JP2839050B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2839050B2
JP2839050B2 JP4041955A JP4195592A JP2839050B2 JP 2839050 B2 JP2839050 B2 JP 2839050B2 JP 4041955 A JP4041955 A JP 4041955A JP 4195592 A JP4195592 A JP 4195592A JP 2839050 B2 JP2839050 B2 JP 2839050B2
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寛 青砥
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体および該
感光体を備えた電子写真装置に関し、さらに詳しくは、
可視から赤外までの広い波長域にわたって高い感度を有
するパンクロマチックな電子写真感光体および該感光体
を備えた電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機光導電体を用いた電子写真感光体
は、電荷輸送材料を含有する電荷輸送層と電荷発生材料
を含有する電荷発生層を積層した機能分離型感光体の開
発により、感度・耐久性において著しい改善がなされ実
用化されるようになってきた。
【0003】一方、近年、複写機にレーザー光による書
き込み機能を持たせるなどの目的で、可視域から赤外レ
ーザー波長域まで幅広い分光感度を有する感光体の開発
が盛んである。こうした目的を達成する方法として、可
視光域に感度を有する電荷発生材料と赤外域に感度を有
する電荷発生材料を混合あるいは積層した電荷発生層を
用いる方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た感光体においては、各々の電荷発生材料の特性が十分
に発揮されなかったり、特に混合使用した場合、メモリ
ー特性の悪化に伴い耐久時の電位変動が大きくなるとい
う欠点を有していた。また、可視域及び赤外域の感度自
体も十分なものとは言えなかった。
【0005】本発明の目的は、従来のこうした欠点を改
善し、高感度で、かつ可視域から赤外域まで巾広い分光
感度を有し、耐久時の電位変動の少ない電子写真感光体
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、導
電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体におい
て、該感光層がオキシチタニウムフタロシアニンと下記
一般式(1)
【0007】
【化3】 (式中、A1 およびA2 は同一でも異なってもよく、フ
ェノール性水酸基を有するカプラー残基を表わす)で表
わされるジスアゾ顔料とを含有することを特徴とする電
子写真感光体、それを用いた電子写真装置およびファク
シミリである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】一般式(1)中、A1 およびA2 の好まし
い例としては、下記一般式(3)〜(7)で示すカプラ
ー残基が挙げられる。
【0010】一般式
【0011】
【化4】 一般式(3)、(4)および(5)中、Xはベンゼン環
と縮合して置換基を有してもよいナフタレン環、アント
ラセン環、カルバゾール環、ベンズカルバゾール環、ジ
ベンゾフラン環などの多環芳香環または複素環を形成す
るのに必要な残基を表わす。
【0012】一般式(7)中、Yは置換基を有してもよ
い2価の芳香族炭化水素基ないしは窒素原子を環内に含
む2価の複素環基を表わし、具体的には、o−フェニレ
ン、o−ナフチレン、ペリナフチレン、1.2−アンス
リレン、3,4−ピラゾールジイル、2,3−ピリジン
ジイル、4,5−ピリジンジイル、6,7−インダゾー
ルジイル、6,7−キノリンジイルなどの基が挙げられ
る。
【0013】一般式(3)および(4)中、R1 および
2 は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、ア
リール基、アラルキル基または複素環基を表わし、R
1 、R2 は共に窒素原子と結合して窒素原子を環内に含
む環状アミノ基を形成してもよい。
【0014】一般式(5)中、R3 は水素原子、置換基
を有してもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基
または複素環基を表わす。
【0015】一般式(6)中、R4 は置換基を有しても
よいアルキル基、アリール基、アラルキル基または複素
環基を表わす。
【0016】前記表現のアルキル基としてはメチル、エ
チル、プロピルなどの基、アラルキル基としてはベンジ
ル、フェネチルなどの基、アリール基としてはフェニ
