JP3880225B2 - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体並びに該電子写真感光体を備えたプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機光導電体を用いた電子写真感光体は、電荷輸送材料を含有する電荷輸送層と電荷発生材料を含有する電荷発生層を積層した機能分離方電子写真感光体の開発により、感度・耐久性において著しい改善がなされ実用化されるようになってきた。
【0003】
一方、近年、複写機にレ−ザ−光による書き込み機能を持たせる等の目的で、可視域から赤外レ−ザ−波長域まで幅広い分光感度を有する感光体の開発が盛んである。こうした目的を達成する方法として、可視光域に感度を有する電荷発生材料と赤外域に感度を有する電荷発生材料を混合あるいは積層した電荷発生層を用いる方法が知られている。
【0004】
例えば、アゾ化合物とフタロシアニン化合物との組み合わせについては、特願平7−175241号公報に特定アゾ顔料とチタニルフタロシアニンを組み合わせる感光体、特開平7−128888号公報にアゾ化合物とガリウムフタロシアニンを組み合わせる感光体が開示されている。
【0005】
しかしながら、こうした感光体においては、各々の電荷発生材料の特性が十分に発揮されなかったり、特に混合使用した場合、メモリ−特性の悪化に伴い耐久時の電位変動が大きくなるという欠点を有しており、ガリウムフタロシアニン化合物を用いた場合は、帯電能が悪く、ポチ、かぶりによる画像劣化が見られた。また、可視域及び赤外線緒感度自体も十分なものとは言えなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の前記欠点を改善し、高感度でかつ可視域から赤外域まで幅広い分光感度を有し、高画質で耐久時の電位変動の少ない電子写真感光体を提供することである。また該電子写真感光体を用いたプロセスカ−トリッジ並びに電子写真装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層がヒドロキシガリウムフタロシアニンと下記一般式(1)で表わされるアゾ化合物とを含有することを特徴とする電子写真感光体から構成される。
一般式(1) Ar−(N=N−Cp)n
(式中、Arは直接あるいは結合基を介して結合してもよい、置換非置換の芳香族炭化水素基あるいは複素環基を表わし、Cpはフェノ−ル性水酸基を有するカプラ−残基を表わし、Cpの少なくとも一つは下記一般式(2)で表わされるカプラ−残基である。nは1〜3の整数を表わす。ただし、−N=N−Cpが同一ベンゼン環に複数個結合することはない。)
一般式(2)
【化3】
(式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カリバモイル基またはニトロ基を表わし、R2 は置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアリ−ル基を表わし、R3 はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表わす。qは0、1または2を表わし、q=2の時R3 は相異なる基であってもよい。)
【0008】
また、本発明は、前記本発明の電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジから構成される。
【009】
また、本発明は、前記本発明の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置から構成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
前記一般式(1)中、Ar としてはベンゼン、ナフタレン、フルオレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン等の芳香族炭化水素環基、フラン、チオフェン、ピリジン、インド−ル、ベンゾチアゾ−ル、カルバゾ−ル、アクリドン、ジベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾ−ル、オキサジアゾ−ル、チアゾ−ル等の複素環基、更に上記芳香族炭化水素環基または複素環基を直接あるいは芳香族性基または非芳香族性基で結合したもの、例えばビフェニル、ビナフチル、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、N−メチルジフェニルアミン、フルオレノン、フェナンスレンキノン、アントラキノン、ベンズアンスロン、タ−フェニル、ジフェニルオキサジアゾ−ル、スチルベン、ジスチリルベンゼン、アゾベンゼン、アゾキシベンゼン、フェニルベンズオキサゾ−ル、ジフェニルメタン、ジフェニルスルホン、ジフェニルエ−テル、ベンゾフェノン、テトラフェニル−p−フェニレンジアミン、テトラフェニルベンジジン、N−フェニル−2−ピリジルアミン、N,N−ジフェニル−2−ピリジルアミン等の基が挙げられる。
【0011】
上記基が有してもよい置換基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジアルキルアミノ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、ハロメチル基等が挙げられる。
【0012】
