよい。
〔接着剤層〕
本生理用ナプキン1では、図1及び図2に示されるように、透液性表面シート3とセカンドシート6との間の排血口部Hに対応する領域の幅方向両側部にそれぞれ、ナプキン長手方向に沿って、ホットメルトなどの接着剤を面状に塗布した第1接着剤層20、20が形成されるとともに、セカンドシート6と吸収体4との間の前記第1接着剤層20より幅方向外側であって、前記第1接着剤層20より長手方向に長い領域に、ナプキン長手方向に沿って、ホットメルトなどの接着剤を面状に塗布した第2接着剤層21、21が形成されている。
さらに、図1及び図3に示されるように、透液性表面シート3とセカンドシート6との間のナプキン長手方向両端部にそれぞれ、幅方向に沿って、接着剤を面状に塗布した第3接着剤層22を形成するのが好ましい。
これにより、本生理用ナプキン1では、図4に示されるように、前記第1接着剤層20によって、透液性表面シート3とセカンドシート6との間を幅方向外側に拡散する体液が堰き止められ、この堰き止められた体液が下層側(吸収体4側)に浸透するようになる。このため、前記第1接着剤層20より幅方向外側に体液が拡散するのが抑えられ、体液の横漏れが防止できるようになる。
また、本生理用ナプキン1では、前記第2接着剤層21によって、セカンドシート6と吸収体4との間を幅方向外側に拡散する体液が堰き止められ、この堰き止められた体液が下層側(吸収体4側)に浸透するようになる。しかも、前記第2接着剤層21は、第1接着剤層20より幅方向外側であって、第1接着剤層20より長手方向に長い領域に形成してあるため、前記第1接着剤層20で堰き止められ下層側に浸透した体液が幅方向外側に拡散するのを前記第2接着剤層21によって堰き止めることができ、体液の横漏れが確実に防止できるようになる。
このように、本生理用ナプキン1では、第1接着剤層20及び第2接着剤層21の2段階に亘って、体液が各シート間を外側に拡散するのを堰き止めているので、吸収体4に吸収される前の体液がシート間を拡散して生理用ナプキン1の幅方向外側に横漏れするのが確実に防止できるようになる。なお、体液を堰き止める部材として、前記接着剤層を設ける他に、撥水機能を持つフィルム材などを配置することも考えられるが、原料コストが安価である、製造ラインの変更が少ない、不織布層にまで浸透して堰き止め効果が高くなるなどの理由から、前記接着剤層を設けた場合の方がメリットが大きい。
さらに、本生理用ナプキン1では、前記第3接着剤層22によって、長手方向外側に拡散する体液が堰き止められ、長手方向両端からの前後漏れも防止している。
以下、前記接着剤層についてより詳細に説明すると、
前記第1接着剤層20は、図1及び図2に示されるように、透液性表面シート3とセカンドシート6との間に形成され、これら透液性表面シート3とセカンドシート6とを直接接合するために設けられるものである。すなわち、セカンドシート6の表面側に第1接着剤層20を構成する接着剤が直接塗布され、その上面に透液性表面シート3が積層されることにより、前記透液性表面シート3とセカンドシート6とが前記第1接着剤層20によって直接接合されている。
図1に示されるように、透液性表面シート3の面側に排血口部Hを囲む中央エンボス11が形成される場合、この中央エンボス11を越えて幅方向外側に流れた体液の拡散を防止するため、前記第1接着剤層20は、前記中央エンボス11より幅方向外側であって、前記中央エンボス11の側縁から間隔をあけた領域に形成するのが好ましい。前記中央エンボス11で大多数の体液が堰き止められるため、前記接着剤層は、中央エンボス11を越えて拡散した体液を堰き止める役割を有するようになる。
前記第1接着剤層20のナプキン長手方向の範囲としては、図1に示されるように、少なくとも装着者の排血口部Hをナプキン幅方向に含む範囲、好ましくは装着者の排血口部Hより前後に長い範囲に形成するのがよい。図1では、第1接着剤層20は、装着者の排血口部Hより長い範囲であって、ウイング状フラップWの基端長さとほぼ同等の長さで形成され、中央エンボス11の長手方向長さより若干短く形成されている。これにより、排血口部Hから外側に拡散した体液が前記第1接着剤層20によって効果的に堰き止められるようになる。
図1に示されるように、前記第1接着剤層20は、排血口部Hの両側にそれぞれ1条ずつ左右一対で形成するのが好ましいが、排血口部Hの両側にそれぞれ幅方向に離間して複数条ずつ設けてもよい。
