JP3883325B2 - 経皮吸収剤製品用セパレータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、経皮吸収剤製品において、経皮吸収剤層と接触して配設されるセパレータの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
貼着型の経皮吸収剤製品用のセパレータ(剥離シート)として、基材の片面または両面に剥離処理剤を塗布して加熱定着させたものが一般的に使用されている。ここで基材としては、
・グラシン紙等の紙基材、
・紙にポリエチレン等をラミネートしたラミネート紙、
・二軸延伸ポリエステルフィルム等のフィルム基材
などが用いられている。剥離処理剤としては、たとえばシリコーン系剥離処理剤が用いられる。
【0003】
このセパレータを用いた貼着型の経皮吸収剤製品は、典型的には、「セパレータ/経皮吸収性薬剤入り貼着層/支持層」の層構成を有し、その使用に際しては、この製品からセパレータを剥離除去し、残余のシートの貼着層の側を皮膚に当てて貼着する。
【0004】
特開平9−263532号公報には、支持体と感圧性粘着剤層と剥離ライナーとを有し、感圧性粘着剤層中に分散した薬剤または薬剤貯蔵層中の薬剤が該感圧性粘着剤層を介して、貼付した皮膚面から体内に吸収されるように構成した経皮吸収型製剤において、支持体および/または剥離ライナーがポリエチレンナフタレートフィルムである経皮吸収型製剤が示されている。
【0005】
本出願人の出願にかかる特開平9−156060号公報には、主として貼着型経皮吸収剤製品用の剥離シートとして、(イ)二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に樹脂被膜が設けられ、その少なくとも一方の樹脂被膜上にシリコーン系剥離剤による処理層を設けられるか、(ロ)二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、シリコーン系剥離剤が配合された樹脂被膜が設けられた構成を有する剥離シートが示されている。
【0006】
本出願人の出願にかかる特開平9−157608号公報には、主として貼着型経皮吸収剤製品用の剥離シートとして、二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面にアルミニウム箔が設けられ、その少なくとも一方のアルミニウム箔上にシリコーン系剥離剤による処理層が設けられた構成を有する剥離シートが示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
グラシン紙などの紙をダイレクトに剥離剤で処理したセパレータは、経皮吸収剤の薬効成分がセパレータに吸着されてしまうため、経皮吸収剤の有効量が経時的に減少してしまうという問題がある。紙にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙のポリエチレン層側を剥離剤で処理したセパレータも、薬効成分の種類によってはそれがポリエチレン層に吸着されるため、長期の保存に適さないという問題がある。
【0008】
二軸延伸ポリエステルフィルムに代表される透明なフィルム基材を用いたセパレータは、使用後にセパレータが床などに落ちていても気が付かず、足で踏んだときに滑って不測の事故を起こすおそれがあることなどの問題点があり、また製造工程における打ち抜きや使用時における腰が不足することがある。特開平9−263532号公報のようにフィルム基材(剥離ライナー)としてポリエチレンナフタレートフィルムを用いた場合も、この点では同様である。
【0009】
特開平9−156060号公報の剥離シートのうち(イ)のように二軸延伸ポリエステルフィルム上に樹脂被膜を設けると共にその樹脂被膜を剥離処理したもの、(ロ)のように二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に剥離剤配合樹脂被膜を設けたものは、薬効成分の保存性には問題を生じないものの、視認性の点では問題がある。
【0010】
二軸延伸ポリエステルフィルムの表面に印刷を施した後、その印刷面に剥離処理を施すことも考えられるが、このセパレータにおいては、印刷インクが経皮吸収剤の薬効成分を吸着すること、印刷インクにより剥離剤の硬化が阻害されることがあること、さらには剥離処理面が印刷パターンにより凹凸になることから剥離性能が安定しないことなどの問題がある。
