JP3882660B2 - 車両用無線電話装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用無線電話装置であって、特に通話を終了させる終話スイッチに異常が発生した場合の処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用無線電話装置として、事故が発生したことをエアバックの展開により検出し、自動的に所定の緊急通報センターへ通報するものが周知である。また、この従来装置では、車室内の緊急用スイッチが手動で操作された場合でも、上記緊急通報センターに通報(電話)できる。また、この車両用無線電話装置は、上記緊急の通報だけでなく、それ以外の任意の人へ電話する、いわゆる通常の電話としても機能も有する。そして、電話を終話(通話を終了させ、電話回線を切断する)させるには、車内の操作パネルに配置された終話スイッチを操作する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記車両用無線電話装置において、終話スイッチが異常、故障であるときに、着信があると、その通話を終了させることができないという問題がある。
【0004】
そこで、本発明では、上記問題に鑑み、終話スイッチが異常となったときに、着信による通話が行われることを未然に防止することを目的とする。また、本発明の他の目的は、終話スイッチが異常であるときに、正常にその通話を終了させることを目的とする。
【0005】
なお、本発明における通話とは、音声に限らずデータ通信をも含む。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、通話を終了させる終話操作手段と、前記終話操作手段の異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段により異常が検出されているときには、着信があったとしても、前記着信による通話を禁止させる禁止処理を行う禁止手段とを備えることを特徴としている。
【0007】
これにより、禁止手段により、異常検出手段により異常が検出されているときには、着信があったとしても、前記着信による通話を禁止させるため、その着信による通話が行われることを未然に防止することができる。
【0008】
また、請求項2記載の発明では、禁止手段は、発信動作も禁止することを特徴としている。これにより、着信だけでなく、発信による通話をも禁止させるため、その発信による通話を未然に防止できる。
【0009】
また。請求項1記載の発明の具体的構成としては、請求項3記載の発明のように乗員が前記受話操作手段を操作しても、電話が受けられないよう禁止すると良い。
【0010】
また、請求項4記載の発明では、着信があった場合に着信音を発生させる着信音発生手段と、着信があったときに、電話を受けるために操作する受話操作手段とを有し、着信音発生手段は、上記異常が無い場合は、前記受話操作手段の操作によって、着信音の発生を停止し、上記異常が有る場合は、前記受話操作手段が操作されたとしても、着信音を継続して発生することを特徴としている。
【0011】
ここで、異常が有る場合は、本発明では着信があったとしても、その着信が通話となることは無い。従って、着信音を鳴らす必要は無いようにも考えられる。しかし、着信音が鳴らないと、乗員はその着信があったこと自体が分かりにくくなる。そこで、本発明では、異常があったとしても、着信音を鳴らすようにして、着信があったことを乗員に知らせることが可能である。また、請求項4記載の発明では、受話操作手段にて操作が行われても、着信音が鳴り続けるため、異常があることが乗員にとって分かりやすいという効果も有する。
【0012】
また、請求項5記載の発明では、禁止手段は、発信元検出手段により所定センターからの着信と判断されない場合、前記禁止処理を行い、一方、前記発信元検出手段により前記所定センターからの着信と判断した場合、その着信による通話を行うため禁止処理を行わないことを特徴としている。
【0013】
ここで、任意の相手に電話する一般的な電話機能において、終話操作手段が異常である場合に、ある人より着信があった場合、仮に通話ができたとすると、こちら側では通話を切れないため、相手側が間違って、あるいは故意に終話処理(操作)を行わないと、通話回線がつながったままの状態となる。
【0014】