次いで、前記第2接着剤層21は、図1及び図2に示されるように、セカンドシート6と吸収体4との間に形成され、これらセカンドシート6と吸収体4とを直接接合するために設けられるものである。すなわち、吸収体4の表面側に第2接着剤層21を構成する接着剤が直接塗布され、その上面にセカンドシート6が積層されることにより、前記セカンドシート6と吸収体4とが前記第2接着剤層21によって直接接合されている。なお、前記吸収体4を囲繞する被包シートが設けられる場合には、前記第2接着剤層21は、セカンドシート6と被包シートとの間に形成するのが好ましい。
前記第2接着剤層21は、図1及び図2に示されるように、前記第1接着剤層20より幅方向外側に形成されている。第1接着剤層20より幅方向外側に形成されるとは、生理用ナプキン1の長手方向中心線を境とした片側半分において、第2接着剤層21の長手方向中心線側の端部が第1接着剤層20の長手方向中心線側の端部より外方側(生理用ナプキン1の側縁側)に位置することを意味している。これにより、第1接着剤層20によって堰き止められセカンドシート6を透過した体液が幅方向外側に拡散するのを、前記第2接着剤層21によって効果的に堰き止めることができるようになる。第1接着剤層20と第2接着剤層21とは、図1に示されるように、平面視で、幅方向に離間する離間部を有するように設けるのが好ましいが、平面視で一部重なるように設けてもよい。
前記第2接着剤層21を形成するナプキン幅方向の位置としては、図1に示されるように、吸収体4の両側縁部に沿って形成するのが好ましい。これにより、セカンドシート6が端部のめくれを防止しつつ吸収体4に接着されるようになるとともに、第2接着剤層21で堰き止められ下層側に浸透した体液が確実に吸収体4に吸収されるようになる。前記第2接着剤層21は、図示例のように前記吸収体4の側縁が長手方向に沿う直線で形成される場合には、この吸収体4の側縁に合わせて長手方向に沿う直線で形成するのが好ましく、吸収体4の側縁が曲線又は傾斜する直線を有する場合には、長手方向に沿う直線で形成してもよいし、吸収体4の側縁に合わせて曲線又は傾斜する直線を有するように形成してもよい。
前記第2接着剤層21のナプキン長手方向の範囲としては、図1に示されるように、第1接着剤層20よりナプキン長手方向に長く形成されている。ナプキン長手方向に長く形成するとは、第2接着剤層21の前端が第1接着剤層20の前端よりナプキン長手方向の前方に延びるように形成され、かつ第2接着剤層21の後端が第1接着剤層20の後端よりナプキン長手方向の後方に延びるように形成されることである。第2接着剤層21を第1接着剤層20よりナプキン長手方向に長く形成することにより、第1接着剤層20で堰き止められ下層側に浸透した体液が長手方向に拡散しつつ幅方向外側に拡散しても、第2接着剤層21で完全に堰き止めることができるようになる。
図1に示されるように、前記第2接着剤層21の前後端部は、生理用ナプキン1の前後端部まで延びるように形成してもよいが、少なくとも生理用ナプキン1の長手寸法に対し70%以上の長さで形成することにより、セカンドシート6と吸収体4との間を幅方向外側に拡散する体液に十分対応できるようになるため、この範囲に形成すればよい。図1に示されるように、排血口部Hを囲むエンボス溝10が設けられる場合、エンボス溝10で堰き止められた体液がエンボス溝10を越えて外側に拡散するのを防止するため、前記第2接着剤層21は、エンボス溝10よりナプキン長手方向に長い範囲に形成するのが好ましい。
次に、前記第3接着剤層22は、図1及び図3に示されるように、生理用ナプキン1の長手方向両端部にそれぞれ、幅方向に沿って形成されている。前記第3接着剤層22は、図1に示されるように、生理用ナプキン1の長手方向端部の外形線が長手方向外側に膨出する湾曲線からなる場合には、この外形線にほぼ沿うように長手方向外側に膨出する湾曲状に形成するのが好ましい。
前記第3接着剤層22は、透液性表面シート3とセカンドシート6との間に形成され、前記第1接着剤層20を塗工する工程で同時に塗工するのが好ましい。前記第1接着剤層20の塗工工程と同時塗工するには、前記第1接着剤層20と同様にナプキン長手方向に沿う短い直線状パターンの単位接着剤層22aをナプキン幅方向に複数隙間なく配置することにより、全体としてナプキン幅方向に沿う接着剤層を形成するのが好ましい。このとき、前記複数の単位接着剤層22a、22a…がナプキン長手方向に沿う直線状のパターンであるため、図1に示されるようにナプキン長手方向端部の外形線が湾曲線からなる場合には、単位接着剤層22aを前後に少しずつずらして塗工するようにする。
前記第3接着剤層22は、ナプキン長手方向の内側の端縁が、吸収体4と重なる位置まで延びるように形成するのが望ましい。これにより、第3接着剤層22の内側端縁で堰き止められた体液が下層側に浸透したとき、吸収体4に吸収保持されるようになる。
