JP3881710B2 - ディスクブレーキ作動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はディスクブレーキ、特に摺動キャリパーディスクブレーキ用作動装置に関するものであり、これはブレーキローター面に平行で、ローター側に可動なスラスト片、該スラスト片に隣接して配置された、第 1 回転軸を有する作動シャフト、及び該作動シャフトを、第2回転軸を有するロール部材を介して支持する平板状支持部材を有し、上記作動シャフトを第1回転軸の回りに回転させることにより、ロール部材を上記支持部材上を回転移動させることで、作動シャフトをローター側に移動させ、それによりスラスト片がローター側に移動し、ブレーキを作動させることができる作動装置に関するものである。
作動シャフトの第1面は、シャフトの長手方向軸に平行な第1回転軸を中心とするシャフトの回転により、その第1回転軸を中心とした略半円筒形状拡張領域に対応したスラスト片の内部円筒面に対して回転し、該第1回転軸の並進運動に対して該スラスト片はブレーキローター側に並進運動する。
ローター側とは離れた側で上記第1面とは反対側の作動シャフトの第2面は、作動シャフトの長手方向軸に平行に配され、上記ロール部材の第2回転軸を中心とする回転面に対応して略半円筒形の凹部を有し、第1回転軸を中心とするシャフトの回転により、ロール部材が作動シャフトの第2面で支持されながら、支持部材面上を回転移動することで、シャフトがローター側に移動される。
【0002】
【従来の技術】
上述した型のブレーキ作動装置はドイツ特許出願第OS 40 32 885A1号から公知である。この公知の装置において作動シャフトは、支持部材の軸受け座に対応する円筒状内方輪郭部によりブレーキローター側から離れた面で支持されており、この場合軸受け座はキャリパーハウジング内に位置する。その結果ブレーキローターにより形成される面と平行な方向における第2軸の並進運動に対して、作動シャフトとキャリパーハウジングの係合が行われることになる。これにより、作動シャフトが回転する際にスラスト片がブレーキローター面と垂直な面で傾斜しやすくなる。
ガイドスペースにおけるスラスト片の傾斜により、ブレーキを作動する際にブレーキパッドが傾斜することになり、ブレーキパッドの消耗が不均一になることに加えてブレーキ工程に支障を来すことになる。
【0003】
ドイツ特許第2,614,321C2号、ヨーロッパ特許第0,291,071B1号、ドイツ特許出願第OS 34 11 745A1号、及びドイツ特許第2,057,322C3号に開示されているブレーキ作動装置では、スラスト片の傾斜を回避するため好適な手段を用いることで作動シャフトとスラスト片はそれぞれ非係合状態になっている。これらの手段には作動シャフトとスラスト片の間に介在する球体及び横方向に摺動自在のプレートまたはロッドが含まれる。しかしながら、このような構成では作動シャフトとスラスト片を共に保持したり、案内することは不可能である。従ってこれら先行技術の装置では、例えばドイツ特許第2,614,321C2号におけるスプリング(86)のような作動シャフト用の可撓保持手段が必要となる。この場合、不均一にブレーキが掛かると、作動シャフトの位置が不安定になる。さらにドイツ特許第2,057,322C3号に対応する作動装置の例では、スラスト片への作動が常に同一点で行われているとは限っていない。作用点はむしろ、溝(9)内のロール(7)の位置と共に移動するようになっている。
【0004】
米国特許第4,544,045号には、揺動部材によって、一面がスラスト片に他面がキャリパーハウジングにそれぞれ連結された作動シャフトを有するブレーキ作動装置が開示されている。ブレーキローター側から離れた面において揺動部材の回転軸は、該揺動軸を中心とする揺動運動に対してキャリパーハウジングと非係合状態にある。作動シャフトは、ローター面と平行に位置する遊びをもってキャリパーハウジング内に回転自在に取り付けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、スラスト片と作動シャフトが共に保持され、案内される構成であるが、作動装置の操作では従来の装置に見られるようなブレーキ作用の不良または傾斜によるブレーキパッドの不均一な消耗による欠点を有さないように、上述した型の作動装置を改良することを目的としている。さらに、スラスト片に対するブレーキ作用点は不変になっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記欠点を解消するために、本発明は、キャリパーハウジング(1)を有する摺動キャリパーディスクブレーキ用ブレーキ作動装置であって、該装置は、ディスクブレーキのローター(2)によって形成される面に平行に配向された作動シャフト(8)と、該作動シャフト(8)に連結されたブレーキレバー(7)と、上記ローター(2)の中心を通り、かつローター面に対して垂直な方向のブレーキ軸(A)上を進退自在に可動なスラスト片(9)と、上記ローター(2)面に平行な面でハウジングに取り付けられた支持部材(14)とを有しており、