一方、所定センターは、サービスを提供するものの立場から、回線を終了処理しないことは考えにくいし、回線を終了させないと、他のサービスを受ける人への応答ができない、つまり通話回線の空きが無くなってしまうこともあるため、確実に通話を終了させる。
【0015】
このような考えにより、請求項5記載の発明によれば、適切な発信元に対しては、異常があったとしても、その着信による通話を行えるようにしたため、着信による通話禁止動作を少なくすることができる。
【0016】
また、請求項5記載の具体例としては、請求項6記載の発明のように、車両を走行可能となるように操作する走行スイッチ(IG)がオフであっても、着信が受けられるようになっており、所定センターからの着信とは、車両のドアを開錠もしくは施錠させるコマンドを送信するためのものであり、この着信を受けると、自動的に通話状態となり、前記コマンドを受信する。
【0017】
これにより、車両のドアを開錠もしくは施錠させるコマンドのための着信を受けると終話操作手段に異常があっても、発信元に応じて、自動的に通話状態となるので、サービスの提供を受けることができる。
【0018】
また、請求項5記載の具体例としては、請求項7記載の発明のように前記所定センターからの着信とは、車両の位置を前記所定センターに送信させるコマンドを送信するためのものであり、この着信を受けると、自動的に通話状態となり、前記コマンドを受信する。
【0019】
これにより、車両の位置を前記所定センターに送信させるコマンドを送信するための着信を受けると、終話操作手段に異常があっても、発信元に応じて、自動的に通話状態となるので、位置をセンターに送信でき、サービスの提供を受けることができる。
【0020】
また、請求項8記載の発明では、禁止手段は、発信先検出手段により緊急通報センターへの発信と判断されない場合、禁止処理を行い、一方、発信先検出手段により緊急通報センターへの発信と判断した場合、その発信による通話を行うため禁止処理を行わないことを特徴としている。
【0021】
これにより、緊急時の発信は、終話操作手段に異常があっても、通常どおり発信できるため、センターに緊急状態を知らせることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態における緊急通報システムを表す図である。緊急通報システムは、大きく分けて、電話装置1(本発明の車両用無線電話装置。以下、単に電話装置)と、セルラー無線通信網100と、有線網(電話公衆網)200とからなる。車両用緊急電話装置1は、周知のように、自らのエアバック(図示しない)の展開を検出すると、自動的にセルラー無線通信網100、および有線網200を通じて、緊急通報センター201に電話発信する。そして、この際に、電話装置1は、自己のIDや、後述するGPS受信機3(図2参照)から取得された自車の位置を、センター201へ送信する。
【0025】
セルラー無線通信網100は、周知のもので各基地局(図示しない)がセル状の通信エリアを有し、これらが細胞のようにつながることで広域の通信エリアを形成している。
【0026】
有線網200は、公衆回線網といった周知のものであり、有線網200には、緊急通報センター201(以後、センター)が配置されている。このセンター201は、図示しないコンピュータを有し、このメモリに、サービス契約者の上記IDや、電話装置1から送信された位置に対応する地図情報を検索するソフトウェアが記憶されている。従って、センター201は、通報者が誰なのかを上記IDで把握できるとともに、通報者の位置を画面表示で確認することができるし、さらには、救急センターや警察などに事故が起こったことを通報することができる。
【0027】
本実施形態では、上記緊急通報センター201は、緊急通報だけでなく、その他サービスをもサービス契約者に提供するようになっている。この一例としては、電話装置1は、上述のように現在位置を送信できるため、乗員は、センター201のオペレータに音声通話により自車周辺のレストランの情報や、天気情報、もしくは道案内等のサービスを提供することができる。また、その他のサービスとしては、盗難追跡サービスおよびドア遠隔サービスがある。
【0028】
盗難追跡サービスは、センター201から着信を受けて、現在位置を要求する所定の追跡コマンドを受信すると、電話装置1は、後述のGPS受信機3から得られた位置情報を、センター201に送信し、センター201に盗難車の現在位置を知るものである。
【0029】
