JP6570204B2 - 貼布剤用離型フィルム、及びそれを用いた経皮吸収貼布剤 - Google Patents
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Description
さらに詳細には、経皮吸収貼布剤から剥離した後の貼布剤用離型フィルムを、誤って床等に落下させても、貼布剤用離型フィルムが落下していることを容易に視認できるとともに、落下した貼布剤用離型フィルムを拾い上げ易くした貼布剤用離型フィルムである。かつ、経皮吸収貼布剤を使用する時の作業性を落とすことなく、貼布剤用離型フィルムを廃棄する時の廃棄物量を減容でき、安価な貼布剤用離型フィルムを提供するものである。また、本発明は、該貼布剤用離型フィルムを使用した経皮吸収貼布剤を提供するものである。
また、本発明は、前記の貼布剤用離型フィルムを使用した経皮吸収貼布剤を提供する。
また、本発明は、該貼布剤用離型フィルムを使用した経皮吸収貼布剤を提供することができる。
図1は、本発明の貼布剤用離型フィルムの一例を模式的に示す断面図であって、基材フィルム1の片面に、離型剤層2を形成し、経皮吸収貼布剤の形態にした時に貼布剤用離型フィルムの縁部の少なくとも一カ所に、厚さが他の部分よりも厚くなるように、貼布剤用離型フィルムの離型処理され離型剤層が積層された面(以下、離型処理面という)に対して反対側の面に、樹脂コート層3を設けた貼布剤用離型フィルム10である。図2はその貼布剤用離型フィルム10を用いた経皮吸収貼布剤11の一例である。
樹脂コート層3には、視認性を向上させるため、色素、顔料、染料、金属微粒子、金属酸化物粒子、樹脂微粒子、天然鉱物の微粒子、カーボンブラック、ガラスビーズ、などの着色材や、着色材の分散性を高める分散剤、耐久性を高めるための架橋剤などを添加しても良い。着色材、分散剤、架橋剤等の添加は、それぞれ1種でも2種以上でもよい。
また、印刷等別の方法で基材フィルム1に視認性を付与する場合においては、樹脂自体に視認性がない樹脂コート層3も使用できる。貼布剤用離型フィルムの意匠性を高めるために、印刷等で基材フィルム1に意匠性を付け、樹脂コート層3に透明樹脂を用いて、貼布剤用離型フィルムの拾い上げ性や、経皮吸収貼布剤を使用する時の作業性の改善を行ってもよい。
また、経皮吸収貼布剤の形態にした時の貼布剤用離型フィルムの縁部に樹脂コート層を設けることで、貼布剤用離型フィルムの縁部のフィルムのコシが硬くなるため、経皮吸収貼布剤を使用する時に貼布剤用離型フィルムが剥がし易くなり、経皮吸収貼布剤を使用する時(貼付時)の作業性も改善することとなる。
貼布剤用離型フィルム10において樹脂コート層3が形成される箇所は、経皮吸収貼布剤11の端部(エッジ部分)の一部または全部に対応する箇所を含むことが好ましい。図4の場合、経皮吸収貼布剤11の端部(エッジ部分)の全部(全周)に対応して、基材フィルム1の各辺に樹脂コート層3が形成されている。
経皮吸収貼布剤11の支持体4は、経皮吸収貼布剤を使用する時に、薬効成分を含有した粘着剤層5の支持体となるもので、使用方法に合わせて選定すれば良く、特に限定されるものではない。従来から、経皮吸収貼布剤の用途に使用されている基布を、好適に用いることができる。具体的には、ポリオレフィンフィルム、塩化ビニルフィルム、不織布、などが使用できる。
経皮吸収貼布剤11の粘着剤層5には、経皮吸収貼布剤に一般的に使用される粘着剤を使用して良い。具体的には、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤などの粘着剤に薬効成分を混合した粘着剤で、形態としてはホットメルトタイプ、溶剤タイプ、エマルジョンタイプ等がある。
(実施例1の貼布剤用離型フィルム)
厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、離型剤として付加反応型シリコーン(東レ・ダウコーニング社製SRX−211 100重量部に対して、白金触媒SRX−212キャタリスト 0.6重量部になるように配合したもの)を乾燥後の厚さが0.1μmになるように塗布・乾燥させて、貼布剤用離型フィルムを作製した。得られた貼布剤用離型フィルムを、縦15cm、横12cmになるようにカットした。樹脂コート層として、アクリル系ハードコート剤(東洋インキ社製リオデュラスLCH)に青色顔料を添加したものを、貼布剤用離型フィルムの離型処理面に対して反対側の面の上部端部と下部端部の両方に、縦3cm、横12cmの大きさで、乾燥後の厚さが4μmとなるように、スクリーン印刷を行い、その後、紫外線を照射することにより樹脂コート層を硬化させ、貼布剤用離型フィルムを作製した。
樹脂コート層として、青色スクリーンインキ(十条ケミカル社製PET#9085)を、貼布剤用離型フィルムの離型処理面に対して反対側の面の上部端部と下部端部の両方に、縦3cm、横12cmの大きさで、乾燥後の厚さが4μmとなるように、スクリーン印刷を行い、その後、乾燥することにより樹脂コート層を硬化させた以外は、実施例1と同様にして、貼布剤用離型フィルムを作製した。
2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さを38μmにした以外は、実施例2と同様にして、貼布剤用離型フィルムを作製した。