【0011】
また、二軸延伸ポリエステルフィルムの表面に印刷を施した後、その印刷面とは反対側の面(印刷背面)に剥離処理を施すことも考えられるが、包装袋内に揮散した薬効成分がセパレータの印刷層により吸着され、また印刷が部分印刷の場合には、印刷のない部分には印刷インクの密着性を高める目的で施したコロナ放電処理などの易接着面が露出しているため、セパレータをロール状に巻き取ったときに剥離処理面が易接着面と接してしまい、剥離性能が不安定になるおそれがある。
【0012】
特開平9−157608号公報の二軸延伸ポリエステルフィルム/アルミニウム箔/剥離処理層の層構成を有する剥離シートは、アルミニウム箔の存在により透明性やデザインに制限が加わること、アルミニウム箔は比較的高価であるので、コスト的に不利となることなどの問題点がある。
【0013】
本発明は、このような背景下において、剥離処理層の形成が容易でかつ表面が平滑で安定した剥離性を発揮することができ、経皮吸収剤の薬効成分の吸着量が少なく、印刷インクによる剥離剤の硬化阻害の問題もなく、腰があるので使用時の取り扱い性や製造時の作業性が良好であり、またセパレータの取り扱い方法、注意事項、商品名などを明記でき、さらには剥離除去後のセパレータを容易に視認することができる判別性を有している経皮吸収剤製品用セパレータを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の経皮吸収剤製品用セパレータは、
経皮吸収剤層(B) と接触して配設されるセパレータ(A) であって、該セパレータ(A) が、最内層(11)および最外層(12)が共に透明な樹脂層であり、かつこれらの両層(11), (12)の中間に視認性付与機能を有する判別層(13)が位置する積層体(1) からなり、かつその積層体(1) の少なくとも一方の表面に剥離剤による剥離処理層(2) が形成された構造を有すること、
前記のセパレータ (A) における透明な樹脂層である前記の最内層 (11) および最外層 (12) が、共に二軸延伸ポリエステルフィルムからなること、および、
前記のセパレータ (A) における視認性付与機能を有する判別層 (13) が、印刷層 (13a) であること、
を特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0016】
〈セパレータ(A) 〉
セパレータ(A) は、最内層(11)および最外層(12)が共に透明な樹脂層であり、かつこれらの両層(11), (12)の中間に視認性付与機能を有する判別層(13)が位置する積層体(1) からなる。そしてその積層体(1) の少なくとも一方の表面には、剥離剤による剥離処理層(2) が形成されている。
【0017】
最内層(11)および最外層(12)を形成する透明な樹脂層としては、本発明においては、機械的特性(強度、剛性・腰、寸法安定性等)、薬効成分の非吸着性、焼却性、印刷適性、コストなどを総合考慮して、共に二軸延伸ポリエステルフィルムを用いる。ここでポリエステルとは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの総称である。
【0018】
最内層(11)、最外層(12)を形成する樹脂層の厚みは、特に限定はないものの、それぞれ 0.1〜200μm 程度、殊に 0.1〜150μm 程度の範囲から選ぶことが多い。ただし片方が極端に薄いときには、他方については、必要な強度や腰を確保するため、厚めに設定する。最内層(11)の樹脂層(ポリエステル層)と最外層(12)の樹脂層(ポリエステル層)とは、同種であっても異種であってもよく、同種の場合でも厚みは異なっていてもよい。
【0019】
最内層(11)と最外層(12)とが共に透明な樹脂層である積層体(1) は、ドライラミネートなどの方法により両層をラミネートすることにより得ることができる。
【0020】
最内層(11)および最外層(12)の中間には、視認性付与機能を有する判別層(13)が位置するようにする。判別層 (13) としては印刷層(13a) があげられ、印刷層 (13a) と、紙層(13b) または着色接着剤層(13c) とを組み合わせて用いることもできる。