また、ドア遠隔サービスでは、センター201は、乗員が車のキーを落とした場合に、もしくは車内に閉じ込めてしまった場合に、その車の所有者から連絡を受けると、図示しないドアを開錠するためのコマンドを電話装置1へ送信したり、ドアの鍵をかけ忘れた場合に、ドアを施錠するコマンドを送信することで、車のドアの開閉を遠隔操作する。
【0030】
図2は、車両に搭載された上記電話装置1の構成を表す図である。電話装置1は、セルラー無線電話2と、制御部4と、GPS受信機3と、キー操作部6と、表示部(LCD)21と、リンガー22と、オーディオ装置5と、電源制御部7と、メモリ10とから構成されている。
【0031】
セルラー無線電話2は、通信事業者の基地局と通信して、音声通話およびデータ通信(上記位置データ、IDデータ)をセンターと行うことが可能となっている。また、本実施形態でのセルラー無線電話2は、音声をデジタル変調するデジタル方式のセルラー電話であり、例えば日本でいうPDC(パーソナルデジタルセルラー:TDMA多重通信)である。
【0032】
制御部4は、電話装置1を制御するコンピュータである。これは、ハード構成としては、図示しないRAM、ROM、CPUを有する周知のものを主体として構成されている。ただし、ROMに記憶されたプログラム、すなわち、その制御内容は、本発明の特徴部分を有する。制御部4は、図示しないが、車両のエアバッグの動作を検出することで、自動的に上記センター201へ緊急発信して、そのときの位置データを送ったのちに、音声通話を行う、いわゆるメーデー機能を実行する。
【0033】
GPS受信機3は、複数の人工衛星から、位置信号を受信して、自車の位置を検出する周知のものである。ここでGPS受信機3は、例えば3つの人工衛星からの信号を受信し復調する。また、自車位置の計算は、上記制御部4で行われ、この計算結果は、制御部4にて緯度経度データに変換される。
【0034】
キー操作部6は、電話の操作を行うためのものであり、通常の電話機能(一般電話機能)のために、テンキー(ボタン)6fや、発呼キー(ボタン)6d、終了キー(ボタン)6eを有する。テンキー6fは、任意の相手の電話番号を入力するためのものであって、0から9までの10個数字キーである。発呼キー6dは、この入力された番号に、電話の発信動作を開始させるためのものであるとともに、着信があった場合に電話を受ける受話操作手段をも構成している。また、終了キー6eは、その通話を終了させるための終話操作手段を構成している。
【0035】
また、本実施形態では、キー操作部6は、乗員により操作されると、上記センター201へ電話発信する緊急通報キー6a(緊急用スイッチ)、および上記センター201へ上述の道案内や天気情報などを問い合わせための情報キー6b(サービス用スイッチ)を有している。
【0036】
表示部21は、液晶などで構成された周知のもので、各種情報を表示するものである。リンガー22は、着信があった場合に、着信音を発生する手段であって、ブザー回路などで構成されている。なお、このリンガー22の代わりに、別の音源を用いて、後述のスピーカー5aから着信音を発生させるようにしても良い。
【0037】
オーディオ装置5は、上記通常の電話機機能や、メーデー機能にて音声通話を行うためのハンズフリー装置を構成するためのものである。本例では、このオーディオ装置5は、ラジオ、CD、カセットテープなどの周知のオーディオであるとともに、その音声入出力端子には、上記セルラー無線電話2の音声入出力端子が接続されている。
【0038】
オーディオ装置5は、ハンズフリー通話を行うためのスピーカー5a、マイク5bを有している。スピーカー5aは、そもそもラジオ、CDなどからの音声出力などを、車内に出力するものであって、本例では、ハンズフリー通話に兼用して使用される。一方、マイク5bは、特別にハンズフリー通話のためにオーディオ装置5へ接続されている。
【0039】
この構成により、基地局からの音声、つまり相手側の音声信号は、セルラー無線電話2→オーディオ装置5→スピーカー5aといった経路で、最終的に5aから出力される。一方、マイク5bからの入力音声は、オーディオ装置5→セルラー無線電話2を通じて、基地局へ送られる。
【0040】
電源制御部7は、車両に搭載されたバッテリ8からの電力を、電話装置1の各構成部へ供給もしくは停止するように制御するものである。電源制御部7には、図2に示すようにバッテリ8との間に、図示しないエンジンを始動して、車両を走行可能にする走行スイッチであるイグニッションスイッチ9(以下、IGスイッチ)が接続されている。電源制御部7と、IGスイッチ9との間には、電源ライン8bが接続されている。
