JP3883777B2 - フォトレジストパターン形成方法 - Google Patents

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子の微細フォトレジストパターン形成方法に関し、特に感光膜塗布時の簡単な温度操作で露光後遅延(post exposure delay)に対する耐性を向上させ、工程収率及び素子動作の信頼性を向上させることができる半導体素子の微細フォトレジストパターン形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造の微細加工工程で高感度を達成するため、近来は化学増幅型遠紫外線(DUV;Deep Ultra Violet)フォトレジストが脚光を浴びており、その組成は光酸発生剤(photoacid generator)と酸に敏感に反応する構造のマトリックス高分子及び溶媒を配合して製造する。
【0003】
このようなフォトレジストの作用機転は、非露光領域がパターンとなるポジティブフォトレジストの場合、光酸発生剤が光源から紫外線光を受けると酸を発生させ、このように発生した酸によりマトリックス高分子の主鎖又は側鎖が反応して分解されたり高分子の極性が大きく変化し、現像液により溶解される。一方、光を受けなかった部分は本来の構造をそのまま有するため、現像液に溶解されなくなる。このようにして、マスクの像を基板上に陽画像で残すことができる。また、露光領域がパターンとなるネガティブフォトレジストの場合は、光酸発生剤が光源から紫外線光を受けると酸を発生させ、このように発生した酸によりマトリックス高分子の主鎖、又は側鎖と架橋剤が反応して架橋結合が発生し、光を受けた部分が現像液に溶解されなくなる。このようにしてマスクの像を基板上に陰画像で残すことができる。
このようなリソグラフィー工程では、解像度は光源の波長に依存し光源の波長が小さくなるほど微細パターンを形成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、フォトレジストは優れたエッチング耐性と耐熱性及び接着性が求められ、その他にもArF感光膜として用いられるフォトレジストは、2.38wt%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に現像可能なものが好ましい。しかし、これら全ての性質を満たす重合体を合成することは非常に困難である。例えば、主鎖がポリアクリレート(polyacrylate)系である重合体の合成は容易であるが、エッチング耐性の確保及び現像工程に問題がある。
このようなエッチング耐性は主鎖(main chain)、或いは側鎖(side chain)に脂肪族環単量体(alicyclic unit)を投入することにより増加させることができるが、これは実際の半導体製造工程でさらに他の問題を発生させた。即ち、露光後遅延(post exposure delay)現象がある場合、露光により発生した酸が大気中のアミン(amine contamination)と反応して消滅することにより、現像時に露光部位の表面が溶解せず微細パターンを得ることができないか、或いはT−topが発生する等の問題点が露出した。このような現象は特に、大気中(environment)のアミン濃度が30ppb以上である場合にはさらに著しく現れるため、工程時に大気のアミン量を極少化する対策が求められた。
【0005】
このような現象を克服するため、▲1▼感光剤にアミンを投入する方法と、▲2▼スウィート光酸発生剤(sweet photoacid generator)を用いる方法(Frank Houlihan et al.,Journal of photopolymer science and technology,volume 11,number 3,1998,419〜430page)、或いは▲3▼感光剤の樹脂自体を改良する方法(J.Byers et al.,Journal of photopolymer science and technology,volume 11,number 3,1998,465〜474page)等が用いられた。しかし、このような方法等は外部大気のアミン濃度が少なくとも5ppb以下であってこそ効果を有するものであるため、大気中のアミン濃度を制御するために別途の追加工程が求められ、これは工程費用の上昇をもたらした。
【0006】
本発明は、前述の従来の問題を解決するため、高濃度のアミンが存在する雰囲気下でも優れたフォトレジストパターンを得ることができるフォトレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は露光後遅延に強い感光剤を製造する方法に対し重点的に研究した結果、感光剤の塗布工程で温度を上昇させる簡単な操作で露光後遅延に対する耐性の強い感光剤を作ることができるという驚くべき事実を知り本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、(a)40〜80℃の温度に加熱された感光剤を半導体基板上部にスピン塗布して感光膜を形成する段階と、(b)露光装置を利用して前記感光膜を露光する段階と、(c)前記結果物を現像する段階を含むフォトレジストパターン形成方法である。