【0021】
印刷層(13a) は、セパレータ(A) の判別性を持たせるための層であり、取り扱い方法、注意事項、商品名などを表示することもできる。印刷層(13a) は、部分印刷層であっても全面印刷層であってもよい。印刷層(13a) は、任意の印刷インクを用いて公知の印刷方法(グラビア印刷法等)を用いて形成される。印刷層(13a) は、積層体(1) の最内層(11)または最外層(12)の内面側となる面、あるいは後述の紙層(13b) の少なくとも片面に設けられる。
【0022】
紙層(13b) としては、上質紙、中質紙、クラフト紙、再生紙をはじめとする種々の紙が用いられる。この紙層(13b) は、セパレータ(A) に腰を持たせる役割も果たし、これにより経皮吸収剤製品の製造工程での打ち抜き適性がすぐれたものとなる。
【0023】
着色接着剤層(13c) は、最内層(11)と最外層(12)とのラミネートに際し接着剤に染料や顔料を配合しておくことにより構成される。
【0024】
上述の最内層(11)と最外層(12)とのラミネートを接着剤層(ad)を介して行うときは、その接着剤層(ad)は種類や厚みを自在に設計することができるので、上記の紙層(13b) を設けない場合でも、また設ける紙層(13b) が薄い場合でも、必要な腰が得られるようにすることができる。またこの接着剤層(ad)として着色した接着剤を用いれば、先に述べた着色接着剤層(13c) となる。
【0025】
最内層(11)、最外層(12)を形成する樹脂層の内面側には、判別層(13)や接着剤層(ad)の設置に先立ち、コロナ放電処理等の密着性向上処理を施しておくことが好ましい。
【0026】
積層体(1) の好ましい層構成の例は、
・最内層(11)/印刷層(13a) /最外層(12)、
・最内層(11)/印刷層(13a) /接着剤層(ad)/最外層(12)、
・最内層(11)/接着剤層(ad)/印刷層(13a) /最外層(12)
最内層(11)/印刷層(13a) /接着剤層(ad)/紙層(13b) /接着剤層(ad)/最外層(12)、
・最内層(11)/接着剤層(ad)/紙層(13b) /接着剤層(ad)/印刷層(13a) /最外層(12)、
・最内層(11)/接着剤層(ad)/印刷層(13a) /紙層(13b) /印刷層(13a) /接着剤層(15)/最外層(12)、
・最内層(11)/接着剤層(ad)/紙層(13b) /印刷層(13a) /接着剤層(ad)/最外層(12)、
・最内層(11)/接着剤層(ad)/印刷層(13a) /紙層(13b) /接着剤層(ad)/最外層(12)
最内層(11)/印刷層(13a) /着色接着剤層(13c) /最外層(12)、
・最内層(11)/着色接着剤層(13c) /印刷層(13a) /最外層(12)、
などであり、他にも種々のバリエーションが可能である。
【0027】
セパレータ(A) は、このような積層体(1) の少なくとも一方の表面に、剥離剤による剥離処理層(2) が形成された構造を有するものである。剥離処理層(2) は、典型的には、剥離剤を溶剤で希釈して塗工し、加熱定着することにより形成される。
【0028】
剥離処理層(2) の形成に用いる剥離剤としては、任意の剥離剤が用いられるが、剥離性能がすぐれかつ安定しているシリコーン系剥離剤が特に好適である。剥離処理層(2) の厚みは、塗工法による場合、固形分基準で、0.01〜3g/m2程度、殊に0.05〜1g/m2程度とするのが適当である。
【0029】
剥離剤による剥離処理層(2) の形成は、たとえば、積層体(1) を得た後の段階、積層前の最内層(11)または最外層(12)の段階、積層前の印刷層(13)を設けた最内層(11)または最外層(12)の段階に行うことができる。
【0030】
なお剥離処理層(2) は、樹脂被膜中に剥離剤を配合することにより形成してもよい。
【0031】
〈経皮吸収剤層(B) 〉
経皮吸収剤層(B) としては、たとえば、貼着剤成分(アクリル系粘着剤等)に、薬効成分(インドメタシン、ケトプロフェン、サリチル酸、ニトログリセリン、ニコチン酸をはじめとする種々様々な薬効成分)、および必要に応じて助剤(浸透剤等)を配合した組成物の層があげられる。
【0032】
〈貼着型の経皮吸収剤製品〉