また、一般式(2)中、R1 、R2 、R3 の表わすハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等、アルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボキシル基等、カルバモイル基としてはカルバモイル、フェニルカルバモイル基等、アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル等の基、アルコキシ基としてはメトキシ、エトキシ等の基、アリ−ル基としてはフェニル、ナフチル等の基が挙げられる。
【0013】
また、一般式(1)中、Cpにおいて、一般式(2)で表わされるカプラ−残基以外に共存してもよいフェノ−ル性水酸基を有するカプラ−残基の好ましい例として、下記一般式(3)で表わされるカプラ−残基が挙げられる。
一般式(3)
【化4】
(式中、R4 及びR5 は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリ−ル基、置換基を有してもよい複素環基を表わす。また、R4 とR5 は窒素原子を介して環状アミノ基を形成してもよい。Zは酸素原子または硫黄原子を表わし、mは0または1を表わす。
【0014】
R4 及びR5 のアルキル基としてはメチル、エチル、プロピル等の基、アリ−ル基としてはフェニル、ナフチル、アンスリル等の基、複素環基としてはピリジル、チエニル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル等の基、窒素原子を環内に含む環状アミノ基としてはピロ−ル、オイロリン、ピロリジン、ピロリドン、インド−ル、インドリン、カルバゾ−ル、イミダゾ−ル、ピラゾ−ル、ピラゾリン、オキサジン、フェノキサジン等の基が挙げられる。
【0015】
上記基が有してもよい置換基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジアルキルアミノ基、フェニルカルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル等のハロメチル基等が挙げられる。
【0016】
以下に、本発明において用いられる電荷発生材料の具体的な化合物例を列挙する。構造の表現としては、一般式(1)中、Ar及びCpに相当する部分のみを記載した。なお、nが20及び3の場合でCpが相異なる場合はCp1 、Cp2 、Cp3としてその構造を示した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0019】
【表7】
【0020】
次に、本発明において用いられるヒドロキシガリウムフタロシアニン(以下、HOGaPcと称す)の一般式を示す。
【化5】
式中、X1 、X2 、X3 及びX4 は、ClまたはBrを表わし、k、p、t及びuは0〜4の整数である。
【0021】
本発明においては、いかなる結晶形のHOGaPcも使用できるが、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°が7.4°、28.2°に強いピ−クを有する結晶のHOGaPcが高感度で、本発明において有効に作用し特に好ましい。
【0022】
本発明によれば可視光域に高い感度を示す前記一般式(1)で表わされるアゾ化合物と赤外レ−ザ−域の高い感度を示すHOGaPcを共に電荷発生物質として含有することから、可視光域から赤外域の光に対して効率よく電荷を発生することができる。
【0023】
本発明において、HOGaPcと前記特定のジスアゾ顔料の含有比は好ましくは20/1〜1/20、更に好ましくは10/1〜1/5に設定される。
【0024】
感光層を形成するに当たって、電荷発生材料を混合する場合は、各材料を上記範囲の比率で適当な結着樹脂と溶剤に分散するか、あるいは個々に分散した液を所定の比率になるように混合する。個々に分散する場合、結着樹脂や溶剤はそれぞれ異なっても差し支えない。積層する場合は個々に分散した液を、含まれる材料の量が所定の比率になるような膜厚で各々塗布する。
【0025】
ここで用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリビニルカルバゾ−ル、フェノキシ樹脂、ポリカ−ボネ−ト、ポリビニルブチラ−ル、ポリビニルベンザ−ル、ポリスチレン、ポリビニルアセテ−ト、ポリスルホン、ポリアリレ−ト、塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体等が主として挙げられる。
【0026】
本発明の電子写真感光体の構成は、電荷発生層と電荷輸送層との積層型、あるいは電荷発生材料と電荷輸送材料とが混在する単層型の両者が適用される。更に積層型の場合、積層の順序が2通りあるが、そのうち、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順で積層する構成が一般的である。その構成を例にとって電子写真感光体の態様を説明する。
【0027】
導電性支持体としては導電性を有するものであれば良く、アルミニウム、ステンレス等の金属あるいは導電層を設けた金属、プラスチック、紙等が挙げられ、形状としては円筒状またはフィルム状等が挙げられる。
【0028】
また、導電性支持体と感光層との間に、バリヤ−機能と接着機能を持つ下引き層を設けることもできる。下引き層の材料としてはポリビニルアルコ−ル、ポリエチレンオキシド、エチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、カゼイン、ポリアミド、にかわ、ゼラチン等が用いられる。これ等は、適当な溶剤に溶解して導電性支持体上に塗布される。
【0029】