上記作動シャフト(8)は、上記ブレーキ軸(A)上に該作動シャフト(8)の長手方向軸である第 1 回転軸(P2)を有しており、該作動シャフト(8)のローター(2)面側に形成された第1面(17)は、上記スラスト片(9)により支持されており、該作動シャフト(8)の第1面側(17)とは反対側に形成された第2面(21)は、ロール部材(20)を介して上記支持部材(14)により支持されており、該ロール部材(20)は、その中心である第2回転軸(P1)により上記支持部材(14)面上を上下方向に回転移動可能であり、
上記作動シャフト(8)の第1面(17)は、上記第1回転軸(P2)を中心とする略半円筒形状の拡張領域を有し、
上記作動シャフト(8)の第2面(21)は、上記第1回転軸(P2)に平行に配向され、かつ上記ロール部材(20)の回転面に対応する略半円筒形の凹部を有しており、
上記作動シャフト(8)が上記ブレーキレバー(7)によって第1回転軸(P2)のまわりに回転すると、上記ロール部材(20)が第2面(21)で支持されながら、支持部材(14)面上を下方に回転移動するによって、作動シャフト(8)の第1回転軸(P2)が、ブレーキ軸(A)上を第2回転軸(P1)を通り、かつブレーキ軸(A)に垂直な面(22)までローター方向に並進運動すると共に、
上記面(22)からローター方向へは、該ロール部材が第2面(21)で支持されながら、支持部材(14)面上を上方に回転移動することによって、作動シャフト(8)の第1回転軸(P2)が、ブレーキ軸上を並進運動することにより、シャフト(8)の第1面(17)を介してスラスト片(9)を押圧するように構成されていることを特徴とするキャリパーハウジングを有する摺動キャリパーディスクブレーキ用ブレーキ作動装置を提供する。
【0007】
本発明は、作動シャフトを支持部材から解放することでスラスト片の「傾斜」運動を解消することが可能であり、該支持部材に対してスラスト片は可動となっている。先行技術における作動シャフトとスラスト片の係合状態の欠点を回避し、スラスト片が作動シャフトを介して支持され、案内される場合(あるいは作動シャフトがスラスト片を介して支持、案内される場合)には、上記の欠点(ブレーキ作用の不良、パッドの不均一な消耗、及びスラスト片に対する作動点の変化)を解消することができる。
【0008】
公知の作動装置と比べた場合、本発明の装置はよりコンパクトで、より少ない部材からなっている。例えば本発明の構成によれば、ドイツ特許出願第OS 40 32 885A1号に開示されるようなキャリパーハウジング内の作動シャフト取り付け用の回転式軸受け手段、またはドイツ特許第2,614,321C2号に開示されているスプリング(86)等の付加部材は必要としていない。
第1軸受け座に支持された半円筒形の外方輪郭部を有する突出領域を介して、作動シャフトをスラスト片に対して押圧する場合には、特に簡単な構造とすることができる。
この場合、摩擦力を減少するため、突出領域と第1軸受け座の間にすべり軸受けまたはころがり軸受けを設けることが好ましい。
本発明では、ブレーキローター側から離れた作動シャフト面において、作動シャフトは該シャフト上に配された第2軸受け座内に回転式に取り付けられたロール部材を介して、支持部材に対して支持されることがさらに好ましい。このように構成することによって、本発明のブレーキ作動装置をさらに簡単な構造とすることができる。
【0009】
ロール部材の形状は非常に簡単であっても良い。例えば、ロール部材を球体形状としても良いが、ローラーであるのが好ましい。
本発明では、ロール部材を確実に保持するために第2軸受け座はロール部材を中心に180°以上延長されている
摩擦を減少するため、ロール部材と第2軸受け座の間にすべり軸受けまたはころがり軸受けを設けることがさらに好ましい。
【0010】
作動装置の全作動工程にわたってブレーキ倍率を一定にするために、本発明の作動装置はブレーキ解除状態で第1軸が第2軸よりもブレーキローター面から離れるように構成される。
