JP3881074B2 - 半導体レーザモジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体レーザモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の半導体レーザモジュールに係わる技術として、例えば1996年電子情報通信学会総合大会C−216の報告がある。
【0003】
この従来技術は、パッケージケースを樹脂モールドで形成しており、このケース内に異方性エッチングで設けたV溝付のSi基板を配置している。レーザ素子と光ファイバの光結合は、Si基板上の所定位置にレーザ素子を搭載し、V溝部分に光ファイバを固定するパッシブアライメント方式で行っている。パッケージケースから取り出される部分の光ファイバの固定及びパッケージケースへのキャップ固定は紫外線硬化樹脂で行っており、この樹脂固定によりパッケージケース内の気密封止をとっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術には、以下の問題点が存在する。
【0005】
すなわち、従来技術は、パッケージケースを樹脂モールドで形成したモジュール構成であることから、パッケージケースから取り出される光ファイバ固定部分に外力が加わると樹脂接着部分で剥離が起き、これにより光ファイバの断線,光結合の劣化及びパッケージケース内の気密不良等を引き起こしやすくなる。また、パッケージケース内の気密不良は、ケース内への湿気の浸入を発生させ、これによりレーザ素子の特性変動を生じさせる原因となる。また、樹脂接着部分での剥離は光ファイバに外力が加わることで起きるものだけでなく、温度変化や樹脂の径年劣化によっても生じやすく、特に樹脂モールド材や光ファイバのジャケット材等の樹脂やナイロンとの接着性が優れないために剥離が発生しやすい。また、パッケージケース内の気密封止は、光ファイバの取り出し部分とキャップを樹脂接着することで行っており内部が空洞状態であるため、高温下でのケース内圧力上昇により気密不良が生じやすくなる。さらに、パッケージケースには光ファイバ取り出し用の溝を設ける必要がありケースを複雑形状化している等の問題がある。
【0006】
これらのように、樹脂モールドでパッケージケースを構成したモジュール構造では、光ファイバの取り出し部分の接着やケース内部の気密封止等に問題があり、信頼性の点で十分な配慮がされていないモジュール構造である。
【0007】
本発明の目的は、半導体レーザ素子とこれに光結合する光ファイバの実装を容易にし、かつ組み立てや取り扱い性及び量産性に優れ、信頼性の高い半導体レーザモジュール及びその組み立て方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
半導体レーザモジュールは光通信の光源に用いられ半導体レーザ素子と光ファイバを光学的に結合させるものである。半導体レーザモジュールを低コスト化するには、モジュールの部品や製造コストを低減する必要があるが、従来のように主に金属材料で構成されていたモジュール部品をろう付けやはんだ接合あるいはレーザ溶接により組み立てていたモジュール構造では低コスト化に限界があった。近年、半導体レーザ素子と光ファイバをSi基板上にハイブリッド実装するモジュール構造の提案,開発が活発化し、これによりモジュールの低コスト化を図ることができるようになったが、Si基板上に実装したモジュールをパッケージングする際の光ファイバの取り出し方法や気密封止構造に問題があった。
【0009】
本発明は、Si基板上に実装した半導体レーザ素子とこれに光結合する光ファイバを容易かつ高精度にパッケージングし、しかも組み立てや取り扱い性及び量産性に優れ、高い信頼性を得るモジュール構造としたものである。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、半導体素子と光学的に結合され光伝送を行うための光ファイバを有した半導体レーザモジュールであり、前記半導体素子である半導体レーザ素子と、この半導体レーザ素子に光学的に結合され光伝送を行う光ファイバと、この光ファイバを保持固定する光ファイバ支持部材と、前記半導体レーザ素子と前記光ファイバ支持部材とを同一基板上に搭載する基板部材と、前記半導体レーザ素子と電気的に接続し外部接続するリード端子を備えたフレーム基板とを有し、これら全体がモールド樹脂でパッケージングされた半導体レーザモジュールにおいて、前記光ファイバ支持部材にはゴム状弾性を有する接着剤を介して円筒状支持部材が取り付けられていることを特徴とする半導体レーザモジュールが提供される。