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のフォトレジストパターン形成方法であって、前記加熱された感光剤の温度は40〜50℃であることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のフォトレジストパターン形成方法であって、感光剤を塗布する前に、感光剤は20〜25℃で保管することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1記載のフォトレジストパターン形成方法であって、感光剤は噴射ノズルに至る途中、加熱手段を利用して40〜80℃の温度で加熱した状態でスピンコーティングされることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1記載のフォトレジストパターン形成方法であって、前記(b)段階の露光前及び/又は露光後に、それぞれベーク工程を行う段階をさらに含むことを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のフォトレジストパターン形成方法であって、前記ベーク工程は、10〜200℃で行われることを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1記載のフォトレジストパターン形成方法であって、前記露光装置はArF、KrF及びEUVを含む遠紫外線(DUV;Deep Ultra Violet)、E−ビーム、X−線及びイオンビームからなる露光源を用いることを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項1記載のフォトレジストパターン形成方法であって、前記露光工程は、1〜30mJ/cm2の露光エネルギーで行われることを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項1記載のフォトレジストパターン形成方法であって、前記現像工程を、アルカリ現像液を用いて行うことを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項9記載のフォトレジストパターン形成方法であって、前記アルカリ現像液は2.38wt%、又は2.5wt%のTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)水溶液であることを特徴とする。
【0018】
請求項11記載の発明は、請求項1記載のフォトレジストパターン形成方法であって、前記感光剤は脂肪族環単量体(alicyclic unit)でのみ構成されたフォトレジスト重合体を含むことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明では、(a)40〜80℃の温度に加熱された感光剤を半導体基板上部にスピン塗布して感光膜を形成する段階と、(b)露光装置を利用して前記感光膜を露光する段階と、(c)前記結果物を現像する段階を含むことにより、露光後遅延に影響を受けず優れたフォトレジストパターンを形成する方法を提供する。
【0021】
一般に感光剤は20〜25℃の温度、即ち常温で保管するが、本発明では感光剤を塗布するため噴射ノズルに移動させる途中に加熱手段を利用し、30〜80℃の温度で加熱した状態でスピンコーティングする簡単な操作により感光剤の露光後遅延に関する耐性を強化することができる。
前記パターン形成過程において、(b)段階の露光前及び/又は露光後にそれぞれベーク工程を行う段階をさらに含むことができるが、このようなベーク工程は10〜200℃で行われるのが好ましい。
【0022】
なお、露光工程で用いられる光源にはArF、KrF及びEUVを含む遠紫外線(DUV;Deep Ultra Violet)、E−ビーム、X線、又はイオンビーム等を用い、1〜30mJ/cm2の露光エネルギーで露光工程を行う。
前記現像工程はアルカリ現像液を用いて行われるが、このとき、前記アルカリ現像液は2.38wt%又は2.5wt%のTMAH水溶液であるのが好ましい。
【0023】
【実施例】
以下、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳しく説明する。
本発明者等は、露光後遅延(post exposure delay)に強い感光剤を製造する方法に対し重点的に研究した結果、感光剤高分子の3次構造を変化させれば露光後遅延に対する耐性の強い感光剤を作ることができるという事実を知った。
【0024】
一般に、脂肪族環単量体が多く導入された樹脂等をウェーハ上にコーティングさせると、分子等の間に空いた空間(空隙)が多く生じる。このような空隙等は露光により発生した酸を感光膜上に排出し易くし、さらに露光により発生した酸を無くすアミンの浸透を容易にする。したがって、露光後遅延が発生すれば外部アミンが光源により発生した酸を中和させ、さらに現像直前に酸の拡散のため高温で焼成する(bake)とき酸が蒸発して、化学増幅の役割を行うことができず、微細パターン形成を不可能にする。したがって、このような問題を解決するため高分子間の空隙を減少させる方法が最も重要である。
このため、本発明者等は感光剤塗布時の感光剤の温度を上昇させた。感光剤の温度を上昇させると、フォトレジスト高分子の構造は剛性棒型(rigid rod)、楕円型、或いは螺旋型(helix)の構造を有することになり、このような構造は応力を与える方向に対し水平に向かうことになる。したがって、フォトレジスト組成物の温度を高めると、フォトレジスト組成物を基板にさらに薄く、空き間なく塗布することができる。これによりフォトレジスト組成物内に高分子間の空隙が減少するため、露光後遅延のある場合にも優れたフォトレジストパターンが得られることを確認した。
【0025】
以下、本発明を下記比較例及び実施例により詳しく説明する。下記の実験は全て35ppbのアミンで汚染されている条件の下で行った。
【0026】
<比較例1>
下記式(1)の脂肪族環単量体でのみ構成された樹脂1gと、光酸発生剤であるトリフェニルスルホニウムトリフレート(triphenyl sulfonium triflate)0.012gとを、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(propylene glycol methyl ether acetate)溶媒7gに溶解して感光剤を製造した。
