JP3885398B2 - インク記録方法及びインク記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、インク吐出装置からインクを記録媒体上に吐出して、インクによる画像を記録媒体に形成するようにしたインク記録方法及びインク記録装置に係り、特に、上記のようにインクを記録媒体上に吐出させて画像を形成する場合に、フェザリングやブリーディングと呼ばれるインクの滲みが発生するのを防止すると共に、記録媒体に対するインクの定着性を向上させるようにした点に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットプリンタ等のインク記録装置においては、染料や顔料を水系媒体に溶解或いは分散させたインクをインク吐出装置から紙等の記録媒体上に吐出して、この記録媒体上にインクによる画像を形成するようにしていた。
【0003】
しかし、上記のようなインクを紙等の記録媒体上に吐出させて、この記録媒体にインクによる画像を形成するようにした場合、記録媒体上においてインクが滲んで、フェザリングやブリーディングと呼ばれるインクの滲みが生じるという問題があり、また顔料を用いたインクの場合には、顔料が記録媒体中に浸透せずに記録媒体上に残った状態となるため、摩擦等によって顔料が記録媒体上から取れたりするという問題があった。
【0004】
そこで、近年においては、特公平7−47355号公報に示されるように、インク中に水溶性若しくは水分散性のポリエチレンやポリアミドを含有させると共に、上記のポリエチレンやポリアミドを架橋させる架橋剤をインク中や記録媒体中に含有させ、インク中に含まれるポリエチレンやポリアミドをこの架橋剤により架橋させて、記録媒体上におけるインクの滲み等を防止するようにしたものが提案された。
【0005】
しかし、この公報に示されるように、水溶性若しくは水分散性のポリエチレンやポリアミドを含有するインク中に架橋剤を含有させると、このポリエチレンやポリアミドが架橋剤によりインク中において架橋されて、インクの粘度が高くなり、インク吐出装置からインクが吐出されにくくなると共に、インクがインク吐出装置に目詰まりし易くなるという問題があり、また記録媒体中に予め架橋剤を含有させた場合には、この架橋剤が記録媒体中に浸透してしまい、水溶性若しくは水分散性のポリエチレンやポリアミドを含有するインクをこの記録媒体に吐出させた場合に、このポリエチレンやポリアミドを適切に架橋させることができなくなるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、インク吐出装置から記録媒体上にインクを吐出させて、記録媒体にインクによる画像を形成するインク記録方法及びインク記録装置における上記のような問題を解決することを課題とするものであり、記録媒体上においてインクが滲んで、フェザリングやブリーディングと呼ばれるインクの滲みが生じるのを防止すると共に、顔料を用いたインクの場合に、記録媒体に供給されたインクの顔料が摩擦等によって記録媒体上から取れたりするのを抑制すること課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明におけるインク記録方法においては、上記のような課題を解決するため、インク吐出装置から記録媒体上にインクを吐出して画像を形成するインク記録方法において、酸性下において増粘する樹脂として、ウレタン系樹脂を含有するインクを用い、このインクをインク吐出装置から記録媒体上に吐出する前又は吐出した後に、上記の樹脂を増粘させる酸を記録媒体上に供給するようにしたのである。
【0008】
また、この発明におけるインク記録装置においては、上記のような課題を解決するため、インク吐出装置から記録媒体上にインクを吐出して画像を形成するインク記録装置において、酸性下において増粘する樹脂として、ウレタン系樹脂を含有するインクを用いると共に、インク吐出装置からこのインクを記録媒体上に吐出する前又は吐出した後に、上記の樹脂を増粘させる酸を記録媒体上に供給する供給装置を設けるようにしたのである。
【0009】
そして、この発明におけるインク記録方法やインク記録装置のように、酸性下において増粘する上記のような樹脂を含有するインクを用い、このインクをインク吐出装置から記録媒体上に吐出する前又は吐出した後に、上記の樹脂を増粘させる酸を記録媒体上に供給すると、この酸によってインク中に含有された上記の樹脂が増粘され、インクが速やかに記録媒体に定着されるようになる。
