JP3884251B2 - スイミング用ゴーグル - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、スイミング用のゴーグルに関する。
【０００２】
【従来の技術】
実公平７−４９９６９には、水中眼鏡等に使用するバックル構造体が開示されている。このバックル構造体は、水中眼鏡のフレームの所要部位に弾性変形して嵌合・離脱する係合部位と、この係合部位と一体的に形成されたヘッドバンド挿入部位とを有する。ヘッドバンドは、その挿入部位において長さを調節することができる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のバックル構造体において、ヘッドバンドの長さを調節するときには、バックル構造体をフレームから外すことができるので、その調節作業にはフレームやレンズが邪魔にならず、作業が容易である。しかしながら、このバックル構造体は、硬質プラスチックで成形されるべきものであって、構造体の係合部位を指先で弾性変形させるには多少の力を要し、そうしたところに着用者によっては使いにくさを感じるということがあった。
【０００４】
この発明は、フレームに対してヘッドバンドを取り付け、取り外しできるスイミング用ゴーグルの改良に係り、その取り付け、取り外しのための作業に格別の力を必要とすることがないように、その作業を容易にすることを課題にしている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
前記課題解決のために、この発明が対象とするのは、前面と後面とを有するレンズ部と、前記レンズ部を囲むフレーム部と、前記フレーム部の後端部分に連結されたヘッドバンドとからなるスイミング用ゴーグルである。
【０００６】
かかるゴーグルにおいて、この発明が特徴とするところは、次のとおりである。
前記フレーム部は、前記後端部分に互いに並行して後方へ延びる上方アームと下方アームとを有し、前記両アームがそれらの先端部分に互いに対向して他方のアームへ向かう突出部を有し、前記突出部どうしの離間寸法が前記突出部よりも前方における前記両アームの離間寸法よりも小さく形成されており、
前記ヘッドバンドは、前記両アーム間に離脱可能に収容されたゴム弾性を有する連結部材を介して前記フレーム部に取り付けられており、前記連結部材は、前記両アーム間にあって前記突出部のそれぞれに前方から密着するとともに前記突出部よりも前記レンズ部寄りに位置する前記フレーム部の一部分に前方から密着している固定部と、前記固定部の後面から前記両アーム間を通り抜けて前記後方へ向かって延びる可撓性の帯状部と、前記帯状部の先端部分に形成された前記ヘッドバンドのための挿通孔とを有し、前記帯状部は、その幅と厚さとのうちの少なくとも一方の寸法が前記突出部どうしの離間寸法よりも小さい。
【０００７】
この発明には、次のような実施態様がある。
（１）前記ヘッドバンドには、前記連結部材よりも後方に長さを調節するためのバックルが取り付けられている。
（２）前記上方アームと下方アームとの間には、前記固定部の後面に密着可能な部位が形成されている。
（３）前記固定部が前記上方アームと向かい合う第１側面と前記下方アームと向かい合う第２側面とを有し、前記後面の近傍における前記上方アームと下方アームとの少なくとも前記第１及び第２側面の一方に、前記固定部の後面から前面へ向かう方向において、弾性変形して密着して、前記固定部が前記両アームの間から前方へ離脱することを抑制可能なストッパー用突起が形成されている。
（４）前記連結部材の帯状部は、その長さ方向の中央部において厚さがその残余部よりも薄くなるように作られている。
（５）前記帯状部の先端部分に取り付けられた前記ヘッドバンドは、前記レンズ部前面に対して９０°±１５°の角度を成して前記後方へ延びている。
【０００８】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照してこの発明に係るスイミング用ゴーグルの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【０００９】