前記第3接着剤層22のナプキン幅方向の範囲は、図1に示されるように、吸収体4が介在する範囲とするのが好ましい。これにより、第3接着剤層22で堰き止められ下層側に浸透した体液が吸収体4に吸収保持できるようになる。なお、前記第3接着剤層22と第2接着剤層21とは、ナプキン長手方向の端部で一部重なっていてもよいし、図1に示されるように、第2接着剤層21のナプキン長手方向外側に第3接着剤層22が設けられるようにしてもよい。
前記第1接着剤層20、第2接着剤層21及び第3接着剤層22は、接着剤を面状に塗布することにより、ナプキン長手方向又はナプキン幅方向に連続する所定幅のほぼ帯状に形成されている。前記接着剤を面状に塗布することにより、各接着剤層の全面に亘って接着剤が塗布された接着部が形成されるようになり、接着部と非接着部とが混在する間欠的なものに比べ、体液の堰き止め効果が向上するようになる。
接着剤を面状に塗布するに当たっては、ホットメルト接着剤を接触式のスロット塗工で塗布することにより前記接着剤層を形成するのが好ましい。仮に、スプレー塗工やカーテン塗工などの非接触式の塗工方式の場合には、接着剤がノズルから飛び散って接着剤の塗布領域の端縁が不明確となってしまうため、体液の堰き止め効果が低下する。これに対し、前記接着剤層を接触式のスロット塗工で形成することにより、接着剤層の周縁が明確となり、体液を堰き止める効果がより一層向上できるようになる。また、スパイラル塗工やスプレー塗工などのように接着部と非接着部とが混在する間欠的な塗工では、接着部を越えて非接着部に体液が浸入しやすく、堰き止め効果が十分でない。これに対し、前記接触式のスロット塗工とすることにより、接着剤層の全面に亘って接着剤が塗布された接着部となるため、接着剤層への体液の浸入が防止でき、体液の堰き止め効果が向上できる。
前記第1接着剤層20、第2接着剤層21及び第3接着剤層22の好ましい寸法は、図1及び図2に示されるように、第1接着剤層20の幅L1としては1mm〜10mm、好ましくは2mm〜5mmとするのがよく、第1接着剤層20の長さL2としては50mm〜100mm、好ましくは55mm〜65mmとするのがよく、左右の離間幅L3としては30mm〜55mm、好ましくは40mm〜50mmとするのがよい。また、第2接着剤層21の幅L4としては5mm〜20mm、好ましくは7mm〜13mmとするのがよく、第2接着剤層21の長さL5としては190mm〜300mm、好ましくは220mm〜250mm程度とするのがよく、左右の離間幅L6としては50mm〜70mm、好ましくは60mm〜70mmとするのがよい。また、第1接着剤層20と第2接着剤層21との離間幅L7としては3mm〜15mm、好ましくは3mm〜7mmとするのがよい。また、第3接着剤層22を構成する前記単位接着剤層22aの幅L8としては3mm〜30mm、好ましくは15mm〜25mmとするのがよく、前記単位接着剤層22aの長さL9としては5mm〜25mm、好ましくは5mm〜15mmとするのがよい。
また、前記第1接着剤層20、第2接着剤層21及び第3接着剤層22の接着剤の目付としては、5g/m〜50g/m、好ましくは20g/m〜40g/mとするのがよい。
前記接着剤層20〜22を形成する粘着剤としては、たとえばスチレン系ポリマー、粘着付与剤、可塑剤のいずれかが主成分であるものが好適に使用される。前記スチレン系ポリマーとしては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体等が挙げられるが、これらのうち1種のみを使用しても、二種以上のポリマーブレンドであってもよい。この中でも熱安定性が良好であるという点で、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体が好ましい。また、前記粘着付与剤および可塑剤としては、常温で固体のものを好ましく用いることができ、粘着付与剤ではたとえばC5系石油樹脂、C9系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、ロジン系石油樹脂、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等が挙げられ、前記可塑剤では例えば、リン酸トリフレシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等のモノマー可塑剤の他、ビニル重合体やポリエステルのようなポリマー可塑剤が挙げられる。