【0011】
本発明の半導体レーザモジュールは、次のいずれかを特徴とする。
【0012】
A:半導体素子と光学的に結合され光伝送を行うための光ファイバを有した半導体レーザモジュールであり、前記半導体素子である半導体レーザ素子と、この半導体レーザ素子に光学的に結合され光伝送を行う光ファイバと、この光ファイバを保持固定する光ファイバ支持部材と、前記半導体レーザ素子と前記光ファイバ支持部材とを同一基板上に搭載する基板部材と、前記半導体レーザ素子と電気的に接続し外部接続するリード端子を備えたフレーム基板とを有し、これら全体がモールド樹脂でパッケージングされた半導体レーザモジュールにおいて、前記光ファイバ支持部材にはゴム状弾性を有する接着剤を介して円筒状支持部材が取り付けられていること。
【0013】
B:Aにおいて、前記円筒状支持部材の外周には、溝あるいは段差が設けられており、この溝内あるいは段差内に前記モールド樹脂が入り込んでいること。
【0014】
C:Aにおいて、前記モールド樹脂でパッケージングされた半導体レーザモジュールの一端からは前記光ファイバ支持部材及び前記円筒状支持部材が取り出されていること。
【0015】
D:Aにおいて、前記フレーム基板の前記基板部材設置部分には、電気的に接続された前記リード端子を少なくとも1本備えていること。
【0016】
E:Aにおいて、前記リード端子付フレーム基板は銅合金部材で構成されていること。
【0017】
F:Aにおいて、前記円筒状支持部材は金属,セラミックス,プラスチック及びゴムのいずれか一つの部材で構成されたこと。
【0018】
G:本発明の半導体レーザモジュールの組み立て方法は、前記半導体レーザ素子を前記基板部材の所定位置に接合固定するとともに、前記光ファイバを内設し、かつ前記円筒状支持部材を備えた前記光ファイバ支持部材を前記基板部材に形成したV溝に、光ファイバ先端が前記半導体レーザ素子と対向するように設置し、さらに光ファイバ支持部材を上部から押さえ付けるよう押さえ基板を設置し、これらを搭載した基板部材を前記リード端子付きフレーム基板上の所定位置に接合固定した後、前記半導体レーザ素子と前記フレーム基板のリード端子とを電気的に接続するように夫々ワイヤボンディングリード接続を行い、前記半導体レーザ素子と前記光ファイバとの光結合部を透明なゲル状樹脂で覆った後、この半導体レーザモジュールを金型内に設置し、LSIと同様に全体をモールド樹脂でパッケージングすること。
【0019】
H:Gにおいて、前記半導体レーザモジュールは、前記リード端子付フレーム基板と前記円筒状支持部材が金型で保持されてモールドすること。
【0020】
I:Gにおいて、前記金型には前記円筒状支持部材を保持する段差部を設けていること。
【0021】
J:Gにおいて、前記金型の一端には前記光ファイバ及び前記光ファイバ支持部材を取り出す溝が断熱部材で構成されていること。
【0022】
以上のように構成した本発明では、半導体レーザモジュールをモールド樹脂でパッケージングして構成し、かつ光ファイバ支持部材をゴム状弾性を有する接着剤を介して円筒状支持部材で保持固定することにより、パッケージケースをモールド樹脂で形成して光ファイバを取り出す従来のような構成ではなくなるので、ケース部分に光ファイバを樹脂固定する必要がなく、光ファイバに外力が加わっても光ファイバの断線や光結合の劣化,気密封止不良等を起こす危険性はない。また、モジュール全体をモールド樹脂でパッケージングしてモジュール内部に空洞を設けないため湿気浸入によるレーザ素子の特性変動を引き起こすことはなく、さらにケース構成の必要がなく容易な組み立てが可能となり部品点数を低減でき低コスト化を図ることができる。
【0023】