図１に部分分解斜視図で示されたゴーグル１は、一対のレンズ部２と、各レンズ部２を囲むように形成されたフレーム部３と、各フレーム部３から後方へ延びる一条のヘッドバンド４とを有し、レンズ部２は前面２ａと後面２ｂとを有する。レンズ部２とフレーム部３とは、ポリカーボネートの如き硬質プラスチック材料で一体的に形成されている。フレーム部３の周縁には軟質弾性材料からなるクッションパッド６が取り付けられ、一対のレンズ部２またはフレーム部３は、その内端部どうしが鼻ベルト７によって連結されている。ヘッドバンド４は、ゴムまたはプラスチックエラストマーからなり、その両端部分に取り付けられている連結部材１１において折り返され、その折り返されて重なり合う部分がバックル１２に形成された２条の平行な透孔１３，１４に長さ調節可能に挿通されている。図において、一対の連結部材１１の一方は、フレーム部３に取り付けられ、もう一方はフレーム部３から取り外された状態で示されている。
【００１０】
フレーム部３は、ゴーグル着用者の頭部後方へ向かって互いに並行して延びる上方アーム１６と下方アーム１７とを有し、これら両アーム１６，１７は、延びた先端部分の内側に互いに対向して他方のアームへ向かって、即ち図の上下方向へ延びる突出部１８，１９を有する。上方アーム１６と下方アーム１７との間には、レンズ部２寄りの部分においてフレーム部３の一部をなす平滑部２１が介在しており、この平滑部２１が、上方および下方アーム１６，１７の外面よりもくぼんでいて、これら平滑部２１と両アーム１６，１７とで連結部材１１を収容可能な凹部２２を形成している。
【００１１】
ヘッドバンド４に取り付けられている連結部材１１は、ゴムやプラスチックエラストマー等のゴム弾性を有する材料からなるもので、フレーム部３の凹部２２に収容される固定部３１と、固定部３１の後面３６から後方ヘ延びる可撓性の帯状部３２と、帯状部３２の先端部分に形成されたバンド挿通孔３３とを有する。固定部３１は、上方アーム１６と下方アーム１７とに向かい合う一対の側面３５ａ，３５ｂのそれぞれにストッパー用突起３４を有する（図３を併せて参照）。
【００１２】
図２，３は、図１のＩＩ−ＩＩ線矢視図と、図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線矢視図である。連結部材１１は、その固定部３１が上方アーム１６と下方アーム１７との間にあってフレーム部３の凹部２２に収容され、固定部３１の後面３６が平滑部２１の少なくとも一部分、例えば先端部分２１ａに前方（図２の上方）から密着するとともに、上方アーム１６と下方アーム１７との突出部１８と１９とにも前方から密着している。固定部３１の後面３６からは、帯状部３２が上方アーム１６と下方アーム１７との間を通り抜けて後方（図の下方）へ延びている。好ましい帯状部３２は、実質的に水平を成すレンズ部２の前面２ａに対してほぼ直交するように後方へ延びており、それにより帯状部３２の先端部分に取り付けられたヘッドバンド４がレンズ部２の前面に対して９０°±１５°の角度を成して後方へ延びている。また、好ましい帯状部３２は、長手方向中央部においてその厚さＴが最も薄くなるように、より好ましくは図示例のように帯状部部３２の外側面３２ａが平坦面を成し、内側面３２ｂが凹曲面を成すことによって厚さＴが最も薄くなるように作られている。ヘッドバンド４は、帯状部３２とともに双頭矢印Ａ方向へ動き得ることが好ましいものであり、帯状部３２の長手方向中央部が薄く作られていると、その中央部を中心にして双頭矢印Ａ方向へ容易に動き、特に図示例のように薄く作られているとゴーグル着用者の側頭部に密着する方向へ容易に動く。連結部材１１は、図３に示されるように、その後面３６側において固定部３１が幅Ｐを有し、帯状部３２が幅Ｓを有する。一方のフレーム部３は、上方アーム１６と下方アーム１７との離間寸法Ｑと、突出部１８と１９との離間寸法Ｒを有する。幅Ｐは幅Ｓよりも大きく、離間寸法Ｑは離間寸法Ｒよりも大きい。また、幅Ｐは離間寸法Ｑとほぼ同じであるかまたはそれよりも僅かに小さくかつ離間寸法Ｒよりも大きい。幅Ｓは図３のように離間寸法Ｒよりも大きい場合と離間寸法Ｒよりも小さい場合とがある。かかる帯状部３２の先端部分に形成されたバンド挿通孔３３にはヘッドバンド４が通されている。ゴーグル１が着用されてヘッドバンド４が図２，３の下方へ引張られた状態になると、連結部材１１は、固定部３１が上方アーム１６および下方アーム１７における突出部１８，１９と平滑部２１の一部２１ａとに前方から強く密着し、両アーム１６，１７の間から後方へ抜けることがない。凹部２２に収容された固定部３１は、上方アーム１６と下方アーム１７との間隙を塞いで、その間隙がスイミング中に水流に対する大きな抵抗となることを防止する。
【００１３】