【0010】
このため、記録媒体上においてインクが滲むのが抑制され、フェザリングやブリーディングと呼ばれるインクの滲みのない良好な画像が得られると共に、顔料を用いたインクの場合にも、インク中の顔料が記録媒体に十分に定着されるようになり、摩擦等によりインクの顔料が記録媒体上から取れて、形成された画像がかすれたりするということもなく、安定した画像が得られるようになる。
【0011】
ここで、この発明のインク記録方法やインク記録装置において使用するインクとしては、従来より一般に使用されているインクを用いることができ、例えば、水系媒体中に水溶性染料を溶解させたものや、水系媒体中に顔料を分散させたもの等を使用することができ、また上記の染料や顔料としても、従来より一般に使用されている公知のものを用いることができる。
【0012】
そして、水系媒体中に加える染料や顔料の量については、その量があまり少ないと、インクに充分な色彩が付与されない一方、その量が多くなりすぎると、染料が充分に溶解されなかったり、顔料の分散が充分に行えなくなるため、一般にこれらの染料や顔料を0.1〜5重量%の範囲で加えるようにする。
【0013】
また、上記の染料や顔料を加える水系媒体においては、インクの特性を向上させるため、上記の架橋性を有する水溶性若しくは水分散性のポリエステル又はポリアミドの他に、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、pH調整剤、保湿剤、キレート剤、浸透剤、防カビ剤、速乾剤、安定剤、定着剤等を加えることが好ましい。
【0014】
ここで、粘度調整剤は、インクの粘度を調整してインクの吐出性を向上させると共に、普通紙等の記録媒体へのインクの浸透性を調整するために用いられ、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類を用いることができ、特に、ポリエチレングリコールを用いることが好ましい。そして、このような粘度調整剤をインクに添加させるにあたっては、その添加量が0〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%、より好ましくは1〜5重量%の範囲になるようにする。
【0015】
また、表面張力調整剤は、インクの表面張力を整えてインクの吐出性を向上させると共に、記録媒体へのインクの浸透性を調整するために用いられ、例えば、ノニオン系の界面活性剤や、シリコン系,フッ素系,アセチレン系等の各種の界面活性剤や、アニオン系,カチオン系の界面活性剤等を用いることができ、好ましくはノニオン系の界面活性剤を用いるようにする。そして、この表面張力調整剤をインクに添加させるにあたっては、その添加量が0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%、より好ましくは0.2〜1重量%の範囲になるようにする。
【0016】
また、pH調整剤は、インクのpHを適切な状態に保ち、pHの変化によって顔料の分散安定性が低下するのを抑制するために用いられ、例えば、NaHCO3 ,Na2 B4O7 ,Na2 CO3,KHCO3 ,K2 CO3,NaOH,CH3 COONa,N(CH2 CH2OH)3 等を用いることができ、特に、NaHCO3 を用いることが好ましい。そして、このようなpH調整剤をインクに添加させるにあたっては、その添加量が0.1〜1重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%、より好ましくは0.2〜0.5重量%の範囲になるようにする。
【0017】
また、保湿剤は、水系媒体の主成分である水の蒸発によってインクの濃度や粘度等が変化して、インクの吐出安定性が低下するのを防止するために用いられ、例えば、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール200、ジプロピレングリコール、2,2’−チオジエタノール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレングリコール類;1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等を用いることができ、特に、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等を用いることが好ましい。そして、このような保湿剤をインクに添加させるにあたっては、その添加量が1〜10重量%、好ましくは3〜10重量%、より好ましくは5〜8重量%の範囲になるようにする。