経皮吸収剤製品は、セパレータ(A) /経皮吸収剤層(B) /支持層(C) の層構成を有し、適当な包材に包装される。このうち支持層(C) としては、たとえば、織布、不織布、編布、フィルムなどが用いられる。
【0033】
この貼着型の経皮吸収剤製品を使用するにあたっては、まずセパレータ(A) を剥離除去し、ついで残余のシートの経皮吸収剤層(B) 側を皮膚に当接して貼着すればよい。貼着を完全にするため、貼着シートの上からさらに粘着シートを貼着することもある。経皮吸収剤層(B) に含有されている薬効成分は徐々に皮膚から吸収され、所期の薬効が長時間にわたり発揮される。
【0034】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。
【0035】
〈セパレータ(A) の製造〉
実施例1
図1は本発明のセパレータ(A) をその製造工程および使用方法を含めて模式的に示した説明図である。
【0036】
図1中、(1) は積層体、(11)は最内層、(12)は最外層、(13a) は判別層(13)の一例としての印刷層、(ad)は接着剤層である。剥離処理層(2) は、他の層と紛れないように点線で示してある。(corona)とあるのはコロナ放電処理面である。(A) はセパレータ、(B) は経皮吸収剤層、(C) は支持層である。
【0037】
予め片面をコロナ放電処理した厚み25μm の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製の「ルミラーH−10」)(最外層(12)の一例)のコロナ放電処理面に、印刷インク(東洋インキ製造株式会社製の「ニューラミパック スーパー 草色」)をグラビアコーターにて1cm×1cmの方眼模様に印刷してから60℃で6秒間乾燥して印刷層(13a) を形成し、印刷原反を作成した。
【0038】
これとは別に、上記と同じ二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(最内層(11)の一例)のコロナ放電処理面に、接着剤(東洋モートン株式会社製の「AD308 A&B」)を乾燥基準で3g/m2となるように塗布後、上記の印刷原反の印刷層(13a) 側の面と貼り合わせた。
【0039】
これにより、「最内層(11)/接着剤層(ad)/印刷層(13a) /最外層(12)」の層構成を有する積層体(1) が得られたので、その積層体(1) の片面(図1では最内層(11)側の表面)に、剥離紙用のシリコーン系剥離剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製の「SD7229」)の溶剤溶液を乾燥基準で 0.2g/m2となるように塗布し、乾燥後、120℃×30秒の条件で硬化、定着させて剥離処理層(2) を形成し、目的とするセパレータ(A) を得た。
【0040】
実施例2
実施例1において、最外層(12)に全面印刷により印刷層(13a) を設けたほかは、実施例1と同様にしてセパレータ(A) を得た。
【0041】
実施例3
実施例2において、シリコーン系剥離剤として信越化学工業株式会社製の「KS−847」を用いたほかは実施例2と同様にしてセパレータ(A) を得た。
【0042】
比較例1
予め片面をコロナ放電処理した厚み50μm の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製の「ルミラーH−10」)のコロナ放電処理面に、実施例1と同じ印刷インクをグラビアコーターにて1cm×1cm方眼模様に印刷し、60℃で6秒間乾燥して、印刷原反を作成した。この印刷原反の印刷面とは反対側の面に実施例1と同じシリコーン系剥離剤を塗布、乾燥、硬化することにより、セパレータ(A) を得た。
【0043】
比較例2
予め片面をコロナ放電処理した厚み50μm の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製の「ルミラーH−10」)のコロナ放電処理面に、実施例2と同じ印刷インクをグラビアコーターにて全面印刷し、60℃で6秒間乾燥して、印刷原反を作成した。この印刷原反の印刷面に実施例2と同じシリコーン系剥離剤を塗布、乾燥、硬化することにより、セパレータ(A) を得た。
【0044】
〈測定方法〉