連結部材１１において、好ましい帯状部３２の厚さＴは、帯状部３２がヘッドバンド４とともに双頭矢印Ａ方向へ容易に動き得るように、かつ、連結部材１１をフレーム部３の凹部２２へ収容するときにフレーム部３の突出部１８と１９との間を容易に通過し得るようにそれらの離間寸法Ｒに比べて十分小さく形成される。そのような連結部材１１を凹部２２へ収容するときには、帯状部３２の両面３２ａ，３２ｂのそれぞれが上方アーム１６と下方アーム１７とに向き合うようにして突出部１８と１９との間を帯状部３２が通過するようにすると、連結部材１１に対して特に力を加える必要がない。ただし、連結部材１１は、帯状部３２の厚さＴに代えて帯状部３２の幅Ｓが離間寸法Ｒよりも小さく形成されていてもよいし、幅Ｓと厚さＴとが離間寸法Ｒよりも小さく形成されていてもよい。幅Ｓと厚さＴとのうちの少なくとも一方が離間寸法Ｒよりも小さければ、帯状部３２は、突出部１８，１９との間を通過するときに格別な力を必要としない。固定部３１におけるストッパー用突起３４から３４までの幅Ｕは、離間寸法Ｑよりも大きい。こうした固定部３１は、それを適宜弾性変形させながらフレーム部３の凹部２２へ収容する。収容後の固定部３１は、上方アーム１６と下方アーム１７との間に殆ど隙間を作ることがないように収まり、ストッパー用突起３４は、図３に示されるように、上方アーム１６と下方アーム１７との後方に位置するようになって、固定部３１が凹部２２から前方へ離脱することを抑制するように作用する。
【００１４】
固定部３１が凹部２２へ収容された連結部材１１を外すには、固定部３１の後面３６を押して、ストッパー用突起３４を弾性変形させながら固定部３１を上方および下方アーム１６，１７の前方へ押出すようにし、その後に帯状部３２を上方及び下方アーム１６，１７の突出部１８と１９との間を通過させればよい。なお、ストッパー用突起３４は、固定部３１の側面３５ａ，３５ｂから僅かにふくらむ程度の高さにしておけばその目的を達成し得る部位であって、そのように高さのないこの突起３４は弾性変形させるのに大きな力が不要である。また、突起３４は、固定部３１における双方の側面３５ａ，３５ｂのうちの一方にだけ設けるようにすれば、固定部３１を押出すときの力がさらに小さくて足りるようになる。
【００１５】
【発明の効果】
この発明に係るスイミング用ゴーグルは、レンズ部を囲むフレーム部とヘッドバンドとをゴム弾性を有する連結部材を介して連結させ、その連結部材は、フレーム部の後端部分に形成された上方アームと下方アームとの間に、これら両アームの先端部分の離間寸法よりも小さな寸法の幅または厚さを有する帯状部を通過させることによって離脱可能に収容することができる。それゆえ、このゴーグルでは、ヘッドバンドの長さを調節するときなどに、大きな力を必要とせずにヘッドバンドをフレーム部に対して取り付け、取り外しすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】ゴーグルの部分分解斜視図。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線矢視図。
【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線矢視図。
【符号の説明】
１ ゴーグル
２ レンズ
３ フレーム
４ ヘッドバンド
１１ 連結部材
１６ 上方アーム
１７ 下方アーム
１８ 突出部
１９ 突出部
３１ 固定部
３２ 帯状部
３３ 挿通孔
Ｒ 離間寸法
Ｓ 幅
Ｔ 厚さ
【発明の属する技術分野】
この発明は、スイミング用のゴーグルに関する。
【０００２】
【従来の技術】
実公平７−４９９６９には、水中眼鏡等に使用するバックル構造体が開示されている。このバックル構造体は、水中眼鏡のフレームの所要部位に弾性変形して嵌合・離脱する係合部位と、この係合部位と一体的に形成されたヘッドバンド挿入部位とを有する。ヘッドバンドは、その挿入部位において長さを調節することができる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のバックル構造体において、ヘッドバンドの長さを調節するときには、バックル構造体をフレームから外すことができるので、その調節作業にはフレームやレンズが邪魔にならず、作業が容易である。しかしながら、このバックル構造体は、硬質プラスチックで成形されるべきものであって、構造体の係合部位を指先で弾性変形させるには多少の力を要し、そうしたところに着用者によっては使いにくさを感じるということがあった。
【０００４】
この発明は、フレームに対してヘッドバンドを取り付け、取り外しできるスイミング用ゴーグルの改良に係り、その取り付け、取り外しのための作業に格別の力を必要とすることがないように、その作業を容易にすることを課題にしている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