【0041】
電源制御部7には、もう一つ、バッテリ8から電源供給行うための電源ライン8aが接続されている。このような2系統の電源ラインは、以下のように場合分けして使用される。電源制御部7は、常に電源ライン8a、8bからの入力電圧を監視しており、例えばIGスイッチ9がオンであれば、IGスイッチ9からの電源ライン8bだけから電力を得る。一方、IGスイッチ9がオフである場合は、電源ライン8bの入力電圧は0であるが、もう一方の電源ライン8aが所定以上と検出されるため、電源ライン8aから電力を供給するように内部で電力供給系をスイッチングする。
【0042】
電源制御部7は、電源ライン8aもしくは8bから電力供給を受けるが、その供給先としては、制御部4とオーディオ装置5とがある。つまり、電源制御部7は、電源ライン7aからオーディオ装置5へ電力を供給し、電源ライン7bから制御部4へ電力を供給する。また、他の構成部(セルラー無線電話2、GPS受信機3、キー操作部6)へは、制御部4を通じて電源が供給されるようになっている。
【0043】
なお、図2において、制御部4と電源制御部7とは、電源ライン7b以外に、シリアル通信による制御ライン(図示しない)で接続されており、電源制御部4は、IGスイッチ9のオンオフ状態を制御部4へ通知することがことができるし、制御部4からの指令により、電源制御部7は、オーディオ装置5への電力供給をオンオフさせることができる。
【0044】
記憶部であるメモリ10は、所定の通報先である上記センター201の電話番号、及び前記緊急通報システム端末機器1を搭載する車両の登録ナンバー(上記ID)、及び登録者などの情報を格納している。また、このメモリには、一般電話機能で使用する個人的な電話番号を登録した電話帳データが記憶されている。この電話帳データは、キー操作部6を操作することで、読み出して、発信時に利用することができる。
【0045】
次に、電話装置1におけるIGスイッチ9のオンオフに応じた動作について説明する。先ず、IGスイッチ9がオンであると、車両に搭載された周知のオルタネータ(図示しない)が発電を開始するため、電力供給としては余裕がある状態にあり、基本的に、電話装置1およびオーディオ装置5への電力供給を常時行って良い。この場合は、通常制御を行う。通常制御とは、以下の動作である。
【0046】
通常制御とは、全ての電源が、電源ライン8bから電話装置1に供給され、制御部4へは電源ライン7bから、オーディオ装置5へは電源ライン7aから電力供給される。これにより、各構成部は、その機能を実行することが可能となり、例えば制御部4は、キー操作部6からキー入力を受け付けるし、上述したエアバックの展開によるメーデー機能を実行する。また、GPS受信機3は、測位を開始する。
【0047】
通常制御におけるセルラー無線電話2では、電源が投入されると、周知の待ち受け動作となるように処理を行う。例えば、セルラー無線電話2は、電源が投入されると、予め決められた下り制御チャンネルのうち、先ず最初に捕捉する止まり木チャンネルをスキャンし、一つの制御チャネルを取得する。次にセルラー無線電話2は、決定した制御チャネルに対応する基地局に対して、位置登録を行ったり、基地局から待ち受け動作を行うためのチャネル情報を取得したりする。待ち受け動作は、基地局からの上記チャネル情報から、自己の呼出チャネルの周波数、タイムスロットを決定し、その呼出チャネルを周期的に受信することで、自己への呼び出し信号(着信)を待つ第1待ち受けモードとなる。この第1待ち受けモードは、例えば、呼出チャネルの受信周期として、数百ミリ秒のフレーム周期で、そのうち数十ミリ秒だけ受信動作を行う、いわゆる間欠受信を行う。
【0048】
通常制御におけるオーディオ装置5は、電源が投入されると、その内部のアンプ等からなる音声処理回路(図示しない)、スピーカー5a、マイク5bが動作可能となる。通常制御では、オーディオ装置5には常に電源が供給されている。そして、オーディオ装置5は、セルラー無線電話2の動作に応じて、その動作を通常のオーディオ(ラジオ、CD)動作と、ハンズフリー動作とを切り替える。具体的には、ラジオもしくはCDを聞いているときに、電話を発信した場合または着信があった場合、ラジオもしくはCDからの出力をスピーカー5aから出力されないようにミュートすることで、通話相手の音声をスピーカー5aから出力する。以上が通常制御の概要である。
【0049】
一方、IGスイッチ9がオフであると、上記通常制御とは異なる省電力動作を行う。これらの相違点は、以下である。