さらに本発明では、スラスト片は遊びの少ない側部凹状溝によって、ブレーキキャリパーハウジング内で全面が案内される。
代りに、本発明ではスラスト片用の軸受け手段は複数の部分軸受けから構成しても良く、これによって少なくとも2つの部分軸受けを異なるように構成し、それぞれがスラスト片に及ぼされる力の相互に異なる分力を受けるようにする。
【0011】
さらに、本発明ではスラスト片用の軸受け手段は複数の部分軸受けから構成しても良く、これによって少なくとも2つの部分軸受けを異なるように構成し、それぞれがスラスト片に及ぼされる力の相互に異なる分力を受けるようにする。
【0012】
さらにまた、本発明に従うとブレーキを解放するようなプレストレス(予め応力を加える)手段を設けても良く、該プレストレス手段はスラスト片をブレーキローターから離れた方向に付勢するような少なくとも1個の圧縮バネからなるのが好ましい。
【0013】
【実施例】
図示したディスクブレーキは、通常2本の脚部がローター(2)にわたって延びているキャリパーハウジング(1)を有する摺動キャリパーディスクブレーキである。パッド支持部(5)のブレーキパッド(3,4)はブレーキブラケット(図示せず)及びキャリパーハウジング(1)内で案内され、支持される。キャリパーハウジング(1)は、詳細に示してはいないがガイド手段によりローターの横断方向に摺動自在である。キャリパーハウジング(1)は、ブレーキを作動するために一側に作動装置(6)を有している。
【0014】
作動装置は、ローター面にほぼ平行に配向された作動シャフト(8)に連結されたブレーキレバー(7)と、キャリパーハウジング(1)内を摺動自在のスラスト片(9)からなる。スラストスピンドル(10)は作動装置(6)のブレーキ軸(A)に沿ってスラスト片(9)の中央にねじ止めされる。ローター(2)側で、スラストスピンドル(10)はパッド支持部(5)に対して支持されたスラストヘッド(11)と連結される。スラストヘッド(11)は、ほぼパッド(3)の全長に亘って延びている。スラスト片(9)は傾斜しないようにキャリパーハウジング内に軸方向に摺動自在に取り付けられ;ガイド(25)はキャリパーハウジング(1)内でスラスト片(9)用の部分軸受けになっている。総数が少なくとも2個以上の部分軸受けは、それぞれがスラスト片(9)に及ぼされる力の相互に異なる分力を受けるようにする。これにより、スラスト(9)に作用する円周ブレーキ力によって軸受けに加わる応力は最小限に抑えられるだけでなく、詰まり(jamming )が生じないようになっている。この種の軸受けの詳細については、1994年5月6日付のドイツ特許出願第P 44 16 175.1号に開示されている。
スラスト片(9)は遊びの少ない凹面状のガイド溝によって、キャリパーハウジング(1)内で全面が案内されている。この種の装置は、ドイツ特許出願第OS 43 07 019A1号にその特徴が開示されている。
【0015】
カバー(12)はキャリパーハウジング(1)に固定されている。カバーは油圧ブレーキシリンダー(図示せず)との連結を行っている。ブレーキレバー(7)はブレーキシリンダー(またはブレーキロッドリンケージ)(図示せず)と作動シャフト(8)の間の連結を行っている。カバー(12)上で(または力の伝達通路におけるカバーの下流で)支持プレート(14)がローター(2)に平行な面でキャリパーハウジング(1)に取り付けられる。作動シャフト(8)はプレート(14)の支持面(15)に対して支持される。支持プレート(14)はセグメント構造またはユニット構造である。プレート(14)の長さは、(以下に詳述するように)作動シャフト(8)の構成に応じて変わる。図2に示すように、作動シャフト(8)の中央にはスラストスピンドル(10)の軸方向通路を与えるために自由通路(16)が設けられている。
【0016】
明らかに、作動シャフト(8)は通し通路(16)を有さずに、ほとんど阻害されない形状のものであっても良く、この場合、例えばブレーキ掛けはスラスト片(9)の外端部にねじ止めされた2つのスラストスピンドル(10)を介して行われる。もちろん2つのスラストスピンドル(10)が用いられる場合であっても、自由通し通路(16)(または2つのこのような通路)を設けることは可能である。
【0017】