更に、支持体と下引き層との間に、支持体のむらや欠陥の被覆及び画像入力がレ−ザ−光の場合には散乱による干渉縞防止を目的とした導電層を設けることが好適である。これはカ−ボンブラック、金属粒子、金属酸化物等の導電性粉体を結着樹脂中に分散して形成することができる。導電層の膜厚は5〜40ミクロン、好ましくは10〜30ミクロンが適当である。
【0030】
電荷輸送層は、主として電荷輸送材料と結着樹脂とを溶剤中に溶解させた塗料を塗工乾燥して形成する。用いられる電荷輸送材料としては、各種のトリアリ−ルアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベンゼン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾ−ル系化合物、チアゾ−ル系化合物、トリアリルメタン系化合物等が挙げられる。結着樹脂としては電荷発生層に用いたと同様の樹脂を用いることができる。
【0031】
これ等の感光層の塗布方法としては、浸漬コ−ティング法、スプレ−コ−ティング法、スピンナ−コ−ティング法、ビ−ドコ−ティング法、ブレ−ドコ−ティング法、ビ−ムコ−ティング法等の方法を用いることができる。
【0032】
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レ−ザ−ビ−ムプリンタ−、CRTプリンタ−、LEDプリンタ−、液晶プリンタ−、レ−ザ−製版等電子写真応用分野にも広く利用することができる。
【0033】
次に、本発明のプロセスカ−トリッジ並びに電子写真装置について説明する。図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。図において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレ−ザ−ビ−ム走査露光等の像露光手段(不図示)からの画像露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0034】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナ−現像され、現像されたトナ−現像像は、不図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期取りされて給送された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。像転写を受けた転写材7は感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピ−)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面は、クリ−ニング手段9によって転写残りトナ−の除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理がされた後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ロ−ラ−等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0035】
本発明においては、上述の感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリ−ニング手段9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを複写機やレ−ザ−ビ−ムプリンタ−等の電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば一次帯電手段3、現像手段5及びクリ−ニング手段9の少なくとも1つを感光体1と共に一体に支持してカ−トリッジ化し、装置本体のレ−ル12等の案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカ−トリッジ11とすることができる。また、画像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンタ−である場合には、原稿からの反射光や透過光を用いる、あるいは、センサ−で原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレ−ザ−ビ−ムの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッタ−アレイの駆動等により照射される光である。
【0036】
次に本発明において用いるHOGaPcの製造例を挙げる。
製造例1
o−フタロジニトリル73g、三塩化ガリウム25g、α−クロルナフタレン400mlを窒素雰囲気下、200℃で4時間反応させた後、130℃で生成物をろ過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて130℃で1時間分散洗浄した後、ろ過し、メタノ−ルで洗浄後乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを45g得た。この化合物の元素分析値を示す。
【0037】
ここで得られたクロロガリウムフタロシアニン15gを10℃の濃硫酸450gに溶解させ、氷水2300g中に撹拌下に滴下して再析出させてろ過した。2%アンモニア水で分散洗浄後、イオン交換水で十分に水洗した後、ろ別、乾燥して低結晶性のHOGaPcを13g得た。
【0038】
製造例2
製造例1で得られたHOGaPcを10g、N,Nージメチルホルムアミド300gを1mmφのガラスビ−ズ450gと共にミリング処理を室温(22℃)下、6時間行った。この分散液により固形分を取り出し、メタノ−ル、次いで水で十分に洗浄、乾燥してHOGaPcを9.2g得た。このHOGaPcのX線回折における回折角2θ±0.2°は7.4°、28.2°に強いピ−クを有していた(図2)。