前記課題解決のために、この発明が対象とするのは、前面と後面とを有するレンズ部と、前記レンズ部を囲むフレーム部と、前記フレーム部の後端部分に連結されたヘッドバンドとからなるスイミング用ゴーグルである。
【０００６】
かかるゴーグルにおいて、この発明が特徴とするところは、次のとおりである。
前記フレーム部は、前記後端部分に互いに並行して後方へ延びる上方アームと下方アームとを有し、前記両アームがそれらの先端部分に互いに対向して他方のアームへ向かう突出部を有し、前記突出部どうしの離間寸法が前記突出部よりも前方における前記両アームの離間寸法よりも小さく形成されており、
前記ヘッドバンドは、前記両アーム間に離脱可能に収容されたゴム弾性を有する連結部材を介して前記フレーム部に取り付けられており、前記連結部材は、前記両アーム間にあって前記突出部のそれぞれに前方から密着するとともに前記突出部よりも前記レンズ部寄りに位置する前記フレーム部の一部分に前方から密着している固定部と、前記固定部の後面から前記両アーム間を通り抜けて前記後方へ向かって延びる可撓性の帯状部と、前記帯状部の先端部分に形成された前記ヘッドバンドのための挿通孔とを有し、前記帯状部は、その幅と厚さとのうちの少なくとも一方の寸法が前記突出部どうしの離間寸法よりも小さい。
【０００７】
この発明には、次のような実施態様がある。
（１）前記ヘッドバンドには、前記連結部材よりも後方に長さを調節するためのバックルが取り付けられている。
（２）前記上方アームと下方アームとの間には、前記固定部の後面に密着可能な部位が形成されている。
（３）前記固定部が前記上方アームと向かい合う第１側面と前記下方アームと向かい合う第２側面とを有し、前記後面の近傍における前記上方アームと下方アームとの少なくとも前記第１及び第２側面の一方に、前記固定部の後面から前面へ向かう方向において、弾性変形して密着して、前記固定部が前記両アームの間から前方へ離脱することを抑制可能なストッパー用突起が形成されている。
（４）前記連結部材の帯状部は、その長さ方向の中央部において厚さがその残余部よりも薄くなるように作られている。
（５）前記帯状部の先端部分に取り付けられた前記ヘッドバンドは、前記レンズ部前面に対して９０°±１５°の角度を成して前記後方へ延びている。
【０００８】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照してこの発明に係るスイミング用ゴーグルの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【０００９】
図１に部分分解斜視図で示されたゴーグル１は、一対のレンズ部２と、各レンズ部２を囲むように形成されたフレーム部３と、各フレーム部３から後方へ延びる一条のヘッドバンド４とを有し、レンズ部２は前面２ａと後面２ｂとを有する。レンズ部２とフレーム部３とは、ポリカーボネートの如き硬質プラスチック材料で一体的に形成されている。フレーム部３の周縁には軟質弾性材料からなるクッションパッド６が取り付けられ、一対のレンズ部２またはフレーム部３は、その内端部どうしが鼻ベルト７によって連結されている。ヘッドバンド４は、ゴムまたはプラスチックエラストマーからなり、その両端部分に取り付けられている連結部材１１において折り返され、その折り返されて重なり合う部分がバックル１２に形成された２条の平行な透孔１３，１４に長さ調節可能に挿通されている。図において、一対の連結部材１１の一方は、フレーム部３に取り付けられ、もう一方はフレーム部３から取り外された状態で示されている。
【００１０】
フレーム部３は、ゴーグル着用者の頭部後方へ向かって互いに並行して延びる上方アーム１６と下方アーム１７とを有し、これら両アーム１６，１７は、延びた先端部分の内側に互いに対向して他方のアームへ向かって、即ち図の上下方向へ延びる突出部１８，１９を有する。上方アーム１６と下方アーム１７との間には、レンズ部２寄りの部分においてフレーム部３の一部をなす平滑部２１が介在しており、この平滑部２１が、上方および下方アーム１６，１７の外面よりもくぼんでいて、これら平滑部２１と両アーム１６，１７とで連結部材１１を収容可能な凹部２２を形成している。
【００１１】