ル、ナフチル、アンスリルなどの基、複素環基としては
ピリジル、チェニル、チアゾリル、カルバゾリル、ベン
ゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリルなどの基が挙げら
れ、窒素原子を環内に含む環状アミノ基としてはピロー
ル、ピロリン、ピロリジン、ピロリドン、インドール、
インドリン、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾー
ル、ピラゾリン、オキサジン、フェノキサジンなどが挙
げられる。
【0017】また、置換基としては、メチル、エチル、
プロピル、ブチルなどのアルキル基、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシなどのアルコキシ基、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子などのハロゲン原子、ジメチルアミノ、
ジエチルアミノなどのジアルキルアミノ基、フェニルカ
ルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチ
ルなどのハロメチル基などが挙げられる。
【0018】一般式(3)中、Zは酸素原子または硫黄
原子を表し、pは0または1を表す。
【0019】なお、特に高感度で好ましい例としては、
上記カプラーのうち、一般式(3)でpが1の場合の
【0020】
【化5】 が挙げられる以下に一般式(1)で示すジスアゾ顔料の
代表例を列挙するが、該顔料はこれらに限定されるもの
ではない。
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】
【化13】 一般式(1)で示すアゾ顔料は、相当するジアミンを常
法によりテトラゾ化し、アルカリの存在下カプラーと水
系でカップリングするか、または前記ジアミンのテトラ
ゾニウム塩をホウフッ化塩あるいは塩化亜鉛複塩などの
形で一旦単離した後、適当な溶剤、例えばN,N−ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの溶剤中
で酢酸ソーダ、トリエチルアミン、N−メチルモルホリ
ンなどの塩基の存在下、前記カプラーとカップリングす
ることにより容易に合成できる。次に本発明に用いられ
るオキシチタニウムフタロシアニン(以下、TiOPc
と称す)の一般式を示す。
【0029】
【化14】 ただし、X1 ,X2 ,X3 ,X4 はClまたBrを表わ
しn,m,k,jは0〜4の整数である。
【0030】合成法や電子写真特性に関する文献として
は例えば特開昭57−148745号公報、同59−3
6254号公報、同59−44054号公報、同59−
31965号公報、同61−239248号公報、同6
2−67094号公報などがある。
【0031】TiOPcは、他のフタロシアニンと同様
に多形が存在する。例えば、特開昭59−49544号
公報(USP4,444,861)、特開昭59−16
6959号公報、特開昭61−239248号公報(U
SP4,728,592)、特開昭62−67094号
公報(USP4,664,997)、特開昭63−36
6号公報、特開昭63−116158号公報、特開昭6
3−198067号公報および特開昭64−17066
号公報に各々結晶形の異なるTiOPcが報告されてい
る。
【0032】本発明にはいかなる結晶形のTiOPcも
使用できるが、CuKα特性X線回折における回折角2
θ±0.2°が9.0°,14.2°,23.9°およ
び27.1°に強いピークを有する結晶形のTiOPc
が高感度で、本発明が有効に作用し、特に好ましい。
【0033】本発明によれば、可視光域に高い感度を示
す前記一般式(1)で表されるジスアゾ顔料(以下、ア
ゾキシ顔料と略すこともある)と赤外レーザー域に高い
感度を持つTiOPcとを共に電荷発生物質として含有
することから、可視光域から赤外光域の光に対して効率
よく電荷を発生することができる。
【0034】本発明においてアゾキシ顔料とTiOPc
の含有比は好ましくは50/1〜2/1、さらに好まし
くは20/1〜5/1に設定される。50/1よりアゾ
キシ顔料が多いと、長波長側の感度が不十分になり易
く、2/1よりアゾキシ顔料が少いと短波長側の感度が
不足し易くなる。
【0035】感光層を形成するにあたって、電荷発生材
料を混合する場合は、各材料を上記範囲の比率で適当な
結着樹脂と溶剤に分散するか、或いは個々に分散した液
を所定の比率になるように混合する。個々に分散する場
合、結着樹脂や溶剤はそれぞれ別のものでもさしつかえ
ない。積層する場合は個々に分散した液を、含まれる材
料の量が所定の比率になるような膜厚で各々塗布する。
この時、アゾキシ顔料の層が光源に近くなるような順で
積層するのが好ましい。