【0039】
製造例3
製造例1で得られたHOGaPcを10g、テトラヒドロフラン300gを1mmφのガラスビ−ズ450gと共にミリング処理を室温(22℃)下、20時間行った。この分散液により固形分を取り出し、メタノ−ル、次いで水で十分に洗浄、乾燥してHOGaPcを9.2g得た。このHOGaPcのX線回折における回折角2θ±0.2°は7.4°、28.2°に強いピ−クを有していた(図3)。
【0040】
製造例4
製造例1で得られたHOGaPcを10g、N,Nージメチルアニリン300gを1mmφのガラスビ−ズ450gと共にミリング処理を室温(22℃)下、6時間行った。この分散液により固形分を取り出し、メタノ−ル、次いで水で十分に洗浄、乾燥してHOGaPcを9.2g得た。このHOGaPcのX線回折における回折角2θ±0.2°は7.6°、16.4°、25.0°、26.5°に強いピ−クを有していた(図4)。
【0041】
製造例5
製造例1で得られたHOGaPcを10g、クロロホルム300gを1mmφのガラスビ−ズ450gと共にミリング処理を室温(22℃)下、24時間行った。この分散液により固形分を取り出し、メタノ−ル、次いで水で十分に洗浄、乾燥してHOGaPcを9.2g得た。このHOGaPcのX線回折における回折角2θ±0.2°は6.9°、16.5°、26.7°に強いピ−クを有していた(図5)。
【0042】
製造例6
特開昭61−239248号公報(USP4,728,592)に開示されている製造例に従って、いわゆるα型といわれる結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンを得た。
【0043】
【実施例】
実施例1
10%酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粉末50部、レゾ−ル型フェノ−ル樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノ−ル5部及びシリコ−ンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部を1mmφのガラスビ−ズを用いたサンドミルで2時間分散して導電性塗料を調製した。
【0044】
アルミニウムシリンダ−上に上記塗料を浸漬塗布し、140℃で30分間乾燥させ、膜厚20μmの導電層を形成した。
【0045】
この上に、6−66−610−12四元系ポリアミド共重合体5部をメタノ−ル70部とブタノ−ル25部の混合溶媒に溶解した溶液を浸漬塗布、乾燥して膜厚1μmの下引き層を形成した。
【0046】
次に、製造例2で得られたHOGaPc結晶7部と例示化合物P−4のアゾ化合物1部をポリビニルブチラ−ル樹脂(商品名エスレックBX−1、積水化学(株)製)4部をテトラヒドロフラン100部に溶解した液に添加し、1mmφのガラスビ−ズを用いたサンドミルで7時間分散し、これに100部の酢酸ブチルを加えて、希釈した後回収して、これを下引き層上に浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚0.22μmの電荷発生層を形成した。
【0047】
次に、下記構造式の電荷輸送材料10部
【化6】
とビスフェノ−ルZ型ポリカ−ボネ−ト10部をモノクロルベンゼン60部に溶解した溶液を調製し、電荷発生層上に浸漬塗布し、110℃で1時間乾燥して膜厚26μmの電荷輸送層を形成して電子写真感光体を作成した。
【0048】
比較例1
実施例1において、前記アゾ化合物に代えて下記構造式のアゾ化合物を用いたことの他は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【化7】
【0049】
比較例2
実施例1において用いたHOGaPcに代えて前記製造例6で得たTiOPcを用いたことの他は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0050】
実施例1、比較例1及び比較例2で作成した電子写真感光体を像露光光源としてハロゲンランプを用い、更に半導体レ−ザ−(波長785nm)によるイレ−ス露光手段を有する複写機(商品名NP−4835、キヤノン(株)製改造機)に装着し、電子写真特性を評価した。暗部電位を−650Vとした時に明部電位が150Vとなる光量、イレ−ス後電位が80Vとなるレ−ザ−光量、更に1000枚連続コピ−を行った時の表面電位の変化を測定し、結果を表8に示す。
【0051】
【表8】
【0052】
ここに示すように、実施例1で作成した電子写真感光体は可視光光源、赤外レ−ザ−光源共に高い感度を有していると同時に連続コピ−時の電位の安定性も十分であり、優れた特性を示す。一方、比較例の電子写真感光体においては、両光源での感度を満足しないと共に、メモリ−特性の劣化に起因する連続電位変化が大きい。
【0053】
実施例2
実施例1において、アゾ化合物とHOGaPcとの比率を1対1とした他は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0054】
実施例3
実施例1において、アゾ化合物として例示化合物P−11を用い、HOGaPcとして製造例2で得られたHOGaPcを用い、アゾ化合物対HOGaPcの比率を5対1とした。また、電荷輸送材料として下記構造式のヒドラゾン化合物を用いた。その他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【化8】