作動装置(6)を特にコンパクトな構造とすることで、ブレーキローター側から離れた作動シャフト(8)の面、つまりブレーキの力が加わらない領域に自由空間(フリースペース)(26)を設けることが可能となる。フリースペースはドイツ特許出願第OS 43 07 018A1号に詳細を示すようなアジャスト機構を収容するのに利用することができる。このような機構は、作動シャフトとスラストスピンドルの間に配された伝達機構が作動シャフトとスラストスピンドルの回転式継手を含む弾性部材を有するという点に特徴を有している。これによって弾性部材に応力変位が起こる間に蓄積されたエネルギーを用いて、ブレーキを解放する間にブレーキアジャストを行うことができる。アジャスト機構は予め組み立てられた副集成部品として、与えられたスペースに接置しても良い。アジャスト機構に加わる応力は、ブレーキ作動装置に加わるものと比べると比較的小さい。
【0018】
図3は本発明作動装置における一実施例の構造を示す拡大図で、特にキャリパーハウジングに対する作動シャフト(8)の圧縮係合を示したものである。ローター側に向いた面作動シャフト(8)は半径R2の略半円筒形形状の拡張領域である第1面(17)を有している。半円筒形部分の中心である第1回転軸(P2)は、スラスト片(9)への力の伝達線上に位置するブレーキ軸(A)上に位置している。スラストスピンドル(10)も軸(A)上に配されている。第1面(17)の拡張領域の外面は、介在する回転式軸受け(例えば、ころがり減摩軸受け及び/またはすべり軸受け)を介してスラスト片(9)の対応する内部円筒面(19)で回転自在に取り付けられる。従って、これら2つの面の間には比較的大きな面を支持する輪郭部が設けられ、該輪郭部はスラストへの伝達を同時に行うために全面が支持される。作動シャフト(8)の第2面(21)は、第2回転軸(P1)を中心にR1の半径を有する1つまたはそれ以上のロール部材(20)が回転可能に支持されるように略半円筒形の凹部を有している。ロール部材はキャリパーハウジング(1)の支持部材(14)上の支持面(15)に対して支持され、この場合ローターに平行な面(22)は該支持面(15)に平行な第2回転軸(P1)上を通過する。
作動装置(6)を支持面(15)側に付勢するため、少なくとも1個の圧縮バネ(23)が用いられ、これによりブレーキレバー(7)はキャリパーハウジング上のもどり止め(24)に対して付勢される。
【0019】
図3に示す作動装置(6)においては、軸(P1,P2)の間のオフセットL1によって偏心が生じ、P2は平行面(22)よりもローター(2)から離れることになる。
P1とP3(P3は油圧ブレーキシリンダーの係合点である。)の間の垂直距離は線分L2によって示され、これにより「ブレーキ倍率」はL2/L1により与えられる。
【0020】
詳述した構成により下記の利点が得られる:ブレーキレバー(7)をDの方向に前進させると、第1回転軸(P2)はローター(2)側にブレーキ軸(A)に沿って軸方向に移動する。この直線運動は、ロール部材(20)とこれに対応する作動シャフト(8)の第2面(21)である内部輪郭部間の相互作用、及び支持面(15)とロール部材(20)間の相互作用に起因するものである。
レバー(7)をDの方向に前進させると、揺動角度αで、ロール部材(20)の第2回転軸(P1)は平行面(22)上を下方に移動する。第1回転軸(P2)が面(22)を越え、揺動角度βまでレバー(7)の前進続けると第2回転軸(P1)は上方に移動し、第2面(21)の内部円筒形輪郭部とロール部材(20)は互いに反対方向に移動する。このような係合関係を維持させることによって、簡単な方法で回転軸とロール軸を組み合せた第2回転軸(P1)が得られる。上記係合関係の維持及第1回転軸(P2)を面(22)よりもローター(2)から離れて配することによって、ブレーキ作動工程全般にわたって所望の一定な「ブレーキ倍率」を得ることができる。
【0021】
図4に示す実施例の構成では、ブレーキ倍率比が序々に変更していることがわかる。これは、主に第1回転軸(P2)をブレーキ軸(A)上で平行面(22)の前方に配することにより達成される。この場合も、図3で詳述したのと同様の方法で係合関係が維持される。従って、作動工程でのスラスト片の絶対直線変位は、所望に選択できるブレーキ倍率比により決定される。
【0022】
ロール部材(20)と内部円筒形輪郭部(21)の間のころがり係合を改良するために、図1に示すように、すべり軸受け及び/または減摩ころがり軸受けを用いることも可能である。また、作動シャフト(8)とスラスト片(9)の間、及びロール部材(20)と支持面(15)の間の軸受けの長さ(軸P2及びP1に平行な)を所望のブレーキ応力に応じて選択することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に基づく作動装置を有するディスクブレーキのブレーキローター軸での垂直断面図。