【0036】ここで用いられる結着樹脂としては、例え
ば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルカル
バゾール樹脂、フエノキシ樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルベンザール
樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、
ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、塩化ビニリデ
ン・アクリロニトリル共重合体樹脂などが主として挙げ
られる。
【0037】本発明の感光体の構成は、電荷発生層と電
荷輸送層との積層型、あるいは電荷発生材料と電荷輸送
材料とが混在する単層型の両者が適用される。さらに前
者の場合、積層の順序が2通りあるが、そのうち支持体
側から電荷発生層、電荷輸送層の順で積層する構成が一
般的である。その構成を例にとって感光体の態様を説明
する。
【0038】導電性支持体としては導電性を有するもの
であれば良く、アルミニウム、ステンレスなどの金属、
あるいは導電層を設けた金属、プラスチック、紙などが
あげられ、形状としては円筒状又はフィルム状等があげ
られる。
【0039】また、導電性支持体と感光層の間にはバリ
ヤー機能と接着機能を持つ下引き層を設けることもでき
る。
【0040】下引き層の材料としては、ポリビニルアル
コール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メ
チルセルロース、カゼイン、ポリアミド、ニカワ、ゼラ
チンなどが用いられる。
【0041】これらは、適当な溶剤に溶解して導電性支
持体上に塗布される。
【0042】さらに支持体と下引き層との間に、基体の
ムラや欠陥の被覆、及び画像入力がレーザー光の場合に
は散乱による干渉縞防止を目的とした導電層を設けるこ
とが好適である。これは、カーボンブラック、金属粒
子、金属酸化物等の導電性粉体を、結着樹脂中に分散し
て形成することができる。導電層の膜厚は5〜40ミク
ロン、好ましくは10〜30ミクロンが適当である。
【0043】電荷輸送層は主として電荷輸送材料と結着
樹脂とを溶剤中に溶解させた塗料を塗工乾燥して形成す
る。
【0044】用いられる電荷輸送材料としては各種のト
リアリールアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチ
ルベンゼン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾー
ル系化合物、チアゾール系化合物、トリアリルメタン系
化合物などが挙げられる。結着樹脂としては電荷発生層
に用いたものと同様の樹脂を用いることができる。
【0045】これらの感光層の塗布方法としては、デイ
ッピング法、スプレーコーティング法、スピンナーコー
ティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティ
ング法、ビームコーティング法などを用いることができ
る。
【0046】図1に本発明の電子写真感光体を用いた一
般的な転写式電子写真装置の概略構成例を示した。
【0047】図において、1は像担持体としての本発明
のドラム型感光体であり軸1aを中心に矢印方向に所定
の周速度で回転駆動される。該感光体1はその回転過程
で帯電手段2によりその周面に正または負の所定電位の
均一帯電を受け、次いで露光部3にて不図示の像露光手
段により光像露光L(スリット露光・レーザービーム走
査露光など)を受ける。これにより感光体周面に露光像
に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0048】その静電潜像はついで現像手段4でトナー
現像されそのトナー現像像が転写手段5により不図示の
給紙部から感光体1と転写手段5との間に感光体1の回
転と同期取りされて給送された転写材Pの面に順次転写
されていく。
【0049】像転写を受けた転写材Pは感光体面から分
離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写
物(コピー)として機外へプリントアウトされる。
【0050】像転写後の感光体1の表面はクリーニング
手段6にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化さ
れ、更に前露光手段7により除電処理されて繰り返して
像形成に使用される。
【0051】感光体1の均一帯電手段2としてはコロナ
帯電装置が一般に広く使用されている。また転写装置5
もコロナ転写手段が一般に広く使用されている。電子写
真装置として、上述の感光体や現像手段、クリーニング