貼布剤用離型フィルムの、離型処理面に対して反対側の面に樹脂コート層を施さなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1の貼布剤用離型フィルムを作製した。
樹脂を施す場所および大きさを、貼布剤用離型フィルムの中央部に縦3cm、横8cmとした以外は、実施例1と同様にして、比較例2の貼布剤用離型フィルムを作製した。
樹脂コート層として、ウレタン系樹脂(大同化成工業社製UN1175 100重量部に対して日本ポリウレタン工業社製硬化剤 コロネートHX 2重量部添加)に青色顔料を添加したものを、貼布剤用離型フィルムの離型処理面に対して反対側の面の上部端部と下部端部の両方に、縦3cm、横12cmの大きさで、乾燥後の厚さが4μmとなるように、スクリーン印刷を行い、その後、乾燥することにより、樹脂コート層を硬化させた以外は、実施例1と同様にして、貼布剤用離型フィルムを作製した。
厚さ75μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに、貼布剤用離型フィルムの樹脂コート層を作製するときに用いた樹脂組成物をベタで塗布、乾燥・硬化して、樹脂コート層を塗布したポリエチレンテレフタレートフィルムを作製する。得られたサンプルの、樹脂コート層を塗布した面同志の動摩擦係数を、JIS K7125に準じた方法により測定する。ただし、樹脂コート層を設けていない比較例1の場合は、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム自体をサンプルとし、そのフィルム表面同志の動摩擦係数を測定した。
得られた貼布剤用離型フィルムを、ガラス板およびアクリル板の上に、離型処理面が上になるように置く。ポリエチレン製手袋(アズワン社製サニメント手袋エンボスタイプ)を3枚重ねて手に付け、手袋をした手で、置いてある貼布剤用離型フィルムを、拾い上げた際の拾い上げに掛った時間を測定する。5回測定した平均値を、拾い上げ時間とした。同様に、離型処理面が下になるように置いた貼布剤用離型フィルムの、拾い上げ時間も測定した。
得られた貼布剤用離型フィルムの、離型処理面に市販の経皮吸収貼布剤(久光製薬社製フェイタス(登録商標)3.5αLから貼布剤用離型フィルムを除去した膏体)を、2kgゴムローラーを用いて、気泡の入らないように貼合する。その後、23℃、50%RHの環境下に24時間放置後、手で経皮吸収貼布剤を貼布剤用離型フィルムから剥離する際の、作業のしやすさを官能検査した。
得られた貼布剤用離型フィルムの離型処理面に、市販の経皮吸収貼布剤(久光製薬社製フェイタス(登録商標)3.5αLから貼布剤用離型フィルムを除去した膏体)を、2kgゴムローラーを用いて、気泡の入らないように貼合する。できたサンプルを外装袋(ポリエステルフィルム/アルミ箔/ポリエチレンの積層フィルムからなる外装袋)の中に入れ、23℃、50%RHの環境下に24時間放置する。その後、サンプルを外装袋から取り出す際の、作業性を官能検査した。
評価結果を表1に示す。
表1の試験結果から、本件実施例1〜3はいずれも、貼布剤用離型フィルムの拾い上げ性および経皮吸収貼布剤の使用時の作業性が良好であった。かつ、実施例3のように、貼布剤用離型フィルムに使用するフィルムの厚さが薄いものでも、作業性は殆ど変わらない結果となった。このことから、作業性を低下させることなしに、廃棄時のゴミの減容、貼布剤用離型フィルムのコストダウンを図ることが可能となる。
一方、貼布剤用離型フィルムの離型処理面に対して反対側の面に、樹脂コート層を施さなかった比較例1や、樹脂コート層を離型フィルムの縁部に設けなかった比較例2では、貼布剤用離型フィルムの拾い上げ性および経皮吸収貼布剤の使用時の作業性が不良となった。また、動摩擦係数の大きい樹脂コート層を用いた比較例3でも、貼布剤用離型フィルムの拾い上げ性および経皮吸収貼布剤の外装袋からの取り出し時の作業性は良くなかった。
Claims (3)
- 経皮吸収貼布剤に貼合する貼布剤用離型フィルムであって、基材フィルムの片面に離型処理が施され、離型剤層が積層されており、前記基材フィルムの反対側の面の、少なくとも1カ所の縁部に、または全周(4つの縁部)に、パターン化した樹脂コート層が積層されてなり、
前記樹脂コート層のパターンが、
(A)ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ニトロセルロース(硝化綿)からなる群から選択された1種以上の樹脂と、
(B)顔料、染料、色素、金属微粒子、金属酸化物粒子、樹脂微粒子、天然鉱物の微粒子、カーボンブラック、ガラスビーズからなる群から選択された1種以上と、
を含有する樹脂組成物を塗布して形成された薄膜の樹脂コート層のパターンであることを特徴とする貼布剤用離型フィルム。 - 前記基材フィルムが、ポリエステルフィルムであり、前記離型処理の離型剤が、シリコーン系離型剤であることを特徴とする請求項1に記載の貼布剤用離型フィルム。
- 請求項1又は2に記載の貼布剤用離型フィルムを使用した経皮吸収貼布剤。
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