【0050】
上記通常制御では、セルラー無線電話2は、非常に短い周期で呼び出し信号を受信する待ち受けモードとなったが、省電力モードではセルラー無線電話2の電源オンオフがされることで、通常制御モードに比べて非常に長い周期で呼び出し信号を受信する。例えば、15分に1分だけ電源ライン7bから電源が供給されて、セルラー無線電話2は待ち受け動作を行う。
【0051】
従って、省電力モードでは、基地局から呼び出し信号を受ける頻度が非常に低くなり、通常制御に比べて消費電力は小さい。そして、電話装置1は、この省電力モードにより、IGスイッチ9がオフであっても、着信を受けることができ、上記ドア遠隔サービス、もしくは盗難追跡サービスを行うことが可能となる。
【0052】
また、省電力モードでは、オーディオ装置5には、着信があったときに、電力が供給され、着信が無い場合は、電力供給が停止される。
【0053】
次に本発明のポイントについて図3に基づき説明する。図3は、電話装置1に外部から着信があった場合の動作を表すものである。
【0054】
ここで、図3における前提として、着信があったことを制御部4が検出すると、リンガー22で呼出音(着信音)を発生し、乗員に電話がかかってきたことを報知する。なお、この際、表示部21に、この旨を表示させても良い。
【0055】
このような状況で、ステップS300では、着信状態が継続しているか否かを判断する。そして、着信後の最初のステップでは、ここでの判断はYESとなり、ステップS301に進む。一方、ステップS300での判定結果がNOの場合、つまり、通話が行われず、発信先の相手が電話を切った場合、もしくは着信状態から通話状態となった場合は、ステップS302に進み、着信音を停止させる。
【0056】
次にステップS301では、発信元が上記センター201か否かを判断する。具体的には、本例では、着信があった場合、発信先の電話番号が電話装置1に通知される、周知の発信者番号通知機能により、上記発信先の電話番号を得る。そして、この発信先の電話番号と、上記メモリ10に登録されているセンター201の電話番号とを比較し、発信元がセンター201か否かを判断する。
【0057】
このステップS301での判断結果がYESである場合、ステップS303に進み、上記発呼キー6dが操作されて、通話を受ける処理を行うか否かを判断する。ステップS303にて通話を受けると判断されると、着信音が停止され、ステップS306に進み、通話を行うための制御を行う。例えば、相手からの音声をスピーカー5aに出力したり、マイク5bからの音声を相手に送出する処理を行う。一方、ステップS303にてNOと判断された場合、つまり,着信状態が継続している場合は、ステップS300に戻る。
【0058】
ステップS301で発信元がセンター201でないと判断された場合、ステップS304に進み、ステップS303と同様な判断を行う。そして、通話処理が必要な場合は、ステップS305に進み、不必要な場合はS300に戻る。
【0059】
ステップS305では、終了キー6eが故障しているか否かを判定する。例えば、終了キー6eの信号ラインの異常電圧を検出して、故障か否かを判断する。そして、ステップS305で故障と判断されると、ステップS307に進み、終了キー6eが故障している旨を、上記表示部21に表示し、使用者に異常を報知する。一方、キー6eが正常である場合は、ステップS306に進む。なお、終了キー6eが異常であっても、着信が継続していれば、着信音は鳴り続ける。
【0060】
以上のように、本発明では、終了キー6eが故障していると、通話が受けられないように禁止するため、着信による通話が行われることを未然に防止することができる。また、通話を禁止する他の方法として、着信音を鳴らさずに、乗員に着信が無かったように見せかけるようにもできるが、本例では、着信音を鳴らし、さらに乗員が発呼キ−6dを操作した場合でも、着信音を鳴らしつづけるので、乗員に確実に故障を通知することができるとともに、異常があることが乗員にとって分かりやすい。
【0061】
また、例えば、乗員に緊急情報を伝える場合や、前回、音声通話により、自車周辺のレストランの情報や、天気情報、もしくは道案内等のサービスを受けた場合に、前回の情報を修正するためにセンター201から着信があった場合は、上記故障が発生したとしても、発信キー6dが操作されると、通話を受けられるようになっている。このため、サービスを継続して行うことができる。
【0062】