手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニット
として一体に結合して構成し、このユニットを装置本体
に対して着脱自在に構成しても良い。例えば、感光体1
とクリーニング手段6とを一体化してひとつの装置ユニ
ットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着
脱自在の構成にしても良い。このとき、上記の装置ユニ
ットの方に帯電手段および/または現像手段を伴って構
成しても良い。
【0052】光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプ
リンターとして使用する場合には、原稿から反射光の透
過光、あるいは、原稿を読取り信号化し、この信号によ
りレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、または
液晶シャッターアレイの駆動などにより行われる。
【0053】ファクシミリのプリンターとして使用する
場合には、光像露光Lは受信データをプリントするため
の露光になる。図2はこの場合の1例をブロック図で示
したものである。
【0054】コントローラ11は画像読取部10とプリ
ンター19を制御する。コントローラ11の全体はCP
U17により制御されている。画像読取部10からの読
取データは、送信回路13を通して相手局に送信され
る。相手局から受けたデータは受信回路12を通してプ
リンター19に送られる。画像メモリ16には所定の画
像データが記憶される。プリンタコントローラ18はプ
リンター19を制御している。14は電話である。回線
15から受信された画像情報(回線を介して接続された
リモート端末からの画像情報)は、受信回路12で復調
された後、CPU17で復号処理が行なわれ、順次画像
メモリ16に格納される。そして、少なくとも1ページ
の画像情報がメモリ16に格納されると、そのページの
画像記録を行なう。CPU17は、メモリ16より1ペ
ージの画像情報を読み出し、プリンタコントローラ18
に復号化された1ページの画像情報を送出する。プリン
タコントローラ18は、CPU17からの1ページの画
像情報を受け取るとそのページの画像情報記録を行なう
べく、プリンター19を制御する。
【0055】尚、CPU17は、プリンター19による
記録中に、次のページの受信を行なっている。
【0056】以上の様にして、画像の受信と記録が行な
われる。
【0057】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
に利用するのみならず、レーザービームプリター、CR
Tプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レ
ーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いることが
できる。
【0058】次に本発明に用いるTiOPcの製造例を
示す。 〔製造例1〕α−クロルナフタレン100g中、o−フ
タロジニトリル5.0g、四塩化チタン2.0gを20
0℃にて3時間加熱攪拌したのち、50℃まで冷却して
析出した結晶を濾別、ジクロロチタニウムフタロシアニ
ンのペーストを得た。次にこれを100℃に加熱した
N,N′−ジメチルホルムアミド100ミリリットルで
攪拌下洗浄、次いで60℃のメタノール100ミリリッ
トルで2回洗浄を繰り返し、濾別した。更に、この得ら
れたペーストを脱イオン水100ミリリットル中80℃
で1時間攪拌、濾別して青色のTiOPc結晶を得た。
収量4.3g。
【0059】この化合物の元素分析値は以下の通りであ
った。 元素分析値(C32168 TiO) C H N Cl 計算値(%) 66.68 2.80 19.44 0.00 実測値(%) 66.50 2.99 19.42 0.47 次にこの結晶を濃硫酸30ミリリットルに溶解させ、2
0℃の脱イオン水300ミリリットル中に攪拌下で滴下
して再析出させて濾過し十分に水洗した後、非晶質のT
iOPcを得た。このようにして得られた非晶質のTi
OPc4.0gをメタノール100ミリリットル中室温
(22℃)下、8時間懸濁攪拌処理し、濾別、減圧乾燥
して低結晶性のTiOPcを得た。次に、このTiOP
c2.0gにn−ブチルエーテル40ミリリットルを加
え、1mmφのガラスビーズと共にミリング処理を室温
(22℃)下20時間行った。
【0060】この分散液より固形分を取り出し、メタノ
ール、次いで水で十分に洗浄、乾燥して本発明の新規な
結晶のTiOPcを得た。収量1.8g。このTiOP
cのX線回折における回折角2θ±0.2°は、9.0
°,14.2°,23.9°,および27.1°に強い
ピークを有していた。
【0061】また、この顔料の最大吸収波長は780n
mであった。 〔製造例2〕特開昭61−239248号公報(USP