また、光ファイバ支持部材にはゴム状弾性を有する接着剤を介して円筒状支持部材を取り付けており、金型でモジュールをクランプ保持する部分を円筒状支持部材の外周部分としているため、金型クランプ時の外力をゴム状接着剤で吸収し光ファイバ支持部材に外力が直接加わらないようにしている。これにより、クランプ保持した時のモジュール変形を防止でき、半導体レーザ素子と光ファイバとの位置ずれをなくすることができるとともに、パッケージング時の残留ひずみを低減した状態でモジュールを組み立てられるので、安定かつ信頼性の高い半導体レーザモジュールを得ることができる。さらに、モールド樹脂でパッケージングしたモジュール構造としているため取り扱いや量産性に優れ、かつ表面実装形状であるためプリント基板への実装を容易にすることができる。
【0024】
以上により、半導体レーザ素子とこれに光結合する光ファイバの実装を容易にでき、しかも組み立てや取り扱い性及び量産性に優れ、かつ信頼性の高い半導体レーザモジュール及びその組み立て方法を得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の図面を参照しつつ説明する。なお、煩雑を避けるために一部の電極配線やワイヤボンディングリード等の電気的な接続配線及び接着剤の図示を省略している。
【0026】
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図6により説明する。
【0027】
本実施の形態による半導体レーザモジュール100の構造を表す縦断面図を図1に、内部構造を表す斜視図を図2に示す。
【0028】
図1及び図2で、半導体レーザモジュール100は、レーザダイオード1と、フォトダイオード2と、レーザダイオード1と光学的に結合されて光伝送を行う単一モードファイバである光ファイバ3と、これを内挿し支持固定する光ファイバ支持部材7と、支持部材7をゴム状弾性を有する接着剤12を介して保持する円筒状支持部材11と、レーザダイオード1及びフォトダイオード2が搭載され、光ファイバ支持部材7を設置するためのV溝8が形成されたSi基板からなるステム5と、光ファイバ支持部材7の押さえ基板4と、ステム5が接合固定されるリード端子付きフレーム基板19とを備え、レーザダイオード1とフォトダイオード2及び光ファイバ3の光結合部が透明なゲル状樹脂10で覆われ、さらに全体がLSIパッケージと同様にモールド樹脂9でパッケージングされる。
【0029】
半導体レーザモジュール100の構成部材の一つであるリード端子付きフレーム基板19の上面にはステム5が接合固定されている。ステム5の上面にはV溝8が異方性エッチングにより形成されており、このV溝8部に光ファイバ3を内挿し、かつ円筒状支持部材11を取り付けた光ファイバ支持部材7が接着剤14により設置されている。さらに、この光ファイバ支持部材7は、下面にV溝を設けた押さえ基板4で上部から押さえ付けられるように接合固定される。一方、ステム5の上面には、メタライズ電極配線16がパターンニングされており、この配線16上にレーザダイオード1とフォトダイオード2がそれぞれ所定位置に搭載されている。レーザダイオード1及びフォトダイオード2は、ステム5上面の電極配線16上にあらかじめ形成されたマーカ(図示せず)を目印に位置合せされ接合するパッシブアライメント方式で搭載される。レーザダイオード1及びフォトダイオード2には、フレーム基板19のリード端子18と電気的に接続するようにステム5上面の電極配線16を介してそれぞれワイヤーボンディングリード17が取り付けられている。ステム5と押さえ基板4を構成する材料は、ここではシリコンを使用している。ステム5に形成するV溝8は、光ファイバ支持部材7を設置した際に光ファイバ3の中心軸がステム5上面に搭載したレーザダイオード1のレーザ出射軸と同一軸となるように所定の幅と深さで形成されている。レーザダイオード1と光ファイバ3の光結合部及びフォトダイオード2は、レーザ光の透過性の高い透明なゲル状樹脂10で覆われ、さらにフレーム基板19を含む全体をLSIパッケージと同様にモールド樹脂9で覆いパッケージングされている。なお、ここでは、リード端子付フレーム基板19を構成する材料に銅合金を使用しており、中央部のフレーム基板19を両側のリード端子18で支える構造で、フレーム基板19と接続しているリード端子18は少なくとも片側1本となっている。また、透明なゲル状樹脂10は、ここではシリコーン樹脂を使用している。
【0030】