上記の実施例1〜3および比較例1〜2で作成したセパレータ(A) を用いて、下記の方法により、剥離力、残留接着率、薬剤吸着性を測定した。
【0045】
(1)剥離力
実施例および比較例で作成したセパレータ(A) の剥離処理層(2) 側の面に、ポリエステル粘着テープ(日東電工株式会社製の「No.31B」)を貼り合わせて、20g/cm2 の加重を載せて70℃で20時間熱処理する。これを引張試験機にかけ、セパレータ(A) からポリエステルテープを180°の角度、 0.3m/min の速度で剥がすときの抵抗値を剥離力とする。測定を4回行い、測定値の平均値と測定値の最小−最大範囲を求めた。
【0046】
(2)残留接着率
実施例および比較例で作成したセパレータ(A) の剥離処理層(2) 側の面に、ポリエステル粘着テープ(日東電工株式会社製の「No.31B」)を貼り合わせて、20g/cm2 の加重を載せて70℃で20時間熱処理した後、これをセパレータ(A) から剥がしてステンレス板に貼着する。一方、同テープをステンレス板に貼着したものをブランクとし、それぞれ引張試験機にかけ、剥がれるときの抵抗値を測定して、ブランクを基礎として百分率を算出する。得られた値が100%に近いほど残留接着率が良好であると判定する。
【0047】
(3)薬剤吸着性
実施例および比較例で作成したセパレータ(A) の剥離処理層(2) 側の面に、市販のセパレータ付き消炎鎮痛剤製品(久光製薬株式会社製の「のびのびサロンシップ」)からセパレータを剥離除去した経皮吸収剤層(B) /支持層(C) の経皮吸収剤層(B) を貼着する。これをアルミニウム箔ラミネートフィルムでできた袋に入れてから開封部をヒートシールして密閉状態にし、40℃のオーブン中に1ケ月放置する。一方、上記の市販のセパレータ付き消炎鎮痛剤製品をそのまま上記と同じ袋に入れて同じ条件で放置したものをブランクとする。そして、放置後のそれぞれのセパレータ中に含まれるL−メントール量を液体クロマトグラフにて測定し、ブランクを基礎として百分率を算出する。得られた値が高いほど、セパレータ(A) による薬剤(経皮吸収剤)の吸着量が少ないことになる。
【0048】
〈測定結果〉
結果を次の表1に示す。表1から、実施例1〜2と比較例1、実施例3と比較例2とを対比すると、実施例の方が剥離力が安定していること、実施例の残留接着率は良好であること、実施例の方がセパレータ(A) による薬剤吸着量が明らかに少ないことがわかる。
【0049】
【表1】

剥離力 (gf/50mm) 残留接着 薬剤吸着
平均値 min-max (%) (%)
実施例1 6 5- 6 96 105
実施例2 6 5- 6 97 108
比較例1 7 5-10 96 91
実施例3 9 8- 9 100 107
比較例2 25 16-33 89 85
【0050】
実施例
図2は本発明のセパレータ(A) の他の一例を模式的に示した説明図である。図中、(13a) は印刷層、(13b) は紙層である。
【0051】
予め両面に印刷層(13a) を設けた坪量110g/m2の上質紙(紙層(13b) の一例)の両面に、厚み20μm のポリエチレン層を接着剤層(ad)として用いた押出ラミネートにより、厚み16μm の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(最内層(11)および最外層(12)の一例)をラミネートした。
【0052】
これにより、「最内層(11)/接着剤層(ad)/印刷層(13a) /紙層(13b) /印刷層(13a) /接着剤層(ad)/最外層(12)」の層構成を有する積層体(1) が得られたので、その積層体(1) の片面に剥離紙用のシリコーン系剥離剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製の「SD7229」)の溶剤溶液を乾燥基準で 0.2g/m 2 となるように塗布し、乾燥後、120℃×30秒の条件で硬化、定着させて剥離処理層(2) を形成し、目的とするセパレータ(A) を得た。このセパレータ(A) を用いて消炎鎮痛剤製品(経皮吸収剤層(B) 中の薬効成分はケトプロフェン)を作製した。
【0053】
結果を次に示す。このセパレータ(A) は、従来の紙基材剥離紙と同等の好ましい加工適性を有しており、かつ薬剤を吸着しがたいものであった。