4,728,592)に開示されている製造例に従っ
て、いわゆるα型とよばれている結晶形のTiOPcを
得た。この顔料の最大吸収波長は800nmであった。 〔製造例3〕製造例1と同様にして非晶質のTiOPc
を得た。この非晶質のTiOPcをo−ジクロルベンゼ
ンにて室温で1時間撹拌して、X線回折におけるブラッ
グ角2θ±0.2°は9.5°,9.7°,15.0
°,23.5°,24.1°,27.3°に強いピーク
を有するTiOPcを得た。また、この顔料の最大吸収
波長は780nmであった。
【0062】
【実施例】次に本発明を実施例に従って説明する。実施
例中部は重量部を示す。 〔実施例1〕10%酸化アンチモンを含有する酸化スズ
で被覆した酸化チタン粉体50部、レゾール型フェノー
ル樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5
部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポ
リオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)
0.002部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミ
ル装置で2時間分散して導電層用塗料を調製した。
【0063】アルミニウムシリンダー(φ80mm×3
60mm)上に、上記塗料を浸漬塗布し、140℃で3
0分間乾燥させ、膜厚20μmの導電層を形成した。
【0064】この上に6−66−610−12四元系ポ
リアミド共重合体樹脂5部をメタノール70部とブタノ
ール25部の混合溶媒に溶解した溶液をディッピング法
で塗布乾燥して1μm厚の下引き層を設けた。
【0065】次に、製造例1で得られたTiOPc結晶
1部と、以下の構造のシスアゾ顔料7部を、
【0066】
【化15】 ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−
1、積水化学製)4部をシクロヘキサノン100部に溶
解した液に添加し、1mmφのガラスビーズを用いたサ
ンドミルで3時間分散し、これに100部の酢酸エチル
を加えて、希釈した後回収して、これを下引き層上に塗
布した後、80℃で10分間乾燥して、膜厚0.25μ
mの電荷発生層を形成した。尚、このアゾキシ顔料の最
大吸収波長は550nmである。
【0067】次に下記構造式
【0068】
【化16】 で示される電荷輸送材料10部とビスフェノールZ型ポ
リカーボネート樹脂10部をモノクロルベンゼン60部
に溶解した溶液を作成し、電荷発生層上にディッピング
法により塗布した。これを110℃の温度で1時間乾燥
して24μm厚の電荷輸送層を形成した。 〔比較例1〕実施例1において、TiOPcの代りに下
記構造のジスアゾ顔料を用いたことを除いては同様に感
光体を作成した。
【0069】
【化17】 〔比較例2〕比較例1において、上記ジスアゾ顔料とア
ゾキシ顔料の比率を3対5としたことを除いては、比較
例1と同様に感光体を作成した。これらの実施例1、及
び比較例1、2で得られた感光体を像露光光源としてハ
ロゲンランプを用い、更に半導体レーザー(波長785
nm)によるイレース露光手段を有する複写機(商品名
NP−4835:キャノン製)に装着し、電子写真特性
を評価した。暗部電位を−650Vとした時に明部電位
が130Vとなる光量、イレース後電位が80Vとなる
レーザー光量、さらに1000枚連続コピーを行った時
の表面電位の変化を測定し、これらを表1に示す。
【0070】
【表1】 ここに示すように、本発明の実施例の感光体は可視光光
源、赤外レーザー光源共に高い感度を有していると同時
に連続コピー時の電位の安定性も十分であり、すぐれた
特性を示す。一方、比較例においては、両光源での感度
を満足しないと共に、メモリー特性の劣化に起因する連
続電位変化が大きい。 〔実施例2〕実施例1において、アゾキシ顔料として下
記構造のジスアゾ顔料を用い、TiOPcとの比率を6
対1としたことを除いては実施例1と同様に感光体を作
成した。
【0071】
【化18】 〔実施例3〕実施例1において、アゾキシ顔料として下
記構造のジスアゾ顔料を用い、TiOPcとして製造例
2で得られたものを用い、アゾキシ顔料対TiOPcの
比率
【0072】
【化19】 を10対1とした。また電荷輸送材料として下記構造の
ヒドラゾン化合物を用いた。
【0073】
【化20】 その他は実施例1と同様に感光体を作成した。 〔実施例4〕実施例1において、TiOPcとして〔製
造例3〕で得られたものを用いたことを除いては、実施
例1と同様に感光体を作成した。 〔実施例5〕実施例1において、電荷輸送材料として下
記構造のフルオレノン化合物(8)を用いたことを除い
ては、実施例1と同様に感光体を作成した。
【0074】