【0018】
また、キレート剤は、インク中に存在する金属イオンを捕捉し、金属イオンによってカーボンブラックの分散安定性が失われるのを防止するために用いられるものであり、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、ニトリル三酢酸ナトリウム、ヒドロオキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等を用いることができる。そして、このようなキレート剤をインクに添加させるにあたっては、その添加量が0.1〜1重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%、より好ましくは0.2〜0.5重量%の範囲になるようにする。
【0019】
また、浸透剤は、インクの記録媒体への浸透性を高めるために用いられるものであり、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキネエーテル類等を用いることができる。そして、このような浸透剤をインクに添加させるにあたっては、その添加量が1〜10重量%、好ましくは3〜10重量%、より好ましくは4〜8重量%の範囲になるようにする。
【0020】
また、防カビ剤は、インク中においてカビ等が発生するのを防止するために用いられるものであり、例えば、チアベンゾール(メルク社製),メルガール(ヘキスト社製)等のイミダゾール系のものや、プロキセル(ゼネカ社製)、アモルデン(大和化学工業社製)等のイソチアゾリン系のものや、プレベントールシリーズ(バイエル社製)、ソヂウムオマジン、ジオキシン、ジヒドロ酢酸ナトリウム、水ガラス等を用いることができる。そして、このような防カビ剤をインクに添加させるにあたっては、その添加量が0.01〜0.5重量%、好ましくは0.05〜0.4重量%、より好ましくは0.1〜0.4重量%の範囲になるようにする。
【0021】
また、速乾剤は、インクが記録媒体に付着した後、インクが速やかに乾いたり浸透したりして、他の記録媒体にインクが付着して汚れるのを防止するために用いられるものであり、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等の低級アルコール類等が用いられる。
【0022】
また、安定剤は、水系媒体中において顔料の分散安定性が低下するのを防止するために用いられるものであり、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン,スルホラン,ジメチルサルフォキサイド,ε−カプロラクタム等の環状アミド化合物;スクシンイミド等のイミド化合物;ホルムアミド、ソルビット、1,3−ビス(β−ヒドロキシエチル)ウレア等が用いられ、好ましくはトリエタノールアミンを用いるようにする。そして、このような安定剤をインクに添加させるにあたっては、その添加量が0.1〜1重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%、より好ましくは0.2〜0.5重量%の範囲になるようにする。
【0023】
また、定着剤は、インクの記録媒体への定着性を向上させるものであり、例えば、水溶性のポリエステル類、ポリウレタン類、ポリアミド類、ポリイミド類、ポリアクリル類、ポリビニルアルコール類等が用いられ、好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類を用いるようにする。そして、このような定着剤をインクに添加させるにあたっては、その添加量が0.1〜15重量%、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは4〜8重量%の範囲になるようにする。
【0024】
また、上記のインク中に含有させる酸性下において増粘する樹脂としては、上記のようにウレタン系樹脂を用いることができ、ウレタン系樹脂としては、例えば、カチオン系ウレタン、アニオン型ポリウレタン、ノニオン型ポリウレタン、アイオノマー型ポリウレタン、変性ウレタン等を用いることができ、特に、アニオン型ポリウレタンを用いることが好ましい。