ステム5の上面には、あらかじめスパッタ蒸着により電極配線16が形成されており、この電極配線16上にレーザダイオード1とフォトダイオード2がパッシブアライメント方式により接合固定され、夫々ワイヤーボンディングリード17で接続されている。レーザダイオード1は、ステム5に設けられたV溝8に設置される光ファイバ支持部材7に内設された光ファイバ3中心軸とレーザダイオード1のレーザ出射軸とが一致するように位置調整されて接合固定される。また、レーザダイオード1は、ステム5上面に接合固定するときのレーザ出射位置の高さばらつきを低減するようにレーザ出射位置がステム5上面側に配置されて搭載されている。
【0031】
光ファイバ支持部材7は、略円筒状形状であり、軸中心位置近くに設けられた貫通孔に光ファイバ3が樹脂被覆15部分を内設するように内挿され接着剤(図示せず)が充填され接合固定されている。光ファイバ支持部材7を構成する材料は、ここではジルコニアセラミックスを使用している。
【0032】
円筒状支持部材11は、外周部に溝13を設けた形状で構成されており、光ファイバ支持部材7にゴム状接着剤12を介して保持固定されている。外周部に設けた溝13部にはパッケージングした時にモールド樹脂9が入り込むようになっており、円筒状支持部材11が容易に抜けないように構成されている。円筒状支持部材11を構成する材料は、ここでは金属材料であるステンレス鋼を使用している。
【0033】
本実施例による半導体レーザモジュール100をモールド樹脂9でパッケージングする組み立て手順を以下に説明する。本実施例の組み立てプロセスを表す縦断面図を図3から図5に示す。組み立て完成後の半導体レーザモジュール100の斜視図を図6に示す。
【0034】
まず、図2に示した半導体レーザモジュール100のレーザダイオード1と光結合している光ファイバ3及びフォトダイオード2を覆うようにゲル状樹脂10をポッティングしたモジュール100を金型20,21内の所定位置に設置する(図3)。次に、金型20,21でモジュール100を保持するように、円筒状支持部材11の外周部22及びフレーム基板23を上金型20及び下金型21でクランプ保持する。光ファイバ被覆15は金型20,21に設けられた取り出し部分27から外部に出され、金型20,21で挟まれないように設置する。なお、光ファイバ被覆15を取り出す金型部分27には光ファイバの被覆15部分が接触しても溶けないように断熱部材26を取り付けた構成となっている。金型20,21でモジュール100をクランプ保持した状態で荷重を加え、その状態でモールド樹脂9を注入口25から流し込む(図4)。このときの金型20,21の温度は150度に設定している。金型20,21内にモールド樹脂9を流し込んだ後、その状態を数分間保持しモールド樹脂9を十分に硬化させる。モールド樹脂9が硬化した後、上金型20と下金型21を分離し、金型20,21内からモールド樹脂9でパッケージングした半導体レーザモジュール100を取り出す(図5)。その後、リード端子18同士を接続しているフレーム19部分を切断し、リード端子18の折り曲げを行い、半導体レーザモジュール100が完成する(図6)。
【0035】
以上のように構成した本実施例では、半導体レーザモジュール100をモールド樹脂9でパッケージングして構成し、かつ光ファイバ支持部材7をゴム状接着剤12を介して円筒状支持部材11で保持することにより、パッケージケースを樹脂モールドで形成して光ファイバ3を取り出す従来のような構成ではなくなるので、ケース部分に光ファイバ被覆15を樹脂固定する必要がなく、光ファイバ被覆15部分に外力が加わっても光ファイバ3の断線や光結合の劣化,気密封止不良等の危険性はない。また、モジュール100全体をモールド樹脂9でパッケージングしてモジュール100内部に空洞を設けないため湿気浸入によるレーザダイオード1の特性変動を引き起こすことはなく、さらにケース構成の必要がなく容易な組み立てが可能となり部品点数を低減でき低コスト化を図ることができる。また、光ファイバ支持部材7にはゴム状接着剤12を介して円筒状支持部材11を取り付けており、金型20,21でモジュール100をクランプ保持する部分を円筒状支持部材11の外周部分としているため、金型20,21でモジュール100をクランプした時の外力をゴム状接着剤12で吸収し光ファイバ支持部材7に外力が直接加わらないようにしている。これにより、金型20,21でクランプ保持した時のモジュール変形を防止でき、レーザダイオード1と光ファイバ3との位置ずれをなくすることができるとともに、モールド樹脂9でパッケージングした後の残留ひずみをなくした状態でモジュール100を組み立てられるので、安定かつ信頼性の高い半導体レーザモジュール100を得ることができる。さらに、モールド樹脂9でパッケージングしたモジュール100構造としているため取り扱いや量産性に優れ、かつ表面実装形状であるためプリント基板への実装を容易にすることができる。