次に、本生理用ナプキン1の変形例について、図5〜図8に基づいて説明する。図5及び図6に示される生理用ナプキン1では、前記第1接着剤層20の領域内にそれぞれ、透液性表面シート3の表面側からの圧搾により、長手方向に沿って両側エンボス14を施している。前記両側エンボス14は、前記第1接着剤層20の領域内であって、前記中央エンボス11の幅方向両側の前記中央エンボス11より幅方向に離間して配置され、ナプキン長手方向に沿うとともに、前記中央エンボス11の両側部にほぼ平行して形成されている。前記両側エンボス14を設けることにより、幅方向外側への体液の流れが堰き止められ、横漏れが防止できる。また、図7に示されるように、両側エンボス14を施した部分の透液性表面シート3とセカンドシート6との間に、前記第1接着剤層20が設けられるため、両側エンボス14近傍のポリマーが吸水して膨張した際、両側エンボス14の圧縮力によってポリマーの膨張が抑制され、ポリマーに吸収された体液が透液性表面シート3の表面側に逆戻りするのが防止できるようになる。これにより、逆戻りした体液が横漏れするのも回避できる。
前記両側エンボス14は、図示例では、隣接する中央エンボス11のナプキン長手方向に沿う部分と並行するように、幅方向外側に膨出する湾曲状に形成されているが、幅方向内側に膨出する湾曲線や直線、幅方向に凹凸を繰り返す波状線などで形成してもよい。
前記第1接着剤層20は、前記両側エンボス14を含む範囲、すなわち両側エンボス14より大きな範囲に形成されている。また、前記第1接着剤層20は、両側エンボス14による厚みの低下が生じなくなる範囲、具体的には圧搾の影響が及ばない部分の厚みに対して80%以上の厚みを有する範囲まで形成するのが好ましい。これにより、両側エンボス14を施したことによる圧搾の影響がほとんど及ばない範囲までの逆戻りが確実に防止できるようになる。
次いで、図8に示される生理用ナプキン1の変形例について説明する。本生理用ナプキン1では、ナプキン長手方向両端の前後漏れの防止効果を高めるため、透液性表面シート3とセカンドシート6との間の前記エンボス溝10より前側及び後側の両方又はいずれか一方に、前記エンボス溝10に沿って、接着剤を面上に塗布した第4接着剤層23が形成されている。すなわち、前記第4接着剤層23は、排血口部Hを囲むように形成されたエンボス溝10のうち、前側に配置された前側エンボス12より前側及び後側に配置された後側エンボス13より後側の両方又はいずれか一方の領域に形成されている。これにより、前記前側エンボス12又は後側エンボス13より長手方向外側に拡散しようとする体液が前記第4接着剤層23によって堰き止められ、前後漏れが確実に防止できるようになる。一方、Ω状又は逆Ω状に形成された前側エンボス12、後側エンボス13の内側での体液の拡散を促進するため、これらエンボスの内側には接着剤層を設けないようにする。なお、図示例では、前側エンボス12の前側及び後側エンボス13の後側の両方にそれぞれ第4接着剤層23を設けているが、いずれか一方にのみ設けるようにしてもよい。
図1〜図3に示される前記接着剤層を所定の領域に接触式のスロット塗工によって形成した本発明に係る生理用ナプキン1(実施例)、前記接着剤層を設けない生理用ナプキン(比較例1)、前記接着剤層を所定の領域にスパイラル塗工によって形成した生理用ナプキン(比較例2)について、体液の拡散範囲を比較する試験を行った。
前記実施例に係る生理用ナプキン1では、前記第1接着剤層20及び第2接着剤層21が形成され、それぞれ目付を30g/mとしている。図1及び図2に示される各部の寸法は、L1=5mm、L2=60mm、L3=45mm、L4=10mm、L5=240mm、L6=65mm、L7=5mmとした。
前記比較例2に係る生理用ナプキンでは、前記第1接着剤層20及び第2接着剤層21に対応する接着剤層をそれぞれ、ホットメルト接着剤を連続する螺旋状(スパイラル状)に塗布することにより形成し、接着剤の目付を10g/m、スパイラルのピッチを約5mmとしている。前記第1接着剤層20に対応する接着剤層の幅は10mm、第2接着剤層21に対応する接着剤層の幅は20mmとした。その他の寸法は上記実施例と同じである。
試験方法は、各ナプキンの透液性表面シートの表面中央部に、37℃の人工経血(粘度8)を3ccずつ1分間隔で繰り返し3回滴下したときの各回の人工経血の拡散範囲(ナプキンの長手方向及び幅方向の最大長さ)を定規によって測定した。前記人工経血は、1リットル中の成分が、グリセリン100ml、CMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)4.6g、精製水875ml、塩化ナトリウム10g、炭酸ナトリウム10.7gのものを使用した。