【0026】
また、上記の酸性下において増粘する樹脂を増粘させる酸としては、例えば、塩酸、硝酸等を用いることができ、特に、記録媒体に紙を用いた場合における耐性を考慮すると、酸として塩酸を使用することが好ましい。
【0028】
そして、この発明におけるインク記録方法やインク記録装置において、上記の酸を供給装置によって記録媒体上に供給するにあたっては、ローラやブラシ等によって酸を記録媒体上に塗布したり、吐出装置によって酸を記録媒体上に吐出させたり、噴霧装置によって酸を記録媒体上に噴霧させる等の方法を用いることができる。
【0029】
ここで、上記のようにローラによって酸を記録媒体上に塗布するにあたっては、このローラの材料としては、従来より一般に用いられている公知の材料を用いることができ、具体的には、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム,スチレン−イソプレン共重合ゴム,スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム,ブタジエン−イソプレン共重合ゴム,スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム,スチレン−イソプレンブロック共重合ゴム,アクリロニトリルブタジエンゴム,クロロプレンゴム等の共役ジエン系重合ゴム、塩素化ポリエチレンゴム,クロロスルホン化ポリエチレンゴム等の変性ポリエチレンゴム、α−オレフィン系共重合ゴム,シリコンゴム等を用いることができ、特に、ローラの耐性を考慮すると、変性ポリエチレンゴム、α−オレフィン系共重合ゴム、シリコンゴムを用いることが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態に係るインク記録装置及びインク記録方法を添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0031】
(実施形態1)
実施形態1においては、図1に示すように、記録媒体1上にインクを吐出させるインク吐出装置10よりも記録媒体1の搬送方向上流側の位置に、酸を記録媒体1に供給する供給装置20として、酸を記録媒体1に塗布する塗布ローラ21を設けている。
【0032】
そして、この塗布ローラ21により記録媒体1に酸を塗布した直後に、上記のインク吐出装置10から記録媒体1上に酸性下において増粘する樹脂を含有するインクを吐出させ、このインクに含有され樹脂を上記の酸により増粘させて、インクを記録媒体1に定着させるようにしている。
【0033】
(実施形態2)
実施形態2においては、図2に示すように、記録媒体1上にインクを吐出させるインク吐出装置10よりも記録媒体1の搬送方向下流側の位置に、酸を記録媒体1に供給する供給装置20として、酸を記録媒体1に塗布する塗布ローラ21を設けている。
【0034】
そして、上記のインク吐出装置10から記録媒体1上に酸性下において増粘する樹脂を含有するインクを吐出させた直後に、上記の塗布ローラ21によってインクが吐出された記録媒体1に酸を塗布し、インクに含有され上記の樹脂をこの酸により増粘させて、インクを記録媒体1に定着させるようにしている。
【0035】
(実施形態3)
実施形態3においては、図3に示すように、記録媒体1上にインクを吐出させるインク吐出装置10よりも記録媒体1の搬送方向上流側の位置に、酸を記録媒体1に供給する供給装置20として、酸を記録媒体1に吐出させる吐出装置22を設けている。
【0036】
そして、この吐出装置22によって記録媒体1に酸を吐出させた直後に、酸が吐出された記録媒体1の上に上記のインク吐出装置10から酸性下において増粘する樹脂を含有するインクを吐出させ、このインクに含有され樹脂を上記の酸により増粘させて、インクを記録媒体1に定着させるようにしている。
【0037】
(実施形態4)
実施形態4においては、図4に示すように、記録媒体1上にインクを吐出させるインク吐出装置10よりも記録媒体1の搬送方向下流側の位置に、酸を記録媒体1に供給する供給装置20として、酸を記録媒体1に吐出させる吐出装置22を設けている。
【0038】
そして、上記のインク吐出装置10から記録媒体1上に酸性下において増粘する樹脂を含有するインクを吐出させた直後に、インクが吐出された記録媒体1の部分に上記の吐出装置22から酸を吐出させ、インクに含有され上記の樹脂をこの酸により増粘させて、インクを記録媒体1に定着させるようにしている。