・厚み:171μm (JIS P 8118)
・引張強度(MD方向):18kgf/15mm (JIS P 8113)
・伸度(MD方向): 4.0% (JIS P 8132)
・引裂強度(TD方向):136gf (JIS P 8116)
・剥離力:313gf/50mm (ゴム系粘着剤)
・剥離力: 33gf/50mm (アクリル系粘着剤)
・残留接着率:100%(アクリル系テープ)
・薬剤吸着:ケトプロフェンの吸着なし
【0054】
実施例
図3は本発明のセパレータ(A) をその製造工程を含めて模式的に示した説明図である。
【0055】
この実施例においては、実施例1における接着剤層(ad)を、その接着剤に着色剤を加えた着色接着剤層(13c) 代替してある。
【0056】
【発明の効果】
本発明の経皮吸収剤製品用セパレータにあっては、
・積層体(1) への剥離処理層(2) の形成が容易でかつ表面が平滑で安定した剥離性を発揮させることができること、
・セパレータ(A) による経皮吸収剤層(B) からの薬効成分の吸着量が少ないこと、
・判別層(13)が印刷層(13a) であるときは、その層は内部に設けてあるので、印刷インクによる剥離剤の硬化阻害の問題がないこと、
・積層体(1) を構成する最内層(11)または最外層(12)あるいは紙層(13b) に印刷層(13a) を設けることにより、セパレータの取り扱い方法、注意事項、商品名などを明記することができること、
・判別層(13)(印刷層(13a) 、あるいは該層と紙層(13b) または着色接着剤層(13c) との組み合わせ)が存在するので、経皮吸収剤製品から剥離除去したセパレータ(A) の判別性があること、
・判別層(13)として印刷層 (13a) と共に紙層(13b) を設けたときは、従来の紙基材剥離紙と同等の好ましい加工適性を有するセパレータ(A) が得られる上、廃棄時の焼却処理も容易になること、
・最内層(11)と最外層(12)とのラミネートを接着剤層(ad)を介して行うときは、その接着剤層(ad)または着色接着剤層(13c) は種類や厚みを自在に設計することができるので、上記の紙層(13b) を設けない場合でも、また設ける紙層(13b) が薄い場合でも、必要な腰が得られるようにすることができること、
などのすぐれた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のセパレータ(A) をその製造工程および使用方法を含めて模式的に示した説明図である。
【図2】 本発明のセパレータ(A) の他の一例を模式的に示した説明図である。
【図3】 本発明のセパレータ(A) をその製造工程を含めて模式的に示した説明図である。
【符号の説明】
(A) …セパレータ、
(B) …経皮吸収剤層、
(C) …支持層、
(1) …積層体、
(11)…最内層、
(12)…最外層、
(13)…判別層、
(13a) …印刷層、(13b) …紙層、(13c) …着色した接着剤層、
(ad)…接着剤層、
(2) …剥離処理層、
(corona)…コロナ放電処理面

Claims (2)

  1. 経皮吸収剤層(B) と接触して配設されるセパレータ(A) であって、該セパレータ(A) が、最内層(11)および最外層(12)が共に透明な樹脂層であり、かつこれらの両層(11), (12)の中間に視認性付与機能を有する判別層(13)が位置する積層体(1) からなり、かつその積層体(1) の少なくとも一方の表面に剥離剤による剥離処理層(2) が形成された構造を有すること、
    前記のセパレータ (A) における透明な樹脂層である前記の最内層 (11) および最外層 (12) が、共に二軸延伸ポリエステルフィルムからなること、および、
    前記のセパレータ (A) における視認性付与機能を有する判別層 (13) が、印刷層 (13a) であること、
    を特徴とする経皮吸収剤製品用セパレータ。
  2. 前記のセパレータ (A) における視認性付与機能を有する判別層 (13) が、印刷層 (13a) と紙層 (13b) または着色接着剤層 (13c) とを組み合わせた層であること、を特徴とする請求項1記載の経皮吸収剤製品用セパレータ。
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