ヘッドバンド４に取り付けられている連結部材１１は、ゴムやプラスチックエラストマー等のゴム弾性を有する材料からなるもので、フレーム部３の凹部２２に収容される固定部３１と、固定部３１の後面３６から後方ヘ延びる可撓性の帯状部３２と、帯状部３２の先端部分に形成されたバンド挿通孔３３とを有する。固定部３１は、上方アーム１６と下方アーム１７とに向かい合う一対の側面３５ａ，３５ｂのそれぞれにストッパー用突起３４を有する（図３を併せて参照）。
【００１２】
図２，３は、図１のＩＩ−ＩＩ線矢視図と、図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線矢視図である。連結部材１１は、その固定部３１が上方アーム１６と下方アーム１７との間にあってフレーム部３の凹部２２に収容され、固定部３１の後面３６が平滑部２１の少なくとも一部分、例えば先端部分２１ａに前方（図２の上方）から密着するとともに、上方アーム１６と下方アーム１７との突出部１８と１９とにも前方から密着している。固定部３１の後面３６からは、帯状部３２が上方アーム１６と下方アーム１７との間を通り抜けて後方（図の下方）へ延びている。好ましい帯状部３２は、実質的に水平を成すレンズ部２の前面２ａに対してほぼ直交するように後方へ延びており、それにより帯状部３２の先端部分に取り付けられたヘッドバンド４がレンズ部２の前面に対して９０°±１５°の角度を成して後方へ延びている。また、好ましい帯状部３２は、長手方向中央部においてその厚さＴが最も薄くなるように、より好ましくは図示例のように帯状部部３２の外側面３２ａが平坦面を成し、内側面３２ｂが凹曲面を成すことによって厚さＴが最も薄くなるように作られている。ヘッドバンド４は、帯状部３２とともに双頭矢印Ａ方向へ動き得ることが好ましいものであり、帯状部３２の長手方向中央部が薄く作られていると、その中央部を中心にして双頭矢印Ａ方向へ容易に動き、特に図示例のように薄く作られているとゴーグル着用者の側頭部に密着する方向へ容易に動く。連結部材１１は、図３に示されるように、その後面３６側において固定部３１が幅Ｐを有し、帯状部３２が幅Ｓを有する。一方のフレーム部３は、上方アーム１６と下方アーム１７との離間寸法Ｑと、突出部１８と１９との離間寸法Ｒを有する。幅Ｐは幅Ｓよりも大きく、離間寸法Ｑは離間寸法Ｒよりも大きい。また、幅Ｐは離間寸法Ｑとほぼ同じであるかまたはそれよりも僅かに小さくかつ離間寸法Ｒよりも大きい。幅Ｓは図３のように離間寸法Ｒよりも大きい場合と離間寸法Ｒよりも小さい場合とがある。かかる帯状部３２の先端部分に形成されたバンド挿通孔３３にはヘッドバンド４が通されている。ゴーグル１が着用されてヘッドバンド４が図２，３の下方へ引張られた状態になると、連結部材１１は、固定部３１が上方アーム１６および下方アーム１７における突出部１８，１９と平滑部２１の一部２１ａとに前方から強く密着し、両アーム１６，１７の間から後方へ抜けることがない。凹部２２に収容された固定部３１は、上方アーム１６と下方アーム１７との間隙を塞いで、その間隙がスイミング中に水流に対する大きな抵抗となることを防止する。
【００１３】
連結部材１１において、好ましい帯状部３２の厚さＴは、帯状部３２がヘッドバンド４とともに双頭矢印Ａ方向へ容易に動き得るように、かつ、連結部材１１をフレーム部３の凹部２２へ収容するときにフレーム部３の突出部１８と１９との間を容易に通過し得るようにそれらの離間寸法Ｒに比べて十分小さく形成される。そのような連結部材１１を凹部２２へ収容するときには、帯状部３２の両面３２ａ，３２ｂのそれぞれが上方アーム１６と下方アーム１７とに向き合うようにして突出部１８と１９との間を帯状部３２が通過するようにすると、連結部材１１に対して特に力を加える必要がない。ただし、連結部材１１は、帯状部３２の厚さＴに代えて帯状部３２の幅Ｓが離間寸法Ｒよりも小さく形成されていてもよいし、幅Ｓと厚さＴとが離間寸法Ｒよりも小さく形成されていてもよい。幅Ｓと厚さＴとのうちの少なくとも一方が離間寸法Ｒよりも小さければ、帯状部３２は、突出部１８，１９との間を通過するときに格別な力を必要としない。固定部３１におけるストッパー用突起３４から３４までの幅Ｕは、離間寸法Ｑよりも大きい。こうした固定部３１は、それを適宜弾性変形させながらフレーム部３の凹部２２へ収容する。収容後の固定部３１は、上方アーム１６と下方アーム１７との間に殆ど隙間を作ることがないように収まり、ストッパー用突起３４は、図３に示されるように、上方アーム１６と下方アーム１７との後方に位置するようになって、固定部３１が凹部２２から前方へ離脱することを抑制するように作用する。
【００１４】