【0039】
【実施例】
次に、この発明に係るインク記録装置及びインク記録方法について具体的な実施例を挙げて説明すると共に、この発明の実施例によると、インクのにじみが少なく、十分な画像濃度を有すると共に、定着性に優れた良好な画像が得られることを、比較例を挙げて明らかにする。
【0040】
参考例1〜4)
参考例1〜4においては、インクとして、カーボンブラック分散液(Cabot社製:Cab−O−Jet300)を5重量部、グリセリンを19重量部、蒸留水を70重量部、トリエタノールアミンを1重量部、アルカリ性下において増粘するスチレン・マレイン酸系樹脂(藤井義通商社製:SMA−2000H)を5重量部の割合にし、これらを室温で3時間混合撹拌した後、ホモジナイザーにより液中における顔料の粒径を整え、その後、10μmのメンブレンフィルターで濾過したものを用いるようにした。
【0041】
一方、上記のインク中に含有させた樹脂を増粘させるアルカリとしては、1規定の水酸化ナトリウム水溶液を用い、また記録媒体1としては、市販の記録紙(ミノルタ社製:EPペーパー)を用いるようにした。
【0042】
そして、参考例1においては、上記の実施形態1に示すように、塗布ローラ21によって上記の記録媒体1に上記のアルカリを塗布した直後に、インク吐出装置10から記録媒体1上に上記のインクを吐出させ、インクに含有された上記のスチレン・マレイン酸系樹脂をアルカリにより増粘させて、インクを記録媒体1に定着させるようにした。
【0043】
また、参考例2においては、上記の実施形態2に示すように、インク吐出装置10から記録媒体1上に上記のインクを吐出させた直後に、この記録媒体1に塗布ローラ21によって上記のアルカリを塗布し、インクに含有された上記のスチレン・マレイン酸系樹脂をアルカリにより増粘させて、インクを記録媒体1に定着させるようにした。
【0044】
また、参考例3においては、上記の実施形態3に示すように、吐出装置22から記録媒体1に上記のアルカリを吐出させた直後に、インク吐出装置10からアルカリが吐出された記録媒体1の上にインクを吐出し、インクに含有された上記のスチレン・マレイン酸系樹脂をアルカリにより増粘させて、インクを記録媒体1に定着させるようにした。
【0045】
また、参考例4においては、上記の実施形態4に示すように、インク吐出装置10から記録媒体1上に上記のインクを吐出させた直後に、この記録媒体1に対して吐出装置22から上記のアルカリを吐出させ、インクに含有された上記のスチレン・マレイン酸系樹脂をアルカリにより増粘させて、インクを記録媒体1に定着させるようにした。
【0046】
(実施例1,2
実施例1,2においては、上記の参考例1〜4において用いたインクに含有させる樹脂を変更し、実施例においては、酸性下において増粘する樹脂としてポリウレタン(武田薬品社製:タケラックW−6015)を5重量部の割合で、実施例においては、酸性下において増粘する樹脂として水性ウレタン樹脂(ゼネカ社製:ネオレッツR−9621)を5重量部の割合で加えるようにし、それ以外については、上記の参考例1〜4の場合と同様にしてインクを調製した。
【0047】
また、上記のインク中に含有させた樹脂を増粘させる酸としては、1規定の塩酸水溶液を用いると共に、記録媒体1としては、上記の参考例1〜4の場合と同じ市販の記録紙(ミノルタ社製:EPペーパー)を用いるようにした。
【0048】
そして、これらの実施例1,2においては、上記の参考例1の場合と同様に、塗布ローラ21によって上記の記録媒体1に上記の酸を塗布した直後に、インク吐出装置10から記録媒体1上に上記の各インクを吐出させ、インクに含有された酸性下において増粘する上記のポリウレタンや水性ウレタン樹脂を上記の酸により増粘させて、インクを記録媒体1に定着させるようにした。
【0049】
(比較例1)
比較例1においては、上記の参考例1〜4と同じインクを用いると共に、記録媒体1としても同じ市販の記録紙(ミノルタ社製:EPペーパー)を用いるようにした。
【0050】
そして、この比較例1においては、上記の記録媒体1にインク吐出装置10から上記のインクだけを吐出させて画像を形成するようにし、記録媒体1にアルカリを供給しないようにした。
【0051】