【化1】
Figure 0003883777
前記式で、a,b,c,dは重合比を表す数値である。
その後、前記感光剤をヘキサメチルジシラザン(hexamethyldisilazane;HMDS)で前処理されたウェーハ上に、感光剤温度を23℃に維持する通常の方法でスピンコーティングしてから、150℃で90秒間ソフトベーク(soft bake)した。
次いで、ArF露光装備を利用して10mJ/cm2から29mJ/cm2まで1mJ/cm2ずつ露光量を増加させていきながら20個のダイ(Die)を順次露光した後、ウェーハを10分間遅延させた。
その後、前記ウェーハを、140℃で90秒間露光後熱処理(post exposure bake)し、2.38wt%のTMAH水溶液で現像して感光膜パターンを形成した。
上記のような従来技術に係る半導体素子の微細パターン形成方法では、常温23℃で保管する感光剤をその温度のまま基板上に塗布し、後続工程を進めることになる。しかし、選択露光後に直ちに露光後熱処理を行うことができず、作業が遅延される場合には、10分程度遅延されても作業環境でのアミンの浸透により、図1に示すように上の部分が厚くなるT−top現象が発生するか、パターンが倒れる現象が発生する問題点がある。
【0027】
<比較例2>
感光剤塗布時の温度を82℃に上昇させたことを除いては前記比較例1と同様の方法を行った結果、82℃で感光剤溶媒の揮発性が非常によいため、塗布時に針状のディフェクト(defect)が発生する問題が生じた。
【0028】
<実施例>
前記式(1)の脂肪族環単量体でのみ構成された樹脂1gと、光酸発生剤であるトリフェニルスルホニウムトリフレート0.012gとをプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶媒7gに溶解して感光剤を製造し、HMDSで前処理したウェーハを用意した。
その後、23℃で保管した前記感光剤を噴射ノズルに至る途中、加熱手段を利用して40℃及び50℃で加熱した状態で通常の方法でスピンコーティングしてから、150℃で90秒間ソフトベーク(soft bake)した。
次いで、ArF露光装備を利用して10mJ/cm2から29mJ/cm2までmJ/cm2ずつ露光量を増加させていきながら20個のダイ(Die)を順次露光した後、ウェーハを20分間遅延させた。
その後、前記ウェーハを、140℃で90秒間露光後熱処理(post exposure bake)し、2.38wt%のTMAH水溶液で現像して感光膜パターンを形成した結果、図2に示すような良好な垂直パターンを得ることができた。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る半導体素子の微細フォトレジストパターン形成方法は、スピン塗布される感光膜を保管槽から噴射ノズルへ移動する間に、30〜80℃以上に温度を上昇させて塗布することにより、露光後熱処理が遅延されるか高濃度のアミンが存在する雰囲気下においても良好なパターンを形成することができる。したがって、簡単な工程でアミンによりパターンが不良化することを防止し、アミン除去のための設備が不要であり、工程収率が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術に係り形成された微細パターンのSEM写真である。
【図2】本発明に係り形成された微細パターンのSEM写真である。

Claims (11)

  1. (a)40〜80℃の温度に加熱された感光剤を半導体基板上部にスピン塗布して感光膜を形成する段階と、(b)露光装置を利用して前記感光膜を露光する段階と、(c)前記結果物を現像する段階を含むフォトレジストパターン形成方法。
  2. 前記加熱された感光剤の温度は40〜50℃であることを特徴とする請求項1記載のフォトレジストパターン形成方法。
  3. 感光剤を塗布する前に、感光剤は20〜25℃で保管することを特徴とする請求項1記載のフォトレジストパターン形成方法。
  4. 感光剤は噴射ノズルに至る途中、加熱手段を利用して40〜80℃の温度で加熱した状態でスピンコーティングされることを特徴とする請求項1記載のフォトレジストパターン形成方法。
  5. 前記(b)段階の露光前及び/又は露光後に、それぞれベーク工程を行う段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のフォトレジストパターン形成方法。
  6. 前記ベーク工程は、10〜200℃で行われることを特徴とする請求項5記載のフォトレジストパターン形成方法。
  7. 前記露光装置はArF、KrF及びEUVを含む遠紫外線(DUV;Deep Ultra Violet)、E−ビーム、X−線及びイオンビームからなる露光源を用いることを特徴とする請求項1記載のフォトレジストパターン形成方法。
  8. 前記露光工程は、1〜30mJ/cm2の露光エネルギーで行われることを特徴とする請求項1記載のフォトレジストパターン形成方法。
  9. 前記現像工程を、アルカリ現像液を用いて行うことを特徴とする請求項1記載のフォトレジストパターン形成方法。
  10. 前記アルカリ現像液は2.38wt%、又は2.5wt%のTMAH水溶液であることを特徴とする請求項9記載のフォトレジストパターン形成方法。
  11. 前記感光剤は脂肪族環単量体でのみ構成されたフォトレジスト重合体を含むことを特徴とする請求項1記載のフォトレジストパターン形成方法。
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