固定部３１が凹部２２へ収容された連結部材１１を外すには、固定部３１の後面３６を押して、ストッパー用突起３４を弾性変形させながら固定部３１を上方および下方アーム１６，１７の前方へ押出すようにし、その後に帯状部３２を上方及び下方アーム１６，１７の突出部１８と１９との間を通過させればよい。なお、ストッパー用突起３４は、固定部３１の側面３５ａ，３５ｂから僅かにふくらむ程度の高さにしておけばその目的を達成し得る部位であって、そのように高さのないこの突起３４は弾性変形させるのに大きな力が不要である。また、突起３４は、固定部３１における双方の側面３５ａ，３５ｂのうちの一方にだけ設けるようにすれば、固定部３１を押出すときの力がさらに小さくて足りるようになる。
【００１５】
【発明の効果】
この発明に係るスイミング用ゴーグルは、レンズ部を囲むフレーム部とヘッドバンドとをゴム弾性を有する連結部材を介して連結させ、その連結部材は、フレーム部の後端部分に形成された上方アームと下方アームとの間に、これら両アームの先端部分の離間寸法よりも小さな寸法の幅または厚さを有する帯状部を通過させることによって離脱可能に収容することができる。それゆえ、このゴーグルでは、ヘッドバンドの長さを調節するときなどに、大きな力を必要とせずにヘッドバンドをフレーム部に対して取り付け、取り外しすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】ゴーグルの部分分解斜視図。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線矢視図。
【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線矢視図。
【符号の説明】
１ ゴーグル
２ レンズ
３ フレーム
４ ヘッドバンド
１１ 連結部材
１６ 上方アーム
１７ 下方アーム
１８ 突出部
１９ 突出部
３１ 固定部
３２ 帯状部
３３ 挿通孔
Ｒ 離間寸法
Ｓ 幅
Ｔ 厚さ
Claims (6)
- 前面と後面とを有するレンズ部と、前記レンズ部を囲むフレーム部と、前記フレーム部の後端部分に連結されたヘッドバンドとからなるスイミング用ゴーグルにおいて、
前記フレーム部は、前記後端部分に互いに並行して後方へ延びる上方アームと下方アームとを有し、前記両アームがそれらの先端部分に互いに対向して他方のアームへ向かう突出部を有し、前記突出部どうしの離間寸法が前記突出部よりも前方における前記両アームの離間寸法よりも小さく形成されており、
前記ヘッドバンドは、前記両アーム間に離脱可能に収容されたゴム弾性を有する連結部材を介して前記フレーム部に取り付けられており、前記連結部材は、前記両アーム間にあって前記突出部のそれぞれに前方から密着するとともに前記突出部よりも前記レンズ部寄りに位置する前記フレーム部の一部分に前方から密着している固定部と、前記固定部の後面から前記両アーム間を通り抜けて前記後方へ向かって延びる可撓性の帯状部と、前記帯状部の先端部分に形成された前記ヘッドバンドのための挿通孔とを有し、前記帯状部は、その幅と厚さとのうちの少なくとも一方の寸法が前記突出部どうしの離間寸法よりも小さいことを特徴とする前記ゴーグル。 - 前記ヘッドバンドには、前記連結部材よりも後方に長さを調節するためのバックルが取り付けられている請求項１記載のゴーグル。
- 前記上方アームと下方アームとの間には、前記固定部の後面に密着可能な部位が形成されている請求項１または２記載のゴーグル。
- 前記固定部が前記上方アームと向かい合う第１側面と前記下方アームと向かい合う第２側面とを有し、前記後面の近傍における前記上方アームと下方アームとの少なくとも前記第１及び第２側面の一方に、前記固定部の後面から前面へ向かう方向において、弾性変形して密着して、前記固定部が前記両アームの間から前方へ離脱することを抑制可能なストッパー用突起が形成されている請求項１〜３のいずれかに記載のゴーグル。
- 前記連結部材の帯状部は、その長さ方向の中央部において厚さがその残余部よりも薄くなるように作られている請求項１〜４のいずれかに記載のゴーグル。
- 前記帯状部の先端部分に取り付けられた前記ヘッドバンドは、前記レンズ部前面に対して９０°±１５°の角度を成して前記後方へ延びている請求項１〜５のいずれかに記載のゴーグル。
Priority Applications (7)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
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