この結果、表1に示されるように、前記接着剤層を設けない比較例1は、接着剤層を設けた比較例2及び実施例と比較して幅方向により広い範囲に体液が拡散しやすい。
また、前記接着剤層をスパイラルパターンで塗布した比較例2では、曲線状の接着部と非接着部が混在するため、体液が接着部を越えて非接着部に浸入しやすく、実施例と比較して幅方向の広い範囲に体液が拡散する。
これに対して、実施例では、前記接着剤層が接着剤を面状に塗布することにより形成されるため、前記接着剤層によって外側に拡散する体液が確実に堰き止められ、比較例1、2と比較して幅方向への拡散が抑えられるようになる。
以上の結果から、接着剤を面状に塗布した接着剤層を所定の領域に設けることにより、体液の拡散が抑制され、吸収体に吸収される前の体液がシート間を拡散して外側に漏れるのが防止できるようになる。
Figure 0006457835
〔他の形態例〕
上記形態例では、透液性表面シート3と吸収体4との間に親水性のセカンドシート6を配設し、前記第1接着剤層20を前記透液性表面シート3とセカンドシート6との間に形成し、前記第2接着剤層21を前記セカンドシート6と吸収体4との間に形成していたが、これに代えて、図9に示されるように、前記セカンドシート6を配設せずに、前記吸収体4を被包シート5で囲繞し、前記第1接着剤層20を前記透液性表面シート3と被包シート5との間に形成し、前記第2接着剤層21を前記被包シート5と吸収体4との間に形成してもよい。これにより、セカンドシート6が不要になり、原料コストを低減することが可能となる。
1…生理用ナプキン、2…不透液性裏面シート、3…透液性表面シート、4…吸収体、6…セカンドシート、7…サイド不織布、10…エンボス溝、11…中央エンボス、12…前側エンボス、13…後側エンボス、14…両側エンボス、20…第1接着剤層、21…第2接着剤層、22…第3接着剤層、23…第4接着剤層

Claims (8)

  1. 透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在されるとともに、前記透液性表面シートと吸収体との間に中間シートが配設された吸収性物品において、
    前記透液性表面シートと中間シートとの間の体液排出部位に対応する領域の幅方向両側部にそれぞれ、長手方向に沿って、接着剤を面状に塗布した第1接着剤層を形成するとともに、前記中間シートと吸収体との間の前記第1接着剤層より幅方向外側であって、前記第1接着剤層より長手方向に長い領域に、長手方向に沿って、接着剤を面状に塗布した第2接着剤層を形成してあることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記透液性表面シートと中間シートとの間の前記吸収性物品の長手方向両端部にそれぞれ、幅方向に沿って、接着剤を面状に塗布した第3接着剤層を形成してある請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記接着剤層はそれぞれ、接触式のスロット塗工により形成されている請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品。
  4. 前記第2接着剤層は、吸収性物品の長手寸法に対し70%以上の長さで形成されている請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品。
  5. 前記透液性表面シートの面側に体液排出部位を囲むようにエンボス溝が形成され、
    前記接着剤層はそれぞれ、前記エンボス溝より外側に形成されている請求項1〜4いずれかに記載の吸収性物品。
  6. 前記第1接着剤層の領域内にそれぞれ、前記透液性表面シートの表面側からの圧搾により、長手方向に沿って両側エンボスを形成してある請求項1〜5いずれかに記載の吸収性物品。
  7. 前記透液性表面シートの面側に体液排出部位を囲むようにエンボス溝が形成され、
    前記透液性表面シートと中間シートとの間の前記エンボス溝より前側及び後側の両方又はいずれか一方に、前記エンボス溝に沿って、接着剤を面状に塗布した第4接着剤層を形成してある請求項1〜6いずれかに記載の吸収性物品。
  8. 前記中間シートは、前記透液性表面シートと吸収体との間に配設された親水性のセカンドシート又は前記吸収体を囲繞する被包シートである請求項1〜7いずれかに記載の吸収性物品。
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