【0036】
これらにより、レーザダイオード1とこれに光結合する光ファイバ3の実装を容易にでき、しかも組み立てや取り扱い性及び量産性に優れ、かつ信頼性の高い半導体レーザモジュール100及びその組み立て方法を得ることができる。
【0037】
本発明の第2の実施例を図7により説明する。本実施例は、光ファイバ支持部材7に保持固定する円筒状支持部材をゴム製キャップ24で構成したものである。
【0038】
本実施例による半導体レーザモジュール200の縦断面を表す構造を図7に示す。
【0039】
本実施例の半導体レーザモジュール200が前記第1の実施例のモジュール100と異なる点は、金属部材の円筒状支持部材11をゴム製のキャップ24に変更した点で、このゴム製キャップ24の一端を含むようにモールド樹脂9でパッケージングする。
【0040】
これらのように構成した本実施例によれば、光ファイバ被覆15に外力が加わってもゴム製キャップ24がその外力を吸収するため、光ファイバ3の断線や光結合の劣化等の危険性はない。また、金属部材に変えてゴム製キャップ24を用いているため部品コストを低減でき低コスト化を図ることができる。さらに、金型20,21でモジュール200をクランプ保持する部分をゴム製キャップ24の外周部分としているため、金型20,21でモジュール200をクランプしても光ファイバ支持部材7に外力が加わらず、モジュール変形を防止できるとともに、レーザダイオード1と光ファイバ3との位置ずれをなくすることができる。また、本実施例は第1の実施例と同様の構成であるため、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0041】
なお、上記第1の実施例では、円筒状支持部材11を金属部材で構成しているが、これに限定されるものでなく、例えばセラミックス及びプラスチック等で構成しても良く、これらの場合でも上記実施例と同様の効果を得る。
【0042】
また、上記第1及び第2の実施例では、円筒状支持部材11及びゴム製キャップ24と光ファイバ支持部材7とをゴム状弾性を有する接着剤12で保持固定しているが、これに限定されるものでなく、弾性率の低い他の接着剤でも良く、例えばシリコーン接着剤やアクリル接着剤等でも良く、これらの場合でも上記実施例と同様の効果を得る。
【0043】
また、上記第1及び第2の実施例では、光ファイバ支持部材7をジルコニアセラミックスで構成しているが、これに限定されるものでなく、例えば、ガラス,プラスチック及び樹脂等で構成しても良く、これらの場合も同様の効果を得る。
【0044】
また、上記第1及び第2の実施例では、光ファイバ支持部材7,ステム5及び押さえ基板4のそれぞれを樹脂14で固定しており、この場合、接着力,耐湿性及び耐熱性に優れた樹脂を使用するのが望ましく、例えば紫外線硬化樹脂,熱硬化性樹脂,熱可塑性樹脂によって接合固定するのが好ましい。これらの場合も同様の効果を得る。
【0045】
さらに、上記第1及び第2の実施例で用いるモールド樹脂9は、低温度硬化,低熱膨張及び高熱伝導を備えたものが望ましく、例えば150度以下で2〜4分程度で硬化し、10ppm 以下の熱膨張率を有するモールド樹脂9が好ましい。これらの場合も同様の効果を得る。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体レーザモジュールをモールド樹脂でパッケージングして構成し、かつ光ファイバ支持部材をゴム状弾性を有する接着剤を介して円筒状支持部材で保持することにより、パッケージケースを樹脂モールドで形成して光ファイバを取り出す従来のような構成ではなくなるので、ケース部分に光ファイバを樹脂固定する必要がなく、光ファイバに外力が加わっても光ファイバの断線や光結合の劣化,気密封止不良等を起こす危険性はない。