また、センター201では、上記「課題を解決するための手段」にて述べたように、センター以外の人からの着信に比べて、センター201は確実に通話を終了させるため、適切な発信元に対しては、異常があったとしても、その着信による通話を行えることができ、着信による通話禁止動作を少なくすることができる。
【0063】
(第2実施形態)
以上、着信動作について説明したが、これに加えて、次に図4に示す発信動作についても、同様な規制機能を行うことができる。図3は、電話装置1から外部に発信する場合の動作を表すものである。
【0064】
先ず、ステップS401では、発信継続しているか否かが判断される。なお、発信処理の最初のステップでは、ステップ401での判断はYESとなり、ステップS402に進む。一方、ステップS401での判定結果がNOの場合、つまり、発信処理が中断された場合は、本フローチャートを抜ける。
【0065】
ステップS401では、発信先が上記センター201か否かを判断する。これは、上記緊急通報キー6a、情報キー6bが操作されたか否かを判断してもよいし、上記発信先の電話番号と、上記メモリ10に登録されているセンター201の電話番号とを比較し、発信先がセンター201か否かを判断しても良い。
【0066】
そして、このステップS402での判断結果がYESである場合、ステップS404に進み、発信処理制御を行う。例えば、基地局に対して通話チャンネルの割り当てを要求したり、発信先の電話番号を網側に伝える。一方、センター201への発信でないと判断された場合は、ステップS403に進み、終了キー6eが故障しているか否かを判定する。
【0067】
この結果、終了キー6eが故障していると判断された場合、ステップS405に進み、キーが故障している旨を、上記表示部21に表示し、使用者に異常を報知する。また、さらには、発信処理の終了処理を行う。一方、キー6eが正常である場合は、ステップS404に進み、発信処理を行う。
【0068】
このように本例では、発信の場合についても、終了キー6eが故障している場合は、発信を禁止するようにしたので、発信による通話が行われることを未然に防止することができる。
【0069】
また、センター201への発信は許可されるので、エアバック展開による自動通報や、上記緊急通報キー6による手動での緊急通報は、確実に通報することができる。
【0070】
(第3実施形態)
上記第1実施形態において、センター201からの着信にて通話を行うためには、発呼キー6を操作する必要があったが、センター201が提供するサービス内容によっては、操作なしで自動的に回線をつなげて通話状態とすることが必要である。
【0071】
例えば、上記盗難追跡サービスや、ドア遠隔操作サービスを行うために、センター201から電話装置1は着信を受ける場合が存在するが、IGスイッチ9がオフで車内に誰も存在しない場合、この着信を受けることができない。そこで、本例では、センター201からの着信を自動的に受けて通話状態にする。
【0072】
この例としては、図3中点線矢印で示すように、センター201からの着信であると、自動的に通話状態に移行するようにすると良い。
【0073】
(第4実施形態)
上記各実施形態では、発信もしくは着信時に通話を禁止するようにしたが、本例では、終了キー6eが故障した場合、通話の禁止を行わずに、確実に通話を終了させる例である。図5は本例の動作を表すフローチャートである。
【0074】
先ず、ステップS501では、発信もしくは着信の操作があったか否かを判断する。そして、この判断結果がYESである場合は、ステップS502に進み、終了キー6eが故障しているか否かを判断する。次に、ステップS502にてYES、つまり、故障していないと判断されるとステップS504に進み、発信もしくは着信処理を行う。一方、ステップS502にて故障であると判断されると、ステップS503に進み、終了キー6eの代わりに、通話を終了させるキーを、表示部21に案内表示する。例えば、発呼キー6dが通話を終了させることが可能であることを通話中継続して乗員に知らせる。そして、この後の通話中において、発呼キー6が操作されると、制御部4は、これを終了処理とみなして、回線を切断する処理を行う。
【0075】
このようにすることで、終了キー6eが故障した場合、通話の禁止を行わずに、確実に通話を終了させることが可能である。また、この際、表示部には代わりの操作のガイド表示を行うため、使用者は迷うことなく、通話を終了させることができる。
【0076】
(変形例)