【図2】図1に示すブレーキ軸に垂直な断面図。
【図3,4】本発明の異なる実施例を示した図1の拡大図。
【符号の説明】
1 キャリパーハウジング
2 ローター
7 ブレーキレバー
8 作動シャフト
9 スラスト片
20 ロール部材

Claims (10)

  1. キャリパーハウジング(1)を有する摺動キャリパーディスクブレーキ用ブレーキ作動装置であって、該装置は、ディスクブレーキのローター(2)によって形成される面に平行に配向された作動シャフト(8)と、該作動シャフト(8)に連結されたブレーキレバー(7)と、上記ローター(2)の中心を通り、かつローター面に対して垂直な方向のブレーキ軸(A)上を進退自在に可動なスラスト片(9)と、上記ローター(2)面に平行な面でハウジングに取り付けられた支持部材(14)とを有しており、
    上記作動シャフト(8)は、上記ブレーキ軸(A)上に該作動シャフト(8)の長手方向軸である第 1 回転軸(P2)を有しており、該作動シャフト(8)のローター(2)面側に形成された第1面(17)は、上記スラスト片(9)により支持されており、該作動シャフト(8)の第1面側(17)とは反対側に形成された第2面(21)は、ロール部材(20)を介して上記支持部材(14)により支持されており、該ロール部材(20)は、その中心である第2回転軸(P1)により上記支持部材(14)面上を上下方向に回転移動可能であり、
    上記作動シャフト(8)の第1面(17)は、上記第1回転軸(P2)を中心とする略半円筒形状の拡張領域を有し、
    上記作動シャフト(8)の第2面(21)は、上記第1回転軸(P2)に平行に配向され、かつ上記ロール部材(20)の回転面に対応する略半円筒形の凹部を有しており、
    上記作動シャフト(8)が上記ブレーキレバー(7)によって第1回転軸(P2)のまわりに回転すると、上記ロール部材(20)が第2面(21)で支持されながら、支持部材(14)面上を下方に回転移動するによって、作動シャフト(8)の第1回転軸(P2)が、ブレーキ軸(A)上を第2回転軸(P1)を通り、かつブレーキ軸(A)に垂直な面(22)までローター方向に並進運動すると共に、
    上記面(22)からローター方向へは、該ロール部材が第2面(21)で支持されながら、支持部材(14)面上を上方に回転移動することによって、作動シャフト(8)の第1回転軸(P2)が、ブレーキ軸上を並進運動することにより、シャフト(8)の第1面(17)を介してスラスト片(9)を押圧するように構成されていることを特徴とするキャリパーハウジングを有する摺動キャリパーディスクブレーキ用ブレーキ作動装置。
  2. 前記第1面(17)は、その半円筒形拡張領域に対応したスラスト片(9)の内部円筒面(19)に亘って設けられた第1軸受け座を介して支持されていることを特徴とする請求項1記載のブレーキ作動装置。
  3. 前記拡張領域及び前記第1軸受け座の間にすべり軸受けまたはころがり軸受けが設けられていることを特徴とする請求項2記載のブレーキ作動装置。
  4. 前記第2面は、前記ロール部材の回転表面に対応した作動シャフトの略半円筒形凹部に亘って第2軸受け座を有することを特徴とする請求項1記載のブレーキ作動装置。
  5. 前記ロール部材はローラーであることを特徴とする請求項4記載のブレーキ作動装置。
  6. 前記第2軸受け座は、ロール部材を中心に180°以上延長されていることを特徴とする請求項4記載のブレーキ作動装置。
  7. 前記ロール部材と前記第2軸受け座の間にすべり軸受けまたはころがり軸受けが設けられていることを特徴とする請求項4記載のブレーキ作動装置。
  8. ディスクブレーキが解放状態にある際、前記第1回転軸は、前記第2回転軸よりもブレーキローター面から離れていることを特徴とする請求項1記載のブレーキ作動装置。
  9. 前記スラスト片は、側部凹状ガイド溝によってブレーキキャリパーハウジング内で案内される面を有することを特徴とする請求項1記載のブレーキ作動装置。
  10. ブレーキを解放するようにプレストレス手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載のブレーキ作動装置。
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