次に、上記の参考例1〜4、実施例1,2及び比較例1に示すようにして、それぞれ記録媒体1に画像を形成し、形成された画像における印字品位、画像濃度、耐こすれ性の評価を行い、これらの結果を下記の表1に示した。
【0052】
ここで、印字品位については、上記の記録媒体1上に幅が3ドットの直線を印字して、この直線におけるガタツキ具合を示すTEP(Tangential
Edge Profile)を、ドットアナライザーDA−5000S(王子計測機器社製)を用いて調べ、TEPが60μm未満の場合を○、TEPが60μm以上の場合を×で示した。なお、TEPは、直線のガタツキを本来あるべき直線からの変位量として求め、その標準偏差値を示している。
【0053】
また、画像濃度については、上記の記録媒体1上にベタの印字を行い、このベタの印字部分における画像濃度(ID)を、サクラ濃度計PDA65(コニカ社製)により測定し、このベタの印字部分における画像濃度が1.4以上の場合を○、1.4未満で1.2以上の場合を△、1.2未満の場合を×で示した。
【0054】
また、耐こすれ性については、上記の記録媒体1上に画像を印字し、画像が形成されたこの記録媒体1上を、同じ記録媒体の紙片を用いて64g/m2 の圧力で1cm/秒の速度でこすり、印字された画像が乱れなくなるまでの時間を測定し、画像が乱れなくなるまでの時間が4秒未満の場合を○、4〜6秒の場合を△、6秒を越える場合を×で示した。
【0055】
【表1】
Figure 0003885398
【0056】
この結果から明らかなように、酸性下において増粘する樹脂を含有するインクを用い、このインクを記録媒体1上に吐出する直前又は吐出した直後に、酸を記録媒体1に供給するようにした実施例1,2のものは、酸を記録媒体1に供給しない比較例1のものに比べて、インクのにじみが少なくなると共に、十分な画像濃度を有し、耐こすれ性にも優れた良好な画像が得られた。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明におけるインク記録方法やインク記録装置においては、酸性下において増粘する前記の樹脂を含有するインクを用い、このインクをインク吐出装置から記録媒体上に吐出する前又は吐出した後に、上記の樹脂を増粘させる酸を記録媒体上に供給するようにしたため、この酸によりインク中に含有された上記の樹脂が増粘されて、インクが速やかに記録媒体に定着されるようになった。
【0058】
この結果、この発明におけるインク記録方法やインク記録装置によって記録媒体に画像を形成すると、記録媒体上においてインクが滲むのが抑制され、フェザリングやブリーディングと呼ばれるインクの滲みのない良好な画像が得られると共に、顔料を用いたインクの場合にも、インク中の顔料が記録媒体に十分に定着されるようになり、摩擦等によりインクの顔料が記録媒体上から取れて、形成された画像がかすれたりするということもなく、良好な画像が安定して得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態1に係るインク記録装置及びインク記録方法の概略説明図である。
【図2】 この発明の実施形態2に係るインク記録装置及びインク記録方法の概略説明図である。
【図3】 この発明の実施形態3に係るインク記録装置及びインク記録方法の概略説明図である。
【図4】 この発明の実施形態4に係るインク記録装置及びインク記録方法の概略説明図である。
【符号の説明】
1 記録媒体
10 インク吐出装置
20 供給装置
21 塗布ローラ
22 吐出装置

Claims (2)

  1. インク吐出装置から記録媒体上にインクを吐出して画像を形成するインク記録方法において、酸性下において増粘する樹脂として、ウレタン系樹脂を含有するインクを用い、このインクをインク吐出装置から記録媒体上に吐出する前又は吐出した後に、上記の樹脂を増粘させる酸を記録媒体上に供給することを特徴とするインク記録方法。
  2. インク吐出装置から記録媒体上にインクを吐出して画像を形成するインク記録装置において、酸性下において増粘する樹脂として、ウレタン系樹脂を含有するインクを用いると共に、インク吐出装置からこのインクを記録媒体上に吐出する前又は吐出した後に、上記の樹脂を増粘させる酸を記録媒体上に供給する供給装置を設けたことを特徴とするインク記録装置。
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