上記各実施形態では、セルラー無線電話2として、デジタル方式の電話で説明したが、本発明は、デジタル方式でなくアナログ方式の無線電話でも適用できる。
【0077】
また、上記各実施形態において、終了キー6eに異常がある場合、着信、発信操作がなされる前に、表示部21にその旨を表示させるようにしても良い。
【0078】
また、上記第3実施形態において、追跡サービス、ドア遠隔操作サービスにおいてセンター201からの着信を自動的に受けるようにしたが、第1実施形態のような通常の音声通話のための着信も自動的に受けられるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施形態における緊急通報システムの全体構成図である。
【図2】上記各実施形態における電話装置1の全体構成図である。
【図3】上記実施形態における電話装置1の制御動作を表すフローチャートである。
【図4】上記実施形態における電話装置1の制御動作を表すフローチャートである。
【図5】上記実施形態における電話装置1の制御動作を表すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・電話装置、
2・・・セルラー無線電話、
4・・・制御部、
6a・・・緊急用スイッチ、
7・・・電源制御部、
21・・・表示部、
22・・・リンガー。
Claims (8)
- 車両用無線電話装置であって、
通話を終了させる終話操作手段と、
前記終話操作手段の異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段により異常が検出されているときには、着信があったとしても、前記着信による通話を禁止させる禁止処理を行う禁止手段とを備えることを特徴とする車両用無線電話装置。 - 前記禁止手段は、発信動作も禁止することを特徴とする請求項1記載の車両用無線装置。
- 電話を受けるために操作する受話操作手段とを有し、
前記禁止手段は、乗員が前記受話操作手段を操作しても、電話が受けられないよう禁止することを特徴とする請求項1または2記載の車両用無線装置。 - 着信があった場合に着信音を発生させる着信音発生手段と、着信があったときに、電話を受けるために操作する受話操作手段とを有し、着信音発生手段は、前記異常が無い場合は、前記受話操作手段の操作によって着信音の発生を停止し、上記異常が有る場合は、前記受話操作手段が操作されたとしても、着信音を継続して発生することを特徴とする請求項1または2記載の車両用無線装置。
- 所定のサービスを行うための所定センターから着信を受けるサービス用電話機能と、任意の相手から着信を受ける一般電話機能と、前記所定センターからの着信か否かを検出する発信元検出手段とを有し、
前記禁止手段は、前記発信元検出手段により前記緊急通報センターからの着信と判断されない場合、前記禁止処理を行い、一方、前記発信元検出手段により前記緊急通報センターからの着信と判断した場合、その着信による通話を行うため前記禁止処理を行わないことを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の車両用無線電話装置。 - 車両を走行可能となるように操作する走行スイッチ(IG)がオフであっても、着信が受けられるようになっており、
前記所定センターからの着信とは、車両のドアを開錠もしくは施錠させるコマンドを送信するためのものであり、
この着信を受けると、自動的に通話状態となり、前記コマンドを受信することを特徴とする請求項5記載の車両用無線電話装置。 - 前記所定センターからの着信とは、車両の位置を前記所定センターに送信させるコマンドを送信するためのものであり、
この着信を受けると、自動的に通話状態となり、前記コマンドを受信することを特徴とする請求項5記載の車両用無線電話装置。 - 緊急時に、その対処を行うための所定の緊急通報センターに発信する緊急電話機能と、任意のあて先をダイアルすることで、任意の相手に発信する一般電話機能と、前記緊急通報センターへの発信か否かを検出する発信先検出手段とを有し、
前記禁止手段は、前記発信先検出手段により前記緊急通報センターへの発信と判断されない場合、前記禁止処理を行い、一方、前記発信先検出手段により前記緊急通報センターへの発信と判断した場合、その発信による通話を行うため前記禁止処理を行わないことを特徴とする請求項2記載の車両用無線電話装置。
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