また、全体をモールド樹脂でパッケージングしてモジュール内部に空洞を設けないため湿気浸入によるレーザダイオードの特性変動を引き起こすことはなく、さらにケース構成の必要がなく容易な組み立てが可能となり部品点数を低減でき低コスト化を図ることができる。また、円筒状支持部材をゴム状接着剤を介して取り付け、金型でモジュールをクランプ保持する部分を円筒状支持部材の外周部分としているため、クランプした時の外力を光ファイバ支持部材に加わらないようにしている。これにより、クランプ時のモジュール変形を防止でき、レーザダイオードと光ファイバとの位置ずれをなくすることができるとともに、パッケージング時の残留ひずみをなくした状態でモジュールを組み立てられるので、安定かつ信頼性の高い半導体レーザモジュールを得ることができる。さらに、モールド樹脂でパッケージングしたモジュール構造としているため取り扱いや量産性に優れ、かつ表面実装形状であるためプリント基板への実装を容易にすることができる。
【0047】
よって、レーザダイオードとこれに光結合する光ファイバの実装を容易にでき、しかも組み立てや取り扱い性及び量産性に優れ、かつ信頼性の高い半導体レーザモジュール及びその組み立て方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による半導体レーザモジュールの構造を表す縦断面図。
【図2】本発明の第1の実施例による半導体レーザモジュールの構造を表す斜視図。
【図3】本発明の第1の実施例による半導体レーザモジュールの組み立て構造を表す縦断面図。
【図4】本発明の第1の実施例による半導体レーザモジュールの組み立て構造を表す縦断面図。
【図5】本発明の第1の実施例による半導体レーザモジュールの組み立て構造を表す縦断面図。
【図6】本発明の第1の実施例による半導体レーザモジュールの斜視図。
【図7】本発明の第2の実施例による半導体レーザモジュールの構造を表す縦断面図。
【符号の説明】
1…レーザダイオード、2…フォトダイオード、3…光ファイバ、4…押さえ基板、5…ステム、6…フレーム基板、7…光ファイバ支持部材、8…V溝、9…モールド樹脂、10…ゲル状樹脂、11…円筒状支持部材、12…ゴム状接着剤、13…溝、14…接着剤、15…光ファイバ被覆、100…半導体レーザモジュール。
Claims (2)
- 半導体素子と光学的に結合され光伝送を行うための光ファイバを有した半導体レーザモジュールであり、前記半導体素子である半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子に光学的に結合され光伝送を行う光ファイバと、前記光ファイバを保持固定する光ファイバ支持部材と、前記半導体レーザ素子と前記光ファイバ支持部材とを同一基板上に搭載する基板部材と、前記半導体レーザ素子と電気的に接続し外部接続するリード端子を備えたフレーム基板と、前記光ファイバ支持部材が接着剤を介して取り付けられた円筒状支持部材とを有し、これら全体がモールド樹脂でパッケージングされていることを特徴とする半導体レーザモジュール。
- 半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子と光学的に結合され光伝送を行う光ファイバと、前記光ファイバを保持固定する光ファイバ支持部材と、前記半導体レーザ素子と前記光ファイバ支持部材とを搭載する基板部材と、前記半導体レーザ素子と電気的に接続し外部接続するリード端子を備えたフレーム基板とを有し、前記光ファイバ支持部材には接着剤を介して円筒状支持部材が取り付けられており、前記半導体レーザ素子、前記光ファイバ、前記光ファイバ支持部材、前記基板部材、前記フレーム基板及び前記円筒状支持部材のモールド樹脂によるパッケージング部を有していることを特徴とする半導体レーザモジュール。
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JPH10154849A (ja) | 1998-06-09 |
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