【0055】
実施例4
実施例1において、HOGaPcとして製造例3で得られたHOGaPc結晶を用いた他は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0056】
実施例5
実施例1において、HOGaPcとして製造例4で得られたHOGaPcを用いた他は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0057】
実施例6
実施例1において、HOGaPcとして製造例5で得られたHOGaPcを用いた他は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0058】
実施例7
実施例1において、電荷輸送材料として下記構造式のフルオレノン化合物を用いた他は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【化9】
【0059】
実施例8
実施例1において、電荷輸送材料として下記構造式のベンジジン化合物を用いた他は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【化10】
【0060】
実施例9
実施例1と同様にして下引き層までを形成した後、例示化合物P−13を8部を、テトラヒドロフラン100部に溶解したポリビニル−4−フルオロベンザ−ル4部に加え、1mmφのガラスビ−ズを用いたサンドミルで30時間分散し、これに100部の2−ブタノンを加えて希釈した後、回収した塗布液を下引き層上に塗布した。膜厚は層中のアゾ化合物の含有量が100mg/m2 となるように調整した。
【0061】
次に、製造例2のHOGaPc5部を4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン200部に溶解したポリビニルブチラ−ル樹脂(前出)3部に加え、1mmφのガラスビ−ズを用いたサンドミルで30時間分散し、これに200部の酢酸エチルを加えて希釈した後、回収して、上記アゾ化合物を含有する層の上に積層塗布した。膜厚は層中のHOGaPcの含有量が150mg/m2 となるように調整した。
【0062】
この上に実施例1と同様にして電荷輸送層を形成して電子写真感光体を作成した。
【0063】
実施例2〜9で作成した各電子写真感光体について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表8に示す。
【0064】
【表9】
【0065】
また、ポチ、かぶりの目視検査による画像評価で、実施例の電子写真感光体は画像欠陥のない良好な画像が得られたが、比較例の電子写真感光体は画像欠陥が見られた。
【0066】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体は、可視光から赤外光までの幅広い波長域において高い感度を有し、高画質で、なお、かつ耐久時に良好な電位安定性を維持するなどの顕著な効果を奏する。また、プロセスカ−トリッジ並びに電子写真装置においても同様に顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す図。
【図2】製造例2で製造したヒドロキシガリウムフタロシアニンのX線回折図
【図3】製造例3で製造したヒドロキシガリウムフタロシアニンのX線回折図
【図4】製造例4で製造したヒドロキシガリウムフタロシアニンのX線回折図
【図5】製造例5で製造したヒドロキシガリウムフタロシアニンのX線回折図
【符号の説明】
1 本発明の電子写真感光体
2 軸
3 一次帯電手段
4 画像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリ−ニング手段
10 前露光光
11 プロセスカ−トリッジ
12 レ−ル
Claims (6)
- 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層がヒドロキシガリウムフタロシアニンと下記一般式(1)で表わされるアゾ化合物とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
一般式(1) Ar−(N=N−Cp)n
(式中、Arは直接あるいは結合基を介して結合してもよい、置換非置換の芳香族炭化水素基あるいは複素環基を表わし、Cpはフェノ−ル性水酸基を有するカプラ−残基を表わし、Cpの少なくとも一つは下記一般式(2)で表わされるカプラ−残基である。nは1〜3の整数を表わす。ただし、−N=N−Cpが同一ベンゼン環に複数個結合することはない。)
一般式(2)
- 前記感光層が、電荷発生層と電荷輸送層を有し、少なくとも該電荷発生層は前記ヒドロキシガリウムフタロシアニンと前記一般式(1)で表わされるアゾ化合物とを含有する請求項1記載の電子写真感光体。
- 前記ヒドロキシガリウムフタロシアニンが、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°が7.4°、28.2°に強いピ−クを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶である請求項1、2または3記載の電子写真感光体。
- 請求項1記載の電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
- 請求項1記載の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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