【化21】 〔実施例6〕実施例2において、電荷輸送材料として前
記構造のフルオレノン化合物(8)を用いたことを除い
ては、実施例2と同様に感光体を作成した。 〔実施例7〕実施例1と同様にして下引き層までを塗布
した後、製造例1のTiOPc5部をシクロヘキサノン
200部に溶解したポリビニルブチラール樹脂(商品名
エスレックスBX−1、積水化学製)3部に加え、1m
mφのガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散
し、これに200部の酢酸エチルを加えて希釈した後回
収して、これを下引き層上に塗布した。膜厚は、層中の
TiOPcの含有量が40mg/m2 となるように調整
した。次にアゾキシ顔料は実施例1に用いた下記化合物
8部を
【0075】
【化22】 シクロヘキサノン100部に溶解したポリビニルブチラ
ール(商品名:エスレックBL−S、積水化学製)4部
に加え、同様に分散して上記TiOPcの上に積層塗布
した。膜厚は、層中のアゾキシ顔料の含有量が240m
g/m2となるように調整した。
【0076】この上に実施例1と同様にして電荷輸送層
を形成した。これらの感光体に対し前述のような評価を
行った。その結果を表2に示す。
【0077】
【表2】 測定に用いた複写機NP−4835において、イレース
露光光源として半導体レーザーのかわりに680nmの
LEDを取り付けたものを用意し、同様にしてイレース
後電位が130VになるときのLED光量を測定した。
その結果を表3に示す。
【0078】
【表3】
【0079】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明の感光体は可視光から赤外光までの巾広い波長域にお
いて高い感度を有し、かつ耐久時に良好な電位安定性を
維持する等の優れた電子写真特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な転写式電子写真装置の概略構成図であ
る。
【図2】電子写真装置をプリンターとして使用したファ
クシミリのブロック図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金丸 哲郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 山▲崎▼ 至 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 穴山 秀樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 岸 淳一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 相野谷 英之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 青砥 寛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭48−43942(JP,A) 特開 平3−95561(JP,A) 特開 平4−223474(JP,A) 特開 昭59−61840(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/00 - 5/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該感光層がオキシチタニウムフタロ
    シアニンと下記一般式(1) 【化1】 (式中、A1 およびA2 は同一でも異なってもよく、フ
    ェノール性水酸基を有するカプラー残基を表わす)で表
    わされるジスアゾ顔料とを含有することを特徴とする電
    子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記感光層が、電荷発生層と電荷輸送層
    を有し、少なくとも該電荷発生層は前記オキシチタニウ
    ムフタロシアニンと前記一般式(1)で表わされるジス
    アゾ顔料とを含有する請求項1に記載の電子写真感光
    体。
  3. 【請求項3】 前記ジスアゾ顔料が、下記式(2) 【化2】 で表わされるアゾキシ顔料である請求項1または2に記
    載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3に記載の電子写真感光
    体を備えたことを特徴とする電子写真装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3に記載の電子写真感光
    体を備え、かつリモート端末からの画像情報を受信する
    受信手段を有することを特徴とするファクシミリ。
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